JP3021082B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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芳正 藤本
竹内  善幸
隆文 嶋田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水素分離型リフォーマと
固体高分子電解質型燃料電池とを用いた燃料電池システ
ムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水素分離型リフォーマと固体
高分子電解質型燃料電池とを使用する燃料電池システム
の実用化が検討されている。ここで、水素分離型リフォ
ーマは、メタンやメタノール等の炭化水素や含酸素炭化
水素から成る原料ガスを、水蒸気改良質反応とCOシフ
ト反応によって主に水素と二酸化炭素に分解し、これに
より発生した水素をリフォーマに内蔵された水素分離膜
を通して選択的に分離する作用を有する。そして、かか
るリフォーマでの水素分離は一般に、水素分離膜の透過
側に不活性ガスを流すか、あるいは透過側を減圧するこ
とにより実施される。また、固体高分子電解質型燃料電
池は、水素分離型リフォーマで生成した水素ガスを水素
極へ供給すると共に空気又は酸素を空気極へ供給するこ
とにより発電するものであるが、一般に固体高分子電解
質が乾燥状態になると性能が非常に低下するため、水素
極へ供給する水素ガスを加湿する必要がある。
【0003】このような燃料電池システムを一例と示す
図5に基づいてさらに詳しく説明する。
【0004】図5中、1は水素分離型リフォーマ(以
下、リフォーマという)であり、燃焼部2及びこの燃焼
部2に囲まれる改質触媒層3を有する。そして、改質触
媒層3の内側にはパラジウム合金等からなる水素分離膜
4を介して該改質触媒層3と接触する透過部5が形成さ
れている。
【0005】また、図中6は固体高分子電解質型燃料電
池(以下、燃料電池という)であり、水素極7及び空気
極8を有し、さらに燃料電池冷却系9が配設されてい
る。
【0006】上記リフォーマ1の改良触媒層3には、例
えばメタン等の炭化水素からなる原料ガス10とスチー
ム11とが混合された混合ガス12が導入されており、
この混合ガス12は下記「化1」に示す各反応により水
素、一酸化炭素及び二酸化炭素に分解される。
【0007】
【化1】
【0008】そして、改質触媒層3内の反応で得られた
分解ガスのうち水素だけが水素分離膜4を通して透過部
5へ分離される。
【0009】リフォーマ1の透過部5の一対の出入口の
一方からは不活性ガス13が導入されており、透過部5
へ分離された水素ガスは不活性ガスによって透過部5の
出入口の他方から排出され、水素ガス14として上記燃
料電池6の水素極7へ送られるようになっている。
【0010】一方、リフォーマ1の燃焼部2には、一部
の原料ガス15及び空気16が導入されており、原料ガ
ス15の燃焼により改質触媒層3を適温に加熱するよう
になっている。なお、改質触媒層3から排出される残ガ
ス17は燃焼部2に原料ガス15などと共に導入される
ようになっており、また、燃焼部2からは燃焼排ガス1
8が排出される。
【0011】リフォーマ1の改質触媒部3から排出され
た水素ガス14を燃料電池6の水素極7へ導入する系路
には熱交換器19と加湿器20とが順次介装されてお
り、水素ガス14は熱交換器19で冷却された後、加湿
器20に導入される。ここで、加湿器20は加湿器加熱
系21を具備し、別途導入される水22を蒸発させて水
素ガス14を加湿する作用を有する。すなわち、水素ガ
ス14は加湿器20で加湿されて加湿水素ガス23とし
て水素極7へ導入される。
【0012】一方、燃料電池6の空気極8へは空気24
が導入されている。そして、燃料電池6では加湿水素ガ
ス23及び空気24が反応することにより電気が発生す
る。なお、水素極6から排出される未反応水素ガス25
は循環用ブロア26を介してリフォーマ1の透過部15
へ送られる不活性ガス13と混合され、また、空気極8
からの排ガスは空気極排ガス27として排出される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したような燃料電
池システムでは、固体高分子電解質型燃料電池6の固体
区分子電解質が乾燥状態になると一般に性能が非常に低
下するため、水素ガス14を加湿するための加湿器20
が必ず必要となる。また、水素分離型リフォーマ1で
は、水素分離のために、減圧ポンプ又は不活性ガス13
を循環するための循環ポンプを設ける必要がある。しか
も、これらのポンプは、水素を取り扱うため安全性や信
頼性の高いものである必要があるため、機器コスト高の
原因となっている。
【0014】本発明はこのような事情に鑑み、水素ガス
の加湿や水素分離を改良する燃料電池システムを提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係る燃料電池システムは、炭化水素を原料とし、水
素を選択的に分離する水素分離型リフォーマと固体高分
子電解質型燃料電池を有する燃料電池システムにおい
て、エジェクタに水またはスチームを供給することによ
り発生する吸引力により上記リフォーマで分離される水
素を取り出し、該吸引された水素を上記水またはスチー
ムとともに上記燃料電池の水素極へ供給することを特徴
とする。 上記発明において、燃料電池の水素極からの未
反応水素ガスを水素分離型リフォーマへ循環させるよう
にしてもよい。 上記発明において、燃料電池の水素極か
らの未反応水素ガスをエジェクタへ循環させるようにし
てもよい。 上記発明において、エジェクタ作用を引き起
こす駆動流体がスチームであってもよい。 上記発明にお
いて、エジェクタ作用を引き起こす駆動流体が水であっ
てもよい。
【0016】
【作用】前記構成の燃料電池システムでは、水素分離型
リフォーマにおいては、水素の分離を行うのにエジェク
タ作用によって生じる吸引力を用いるので、減圧ポンプ
や不活性ガス循環のための循環ポンプを使用しなくて済
み、水素ガスを取り扱う際の安全性が高まる。また、エ
ジェクタ作用を引き起こす駆動流体としてスチームある
いは水を使用すると、水素分離型リフォーマから分離さ
れた水素に加湿する作用を同時に得ることができるの
で、加湿器を使用しなくて済む。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお、各実施例を示す図面において図5と同一作用を示
す部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】図1には第1の実施例に係る燃料電池シス
テムを概念的に示す。同図に示すように、本実施例で
は、リフォーマ1における水素分離のため並びに分離し
た水素を加湿するためにエジェクタ31を用いる。
【0019】エジェクタ31には駆動流体としてスチー
ム32が導入されており、エジェクタ31の吸引側はリ
フォーマ1の透過部5の一対の出入口の一方に連結され
ている。また、透過部5の出入口の他方には燃料電池6
の水素極7からの未反応水素ガス25が導入されている
が、この未反応水素ガス25を送るためのブロアは特に
設けられていない。
【0020】エジェクタ31の吸引作用(ポンプ作用)
により透過部5から排出された水素ガス14はエジェク
タ31でスチーム32により加湿されて熱交換器19へ
導入され、ほぼ燃料電池6の操作温度に設定された後、
水分離器33へ送られる。水分離器33では凝縮水34
が分離され、加湿水素ガス23が水素極7へ導入され
る。
【0021】本実施例の燃料電池システムでは、スチー
ム32を駆動流体とするエジェクタ31の吸引作用(ポ
ンプ作用)によって水素分離型リフォーマ1から分離水
素を排出すると共に該水素に加湿できるため、加湿器が
不要となり、また、水素ガスを排出するために不活性ガ
スを循環するためのポンプ等も不要となる。したがって
装置コストの低下が図れ、しかも水素と直接接触する部
分に電動駆動できない機構を採用できるので安全性が向
上する。
【0022】図2には第2の実施例に係る燃料電池シス
テムを概念的に示す。同図に示すように、本実施例は第
1の実施例と同様にスチーム32を駆動流体とするエジ
ェクタ31を用いるものであるが、水素極7からの未反
応水素ガス25をリフォーマ1の透過部5へ送らずにエ
ジェクタ31の吸引側へ導入するようにしている。すな
わち、リフォーマ1の透過部5の出入口を1箇所にし、
この出入口にエジェクタ31の吸引側を連結するように
している。
【0023】本実施例は、エジェクタ31の吸引作用に
より透過部5内が減圧状態となり、これにより水素が分
離されるものであり、他の作用効果は図1の第1の実施
例と同様である。
【0024】図3には第3の実施例に係る燃料電池シス
テムを概念的に示す。同図に示すように本実施例では水
を駆動流体とするエジェクタ(ジェットポンプ)41を
用いており、水42は水ポンプ43により駆動流体とし
てエジェクタ41へ送られるようになっている。ここ
で、燃料電池6の水素極7からの未反応水素ガスはリフ
ォーマ1の透過部5の一対の出入口の一方へ送られ、エ
ジェクタ41の吸引側は透過部5の出入口の他方へ連結
されている。また、透過部5とエジェクタ41との間に
は熱交換器19が介装され、エジェクタ41の下流には
水分離器33が設けられている。
【0025】したがって、本実施例では、エジェクタ4
1の吸引作用(ポンプ作用)により透過部5から排出さ
れた水素ガス14は熱交換器19により冷却された後、
エジェクタ41で噴霧状の水分と混合され、加湿されて
水分離器33へ送られる。そして、水分離器33では余
分な水が除去され、加湿水素ガス23が水素極へ送られ
る。なお、水分離器33で除去された凝縮水34は水ポ
ンプ43の上流側へ送られるようになっている。
【0026】本実施例の燃料電池システムは、水ポンプ
43で送られる水42を駆動流体とするエジェクタ41
の吸引作用(ポンプ作用)によって水素分離型リフォー
マ1から分離水素を排出すると共に該水素を加湿できる
ものであり、上述した実施例と同様の作用効果を奏す
る。
【0027】図4には第4の実施例に係る燃料電池シス
テムを概念的に示す。同図に示すように、本実施例は図
3に示す第3の実施例と同様に水42を駆動流体とする
エジェクタ41を用いるものであるが、水素極7からの
未反応水素ガス25をリフォーマ1の透過部5へ送らず
にエジェクタ41の吸引側へ導入するようにしている。
すなわち、リフォーマ1の透過部5の出入口を1箇所に
し、この出入口にエジェクタ41の吸引側を連結するよ
うにしている。
【0028】本実施例は、エジェクタ41の吸引作用
(ポンプ作用)により透過部5内が減圧状態となり、こ
れにより水素が分離されるものであり、他の作用効果は
図3に示す第3の実施例と同様である。
【0029】ここで、各実施例における、リフォーマ1
で分離された水素ガス14及び燃料電池1の水素極7へ
送られる加湿水素ガス23の条件の一例を下記表1〜表
4に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の燃料電池
システムは、エジェクタ作用により生じる吸引力を用い
て行うので、高価なモータ駆動の減圧ポンプや循環ポン
プが不必要となり、また、水素ガスを取り扱う際の安全
性が高くなる。また、エジェクタ作用を得る駆動流体と
してスチーム又は水を用いることにより、水素ガスの加
湿を兼ねることができるので、加湿器を設ける必要がな
いという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る燃料電池システムの概念図であ
る。
【図2】実施例2に係る燃料電池システムの概念図であ
る。
【図3】実施例3に係る燃料電池システムの概念図であ
る。
【図4】実施例4に係る燃料電池システムの概念図であ
る。
【図5】従来技術に係る燃料電池システムの概念図であ
る。
【符号の説明】
1 水素分離型リフォーマ 2 燃焼部 3 改質触媒層 4 水素分離膜 5 透過部 6 固体高分子電解質型燃料電池 7 水素極 8 空気極 14 水素ガス 19 熱交換器 23 加湿水素ガス 31,41 エジェクタ 32 スチーム 33 水分離器 42 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋田 隆文 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (56)参考文献 特開 平2−311301(JP,A) 特開 平6−168733(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/00 - 8/24 C01B 3/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素を原料とし、水素を選択的に分
    離する水素分離型リフォーマと固体高分子電解質型燃料
    電池を有する燃料電池システムにおいて、 エジェクタに水またはスチームを供給することにより発
    生する吸引力により上記リフォーマで分離される水素を
    取り出し、該吸引された水素を上記水またはスチームと
    ともに上記燃料電池の水素極へ供給する ことを特徴とす
    る燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 燃料電池の水素極からの未反応水素ガスを水素分離型リ
    フォーマへ循環させることを特徴とする燃料電池システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 燃料電池の水素極からの未反応水素ガスをエジェクタへ
    循環させることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において、 エジェクタ作用を引き起こす駆動流体がスチームである
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3において、 エジェクタ作用を引き起こす駆動流体が水であることを
    特徴とする燃料電池システム。
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