JP3023703B2 - 軸一体型回転体の中空射出成形方法及びその成形品 - Google Patents

軸一体型回転体の中空射出成形方法及びその成形品

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JP3023703B2
JP3023703B2 JP8513768A JP51376896A JP3023703B2 JP 3023703 B2 JP3023703 B2 JP 3023703B2 JP 8513768 A JP8513768 A JP 8513768A JP 51376896 A JP51376896 A JP 51376896A JP 3023703 B2 JP3023703 B2 JP 3023703B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、樹脂製軸一体型回転体の中空射出成形法に
関する。さらに詳しくは寸法精度が良好で、表面外観性
や生産性に優れ、さらにリサイクル性の向上など対環境
性においても優れている樹脂製軸一体型回転体の中空射
出成形法およびその成形品に関する。
〔背景技術〕
従来、中空射出成形法は、自動車の内・外装部品、テ
レビ外装部品など比較的大型の成形品の軽量化、剛性の
向上、構成する部品点数の低減や樹脂による構成部品の
一体化などを主な目的として、技術が発展、確立してき
た。しかし、近年は歯車やローラー類など比較的小型成
形品の寸法精度の向上、構成部品の一体化の要求に適用
する成形方法として注目されている。
各種回転体は自動車、一般機械、精密機械、電気・電
子機器等の各分野における機構部品として幅広く用いら
れている。樹脂製回転体は、成形性が良く、軽量で、し
かも錆びないという理由から、近年、種々の樹脂による
回転体の需要が増加すると共に、高精度が要求されるよ
うになってきた。通常、このような回転体としては動力
を100%伝達できる構造として軸を含めた回転体全体を
一体成形されたものであることが望ましい。
これまで、通常の射出成形法により軸一体型回転体を
得る試みがなされてきた。しかし、この方法によると部
分的に肉厚部が生じやすく、ヒケ、そり、たわみなどの
変形の度合いが増し、回転体の寸法精度(円筒度、同軸
度等)が悪くなる傾向にあった。
そのため、従来の射出成形の改善方法として、樹脂製
ローラーを一体成形できる金型のキャビティ内に未充填
部分が残るように樹脂を射出し、未充填部分に樹脂が行
き渡るよう樹脂内に加圧ガスを注入することにより、中
空成形品を得る方法が特開平5−208460号公報及びドイ
ツ特許3835964号公報に開示されている。
この方法で用いる金型は、加圧ガスの注入口がキャビ
ティ内に設けられた構造となっているため、この部分に
加圧ガスの注入跡が残ってしまう。このため、成形品を
金型から取り出した後、成形品のうち加圧ガスの注入跡
が残った部分を切断する工程を必要とする。また、キャ
ビティの軸線が水平になるように金型内に配置されてい
るため、該回転体の軸線に対し垂直な断面においては肉
厚が均一になりにくい。従って、回転体の重心と軸心が
一致しないため、寸法精度が悪く、その結果、回転体と
して一定の機能が得られないなどの不具合の発生が多く
見られた。
さらに、回転体の軸線が鉛直になるようにキャビティ
を配置し、該キャビティの底部にゲートを加圧ガス注入
管を設けた構造を有する金型を用いる中空射出成形方法
ニより回転体を得る方法が特開平7−108558号に開示さ
れている。
この方法に用いられる金型は、キャビティ底面と回転
体の軸線との交点上に加圧ガスの注入口を有する。しか
し、ゲートは加圧ガス注入口とは別個に前記交点を外れ
て設けられているため、キャビティ内に充填される樹脂
は均一な圧力で充填することが困難である。
このため、得られた回転体のゲート近傍においては、
肉厚が不均一となる。また、キャビティ底面と軸線の交
点上にゲートと加圧ガス注入口を設けると成形品を取り
出す際に手間がかかり、場合によっては成形時にガス注
入口からガスが漏れたり、取り出し時に成形品が変形し
たりする恐れがある。
〔発明の開示〕
本発明は、回転体の軸線とキャビティの端面との交点
にゲートを設けた金型を、該ゲートを有する端面がキャ
ビティの底となり、かつ該軸線が鉛直となるように配置
し、前記ゲートを介してキャビティ内への樹脂の充填と
加圧流体の注入を行うことで中空射出成形を行うことか
らなる、内部に中空部を有する樹脂製軸一体型回転体の
製造方法である。
本発明において「中空射出成形法」とは、射出成形に
おいて、溶融樹脂を金型のキャビティ内に射出中、或い
は、射出完了後に加圧流体を樹脂中に注入することによ
り、中空成形品を得る射出成形方法である。金型内に充
填された溶融状態の樹脂は、冷却・固化の進行とともに
体積が収縮する。通常の射出成形においては、その収縮
分を射出二次圧力(保圧力)をかけることにより補うこ
とが一般的に行われる。しかし、ゲートシール後はゲー
トの樹脂が固化するため、それ以降の射出二次圧による
効果を得ることはできない。
一方、中空射出成形法においては、溶融樹脂中に加圧
流体を供給することにより、樹脂の収縮を補いながら、
樹脂をキャビティ面に圧着させることが可能である。従
って、寸法精度が良好な成形品を得ることが可能であ
る。中空射出成形法の代表的な方法は、特公昭57−1496
8号公報に開示されている。
ここで「加圧流体」とは、成形品内部に中空を形成す
るために用いられる流体である。本発明では、23℃、1
気圧においてガス状または液状の流体で、射出成形の温
度及び圧力下で、成形に用いる溶融樹脂と反応または相
溶しないものが使用される。例えば窒素、炭酸ガス、空
気、ヘリウム、ネオン、アルゴン、グリセルン、流動パ
ラフィン等が挙げられるが、通常は加圧ガスが使用さ
れ、特に窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの不活
性ガスが好ましい、経済性を考慮すると、工業的には窒
素ガスが好ましい。通常、これらの流体には不純物が含
まれる。
本発明において「キャビティ」とは、金型のパーティ
ング面に設けられた凹みのうち、樹脂が充填され、成形
工程完了後に回転体が得られる部分を指す。
本発明にいう「鉛直方向」とは一般的には重力方向を
意味する。しかし実際には、成形機に金型を成形品の軸
線が鉛直方向となるように正確に取り付けることは困難
である。本発明においては、該溶融樹脂がゲート口から
キャビティ上端まで、均一に注入しうる範囲であれば、
形品の軸線が鉛直となるように、厳密にキャビティを配
置する必要はない。本発明では、該軸線が、鉛直方向を
中心に20゜の範囲にあることが好ましく、さらに好まし
くは鉛直方向を中心に10゜の範囲にあることである。
回転体の軸線が鉛直方向となるようにキャビティを配
置することにより、得られる成形品にジェッティングが
発生しにくい。
ここでジェッティングとは、キャビティへの樹脂の射
出開始時に樹脂が蛇行することにより、成形品に蛇行跡
が残ることをいう。
本発明による中空射出成形は、通常の射出成形機と加
圧流体注入装置の組み合わせによって行われる。加圧流
体注入装置は、樹脂の射出後に、配管を通して金型内の
溶融樹脂中に加圧流体を圧入し、設定された時間、この
流体圧を保持する装置である。キャビティ内の樹脂中に
流体を送り込むことができれば如何なる流体注入方式も
可能である。例えば、注入する流体を予め高圧に圧縮し
アキュームレーターに蓄え、配管を通して高圧流体を溶
融樹脂中に導入する方式や、一定量の流体を軽量しポン
プにより連続的に加圧しながら送り込む方式等がある。
流体の注入口は、高圧の流体を樹脂中に注入できる位置
であればどこに設けても良く、例えば成形機のノズル
(以下単にノズルと称する)、金型スプルー、金型ラン
ナー(以下単にスプルー、ランナーと称する)等の位置
が考えられる。その中でも、ノズル、スプルー、ランナ
ーのいずれかの位置より注入すると樹脂中に注入される
流体がゲートの中心部を通過してキャビティに到達する
ことになるため、成形品中央部に中空形状が形成され、
真円度、円筒度が高く、回転体の重心と回転軸心がほぼ
一致した回転体が得られる。
一方、キャビティ内の注入口から加圧流体を注入する
ことにより中空成形品を得ることも可能である。この場
合、加圧流体の注入口には樹脂層が形成されない。従っ
て、図1のように注入口近傍の断面形状が非対称とな
り、成形後の収縮が不均一に進行する。その結果、寸法
精度の低下(例えば、真円度、心振れの増大など)を招
く恐れがあり、好ましくない。
加圧流体を溶融樹脂内に注入する際、成形品内部に中
空部を効果的に形成させるためには流体の圧力は20〜30
0kg/cm3が好ましく、さらに好ましくは50〜250kg/cm2
ある。
加圧流体の注入後、樹脂が十分冷却・固化するまでの
間、中空部内の圧力を一定時間保持する必要がある。効
果的に中空部を形成するためには、注入した流体の圧力
を5〜120秒、さらに好ましくは10〜60秒保持する。
また、注入する流体の圧力及び、流体圧の保持時間の
設定を調整することにより、成形品寸法の調整を容易に
行うことができる。
中空部は、樹脂中の注入された加圧流体が、充填され
た樹脂のうちいまだ固化していない部分を選択的に進行
することにより形成される。従って、加圧流体の注入
は、キャビティ内への樹脂の射出完了10秒以内、好まし
くは5秒以内に開始することが必要である。射出完了後
10秒を越えると、溶融樹脂の冷却・固化がキャビティ面
と接している表層部から進行し、成形品内部に中空部を
形成することが困難になり、注入した加圧流体の効果
(たとえば、金型転写性の向上など)が十分に得られな
い。
本発明の中空射出成形には、通常熱可塑性樹脂が用い
られる。本発明で用いられる熱可塑性樹脂の例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AB
S樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポ
リサルフォン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチ
レン、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。通常の射
出成形が可能であれば、いかなる熱可塑性樹脂も用いる
ことができる。特にポリアセタール樹脂、及びポリアミ
ド樹脂は耐熱性が高く、機械的物性に優れ、さらには摺
動特性にも優れるため、回転体及び回転体以外の機構部
品の材料として用いられている例が多くあり、本発明に
おいても好適に用いられる。
また、熱硬化性樹脂も適用可能である。本発明に使用
しうる熱硬化樹脂の例として、フェノール樹脂、ユリア
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることがで
きる。
本発明では成形品内部に中空部を有するので、耐熱
性、機械的強度等を向上させる目的で、必要に応じて、
無機や有機の充填材を適宜樹脂に配合することが出来
る。好適な充填材には、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊
維、アラミド繊維、チタン酸カリウム、アスベスト、炭
化ケイ素、セラミック、窒化ケイ素、硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフィライト、
ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、雲母、ネフェ
リンシナイト、タルク、アタルパルジャイト、ウオラス
トナイト、スラグ繊維、フェライト、ケイ酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二
硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラス
パウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラス等の強化
充填材を挙げることが出来、これらは中空であってもよ
い。また、これらの強化充填材は2種以上を併用するこ
とも可能であり、必要によりシラン系、チタン系などの
カップリング剤で予備処理して使用する事ができる。ま
た、充填材として、炭素繊維、金属繊維、黒鉛の内の1
種類以上を選択すれば、成形品自体の電気抵抗値を下げ
ることができるため、ほこりなどの微小な粉体の静電気
による付着を防ぐことができるので好適である。
本発明において「中空部」とは、成形品内に生じる空
間のことをいい、巣(ボイド)や発泡剤により形成され
る中空部を指すものではない。
本発明において「回転体」とは、回転軸上の任意の位
置に、軸の回転に従って機能を発現するのに必要な形
状、例えば、ギア、プーリー、プーリー溝、クラッチ、
ローラー、カム、カム溝、キー溝、孔、切り欠きなどを
1種又は複数種を有している機能部品をいう。
さらに、本発明において好ましい中空射出成形方法に
ついて、以下に詳細に説明する。
第1の方法としては、キャビティ内に未充填部分が残
るよう溶融樹脂を射出し、次いで未充填部分に樹脂が行
き渡るよう樹脂内に加圧流体を注入することにより、中
空成形品を得る方法(例えば前述の特開平5−208460号
公報)がある。この場合キャビティ内に初めに充填する
樹脂の量をキャビティ容積の50〜90%、好ましくは60〜
80%程度とすると良い。
第2の方法としては、所定量の溶融樹脂をランナー、
キャビティ等に充填しつつ、加圧流体を溶融樹脂内に注
入することにより、キャビティ内への樹脂の充填と加圧
流体の充填とが同時に完了する中空射出成形法が挙げら
れる。
「同時注入法」と呼ばる上記の方法は、キャビティ内
において樹脂の流動が停止することなく中空成形品を得
ることができるため、ヘジテイション・マークの発生を
防止できる。溶融樹脂の充填量により、中空率の調整が
可能である。さらに、補助キャビティを設けることが構
造上不可能な金型を用いた中空成形に有効な成形法であ
るといえる。
ここで、「ヘジテイションマーク」とは、中空成形品
の表面に生じた微細な環状の凹凸を指す。ヘジテイショ
ンマークは、樹脂の射出時に固化した樹脂と、加圧流体
注入時に固化した樹脂との境界部分に環状に発生する。
この現象は、キャビティ内に未充填部分が残るように樹
脂を射出する工程と、加圧流体を樹脂中へ注入し、一部
の樹脂を押し出すことにより、キャビティ内の樹脂の未
充填部分に樹脂を到達させる工程とを有する中空射出成
形法により得られた中空成形品に起こる傾向がある。
尚、同時注入法における加圧流体の注入は、溶融樹脂
の射出完了後20秒以内に行うことが好ましく、さらに好
ましくは10秒以内に行うことである。
第3の方法としては、中空射出成形を行う際に、キャ
ビティ内に未充填部分が残らないように樹脂を充填し、
樹脂充填完了後、加圧流体を該樹脂内に注入する方法が
ある。この方法は通常「フルショット法」と称される。
フルショット法は、溶融樹脂の成形収縮分を補う量の
加圧流体により中空部が形成されるため、該中空部は溶
融樹脂の成形収縮分とほぼ同等の容積分しか得られな
い。より大きな容積を有する中空部を形成させる目的
で、補助キャビティ(補助室、捨てキャビティとも称す
る)を金型内に設ける方法が特開平3−121820号公報に
開示されている。
ここで、「補助キャビティ」とは、加圧流体注入時に
キャビティ中の一部の樹脂を逃がすための空間であり、
補助キャビディの容積を調整することにより、中空成形
品の中空率を調整することが容易となる。この補助キャ
ビティは、前述の2つの方法や後述の方法においても使
用することができる。
補助キャビティを用いたフルショット法による中空射
出成形においては、成形条件や補助キャビティの容量に
よっては加圧流体の一部が、主キャビティと補助キャビ
ティ間の連絡通路や補助キャビティに流入するので、成
形品の中空部と連続した中空部が補助キャビティ内に形
成される。従って、軸線方向の成形品長と中空部の長さ
が同一となる成形品が得られ、成形品の肉厚が薄くなる
ため、成形品内外表面で冷却時間差が小さくなるので収
縮が成形品全体にわたって均一に進行するという効果を
奏する。補助キャビティは、キャビティの上に設け、該
キャビティと補助キャビティをつなぐ連絡通路は、該キ
ャビティの上端面から軸線延長上に設けるとよい。ゲー
トと連絡通路口を成形品の軸線延長上に設けた金型を用
いると、中空部が軸線上を貫通することから好ましい。
また、回転体の軸線を中心とした中空形状が形成され成
形品の外周肉厚が均一となるので好ましい。
補助キャビティ内により確実に加圧流体を流入させる
ためには、補助キャビティの容積をキャビティの容積の
20〜60%、好ましくは30〜50%とするとよい。補助キャ
ビティをキャビティの容積の20〜60%とすると、軸線に
沿った中空部の長さの、成形品全体の長さに対する比が
80〜100%となる。
さらに、キャビティと該補助キャビティをつなぐの連
絡通路にシャットオフ弁を設けると良い。ここで、「シ
ャットオフ弁」とは、キャビティと補助キャビティ間の
遮断と連通を任意に切り替え可能な構造のことをいう。
シャットオフ弁の具体的な使用方法は次のとおりであ
る。まず、該シャットオフ弁を閉めた状態で、溶融樹脂
を、キャビティ内に未充填部分が残らないように溶融樹
脂を射出する。キャビティと補助キャビティの間は遮断
されているため、射出圧によって該樹脂が補助キャビテ
ィへの流出することが防止される。よって、樹脂が十分
キャビティ面に圧着され、金型転写性が確保される。次
いで樹脂中に加圧流体を注入開始後、主キャビティと補
助キャビティの間を連通させる。その結果、中空部の軸
方向断面長さが成形品軸方向の長さの80%以上である中
空部が形成される。
シャットオフ弁は、加圧流体を樹脂中に注入し始めて
から0〜10秒の間、さらに好ましくは、0.5〜5秒の間
に開けるとよい。これは、樹脂が冷却・固化する前に、
射出された樹脂の一部を、補助キャビティ内に押し広げ
る必要があるためである。
該シャットオフ弁の駆動源としては、射出成形機もし
くはガス注入装置などからの信号により該シャットオフ
弁の駆動タイミングの調整、設定が可能であれば、如何
なる方法によっても実施が可能であり、例えば油圧シリ
ンダーなどが考えられる。
第4の方法としては、樹脂をノズルからゲートまでの
間の空間の一部又は全体に充填し、成形に必要な量の樹
脂が充填された部分よりもノズルに近い側の注入口から
加圧流体を注入し、該キャビティ内に中空成形品を形成
する工程を有する中空射出成形法がある。
樹脂充填量、及び加圧流体注入位置は、形成しようと
する成形品の大きさや肉厚、中空部の大きさ等により適
宜設定すればよい。加圧流体の注入口は、ノズルに近い
方が、加圧流体によりキャビティ内に射出される樹脂の
量を確保しやすいため好ましい。また、スプルーやラン
ナーの容積を拡大することも、射出される樹脂を確保す
る上で有効である。さらに、加圧流体注入後注入された
加圧流体の圧力を解放するまでにその圧力を一定時間保
持すると好ましい。
この中空射出成形法は、ポリアセタール樹脂のような
結晶性の樹脂や、充填剤を含むために結晶化速度が特に
速い樹脂を用いた場合にも、表面外観の優れた中空成形
品を得ることができる。また、キャビティ内への樹脂の
充填が全て加圧流体により行われるため、他の中空射出
成形法と比較して、キャビティの樹脂の充填が、低圧か
つ均一な圧力、均一な速度で進行する。このため、成形
歪みの小さい中空成形品を得ることが可能である。ま
た、補助キャビティの設置が不可能であるような複雑な
構造の金型を用いて中空射出成形を行う場合、大きな中
空率を有する中空成形品を得るのに有効な手段である。
図2(a)〜(c)にこの成形方法の工程の一例を示
す。図2(a)は、ノズル10からゲート14までの空間の
一部又は全体に、射出成形機によりスプルー9から溶融
樹脂を射出する工程である。図2(b)は、ノズルに設
けられた加圧流体注入口(図示せず)から加圧流体を注
入する工程である。このとき、充填された樹脂がキャビ
ティ内に押し出され、続いて樹脂内に中空部が形成され
る。図2(c)は、樹脂中に注入された加圧流体の圧力
を一定時間、例えば30秒間保持する工程を示している。
この工程完了後、加圧流体の圧力を解放する。
この方法においても、金型のノズルからゲートの間に
シャットオフ弁を設けることができる。例えば樹脂をラ
ンナー等へ充填する工程においては、シャットオフ弁
を、例えばランナー上やランナーとキャビティの境界上
に設け、このシャットオフ弁を閉じることにより樹脂が
キャビティに流入することを防止する。そして、加圧流
体の注入後10秒以内に、シャットオフ弁を開くことによ
り、ランナーとキャビティの間を連通させればよい。結
晶化速度の速い樹脂を用いる場合は、ランナー上にシャ
ットオフ弁を設ければ、ショット毎に表面外観のよい成
形品が安定して得られるので好ましい。
さらに、本発明の何れの中空射出成形方法において
も、ゲートランドや、軸部とローラ部の境界部分等にお
ける角の1つ又は複数について、金型の角取り加工を施
すことが好ましい。
ここで「角」とは、金型又は成形品断面において、キ
ャビティ表面又は成形品外表面に存在する角のことをい
う。具体的には、図3(a)に示されるのゲートランド
13付近の角15や、図4(a)に示したような軸部とロー
ラー部の境界部分16の角、図4(b)に示したような軸
部とギア部の境界部分16の角、図4(c)に示したよう
な軸部とカム部の境界部分16の角、その他ギア部とギア
部の境界部分の角などが考えられる。
中空射出成形において、加圧流体の注入口が、ゲート
とノズルの間である場合には、加圧流体はゲート部を通
過してキャビティ内に到達する。このとき、該角やその
付近に射出された樹脂が流体の圧力に耐えられず、流体
の流動先端方向に押し出されやすい。その結果該角やそ
の付近には、図3(a)や(b)の角15のように薄肉部
が形成され、加圧流体が漏洩することがある。従って、
目的の形状の成形品を安定生産することができないこと
が多い。また、目的の形状の成形品が得られても、加圧
流体の効果が十分得られないために、寸法精度が悪くな
る。さらに、樹脂の厚みが不十分であることにより、成
形品の強度低下を招く恐れがある。
尚、本明細書において金型の角取り加工とは、コーナ
ーR付け加工及び面取り加工のことをいう。
「コーナーR付け」とは、前述の金型表面の角を、円
弧により加工することを指す。この際、円弧以外の滑ら
かな曲線であっても、有効である。
まず、キャビティのゲート口近傍へのコーナーR付け
された例を図5を用いて説明する。図5は、ゲートラン
ド付近の、成形品の軸線方向の断面であり、符号7はキ
ャビティ表面、10はランナー、13はゲートランド、14は
ゲートを示している。
符号A、B、D、E、Fは金型表面上の点である。詳
しくは、点Aはゲート口が設けられた面上の点、点Bは
コーナーR付けにより該断面に現れた円弧面とゲートが
設けられた面との境界部、点DはコーナーR付けにより
該断面に現れる円弧とゲートランドとの境界部、そして
点Eはゲートランドと金型スプルー又はランナーの境界
部である。
コーナーR付けされたキャビティの角を図5に示す。
コーナーRは以下の式を満たすと効果的である。
図5において、Gtは線分CEの長さであり(Cは線分AB
と線分DEの交点)、Teは線分CFの長さを示す(Fはコー
ナーR表面と∠ACEの2等分線との交点である)。
上記関係式は図5に示されたゲート形状に限定される
ことなく、他のゲート形状についても有効である。
Teは、0.1mm以上でないと、成形品の加圧流体の漏洩
の防止、強度向上の効果は少ない。好ましくは0.5mm以
上である。また、Teは大きい方が効果が高いが、ゲート
カットの容易性やゲートカット後の外観を考慮するとTe
は上記に示した範囲である必要がある。
また、ゲート口近傍以外の、軸部とローラー部の境界
部等への角にコーナーRを設けた形状の例を図6に示
す。図6は、軸部とローラー部を有する成形品の、軸線
を含む断面を一部を示している。点L、M、O、P、Q
はそれぞれコーナーR付けの施された金型の表面上の点
である。この場合の金型のコーナーR付けの好ましい範
囲は以下の範囲である。
a)5mm≦T2−T1≦T3×2のとき b)5mm≦T3×2≦T2−T1のとき 図6において、Tgは線分NQの長さである(Nは線分LM
と線分OPの交点であり、点QはコーナーR表面と∠LNP
の2等分線との交点である)。また、T3は線分LNの長さ
を示している。T1、T2は、軸部及びローラー部が円筒形
であるときは各々直径を表し、歯車を一方又は双方に持
つときは、T1及び/又はT2はピッチ円直径を表し、カム
を一方又は双方に持つときは、T1及び/又はT2は最短径
を表す。ピッチ円直径は、モジュール(1歯のサイズ)
×歯数によって求めることができる。
上記関係式は、図6のキャビティ形状に限定されるこ
となく、他のキャビティを有する金型についても有効で
ある。
Tgが0.4mm以上でないと、加圧流体の漏洩防止効果よ
強度の向上といった効果が達成されない。好ましくは0.
5mm以上である。Tgは大きいほど効果が大きいが、ゲー
トカットの容易さやゲートカット後の外観を考慮する
と、Tgは上記範囲である必要がある。
「面取り」とは、前述の角部を平面により切り落とす
ことをいい例えば図7のように、ゲート口近傍等の角部
を有する金型表面を、線分BFDにより角を落とす加工を
いう。
まず、キャビティの角近傍の面取り加工について、図
7を用いて説明する。図7は、金型のゲートランドの中
心軸を通る断面を示したもので、符号7はキャビティ表
面、10はランナー、13はゲートランド、14はゲートを示
している。
点A、B、D、E、Fは該断面における金型表面上の
点である。詳しくは、点Aはキャビティのゲート口が設
けられた面上の点、点Bは面取りにより該断面に現れた
面とキャビティのゲート口面との交点、点Dは面取りに
より該断面に現れた面とゲートランドとの交点、点Eは
金型スプルー又はランナーとゲートランドとの境界部で
ある。
金型の面取りの効果点な範囲を図7を示して説明す
る。
図7において、Gtは線分CEであり(Cは線分ABと線分
DEの交点)、Tfは線分CFを示す(Fは面取り表面と∠AC
Eの2等分線の交点である。) 上記関係式は、図7のゲート形状に限定されることな
く、他のゲート形状についても有効である。
Tfは、0.1mm以上でないと、成形品の加圧流体の漏洩
の防止、強度向上の効果は少ない。好ましくは0.5mm以
上である。Tfは大きい方が効果が高いが、ゲートカット
の容易性やゲートカット後の外観を考慮するとTfは上記
に示した範囲であることが好ましい。
また、ゲート口近傍以外の角、例えば軸部とローラー
部の境界部等への角に面取り加工を施した形状の例を図
8にそれぞれ示す。図8は、軸部とローラー部を有する
成形品の軸線を含む断面の一部を示している。点L、
M、Q、O、Pはそれぞれ面取りの施された金型の表面
上の点である。この場合の金型の面取りの好ましい範囲
は以下の通りである。
a)5mm≦T5−T4≦T6×2のとき b)5mm≦T6×2≦T5−T4のとき 図8において、Thは、線分NQである(Nは線分LMと線
分OPの交点、Qは面取表面と∠ACEの2等分線との交点
である)。また、T6は線分LNを示す。T4、T5は軸部及び
ローラー部双方が円筒形状であるときは直径を表し、一
方又は双方に歯車を有するときはピッチ円直径を表し、
一方又は双方にカムを有するときは最短径を表す。
上記関係式は、図8のキャビティ形状に限定されるこ
となく、他キャビティ形状についても有効である。
Thが0.4mm以上でないと加圧流体の漏洩防止や強度向
上といった効果が達成されない。好ましくは0.5mm以上
である。また、Thは大きいほど効果が大きいが、ゲート
カットの容易さやゲートカット後の外観を考慮すると、
Thは上記範囲である必要がある。
上記の様に、角取り加工を施すことにより、薄肉部の
形成を抑制することが可能となり、加圧流体の漏洩が低
減でき、安定生産が可能になる。
前記の射出成形方法においては、成形品の中空率が2
〜60%となるように成形条件を設定すると好ましく、さ
らに好ましくは15〜50%である。この範囲であると、中
空射出成形時に安定成形ができ、目的の形状が得やすく
なる。また、この範囲であると、得られる成形品に、ヘ
ジテイションマークなどによる表面外観の不良部分がな
く、寸法精度の良い成形品が得られるので好ましい。
なお、中空率とは次式で定義される。
中空率(%)={(V×ρ−M)/(V×ρ)}×10
0 ただし、上式においてVは中空部を成形品と同じ樹脂
で埋めたときの体積、ρは用いた樹脂の比重、Mは中空
成形品の質量である。
中空率が前記の関係式を満たすためには、公知の方法
を適宜採用すればよい。例えば、フルショット法におい
ては補助キャビティの容積を、同時注入法においては樹
脂の射出量を、また、上述の4番目の成形方法において
は金型スプルー、及びランナーの容積や樹脂の射出量を
調節すればよい。
また、軸一体型回転体成形品の全長に対する、軸線に
沿った中空部の長さの割合を80%以上とすることが好ま
しく、90%以上であるとさらに好ましい。図9にこの割
合が100%の場合の成形品の例を、図10に図9の成形品
の軸線を含む断面図を示す。
成形品の全長と、軸線に沿った中空部の長さの差が小
さいと、内部に中空部が形成された部分と形成されない
部分において実質肉厚に差が小さくなり、冷却・固化の
進行に時間的な差がなくなる。従って、成形サイクルが
短縮化され、経済的に好ましい。また、中空部の形成さ
れない部分が少ないので、成形工程において流体の圧力
が溶融樹脂の各部に十分に伝達されるので、ヒケ、反り
などが生じにくく、その結果、寸法精度の向上した好ま
しい成形品が得られる。
更に本発明の成形品の好ましい形状について以下に説
明する。
まず、軸一体型回転体成形品の軸線に対し垂直な断面
において、軸線から成形品内壁面までの最大距離と最短
距離が下記の関係であると好ましい。
0≦(d1−d2)/d1≦0.1 上記式において、軸一体型回転体の内部に形成された
中空部の内壁面と、成形品の軸線との距離の最大値をd
1、最小値をd2としたものである。
成形品内部に形成された中空部が、上記の関係式を満
たすことにより、成形品の軸心と重心がほぼ一致し、心
振れが小さくなるため好ましい。
さらにローラー部に回転体が機能する上で必要な凹凸
や溝(例えば、カム溝、キー溝など)を設けることによ
って、単一部品で、複数の機能を持たせることができ
る。
成形品の表面の一部もしくは全体の凹凸や溝部(例え
ば、カム溝など)を設ける場合、下記の関係式を満たす
ように設られると好ましい。好ましい範囲を以下に説明
する。
0.7≦(R2−r2)/(R1−r1)≦1 ここで上記の記号R1、R2、r1、r2は以下の通りであ
る。
成形品の表面溝部を含み、軸線に対して垂直な断面に
おいて、軸心から成形品の外表面までの距離の最大値を
R1、最小値をR2とし、軸心から成形品内表面までの距離
の最大値をr1、最小値をr2とする。例えば、図11(c)
においては、R1はR′1、R2はR′2、r1はr′1、r2
はr′2として示されている。
このとき、加圧流体の漏洩を防止するために、溝部の
角にもコーナーR付けなどを施すことが好ましい。例え
ば、カム溝を設ける場合には、該カム溝の末端部分にコ
ーナーR付けを施すこと等が挙げられる。
図面の簡単な説明 図1(a)は、キャビティ内に加圧流体注入口又は設
けた場合に形成される金型のゲート部分の概略図、図1
(b)は、図1(a)に示す金型を用いて得られた成形
品の軸方向断面図、図1(c)は図1(b)の成形品の
A−A′線断面図である。
図2(a)〜(c)は、本発明の中空射出成形方法の
一例を示す概念図である。
図3(a)は、角取り加工をしていない金型のゲート
付近の断面図であり、図3(b)は、角取り加工を施し
ていない金型を用いて得られた成形品の軸方向断面図で
ある。
図4(a)〜(c)は、本発明の中空射出成形により
得られた成形品の一例である。図4(a)は軸部とロー
ラー部の境界部を示す図であり、図4(b)は軸部とギ
ア部の境界部を示す図であり、図4(c)は、軸部とカ
ム部の境界部を示す図である。
図5は、本発明の成形方法の一例に用いる、ゲートラ
ンドとキャビティの境界部分にコーナーR付けを施した
キャビティのゲート付近の断面図である。
図6は、本発明の成形方法の一例に用いる、軸部とロ
ーラー部にコーナーRを設けた金型のキャビティ付近断
面図である。
図7は、本発明の成形方法の一例に用いる、ゲートラ
ンドとキャビティの境界部分に面取り加工を施した金型
のゲート付近断面図である。
図8は、本発明の成形方法の一例に用いる、軸部とロ
ーラー部に面取り加工を施したゲート付近のキャビティ
の断面図である。
図9は、本発明の軸一体型回転体成形品の一例であ
る。
図10は、図9の成形品の断面図である。
図11(a)は、本発明の溝を有する成形品の一例の外
観図である。図11(b)は、図11(a)の成形品軸方向
断面図である。図11(c)は、図11(a)の成形品の軸
線垂直方向断面図である。
図12は、本発明の実施例1〜13を実施する際に用いた
金型のパーティング面を示したものである。
図13は、本発明の比較例1〜4を実施する際に用いた
金型のパーティング面を示したものである。
図14は、本発明の実施例14〜16により得られるローラ
ーの軸線を含む断面図である。
図15は、本発明の実施例14〜16を実施する際に用いた
金型のパーティング面を示したものである。
図16は、本発明の実施例17〜19を実施する際に用いた
金型のパーティング面を示したものである。
図17は、本発明の実施例17〜19により得られたローラ
ーの軸方向断面図である。
図18は、本発明の実施例20〜25により得られる、ギア
付きローラーの図である。
図19は、本発明の実施例20、21を実施する際に用いた
金型のパーティング面を示したものである。
図20(a)〜(c)は、本発明の実施例20、21の成形
工程を示す概念図である。
図21は、図19の金型を用いて得られたローラーの軸方
向断面図である。
図22は、本発明の実施例22、23を実施する際に用いた
金型のパーティング面を示したものである。
図23は、本発明の実施例24、25を実施する際に用いた
金型のパーティング面を示したものである。
図24(a)〜(c)は、本発明の実施例24、25の成形
工程を示す概念図である。
図25は、本発明の実施例26〜29で得られたローラーの
図である。
図26(a)は、本発明の実施例34〜37で得られた溝付
きローラーの図であり、図26(b)は図26(a)のロー
ラーの軸方向断面図であり、図26(c)は図26(a)の
ローラーの軸線垂直方向断面図である。
図27は、本発明の実施例38〜43、及び比較例7〜12で
得られた、紙送りローラーの図である。
〔符号の説明〕
1……流体/ガス注入口、2……注入管 3……軸心、4……金型 5……軸線、6……中空部 7……キャビティ、8……溶融樹脂 9……スプルー、10……ランナー 11……金型パーティング面、12……樹脂部 13……ゲートランド、14……ゲート口 15……薄肉部、16……境界部 17……回転軸、18……ローラー部 19……ギア部、20……カム部 21……コーナーR、22……面取り角 23……ゲート、24……通路口 25……溝、26……補助キャビティ 27……通路、28……シャットオフ弁 〔発明を実施するための最良の形態〕 <使用樹脂、及び使用条件> 各実施例、比較例において射出成形及び中空射出成形
の実施に用いた樹脂は以下の通りである。
ポリアセタールコポリマー樹脂: 旭化成工業(株)製 テナック−C 4520) ガラス繊維を添加したポリアセタールコポリマー樹
脂: 同社製 テナック−C GN755 (ガラス繊維を75対25で配合したもの) ポリアセタール系樹脂: 同社製 ライネックス−T TFC67N ナイロン66(ポリアミド66)樹脂: 同社製 レオナ 1300S 変性PPE樹脂:同社製 ザイロン 500Z ABS樹脂:同社製 スタイラック−ABS 101 ポリアセタール樹脂、ポリアセタール系樹脂を射出成
形、中空射出成形する際には、成形機のシリンダー温度
を200℃、金型温度を80℃に設定の上、実施した。
ナイロン66樹脂を射出成形、中空射出成形する際に
は、成形機のシリンダー温度を290℃、金型温度を80℃
に設定の上、実施した。
変性PPE樹脂を射出成形、中空射出成形する際には、
成形機のシリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設
定の上、実施した。
ABS樹脂を射出成形、中空射出成形する際には、成形
機のシリンダー温度を230℃、金型温度を40℃に設定の
上実施した。
<成形機> 各実施例の成形機においては、シリンダー内へのガス
の逆流を防止する目的でガス注入口のスクリュー(ホッ
パー)側にシャットオフ弁を設けた。
<加圧流体> 樹脂中に入する加圧流体は窒素ガスとした。なお、ガ
ス圧については、各実施例、比較例ごとに設定した。
<成形品の性能評価> 中空形状、真円度、および心振れの大きさ、ローラー
部の表面粗さ、破壊強度の各項目から任意に選択し測
定、評価した。測定機器及び測定方法を以下に示す。
中空部の寸法測定:軸線に対して垂直な断面について
は、軸一体型回転体の任意の位置で該軸一体型回転体を
切断し、軸心から成形品内壁までの距離のうち最長距離
をd1最短距離をd2とし、d1とd2の差のd1に対する割合を
求めた。また、軸線方向の断面については、軸一体型回
転体の軸線を含むように該軸一体型回転体を切断し、軸
線に沿った成形品の全長と、中空部の長さを測定し、中
空部の成形品全長に対する比率を求めた。
真円度の測定:(株)ミツトヨ社製 真円度測定機
RA−424を用い、得られた軸一体型回転体の各測定点に
て実施した。
心振れの大きさ:(株)ミツトヨ社製 真円度測定機
RA−424を用い、得られた軸一体型回転体上の任意の
箇所を3点を選択し、そのうちの2点を基準とし中央の
1点の心振れを測定値とした。
前記真円度測定器による測定では、心振れの大きさが
約300(μm)以上の範囲は測定が不可能であることが
多い。このため、同真円度測定器の測定可能範囲を越え
たサンプルについては、ダイヤルゲージを用いて再測定
した。
ローラー部の表面粗さの測定: (株)東京精密社製
表面粗さ測定機 サーフコム575Aを用いた。JIS B
0601−1982に準じて最大高さ(Rmax)(μm)の測定
値を表面粗さとした。
破壊強度: インストロン(株)社製 万能試験機モ
デル1185にを用いて実施した。ローラーの両端を固定
し、中央に荷重をかけて境界部の破壊荷重を測定した。
<実施例1〜4> 図9に示すような、ローラー18と軸17により構成され
た軸一体型ローラーが成形できる金型を用意した。該金
型は、図12に示すように、該軸一体型ローラーの軸線が
鉛直になるようにキャビティを配置し、該キャビティ7
の下端面と軸線の交点上にゲート口14を設けた。
表1に示した樹脂を用い、以下に示す工程により中空
射出成形を行った。
第1工程では、射出成形機によりキャビティ内容積の
70%に相当する量の樹脂を、キャビティ内に射出した。
第2工程では、第1工程における樹脂の充填完了0.5
秒後に成形機のスプルー9に連通しているノズル部に設
けられた加圧ガス注入口1から、150kg/cm2に加圧した
窒素ガスを5秒間樹脂中に注入した。
第3工程では、第2工程により樹脂中に注入された窒
素ガスの圧力を30秒間保持した。第3工程完了後、窒素
ガスの圧力を解放した。成形サイクルは約45秒であっ
た。
得られた軸一体型ローラーの評価は、中空形状、真円
度、軸心の振れにより行った。中空部寸法の測定は、図
9に示したB点にて軸一体型ローラーを切断し、その断
面にて実施した。真円度の測定は図9に示したA、B、
Cの3点にて実施した。また、心振れの大きさは、図12
に示したA、Cを基準として、B点の心振れの値とし
た。測定結果を表1に示した。
<比較例1〜4> 図9に示した軸一体型ローラーを成形可能な金型を、
図13に示すように回転軸を水平に配置した。金型構造が
異なる点を除き、使用した樹脂、成形条件などは、実施
例1〜4と同様とした。測定結果を表1に示した。
<実施例5〜13> 実施例1〜4で使用した金型、及び表2に示した樹脂
を用い、以下に示す工程により中空射出成形を実施し
た。
加圧ガスの注入口は、実施例5では成形機のノズル部
(図示せず)、実施例6では金型のランナー部10(図12
中Aの位置)、実施例7では金型キャビティ7内(図12
中Bの位置)とした。
第1工程では、射出成形機によりキャビティ内容積の
70%に相当する量の樹脂をキャビティ7内に射出した。
第2工程では、第1工程における樹脂の充填完了0.5
秒後に各箇所に設けられた加圧ガス注入口1から、100k
g/cm2に加圧した窒素ガスを5秒間樹脂中に注入した。
第3工程では、第2工程により樹脂中に注入された窒
素ガスの圧力をそれぞれ、30秒間保持した。第3工程完
了後、窒素ガスの圧力を解放して、金型内から成形品を
取り出した。成形サイクルは約45秒であった。
成形品の評価方法は、実施例1〜4と同様とした。測
定結果を表2に示す。
<実施例14〜16> 図4(a)に示したような、ローラー部18と軸部17に
より構成された軸一体型ローラーが成形できる金型を用
意した。該金型は図15に示したように、該軸一体型ロー
ラーの軸線が鉛直方向となるようにキャビティ7を配置
し、該キャビティの下端面と軸線の交点上に円形のゲー
ト口14を設けた。
キャビティ7の上部に補助キャビティ37を設け、該補
助キャビティはキャビティ上端面から軸線延長上に設け
られた連絡通路27により接続した。補助キャビティの容
積は、キャビティ容積の40%とした。また、連絡通路口
は円形とした。さらに、樹脂は表3に示したものを使用
した。
以下に示す工程により、フルショット法による中空射
出成形を実施した。
第1工程では、キャビティ7内に未充填部分が残らな
いように樹脂を充填した。
第2工程では、第1工程における樹脂の充填完了から
0.5秒後に成形機のノズル部に設けられた加圧流体の注
入口(図示せず)から150kg/cm2に加圧した窒素ガスを
5秒間樹脂中に注入した。
第3工程では、第2工程により樹脂中に注入された窒
素ガスの圧力を30秒間保持した。第3工程完了後窒素ガ
スの圧力を解放した。成形サイクルは約45秒であった。
得られた軸一体型回転体の中空寸法を行ったところ、
実施例1〜4で得られた成形品と同程度の結果が得られ
た。
また、回転体の軸線に沿った中空部の全長、真円度、
軸心の振れについて評価を行った。真円度は、図9に示
したA、B、Cの3点にて測定した。軸心の振れは、図
9に示したA、Cを基準として、B点の心振れの値で評
価を行った。測定結果を表3に示す。また、得られた中
空成形品の軸線を含む断面図を、図14に示す。
<実施例17〜19> 実施例14〜16と同様に、図9に示した軸一体型ローラ
ーが成形可能である金型を用意し、フルショット法によ
る中空射出成形を実施した。この金型は図16に示すよう
に該軸一体型ローラーの軸線が鉛直方向になるようにキ
ャビティ7を配置し、該キャビティの下端面と軸線の交
点上にゲート口14を設けた。補助キャビティ26をキャビ
ティの上部に設け、該補助キャビティはキャビティ上端
部から軸線上に設けられた連絡通路27で接続した。連絡
通路口24の形状は円形とした。また、補助キャビティの
容積は、キャビティ容積の40%とした。連絡通路27のほ
ぼ中央に、油圧シリンダーにより駆動されるシャットオ
フ弁28を設けた。また、樹脂は表3に示したものを使用
した。
以下に示す工程により中空射出成形を実施した。
第1工程では、シャットオフ弁28により、キャビティ
7と補助キャビティ26間を遮断した状態で、射出成形機
の樹脂射出動作によりキャビティ内に未充填部分が残ら
ないように樹脂を充填した。
第2工程では、第1工程における樹脂の充填完了から
0.5秒後に成形機のノズル部に設けられた加圧ガスの注
入口(図示せず)から150kg/cm2に加圧した窒素ガスを
5秒間樹脂中に注入した。
第3工程では、第2工程における窒素ガスを樹脂中に
注入を開始してから0.5秒後にシャットオフ弁28を駆動
し、キャビティ7と補助キャビティ26間を連通させた。
該窒素ガスにより、キャビティ内の一部の樹脂を補助キ
ャビティ26に押し出しつつ、キャビティ内の樹脂内部に
中空部6を形成した。
第4工程では、第3工程により樹脂中に注入された窒
素ガスの圧力を一定時間保持した。第4工程完了後窒素
ガスの圧力を解放した。成形サイクルは約45秒であっ
た。
得られた軸一体型回転体の中空寸法を行ったところ、
実施例1〜4で得られた成形品と同程度の結果が得られ
た。
さらに、実施例14〜16と同様の成形品評価を行い、結
果を表3に示した。また、得られた中空成形品の軸線を
含む断面図を、図17に示した。
<実施例20、21> 図18に示すような、ローラー部18と軸部17、ギア部19
により構成された軸一体型ローラーが成形できる金型を
用意した。図19に示すように、該軸一体型ローラーの軸
線が鉛直方向になるようにキャビティ7を配置し、該キ
ャビティの下端面と軸線との交点上にゲート口14を設
け、ランナー10上に加圧ガスの注入口1を設けた構造と
した。表4に示した樹脂を使用し、図20(a)、
(b)、(c)に示す工程により、中空射出成形を行っ
た。
第1工程では、図20(a)に示した通り、射出成形機
の射出動作により、キャビティ容積の70%に相当する量
の樹脂をキャビティ7内に充填を行った。
第2工程では、図20(b)に示した通り、樹脂の射出
中に、金型のランナー10部にに設けられた加圧ガス注入
口1から窒素ガスを注入することにより、キャビティ内
に中空成形品を形成した。
第3工程では、図20に示した通り、樹脂中に注入され
た窒素ガスの圧力を30秒間保持した。第3工程完了後、
窒素ガスの圧力を解放した。成形サイクルは約45秒であ
った。得られた中空成形品の断面を図21に示す。
得られた成形品のローラー部18の表面粗さを測定した
結果を表4に示す。また、他の性能(中空寸法、真円
度、心振れ)についても評価試験を行ったところ、実施
例1〜4と同程度に好ましい結果が得られた。
<実施例22、23> 図22に示すように、加圧ガス注入口をランナーに設け
なかった以外は、実施例20、21で使用したものと同形状
の金型をを用意した。表4に示した樹脂を使用し、図2
(a)、(b)、(c)に示す工程により、中空射出成
形を行った。
第1工程では、図2(a)に示した通り、射出成形機
の射出動作により、金型のスプルー9からランナー10ま
での区間を樹脂で充填した。
第2工程では、図2(b)に示した通り、成形機のノ
ズル部に設けられた加圧ガス注入口から窒素ガスを注入
することにより、スプルー9、ランナー10の一部の樹脂
を、キャビティ7内に押し出した。
第3工程では、図2(c)に示した通り、樹脂中に注
入された窒素ガスの圧力を30秒間保持した。第3工程完
了後、窒素ガスの圧力を解放し、成形品を金型から取り
出した。成形サイクルは約45秒であった。
実施例20、21と同様に成形品の評価を行い、測定結果
を表4に示した。また、他の性能(中空寸法、真円度、
心振れ)についても評価試験を行ったところ、実施例1
〜4と同程度に好ましい結果が得られた。
<実施例24、25> 図23に示すように、シャットオフ弁28をランナー10上
に配置した以外は、実施例20〜23で使用したものと同形
状の金型を用意した。表4に示した樹脂を使用し、図24
(a)、(b)、(c)に示す工程により、中空射出成
形を行った。
第1工程では、図24(a)に示した通り、ランナー上
に設けられたシャットオフ弁28を閉じた状態で、射出成
形機により、金型のスプルー9からシャットオフ弁28ま
での区間を樹脂で充填を行った。
第2工程では、図24(b)に示した通り、成形機のノ
ズル部に設けられた加圧ガス注入口(図示せず)から窒
素ガスを注入し、該窒素ガスの注入開始から0.5秒後
に、シャットオフ弁28を駆動することによリランナー10
とゲート14の間を連通させ、充填された樹脂の一部樹脂
をキャビティ7内に押し出しつつ中空成形品を形成し
た。
第3工程では、図24(c)に示した通り、樹脂中に注
入された窒素ガスの圧力を30秒間保持した。第3工程完
了後、窒素ガスの圧力を解放した。
実施例20〜23と同様に成形品を評価し、測定結果を表
4に示した。また、他の性能(中空寸法、真円度、心振
れ)についても評価試験を行ったところ、実施例1〜4
と同程度に好ましい結果が得られた。
<比較例5、6> 図19に示した金型を用い、樹脂の射出、保圧、冷却、
取り出しといった従来の射出成形により、図18に示し
た、中空部を持たない軸一体型ローラーを得た。樹脂に
は表4に示したものを用い、保圧力は600kg/cm2、保圧
時間は15秒、冷却時間は40秒とした。成形サイクルは約
65秒であった。
実施例20〜25と同様に成形品を評価し、測定結果を表
4に示した。
<実施例26〜28> 図25に示すローラーを中空射出成形した。各部の寸法
は、外径20(mm)、全長400(mm)、ゲートランド長2.0
(mm)である。このゲート口14に、薄肉化対策として、
図5に見られるようなコーナーにR付けを施した。コー
ナーR21は、表5に示すように0.2(mm)または0.4(m
m)となるようにした。また、表5に示した樹脂を使用
した。
このときの成形条件は、キャビティ7内に未充填部分
が残るように射出成形機の樹脂射出動作により溶融状態
の樹脂をキャビティ内に射出し、この射出工程完了0.5
秒後に、150kg/cm2昇圧した窒素ガスを成形機のノズル
部に設けた注入口から樹脂中に、5秒間にわたって注入
した。注入工程完了後30秒間、このガス圧を樹脂中で保
持した。ガス圧解放後、成形品を金型から取り出した。
各々のローラーをそれぞれ1000ショットずつ中空射出成
形し、ガスの漏洩による成形不良発生の頻度を比較し
た。得られた結果を表5に示す。また、他の性能(中空
寸法、真円度、心振れ)についても評価試験を行ったと
ころ、実施例1〜4と同程度に好ましい結果が得られ
た。
<実施例29> 実施例26〜28ではゲートランド13とゲート口14の接合
部分にコーナーRを設けたが、該当部分を図7のように
面取り加工した以外は、実施例27と同様に中空射出成形
を行い、同様の評価を実施した。得られた結果を表5に
示した。また、他の性能(中空寸法、真円度、心振れ)
についても評価試験を行ったところ実施例1〜4と同程
度に好ましい結果が得られた。
<実施例30〜32> 図9に示す形状のローラーを中空射出成形により得
た。このローラーにおいて境界部分16とは、ローラー部
18と軸部17の境界を指す。この境界部分に、1(mm)ま
たは3(mm)のコーナーR21(Tf)を設けた。各部の寸
法は、全長が280(mm)(ローラー部の長さ200(mm)、
軸部の長さ(T3)各40(mm)である)、ローラー部の直
径(T2)が40(mm)、軸部の直径が各20(mm)である。
樹脂は表6に示した樹脂を使用した。
射出成形機の樹脂射出動作により、キャビティ内容積
の70%に相当する量の樹脂をキャビティ7内に射出し、
この充填完了0.5秒後に予め120kg/cm2に昇圧した窒素ガ
スを、成形機ノズル部に設けた加圧ガス注入口1より樹
脂中に注入した。ガス圧を40秒間保持した後ガス圧を解
放し、金型より中空成形品を取り出した。各々のローラ
ーをそれぞれ1000ショットずつ中空射出成形し、ガスの
漏洩による成形不良発生の頻度を比較した。得られた結
果を表6に示す。また、他の性能(中空寸法、真円度、
心振れ)についても評価試験を行ったところ実施例1〜
4と同程度に好ましい結果が得られた。
<実施例33> 実施例30〜32では軸部とローラー部の境界部分にコー
ナーRの代わりに面取り角を施した以外は、実施例31と
同様に中空射出成形を行い(中空寸法、真円度、心振
れ)についても評価試験を行ったところ実施例1〜4と
同程度に好ましい結果が得られた。
<実施例34〜37> 図27に示したような、表面に溝25を有する軸一体型ロ
ーラーを中空射出成形により得た。金型には、該軸一体
型ローラーの軸線が鉛直になるようにキャビティを配置
し、補助キャビティをキャビティの上部に設けた。ま
た、ゲート口はキャビティ下端面の軸線上に、キャビテ
ィと補助キャビティを連通する連絡通路のキャビティ側
連絡通路口は、キャビティ上端面の軸線上にそれぞれ設
けた。さらに、連絡通路のほぼ中央には、キャビティと
補助キャビティの間の連通と遮断の切り替えを任意に行
えるシャットオフ弁を設けた。
実施例34〜37においては、補助キャビティの容積を変
えて、それ以外は実施例30〜32と同じ方法により、それ
ぞれ中空射出成形を実施した。すなわち、該軸一体型ロ
ーラーの製品の容積の25、30、35、40%に相当する容積
である。
得られた成形品の肉厚(最大値と最小値)の測定は、
図26(a)に示すB点にてローラーを切断し測定した。
また、回転体の軸線に沿った中空部の長さについても測
定した。
心振れの測定については、図26(a)中A点、C点を
支持し、図中B点で溝部分を除外した値を評価値とし
た。
また、図26(a)中のC点にて、真円度を測定した。
各測定結果を表7に示した。
<実施例38〜43及び比較例7〜12> 図27に示したような軸一体型紙送りローラーを中空射
出成形により得た。表8に示すように、ゲート、及びそ
れ以外の角の双方にコーナーR加工をしたキャビティ
を、ローラーの軸線が鉛直になるように配置した。ま
た、ランナー上に、ランナーとキャビティの間の連通と
遮断の切替えを任意に行うことのできるシャットオフ弁
を設けた。
成形方法は、実施例20の成形方法において、樹脂の射
出からガスの充填までの時間、シャットオフ弁によりキ
ャビティとランナーを遮断する方法とした。
また、比較例として、上記の金型ローラーの軸線が水
平になるように配置した以外は、実施例38〜43と同様の
方法で成形を行った。
得られた成形品の中空部寸法やゲートにおけるガス漏
洩、破壊荷重の値は、実施例による成形品においては、
実施例1〜4及び26〜32による成形品と同程度であっ
た。一方、比較例による成形品においては、実施例より
劣るものであった。その他の評価については表8に示
す。
<実施例44〜49及び比較例13〜18> 図28に示したような軸一体型紙送りローラーを中空射
出成形により得た。表9に示すように、ゲート、及びそ
れ以外の角の双方に面取り加工をしたキャビティを、ロ
ーラーの軸線が鉛直になるように配置した。また、キャ
ビティと補助キャビティとの連絡通路に、これらの連通
と遮断の切替えを任意に行うことのできるシャットオフ
弁を設けた。
成形方法は、実施例14の成形方法において、樹脂の射
出からガスの充填までの時間、シャットオフ弁によりキ
ャビティとランナーを遮断する方法により成形を行っ
た。
また、比較例として、上記の金型ローラーの軸線が水
平になるように配置した以外は、実施例44〜49と同様の
方法で成形を行った。
得られた成形品の中空部寸法やゲートにおけるガス漏
洩、破壊荷重の値は、実施例による成形品においては、
実施例1〜4及び26〜32による成形品と同程度であっ
た。一方、比較例による成形品においては、実施例より
劣るものであった。その他の評価については表9に示
す。
〔産業上の利用分野〕 本発明による中空成形法によると、1回の射出で軸一
体型回転体を得ることができるので、短時間に軸一体型
回転体が得られる上、各ショット毎に安定して成形品を
得ることが出来るので、生産性に優れる。
また、この方法によって得られた回転体は、寸法精度
が良好であり、表面外観性にすぐれる。さらに、金属シ
ャフトと樹脂を組み合わせた成形品にくらべ、リサイク
ル性についても改善される。
従って、この軸一体型回転体は自動車、一般機械、精
密機械、電気・電子等の各分野に有用である。特にファ
クシミリ、コピー機、プリンター等の紙送り部品に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−108558(JP,A) 特開 平3−261532(JP,A) 特開 平6−64024(JP,A) 特開 平7−329206(JP,A) 特開 平5−204241(JP,A) 特開 平5−84762(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/44 B29D 31/00

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体の軸線とキャビティの端面との交点
    にゲートを設けた金型を、該ゲートを有する端面がキャ
    ビティの底となり、かつ該軸線が鉛直となるように配置
    し、前記ゲートを介してキャビティ内への樹脂の充填と
    加圧流体の注入を行うことで中空射出成形を行うことか
    らなる、内部に中空部を有する樹脂製軸一体型回転体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】キャビティ内に未充填部分が残るように溶
    融樹脂を射出し、次に未充填部分に樹脂が行き渡るよう
    にキャビティ内に加圧流体を注入する請求の範囲第1項
    の製造方法。
  3. 【請求項3】溶融樹脂をキャビティ内に充填中に、加圧
    流体を樹脂内に注入する請求の範囲第1項の製造方法。
  4. 【請求項4】キャビティに連通した補助キャビティを有
    する金型を用い、キャビティ内に未充填部分が残らない
    ように溶融樹脂を充填し、次いで加圧流体を該樹脂内に
    注入する請求の範囲第1項の製造方法。
  5. 【請求項5】補助キャビティがキャビティの上にあり、
    キャビティと補助キャビティをつなぐ連絡通路が、該キ
    ャビティの上端面から軸線延長上に設けられた金型を用
    いる、請求の範囲第4項の製造方法。
  6. 【請求項6】キャビティ内への溶融樹脂の射出時にはキ
    ャビティと補助キャビティ間の連絡通路のシャットオフ
    弁を閉じ、該キャビティ内への加圧流体注入時には該シ
    ャットオフ弁を開ける請求の範囲第4項の製造方法。
  7. 【請求項7】溶融樹脂を成形機のノズルからゲート間の
    空間の一部又は全体に充填し、成形に必要な量の樹脂が
    充填された部分よりもノズルに近い側の注入口から加圧
    流体を注入する請求の範囲第1項の製造方法。
  8. 【請求項8】金型のランナーとキャビティ間の空間のシ
    ャットオフ弁を閉じた状態で、溶融樹脂を成形機のノズ
    ルからゲート間の一部又は全部に充填した後、該シャッ
    トオフ弁を連通させた状態で、加圧流体を注入する請求
    の範囲第7項の製造方法。
  9. 【請求項9】キャビティのゲート口の角にコーナーR付
    け加工が施されており、しかもこのゲート口のコーナー
    R付け形状が以下の関係式を満たす金型を用いる請求の
    範囲第1項の製造方法。 [但し、図5において、Gtは線分CEの長さとし(Cは、
    線分ABと線分DEの交点)、Teは線分CFの長さとする(F
    はコーナーR付け部表面と∠ACEの2等分線との交点で
    ある)。]
  10. 【請求項10】キャビティのゲート口以外の角にコーナ
    ーR付け加工が施されており、しかもこのゲート口以外
    のコーナーR付け形状が、以下の関係式を満たす形状で
    ある請求の範囲第1項又は9項の製造方法。 a)5mm≦T2−T1≦T3×2の場合 b)5mm≦T3×2≦T2−T1の場合 [但し、図6において、Tgは線分NQの長さとし(Nは線
    分LMと線分OPの交点であり、点QはコーナーR付け部表
    面と∠LNPの2等分線との交点である)、T3は線分LNの
    長さとする。また、T1、T2は、成形品の軸部とローラー
    部の双方が円筒形である場合は各々の直径を表し、一方
    又は双方が歯車を有する場合には、歯車を有するT1及び
    /又はT2はピッチ円直径を表し、一方又は双方がカムを
    有する場合には、カムを有するT1及び/又はT2はその最
    短直径を表す。]
  11. 【請求項11】キャビティのゲート口の角に面取り加工
    が施されており、しかもこのゲート口の面取り形状が以
    下の関係式を満たす金型を用いる請求の範囲第1項の製
    造方法。 [但し、図7において、Gtは線分CEの長さとし(点C
    は、線分ABと線分DEの交点)、Tfは線分CFの長さとする
    (点Fは面取り部表面と∠ACEの2等分線との交点であ
    る)。]
  12. 【請求項12】キャビティのゲート口以外の角に面取り
    加工が施されており、しかもこのゲート口以外の面取り
    形状が以下の関係式を満たす形状である請求の範囲第1
    項又は11項の製造方法。 a)5mm≦T5−T4≦T6×2の場合 b)5mm≦T6×2≦T5−T4の場合 (但し、図8において、Thは線分NQの長さとし(Nは線
    分LMと線分OPの交点であり、点Qは面取り部表面と∠LN
    Pの2等分線との交点である)、T6は線分LNの長さとす
    る。また、T4、T5は、成形品の軸部とローラー部が円筒
    形状を有する場合は軸部、ローラー部の各々の直径を表
    し、一方又は双方に歯車を有するときは、歯車を有する
    T4及び/又はT5はピッチ円直径を表し、一方又は双方に
    カムを有するときにはその最短直径を表す。)
  13. 【請求項13】キャビティの1つ又は複数の角にコーナ
    ーR付け加工又は面取り加工が施された金型を用いた請
    求の範囲第1項の中空射出成形方法により製造された軸
    一体型回転体の中空成形品であって、該中空成形品の内
    部の中空部の形状が下記の関係式を満たす軸一体型回転
    体の中空成形品。 0≦(d1−d2)/d1≦0.1 [但し、上記の記号d1、d2は、軸一体型回転体の内部に
    形成された中空部の内壁面と、該軸一体型回転体の軸線
    との距離の最大値をd1、最小値をd2とする。]
  14. 【請求項14】中空成形品の表面に溝部を有する請求の
    範囲第13項の中空成形品。
  15. 【請求項15】溝部と中空部が、下記の関係式を満たす
    請求の範囲第14項の中空成形品。 0.6≦(R2−r2)/(R1−r1)≦1 [但し、上記の記号R1、R2、r1、r2は以下のように定義
    する。軸一体型回転体の軸線に対して垂直であり、溝部
    分を含んだ同一断面における成形品の外表面と、該軸一
    体型回転体の軸線との距離の最大値をR1、最小値をR2と
    する。また、同一断面における中空部の内壁面と、該軸
    一体回転体の軸線との距離の最大値をr1、最小値をr2と
    する。]
  16. 【請求項16】中空部が軸一体型回転体の全長の80%以
    上である請求範囲第13〜15項いずれかの中空成形品。
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