JP3045795B2 - 高強度ばね及びその製造に用いるばね用オイルテンパー線 - Google Patents

高強度ばね及びその製造に用いるばね用オイルテンパー線

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JP3045795B2 JP3046416A JP4641691A JP3045795B2 JP 3045795 B2 JP3045795 B2 JP 3045795B2 JP 3046416 A JP3046416 A JP 3046416A JP 4641691 A JP4641691 A JP 4641691A JP 3045795 B2 JP3045795 B2 JP 3045795B2
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光芳 小野田
博昭 林
修 中野
裕二 石川
尚志 内田
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Nippon Steel Corp
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Toyota Motor Corp
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Nippon Steel Corp
Suzuki Metal Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車や自動2輪車のエ
ンジンの弁ばねあるいは懸架ばね等に適した疲労強度の
優れた高強度ばね、およびこの高強度ばねの製造に適し
たばね用オイルテンパー線に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車や自動2輪車のエンジンの
弁ばねあるいは懸架ばねの一部はオイルテンパー線を冷
間でばねに成形したものが用いられている。
【0003】最近、エンジンの高出力化および車体の軽
量化のため、高強度で高疲労強度の弁ばねや懸架ばねが
強く求められている。ばねの疲労強度を向上させるに
は、ばね材料の強度を上げることが一つの有効な手段で
ある。従ってばね材料には合金元素量を増したばね用材
料が提案されている。しかしばね材料を高強度化すると
延性や靭性が低下し、また切欠き感受性が高くなるため
に、冷間成形でばね加工することが難しくなってしま
う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は冷間成形によ
るばね加工性が優れ且つ高強度のばね用オイルテンパー
線と、これを用いた高強度ばねの提供を課題としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者等は
この課題を解決するため、種々実験を重ねた結果、オイ
ルテンパーに際して鋼線の最表層を意図的に脱炭させる
ことにより、鋼線の冷間成形によるばね加工性が顕著に
向上することを知得した。また、鋼線の最表層を脱炭さ
せると、鋼線の表層の硬さが低下して疲労強度が低下す
るが、本発明者は、この疲労強度の低下は、ばね加工後
に窒化または浸炭窒化処理とショットピーニング処理を
行う事によって改善されて、高疲労強度を有する高強度
のばねが得られることを知得して本発明をなすに至っ
た。
【0006】本願は(1) 重量%で、C :0.50〜0.80、 Si:1.00〜2.50 Mn:0.40〜1.00、 Cr:0.40〜2.00 V :0.05〜0.60、 Mo:0.10〜1.00 を含有し、残部は実質的にFeからなる低合金鋼線を用
いて、オイルテンパーに際して脱炭により表層の硬度を
Hvで400以下とし、ばねに冷間成形し、その後窒化
または浸炭窒化とショットピーニングにより表層の硬度
をHvで900以上にした事を特徴とする高強度ばねで
ある。また(2) 重量%で、C :0.50〜0.80、 Si:1.00〜2.50 Mn:0.40〜1.00、 Cr:0.40〜2.00 V :0.05〜0.60、 Mo:0.10〜1.00 を含有し、残部は実質的にFeからなる低合金鋼線で、
オイルテンパーに際して脱炭により表層の硬度をHvで
400以下とした、前記(1)に記載の高強度ばねの製
造に用いるばね用オイルテンパー線である。
【0007】C:Cは鋼の強度を高めるのに有効な元素
であり、0.50%未満では必要な強度を得ることがで
きず、0.80%を越えて含有させてもそれ以上の強度
上の利点がないので0.50〜0.80%の範囲とする。
【0008】Si:Siはフェライト中に固溶することに
より鋼の強度を高め、耐へたり性を向上させるのに有効
な元素であり、1.00%未満では十分な耐へたり性を
確保することができず、2.50%を越えてもそれ以上
の効果が得られないため、1.00〜2.50%の範囲と
した。
【0009】Mn:Mnは鋼の脱酸および鋼の焼入性を向
上させるのに有効な元素であり、0.40%未満ではそ
の効果は不十分であり、1.00%を越えてもそれ以上
の効果が得られないため、0.40〜1.00%の範囲と
した。
【0010】Cr:CrはMnと共に鋼の焼入れ性を向上
させるのに有効な元素であり、0.40%未満ではその
効果は不十分であり、2.00%を越えると炭化物の固
溶を抑制し強度の劣化をまねくため、0.40〜2.00
%の範囲とした。
【0011】Mo:Moは焼もどし軟化抵抗を高め、また
微細な炭化物を析出することにより、ばねに強度と靭性
を付与するために必要な元素であり、0.10%未満で
はその効果が認められず、1.00%を越えると効果が
飽和してしまうため、0.10〜1.00%の範囲とし
た。
【0012】V:Vは鋼の結晶粒の微細化、また析出硬
化による強度の向上、および耐へたり性の改善に有効な
元素であり、0.05%未満ではその効果は認められ
ず、0.60%を越えて添加しても効果は飽和してしま
うため、0.05〜0.60%の範囲とした。
【0013】本発明では、オイルテンパー線をばね加工
する際の折損を防止するために、オイルテンパーに際し
て表面を脱炭させて、表面硬度をHvで400以下にす
る。オイルテンパー線を格別に工夫しないで高強度化す
ると、鋼線のきず感受性が高くなり、従来は無害とされ
ていた極めて微細な表面欠陥が起点となって、ばね加工
時に折損し易い。後で図2で述べるが、オイルテンパー
に際して表面を脱炭させて、表面硬度をHvで400以
下にすると、ばね加工時の折損を有効に防止することが
できる。この脱炭と表面硬度の調整は、オイルテンパー
に際しての加熱炉の雰囲気を調整する事によって達成す
ることができる。尚、オイルテンパーの前の工程におい
て、あらかじめ脱炭処理を施しておいてもよい。
【0014】本発明の請求項2は、このオイルテンパー
線を用いた高強度ばねである。表面の硬さの低下はばね
の疲労強度を低下させる原因となる。このため本発明で
は、ばね加工後に窒化または浸炭窒化処理とショットピ
ーニングを施して、ばねの表面硬度をHvで900以上
に調整する。本発明のオイルテンパー線は、ばね加工前
の表面硬度は低いが、ばね加工を行い浸炭窒化とショッ
トピーニングを施すことによって、後で図3で述べる如
く、ばねの表面硬度は十分に上昇してHvで900以上
とすることができる。
【0015】
【実施例】表1に示す化学成分を有する鋼線を用い、直
径3.2mmで引張強さ2160N/mm2の強度を有す
るオイルテンパー線を製作した。尚このオイルテンパー
処理に際して、加熱炉は電気炉で雰囲気酸素量を下記の
如くに調整して、表面を脱炭させた。A:2〜3容量
%、B:5〜7容量%、C:10〜15容量%、D:2
0以上容量%、A〜Dの雰囲気で製造したオイルテンパ
ー線の表層の硬さ分布を図1のA〜Dで示した。図中比
較材は本発明品と同一化学成分の材料で従来法により表
面脱炭のないオイルテンパー線の例である。
【0016】比較材およびA〜Dの各オイルテンパー線
を、表2に示すばね仕様に成形加工を行い、ばね加工時
における折損率を調べて、図2に示した。図2の比較材
およびA,Bにみられる如く、表面硬度が高いオイルテ
ンパー線はばね加工で折損が発生したが、図2のC,D
にみられる如く、表面硬度がHvで400以下の場合に
はばね加工で折損することがなかった。そこで本発明は
表面硬度をHvで400以下とすることにした。
【0017】
【表1】
【0018】本発明のD材と比較材を用いて製造したば
ねに、浸炭窒化とショットピーニングを施し、ばねの表
面硬度を調査した結果を図3に示した。尚D材と比較材
に施した浸炭窒化とショットピーニングの条件は同一で
ある。オイルテンパー線ではD材は比較材に比べて表面
硬度が低いが、ばね加工を行い更に浸炭窒化とショット
ピーニングを施すと、ばねの表面硬度はHvで900以
上となって、比較材と同等の表面硬度となる。
【0019】
【表2】
【0020】図4は、ばね加工を行い更に浸炭窒化とシ
ョットピーニングを施した本発明のD材と比較材のばね
疲労試験の結果である。ばね疲労試験は星型コイルばね
疲労試験機(東海試験機株製)を用いて行った。図4に
みられる如く、本発明のD材のばね疲労強度は、比較材
と同等であった。
【0021】
【実施例2】表3に示す化学成分の鋼線を用いて直径
3.2mmで引張強さ2210N/mm2の、表面を脱炭
させて表面硬度がHvで400以下のオイルテンパー線
を製作した。その表面硬度の例を図5に示した。このオ
イルテンパー線を表2に示すばね仕様にばね加工した
が、ばね加工時の折損は発生しなかった。このばねに更
に浸炭窒化処理とショットピーニングを施し、ばね疲労
試験を行った。浸炭窒化とショットピーニングを行った
後のばねの表面は、図6にみられる如く十分に硬質で、
その結果5×107回で590±530N/mm2とい
う、高い疲労強度が得られた。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明のオイルテンパー線を用いると、
ばね加工時の折損を有効に防止することができる。した
がって従来よりも高強度のオイルテンパー線を用いて
も、ばね加工時の折損を防止することができる。この結
果、従来よりも高強度で高疲労強度のばねの製造が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例1におけるオイルテンパー線の表面硬
度を示す図、
【図2】はオイルテンパー線の表面硬度とばね加工にお
ける折損の関係の例を示す図、
【図3】は浸炭窒化とショットピーニング後のばねの表
面硬度の例を示す図、
【図4】はばね疲労試験の結果の例を示す図、
【図5】はオイルテンパー線の表面硬度の他の例を示す
図、
【図6】は浸炭窒化とショットピーニング後のばねの表
面硬度の他の例の図、である。
フロントページの続き (72)発明者 小野田 光芳 千葉県習志野市東習志野7−5−1 鈴 木金属工業株式会社内 (72)発明者 林 博昭 千葉県習志野市東習志野7−5−1 鈴 木金属工業株式会社内 (72)発明者 中野 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 石川 裕二 愛知県愛知郡東郷町大字春木字蛭池1番 地 株式会社東郷製作所内 (72)発明者 内田 尚志 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新日本製鐵株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−301541(JP,A) 特開 昭63−176430(JP,A) 特開 昭62−177152(JP,A) 特開 昭63−303036(JP,A) 特開 平3−162550(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 C21D 7/06 C22C 38/24 C22C 8/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C :0.50〜0.80、 Si:1.00〜2.50 Mn:0.40〜1.00、 Cr:0.40〜2.00 V :0.05〜0.60、 Mo:0.10〜1.00 を含有し、残部は実質的にFeからなる低合金鋼線を用
    いて、オイルテンパーに際して脱炭により表層の硬度を
    Hvで400以下とし、ばねに冷間成形し、その後窒化
    または浸炭窒化とショットピーニングにより表層の硬度
    をHvで900以上にした事を特徴とする高強度ばね。
  2. 【請求項2】 重量%で、C :0.50〜0.80、 Si:1.00〜2.50 Mn:0.40〜1.00、 Cr:0.40〜2.00 V :0.05〜0.60、 Mo:0.10〜1.00 を含有し、残部は実質的にFeからなる低合金鋼線で、
    オイルテンパーに際して脱炭により表層の硬度をHvで
    400以下とした、請求項1に記載の高強度ばねの製造
    に用いるばね用オイルテンパー線。
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JP3754788B2 (ja) * 1997-03-12 2006-03-15 中央発條株式会社 耐遅れ破壊性に優れたコイルばね及びその製造方法
JP3403913B2 (ja) * 1997-03-12 2003-05-06 新日本製鐵株式会社 高強度ばね用鋼
KR101322534B1 (ko) * 2010-03-11 2013-10-28 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 내지연파괴 특성이 우수한 고강도 강재와 고강도 볼트 및 그 제조 방법
EP3081661B1 (en) * 2013-12-12 2019-07-17 Aichi Steel Corporation Ring member for cvt and method for producing same

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