JP2980737B2 - 糊付け機の水分率制御方法 - Google Patents

糊付け機の水分率制御方法

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JP2980737B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たて糸の糊付け機で、
糊付け・乾燥後のたて糸の水分率を制御する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】実開昭62−187292号公報、特公
昭53−7596号公報および特開平2−154055
号公報などは、糊付け後のたて糸の乾燥度を一定にする
ためにたて糸の水分率を検出し、乾燥温度、たて糸の走
行速度のいずれか一方を変更して、水分率を目標値に調
整している。これらの制御方法は、いずれも乾燥温度お
よび走行速度のうち、いずれか一方のみを制御対象とし
ており、実際の制御過程で、他方のものを一定の値に維
持している。
【0003】
【従来技術の問題点】制御系が走行速度を一定にして、
温度を変更するとき、温度制御の応答性が遅いため、応
答遅れの区間で、糊付け後のたて糸の品質が低下する。
このため、一般的には、温度を一定にした状態で、速度
を変更することになるが、最適な温度設定の状態すなわ
ちたて糸の走行速度が上限値内であって、できるだけ高
い速度平均値が得られるような温度の設定が困難であ
る。
【0004】もし設定温度が高すぎると、平均速度が高
くなるので、生産性は良好となる。しかし、制御中に、
たて糸の走行速度が上限値を超えることもあり、水分率
制御が不能となって、糊液の浸透不足などからたて糸の
品質が低下する。また逆に、設定温度が低すぎると、水
分率制御は正常に行えるが、平均速度が過度に低くなる
ので、生産性は減少する。
【0005】一方、上記公報のうち、特開平2−154
055号公報は、たて糸の走行速度および乾燥工程の温
度を変更することを示唆しているが、具体的な開示はな
い。
【0006】
【発明の目的】したがって、本発明の目的は、たて糸の
品質を低下させることなく、すなわち水分率の制御不能
とすることなく、高い生産性の下で水分率を目標値に制
御することである。
【0007】
【発明の解決手段】上記目的の下に、本発明は、たて糸
の水分率を目標値としてたて糸の走行速度を走行速度の
上限値内で制御する速度制御部と、乾燥工程の熱量を所
定の値に制御する熱量制御部とを用い、走行速度が上限
値に達しているときに、熱量制御部によって、熱量を減
少する方向に補正指令を出力することで、たて糸の走行
速度が上限値を超えて設定されることを回避しながら水
分率を目標値に近づけ、糊付け後のたて糸品質を保持す
るとともに、走行速度が上限値に達していないとき、熱
量制御部によって、熱量を増加する方向の補正指令を出
力することで、間接的にたて糸の走行速度を高めながら
水分率を制御することにより、生産性を高める方向に調
整している。
【0008】ここで、2つの制御対象すなわち走行速度
および熱量のうち、走行速度が熱量に優先して制御対象
の水分率に対する直接の操作量となっているため、たて
糸の品質を低下させることなく、高い生産性の下で水分
率制御が可能となる。
【0009】
【糊付け機および制御系の概要】図1は、糊付け機1の
概要をたて糸2の経路とともに示し、またこれらと制御
装置3との接続関係を示している。
【0010】多数のたて糸2は、シート状となって、ガ
イドロール4、ドライブロール5に巻き掛けられた後、
サイジングボックス6の位置で、サイジングロール7お
よびプレスロール8の間を通過することにより、サイジ
ングボックス6に収容された糊液14に接した後、乾燥
機9の内部に入り、複数のシリンダロール10の外周に
千鳥状に巻き掛けられ、ここで乾燥状態となり、ガイド
ロール11、テイクアップロール12を経て、巻取りビ
ーム13の外周に巻き取られていく。
【0011】ここで、ドライブロール5、一方のサイジ
ングロール7、すべてのシリンダロール10、テイクア
ップロール12および巻取りビーム13は、共通のモー
タ15および複数の変速機16、17、18、19によ
ってそれぞれ駆動されるようになっている。また、乾燥
用の熱20例えば蒸気は、熱源21から供給され、調節
器22を経て、乾燥用のシリンダロール10に供給され
る。
【0012】そして、上記制御装置3は、速度制御部2
3と、熱量制御部24とによって構成されている。速度
制御部23は、たて糸2の水分率Aを制御の目標値とし
ており、水分率検出器25から水分率Aのデータを取り
込み、糊付け工程および乾燥工程で制御対象のたて糸2
の走行速度Vを調節するために、モータ15の回転速度
を制御する。また、熱量制御部24は、速度制御部23
からの指令および温度検出器26からの温度Tのデータ
を入力として、熱源21の調節器22の開度を制御する
ことによって、乾燥工程の熱量(温度)を制御してい
く。
【0013】なお、乾燥機9が、熱風を吹き付けること
により、たて糸2を乾燥させる形式のものである場合、
熱量制御部24は、熱量制御として、熱風の温度あるい
は、熱風の流量を変更する。
【0014】
【実施例1】図2は、速度制御部23および熱量制御部
24の具体的な構成を示している。速度制御部23は、
目標水分率Aoの設定器27、比較器28、変換器2
9、基本速度Voの設定器30、加え合わせ点31、比
較点32、駆動増幅器33、タコジェネレータ34、比
較器35および上限速度Vlimの設定器36によって
構成されている。
【0015】また、熱量制御部24は、減少・増加量△
Qの設定器37、38、目標熱量Qoの設定器39、加
え合わせ点40、リミッタ41、上限熱量Qlimの設
定器42、比較点43、駆動増幅器44によって構成さ
れている。なお、設定器39には、たて糸2の高い走行
速度Vのもとで水分率Aの制御が行われるように、たて
糸2への影響を考慮しながら、できるだけ高い値が目標
熱量Qoとして設定される。
【0016】糊付け機1の糊付け・乾燥動作中に、たて
糸2の水分率Aは、水分率検出器25によって検出さ
れ、比較器28の入力となる。ここで、比較器28は、
目標水分率Aoと実測した水分率Aとを比較し、水分率
偏差ΔAの信号を発生し、変換器29および設定器37
に送り込む。
【0017】変換器29は、水分率偏差ΔAを速度偏差
ΔVに対応する電圧に変換し、加え合わせ点31に送り
込む。したがって駆動増幅器33の入力は、基本速度V
oと速度偏差ΔVとの和の指令電圧Eとなっており、こ
の指令電圧Eに基づいて、モータ15の回転速度を制御
することによって、たて糸2の走行速度Vを調節し、乾
燥工程でのたて糸2の滞留時間の長短により、水分率A
を目標水分率Aoに近づけていく。なお、モータ15の
回転状態は、タコジェネレータ34によって電圧として
検出され、比較点32に負帰還される。
【0018】このようにして速度制御部23は、水分率
Aを制御目標として、たて糸2の走行速度Vを調整する
ことによって、間接的に水分率Aを目標水分率Aoに近
づけていく。なお比較器35は、現在の走行速度Vと上
限速度Vlimとを比較し、速度余裕度(Vlim−
V)の信号を発生し、変換器29の他、設定器37、3
8などに送り込んでいる。
【0019】一方、熱量制御部24の内部の駆動増幅器
44は目標熱量Qoを入力として、温度Tのフィードバ
ック制御の下に、調節器22の開度を調節し、熱量20
を制御していくが、速度制御部23の制御状態に応じ
て、熱量20を変更していく。
【0020】制御過程で、走行速度Vが上限速度Vli
mに達したとき、水分率偏差ΔAが0であれば問題はな
いが、走行速度Vが上限速度Vlimに達しても、なお
過乾燥状態に対応する水分率偏差ΔAが生じている場
合、水分率偏差ΔAが長時間に亙って出力されることに
なる。したがって過乾燥状態に対応する水分率偏差ΔA
の出力時間が長く継続するとき、あるいは速度余裕
(Vlim−V)=0となったとき、または水分率偏差
ΔAの出力時間が長く、かつ速度余裕度(Vlim−
V)=0となっているとき、水分率Aが速度制御部23
のみによって調整しきれず、たて糸2が過乾燥の状態に
あるため、熱量制御部24の設定器37は、減少指令の
ために減少量ΔQの出力を負の符号として加え合わせ点
40に出力し、これと目標熱量Qoとの和の熱量Qの信
号を駆動増幅器44の入力とする。この減少量ΔQは、
水分率偏差ΔAに比例した量または所定の量として予め
設定される。
【0021】このようにして、速度制御部23による水
分率制御が限界となったとき、すなわち、上記条件が満
たされたとき、熱量制御部24は、熱量Qを減少させる
ことによって、たて糸2の走行速度Vを上限速度Vli
mの範囲内に制限しながら、水分率Aを目標水分率Ao
に近づけていく。そして、水分率偏差ΔAが0となった
とき、または走行速度Vが上限速度Vlimを下回った
とき、熱量制御部24は、熱量Qの減少を停止させる。
これにより、高い走行速度Vのもとで、水分率Aが目標
水分率Aoに維持される。したがって、たて糸2は、品
質を損なうことなく、高い生産性のもとで、その水分率
が制御されることになる。
【0022】その後、水分率が変化し、水分率制御の過
程で、速度余裕度(Vlim−V)>0となったとき
に、設定器38は熱量Qを増加させるために、増加量Δ
Qの出力を正の符号として発生し、加え合わせ点40に
出力することによって、熱量20を増加させる方向に変
更していく。この熱量増加補正によって、走行速度Vが
変わらなくても、水分率Aがやがて目標水分率Aoより
も低くなってくるため、速度制御部23は、モータ15
の速度を高めることによって、水分率Aを目標水分率A
oに近づけるとともに、生産性を高める方向に補正して
いく。この熱量Qの増加は、速度余裕度(Vlim−
V)=0となるまで行われることになる。ここで、増加
量ΔQは、速度余裕度(Vlim−V)に比例した量
または所定量として与えられる。
【0023】また、熱量Qの増加過程で、リミッタ41
は、設定器42に設定された上限熱量Qlimの範囲内
に制限して出力することにより、異常乾燥を防止する。
なお上記のように、熱量Qの積極的な増加動作を、速度
余裕度(Vlim−V)>0となったときから速度余裕
度(Vlim−V)=0となるまで行っている。しか
し、一方で速度余裕度(Vlim−V)=0となったと
き、熱量Qを積極的に減少させているので、熱量Qの制
御が不安定になる傾向がある。したがって、速度余裕度
(Vlim−V)に許容範囲k(kは正数)を設け、速
度余裕度がkを越えたとき、熱量Qを積極的に増加さ
せ、許容範囲k以下となったときに、増加を停止させれ
ば熱量制御が安定に行われる。
【0024】
【実施例2】図3は、水分率偏差ΔAに応じてドライバ
45によってアクチュエータ46を駆動し、速度設定器
47の基本速度Voつまり目標値自体を直接変更する例
である。すなわち、比較器28は、前記実施例と同様
に、水分率偏差ΔAの出力を発生しているが、その符号
の正または負に応じて、ドライバ45は、ロータリアク
チュエータ46の回転方向を設定し、かつ水分率偏差Δ
Aの絶対値に応じて回転量を調節することによって、速
度設定器47の設定値を変更していく。
【0025】したがって、駆動増幅器33は、変更され
た後の基本速度Voを入力としてモータ15を駆動する
ことになる。なお、基本速度Voが上限速度Vlimに
等しくなったとき、リレー48は、接点49を開くこと
によって、増速方向への補正を制限するとともに、接点
60を開くことによって、熱量Qの増加方向への補正が
行われないようにしていく。
【0O26】一方、水分率偏差ΔAは、加え合わせ点5
5から積分器50に出力される。この積分器50は、速
度制御部23によって水分率制御が行われているときの
水分率偏差ΔAの出力時間よりも大きな積分時定数を有
している。このため、通常、水分率偏差ΔAが発生して
も、基本速度Voが変更され、即座に偏差が解消される
ので、水分率偏差ΔAは積分器50には積分されない。
したがって、基本速度Voが上限速度Vlimの範囲内
にあるとき、熱量制御部24によって、熱量Qが目標熱
量Qoと等しくなるように制御されている。
【0027】水分率制御の過程で基本速度Voが上限速
度Vlimに達してしまい、さらに過乾燥状態に対応す
る水分率偏差ΔAが生じている場合、水分率偏差ΔAが
上記積分時定数よりも長い時間出力されることになる。
よって、この水分率偏差ΔAが積分器50に積分され、
比較点51に熱量減少方向の補正信号として出力され
る。したがって、駆動増幅器44は、水分率偏差ΔAの
積分信号と目標熱量Qoとの差を入力として熱量Qを減
少方向に制御していくことにより、水分率Aを目標水分
率Aoに近づけていく。これによって、上限速度Vli
mに等しい基本速度Voのもとで水分率Aが目標水分率
Aoに制御される。
【0028】後に室温、湿度など周辺の環境の変化や糊
の状態の変化により、水分率Aが変化し、水分率制御の
過程で基本速度Voが上限速度Vlimを下回ったと
き、比較器35は、リレー48を不作動状態とすること
によって接点49および接点60を閉じる。このときの
熱量Qは、目標熱量Qoより低い状態にあるので、リレ
ー53によって、接点54は閉じられている。
【0029】したがって、基本速度Voが上限速度Vl
imを下回ったとき、設定器38からの増加量AQが積
分器50を介して比較点51に出力され、温度を上昇さ
せていく。この温度上昇過程で、水分率Aが変化して目
標水分率Aoよりも低くなるため、これに呼応して基本
速度Voが増加することになる。なお、この温度上昇
は、その後、熱量Qが目標熱量Qoと等しくなったと
き、または、基本速度Voが上限速度Vlimと等しく
なったとき、接点54または、接点60が開かれること
によって停止する。
【0030】したがって、基本速度Voが上限速度Vl
imを下回っても、積極的な温度上昇が行われ、温度上
昇が停止した時点では、より高い基本速度Voのもと
で、水分率Aが目標水分率Aoに維持されていることに
なる。
【0031】
【発明の効果】本発明では、糊付け後の糸品質を低下さ
せることなく、高い生産性の下で水分率制御が可能とな
り、また、たて糸走行速度が上限速度を下回ったときに
積極的に熱量を多くし、たて糸の走行速度を増大させる
構成とすれば、制限速度内で、生産性が一層高められ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】糊付け機でのたて糸経路とともに制御装置の構
成を示す概略図である。
【図2】実施例1に対応する制御装置のブロック線図で
ある。
【図3】実施例2に対応する制御装置のブロック線図で
ある。
【符号の説明】
1 糊付け機 2 たて糸 3 制御装置 9 乾燥機 14 糊液 15 モータ 20 熱 21 熱源 22 調節器 23 速度制御部 24 熱量制御部 25 水分率検出器 27 設定器 28 比較器 30 設定器 36 設定器 37 減少量の設定器 38 増加量の設定器 39 設定器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06B 15/12 F26B 13/06 F26B 25/22 G01N 25/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 たて糸の水分率を目標値として糊付け工
    程および乾燥工程でのたて糸の走行速度を走行速度の上
    限値内で制御する速度制御部と、乾燥工程の熱量を制御
    する熱量制御部とを有し、上記熱量制御部は、たて糸の
    走行速度が上限値に達しているときに、熱量を減少する
    方向の指令を熱源の調節器に出力することを特徴とする
    糊付け機の水分率制御方法。
  2. 【請求項2】 たて糸の水分率を目標値として糊付け工
    程および乾燥工程でのたて糸の走行速度を走行速度の上
    限値内で制御する速度制御部と、乾燥工程の熱量を制御
    する熱量制御部とを有し、熱量制御部は、たて糸の走行
    速度が上限値に達しているときに、熱量を減少する方向
    の指令を熱源の調節器に出力し、たて糸の走行速度が上
    限値に達していないときに、熱量を増加する方向の指令
    を熱源の調節器に出力することを特徴とする糊付け機の
    水分率制御方法。
JP3222523A 1991-05-24 1991-05-24 糊付け機の水分率制御方法 Expired - Lifetime JP2980737B2 (ja)

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