JP3048287B2 - 磁気記録媒体の製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造装置

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JP3048287B2
JP3048287B2 JP5061585A JP6158593A JP3048287B2 JP 3048287 B2 JP3048287 B2 JP 3048287B2 JP 5061585 A JP5061585 A JP 5061585A JP 6158593 A JP6158593 A JP 6158593A JP 3048287 B2 JP3048287 B2 JP 3048287B2
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清和 東間
龍二 杉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録再生特性に
優れた磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、磁気記録再生装置は小型化、高密
度化の傾向にあり、従来の塗布型媒体の高密度化の限界
を越えるものとして金属薄膜型媒体が注目されている。
これに関しては、Co−Ni−Oから成る金属薄膜型媒
体がVTR用の磁気テープとして実用化されている。薄
膜型磁性層の製造方法としては斜方蒸着法が知られてい
る。
【0003】以下、図面を参照しながら従来の斜方蒸着
法の一例について説明する。図5に従来の斜方蒸着を行
なう連続真空蒸着装置の蒸着部の概略図を示す。図5に
おいて、10は高分子フィルム基板、11は円筒状キャン、
12は初期入射角を規定する遮蔽板、13は終期入射角を規
定する遮蔽板、14はガスを導入するノズル、15は蒸発
源、16はフリーローラである。蒸発源15からの蒸発原子
は遮蔽板12及び遮蔽板13の間の開口部を通過して、円筒
状キャンに沿って走行しつつある高分子フィルム基板10
上に堆積される。入射角は、蒸発原子と基板の法線との
成す角度で定義され、遮蔽板12によって初期入射角φi
が、また遮蔽板13によって終期入射角φfが制御され規
定される。磁性層の磁気特性は、入射角の範囲やガスの
導入により制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の装置では、蒸発レートを高くしたり、長時間蒸着
を行なうと、初期入射側の遮蔽板12においては円筒状キ
ャン11との隙間に結晶粒が形成され、高分子フィルム基
板10に傷が入ることがあった。そのため、遮蔽板12を円
筒状キャン11から離して、傷が入らないように対策を取
っているが、保磁力や角形比が低くなり、磁気記録媒体
として充分な特性が得られないという問題があった。
【0005】本発明は前記問題を解決し、充分な磁気特
性を確保しながら、大量生産に耐え得る磁気記録媒体の
製造装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的達成の
ために、第1発明として、円筒状キャンの周面に沿って
走行する高分子フィルム基板上に、連続真空蒸着装置を
用いて斜方蒸着法により磁性層を設ける磁気記録媒体の
製造装置において、前記高分子フィルム基板に対する蒸
発原子の初期入射角を規定する第1遮蔽板と、前記高分
子フィルム基板の走行上流側に位置し、前記第1遮蔽板
により規定される初期入射角を変更することなく前記円
筒状キャンの周面の初期入射部に近接させた第2遮蔽板
とを配設した磁気記録媒体の製造装置とした。
【0007】また、第2発明として、第2遮蔽板を複数
配設した磁気記録媒体の製造装置とした。さらに、第3
発明として、第1遮蔽板と蒸発源との間に位置し、前記
第1遮蔽板により規定される初期入射角を変更すること
なく前記第1遮蔽板への蒸発原子の付着を抑制する第3
遮蔽板を配設した磁気記録媒体の製造装置とした。
【0008】
【作用】第1発明では、第1遮蔽板に規定されている蒸
発原子の初期入射角を変更することなく、初期入射部に
近接して設けた第2遮蔽板により、蒸発原子のうち散乱
された原子が高分子フィルム基板へ付着するのを抑制す
ることができる。また、第2発明では、複数の第2遮蔽
板を設けることにより、高分子フィルム基板への散乱蒸
発原子の付着を充分に抑制できる。
【0009】さらに、第3発明では、第3遮蔽板を第1
遮蔽板と蒸発源との間に設けたので、第1遮蔽板への蒸
発原子の付着を防止すると共に散乱蒸発原子が高分子フ
ィルム基板へ付着するのを抑制できる。
【0010】
【実施例】以下、図面に示した実施例に基づいて説明す
る。図1は第1発明の磁気記録媒体の製造装置の要部を
示すもので、斜方蒸着法によって磁性層を高分子フィル
ム基板上に形成する。図1において、1は高分子フィル
ム基板、2は円筒状キャン、3は蒸発源で、蒸発原子を
発する。4は第1遮蔽板で、蒸発源3から発した蒸発原
子の初期入射角を規定して高分子フィルム基板1上への
蒸発原子の付着を制御する。
【0011】5は第2遮蔽板で、第1遮蔽板4に対し前
記高分子フィルム基板1の走行上流側に位置し、第1遮
蔽板4により規定される初期入射角を変更することなく
円筒状キャン2の周面の初期入射部に近接した位置に設
けた。6は遮蔽板で、蒸発源3から発した蒸発原子の終
期入射角を規定する。7はノズルで、ガスを導入する。
8はフリーローラで、高分子フィルム基板1を円筒状キ
ャン2に案内する役割をもつ。
【0012】この第1遮蔽板4を用いて、従来技術の問
題点について検討した。すなわち、遮蔽板と円筒状キャ
ンとの距離と膜の磁気特性との関連を調べた。第1遮蔽
板4及び第2遮蔽板5の役割について図2に示した初期
入射部の拡大図で説明する。第1遮蔽板4と円筒状キャ
ン2との距離を図2に示すようにdで定義した。初期入
射角φiが一定となるように第1遮蔽板4を平行移動さ
せて距離dを変化させた。保磁力および角形比の距離d
に対する依存性の一例を図3に示す。
【0013】図3において、○印は保磁力、□印は角形
比をあらわす。初期入射角φiを70゜、終期入射角φ
fを50゜として作製したCo−O膜についての例であ
る。図3からわかるように、距離dが大きいほど保磁力
および角形比が低下する。この原因として、蒸発原子の
散乱が考えられる。すなわち、第1遮蔽板4によって規
制された蒸発原子のうち散乱されている原子は、初期入
射角φiが定義される円筒状キャン2の位置よりも更に
高入射角側に侵入し、高分子フィルム基板1に付着する
ものと考えられる。散乱で高分子フィルム基板1に付着
する原子は、入射角によって制御しようとする結晶の成
長を阻害するものであり、磁気異方性分散の増大につな
がるものと考えられるからである。
【0014】次に、第2遮蔽板5の役割について説明す
る。第2遮蔽板5は、上述の散乱原子の高分子フィルム
基板1への付着を抑制するものである。図4は初期入射
部の拡大図である。図4において、第2遮蔽板5は、初
期入射角φiが定義される位置よりも基板走行上流側に
配設されており、かつ円筒状キャン2に近接している。
この様な位置に第2遮蔽板5を固定して、保磁力および
角形比の距離dに対する依存性を図3と同様に調べる
と、保磁力および角形比はほぼ一定となった。そして、
その値は、図3において確認された最小距離で得られた
値にほぼ等しくなった。この結果は、散乱原子の磁気特
性への影響を裏付けるものである。しかし、距離dが大
きくなると、第2遮蔽板5に付着する原子が急激に増加
し、高分子フィルム基板1に傷をつける結果となる。そ
こで、第2発明として、図4における第1遮蔽板4と第
2遮蔽板5との間に更に遮蔽板を配設することとした。
ここで増配設される遮蔽板も、散乱蒸発原子流を遮蔽す
ると言う意味で、第2遮蔽板に分類される。
【0015】次に、第3発明を説明する。図1中の9は
第3遮蔽板で、第1遮蔽板4と蒸発源3との間に位置
し、第1遮蔽板4により規定される初期入射角を変更す
ることなく第1遮蔽板4への蒸発原子の付着を抑制する
役割をもつ。第3遮蔽板9は、蒸発原子が第1遮蔽板4
に付着するのを抑制するものである。第3遮蔽板9は、
蒸発源に最も近いので、輻射熱の影響が大きくかつ堆積
量も多量となる。従って、強固な部材で構成し、水冷等
の対策が必要である。さらに、蒸着中に、堆積量の増加
により初期入射角が変化しないように、後退機構を付加
することが望ましい。
【0016】さらに、第1発明、第2発明及び第3発明
において述べた3種の遮蔽板を併用することで優れた磁
気特性を有する磁気記録媒体を量産することが可能とな
る。図1に示した本発明の一実施例としての磁気記録媒
体の製造装置を用いて、入射角の範囲を70゜〜50゜
とし、Co−O膜を磁性層として成膜した。円筒状キャ
ン2の直径は1mであり、蒸発源3にCoを仕込み70
kWの電子ビームによって溶解した。ガス導入ノズル7
から毎分1.2リットルの酸素を導入した。高分子フィ
ルム基板1の走行速度は60m/分である。第1遮蔽板
4を、図2における距離dが10mmとなる位置に設
け、第2遮蔽板5を2枚用いた。1枚は図5における第
2遮蔽板5の位置で円筒状キャン2との隙間は1.5m
mとした。もう1枚の第2遮蔽板は、図2における距離
dが4mmとした。第3遮蔽板9は、第1遮蔽板4の下
方約2cmに配置した。この状態で約3時間の蒸着を行
なった。その結果、長尺にわたってほぼ均一な磁気特性
の膜が傷無しに得られた。
【0017】上記においてはCo−O膜について述べた
が、その他の磁性層についても斜方蒸着を行なう場合に
は、本発明が有効である。また、初期入射角が大きいほ
ど本発明が有効に働く。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように斜方蒸着
法において、初期入射角が確実に保持され、蒸発原子の
散乱を防止して、高密度記録再生に適した優れた磁気特
性を有する磁性層が得られ長尺の磁気記録テープ媒体の
量産を容易にすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として示した磁気記録媒体の製
造装置の要部説明図
【図2】本発明の初期入射部分の拡大説明図
【図3】距離dと保磁力および角形比との関係を示す図
【図4】本発明の磁気記録媒体の製造装置の初期入射部
分の拡大図
【図5】従来の磁気記録媒体の製造装置の一例を示す要
部説明図
【符号の説明】
1 高分子フィルム基板 2 円筒状キャン 3 蒸発源 4 第1遮蔽板 5 第2遮蔽板 6 遮蔽板 9 第3遮蔽板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/85 C23C 14/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状キャンの周面に沿って走行する高
    分子フィルム基板上に、連続真空蒸着装置を用いて斜方
    蒸着法により磁性層を設ける磁気記録媒体の製造装置に
    おいて、前記高分子フィルム基板に対する蒸発原子の初
    期入射角を規定する第1遮蔽板と、前記高分子フィルム
    基板の走行上流側に位置し、前記第1遮蔽板により規定
    される初期入射角を変更することなく前記円筒状キャン
    の周面の初期入射部に近接させた第2遮蔽板とを配設し
    たことを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。
  2. 【請求項2】 第2遮蔽板を複数配設したことを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録媒体の製造装置。
  3. 【請求項3】 第1遮蔽板と蒸発源との間に位置し、前
    記第1遮蔽板により規定される初期入射角を変更するこ
    となく前記第1遮蔽板への蒸発原子の付着を抑制する第
    3遮蔽板を配設したことを特徴とする磁気記録媒体の製
    造装置。
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