JP3064253B2 - コンピュータ筐体およびその製造方法 - Google Patents

コンピュータ筐体およびその製造方法

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JP3064253B2
JP3064253B2 JP9215748A JP21574897A JP3064253B2 JP 3064253 B2 JP3064253 B2 JP 3064253B2 JP 9215748 A JP9215748 A JP 9215748A JP 21574897 A JP21574897 A JP 21574897A JP 3064253 B2 JP3064253 B2 JP 3064253B2
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義典 犬飼
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天沼 昭彦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンピュータの外郭
を形成する筐体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータの外郭を形成する筐
体には、金属を所定の形状にプレス成型したものや、合
成樹脂等をインジェクション成型したもの等が用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の筐体にお
いて、金属を用いた筐体では、静電気防止や電磁遮蔽効
果を有するが、酸化等による経年変化を生じるために、
塗装等の対酸化対策を実施する必要があり、これらの筐
体をリサイクルする場合にはこれらの塗装等を剥がすな
どの処理を実施しなけらばならず、またこれら金属を用
いたものでは透明性を有する筐体を作成することは不可
能であった。
【0004】また、合成樹脂等を用いた筐体において
は、これら樹脂は耐候性において上記金属より劣るとと
もに、合成樹脂が電気絶縁性が高く、静電気防止や電磁
遮蔽効果を有しないため、これらの対策を施すために、
導電性の金属箔等を筐体内面などに接着したり、導電性
の塗料等をその内面に塗装したりする必要があり、この
ような処理を施した場合には、その筐体をリサイクルす
る場合には、前記金属箔や導電性の塗料等を除去しなけ
ればリサイクル使用できず、それには多大の労力とコス
トを必要とすることから、現実的にはリサイクルが行わ
れておらず、また金属筐体同様に透明な筐体を作成する
ことは不可能であるという問題点があった。
【0005】本発明は上記した問題点に着目してなされ
たもので、本発明は、透明性を有しながら、電磁遮蔽等
の効果をも有し、尚且つ経年変化の少なく、リサイクル
性に優れたコンピュータ筐体およびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、本発明のコンピュータ筐体は、コンピュータ
の外郭を形成する筐体であって、少なくともその筐体の
一部が透明で尚且つ電磁遮蔽性を有する鉛ガラスから成
っていることを特徴としている。この特徴によれば、鉛
ガラスが透明性を有するとともに、電磁遮蔽能力を有す
ることから透明で尚且つ電磁遮蔽効果を有する筐体とす
ることができ、筐体の意匠性を高められるとともに、前
記鉛ガラスは非常に安定な化合物であるために、経年変
化が少なく、恒久的な筐体として使用できるばかりか、
これをリサイクルすることも一般のガラス同様に容易に
実施することができる。
【0007】本発明のコンピュータ筐体は、前記鉛ガラ
スが電子線を照射された鉛ガラスであることが好まし
い。このようにすれば、鉛ガラス表面にブラウニング現
象により鉛が選択的に析出することで、より高い電磁遮
蔽効果と静電防止効果を筐体に付与することができる。
【0008】本発明のコンピュータ筐体は、前記鉛ガラ
ス少なくとも一面の全面または一部に、導電性を有する
金属または金属酸化物の薄膜層を設けることが好まし
い。このようにすれば、より高い電磁遮蔽効果および静
電気防止効果を有する筐体とすることができ、尚且つこ
れら金属または金属酸化物の薄膜層は、所定のエッチン
グ液にて容易に鉛ガラスより取り除くこができるのでリ
サイクル性を損なうこともない。
【0009】本発明のコンピュータ筐体は、前記金属ま
たは金属酸化物の薄膜層と鉛ガラスとの間に、前記金属
または金属酸化物の拡散を防止するバリア層を設けるこ
とが好ましい。このようにすることで、長期間において
も金属または金属酸化物の薄膜層が、鉛ガラス中に拡散
して電磁遮蔽効果や静電気防止効果が低下してしまうこ
とを防止することができる。
【0010】本発明のコンピュータ筐体の製造方法は、
透明で尚且つ電磁遮蔽性を有する鉛ガラスから成る各筐
体構成部品を、前記筐体構成部品を構成する鉛ガラスよ
り融点の低い低融点鉛ガラスより接着、一体化すること
を特徴としている。この特徴によれば、複数の筐体構成
部品を接着、一体化することで、大型の筐体を容易に製
造することができるとともに、低融点鉛ガラスから成る
ガラスフリットを使用することにより、筐体構成部品が
加熱により変形するようなことがなく、精度良く筐体構
成部品を接着、一体化することができるとともに、これ
ら低融点鉛ガラスから成るガラスフリットは筐体の鉛ガ
ラスに比較してその量が微量であることから、リサイク
ル時においてこれらの低融点鉛ガラスを分離せずにリサ
イクルすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0012】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
おけるコンピュータ筐体を示す外観斜視図であり、図2
は、本発明の実施例1におけるコンピュータ筐体の断面
構成を示す模式図、図3は、本実施例1におけるコンピ
ュータ筐体の製造方法を示す模式図である。
【0013】本実施例1のコンピュータ筐体は、図1に
示されるように、コンピュータ本体1の前面蓋2と上部
筐体3、下部筐体4とから構成され、前記上部筐体3、
下部筐体4は、後述する手法により低融点鉛ガラス1
4’により接着、一体化されて本体筐体1’が形成され
ている。
【0014】これら前記前面蓋2と本体筐体1’は、図
1に示されるように、スライド式の格納レール10にて
接合されており、前記レール上の前面蓋2側の部分に
は、コンピュータの心臓部である中央演算処理回路(C
PU)7やシステムメモリ(SIMM)8等の各種デバ
イスが搭載されたメイン基板6が載置され、これら前面
蓋2とメイン基板6は、本体筐体1’より前記スライド
式の格納レール10により引き出し可能とされており、
前記本体筐体1’の内部には、電源ユニット9が格納さ
れている。
【0015】本実施例1における前記前面蓋2と上部筐
体3、下部筐体4は、全て酸化鉛(PbO)を35〜4
0重量%含有する鉛ガラスを成型して作製されており、
この酸化鉛の比率が少なすぎると、得られる筐体の静電
防止効果や電磁遮蔽効果が低下してしまうし、酸化鉛の
成分が多すぎると鉛ガラスの融点が低下して、後に説明
する筐体構成部品を接合する場合の加熱において、筐体
が変形しやすくなってしまうことから、これら鉛ガラス
の酸化鉛含有量は、15〜55重量%とすることが好ま
しい。
【0016】前記前面蓋2と上部筐体3、下部筐体4を
成型する方法は、従来の一般的なソーダガラス等の成型
方法と同様に、鉛ガラスをその鉛含有量に応じた適宜な
軟化温度にまで加熱した後、これを所定の形状を有する
成型型内にて加圧、成型し、除冷する方法を用いること
ができ、本実施例1もこの方法により、鉛ガラスを75
0度程度に加熱した後、所定の型内にて成型を実施して
いる。
【0017】本実施例1においては、これら成型により
得られた各種の筐体部品である前面蓋2と上部筐体3、
下部筐体4の筐体内部に面する鉛ガラスの表面に、その
断面構成が図2に示に示されるような、金属の拡散を防
止するバリア層であるニッケル(Ni)層12と、前記
ニッケル層12の表面に金(Au)層を真空蒸着により
形成している。
【0018】これら上記した、各金属層の厚みは、前記
バリア層であるニッケル層12においては、これが薄す
ぎると十分なバリア効果が得られず、金層13が鉛ガラ
ス層11内部に拡散して金層13が消失してしまうし、
これが厚すぎると光透過性が低下してしまうことから、
その厚みは0.05〜0.2ミクロンの範囲とすることが
好ましく、本実施例1ではその厚みを0.1ミクロンと
しており、また、金層13においては、これが薄すぎる
と良好な静電防止効果および電磁遮蔽効果を得られず、
これが厚すぎると光透過性が低下するとともに、コスト
が上昇してしまうことから、その厚みは0.2〜1ミク
ロンの範囲とすることが好ましく、本実施例1ではその
厚みを0.3ミクロンとしている。
【0019】このようにして、各金属層を設けられた上
部筐体3、下部筐体4は、低融点鉛ガラス14’により
接続面5、5’を接着、一体化されて本体筐体1’とさ
れるが、この接着、一体化する手法を図3に基づいて説
明すると、上部筐体3、下部筐体4のいずれか一方(本
実施例1では下部筐体4)の接着面5に、軟化温度が4
50度である低融点鉛ガラス14’の微細粉末を有機バ
インダーおよび溶剤中に分散したガラスフリット14を
塗布、乾燥させる(図3(a))。
【0020】その後、このガラスフリットが一度軟化す
る温度である450度程度まで加熱し、前記有機バイン
ダーを加熱分解させるとともに、前記低融点鉛ガラス1
4’の一部を軟化させてレベリングし、その後一度除冷
する(図3(c))。
【0021】次いで、上部筐体3の接合面5’を前記低
融点鉛ガラス層14’を介して下部筐体4の接合面5と
当接させながら、加熱し、低融点鉛ガラス層を軟化させ
て接着、一体化を実施し、その後除冷することにより本
体筐体1’が得られる。
【0022】これら低融点鉛ガラス14’としては、ホ
ウ素を混合したホウケイ酸鉛ガラス等が例示される。
【0023】このようにすれば、筐体を構成する鉛ガラ
スが軟化する温度より十分に低い温度にて接着一体化を
実施できることから、筐体が加熱により変形するなどの
問題を起こすことなしに、一体化を実施でき、これら小
型の筐体部品を用いることで、成型や金属層を設ける為
の蒸着加工等を実施しやすくすることができる。
【0024】また、本実施例1においては、鉛ガラス表
面の金属層を、筐体部品を接着、一体化する以前に実施
しているが、これを接着、一体化した後に、その接着部
の凸部を研磨するなどの加工をして、実施しても良く、
このようにすれば、前記のように接続部の加工が必要で
はあるが、金属層が鉛ガラス中に拡散する速度が高温に
おいては速くなることから、一体化における加熱による
拡散を低く抑えることができることから好ましい。
【0025】また、本実施例1における各金属層は、ニ
ッケルや金などの導電性を有する金属を用いているが、
これら金属に代えて導電性を有する金属酸化物、例えば
酸化錫や酸化インジュウム等の薄膜で透明性を示すもの
等を用いても良い。
【0026】また、前記バリア層は、鉛と合金を形成し
ずらく、尚且つその表面に形成される金属とも合金を形
成しにくい材料を適宜選択すれば良く、本実施例1で用
いているニッケルはこのような観点からバリヤ層として
好ましい。
【0027】また、本実施例1においては、筐体内面の
みに金属層を形成しているが、これを筐体前面に実施し
ても良く、これら金属層を形成する方法も、本実施例1
では真空蒸着を用いているが、これをその他の方法、例
えば無電解メッキ等の処理により形成しても良く、形成
する金属に応じた形成方法を適宜選択すれば良い。
【0028】このようにして作製されたコンピュータ筐
体の電磁遮蔽効果について測定を実施したところ、鉛ガ
ラス厚み7ミリにおいて、1ギガヘルツの電磁波の減衰
がー30dBであり、この場合の可視光透過率は、約6
0%であった。
【0029】(実施例2)本実施例2では、前記実施例
1において成型された各筐体部品に、金属層を設ける代
わりに、各筐体部品を電子ビーム照射装置内に投入し、
真空中にて所定の時間、電子線照射を実施した後、実施
例1と同様に接着、一体化を実施してコンピュータ筐体
としている。
【0030】前記電子線照射により、鉛ガラスは薄い茶
褐色の色を呈するようになり、その表面には、鉛ガラス
中の酸化鉛が還元されて、鉛単体として析出するように
なり、この析出した鉛が、鉛ガラス表面に高濃度にて存
在することから電磁遮蔽性と静電防止機能が鉛ガラス単
体のものより向上する。
【0031】本実施例2において得られた筐体の電磁遮
蔽効果について測定を実施したところ、実施例1と同様
の鉛ガラス厚み7ミリにおいて、1ギガヘルツの電磁波
の減衰がー25dBであり、この場合の可視光透過率
は、約75%であった。
【0032】
【発明の効果】本発明は以下の効果を奏する。
【0033】(a)請求項1項の発明によれば、鉛ガラ
スが透明性を有するとともに、電磁遮蔽能力を有するこ
とから透明で尚且つ電磁遮蔽効果を有する筐体とするこ
とができ、筐体の意匠性を高められるとともに、前記鉛
ガラスは非常に安定な化合物であるために、経年変化が
少なく、恒久的な筐体として使用できるばかりか、これ
をリサイクルすることも一般のガラス同様に容易に実施
することができる。
【0034】(b)請求項2項の発明によれば、鉛ガラ
ス表面にブラウニング現象により鉛が選択的に析出する
ことで、より高い電磁遮蔽効果と静電防止効果を筐体に
付与することができる。
【0035】(c)請求項3項の発明によれば、より高
い電磁遮蔽効果および静電気防止効果を有する筐体とす
ることができ、尚且つこれら金属または金属酸化物の薄
膜層は、所定のエッチング液にて容易に鉛ガラスより取
り除くこができるのでリサイクル性を損なうこともな
い。
【0036】(d)請求項4項の発明によれば、長期間
においても金属または金属酸化物の薄膜層が、鉛ガラス
中に拡散して電磁遮蔽効果や静電気防止効果が低下して
しまうことを防止することができる。
【0037】(e)請求項5項の発明によれば、複数の
筐体構成部品を接着、一体化することで、大型の筐体を
容易に製造することができるとともに、低融点鉛ガラス
から成るガラスフリットを使用することにより、筐体構
成部品が加熱により変形するようなことがなく、精度良
く筐体構成部品を接着、一体化することができるととも
に、これら低融点鉛ガラスから成るガラスフリットは筐
体の鉛ガラスに比較してその量が微量であることから、
リサイクル時においてこれらの低融点鉛ガラスを分離せ
ずにリサイクルすることができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるコンピュータ筐体を
示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例1におけるコンピュータ筐体の
断面構成図である。
【図3】本発明の実施例1におけるコンピュータ筐体の
製造方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ本体 1’ 本体筐体 2 前面蓋 3 上部筐体 4 下部筐体 5、5’ 接着面 6 メイン基板 7 中央演算処理回路(CPU) 8 システムメモリ(SIMM)8 9 電源ユニット 10 格納式スライドレール 11 鉛ガラス 12 ニッケル層(バリヤ層) 13 金層(金属層) 14 ガラスフリット 14’ 低融点鉛ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−52090(JP,A) 特開 平9−139596(JP,A) 特開 平5−50548(JP,A) 実開 平3−39880(JP,U) 実開 平3−69297(JP,U) 実開 昭60−55109(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータの外郭を形成する筐体であ
    って、少なくともその筐体の一部が透明で尚且つ電磁遮
    蔽性を有する鉛ガラスから成っていることを特徴とする
    コンピュータ筐体。
  2. 【請求項2】 前記鉛ガラスが電子線を照射された鉛ガ
    ラスである請求項1に記載のコンピュータ筐体。
  3. 【請求項3】 前記鉛ガラス少なくとも片面の全面また
    は一部に、導電性を有する金属または金属酸化物の薄膜
    層を設けた請求項1に記載のコンピュータ筐体。
  4. 【請求項4】 前記金属または金属酸化物の薄膜層と鉛
    ガラスとの間に、前記金属または金属酸化物の拡散を防
    止するバリア層を設けた請求項3に記載のコンピュータ
    筐体。
  5. 【請求項5】 透明で尚且つ電磁遮蔽性を有する鉛ガラ
    スから成る各筐体構成部品を、前記筐体構成部品を構成
    する鉛ガラスより融点の低い低融点鉛ガラスより接着、
    一体化することを特徴とするコンピュータ筐体の製造方
    法。
JP9215748A 1997-07-25 1997-07-25 コンピュータ筐体およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3064253B2 (ja)

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JPH1146085A JPH1146085A (ja) 1999-02-16
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