JPH0773430A - 磁気記録媒体ならびにその記録方法 - Google Patents
磁気記録媒体ならびにその記録方法Info
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- JPH0773430A JPH0773430A JP21867493A JP21867493A JPH0773430A JP H0773430 A JPH0773430 A JP H0773430A JP 21867493 A JP21867493 A JP 21867493A JP 21867493 A JP21867493 A JP 21867493A JP H0773430 A JPH0773430 A JP H0773430A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 再生波形の波形歪がなく、スペーシングロス
の小さい磁気記録媒体を提供する。 【構成】 磁性層19の上層5部分の実効の磁化容易軸
方向30が非磁性基板7の平面に対して平均で25°〜
45°の範囲の第1傾斜角(α1)をもって立ち上がっ
て傾斜しており、かつその上層5部分を含む磁性層19
全体の実効の磁化容易軸方向31が第1傾斜角と同方向
で、非磁性基板7の平面に対して平均で15°〜40°
の範囲の第2傾斜角(α2)をもって傾斜しており、第
1傾斜角(α1)が第2傾斜角(α2)よりも大きい
(α1>α2)ことを特徴とする。
の小さい磁気記録媒体を提供する。 【構成】 磁性層19の上層5部分の実効の磁化容易軸
方向30が非磁性基板7の平面に対して平均で25°〜
45°の範囲の第1傾斜角(α1)をもって立ち上がっ
て傾斜しており、かつその上層5部分を含む磁性層19
全体の実効の磁化容易軸方向31が第1傾斜角と同方向
で、非磁性基板7の平面に対して平均で15°〜40°
の範囲の第2傾斜角(α2)をもって傾斜しており、第
1傾斜角(α1)が第2傾斜角(α2)よりも大きい
(α1>α2)ことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体ならびに
その記録方法に係り、特に高密度記録再生特性に優れ、
かつデジタル信号の記録再生に適した磁気記録媒体なら
びにその記録方法に関する。
その記録方法に係り、特に高密度記録再生特性に優れ、
かつデジタル信号の記録再生に適した磁気記録媒体なら
びにその記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】短波長記録再生特性に優れた磁気記録方
式として、垂直磁気記録方式がある。この方式によれ
ば、Co−Cr垂直磁気記録媒体と垂直記録ヘッドを用
いることにより、理論的には500kFCI以上の高密
度記録が可能である。しかし、まだCo−Cr垂直磁気
記録媒体と垂直記録ヘッドの量産技術と安定なシステム
構築技術が確率していないため、この方式はまだ実用レ
ベルに達していない。
式として、垂直磁気記録方式がある。この方式によれ
ば、Co−Cr垂直磁気記録媒体と垂直記録ヘッドを用
いることにより、理論的には500kFCI以上の高密
度記録が可能である。しかし、まだCo−Cr垂直磁気
記録媒体と垂直記録ヘッドの量産技術と安定なシステム
構築技術が確率していないため、この方式はまだ実用レ
ベルに達していない。
【0003】一方、この垂直磁気記録方式において、垂
直記録ヘッドの代わりに従来のリング型記録ヘッドを用
いて、垂直記録ヘッドに起因する技術的問題を避ける試
みがなされている。しかし、リング型記録ヘッドの使用
によって、 .記録ヘッドと記録媒体間のスペーシングによる出力
減少(スペーシングロス)が大きくなること、 .低密度記録領域において再生出力が低いこと、 .出力波形がサブピークの発生した波形(ダイパル
ス)となり、そのサブピークを消去するための波形処理
が必要であるなどの問題を有している。
直記録ヘッドの代わりに従来のリング型記録ヘッドを用
いて、垂直記録ヘッドに起因する技術的問題を避ける試
みがなされている。しかし、リング型記録ヘッドの使用
によって、 .記録ヘッドと記録媒体間のスペーシングによる出力
減少(スペーシングロス)が大きくなること、 .低密度記録領域において再生出力が低いこと、 .出力波形がサブピークの発生した波形(ダイパル
ス)となり、そのサブピークを消去するための波形処理
が必要であるなどの問題を有している。
【0004】最近、リング型記録ヘッドを用いた場合に
発生する前記問題を軽減するため、Co−Cr記録膜や
Co−O記録膜などの薄膜記録媒体の磁化容易軸方向を
垂直方向から面内方向に多少傾けた準垂直磁気記録媒体
を使用することが、例えば特開平3−183014号公
報などによって提案されている。
発生する前記問題を軽減するため、Co−Cr記録膜や
Co−O記録膜などの薄膜記録媒体の磁化容易軸方向を
垂直方向から面内方向に多少傾けた準垂直磁気記録媒体
を使用することが、例えば特開平3−183014号公
報などによって提案されている。
【0005】図17は前記準垂直磁気記録媒体の製造工
程を示す説明図、図18はリング型記録ヘッドを用いて
前記準垂直磁気記録媒体に信号を記録した際の磁化状態
を示す説明図、図19はこの準垂直磁気記録媒体の再生
波形図である。
程を示す説明図、図18はリング型記録ヘッドを用いて
前記準垂直磁気記録媒体に信号を記録した際の磁化状態
を示す説明図、図19はこの準垂直磁気記録媒体の再生
波形図である。
【0006】準垂直磁気記録媒体は、図17に示すよう
な連続真空蒸着装置を用いて製造される。同図において
101はフィルム状の非磁性基板、102は非磁性基板
101の供給ロール、103は非磁性基板101の巻取
りロール、104は円筒状のキャン、105はマスク、
106は導入ガス、107は蒸発源、108はるつぼ、
109は遮蔽板、Rはキャン104の回転方向である。
な連続真空蒸着装置を用いて製造される。同図において
101はフィルム状の非磁性基板、102は非磁性基板
101の供給ロール、103は非磁性基板101の巻取
りロール、104は円筒状のキャン、105はマスク、
106は導入ガス、107は蒸発源、108はるつぼ、
109は遮蔽板、Rはキャン104の回転方向である。
【0007】同図に示すように非磁性基板101はキャ
ン104の周面にあてがってキャン104の回転ととも
に走行し、真空蒸着により非磁性基板101上に磁性層
110を形成する。
ン104の周面にあてがってキャン104の回転ととも
に走行し、真空蒸着により非磁性基板101上に磁性層
110を形成する。
【0008】この際、キャン104の周面に沿って設け
たマスク105の位置を調整して、蒸着開始位置および
蒸着終了位置における蒸発原子の非磁性基板101に対
する入射角を設定することにより、非磁性基板101の
表面の法線111(図18参照)に対して磁化容易軸方
向114が傾斜した磁性層110が形成される。
たマスク105の位置を調整して、蒸着開始位置および
蒸着終了位置における蒸発原子の非磁性基板101に対
する入射角を設定することにより、非磁性基板101の
表面の法線111(図18参照)に対して磁化容易軸方
向114が傾斜した磁性層110が形成される。
【0009】これを具体的に説明すると、非磁性基板1
01に対する蒸発原子の入射角がθ11である蒸着開始
位置と、蒸発原子の入射角がθ12である蒸着終了位置
との間で、蒸発原子の入射角がθ13の位置に遮蔽板1
09を設置する。この遮蔽板109よりも回転方向後流
側に不活性ガス106(例えばアルゴンなど)が導入さ
れる。
01に対する蒸発原子の入射角がθ11である蒸着開始
位置と、蒸発原子の入射角がθ12である蒸着終了位置
との間で、蒸発原子の入射角がθ13の位置に遮蔽板1
09を設置する。この遮蔽板109よりも回転方向後流
側に不活性ガス106(例えばアルゴンなど)が導入さ
れる。
【0010】そして入射角がθ11からθ13までに変
化する間の第1形成過程で図18に示すように下層11
2が、また引き続いて入射角がθ13からθ12までに
変化する間の第2形成過程で上層113が、一度の蒸着
工程で形成される。
化する間の第1形成過程で図18に示すように下層11
2が、また引き続いて入射角がθ13からθ12までに
変化する間の第2形成過程で上層113が、一度の蒸着
工程で形成される。
【0011】なお、入射角θ11は70°以下、入射角
θ12は0°以上、入射角θ13は10°〜40°の範
囲に規制され、1つのキャン104を用いることからθ
11>θ13>θ12の関係にある。
θ12は0°以上、入射角θ13は10°〜40°の範
囲に規制され、1つのキャン104を用いることからθ
11>θ13>θ12の関係にある。
【0012】このように非磁性基板101に対する蒸発
原子の入射角θを規制することにより、図18に示す如
く磁性層110の少なくとも下層112が非磁性基板表
面の法線111に対して傾斜した方向に磁化容易軸11
4を有する。また上層113を形成する際に不活性ガス
106を導入することにより、蒸発原子を散乱させて結
晶の配向性を乱し、その結果、上層113の磁気異方性
を下層112の磁気異方性よりも弱くした準垂直磁気記
録媒体を得ることができる。
原子の入射角θを規制することにより、図18に示す如
く磁性層110の少なくとも下層112が非磁性基板表
面の法線111に対して傾斜した方向に磁化容易軸11
4を有する。また上層113を形成する際に不活性ガス
106を導入することにより、蒸発原子を散乱させて結
晶の配向性を乱し、その結果、上層113の磁気異方性
を下層112の磁気異方性よりも弱くした準垂直磁気記
録媒体を得ることができる。
【0013】前述のように図18はリング型記録ヘッド
を用いてこの準垂直磁気記録媒体に信号を記録した際の
磁化状態を示す図で、図中の115a,115bはリン
グ型記録ヘッドのヘッドコア、116はリング型記録ヘ
ッドのヘッドギャツプ、117は磁気記録媒体に対する
リング型記録ヘッドの相対的な移動方向、118は下層
112における磁化方向、119は上層113における
磁化方向である。
を用いてこの準垂直磁気記録媒体に信号を記録した際の
磁化状態を示す図で、図中の115a,115bはリン
グ型記録ヘッドのヘッドコア、116はリング型記録ヘ
ッドのヘッドギャツプ、117は磁気記録媒体に対する
リング型記録ヘッドの相対的な移動方向、118は下層
112における磁化方向、119は上層113における
磁化方向である。
【0014】図19の(a)はリング型記録ヘッドで矩
形波形の信号を記録して再生したときの上層113の孤
立再生波形、同図(b)は下層112の孤立再生波形、
同図(c)は磁性層全体としての再生波形である。
形波形の信号を記録して再生したときの上層113の孤
立再生波形、同図(b)は下層112の孤立再生波形、
同図(c)は磁性層全体としての再生波形である。
【0015】これらの図に示されているように、同図
(a)の孤立再生波形と同図(b)の孤立再生波形を加
え合わせることにより、同図(a)のサブピーク120
は同図(b)の121の部分により相殺され、同図
(b)のサブピーク122は同図(a)の123の部分
により相殺されて、結果として同図(c)に示すように
サブピークがほとんどない単峰状の再生信号が得られ
る。
(a)の孤立再生波形と同図(b)の孤立再生波形を加
え合わせることにより、同図(a)のサブピーク120
は同図(b)の121の部分により相殺され、同図
(b)のサブピーク122は同図(a)の123の部分
により相殺されて、結果として同図(c)に示すように
サブピークがほとんどない単峰状の再生信号が得られ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述の提案によりサブ
ピークがほとんどない単峰状の再生波形を得ることがで
きるが、その再生波形のパルス幅は十分に狭くできず、
まだスペーシングロスの問題が残っている。
ピークがほとんどない単峰状の再生波形を得ることがで
きるが、その再生波形のパルス幅は十分に狭くできず、
まだスペーシングロスの問題が残っている。
【0017】特に磁気記録媒体と記録ヘッドとが常に摺
接しているVTRにおいては、磁性層、記録ヘッド、潤
滑剤などの磨耗や変質は避けることができない。このた
め、スペーシングロスの大きな記録媒体を使用すると、
前述の磨耗や変質によって生成した物質がヘッド表面に
付着して、再生出力の大幅な減少や変動を生じ、信頼性
に問題がある。
接しているVTRにおいては、磁性層、記録ヘッド、潤
滑剤などの磨耗や変質は避けることができない。このた
め、スペーシングロスの大きな記録媒体を使用すると、
前述の磨耗や変質によって生成した物質がヘッド表面に
付着して、再生出力の大幅な減少や変動を生じ、信頼性
に問題がある。
【0018】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、スペーシングロスが小さく、信頼性の高い
磁気記録媒体およびその記録方法を提供することにあ
る。
点を解消し、スペーシングロスが小さく、信頼性の高い
磁気記録媒体およびその記録方法を提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、第1の本発明は、非磁性基板上に直接または下地層
を介して磁性層が形成された磁気記録媒体において、ギ
ャップ長が0.2μmのリング状磁気ヘッドで矩形波形
の信号を記録して再生したときの前記磁性層の上層側部
分の独立再生波形と、磁性層の上層側以外の部分の独立
再生波形とが互いに逆位相であることを特徴とするもの
である。
め、第1の本発明は、非磁性基板上に直接または下地層
を介して磁性層が形成された磁気記録媒体において、ギ
ャップ長が0.2μmのリング状磁気ヘッドで矩形波形
の信号を記録して再生したときの前記磁性層の上層側部
分の独立再生波形と、磁性層の上層側以外の部分の独立
再生波形とが互いに逆位相であることを特徴とするもの
である。
【0020】上記の目的を達成するため、第2の本発明
は、非磁性基板上に直接または下地層を介して磁性層が
形成された磁気記録媒体の記録方法において、前記磁性
層の上層側部分の実効の磁化容易軸方向が前記非磁性基
板の平面に対して平均で25°〜45°の範囲の第1傾
斜角(α1)をもって立ち上がって傾斜しており、かつ
その上層側部分を含む磁性層全体の実効の磁化容易軸方
向が前記第1傾斜角と同方向で、前記非磁性基板の平面
に対して平均で15°〜40°の範囲の第2傾斜角(α
2)をもって傾斜しており、前記第1傾斜角(α1)が
前記第2傾斜角(α2)よりも大きい(α1>α2)磁
気記録媒体を用い、リング状の記録ヘッドを使用して、
前記磁性層と前記リング状記録ヘッドとの相対運動の向
きを、リング状記録ヘッドのリーディングコア近傍にお
れる磁界方向と磁性層全体の磁化容易軸方向が非磁性基
板の法線に対して同じ方向を向くように走査して所定の
信号を記録して再生した際に、前記磁性層の上層側部分
の独立再生波形の独立再生波形と、磁性層の上層側以外
の部分の独立再生波形とが互いに逆位相であることを特
徴とする。
は、非磁性基板上に直接または下地層を介して磁性層が
形成された磁気記録媒体の記録方法において、前記磁性
層の上層側部分の実効の磁化容易軸方向が前記非磁性基
板の平面に対して平均で25°〜45°の範囲の第1傾
斜角(α1)をもって立ち上がって傾斜しており、かつ
その上層側部分を含む磁性層全体の実効の磁化容易軸方
向が前記第1傾斜角と同方向で、前記非磁性基板の平面
に対して平均で15°〜40°の範囲の第2傾斜角(α
2)をもって傾斜しており、前記第1傾斜角(α1)が
前記第2傾斜角(α2)よりも大きい(α1>α2)磁
気記録媒体を用い、リング状の記録ヘッドを使用して、
前記磁性層と前記リング状記録ヘッドとの相対運動の向
きを、リング状記録ヘッドのリーディングコア近傍にお
れる磁界方向と磁性層全体の磁化容易軸方向が非磁性基
板の法線に対して同じ方向を向くように走査して所定の
信号を記録して再生した際に、前記磁性層の上層側部分
の独立再生波形の独立再生波形と、磁性層の上層側以外
の部分の独立再生波形とが互いに逆位相であることを特
徴とする。
【0021】
【作用】本発明者らは前述した提案の磁気記録媒体にお
いて再生波形のパルス幅が十分に狭くできない理由を種
々検討した結果、図19(a)の孤立再生波形のメイン
ピーク124と、同図(b)の孤立再生波形のメインピ
ーク125がともに同じ上側、すなわち同位相になつて
いるため、同図(a),(b)の孤立再生波形の相殺効
果が不十分で、パルス幅が十分に狭い再生波形が得られ
ないことを解明した。
いて再生波形のパルス幅が十分に狭くできない理由を種
々検討した結果、図19(a)の孤立再生波形のメイン
ピーク124と、同図(b)の孤立再生波形のメインピ
ーク125がともに同じ上側、すなわち同位相になつて
いるため、同図(a),(b)の孤立再生波形の相殺効
果が不十分で、パルス幅が十分に狭い再生波形が得られ
ないことを解明した。
【0022】そこで本発明は、リング状記録ヘッドで矩
形波形の信号を記録して再生したときの磁性層の上層側
部分の独立再生波形と、磁性層の上層側以外の部分の独
立再生波形とが互いに逆位相になるように構成すること
により、上層側部分の独立再生波形と上層側以外の部分
の独立再生波形との相殺効果が十分に発揮されて、パル
ス幅が十分に狭い再生波形が得られる。
形波形の信号を記録して再生したときの磁性層の上層側
部分の独立再生波形と、磁性層の上層側以外の部分の独
立再生波形とが互いに逆位相になるように構成すること
により、上層側部分の独立再生波形と上層側以外の部分
の独立再生波形との相殺効果が十分に発揮されて、パル
ス幅が十分に狭い再生波形が得られる。
【0023】それによって、スペーシングロスが小さ
く、信頼性の高い磁気記録媒体ならびにそれの記録方法
を提供することができる。
く、信頼性の高い磁気記録媒体ならびにそれの記録方法
を提供することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図とともに説明す
る。図1は本発明の実施例に係る磁気記録媒体の拡大断
面図、図2はその磁気記録媒体を製造する連続真空蒸着
装置の概略構成図、図3は実施例に係る磁気記録媒体を
使用して信号を記録する際の状態を示す説明図、図4な
いし図12は各例の再生波形図である。
る。図1は本発明の実施例に係る磁気記録媒体の拡大断
面図、図2はその磁気記録媒体を製造する連続真空蒸着
装置の概略構成図、図3は実施例に係る磁気記録媒体を
使用して信号を記録する際の状態を示す説明図、図4な
いし図12は各例の再生波形図である。
【0025】まず、図2を用いて本発明の実施例に係る
磁気記録媒体の製造方法を説明する。長尺のフィルム状
非磁性基板7が供給ロール15から2つの円筒状キャン
16、17を経て巻取りロール18に巻取られる。
磁気記録媒体の製造方法を説明する。長尺のフィルム状
非磁性基板7が供給ロール15から2つの円筒状キャン
16、17を経て巻取りロール18に巻取られる。
【0026】キャン16の斜め下方には開口部20を介
して蒸発源24が、キャン17の斜め下方には開口部2
1を介して蒸発源25が、それぞれ設置されている。蒸
発源24に対して電子銃27が、蒸発源25に対して電
子銃28が設けられ、前記開口部20の付近にガス導入
管22が、開口部21の付近にガス導入管23が配置さ
れている。キャン16とキャン17の間には、プラズマ
酸化室26が設けられている。
して蒸発源24が、キャン17の斜め下方には開口部2
1を介して蒸発源25が、それぞれ設置されている。蒸
発源24に対して電子銃27が、蒸発源25に対して電
子銃28が設けられ、前記開口部20の付近にガス導入
管22が、開口部21の付近にガス導入管23が配置さ
れている。キャン16とキャン17の間には、プラズマ
酸化室26が設けられている。
【0027】前記開口部20の位置、大きさにより下層
6(図1参照)を形成する蒸発原子の蒸着開始位置の入
射角θ1と蒸着終了位置の入射角θ2が規制され、開口
部21の位置、大きさにより上層5(図1参照)を形成
する蒸発原子の蒸着開始位置の入射角θ3と蒸着終了位
置の入射角θ4が規制される。
6(図1参照)を形成する蒸発原子の蒸着開始位置の入
射角θ1と蒸着終了位置の入射角θ2が規制され、開口
部21の位置、大きさにより上層5(図1参照)を形成
する蒸発原子の蒸着開始位置の入射角θ3と蒸着終了位
置の入射角θ4が規制される。
【0028】供給ロール15から繰り出された非磁性基
板7が開口部20の近くを通過する間に、電子ビーム加
熱によって蒸発源24からの蒸発原子が非磁性基板7に
付着して図1に示す下層6が形成されるが、そのときに
例えば酸素ガスなどの磁気特性調節用ガスがガス導入管
22から供給される。
板7が開口部20の近くを通過する間に、電子ビーム加
熱によって蒸発源24からの蒸発原子が非磁性基板7に
付着して図1に示す下層6が形成されるが、そのときに
例えば酸素ガスなどの磁気特性調節用ガスがガス導入管
22から供給される。
【0029】キャン16で製膜された後にプラズマ酸化
室26を通過することにより下層6の表面が酸化され
て、非磁性膜29が形成される。
室26を通過することにより下層6の表面が酸化され
て、非磁性膜29が形成される。
【0030】表面が酸化された下層6が開口部21の近
くを通過する間に、電子ビーム加熱によって蒸発源25
からの蒸発原子が下層6上に付着して図1に示す上層5
が形成され、その際に例えば酸素ガスなどの磁気特性調
節用ガスがガス導入管23から供給される。このように
して上層5と下層6の2層構造になった磁性層19を有
する磁気記録媒体が巻取りロール18に順次巻き取られ
る。
くを通過する間に、電子ビーム加熱によって蒸発源25
からの蒸発原子が下層6上に付着して図1に示す上層5
が形成され、その際に例えば酸素ガスなどの磁気特性調
節用ガスがガス導入管23から供給される。このように
して上層5と下層6の2層構造になった磁性層19を有
する磁気記録媒体が巻取りロール18に順次巻き取られ
る。
【0031】この実施例ではキャン16、17および蒸
着開口部20、21を2個ずつ用いて磁性層5、6を積
層したが、キャンを1個だけ用いて蒸着開口部を2個設
けてあるいは1つの蒸着開口部を2個以上に仕切って磁
性層を積層する方法、キャンと蒸着開口部を1個設け
て、1度蒸着して巻き戻した後に再度蒸着して磁性層を
積層する方法、キャンと蒸着開口部を1個設けて、蒸着
条件を変えながら1回の蒸着で磁性層の上側と下側の磁
化容易軸方向の角度を変える方法などか適用可能であ
る。
着開口部20、21を2個ずつ用いて磁性層5、6を積
層したが、キャンを1個だけ用いて蒸着開口部を2個設
けてあるいは1つの蒸着開口部を2個以上に仕切って磁
性層を積層する方法、キャンと蒸着開口部を1個設け
て、1度蒸着して巻き戻した後に再度蒸着して磁性層を
積層する方法、キャンと蒸着開口部を1個設けて、蒸着
条件を変えながら1回の蒸着で磁性層の上側と下側の磁
化容易軸方向の角度を変える方法などか適用可能であ
る。
【0032】前述のように2層以上の磁性層を積層する
方法では磁化容易軸方向の角度を段階的に変化させるこ
とができるが、1回の蒸着で磁性層を形成する方法では
磁化容易軸方向の角度が連続して変化することになる。
方法では磁化容易軸方向の角度を段階的に変化させるこ
とができるが、1回の蒸着で磁性層を形成する方法では
磁化容易軸方向の角度が連続して変化することになる。
【0033】前記非磁性基板7としては、例えばポリエ
チレンテレフタレート(PET)やポリイミドなどが使
用され、非磁性基板7の表面には直径180ÅのSiO
2 粒子が1μm2 につき10個程度の密度で分散、付着
している。このように微粒子を分散、付着させておく
と、その上に磁性層19を形成したときに磁性層19の
表面に微細な凹凸が形成され、記録ヘッドに対する磁気
記録媒体の滑り性を良くしている。後述のように本発明
の磁気記録媒体はスペーシングロスが少ないため、前述
のように磁性層19の表面に微細な凹凸を形成してもス
ペーシングロスによる弊害はほとんどない。
チレンテレフタレート(PET)やポリイミドなどが使
用され、非磁性基板7の表面には直径180ÅのSiO
2 粒子が1μm2 につき10個程度の密度で分散、付着
している。このように微粒子を分散、付着させておく
と、その上に磁性層19を形成したときに磁性層19の
表面に微細な凹凸が形成され、記録ヘッドに対する磁気
記録媒体の滑り性を良くしている。後述のように本発明
の磁気記録媒体はスペーシングロスが少ないため、前述
のように磁性層19の表面に微細な凹凸を形成してもス
ペーシングロスによる弊害はほとんどない。
【0034】前記蒸発源24、25としては、例えばC
o,Co−Cr,Co−Cr−Ni,Co−O,Co−
Ni−Oあるいはこれに微量の不純物を含んだ材料が使
用でき、蒸発源24と蒸発源25は同一材料であっても
異種材料であってもよい。
o,Co−Cr,Co−Cr−Ni,Co−O,Co−
Ni−Oあるいはこれに微量の不純物を含んだ材料が使
用でき、蒸発源24と蒸発源25は同一材料であっても
異種材料であってもよい。
【0035】この実施例ではプラズマ酸化によって下層
6の表面に非磁性層29を形成したが、酸化したい部分
に酸素ガスを局部的に吹き付ける方法、下層6の表面を
一旦大気に晒す方法、下層6の表面に酸素イオンを打ち
込む方法などを用いることもできる。また、Ti,C
r,Al,Mn,Sn,B,C,Si,Geなどの金
属,半金属,半導体,これらの酸化物,窒化物,Co,
Niなどの酸化物,窒化物およびこれらの混合物など、
非磁性でかつ磁性層の上層側部分の磁気特性を乱さない
物質の薄膜を形成することもできる。
6の表面に非磁性層29を形成したが、酸化したい部分
に酸素ガスを局部的に吹き付ける方法、下層6の表面を
一旦大気に晒す方法、下層6の表面に酸素イオンを打ち
込む方法などを用いることもできる。また、Ti,C
r,Al,Mn,Sn,B,C,Si,Geなどの金
属,半金属,半導体,これらの酸化物,窒化物,Co,
Niなどの酸化物,窒化物およびこれらの混合物など、
非磁性でかつ磁性層の上層側部分の磁気特性を乱さない
物質の薄膜を形成することもできる。
【0036】この非磁性層29の厚さは30Å〜100
0Åの範囲が適当で、30Å未満だと磁性層19の上層
側部分(本実施例では上層5)とそれ以外の部分(本実
施例では下層6)で相互作用を及ぼし、後述するような
孤立再生波形が確実に得られず、一方、1000Åを超
えると非磁性層29がスペーシングとなり、非磁性層2
9の下方の磁性層(本実施例では下層6)からの磁束を
記録ヘッドで拾うことが困難となる。
0Åの範囲が適当で、30Å未満だと磁性層19の上層
側部分(本実施例では上層5)とそれ以外の部分(本実
施例では下層6)で相互作用を及ぼし、後述するような
孤立再生波形が確実に得られず、一方、1000Åを超
えると非磁性層29がスペーシングとなり、非磁性層2
9の下方の磁性層(本実施例では下層6)からの磁束を
記録ヘッドで拾うことが困難となる。
【0037】上層5ならびに下層6の膜厚は、電子銃2
7、28の出力ならびに非磁性基板7の送り速度で制御
可能である。上層5の膜厚は、2500Å以下、好まし
くは200Å〜1500Åの範囲に規制される。上層5
の膜厚が2500Åを超えると上層5以外の部分と記録
ヘッドとの距離が離れ過ぎ、この部分からの磁束を記録
ヘッドで拾うことが困難となる。
7、28の出力ならびに非磁性基板7の送り速度で制御
可能である。上層5の膜厚は、2500Å以下、好まし
くは200Å〜1500Åの範囲に規制される。上層5
の膜厚が2500Åを超えると上層5以外の部分と記録
ヘッドとの距離が離れ過ぎ、この部分からの磁束を記録
ヘッドで拾うことが困難となる。
【0038】上層5以外の部分の膜厚は500Å以上、
好ましくは800Å〜2000Åの範囲に規制される。
上層5以外の部分の膜厚が500Å未満だと、その部分
から記録ヘッドが拾う磁束が小さくなり過ぎ、上層5の
再生波形との重合わせによる効果が十分に得られない。
好ましくは800Å〜2000Åの範囲に規制される。
上層5以外の部分の膜厚が500Å未満だと、その部分
から記録ヘッドが拾う磁束が小さくなり過ぎ、上層5の
再生波形との重合わせによる効果が十分に得られない。
【0039】磁性層19全体の膜厚は、3500Å以
下、好ましくは1000Å〜2500Åの範囲に規制さ
れる。磁性層19全体の膜厚が3500Åを超えるとノ
イズが増加し、C/N特性が劣化する。
下、好ましくは1000Å〜2500Åの範囲に規制さ
れる。磁性層19全体の膜厚が3500Åを超えるとノ
イズが増加し、C/N特性が劣化する。
【0040】磁性層19の保磁力は、磁性材料の種類、
吹き付けガスの種類、吹き付け方法、吹き付け量、非磁
性基板の温度、非磁性基板の表面性、結晶配向性制御
膜、膜形成時の真空度の調整等によって制御される。
吹き付けガスの種類、吹き付け方法、吹き付け量、非磁
性基板の温度、非磁性基板の表面性、結晶配向性制御
膜、膜形成時の真空度の調整等によって制御される。
【0041】これらの方法を用いて、上層5の垂直方向
の保磁力は700〜2000 Oeの範囲に規制され
る。この部分の保磁力が2000 Oeを超えるとリン
グ状記録ヘッドでの書き込みが困難となり、一方、保磁
力が700 Oe未満になると磁化状態を安定に保つこ
とが困難となる。
の保磁力は700〜2000 Oeの範囲に規制され
る。この部分の保磁力が2000 Oeを超えるとリン
グ状記録ヘッドでの書き込みが困難となり、一方、保磁
力が700 Oe未満になると磁化状態を安定に保つこ
とが困難となる。
【0042】上層5以外の部分の面内方向の保磁力は5
00〜2000 Oeの範囲に規制される。この部分の
保磁力が2000 Oeを超えると上層部分の場合と同
様、リング状記録ヘッドでの書き込みが困難となり、一
方、保磁力が500 Oe未満になると磁化状態を安定
に保つことが困難となる。
00〜2000 Oeの範囲に規制される。この部分の
保磁力が2000 Oeを超えると上層部分の場合と同
様、リング状記録ヘッドでの書き込みが困難となり、一
方、保磁力が500 Oe未満になると磁化状態を安定
に保つことが困難となる。
【0043】上層5以外の部分の面内方向の角型は、
0.4〜0.9の範囲に規制されている。
0.4〜0.9の範囲に規制されている。
【0044】磁性層の磁化容易軸方向は、非磁性基板に
対する蒸着原子の入射角度、磁性材料の種類、吹き付け
ガスの種類、吹き付け方法、吹き付け量、非磁性基板の
温度、非磁性基板の表面性、結晶配向性制御膜、膜形成
時の真空度の調整等によって制御される。
対する蒸着原子の入射角度、磁性材料の種類、吹き付け
ガスの種類、吹き付け方法、吹き付け量、非磁性基板の
温度、非磁性基板の表面性、結晶配向性制御膜、膜形成
時の真空度の調整等によって制御される。
【0045】例えば蒸着入射角度を調節する場合、同一
の磁性材料を用いて他の製膜条件を一定にしたならば、
前記入射角度が大きいほど磁性層の磁化容易軸方向は非
磁性基板の面から立ち上がる。この傾向を利用して、磁
性層の上層部分では蒸着入射角度を大きく、それ以外の
部分では蒸着入射角度を小さくすることによって、本発
明の磁気記録媒体を容易に製造することができる。
の磁性材料を用いて他の製膜条件を一定にしたならば、
前記入射角度が大きいほど磁性層の磁化容易軸方向は非
磁性基板の面から立ち上がる。この傾向を利用して、磁
性層の上層部分では蒸着入射角度を大きく、それ以外の
部分では蒸着入射角度を小さくすることによって、本発
明の磁気記録媒体を容易に製造することができる。
【0046】前記結晶配向性制御膜について若干説明す
れば、例えば非磁性基板の表面にクロムの如き第1制御
膜を形成し、その上にコバルトからなる磁性下層を設
け、その下層の上にチタン,ゲルマニウム,ケイ素など
からなる第2制御膜を形成し、さらにその上にコバルト
−クロム合金からなる磁性上層を設けた場合、前記第1
制御膜ならびに第2制御膜がそれぞれ結晶配向性制御膜
となる。すなわち、第1制御膜は磁性下層の面内方向の
結晶配向性を、第2制御膜は磁性上層の垂直方向の結晶
配向性を、それぞれコントロールする機能を有し、これ
らによって上層ならびに下層における磁化容易軸方向が
調整可能である。
れば、例えば非磁性基板の表面にクロムの如き第1制御
膜を形成し、その上にコバルトからなる磁性下層を設
け、その下層の上にチタン,ゲルマニウム,ケイ素など
からなる第2制御膜を形成し、さらにその上にコバルト
−クロム合金からなる磁性上層を設けた場合、前記第1
制御膜ならびに第2制御膜がそれぞれ結晶配向性制御膜
となる。すなわち、第1制御膜は磁性下層の面内方向の
結晶配向性を、第2制御膜は磁性上層の垂直方向の結晶
配向性を、それぞれコントロールする機能を有し、これ
らによって上層ならびに下層における磁化容易軸方向が
調整可能である。
【0047】図1に示すように磁性層の上層部分の実効
上の磁化容易軸方向30は非磁性基板7の平面に対して
平均で25°〜45°、好ましくは30°〜40°の範
囲で傾斜している(第1傾斜角α1)。しかもこの上層
部分を含む磁性層全体の実効上の磁化容易軸方向31
は、上層部分の磁化容易軸方向と同じ方向、すなわち図
1に示すように例えば上層部分の磁化容易軸方向30が
左上がりの方向であれば、磁性層全体の磁化容易軸方向
31も左上がりの方向で、かつ非磁性基板7の平面に対
して平均で15°〜40°、好ましくは20°〜35°
の範囲で傾斜している(第2傾斜角α2)。しかも前記
第1傾斜角α1が第2傾斜角α2よりも大きい(α1>
α2)。なお、図中のα3は下層6における磁化容易軸
方向31の傾斜角(第3傾斜角)で、第1傾斜角α1に
対して第2傾斜角α2が前述の範囲になるように第3傾
斜角α3が設定される。
上の磁化容易軸方向30は非磁性基板7の平面に対して
平均で25°〜45°、好ましくは30°〜40°の範
囲で傾斜している(第1傾斜角α1)。しかもこの上層
部分を含む磁性層全体の実効上の磁化容易軸方向31
は、上層部分の磁化容易軸方向と同じ方向、すなわち図
1に示すように例えば上層部分の磁化容易軸方向30が
左上がりの方向であれば、磁性層全体の磁化容易軸方向
31も左上がりの方向で、かつ非磁性基板7の平面に対
して平均で15°〜40°、好ましくは20°〜35°
の範囲で傾斜している(第2傾斜角α2)。しかも前記
第1傾斜角α1が第2傾斜角α2よりも大きい(α1>
α2)。なお、図中のα3は下層6における磁化容易軸
方向31の傾斜角(第3傾斜角)で、第1傾斜角α1に
対して第2傾斜角α2が前述の範囲になるように第3傾
斜角α3が設定される。
【0048】なお、本発明の明細書で使用している「実
効上の磁化容易軸方向」という語句は、所定の磁性層を
形成し、反磁場などの影響を受けて最終的に決まる磁化
容易軸方向のことを意味する。
効上の磁化容易軸方向」という語句は、所定の磁性層を
形成し、反磁場などの影響を受けて最終的に決まる磁化
容易軸方向のことを意味する。
【0049】前述の第1傾斜角α1、第2傾斜角α2の
条件を満足することにより、リング状記録ヘッドで矩形
波形の信号を記録して再生したとき、磁性層の上層部分
の独立再生波形のメインピークが負となり、磁性層の上
層部以外の部分の独立再生波形が正となり、互いに逆位
相となる。
条件を満足することにより、リング状記録ヘッドで矩形
波形の信号を記録して再生したとき、磁性層の上層部分
の独立再生波形のメインピークが負となり、磁性層の上
層部以外の部分の独立再生波形が正となり、互いに逆位
相となる。
【0050】図3は本実施例に係る磁気記録媒体の記録
状態を示す図で、図中の1、2はリング状記録ヘッドの
ヘッドコア、3は磁気記録媒体に対する記録ヘッドの相
対的な移動方向、4はヘッドギャップ、8は磁性層19
の全体としての記録磁化の方向、9は下層6の記録磁化
の方向、10は上層5の記録磁化の方向、11はリング
状記録ヘッドから発生する磁界である。
状態を示す図で、図中の1、2はリング状記録ヘッドの
ヘッドコア、3は磁気記録媒体に対する記録ヘッドの相
対的な移動方向、4はヘッドギャップ、8は磁性層19
の全体としての記録磁化の方向、9は下層6の記録磁化
の方向、10は上層5の記録磁化の方向、11はリング
状記録ヘッドから発生する磁界である。
【0051】同図に示すようにリング状記録ヘッドを矢
印3方向に移動するとヘッドコア1がリーディング側と
なり、磁性層19全厚について記録が行われ、磁化の方
向が矢印8の方向となる。ついでリング状記録ヘッドの
トレーディング(ヘッドコア2)側で上層5のみが記録
しなおされる。この結果、上層5と下層6とで磁化の方
向が逆方向となる(矢印9、10参照)。また前述のよ
うに上層5の磁化容易軸方向の第1傾斜角α1が下層6
の磁化容易軸方向の第3傾斜角α3よりも大きいため、
上層5の磁化方向の角度が下層6の磁化方向の角度より
も立ち上がっている。
印3方向に移動するとヘッドコア1がリーディング側と
なり、磁性層19全厚について記録が行われ、磁化の方
向が矢印8の方向となる。ついでリング状記録ヘッドの
トレーディング(ヘッドコア2)側で上層5のみが記録
しなおされる。この結果、上層5と下層6とで磁化の方
向が逆方向となる(矢印9、10参照)。また前述のよ
うに上層5の磁化容易軸方向の第1傾斜角α1が下層6
の磁化容易軸方向の第3傾斜角α3よりも大きいため、
上層5の磁化方向の角度が下層6の磁化方向の角度より
も立ち上がっている。
【0052】このようにして磁化された磁性層の再生波
形例を図4に示す。同図(a)は上層の孤立再生波形、
同図(b)は下層の孤立再生波形、同図(c)は磁性層
全体としての再生波形である。前述のように上層の磁化
方向10と下層の磁化方向9とが反対になっているた
め、上層では同図(a)に示すように孤立再生波形のメ
インピーク33が負、サブピーク34が正となり、下層
では同図(b)に示すように孤立再生波形のメインピー
ク35が負、サブピーク36が正となり、両方の孤立再
生波形が逆位相になる。
形例を図4に示す。同図(a)は上層の孤立再生波形、
同図(b)は下層の孤立再生波形、同図(c)は磁性層
全体としての再生波形である。前述のように上層の磁化
方向10と下層の磁化方向9とが反対になっているた
め、上層では同図(a)に示すように孤立再生波形のメ
インピーク33が負、サブピーク34が正となり、下層
では同図(b)に示すように孤立再生波形のメインピー
ク35が負、サブピーク36が正となり、両方の孤立再
生波形が逆位相になる。
【0053】また、上層のメインピーク33の占める面
積S1は、下層のメインピーク35の占める面積S2よ
りも小さい(S1<S2)。
積S1は、下層のメインピーク35の占める面積S2よ
りも小さい(S1<S2)。
【0054】そして、メインピーク33とメインピーク
35の前部が相殺し合い、サブピーク34の前部とメイ
ンピーク35の後部とが加算され、さらにサブピーク3
4の後部とサブピーク36が相殺し合うことにより、同
図(c)に示すように位相歪が殆どなく、パルス幅が狭
く、再生波形として左右の対称性が良好で、波形処理の
不必要な単峰波形となる。
35の前部が相殺し合い、サブピーク34の前部とメイ
ンピーク35の後部とが加算され、さらにサブピーク3
4の後部とサブピーク36が相殺し合うことにより、同
図(c)に示すように位相歪が殆どなく、パルス幅が狭
く、再生波形として左右の対称性が良好で、波形処理の
不必要な単峰波形となる。
【0055】次に磁気記録媒体の具体例(本発明の実施
例1〜8と比較例1〜4)について説明する。 (実施例1)図2に示す連続蒸着装置において入射角θ
1を50°,θ2を40°,θ3を90°,θ4を60
°とし、蒸着源24、25としてCoを用い、ガス導入
管22、23から酸素ガスを導入して蒸着を行った。
例1〜8と比較例1〜4)について説明する。 (実施例1)図2に示す連続蒸着装置において入射角θ
1を50°,θ2を40°,θ3を90°,θ4を60
°とし、蒸着源24、25としてCoを用い、ガス導入
管22、23から酸素ガスを導入して蒸着を行った。
【0056】非磁性基板として厚さ10μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムを用い、その表面に平均粒
子径180ÅのSiO2 粒子を1μm2 につき約10個
の密度で分散、付着せしめる。
レンテレフタレートフィルムを用い、その表面に平均粒
子径180ÅのSiO2 粒子を1μm2 につき約10個
の密度で分散、付着せしめる。
【0057】蒸着時の真空度は1×10-5Torrと
し、下層を蒸着した後にプラズマ酸化室を通して表面に
約200Åの非磁性層を形成し、その上に上層を蒸着し
た。上層の膜厚は350Å、下層の膜厚は1650Å
で、磁性層全体としては2000Åとなる。上層の実効
上の磁化容易軸は非磁性基板の平面に対して25°傾斜
し(α1=25°)、磁性層全体の磁化容易軸は上層の
磁化容易軸と同一方向に23°傾斜しており(α2=2
3°)、α1がα2よりも2°大きくなっている。この
実施例で得られた磁気記録媒体の再生波形を図5に示
す。
し、下層を蒸着した後にプラズマ酸化室を通して表面に
約200Åの非磁性層を形成し、その上に上層を蒸着し
た。上層の膜厚は350Å、下層の膜厚は1650Å
で、磁性層全体としては2000Åとなる。上層の実効
上の磁化容易軸は非磁性基板の平面に対して25°傾斜
し(α1=25°)、磁性層全体の磁化容易軸は上層の
磁化容易軸と同一方向に23°傾斜しており(α2=2
3°)、α1がα2よりも2°大きくなっている。この
実施例で得られた磁気記録媒体の再生波形を図5に示
す。
【0058】(実施例2)入射角θ1を50°,θ2を
30°,θ3を90°,θ4を55°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
30°,θ3を90°,θ4を55°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0059】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して30°傾斜し(α1=30°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に23°
傾斜しており(α2=23°)、α1がα2よりも7°
大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒体
の再生波形を図6に示す。
平面に対して30°傾斜し(α1=30°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に23°
傾斜しており(α2=23°)、α1がα2よりも7°
大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒体
の再生波形を図6に示す。
【0060】(実施例3)入射角θ1を35°,θ2を
20°,θ3を80°,θ4を48°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
20°,θ3を80°,θ4を48°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0061】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して40°傾斜し(α1=40°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に23°
傾斜しており(α2=23°)、α1がα2よりも17
°大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒
体の再生波形を図7に示す。
平面に対して40°傾斜し(α1=40°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に23°
傾斜しており(α2=23°)、α1がα2よりも17
°大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒
体の再生波形を図7に示す。
【0062】(実施例4)入射角θ1を30°,θ2を
15°,θ3を80°,θ4を43°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
15°,θ3を80°,θ4を43°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0063】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して45°傾斜し(α1=45°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に23°
傾斜しており(α2=23°)、α1がα2よりも22
°大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒
体の再生波形を図8に示す。
平面に対して45°傾斜し(α1=45°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に23°
傾斜しており(α2=23°)、α1がα2よりも22
°大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒
体の再生波形を図8に示す。
【0064】(実施例5)入射角θ1を50°,θ2を
30°,θ3を90°,θ4を70°とし、上層の膜厚
を400Å、下層の膜厚を1200Åとした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
30°,θ3を90°,θ4を70°とし、上層の膜厚
を400Å、下層の膜厚を1200Åとした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0065】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して30°傾斜し(α1=30°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に15°
傾斜しており(α2=15°)、α1がα2よりも15
°大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒
体の再生波形を図9に示す。
平面に対して30°傾斜し(α1=30°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に15°
傾斜しており(α2=15°)、α1がα2よりも15
°大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒
体の再生波形を図9に示す。
【0066】(実施例6)入射角θ1を50°,θ2を
30°,θ3を90°,θ4を65°とした以外は実施
例5と同様にして磁気記録媒体を製造した。
30°,θ3を90°,θ4を65°とした以外は実施
例5と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0067】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して30°傾斜し(α1=30°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に20°
傾斜しており(α2=20°)、α1がα2よりも10
°大きくなっている。この実施例6で得られた磁気記録
媒体の再生波形を図10に示す。
平面に対して30°傾斜し(α1=30°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に20°
傾斜しており(α2=20°)、α1がα2よりも10
°大きくなっている。この実施例6で得られた磁気記録
媒体の再生波形を図10に示す。
【0068】(実施例7)入射角θ1を30°,θ2を
15°,θ3を70°,θ4を45°とした以外は実施
例5と同様にして磁気記録媒体を製造した。
15°,θ3を70°,θ4を45°とした以外は実施
例5と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0069】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して45°傾斜し(α1=45°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に35°
傾斜しており(α2=35°)、α1がα2よりも10
°大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒
体の再生波形を図11に示す。
平面に対して45°傾斜し(α1=45°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に35°
傾斜しており(α2=35°)、α1がα2よりも10
°大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒
体の再生波形を図11に示す。
【0070】(実施例8)入射角θ1を30°,θ2を
15°,θ3を70°,θ4を40°とした以外は実施
例5と同様にして磁気記録媒体を製造した。
15°,θ3を70°,θ4を40°とした以外は実施
例5と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0071】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して45°傾斜し(α1=45°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に40°
傾斜しており(α2=40°)、α1がα2よりも5°
大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒体
の再生波形を図12に示す。
平面に対して45°傾斜し(α1=45°)、磁性層全
体の磁化容易軸は上層の磁化容易軸と同一方向に40°
傾斜しており(α2=40°)、α1がα2よりも5°
大きくなっている。この実施例で得られた磁気記録媒体
の再生波形を図12に示す。
【0072】(比較例1)入射角θ1を70°,θ2を
30°,θ3を20°,θ4を10°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
30°,θ3を20°,θ4を10°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0073】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して51°傾斜し、磁性層全体の磁化容易軸は
上層の磁化容易軸と同一方向に42°傾斜している。こ
の比較例で得られた磁気記録媒体の再生波形は図13に
示すようになっており、上層ならびに磁性層全体の磁化
容易軸の傾斜角が共に大き過ぎるため、再生出力が非常
に小さい。
平面に対して51°傾斜し、磁性層全体の磁化容易軸は
上層の磁化容易軸と同一方向に42°傾斜している。こ
の比較例で得られた磁気記録媒体の再生波形は図13に
示すようになっており、上層ならびに磁性層全体の磁化
容易軸の傾斜角が共に大き過ぎるため、再生出力が非常
に小さい。
【0074】(比較例2)入射角θ1を90°,θ2を
65°,θ3を60°,θ4を50°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
65°,θ3を60°,θ4を50°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0075】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して21°傾斜し、磁性層全体の磁化容易軸は
上層の磁化容易軸と同一方向に12°傾斜している。こ
の比較例で得られた磁気記録媒体の再生波形は図14に
示すようになっており、上層ならびに磁性層全体の磁化
容易軸の傾斜角が共に小さ過ぎるため、孤立再生波形
(a)と孤立再生波形(b)とを相殺することにより、
磁性層全体としての再生出力が減少するため好ましくな
い。
平面に対して21°傾斜し、磁性層全体の磁化容易軸は
上層の磁化容易軸と同一方向に12°傾斜している。こ
の比較例で得られた磁気記録媒体の再生波形は図14に
示すようになっており、上層ならびに磁性層全体の磁化
容易軸の傾斜角が共に小さ過ぎるため、孤立再生波形
(a)と孤立再生波形(b)とを相殺することにより、
磁性層全体としての再生出力が減少するため好ましくな
い。
【0076】(比較例3)入射角θ1を40°,θ2を
30°,θ3を90°,θ4を65°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
30°,θ3を90°,θ4を65°とした以外は実施
例1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0077】上層の実効上の磁化容易軸は非磁性基板の
平面に対して11°傾斜し、磁性層全体の磁化容易軸は
上層の磁化容易軸と同一方向に30°傾斜している。こ
の比較例で得られた磁気記録媒体の再生波形は図15に
示すようになっており、上層の磁化容易軸の傾斜角が小
さ過ぎるため、垂直磁化成分が少なく、十分な再生出力
が得られない。
平面に対して11°傾斜し、磁性層全体の磁化容易軸は
上層の磁化容易軸と同一方向に30°傾斜している。こ
の比較例で得られた磁気記録媒体の再生波形は図15に
示すようになっており、上層の磁化容易軸の傾斜角が小
さ過ぎるため、垂直磁化成分が少なく、十分な再生出力
が得られない。
【0078】(比較例4)2番目のキャンは使用しない
で、1番目のキャンのみを使用して入射角θ1を90
°,θ2を55°にして、2100Å厚のCo単層から
なる磁性層を形成し、プラズマ酸化は行わないで磁気記
録媒体を製造した。磁化容易軸は非磁性基板の平面に対
して30°傾斜している。
で、1番目のキャンのみを使用して入射角θ1を90
°,θ2を55°にして、2100Å厚のCo単層から
なる磁性層を形成し、プラズマ酸化は行わないで磁気記
録媒体を製造した。磁化容易軸は非磁性基板の平面に対
して30°傾斜している。
【0079】この比較例で得られた磁気記録媒体の再生
波形を図16に示すが同図に示すように再生出力は大き
いが、再生波形の左右の対称性が悪い。このように再生
波形の左右の対称性が悪いと、波形処理の必要性があ
る。
波形を図16に示すが同図に示すように再生出力は大き
いが、再生波形の左右の対称性が悪い。このように再生
波形の左右の対称性が悪いと、波形処理の必要性があ
る。
【0080】前記実施例では実質的に2層構造の磁性層
の場合について説明したが、3層以上の積層構造にした
り、あるいは磁性層が1層で上層部分とそれ以外の部分
の孤立再生波形が逆位相、すなわち上層部分とそれ以外
の部分の磁化容易軸の傾斜角を連続的に異ならせること
もできる。
の場合について説明したが、3層以上の積層構造にした
り、あるいは磁性層が1層で上層部分とそれ以外の部分
の孤立再生波形が逆位相、すなわち上層部分とそれ以外
の部分の磁化容易軸の傾斜角を連続的に異ならせること
もできる。
【0081】本発明において、例えば非磁性基体側から
の水分の侵入にともなう磁性層の腐食を防止するため、
非磁性基体と磁性層の間にアルミニウムなどの下地層を
形成することもできる。また、下地層は他の目的のため
に他の組成の膜を形成することも可能である。
の水分の侵入にともなう磁性層の腐食を防止するため、
非磁性基体と磁性層の間にアルミニウムなどの下地層を
形成することもできる。また、下地層は他の目的のため
に他の組成の膜を形成することも可能である。
【0082】
【発明の効果】前述の各磁気記録媒体をテープ状にスリ
ットし、ギャップ長0.2μmの8mmVTR用MIG
ヘッドを用いて、磁気記録媒体と記録ヘッド間の相対速
度3.8m/secで矩形波形の信号を記録して再生し
た。
ットし、ギャップ長0.2μmの8mmVTR用MIG
ヘッドを用いて、磁気記録媒体と記録ヘッド間の相対速
度3.8m/secで矩形波形の信号を記録して再生し
た。
【0083】この結果、前記実施例の記録媒体は図5〜
12に示すように全て孤立再生波形の波形歪はほとんど
なく、シャープな再生波形が得られる。これに対して比
較例1〜3の記録媒体は図13〜15に示すように再生
出力が小さく、特に比較例1と比較例3のものは再生出
力が非常に小さい。これは下層部分に記録が行えなかっ
たためと考えられる。
12に示すように全て孤立再生波形の波形歪はほとんど
なく、シャープな再生波形が得られる。これに対して比
較例1〜3の記録媒体は図13〜15に示すように再生
出力が小さく、特に比較例1と比較例3のものは再生出
力が非常に小さい。これは下層部分に記録が行えなかっ
たためと考えられる。
【0084】前述のテープ状の各磁気記録媒体の上に所
定膜厚の非磁性層を蒸着により形成し、これに矩形波形
の信号を記録して再生した際の再生出力のスペーシング
依存性を調べ、その結果を次の表1に比較して示した。
定膜厚の非磁性層を蒸着により形成し、これに矩形波形
の信号を記録して再生した際の再生出力のスペーシング
依存性を調べ、その結果を次の表1に比較して示した。
【0085】表中のスペーシングロスLsは次式で表せ
る数値であり、この値が大きいほどスペーシングロスが
大きい。
る数値であり、この値が大きいほどスペーシングロスが
大きい。
【0086】Ls=K・S/λ K:スペーシングロス係数 S:スペーシング量 λ:記録波長 表 1 スペーシングロスLs 実施例1 125 実施例2 128 実施例3 133 実施例4 135 実施例5 115 実施例6 118 実施例7 138 実施例8 141 比較例4 120 Co−O準垂直磁化膜 210 一般に垂直磁化記録媒体にリング状記録ヘッドを用いて
信号の記録、再生を行った時のスペーシングロスの増大
は、リング状記録ヘッドの発生する垂直方向の磁界がヘ
ッドコア近傍でのみ強く、ヘッドコアから離れると急激
に減少するため、飽和記録が困難となり生じるものと考
えられている。本発明の磁気記録媒体(実施例1〜8)
は、スペーシングロスの原因となる媒体中の垂直磁化成
分が、ヘッドコア近傍の垂直方向磁界の強い部分、すな
わち磁性層の上層部分に極在しているためスペーシング
ロスが低いものと考えられる。
信号の記録、再生を行った時のスペーシングロスの増大
は、リング状記録ヘッドの発生する垂直方向の磁界がヘ
ッドコア近傍でのみ強く、ヘッドコアから離れると急激
に減少するため、飽和記録が困難となり生じるものと考
えられている。本発明の磁気記録媒体(実施例1〜8)
は、スペーシングロスの原因となる媒体中の垂直磁化成
分が、ヘッドコア近傍の垂直方向磁界の強い部分、すな
わち磁性層の上層部分に極在しているためスペーシング
ロスが低いものと考えられる。
【0087】前記表から明らかなように本発明の磁気記
録媒体(実施例1〜8)は、比較例4とほぼ同等の小さ
いスペーシングロスを有する。なお、比較例4の磁気記
録媒体は図16から明らかなように再生波形の対称性が
悪いが、本発明のものはこのような問題点を有していな
い。
録媒体(実施例1〜8)は、比較例4とほぼ同等の小さ
いスペーシングロスを有する。なお、比較例4の磁気記
録媒体は図16から明らかなように再生波形の対称性が
悪いが、本発明のものはこのような問題点を有していな
い。
【0088】前記の評価結果を次の表2にまとめた。こ
の表から明らかなようにα1が25°〜45°、α2が
15°〜40°でかつα1>α2の本発明のものは、優
れた再生波形を有している。
の表から明らかなようにα1が25°〜45°、α2が
15°〜40°でかつα1>α2の本発明のものは、優
れた再生波形を有している。
【0089】 表 2 α1(°) α2(°) 評 価 実施例1 25 23 再生波形良好 実施例2 30 23 〃 実施例3 40 23 〃 実施例4 45 23 〃 実施例5 30 15 〃 実施例6 30 20 〃 実施例7 45 35 〃 実施例8 45 40 〃 比較例1 51 42 再生出力小 比較例2 21 12 〃 比較例3 11 30 〃 比較例4 30 − 再生波形対称性問題 本発明は前述したような構成になっており、波形歪はほ
とんどなく、波形の対称性が良好で、シャープな再生波
形が得られ、しかもスペーシングロスが小さく信頼性の
高い磁気記録媒体ならびにその記録方法を提供すること
ができる。
とんどなく、波形の対称性が良好で、シャープな再生波
形が得られ、しかもスペーシングロスが小さく信頼性の
高い磁気記録媒体ならびにその記録方法を提供すること
ができる。
【図1】本発明の実施例に係る磁気記録媒体の拡大断面
図である。
図である。
【図2】本発明の実施例で使用される連続蒸着装置の概
略構成図である。
略構成図である。
【図3】本発明の実施例に係る磁気記録媒体に信号を記
録するときの状態を示す説明図である。
録するときの状態を示す説明図である。
【図4】本発明に係る磁気記録媒体の再生波形例を示す
図である。
図である。
【図5】本発明の実施例1に係る磁気記録媒体の再生波
形図である。
形図である。
【図6】本発明の実施例2に係る磁気記録媒体の再生波
形図である。
形図である。
【図7】本発明の実施例3に係る磁気記録媒体の再生波
形図である。
形図である。
【図8】本発明の実施例4に係る磁気記録媒体の再生波
形図である。
形図である。
【図9】本発明の実施例5に係る磁気記録媒体の再生波
形図である。
形図である。
【図10】本発明の実施例6に係る磁気記録媒体の再生
波形図である。
波形図である。
【図11】本発明の実施例7に係る磁気記録媒体の再生
波形図である。
波形図である。
【図12】本発明の実施例8に係る磁気記録媒体の再生
波形図である。
波形図である。
【図13】比較例1に係る磁気記録媒体の再生波形図で
ある。
ある。
【図14】比較例2に係る磁気記録媒体の再生波形図で
ある。
ある。
【図15】比較例3に係る磁気記録媒体の再生波形図で
ある。
ある。
【図16】比較例4に係る磁気記録媒体の再生波形図で
ある。
ある。
【図17】従来提案された磁気記録媒体を製造する連続
蒸着装置の概略構成図である。
蒸着装置の概略構成図である。
【図18】従来提案された磁気記録媒体に信号を記録す
るときの状態を示す説明図である。
るときの状態を示す説明図である。
【図19】従来提案された磁気記録媒体の再生波形図で
ある。
ある。
1、2 ヘッドコア 3 ヘッドの移動方向 4 ヘッドギャップ 5 上層 6 下層 7 非磁性基板 8、9、10 記録磁化の方向 19 磁性層 29 非磁性層 30 上層の磁化容易軸 31 磁性層全体の磁化容易軸 32 下層の磁化容易軸 33 上層のメインピーク 34 上層のサブピーク 35 下層のメインピーク 36 下層のサブピーク α1 第1傾斜角 α2 第2傾斜角 α3 第3傾斜角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 亮 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 北垣 直樹 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 被磁性基板上に直接または下地層を介し
て磁性層が形成された磁気記録媒体において、 ギャップ長が0.2μmのリング状磁気ヘッドで矩形波
形の信号を記録して再生したときの前記磁性層の上層側
部分の独立再生波形と、磁性層の上層側以外の部分の独
立再生波形とが互いに逆位相であることを特徴とする磁
気記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1記載において、前記磁性層の上
層側部分の独立再生波形におけるメインピークの占める
面積S1が、磁性層の上層側以外の部分の独立再生波形
におけるメインピークの占める面積S2に比べて少ない
ことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項3】 請求項1記載において、前記磁性層の上
層側部分の実効の磁化容易軸方向が前記非磁性基板の平
面に対して平均で25°〜45°の範囲の第1傾斜角
(α1)をもって立ち上がって傾斜しており、 かつその上層側部分を含む磁性膜全体の実効の磁化容易
軸方向が前記第1傾斜角と同方向で、前記非磁性基板の
平面に対して平均で15°〜40°の範囲の第2傾斜角
(α2)をもって傾斜しており、 前記第1傾斜角(α1)が前記第2傾斜角(α2)より
も大きい(α1>α2)ことを特徴とする磁気記録媒
体。 - 【請求項4】 請求項1記載において、前記第1傾斜角
(α1)が30°〜40°の範囲に規制されていること
を特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項5】 請求項1記載において、前記第2傾斜角
(α2)が20°〜35°の範囲に規制されていること
を特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項6】 請求項1記載において、前記磁性膜が複
数の積層体から構成され、その磁性層の最上層が前記上
層側部分を含んでいることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項7】 請求項6記載において、前記磁性層の最
上層以外の層の実効の磁化容易軸方向が前記非磁性基板
の平面に対して平均で10°〜30°の範囲の第3傾斜
角(θ3)をもって立ち上がって傾斜していることを特
徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項8】 請求項1または2記載において、前記磁
性層の最上層と最上層以外の層の間に非磁性膜が形成さ
れていることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項9】 非磁性基板上に直接または下地層を介し
て磁性層が形成された磁気記録媒体の記録方法におい
て、 前記磁性層の上層側部分の実効の磁化容易軸方向が前記
非磁性基板の平面に対して平均で25°〜45°の範囲
の第1傾斜角(α1)をもって立ち上がって傾斜してお
り、かつその上層側部分を含む磁性層全体の実効の磁化
容易軸方向が前記第1傾斜角と同方向で、前記非磁性基
板の平面に対して平均で15°〜40°の範囲の第2傾
斜角(α2)をもって傾斜しており、前記第1傾斜角
(α1)が前記第2傾斜角(α2)よりも大きい(α1
>α2)磁気記録媒体を用い、 リング状の記録ヘッドを使用して、前記磁性層と前記リ
ング状記録ヘッドとの相対運動の向きを、リング状記録
ヘッドのリーディングコア近傍における磁界方向と磁性
層全体の磁化容易軸方向が非磁性基板の法線に対して同
じ方向を向くように走査して所定の信号を記録して再生
した際に、 前記磁性層の上層側部分の独立再生波形の独立再生波形
と、磁性層の上層側以外の部分の独立再生波形とが互い
に逆位相であることを特徴とする磁気記録媒体の記録方
法。 - 【請求項10】 請求項9記載において、前記第1傾斜
角(α1)が30°〜40°の範囲に規制されているこ
とを特徴とする磁気記録媒体の記録方法。 - 【請求項11】 請求項9記載において、前記第2傾斜
角(α2)が20°〜35°の範囲に規制されているこ
とを特徴とする磁気記録媒体の記録方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21867493A JPH0773430A (ja) | 1993-09-02 | 1993-09-02 | 磁気記録媒体ならびにその記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21867493A JPH0773430A (ja) | 1993-09-02 | 1993-09-02 | 磁気記録媒体ならびにその記録方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0773430A true JPH0773430A (ja) | 1995-03-17 |
Family
ID=16723648
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21867493A Withdrawn JPH0773430A (ja) | 1993-09-02 | 1993-09-02 | 磁気記録媒体ならびにその記録方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0773430A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006244684A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-09-14 | Fujitsu Ltd | 磁気記録媒体およびその製造方法、磁気記憶装置 |
| US7927724B2 (en) | 2004-05-28 | 2011-04-19 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Magnetic recording media with orthogonal anisotropy enhancement or bias layer |
-
1993
- 1993-09-02 JP JP21867493A patent/JPH0773430A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7927724B2 (en) | 2004-05-28 | 2011-04-19 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Magnetic recording media with orthogonal anisotropy enhancement or bias layer |
| JP2006244684A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-09-14 | Fujitsu Ltd | 磁気記録媒体およびその製造方法、磁気記憶装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001107 |