JP3070877B2 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工装置

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JP3070877B2
JP3070877B2 JP3354545A JP35454591A JP3070877B2 JP 3070877 B2 JP3070877 B2 JP 3070877B2 JP 3354545 A JP3354545 A JP 3354545A JP 35454591 A JP35454591 A JP 35454591A JP 3070877 B2 JP3070877 B2 JP 3070877B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤ放電加工装置に
係り、特に、加工液の噴流を供給するノズル部をワイヤ
ガイド部から分離させたワイヤ放電加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、垂直方面に張られたワイヤ電極
を走行させつつこれを被加工物との間に放電現象を発生
させて、あたかも糸ノコ盤のように被加工物を切断して
いる装置として、ワイヤ放電加工装置が知られている。
この種のワイヤ放電加工装置にあっては、ワイヤ電極と
被加工物との間に形成される加工間隙に放電加工液の噴
流を常時供給しており、この極間を絶縁状態に維持する
加工媒体としての機能を発揮させている。この放電加工
液は、上記機能の他にも、上記加工間隙内に貯まった加
工屑を間隙から排除して清浄化すると共に、ジュール熱
によって加熱される加工間隙内を冷却し、加工間隙内を
常時良好な状態に維持するように作用する。ここで上記
加工液の供給法を図7に基づいて説明すると、図中2は
被加工物であり、この被加工物2はその側部よりワイヤ
電極4により放電加工されて切り込まれる。そして、こ
のとき形成される被加工物2とワイヤ電極4との間の加
工間隙Sに向けて被加工物の斜め上方及び斜め下方に加
工液噴流ノズル6を設置し、これら各ノズル6より加工
間隙Sに向けて加工液の噴流Fを供給するようになって
いる。
【0003】しかしながら、この図7に示す方法にあっ
ては、ワイヤ電極4による加工の方向が変化した場合、
適切な方向から加工液が噴射されず、加工精度が劣化す
るという問題点がある。また、加工液が加工間隙Sに行
き渡るようにノズル6の角度を決定して設置するのが困
難であり、このために気体が加工間隙S中に含まれて気
中放電を生じやすくなるばかりか、ワイヤ電極4と被加
工物2との短絡が生じてしばしばワイヤ電極4の断線を
発生させ、加工効率を低下させる原因となっていた。そ
こで、上記問題点を解決するために、特開昭50−54
538号公報に開示されるようにワイヤ電極の走行経路
上にこのワイヤ電極と合流するように加工液を供給し、
給電子を冷却しつつワイヤガイドを介して送られてきた
ワイヤ電極と伴に加工液を加工間隙に供給するようにな
された構造の装置が提案されると共に、図8に示すよう
にワイヤガイド8と押圧調整ピン10の先端部に支持さ
れた給電子12とをアーム7の先端の筺体状のハウジン
グ14内に配置し、このハウジング14に設けたワイヤ
ガイド8に接近させて加工液噴流ノズル6をハウジング
14に一体的に設けたものが提案されるに至っている。
【0004】また、他の装置としては、特開昭57−5
01669号公報に示されるようにワイヤガイド部とノ
ズルとを、いわゆる半独立状態に取り付けてノズルを傾
斜可能とし、ワイヤ電極がテーパ面を加工すべく傾斜さ
れたときにこれに追従させてノズルも傾斜させるように
し、これにより加工間隙中へ常に加工液を噴流として供
給するように構成されたものが知られている。また更に
他の装置としては、特開昭60−255318号公報に
示すように上記特開昭57−501669号公報と同様
に被加工物にテーパ形状の端面加工を施すときには、一
体的に設けたワイヤガイドとノズルとをそのテーパ方向
に向けて傾斜させる構造とし、これによりテーパ形状の
加工端面を形成すべくワイヤ電極を傾斜させた場合にも
加工液の噴流方向をワイヤ電極の傾斜方向に一致させ、
加工間隙に十分な加工液噴流を供給するように構成され
たものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開昭
57−501669号公報や特開昭60−255318
号公報にあっては、ノズルの向きが可変になされている
ことから、これより供給される加工液の噴流をワイヤ電
極の傾斜にもかかわらず常に加工間隙内へ十分に供給す
ることができる。しかしながら、加工液の液圧は通常高
い圧力に設置されていることから、図9に示すようにワ
イヤガイド8とノズル6とを一体的に形成したハウジン
グ14を支持するアーム7が図中破線で示すように液圧
の反作用で僅かではあるが弾圧的に屈曲変形してワイヤ
ガイド8が押し上げられて歪を生じ、その結果、例えば
垂直方向に走行するワイヤ電極の位置が僅かに横に位置
ずれして加工誤差Mを生じ、加工精度が劣化するという
問題点があった。
【0006】そこで、このアームの歪による加工誤差を
ソフトウエア的に解決するための装置として、特開平2
−59218号公報が提案されている。この装置にあっ
ては、加工液の液圧によるアームの歪の変位量を予め測
定してこのデータを基にして所望の位置との誤差を算出
し、加工時にはその誤差を加味してテーブルを動かすこ
とにより誤差を補償するように構成されている。確かに
この構成によれば所定の液圧に対するアーム歪に関して
は補償することができるが、しかしながら、加工液の液
圧は加工状況に応じて常に変化するものであり、このよ
うな噴流液圧の変化に上記従来装置にあっては十分に対
応することができない。特に、高圧噴流を使用した加工
から低圧噴流を使用した加工へ移行する場合にはその変
化が著しく、安定した加工精度を常に維持することは非
常に困難である。
【0007】上記した問題点を解決するために、ノズル
を支持するアームの剛性を強くして液圧に対してこれが
変位しないようにすることも考えられるが、この場合に
はアーム自体が大きくなってスペースを余分にとってし
まい、加圧可能な範囲を小さくしてしまうのみならず、
装置が大変化してしまう。更には、アーム自体が重くな
ってしまって、アーム自体が自重で撓んでしまう恐れが
あるのみならず、アームの取付部の強度も増加しなけれ
ばならず、装置自体の重量化を一層余儀なくされてしま
い、採用することはできない。本発明は、以上のような
問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたも
のである。本発明の目的は、加工液の噴流圧力が変わっ
てアームの撓みが変化してもその変化をワイヤガイド部
側へ影響することを防止することができるワイヤ放電加
工装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、ワイヤ電極を案内するワイヤガイドを
保持するハウジング内に前記ワイヤ電極に給電する給電
子が設けられたワイヤガイド部と、被加工物と前記ワイ
ヤ電極との間に形成される加工間隙に加工液を供給する
ノズル部とを有するワイヤ放電加工装置において、前記
ノズル部に形成されると共に前記ワイヤ電極を挿通させ
つつ前記加工間隙に前記加工液を噴出するためのノズル
開口部と、前記ワイヤガイド部を支持するアームと、
記ノズル部を前記ワイヤガイド部から分離独立をさせて
支持するノズル支持アームと、前記ワイヤガイド部のハ
ウジングに接続され前記ハウジング内部に加工液を供給
するための冷却液供給通路と、前記ノズル部に加工液を
供給する加工液通路と、を備えるように構成したもので
ある。
【0009】
【作用】本発明は、以上のように構成されたので、加工
液を噴流として供給するノズル部は、ワイヤガイド部か
ら分離独立させてノズル支持アームの先端に支持されて
おり、ワイヤ電極はノズル部に形成されたノズル開口部
を通過して行く。従って、ノズル部に供給される加工液
はこのノズル開口部を介してワイヤ電極と伴に噴出さ
れ、ワイヤ電極に沿って加工間隙内に流入し、この内部
を加工液で十分に満たして良好な放電状態が維持され
る。また、ノズル部から高圧な加工液を噴出するとき
に、これを支持するノズル支持アームは僅かに変位する
が、ワイヤガイド部はこのノズル部とは分離されて別個
独立に設置されているのでノズル支持アームの変化がワ
イヤガイド部に影響を及ぼすことを阻止でき、従って、
加工精度を高く維持することができる。
【0010】
【実施例】以下に、本発明に係るワイヤ放電加工装置の
一実例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に
係るワイヤ放電加工装置の一例を示す概略全体構成図、
図2は下側のノズル部とワイヤガイド部の取り付け状態
を示す図である。尚、従来装置と同一部分については同
一符号を付す。図示するようにこのワイヤ放電加工装置
は、図示しない固定ベッド上の側部に起立させた固定コ
ラム16を有しており、この固定ベッド上にはX方向に
移動可能なX方向テーブル及びこれに直交するY方向に
移動可能なY方向テーブルを組み合わせた機構上に載置
固定した加工槽18が設置されると共にこの加工槽18
内にワークスタンド(図示せず)上に搭載させて被加工
物2が設置されている。
【0011】また、上記固定コラム16の上部からは上
記加工槽18の上方に延在させるように水平コラム19
が設置されている。この水平コラム19には、例えばワ
イヤ電極4を多重に巻回したワイヤ供給リール20、こ
のワイヤ電極に所定のバックテンションを付与するテン
ションローラ22、ワイヤ電極の走行方向を下方向に向
ける方向転換プーリ24等よりなるワイヤ送出部が設け
られ、上記ローラやプーリ間にワイヤ電極4を掛け渡し
て張設されている。尚、上記テンションローラ22等は
必要に応じて案内プーリ等と置き換えられたり、また
は、案内プーリ等と組み合わされたりする。上記水平コ
ラム19の下部には、ワイヤガイド部30を上下方向
(Z軸方向)へ移動自在になすZ軸移動機構26が下方
向へ延在させて取り付けられている。そして、このZ軸
移動機構26には、水平方向に伸ばした上部アーム28
が取り付けられると共に、この上部アーム28の先端部
には、上記ワイヤ送出部からのワイヤ電極4に給電しつ
つこれを下方へ案内する上側のワイヤガイド部30が取
り付けられている。
【0012】そして、上記ワイヤガイド部30の直下に
はこのワイヤガイド部から僅かに離間させて上側のノズ
ル部32が前記Z軸移動機構26から延在されたL字状
の上側のノズル支持アーム34の先端部に取り付けられ
ており、後述するようにこのノズル部32から加工液の
噴流を被加工物に向けて下方へ放出し得ると共に加工液
噴流の放出に伴う反作用がワイヤガイド部30に影響し
ないように構成されている。また、上記ノズル支持アー
ム34の他端部は、例えばボールネジ等よりなる高さ調
整機構36を介してZ軸移動機構26へ取り付け固定さ
れており、例えば図示しないNC装置によりノズル部3
2とワイヤガイド部30との間隙の幅を加工液の液圧に
応じて適宜調整し得るように構成されている。尚、この
上側のノズル支持アーム34をZ軸移動機構26ではな
く仮想線に示すように固定コラム16へ直接取り付ける
ようにしてもよい。これによれば、加工液噴流の反作用
がワイヤガイド部30に影響することをほぼ確実に遮蔽
することが可能となる。
【0013】一方、被加工物2の下側に位置される下側
のワイヤガイド部38及び下側のノズル部40も上記各
上側のワイヤガイド部30と上側のノズル部32とほぼ
同様に構成されている。すなわち、上記下側のワイヤガ
イド部38は、固定コラム16から水平方向へ延在させ
て設けた下部アーム42の先端部に取り付け固定されて
おり、上方より走行してきたワイヤ電極4を方向転換プ
ーリ44を介して水平方向へ向けて排出するようになっ
ている。また、この下側のワイヤガイド部38の真上に
は、このワイヤガイド部から僅かに離間させて下側のノ
ズル部40が、前記固定コラム14から延在された下側
のノズル支持アーム46の先端部に取り付けられてお
り、このノズル部40から加工液の噴流を被加工物に向
けて上方へ放出し得ると共に、加工液の噴流の放出に伴
う反作用が下側のワイヤガイド部38に影響しないよう
に構成されている。この下側のノズル支持アーム46及
び下部アーム42は、加工槽壁を貫通して上述のように
固定コラムに取り付けるようにしてもよいが、これに限
定されない。
【0014】具体的には、上記両ワイヤガイド部30,
38及び両ノズル部32,40はそれぞれほぼ同様に構
成されており、ここでは代表的に図2に基づいて下側の
ワイヤガイド部38及び下側のノズル部40について説
明する。上記下側のノズル部40は、ほぼ中空円筒体状
に成形されて内部に液溜50の形成されたノズルハウジ
ング52を有しており、このハウジング52には、上記
下側のノズル支持アーム46内に形成された加工液通路
54が接続されており、例えば10〜20Kg/cm2
の高圧の加工液を供給するように構成されている。この
ノズルハウジング52の上部には断面中空の円錐状のノ
ズル56が取り付けられると共に、ハウジング52の上
部壁の中心部及びその周辺部には加工液を上方へ流通さ
せるために複数の流通孔58が設けられ、上記ノズル5
6内へ加工液を流入するようになっている。そして、こ
のノズル56の中央上端部には、ノズル開口部60が形
成されており、この開口部60を介して、加工液Wの噴
流Fを上方に位置する被加工物2へ供給すると共に、ワ
イヤ電極2を挿通し得るように構成されている。このノ
ズル開口部60の直径は、液圧及び加工対象形状にもよ
るが、通常6〜8mm程度に設定する。そして、上記ノ
ズルハウジング52の下側壁の中央には、下方へワイヤ
電極を通過させるワイヤ挿通孔62が設けられる。この
ワイヤ挿通孔62の大きさは、ワイヤ電極2とノズルハ
ウジング52が干渉せずに且つ加工液ができるだけ突出
しないような大きさ、例えば0.5mm程度に設定す
る。
【0015】これは、ノズルハウジング52内の加工液
Wが高圧であるために、ワイヤ電極とワイヤ挿通孔62
の内壁との間隙から大量の加工液が漏れるとこの加工液
がノズル部40とワイヤガイド部38との間隙に溢れ出
し、この圧力がワイヤガイド部38に伝わって結果的に
下部アーム42を撓ませて加工誤差を生じるからであ
る。そして、このような状態を防止するためにも、或い
は、加工液の噴流圧によってノズル支持アーム40が僅
かに撓んでもノズルハウジング52が下側のワイヤガイ
ド部38に接触しないようにするためにノズル部40と
ワイヤガイド部38との間隙は、ノズル支持アームの剛
性を考慮し適宜設定する。また、上記下側のワイヤガイ
ド部38は、前述と同様にほぼ中空円筒体状に成形され
て内部に液溜の形成された比較的大きなガイドハウジン
グ64を有しており、このハウジング64には、内部に
例えば加工液よりなる冷却液W1を循環させるための冷
却液供給通路66及び冷却液排出通路68が接続されて
いる。
【0016】また、上記ガイドハウジング64の上部に
は、ワイヤ電極2を案内するために例えばダイス形状の
ワイヤガイド70が設けられると共に下部にはダミーガ
イド72が設けられており、ワイヤ電極2は両ガイド7
0,72を通過して下方へ走行して行くようになってい
る。尚、上記ワイヤガイド70はダイス形状のものに限
定されず、他のいわゆる割ガイドを用いるようにしても
よい。更に、このガイドハウジング64内には、ワイヤ
電極2と接触してこれに給電を行うための給電子74が
例えば絶縁されたネジ等よりなる給電子押圧調整部材7
6により水平方向へ移動可能に設けられており、上記給
電子74の消耗に応じて給電子接触面をワイヤ電極側に
移動し得るように構成されている。そして、この加工装
置には、図示しない加工液供給槽、加工液供給経路、N
C装置等の部材が適宜配置並設されている。
【0017】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、ワイヤ送出部のワイヤ供
給リール20から送り出されたワイヤ電極4はテンショ
ンローラ22、方向転換プーリ24、上側ガイド部3
0、上側のノズル部32、被加工物2、下側のノズル部
40、下側のワイヤガイド部38及び下部アーム42内
を順次走行して、系外へ排出される。そして、上側或い
は下側のワイヤガイド部38の給電子74から電力の供
給を受けたワイヤ電極4は、加工槽18内に設置されて
いる被加工物2との間で放電を行いつつ被加工物に放電
加工を施すことになる。この時、被加工物2とワイヤ電
極4との間に形成される加工間隙S内の加工屑を外へ排
除して清浄にすると共にこの加工間隙S内を加工液で満
たして正常な放電状態を維持するために、上側及び下側
のノズル部40からは加工液Wの噴流Fが加工間隙Sに
向けて噴出されている。すなわち、加工液通路54を介
してノズルハウジング52内へ流入した加工液Wは、ノ
ズルハウジング52の上部の各流通孔58を通過してノ
ズル56内に流入し、これより上端のノズル開口部60
を介して加工間隙Sに向けて噴流Fが勢い良く放出され
る。
【0018】この時、この加工液Wの噴流圧力の反作用
を受けて上側及び下側ノズル部32,40は、上方或い
は下方に大きな圧力で押圧されるが、この圧力を受けた
ときに各ノズル部40を支持する上側及び下側のノズル
支持アーム34,46がそれぞれ上方或いは下方へ極僅
かに撓むことによりその噴流圧力の反作用は吸収され
る。従って、加工液の噴流圧力はノズル支持アーム3
4.46の変位によって吸収されてしまって各ワイヤガ
イド部30,38に影響を及ぼすことがなく、加工精度
を高く維持することができる。すなわち、各ノズル部3
2,40は各ノズル支持アーム34,46によって支持
されて、両ワイヤガイド部30,38から離間させて別
個独立に設けられているので加工液の噴流圧力によって
ノズル支持アーム34,46が変位してもワイヤガイド
部30,38は全く影響を受けずに変位せず、従って、
ワイヤ電極4の位置ずれもなく加工精度を高く維持する
ことができる。
【0019】上記実施例にあっては、上側のノズル部3
2及び下側のノズル部40の両方をそれぞれ上側のノズ
ル支持アーム34及び下側のノズル支持アーム46によ
り各ワイヤガイド部30,38から分離して独立に設置
し、噴流圧力の反作用が各ワイヤガイド部30,38に
影響しないように構成したが、これに限定されず、少な
くとも上側或いは下側のノズル部の一方のみをノズル支
持アームにより支持するようにしてもよい。このよう
に、一方のノズル部のみをノズル支持アームにより支持
する場合には、上側のノズル部32の噴射圧力の反作用
は重力方向とは逆の上方に向かうのでその自重と反作用
がある程度相殺されるが、下側のノズル部40の噴出圧
力の反作用は重力方向と一致するのでその影響は大き
く、従って、上側のノズル部32にはノズル支持アーム
を設けず、下側のノズル部40にのみノズル支持アーム
を設けるようにする。また、図1においてはワイヤ送出
部が固定状態になされているが、これに代えてワイヤ送
出部全体をX,Y,Z方向等へ移動可能な周知のテーパ
機構とし、このテーパ機構のZ軸移動部にワイヤ送行路
を同軸上に設置することにより、上部アーム28を排除
することもできる。
【0020】更に、上記実施例にあってはノズル部の向
きは固定であったが、図3乃至図5に示すように傾斜機
構部81によりノズル部の向きを可変となるように構成
してもよい。ここでは上側のノズル部32を例にとって
説明する。まず、上側のノズルハウジング52Aは、ほ
ぼU字形状に成形されたノズル支持体80内に収容され
た状態で、このノズル支持体先端部とハウジング側壁を
貫通させて支持ピン82,84により取り付けられてい
る。一方の、支持ピン82とノズルハウジング54Aと
の間にはOリング等のシール86が介設されてノズルハ
ウジング内部の加工液Wが吐出しないように構成される
と共に、支持ピン82はノズル支持体80に対して回転
可能になされている。また、他方の支持ピン84はノズ
ルハウジング52Aに対して固定的に液密に取り付けら
れると共にこの支持ピン84はノズル支持体80に対し
て回転可能に取り付けられている。そして、この支持ピ
ン84には、例えばステップモータ等よりなるハウジン
グ用モータ88の駆動軸90が固定的に連結され、上記
ノズルハウジング52Aを支持ピン82,84を中心と
して所定の角度だけ回転させて傾斜し得るように構成さ
れると共に、この時の傾斜角度乃至回転角度は、例えば
エンコーダ等よりなるハウジング位置検出部92により
検出される。
【0021】また、上記支持ピン84の取り付け部に
は、Oリング等よりなるシール94が取り付けられて上
記モータ88側に加工液が入り込まないようになされ、
また、上記ノズルハウジング52Aには、加工液Wをこ
の内部に供給するためにフレキシブルホース96が接続
されると共に、このホース96は十分な可撓性を有し、
このノズルハウジング52Aの回動に影響を与えないよ
うに構成されている。一方、上記ノズル支持体80は、
上側のノズル支持アーム34の先端部に軸受98を介し
て回転可能に支持された軸部材100に係止ピン102
により取り付け固定されており、上記ノズル支持体80
を上記ハウジング用モータ88によるノズルハウジング
52Aの回転面に対して直交する面内に回転し得るよう
に構成されている。
【0022】上記軸部材100には、従動ギア104が
取り付けられると共に、この従動ギア104には、例え
ばステッピングモータ等よりなるノズル支持体用モータ
106の駆動軸108に取り付け固定した駆動ギア11
0が歯合されており、上記モータ106の駆動力により
上記ノズル支持体80を回転乃至傾斜するようになって
いる。そして、このモータ106には、例えばエンコー
ダよりなるノズル支持体位置検出部112が取り付けら
れており、ノズル支持体80の傾斜角度を検出し得るよ
うに取り付けられている。尚、このノズル支持体用モー
タ106を上記軸部材100に対して直列的に配置する
ようにしてもよい。そして、このモータ106を有する
駆動部全体は、カバー部材114により被われており、
この駆動部を保護するようになされている。また、図4
にも示すようにノズルハウジング52Aの中央に形成さ
れるワイヤ挿通孔62Aは、このノズル部32が傾斜し
たときにワイヤ電極4と挿通孔62Aとが接触しないよ
うに例えば角度αのテーパ形状に成形されている。この
場合においても、このワイヤ挿通孔62Aから大量の加
工液がワイヤガイド部30(図1参照)に向かって吐出
しないように、上記ワイヤ挿通孔62Aの最小径L1の
部分を、使用するワイヤ電極4の径に合わせて例えば
0.5mm程度に設定する。
【0023】そして、前記各ハウジング位置検出部92
及びノズル支持体位置検出部112は、制御部120へ
電気的に接続されており、前記した例えばテーパ装置か
らの入力信号に基づいて各ハウジング用モータ88及び
ノズル支持体用モータ106を駆動させてノズル部32
を適宜傾斜させると共に、その時の傾斜角度を認識し得
るように構成されている。以上のように構成された実施
例においては、放電加工中にテーパ装置によりワイヤ電
極4が被加工物2に対して傾斜された場合には、制御部
120はテーパ装置からの信号に基づいてハウジング用
モータ88を所定の量だけ駆動してノズルハウジング5
2Aを支持ピン82,84を中心として所定の角度だけ
傾斜させると共にノズル支持体用モータ106も所定の
量だけ駆動してノズル支持体80を軸部材100を中心
として所定の角度だけ傾斜させ、これによりノズルハウ
ジング52Aはワイヤ電極4の傾斜方向に対応させてこ
れに一致するように傾斜させることができ、前述したよ
うに加工液の噴流圧力の反作用がワイヤガイド部30に
及ぶことを阻止することができるのみならず、加工間隙
S内に確実に且つ十分に加工液を供給することができ
る。
【0024】ここで、上側のノズル部32(図1参照)
に前述と同様な傾斜機構部を設けている場合にも、上記
したと同様な操作により下側のノズル部40を傾斜させ
てこれが上側のノズル部32と平行に対向するよう制御
する。また、上記したようにノズルハウジング52Aが
傾斜しても、この上部に設けたワイヤ挿通孔62Aはテ
ーパ状に形成されているので、ワイヤ電極4が挿通孔の
内壁と接触することがなく、この部分にてワイヤ電極の
切断が発生することはない。尚、上記実施例にあって
は、ワイヤガイド部を支持するアームとノズル支持アー
ムとを確実に分離させて設けたが、これに限定されず、
例えば図6に示すように上側のノズル支持アーム34を
上側のワイヤガイド部30を支持する上部アーム28に
バネやゴム体等よりなる弾性支持体120を介して取り
付け固定し、加工液の噴流圧力の反作用を上記弾性支持
体120により吸収し得るように構成してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような優れた作用効果を発揮することができる。ノズ
ル部をワイヤガイド部から分離独立させて支持するよう
にしたので、加工液の噴流圧力の反作用がノズル部に影
響を及ぼすことを阻止することができる。従って、ノズ
ル部は噴流圧力の反作用によって変動することがないの
でワイヤ電極の位置ずれが発生することがなく、加工精
度を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤ放電加工装置を示す概略全
体構成図である。
【図2】下側のノズル部とワイヤガイド部の取り付け状
態を示す図である。
【図3】本発明の変形例を示す側面図である。
【図4】図3に示す変形例の側断面である。
【図5】図3に示す変形例の平面断面図である。
【図6】本発明の他の変形例を示す概略構成図である。
【図7】従来のワイヤ放電加工装置の加工液噴流ノズル
の取り付け状態を説明するための説明図である。
【図8】従来の他のワイヤ放電加工装置を示す側断面で
ある。
【図9】図8に示すワイヤ放電加工装置の動作を説明す
るための説明図である。
【符号の説明】
2 被加工物 4 ワイヤ電極 18 加工槽 20 ワイヤ供給リール 28 上部アーム 30 上側のワイヤガイド部 32 上側のノズル部 34 上側のノズル支持アーム 38 下側のノズルガイド部 40 下側のノズル部 42 下部アーム 46 下部のノズル支持アーム 52,52A ノズルハウジング 60 ノズル開口部 80 ノズル支持体 81 傾斜機構部 84 ハウジング用モータ 100 軸部材 106 ノズル支持体用モータ F 噴流 S 加工間隙 W 加工液

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ電極を案内するワイヤガイドを保
    持するハウジング内に前記ワイヤ電極に給電する給電子
    が設けられたワイヤガイド部と、被加工物と前記ワイヤ
    電極との間に形成される加工間隙に加工液を供給するノ
    ズル部とを有するワイヤ放電加工装置において、前記ノ
    ズル部に形成されると共に前記ワイヤ電極を挿通させつ
    つ前記加工間隙に前記加工液を噴出するためのノズル開
    口部と、前記ワイヤガイド部を支持するアームと、前記
    ノズル部を前記ワイヤガイド部から分離独立をさせて支
    持するノズル支持アームと、前記ワイヤガイド部のハウ
    ジングに接続され前記ハウジング内部に加工液を供給す
    るための冷却液供給通路と、前記ノズル部に加工液を供
    給する加工液通路と、を備えるように構成したことを特
    徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 【請求項2】 前記ノズル部を前記被加工物に対して傾
    斜させる傾斜機構部と、前記ワイヤ電極の前記被加工物
    に対するテーパ角度に応じて前記傾斜機構部を制御する
    制御部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のワイ
    ヤ放電加工装置。
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