JP3105251B2 - 原子炉設備、その炉心コンテインメントおよび原子炉設備における非常冷却方法 - Google Patents

原子炉設備、その炉心コンテインメントおよび原子炉設備における非常冷却方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、原子炉炉心を備えた原子炉圧力容器と炉心
コンテインメントとを有する特に軽水形原子炉の原子炉
設備、その炉心コンテインメントおよび原子炉設備にお
ける非常冷却方法に関する。
この種の原子炉設備は米国特許第3607630号公報で公
知である。この公知の原子炉設備は更に次の特徴を有し
ている。即ち支持・防護構造物は底範囲と円周壁とによ
って原子炉ピットを境界づけ、底範囲および円周壁に対
して垂直方向および横方向に間隔をおいて原子炉ピット
内に配置された原子炉圧力容器が支持・防護構造物に支
持されている。その場合炉心コンテインメントは、原子
炉ピットの内部および原子炉圧力容器の下側において支
持・防護構造物の底範囲に入り込んだ炉心溶融物に対す
る冷却液で冷却可能な捕捉容器を有している。この「炉
心キャッチャ」とも呼ばれる捕捉容器は平坦で鍋のよう
な形をし、内側を水冷される。これは比較的高いレベル
に配置されている溢水タンクに降水配管を介して接続さ
れている。仮想炉心溶融事故の際即ち炉心溶融物が捕捉
容器内に分散したときに生ずる湿り蒸気は、放出配管を
介してコンテインメントあるいは凝縮装置(蒸気分離
器)の中に放出される。凝縮した冷却水は溢水タンクに
戻される。捕捉容器は、入口側および出口側がそれぞれ
共通の分配管ないし集合管に接続されている並行した多
数の管から成っている。しかしこの公知の捕捉容器の比
較的良好な冷却特性は、特に大出力の原子炉の場合に落
下する質量が大きいことにより捕捉容器の管構造物が変
形して冷却チャネルの横断面積が減少されるか閉塞され
たとき、阻害されるおそれがある。
従って本発明の課題は、比較的大きな原子炉出力およ
び炉心重量においても冷却チャネルの十分な横断面積お
よび万一炉心溶融物が発生してもその冷却が、冷却チャ
ネルを規定する構造物が変形力を生ずる質量によって壊
されるおそれなしに保証されるように、捕捉容器が形成
され支持されているような冒頭に述べた形式の原子炉設
備を提供することにある。
更に本発明に基づく原子炉設備における従属的な課題
あるいは二次的な課題は、捕捉容器を自然循環原理に基
づいて液体で冷却でき、更に非常冷却時において空冷が
少なくとも部分的に特別な切換指令なしに水冷に切り換
えられる二重冷却系統(空冷と水冷)を実現するという
前提を有している。他の従属的な課題は、炉心溶融物が
存在する場合に、捕捉容器の底から出る放射線が捕捉容
器の上側に存在する支持・防護構造物の壁部分から有効
に遠ざけることにあり、更に別の従属的な課題は、原子
炉圧力容器を包囲する熱絶縁体を捕捉容器および二重冷
却系統から成る系統と一体化することにある。
従来特別な安全対策によって炉心溶融物による事故を
排除する提案は行われていない。近年において発展した
安全哲学は、炉心溶融事故(およびその発生の確率も著
しく減少させること)を考慮することが安全技術上にお
いて有利であるということを前提としている。本発明も
これを前提としている。本発明は、理論的に考えられる
炉心溶融事故の望ましくない結果を回避するための特に
有効な防護バリヤを作ろうとするものである。
上述の全般的な課題に関連する他の従属的な課題は次
の考察から生ずる。一般に軽水形原子炉および特別の場
合には加圧水形原子炉においては、あらゆる仮想事故に
おいて、即ち部分的な炉心溶融事故の開始あるいは炉心
の完全な溶融であれ炉心溶融事故の際も、コンテインメ
ントの完全性が維持されることが望まれる。かかる事故
を抑制するには特に次の条件が課せられる。
a)核反応生成物が多量に炉心溶融物からコンテインメ
ントの中に逃げないようにしなければならない。核反応
生成物はむしろ連続的な冷却水(あるいは別の適当な冷
却媒体)によって、捕捉効果を得るために凝固しなけれ
ばならない。
b)炉心溶融物が設計条件を上回るような事故発生後少
なくとも数日間は格納容器・支持構造物のコンクリート
と相互作用を生じないようにしなければならない。これ
はさもなければ水素、水蒸気、非凝縮ガスおよび他の反
応生成物を発生するおそれがあるからである。
c)炉心溶融物の長時間冷却を保証しなければならな
い。この冷却によって崩壊熱は低熱源に放出され、長時
間にわたって溶融物が凝固され、堅牢な集合状態に保持
できる。
d)多量の炉心溶融物が水浴に落下するか「一度に落ち
る」ことによって生ずる大規模な水蒸気爆発を避けねば
ならない。
本発明の対象は、原子炉炉心を備えた原子炉圧力容器
と炉心コンテインメントとを有する原子炉設備特に軽水
形原子炉設備にあり、これは上述の課題を解決するため
に次の点で特徴づけられる。即ち、 a)支持・防護構造物が原子炉ピットの底範囲と円周壁
によって境界づけられ、底範囲ないし円周範囲に対して
垂直間隔および水平間隔をおいて原子炉ピットの中に配
置された原子炉圧力容器が支持・防護構造物に支持さ
れ、 b)炉心コンテインメントが冷却液で冷却可能な炉心溶
融物用の捕捉容器を有し、この捕捉容器が原子炉ピット
の内部に原子炉圧力容器の下側に、その底壁ないし円周
壁が支持・防護構造物の底範囲ないし円周壁に対して間
隔中間室を隔てており且つ特にその円周壁の高さが少な
くともほぼ原子炉炉心の下縁まで延びているように配置
され、 c)間隔中間室の中に、捕捉容器を冷却液で外側冷却す
るための冷却チャネルが底側および円周側に配置され、
底壁の平面範囲に、内側から外側に底壁にわたって円周
壁まで流れる冷却液に乱流を発生させるための乱流体が
配置されている。
請求の範囲第1項記載の発明の有利な実施態様は従属
請求の範囲第2項から第18項に記載されている。請求の
範囲第19項および第21項は特に、請求の範囲第19項にお
ける二重冷却系統および請求の範囲第21項記載の溶融物
冷却管は別の関係、例えば炉心溶融物がるつぼによるも
のではなく伝播により冷却されるような原子炉設備にお
いても重要であるが、請求の範囲第1項記載の原子炉設
備の実施態様に関する。なおその伝播による構想につい
ては例えばドイツ連邦共和国特許第2625357号公報を参
照されたい。この構想は、万一炉心溶融物が発生した場
合これが原子炉ピットの基礎面よりも大きな面に伝播さ
れることを特色としている。請求の範囲第20項は請求の
範囲第19項記載の二重冷却系統の実施態様に関する。
本発明によって得られる利点は特に次の点にある。即
ち捕捉容器が、底側冷却チャネルおよび円周側冷却チャ
ネル(外側冷却系統)が液体を充填されている場合に自
然循環流を発生するための最低高さが与えられるような
高さ(少なくとも約3m)を有していることである。捕捉
容器はその底壁だけでなく上に高く延ばされた円周壁で
も支持・防護構造物(生体遮蔽)のコンクリートを、原
子炉圧力容器あるいは炉心溶融物から出る熱線あるいは
放射線に対して防護する。その場合原子炉ピットはその
内のり幅(内径)およびその深さが、十分大きな間隔中
間室(外側冷却系統の間隙幅)においても捕捉容器が、
捕捉容器の本体特に耐熱性スチール合金から成るるつぼ
の内側面に防護層および遮蔽コンクリート製の囲壁を被
覆することができ、それにも拘わらず万一の炉心溶融事
故の際に十分な収容容積を用意することができる容積を
包囲する大きさに寸法づけられている。るつぼ本体およ
びその下側面における(乱流発生用の流れ案内体として
形成されている)乱流体による支持装置は、大きな動的
および静的荷重のもとでも十分大きな冷却チャネル横断
面積が維持されるように頑丈に且つ基礎面にわたって分
布された支持容量で簡単に形成される。捕捉容器の外側
冷却は、外側冷却系統における大きな貫流断面積、相応
した冷却材流量の勢いづけられた自然循環流および発生
した乱流に基づいて、最大の熱負荷においても捕捉容器
の外側冷却面における膜沸騰が回避できるように効果的
に行われる。
好適には、底側の冷却チャネルは入口チャネル装置を
介して、円周側の冷却チャネルは出口チャネル装置を介
して、支持・防護構造物の外側に設けられ原子炉の水溜
めを形成するかこれに接続されている冷却水貯蔵槽に、
捕捉容器が高温であり冷却チャネルが水で充填されてい
る場合に冷却チャネルを通って自然循環流が発生される
ような昇水高さで接続されている。捕捉容器は支持・防
護構造物に懸架して支持される。この目的のために捕捉
容器は原子炉圧力容器の内部に懸架して支持されている
炉心容器のように支持フランジを備えており、捕捉容器
はこの支持フランジによって支持・防護構造物の対応し
た支持面に支持される。捕捉容器が支持・防護構造物の
底範囲に乱流体(支持体でもある)によって支持される
ことが、これによって二重機能(支持および乱流発生)
が達成されるので有利である。半径方向における支障の
ない熱膨張を可能にするために、捕捉容器の底壁はこの
支持体に、あるいはこの支持体が支持・防護構造物の底
範囲に滑っておよび又は弾力的に支持される。捕捉容器
をるつぼ状に形成し、このためにその底壁を下向きない
し外向きに湾曲することが特に有利であり、その場合底
壁は、丸められた縁範囲を介して円周壁に移行し、円周
壁は好適には丸められた縁範囲から捕捉容器の上縁まで
ゆるく円錐状に先細にされている。捕捉容器の底壁に対
して、これが最も低い中央範囲から平らな円錐状皿の形
に縁範囲まで広がっており、その軸方向・半径方向断面
内に位置する断面平面が水平線に対して小さな昇り角を
成して延びていることが合目的である。この緩やかな勾
配並びに縁部範囲における丸みは、自然循環原理に基づ
いて捕捉容器の底壁および円周壁を冷却液特に水が洗流
することを容易にし、これによって効果的な冷却を可能
にする。
自然循環原理に基づく捕捉容器の回転対称で均一な冷
却に対して、本発明の実施態様において、入口チャネル
装置は捕捉容器の底壁の中央範囲において底側冷却チャ
ネルに入口室を介して開口し、その入口室から底側冷却
チャネルが外側に捕捉容器の縁範囲まで延びており、そ
の縁範囲に、上側に延び出口チャネル装置に開口する円
周側冷却チャネルが接続している。その場合、入口チャ
ネル装置は好適には支持・防護構造物の底範囲を貫通
し、冷却水貯蔵槽を収容する室から捕捉容器の底範囲の
中央範囲まで延びている。相応して出口チャネル装置は
支持・防護構造物の円周壁を貫通し、円周壁側冷却チャ
ネルの延長部を形成し、冷却水貯蔵槽の中にその高水位
範囲で開口している。
捕捉容器の防護バリヤ機能に対して、捕捉容器の本体
が耐熱スチール合金から成るるつぼによって形成され、
るつぼの底および円周壁の内面が、るつぼ材料を溶融物
の作用から保護する防護殻で内張りされていること、お
よびるつぼに対する第2の保護層として防護殻に埋込材
貯留物が続いており、その量が、万一の事故発生時に捕
捉容器の中に侵入する予想最大量の炉心溶融物と反応す
るのに十分な量であることが有利である。その防護殻は
好適にはMgO、UO2、ThO2あるいはそれらを組み合わせた
合金から成っている。粒子あるいは粗い粒子の堆積物の
形をしているか遮蔽コンクリートから成る囲壁の形をし
た埋込材貯留物による被覆は、次の作用のために混合物
の材料値を意図的に変更する目的を有している。
− 捕捉容器の中に炉心溶融物が流出した直後に捕捉容
器の壁を高温から保護する。
− 埋込材の溶融によってエネルギーを消費する。これ
により溶融物の加熱作用を遅らせて、崩壊熱に対して低
い値で冷却できるようにする。
− 炉心溶融物を希溶液状にする。
− その熱伝導性を高める。
− その表面積を増大する。
− 炉心溶融物から冷却面への熱伝達を改善する。
− 水を押しやることによって水蒸気爆発を防止する。
− 埋込材の公知の特性によって所定の計算基礎を作
る。
− 混合物の融点および溶融物の温度を低下する。
外側冷却系統において乱流を発生するための流れ案内
体としての上述のチャネル体は、本発明の有利な実施態
様において、三角形の面を持ったプリズムの形をしたい
わゆるデルタ羽根として形成され、それは捕捉容器・底
壁に冷却間隙をおいて対向して位置する支持・防護構造
物の底範囲に取り付けられる。かかるデルタ羽根は冷却
間隙の中に乱流を発生するために特に効果的である。
従って本発明は、互いに上下に配置され相互に間隔を
隔てられた2つのチャネル壁によって境界づけられ液状
冷却材が貫流する冷却チャネルの内部に設けられた乱流
を発生するための三角形のプリズムの形をしたデルタ羽
根であって、その冷却チャネルの上側壁が放出すべき熱
によって加熱される第1のチャネル壁であり、下側壁が
その内側面にデルタ羽根を備えた第2のチャネル壁であ
るようなデルタ羽根も対象としている。デルタ羽根は上
述したように上側の加熱板によって加熱される冷却チャ
ネルの内部に乱流を発生する際に特に有効であり、この
乱流は板下側面における蒸気膜の発生を回避する働きを
する。このような対策をとらない場合には加熱板から冷
却水流への熱伝達を決定づける熱伝達係数が望ましくな
く減少してしまうおそれがある。発生した乱流によって
冷却間隙における自然循環は、いわゆる臨界伝熱面負荷
に対して十分な安全範囲が厳守されるように強められ
る。
支持作用にも役立つチャネル体に対する良好な実施態
様においては、このチャネル体は短管として形成され、
この短管がその捕捉容器の底壁側端に、短管範囲でも底
壁を洗流する冷却水部分流を発生するためのチャネル切
欠きを備えている。この短管は単純な流れ案内体として
形成されるか乱流発生用流れ案内体として形成される。
後者の場合各短管ごとにそれぞれ流れ方向に一致する2
つのU字形チャネル切欠きが設けられ、それらの境界部
が乱流を強化するために角張って形成されている。
既に上述したように捕捉容器は放射線遮蔽機能をも果
たす。これによって生ずる放射線遮蔽機能は、遮蔽リン
グが捕捉容器の上側でこれに続いて支持・防護構造物の
円周壁と原子炉圧力容器の外周との間の環状室の中に設
置されていることによって有利に完全にされる。遮蔽リ
ングは特に、円周壁(生体遮蔽)が出口チャネルによっ
て貫通されている原子炉炉心の円周範囲において生体遮
蔽の機能を負っている。これによって原子炉炉心から出
る放射線は支持・防護構造物の外側の空間から遠ざけら
れる。遮蔽リングは好適にはレカコンクリートとも呼ば
れる遮蔽コンクリートから成っている。遮蔽リングは生
体遮蔽(支持・防護構造物)の壁厚に近い壁厚を有し、
その高さは特にその壁厚よりも幾分大きい。更に、大き
な環状面が空気冷却チャネルに対する流出横断面積とし
て与えられるようにするために遮蔽リングの上側面を傾
斜することが有利である。遮蔽リングは好適には支持・
防護構造物の円周壁に係留されている。これは特にプレ
ストレストコンクリートから成り、その鉄筋は好適には
同様にプレストレストコンクリートから成る支持・防護
構造物の鉄筋と統一的な鉄筋系統の形に一体化されてい
る。遮蔽リングは局所コンクリートでコンクリート打ち
され、その場合相応した型枠を設けねばならない。しか
し遮蔽リングを予め作られた個々のリングセグメントか
ら組み合わせて構成できる。後者の場合、遮蔽リングの
リングセグメントは好適には相互に且つ支持・防護構造
物の円周壁にかみ合わされる。
捕捉容器の外側冷却系統が空冷・水冷二重冷却系統と
して形成され、この冷却系統が、原子炉設備の通常運転
において即ち乾燥外側冷却系統において原子炉圧力容器
ないしこれを包囲する熱絶縁体の外側面を空冷するため
に使用し、このために入口チャネル装置が冷却空気源
に、出口チャネル装置が冷却空気貯蔵槽に接続されてい
ることも特に有利である。
捕捉容器および遮蔽リング並びに二重冷却系統に合わ
された熱絶縁体は、オーステナイト製の全体が金属ボッ
クスから組み合わされて構成されている。外側二重冷却
系統に追加的に設けられている他の空冷系統は、捕捉容
器の上側に配置されその内周が原子炉圧力容器を間隔を
隔てて包囲する熱絶縁体で境界づけられている上側冷却
室に通風するために使用すると有利である。
本発明の有利な実施態様では、捕捉容器はその円周壁
の上側半部において少なくとも1本の溶融物冷却管によ
って貫通され、この溶融物冷却管が多層構造の捕捉容器
においてそのるつぼ壁、防護槽、埋込材貯留物および熱
絶縁体を突き抜けて、その内側端が可溶融閉塞プラグに
よって密封され、外側から内側に勾配をもって付設さ
れ、入口側が冷却液貯蔵槽に接続され、捕捉容器内に炉
心溶融物が存在する場合に可溶融閉塞プラグがその溶融
温度に加熱されて溶かされ、炉心溶融物の表面への冷却
液の流れ通路が開けられることにある。この処置はそれ
によって炉心溶融物の表面冷却が達成されるので、上述
の要件(a)並びに(c)を満足するために寄与する。
そのような表面冷却は、衝撃的に生ぜず連続的に発生す
る蒸気が存在する間隙および冷却間隙を通って上向きに
逃げて、コンテインメント壁および追加的に設置された
再循環冷却・熱交換器伝熱面において凝縮し、その凝縮
水が再び冷却水貯蔵槽(水溜め)に流入するので、安全
上において問題はない。好適には溶融物冷却管の入口は
支持・防護構造物の外側に存在し、冷却水貯蔵槽に接続
され、その際溶融物冷却管は支持・防護構造物の円周壁
および外側冷却系統の間隔中間室を貫通している。
本発明の対象は、請求の範囲第22項に記載したように
上述の原子炉設備において捕捉容器の外側非常冷却を開
始して維持する方法にもあり、これによって設計ミスの
場合に捕捉容器の自然循環冷却を開始する処置を講ずる
という課題が達成される。
更に本発明の対象は、従属請求の範囲第23項に基づい
て、 a) 原子炉圧力容器の下側に、冷却液によって冷却可
能な炉心溶融物用の捕捉容器が、その底壁および円周壁
が原子炉圧力容器を支持し且つ下側および横側を包囲す
る支持・防護構造物の底範囲ないし円周壁に対して間隔
中間室を有するように設置され、 b) 間隔中間室の中に、捕捉容器を冷却液で外側冷却
するための底側および円周側の冷却チャネルが配置さ
れ、底壁の平面範囲に、内側から外側に向かって底壁に
わたって円周壁に流れる冷却液に乱流を発生するための
乱流体が配置されている、 ことを特徴とする原子炉炉心を備えた原子炉圧力容器を
有する原子炉特に軽水形原子炉の炉心コンテインメント
にある。
この炉心コンテインメントの実施態様は請求の範囲第
24項に記載されている。
以下図面に示した実施例を参照して本発明を詳細に説
明する。
第1図は、球状格納容器およびそのコンクリート基礎
の下側範囲の断面図で本発明に基づく原子炉設備および
その炉心コンテインメントを示しており、この図面から
特に原子炉圧力容器、その下側に存在する捕捉容器およ
び冷却水貯蔵槽が理解できる。
第2図は2つの分割図面2A、2Bで第1図における対象
物を第4図のII−II線に沿った断面図で拡大して詳細に
示しており、この図面から捕捉容器がその外側冷却系統
と共に一層明瞭に理解できる。
第3図は2つの分割図面3A、3Bで第2図における対象
物を、第4図のII−II断面に対して77.5゜だけ回転した
III−III線に沿った断面図で示している。
第4図は分割図面2A、2BにおけるIV−IV線に沿った垂
直断面図である。
第5図は、捕捉容器の支持体としておよび流れ案内体
として使用し、このために捕捉容器の底壁と支持・防護
構造物の底範囲との間に挿入されているチャネル体を一
部斜視図で示しており、その場合冷却間隙に乱流を発生
するための補助的ないわゆるデルタ羽根が配置されてい
る。
第6図は第5図におけるチャネル体を一部断面図で示
しており、この図面からばね弾性的に支持するためのば
ね要素が理解できる。
第1図に断面図で示されている原子炉建屋Rは、球状
の鋼製密封外殻3によって形成されているコンテインメ
ントとも呼ばれる格納容器1、その球欠状収容部2.1を
有する鉄筋コンクリート基礎2、格納容器1の内部に配
置された原子炉設備KA、その設備構成要素と結合配管、
電気配線並びに球状の鋼製密封外殻3によって気密に包
囲されている建屋構造物から成っている。鋼製密封外殻
3は鉄筋コンクリート基礎2に結合されている図示して
ないコンクリート外被によって間隙をおいて取り囲まれ
ている。コンクリート外被は格納容器1を外部からの攻
撃(空襲)に対して保護する。格納容器1のコンクリー
ト構造物4はその下側に向いた凸面状球欠体4.1が凸面
状の鋼製密封外殻3およびコンクリート基礎2の凹面状
収容面2.1にぴったり合っている。コンクリート構造物
4はその連結個所(連結個所5.1、5.2参照)において鋼
製密封外殻3を気密に貫通するアンカーボルトによって
鉄筋コンクリート基礎2に結合されている。
全体を符号6で示した加圧水形式の原子炉圧力容器
は、支持・防護構造物7によって横方向および垂直方向
に間隔をおいて取り囲まれている。この支持・防護構造
物7はその底あるいは底範囲7.1と円周範囲7.2と共に格
納容器1の内部におけるコンクリート構造物4の構成部
品を形成している。底範囲7.1と円周壁7.2によってその
内部に原子炉圧力容器6が配置される原子炉ピット8が
形成されている。底範囲7.1には後述する中央入口室33
の窪まされた中央底部分7.10も属している。垂直軸線z
を持つ中空円筒状の原子炉圧力容器6は球欠状底6.1付
きの下部6aと球欠状蓋6.2付きの上部6bを有し、この原
子炉圧力容器6は支持リング構造物9にその下部6aが懸
架されている。支持リング構造物9は支持・防護構造物
7の円周壁7.2の環状凹所の中で浮き上がりおよびねじ
れを防止して支持されている。原子炉圧力容器6は円形
開口の内部で第1図に示してない下部6aのフランジおよ
び/又は適当な支持爪で支持リング構造物9にねじれお
よび浮き上がりを防止して支持されている。原子炉炉心
10は破線で示されている。更に原子炉設備KAの一次回路
構成要素のうち蒸気発生器DEが示されている。この蒸気
発生器DEは主冷却材配管HLのいゆる高温系11を介して原
子炉圧力容器6に接続されている。各高温系11(ここで
は多ループ形である)は高温冷却材を蒸気発生器DEの一
次室12に案内する。一次室12は蒸気発生器DEの二次室13
から管床14および符号15で示したU字形熱交換器管によ
って分離されている。更に一次室12は隔壁16によって2
つの半室に分割されている。即ち一次冷却材は高温系11
から一次室12の一方の半室を介して熱交換器管15に到達
し、そこでその熱を二次媒体に放出してこれを蒸発す
る。その後一次冷却材は一次室12の他方の半室、これに
接続されているいわゆる低温系17、この低温系17に配置
された一次回路冷却材ポンプ(図示せず)および低温系
17の残り部分を通って原子炉圧力容器6の内部に戻され
る。ここではいわゆる二ループ形が用いられており、即
ち2基の蒸気発生器とそれぞれ1組の主冷却材・配管組
を備えた加圧水形原子炉が対象となっている。これは第
1図の実施例において、2本の高温系11にそれぞれ1本
の低温系17(1本しか図示せず)が付属されている場合
に相当する。しかし第1図においてもう1組の配管系を
考慮に考慮した場合、あるいは第2図および第3図から
分かるように、三ループ形あるいは四ループ形も考えら
れる。蒸気発生器DEはその管床範囲において支持リング
18によってコンクリート構造物4に支持されている。
炉心コンテインメントCCの冷却可能な捕捉容器19は、
原子炉ピット8の内部においてその底壁20が原子炉圧力
容器6の下側に配置され、その円周壁21が底壁20から上
向きに延びている。
支持・防護構造物7の垂直に又は図示されているよう
に若干斜め内側に広がっている円周壁7.2は、中性子お
よびガンマ線に対する防護シールドを形成するので生体
遮蔽とも呼ばれる。これはその内周面が底範囲7.1の内
面と同様に鋼ライナー22で被覆されている。このライナ
ー22の外側に捕捉容器19に対して垂直および横方向に間
隔をおいて底範囲7.1および円周範囲7.2が存在し、これ
らは他のコンクリート構造物4に結合されている。この
コンクリート構造物4は室構造に構築され、その場合ほ
ぼ回転体としなければならず円周壁7.2(生体遮蔽)を
包囲する室空間23の中に、通常水位P1の冷却水貯蔵槽24
の形をした原子炉の水溜めが形成されている。この室空
間23の蓋25は鋼製壁26によって支持されている。隔壁27
はU字形昇水管30と共に入口チャネル装置31に対する入
口構築物を形成している。主冷却材配管(高温系11)は
第1図には示さない低温系17と同様に円周壁7.2の壁貫
通口7.3を通って導かれている。
捕捉容器19は特にその円周壁21が図示されているよう
に少なくともほぼ原子炉炉心10の下縁まで延びている。
その場合、捕捉容器19の底壁20および円周壁21は支持・
防護構造物7の底7.1ないし円周壁7.2に対して間隔中間
室28を有している。この間隔中間室28の内部に捕捉容器
19の外側を冷却するために、底側および円周側冷却チャ
ネル29.1、29.2を備えた容器外側冷却系統29が設けられ
ている。本発明は第1図から第3図に示した球状コンテ
インメントに限定されるものではなく、格納容器1のコ
ンクリート構造物4の基礎2への移行が(第1図の実施
例のように)球面を介して行われずに平坦な移行面を介
して行われる円筒状コンテインメントにも採用できる。
以下第2図から第6図について詳細に説明する。これら
の図面において第1図と同一部品には同一符号を付して
ある。
外側冷却系統29の底側冷却チャネル29.1は入口チャネ
ル装置31を介して、円周側冷却チャネル29.2は出口チャ
ネル装置32を介して、支持・防護構造物7の外側に設け
られ原子炉の水溜めを形成するかこれに接続された冷却
水貯蔵槽24にそれぞれ接続されている。この冷却水貯蔵
槽24は、捕捉容器19が高温であり冷却系統29が水で充填
されている場合、冷却系統29内の自然循環流が冷却チャ
ネル29.1、29.2を通って発生されるような昇水高さを有
している。入口チャネル装置31は捕捉容器19の底壁20の
中央範囲において間隔中間室28の外側冷却系統29に入口
室33を介して開口している。入口室33から、乱流体34、
底壁20および支持・防護構造物7の底範囲7.1によって
境界づけられた底側冷却チャネル29.1が、捕捉容器19の
丸められた縁範囲19.1まで外側に延びている。この縁範
囲19.1から、上向きに延びる円周側冷却チャネル29.2が
出口チャネル装置32まで延びている。
第2図から第4図により理解できるように、入口チャ
ネル装置31は支持・防護構造物7の底範囲7.1を貫通し
ている。入口チャネル31aは垂直の短い流入チャネル部
分31bから星形にあるいは半径方向水平に入口室33まで
延びている。第2図および第3図の左下側部分におい
て、垂直の入口チャネル部分はポンプ水溜め室31cとし
て形成されている(ポンプは図示せず)。入口チャネル
部分31bに入口室35が前置接続されている。この入口室3
5は通常運転において冷却水貯蔵槽24の室空間23から隔
壁27によって分離されており、冷却水の通常水位P1が上
昇したとき、詳しくは高水位あるいは最高水位P2に到達
したときだけ、冷却水は昇水管30を介して入口室35およ
び入口チャネル装置31に到達するが、これについては後
述する。出口チャネル装置32は支持・防護構造物7の円
周壁7.2を貫通し、円筒側冷却チャネル29.2の延長部を
形成し、冷却水貯蔵層24の中にその上側水位範囲P2で開
口している(第1図にしか示されていない)。
第4図は、出口チャネル装置32の出口チャネル32aが
壁7.2の円周にわたって分布されていることを示してお
り、この場合6つの出口チャネルが示され、そのうちの
4つは直交して配置され、2つの補助出口チャネルは円
周壁部分7.2の第1象限および第3象限に配置されてい
る。
捕捉容器19は、第2図および第3図から(および第1
図からも)分かるようにるつぼ状に形成され、そのため
にその底壁20は下向きないし外側に湾曲されている。底
壁20は丸められた縁範囲19.1を介して円周壁21に移行し
ている。捕捉容器19の本体19aは、特に耐熱性のスチー
ル合金から成るるつぼとして形成されている。るつぼ19
aの底および円周壁の内面は、るつぼ材料を溶融物の作
用から保護する防護殻19bが内張りされている。この防
護殻19bは特にMgO、UO2又はThO2の合金あるいはその組
合せから成っている。るつぼ19aに対する第2の保護層
として防護殻19bに埋込材貯留物19cが続いている。これ
は特に、相互に且つ防護殻19bに囲い壁の形に結合され
る遮蔽コンクリートブロック36から成っている。囲い壁
の形の埋込材貯留物19cは原子炉圧力容器6の球欠状底
6.1に対して、囲い壁の球欠状底側の面を断熱材W1で被
覆できる程度に十分大きな間隔を有している。この断熱
材W1は全体を符号Wで示した原子炉圧力容器6の断熱材
の下側断熱部材である。この下側断熱部材W1はほぼポッ
トの形をしている。この下側断熱部材W1、遮蔽リング37
の内周面における中央断熱部材W2および遮蔽リング37か
ら原子炉圧力容器6の蓋接合部38の範囲まで延びている
上側断熱部材W3は、原子炉圧力容器6全体を空気室39が
形成されるように十分な間隙をおいて取り囲んでいる。
即ち捕捉容器19は、例えば50mmの厚みを有するるつぼ
の形をした本体19aとそのるつぼ本体に内張りされ例え
ばそのるつぼ本体の3倍の厚みを有する防護殻19bとを
備えたポット状あるいはるつぼ状多層形状物である。防
護殻は特に捕捉容器の中央範囲19.0が、万一炉心溶融物
が発生した場合この範囲に最大の温度負荷が生ずるの
で、その厚みを増大されている。上述したように防護殻
には、るつぼ輪郭にぴったり合った埋込材貯留物19cお
よび相応して合わされた下側断熱部材W1が続いている。
るつぼ19aないし捕捉容器19の円周壁21は特に丸められ
た縁範囲19.1から上縁21.1まで緩やかに円錐状に先細に
なって延びている。これによって捕捉容器9ないしるつ
ぼ19aの外周の輪郭は支持・防護構造物7の円周壁7.2の
内周の輪郭に合わされており、間隔中間室28ないし冷却
系統29の円周側冷却チャネル29.2に対して所望の横断面
積が得られる。るつぼ本体19aないし捕捉容器19の底壁
部分20は最も深い中央範囲19.0から縁範囲19.1まで、軸
方向・半径方向断面内に位置する断面が水平線に対して
小さな上昇角度αを成している平らな円錐状皿の形に広
がっている。中央範囲19.0から縁範囲19.1まで存在する
底壁20の緩い勾配は、冷却系統29内において一定の冷却
水流を生じさせ、この冷却系統29内では気泡を全く発生
しないか有していない(いわゆる死冷却域が防止され
る)。むしろこの緩やかな勾配は自然循環を助成する。
従って捕捉容器19の内部において縁範囲19.1から中央範
囲19.0まで緩やかな勾配が存在するので、万一炉心溶融
物(液状であることが前提)が発生してもこれは常に捕
捉容器19の内部の中央に集まる。
有利な一実施態様によれば、捕捉容器19は支持・防護
構造物7の底範囲7.1に乱流体34によって支持されてい
る。これは必要な場所において、接触支持体(図示せ
ず)による補助的な支持を拒まない。第5図は参照して
後述するように乱流発生にしか使用しない(支持は行わ
ない)乱流体34dを設けることもできる。乱流体34は捕
捉容器19ないしるつぼ19aの底壁20と底範囲7.1との間の
外側冷却系統29に挿入され、捕捉容器19を底範囲7.1に
接触支持するためおよび冷却液に乱流を発生するために
使用される。第2図および第3図において底側冷却チャ
ネル29.1には、流れの案内および乱流の発生に役立つだ
けでなく支持にも役立つ乱流体34だけしか示されていな
い。その作用は中央範囲19.0に配置された中央チャネル
体34aに対しても当てはまる。これは、底範囲7.1に属し
入口チャネル31の下側壁4.2のレベルに存在する中央の
窪んだ底範囲7.10に接触支持されている。これは入口室
33の大きなチャネル高さを橋渡ししなければならないの
で乱流体34よりも長い。乱流体34、34aは底側冷却チャ
ネル29.1の内部および入口室33の内部に、第1には支持
・防護構造物7の底範囲7.1への一様な重量伝達が保証
され、第2には冷却流隘路40(第5図参照)が内側から
即ち中央入口室33から半径方向外側に縁範囲19.1までお
よびそこから円周側冷却チャネル29.2まで向けて形成さ
れるように、配置されている。後者の冷却チャネルは環
状チャネルである。冷却流隘路40は主方向において半径
に沿って即ち星形に延びているか、あるいは例えばイン
ボリュート曲線状に延び、その場合乱流体34、34aは、
冷却系統において自然循環流が開始されたとき特に底側
冷却チャネル29.1の内部で乱流を発生する。
第5図および第6図には乱流体34の形状および配置を
詳細に示している(これは乱流体34aに対しても当ては
まる)。矢印f1は冷却液特に冷却水の流れであり、破線
で示されている。矢印f2は冷却空気の流れであり、実線
で示されている(第1図から第3図も参照)。冷却チャ
ネル例えば29.1、29.2の中は、後述するように冷却空気
(矢印f2、実線)だけあるいは冷却水(矢印f1、破線)
だけが流れる。原子炉圧力容器6ないし万一炉心溶融物
が発生した場合これから出て捕捉容器19特にそのるつぼ
19aおよびこのるつぼの底壁20を浸透する熱流は、第5
図において矢印f3を付され、太い実線で示されている。
即ち矢印f1は冷却系統29における非常冷却水流を象徴的
に示している。
第5図は、冷却系統29の一部詳しくは捕捉容器19の底
壁部分20およびこれに冷却間隙alを隔てて対向して位置
する支持・防護構造物7のライナー22付きの底7.1の範
囲の概略斜視図である。図示した乱流体34は短管として
形成されている(この実施例は第1図から第3図におけ
るすべての乱流体34に特に適している)。この短管は一
般的な乱流体34と区別するために符号34rを付され、後
述する乱流を発生するデルタ羽根は符号34dを付されて
いる。短管34rはその捕捉容器19の底壁部分20側端にそ
れぞれチャネル切欠き41を備えている。特に各短管34r
にそれぞれ流れ方向(流れ矢印f1の主方向)に一致して
いる2つのU字形切欠き41が設けられており、その境界
部41.1は乱流を増大するために角張って形成されてい
る。その角部41.1付きのチャネル切欠き41によって冷却
水部分流f11が発生され、この部分流f11は全般に乱流体
34の範囲および特に短管34rの範囲で底壁部分20の冷却
面に接触させられる。冷却流隘路40の内部および冷却水
部分流f11の冷却路40aの内部において、冷却水部分流の
緊密な混合が達成されて底壁部分20の下向きの冷却面2
0.0における蒸気膜の発生が避けられるような大きな乱
流を発生することが重要である。そのために三角形平面
F1〜F4を備えたプリズム(四面体)の形をしたいわゆる
デルタ羽根34dが設けられている。これは少なくとも冷
却面20.0に冷却間隙alを隔てて対向して位置する底7.1
ないしこの底のライナ22に取り付けられている。デルタ
羽根34dあるいは全般的な流れ案内体は特にステンレス
鋼で作られている。これは溶接によって取り付けられる
(符号42は溶接継目である)ように、その組成がライナ
ー22のスチール合金と同じか類似している。分り易くす
るために第5図には2個のデルタ羽根34dしか示されて
おらず、その場合らせん状流れ線f12によって、デルタ
羽根34dの形をした流れ案内体がさもなければほぼ層流
で流れる流れにどんな影響を与えるかが概略的に示され
ている。これにより冷却面20.0における膜沸騰に対する
安全範囲を増大する力強い渦流が発生される。
第6図から、捕捉容器19が支持体としても役立つ短管
34rを介してばね要素43を介在してばね弾性的に底7.1に
接触支持されていることが分かる。短管34rはるつぼ19a
ないし捕捉容器19の底壁20に溶接(溶接継目44)されて
おり、短管34rおよびるつぼ19aのスチール合金は、相互
に溶接親和性が与えられるように決められている。
ここでばね要素43として圧縮コイルばねが用いられて
おり、これは下側ばね座金43aで底部分7.1に接触支持さ
れ、別の(図示していない)ばね座金を介してその上端
において短管34rに接触支持されている。圧縮コイルば
ねの代わりに皿ばねあるいは重ね皿ばねも利用でき(図
示せず)、その場合支持すべき大きな重量のために圧縮
コイルばねあるいは皿ばねは予め張られていると好適で
ある。下側ばね座金43aは、鋼ライナー22の接触面に対
する摩擦力ができるだけ小さくなるように、その下側面
が特に精密加工され即ち平滑にされている。たとえ小さ
な距離でも滑り運動が可能であることによって、仮想炉
心溶融事故における加熱による強制力の発生は避けられ
る。ばね要素43は、横方向に限られた範囲でばね弾性的
に変位できるばね棒(同様に図示せず)としても形成で
きる。
第5図に示されているデルタ羽根34dは、冷却チャネ
ルの内部において乱流を発生するために図示した実施例
の枠内で有利に利用されるだけでなく、冷却チャネルが
液状冷却材によって貫流され互いに上下に間隔をおいて
配置された2つのチャネル壁によって垂直方向に境界づ
けられ、詳しくは放出すべき熱によって加熱される第1
のチャネル壁と内側面にデルタ羽根34dを備えた下側の
第2のチャネル壁とによって境界づけられている場所に
も随所に利用できる。
第1図、第2図および第3図に戻ると、原理的には捕
捉容器19はそのるつぼ19aで支持・防護構造物7に懸架
することができる。この場合には例えば円周壁21はもっ
と上に高く延ばされ、その上端にある支持フランジによ
って、支持・防護構造物7の壁部分7.2の環状凹所の中
に挿入されている支持リングに支持される(この実施例
は図示せず)。この実施例の場合にも、乱流体34、34a
は少なくとも一部が支持体として、即ち流れ案内体とし
て役立つだけでなく、底壁20の下側に狭い間隙をおいて
落下防止体として配置される。しかし乱流体34、34aに
捕捉容器19を接触支持する図示の実施例が特に有利であ
る。これはそれによって円周壁7.2(生体遮蔽)が追加
的に荷重されず、むしろコンクリート構造物4および底
範囲7.1の非常に大きな平面範囲を介して支持力の伝達
が行われるからである。
捕捉容器19は上述したように特に少なくともほぼ原子
炉炉心10の下縁まで到達しており(第1図参照)、従っ
て冷却系統29を通る冷却液の自然循環にとって必要であ
る少なくとも約3mの所要水位も与えられる。これによっ
て捕捉容器19は球欠状底6.1全体を包囲している。捕捉
容器19が図示した高さを有している場合、遮蔽リング37
(第2図および第4図参照)を設けることが特に有利で
ある。この遮蔽リング37は捕捉容器19の上側でこれに続
いて、支持・防護構造物7の円周壁7.2と原子炉圧力容
器6の外周との間の環状室の中に設置されている。遮蔽
リング37は、円周壁7.2(生体遮蔽)が出口チャネル32
で貫通されている炉心10の範囲において生体遮蔽の機能
を負っている(第1図参照)。遮蔽リング37は特に遮蔽
コンクリートから成っている。この遮蔽コンクリートに
対する組成は、カー・エル・シュミット博士著の文献
「原子炉心の有効エネルギー」、第II巻、ワルター・デ
ー・グリューター・ウント・コンパニ出版社、ベルリ
ン、1960年出版、第701頁の表XXIVに示されているの
で、ここではその詳細な説明を省略する。遮蔽リング37
は支持・防護構造物7の円周壁7.2に係留されている。
このために第4図から分かるように、くさび状止め具46
が遮蔽リング37の外周にわたって一様に分布して設けら
れている。また第3図に破線で示されているように、遮
蔽リング37が固有のくさび状対向面37aでかみ合うくさ
び状支持面47を円周壁7.2に設けることもできる。遮蔽
リング37の組立にとって、これが個々のリングセグメン
ト(図示せず)から成っていることが有利である。リン
グセグメントは相互に且つ支持・防護構造物7の円周壁
7.2にかみ合うか(第3図参照)、くさび結合される
(第4図参照)。別の有利な実施形態では、遮蔽リング
37は遮蔽プレストレストコンクリートから成り、その鉄
筋が同様にプレストレストコンクリートから成る支持・
防護構造物7の鉄筋と統一的な鉄筋系統にされているこ
とにある。かかる実施形態に対して第2図の左部分に破
線で鉄筋ケーブル48が示されている。遮蔽リング37の内
部に、互いにかみ合された個々のリングセグメント(図
示せず)を円周方向において一体に結合する別の鉄筋ケ
ーブルが設けられる。
通常運転時の原子炉圧力容器6の熱損失を最小にする
ために、その熱絶縁体W(第2図および第3図参照)が
大きな意味をもっている。同様にこの熱絶縁体の外側面
を全体を流れ矢印f2で象徴的に示した冷却空気流で洗浄
することが重要である。熱絶縁体Wは原子炉圧力容器6
の下部6aに対する熱絶縁部材W1〜W3、原子炉圧力容器6
の上部6bを覆う可動的な(分解可能な)熱絶縁キャップ
W4および主冷却材配管HLに対する熱絶縁部材W5から成っ
ている。下部6aに対して主に相互に移行する3つの熱絶
縁部材、即ち捕捉容器19の埋込層を被覆して原子炉圧力
容器6の球欠状底6.1を取り囲む(a)下側熱絶縁部材W
1、遮蔽リング37の内周を被覆する中央熱絶縁部材W2が
設けられている。これには、遮蔽リングの下側を覆い下
側熱絶縁部材W1への結合を行う(b)環状の結合熱絶縁
部材W21、および遮蔽リング37から原子炉圧力容器6の
蓋接合部38の範囲まで延び主冷却材接続短管48によって
貫通されている上側熱絶縁部材W3が属している。主冷却
材接続短管48並びにこれに続く主冷却材配管HLは、上述
したように別の熱絶縁部材W5によって取り囲まれてい
る。熱絶縁体Wは特に全体が金属製のボックスで構成さ
れている。これはオーステナイト鋼即ちステンレス鋼か
ら成っている。密閉熱絶縁外被の形に相互に並べられる
これらの各ボックスを保持するための軽量構造の保持架
台は図示されていない。
捕捉容器19の外側冷却系統29は空冷・水冷の二重冷却
系統として形成されている。これは原子炉設備KAの通常
運転時において即ち乾燥外側冷却系統29において、原子
炉圧力容器6を空冷するか、ないしは一般には熱絶縁体
Wの外側面を空冷し、特別な場合には個々の熱絶縁部材
W1〜W3とW5を空冷するために用いられる。この目的のた
めに入口室装置31は少なくとも1つの冷却空気源に接続
されている。これは第2図および第3図に概略的に冷却
空気送風機49として示されている。これにはポンプ水溜
め室31cの範囲において入口チャネル装置31に矢印f2の
ように冷却空気を送る多数の送風機が用いられる。第2
図には互いに重なり合った冷却空気路(実線の流れ矢印
f2を参照)と冷却水路(破線の流れ矢印f1参照)とが示
されている。仮想事故の際、冷却系統29における空冷作
用は捕捉容器19の水冷作用に後述するように円滑に移行
する。出口チャネル装置32はコンテインメントの中に開
口し、従って冷却系統29から流出する冷却空気に対する
冷却空気溜めとなり、これは下側熱絶縁部材W1の外側面
を間接的に冷却するために役立つ。
第2図に示す流れ矢印f1、f2に基づく二重冷却系統に
は、流れ矢印f21〜f23(第2図および第3図参照)で示
されている空冷系統が重畳されている。流れ矢印f2に基
づく第1の空冷系統は全体を符号ZL1で示され、流れ矢
印f21〜f23に基づく別の空冷系統はZL2で示されてい
る。この空冷系統ZL2に通風するために、支持・防護構
造物7の円周壁7.2および遮蔽リング37を貫通する入口
チャネル50は上側冷却空気室45に開口している(第3図
参照)。これは上側熱絶縁部材W3の外側において原子路
圧力容器6の支持リング構造物51まで延びており、外側
が円周壁7.2の内周面によって境界づけられている。上
向きに流れる冷却空気は複数の部分流で次の冷却面に沿
って案内される。
− 上側熱絶縁部分W3の外周面および円周壁7.2の内周
面。その場合冷却空気流f22は入口チャネル50から出
る。後者は2つのチャネル部分、即ち円周壁7.2を貫通
し流れ方向に僅かに昇って延びているチャネル部分50a
と、約45゜の昇り角度で斜め上向きに遮蔽リングを貫通
する第2のチャネル部分50bとから成っている。チャネ
ル部分50a、50bないし入口チャネル50全体は囲壁管52に
よって形成されている(第4図参照)。遮蔽リング37は
入口チャネル50の開口範囲に傾斜部37aを備えており、
その場合流れ案内板53が入口チャネル50の開口個所を覆
い、冷却空気を図示していない流出開口を介して冷却空
気室45の横断面積にわたって分散して流出させる。
− 冷却空気流f21は第1の空冷系統ZL1から出る。これ
は円周壁7.2の内周面に沿って上向きに案内され、生体
遮蔽の円周にわたって分配された冷却空気のヴェールを
形成している。この冷却空気のヴェールは冷却空気室45
の上側で冷却空気流f22と合流され、冷却空気流f23(第
2図も参照)として支持リング構造物51の外側面に沿っ
て流れ、特に原子炉圧力容器の支持ブラケット54を接触
支持する支持腕51aおよび支持リング構造物51のサポー
ト55に沿って流れる。
− 更に第2図に示すように流出環状チャネル7.4を通
って流れる(冷却空気流f23)。この流出環状チャネル
は主冷却材配管HLの外周と支持・防護構造物7の壁貫通
口7.3の内周との間に形成されている。冷却空気はここ
からコンテインメントの中にないしは格納容器1の内部
に到達し、そこから(図示していない)排気フィルタ装
置に到達する。
空冷系統ZL1、ZL2および水冷用外側冷却系統29の系統
には、捕捉容器19の中に発生するおそれのある炉心溶融
物の表面に対する補助水冷系統を接続すると好適であ
る。これは少なくとも1本の溶融物冷却物56を有してい
る(第2図参照)。このために捕捉容器19はその円周壁
21の上側半部において少なくとも1本の溶融物冷却管56
によって貫通されている。この溶融物冷却管56は捕捉容
器19の図示した多層構造物においてそのるつぼ壁19a、
防護層19b、埋込材貯留物19cおよび下側熱絶縁部材W1を
貫通して突き出している。この溶融物冷却管56はその内
側端が可溶融閉塞プラグ56aによって密封されている。
これは図示されているように外側から内側に向かって僅
かな勾配(例えば20゜の傾斜角度)をもって付設され、
入口側において冷却水貯蔵槽24(第1図参照)と同じで
ある冷却液貯蔵タンクに接続されている。捕捉容器19内
に炉心溶融物が発生する場合、可溶融閉塞プラグ56aは
溶融温度に加熱される(溶融温度は室空間39内における
温度より高いが、炉心溶融物の溶融温度よりもかなり低
く例えば600℃である)。従って溶けた可溶融閉塞プラ
グ56aは仮想炉心溶融物の表面への冷却液の流れ経路を
開けるので、この仮想炉心溶融物は水膜によって上側が
補助的に遮蔽および冷却され、その際蒸発した冷却材特
に水蒸気は上向きに空冷用に設けられた冷却チャネルを
通って逃げる。溶融物冷却管56の入口端56.1は円周壁7.
2の外側に位置し、第2図の右側部分および第1図に示
されている特別な昇水管30に接続されるので、水位が上
昇する際に通常の昇水管30を介して冷却水が入口チャネ
ル31および従って冷却系統29に侵入し、また溶融物冷却
管56にも相応して冷却水が供給される。従って、溶融物
冷却管56の入口56.1が支持・防護構造物7の外側に存在
し、溶融物冷却管56が支持・防護構造物7の円周壁7.2
並びに外側冷却系統29の間隔中間室28を貫通している図
示した実施形態が特に有利である。
アンカー57はコンクリート構造物4にライナー22およ
び支持・防護構造物7全体を係留するために役立つ。ア
ンカー57は支持・防護構造物7をコンクリート構造物4
に、原子炉圧力容器6からその支持リング51(第3図参
照)を介して支持・防護構造物7に与えられるかその逆
のあらゆる力およびモーメントを確実に抑制するような
多数の係留個所(2つの係留個所しか図示せず)におい
て結合している。これらの力およびモーメントは重力の
ほかに、地震あるいは設計ミスの際に生ずる浮き上がり
力、接線力、傾動モーメントあるいは横方向力である。
捕捉容器19内において蒸気およびガスが発生する際に生
ずる過圧を迅速に消滅するために、遮蔽リング37に補助
的な放圧開口ないし溢流開口(図示せず)を設けると好
適である。更に、熱絶縁体WないしW1〜W3をステンレス
製の非常に薄い絶縁・支持容器の外面に取りつけ、この
絶縁・支持容器を支持リング51の支持腕51aに適当な突
起あるいは環状フランジによって懸架し固定することが
推奨される。このようにして熱絶縁体Wに対しても、特
に地震および事故に対して安全な保持が保証される。こ
の(図示していない)絶縁・支持容器は蓋によって閉鎖
できる1つあるいは複数の点検開口を備えると有利であ
り、これによって絶縁・支持容器の組立は容易に行うこ
とができる。
支持リングないし支持リング構造物51はライナー22に
対する締付け要素66を介してこれに接続され、従って補
助的に円周壁7.2に接続されている。支持リング構造物5
1は、支持腕51aが一体成形され頑丈な支持ブラケットを
備えた十分な数例えば8個の鍛造リングセグメントから
溶接結合される(又はボルト結合される)。格納容器1
の鋼製密封外殻3に対するアンカー(図示せず)も設け
られている。アンカー58によって基板59がチャネル底面
4.2に固定されている。これは乱流体34aを有し、ここに
は別の流れ案内体60が取り付けられている。
第3図の上部範囲には円周壁7.2のコンクリート構造
物と支持リング51との間のいわゆる天井補償器61が示さ
れている。支持リング51は上向きに対して上側対向サポ
ート62によって固定され、詳しくは円周壁7.2における
環状開口63の天井63aに対して固定されている。図中に
おいて64は支持リング構造物51における点検開口64aに
対する閉塞プラグである。
上述したように本発明によれば、原子炉設備KAにおい
て捕捉容器19の外側非常冷却を開始しこれを維持する方
法が実現できる。これは次のような過程で行われる(第
1図および第2図参照)。
− 原子炉設備KAの通常運転時には、冷却水貯蔵槽24の
冷却水レベルは、捕捉容器・冷却系統29の入口チャネル
装置31に冷却水は到達しないが上述したように流れ矢印
f2に基づいて冷却空気は到達するような低い水位P1に維
持されている。
− 以後の経過に対しては、設計を上回るような現象が
間近かに迫っているか既に生じていることを仮定してい
る。このような現象は例えば後述するLOCA冷却材喪失事
故)により生ずる。このLOCAの場合、主冷却材配管HLに
亀裂あるいはその破断が生じることが予想される。一次
回路にそのような漏洩が生じると、例えばドイツ連邦共
和国特許第2357893号公報に記載されているように、非
常冷却水が一次回路圧に関係して作動するアキュムレー
タから原子炉圧力容器6の主冷却材配管HLに供給され
る。これは、逆止弁が一次系統における圧力降下に応動
することによって行われる(通常アキュムレータ内の圧
力は一次系統内よりも低い)。この圧力降下が漏洩が原
因で生じると、逆止弁が開き、アキュムレータはその内
容物を低温側並びに高温側において主冷却材配管HLに供
給する。これによって原子炉炉心10は十分な量の非常冷
却水を供給される。非常冷却水は漏洩個所から原子炉の
水溜めないし冷却水貯蔵槽24に溢流し、そのために水位
はゆっくりと上昇する。LOCAのこの非常冷却時において
勿論すべての制御棒は炉心の中に挿入(スクラム)さ
れ、即ち原子炉の通常の出力運電は中止されるが、なお
炉心10内には原子炉の定格出力の約5%に相当するいわ
ゆる崩壊熱が生ずる。非常冷却系統が十分に機能すると
き、若干の時間経過後に原子炉設備の一次回路および二
次回路は、亀裂を生じたか損傷した主冷却材配管を修理
ができる程度に冷却される。(図示していない)アキュ
ムレータ内に存在する水量は、冷却水貯蔵槽24の冷却水
レベルを(破線で図示の)高水位P2までに上昇するのに
十分である。この高水位P2に達したとき、(隔壁27の円
周にわたって分布して配置されている多数の)昇水管30
を通って冷却水が入口室35の中に搬送され、冷却水はこ
の入口室から入口チャネル31b、31aを介して入口室33に
流れ、ここから外側冷却系統29に流れる。連通管の原理
に基づいて外側冷却系統は冷却水で満たされるが、炉心
溶融物による捕捉容器19への熱作用が存在しないので、
自然循環は生じない。昇水管(サイフォンとも呼ばれ
る)30において水が上昇すると、逆止弁65が開く。水位
P2が水位P1にあるいはそれよりも低く下がると、逆止弁
65が閉じられるので、サイフォン原理に基づいて昇水管
30を通って冷却水が入口室35に搬送される。外側冷却系
統29は上述の経過によって予防的に冷却水で満たされ
る。原子炉圧力容器にその主冷却材配管HLを介して非常
冷却水を導入する非常冷却系統が或る原因により故障し
て、原子炉圧力容器6における水位が下がり始め、最終
的に炉心10(第1図参照)が冷却水でもはや覆われず、
補給できずに残りの冷却水が原子炉圧力容器6から蒸発
してしまうとき、炉心溶融仮想事故が生ずる。この事故
に対しては捕捉容器19はその外側冷却系統が上述したよ
うに自動的に何等の制御指令なしに対処する。即ち、球
欠状底6.1の溶融後にこれを通って捕捉容器19の中にま
ず滴下して流れる炉心溶融物は、(これが熱絶縁部材W1
を溶融した後)埋込材貯留物19cと混合され、捕捉容器1
9の内部に分散する。熱流はるつぼ19aを加熱し、従って
外側冷却チャネル29.1、29.2の中にまだ存在する冷却水
を加熱する。この冷却水柱への熱の導入によって自然循
環が生じ、即ち加熱済みの冷却水は流れ矢印f1に基づい
て上向きに上昇し、冷却系統29から出口チャネル装置32
を通って出る。冷却水の一部は気化し、コンテインメン
トの内部に配置されている再循環冷却器あるいはコンテ
インメント壁において凝縮する。凝縮液は滴下するか、
冷却水溜め24の中に戻り、従って回路ないし自然循環冷
却に対して再び用いられる。若干量の炉心溶融物が捕捉
容器19の中に侵入すると、その放射熱は可溶融閉塞プラ
グ56aも溶かしてしまうほど大きい。その場合、冷却水
は溶融物冷却管56を通って炉心溶融物の表面まで流れ、
これを上からも冷却する。従って炉心溶融物は下からる
つぼ19aを介して、および上からは冷却水膜によって強
力に冷却される。これは防護材料19bが同様に炉心溶融
物と化合し、これと一緒に溶融点が特に低い合金を形成
し、溶融物に流動作用が与えられ、これによって炉心溶
融物の熱放出およびその内部ローリングセル流が促進さ
れるからである。十分な量の冷却水が用いられるので、
数日間にわたる時間経過後において炉心溶融物は凝固さ
れる。凝固後炉心溶融物が完全に冷却されるまでにはな
お時間を要するが、この状態において原子炉設備の修復
が開始される。そのためには、原子炉設備を汚染除去
し、損傷した原子炉圧力容器6を凝固した炉心溶融物を
含む捕捉容器19と一緒に新しいものと交換する必要があ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アインク、ユルゲン ドイツ連邦共和国 デー−8520 エルラ ンゲン グライウイツツアーシユトラー セ 19アー (72)発明者 フイツシヤー、ウルリツヒ ドイツ連邦共和国 デー−8521 ハンベ ルク キルヒエンシユタイク 13 (72)発明者 ゲーベル、アンドレアス ドイツ連邦共和国 デー−8521 シユパ ールドルフ ケーニツヒスベルガーシユ トラーセ 6 (72)発明者 ヘルマン、ジークハルト ドイツ連邦共和国 デー−8520 エルラ ンゲン ホイスリンガーシユトラーセ 31アー (72)発明者 ケーラー、ウオルフガング ドイツ連邦共和国 デー−8501 カルヒ ロイト レツケンホーフアー ハウプト シユトラーセ 22 (72)発明者 コルン、ワルター ドイツ連邦共和国 デー−8522 ニーデ ルンドルフ ダクスヴエーク 4 (72)発明者 プランク、ヘルマン ドイツ連邦共和国 デー−8555 アデル スドルフ フランケンリング 72 (72)発明者 シヨルツ、マンフレート ドイツ連邦共和国 デー−8520 エルラ ンゲン ウイーダーリツヒシユトラーセ 19 (72)発明者 ワイスホイプル、ホルスト ドイツ連邦共和国 デー−8522 ヘルツ オーゲン アウラツハ ドクトルダスラ ー−シユトラーセ 39 (56)参考文献 特開 昭52−149592(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 9/016

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉炉心(10)を備えた原子炉圧力容器
    (6)と炉心コンテインメント(CC)とを有する原子炉
    設備において、 a)支持・防護構造物(7)が原子炉ピット(8)の底
    範囲(7.1)と円周壁(7.2)によって境界づけられ、底
    範囲ないし円周範囲(7.1、7.2)に対して垂直間隔およ
    び水平間隔をおいて原子炉ピット(8)の中に配置され
    た原子炉圧力容器(6)が支持・防護構造物(7)に支
    持され、 b)炉心コンテインメント(CC)が冷却液で冷却可能な
    炉心溶融物用の捕捉容器(19)を有し、この捕捉容器
    (19)が原子炉ピット(8)の内部に原子炉圧力容器
    (6)の下側に、その底壁(20)ないし円周壁(21)が
    支持・防護構造物(7)の底範囲(7.1)ないし円周壁
    (7.2)に対して間隔中間室(28)を隔てており且つ特
    にその円周壁(21)の高さが少なくともほぼ原子炉炉心
    (10)の下縁まで延びているように配置され、 c)間隔中間室(28)の中に、捕捉容器(19)を冷却液
    で外側冷却するための冷却チャネル(29.1、29.2)が底
    側および円周側に配置され、底壁(20)の平面範囲に、
    内側から外側に底壁(20)にわたって円周壁(21)まで
    流れる冷却液に乱流を発生させるための乱流体(34、34
    a)が配置されている、 ことを特徴とする原子炉設備。
  2. 【請求項2】底側の冷却チャネル(29.1)が入口チャネ
    ル装置(31)を介して、円周側の冷却チャネル(29.2)
    が出口チャネル装置(32)を介して、支持・防護構造物
    (7)の外側に設けられ原子炉の水溜めを形成するかこ
    れに接続されている冷却水貯蔵槽(24)に、捕捉容器
    (19)が高温であり冷却チャネル(29.1、29.2)が水で
    充填されている場合に冷却チャネルを通って自然循環流
    が発生されるような昇水高さで接続されていることを特
    徴とする請求の範囲第1項記載の原子炉設備。
  3. 【請求項3】捕捉容器(19)が支持・防護構造物(7)
    の底範囲(7.1)に乱流体(34、34a)および/又は特別
    な支持体によって支持されていることを特徴とする請求
    の範囲第1項又は第2項記載の原子炉設備。
  4. 【請求項4】捕捉容器(19)がるつぼ状に形成され、こ
    のためにその底壁(20)が下向きないし外向きに湾曲さ
    れ、丸められた縁範囲(19.1)を介して円周壁(21)に
    移行し、円周壁(21)が丸められた縁範囲(19.1)から
    捕捉容器(19)の上縁(21.1)までゆるく円錐状に先細
    にされていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし
    第3項の1つに記載の原子炉設備。
  5. 【請求項5】捕捉容器(19)の底壁(20)が最も低い中
    央範囲(19.0)から平坦な円錐状皿の形に縁範囲(19.
    1)まで広がっており、その軸方向・半径方向断面内に
    位置する断面平面が水平線に対して小さな昇り角(α)
    を成して延びていることを特徴とする請求の範囲第4項
    記載の原子炉設備。
  6. 【請求項6】入口チャネル装置(31)が捕捉容器(19)
    の底壁(20)の中央範囲(19.0)において底側冷却チャ
    ネル(29.1)に入口室(33)を介して開口し、その入口
    室(33)から底側冷却チャネル(29.1)が外側に捕捉容
    器(19)の縁範囲(19.1)まで延びており、その縁範囲
    (19.1)に、上側に延び出口チャネル装置(32)に開口
    する円周側冷却チャネル(29.2)が接続していることを
    特徴とする請求の範囲第2項記載の原子炉設備。
  7. 【請求項7】入口チャネル装置(31)が支持・防護構造
    物(7)の底範囲(7.1)を貫通し、冷却水貯蔵槽(2
    4)を収容する室(23)から捕捉容器(19)の底範囲(2
    0)の中央範囲(19.0)まで延び、出口チャネル装置(3
    2)が支持・防護構造物(7)の円周壁(7.2)を貫通
    し、円周側冷却チャネル(29.2)の延長部を形成し、冷
    却水貯蔵槽(24)の中にその高水位範囲(P2)で開口し
    ていることを特徴とする請求の範囲第6項記載の原子炉
    設備。
  8. 【請求項8】捕捉容器(19)の本体(19a)が耐熱スチ
    ール合金から成るるつぼによって形成され、るつぼ(19
    a)の底および円周壁(20、21)の内面が、るつぼ材料
    を溶融物の作用から保護する防護殻(19b)で内張りさ
    れ、るつぼに対する第2の保護層として防護殻(19b)
    に埋込材貯留物(19c)が続いており、その量が、事故
    発生の際に捕捉容器(19)の中に侵入する予想最大量の
    炉心溶融物と反応するのに十分な量であることを特徴と
    する請求の範囲第1項ないし第7項の1つに記載の原子
    炉設備。
  9. 【請求項9】防護殻(19b)が、MgO、UO2、ThO2あるい
    はそれらを組み合わせた合金から成っていることを特徴
    とする請求の範囲第8項又は第9項記載の原子炉整備。
  10. 【請求項10】埋込材貯留物(19c)が遮蔽コンクリー
    トブロック(36)から成る囲壁として形成されているこ
    とを特徴とする請求の範囲第8項又は第9項記載の原子
    炉設備。
  11. 【請求項11】乱流体(34、34a)が三角形の面(F1〜F
    4)を持ったプリズム形のいわゆるデルタ羽根(34d)を
    有し、それが、捕捉容器・底壁(20)に冷却間隙をおい
    て対向して位置する支持・防護構造物(7)の底範囲
    (7.1)に取り付けられていることを特徴とする請求の
    範囲第1項記載の原子炉設備。
  12. 【請求項12】乱流体(34、34a)が短管(34r)として
    形成され、この短管(34r)がその捕捉容器(19)の底
    壁(20)側端に、短管範囲でも底壁(20)を洗流する冷
    却水部分流(f11)を発生するためのチャネル切欠き(4
    1)を備えていることを特徴とする請求の範囲第1項又
    は第3項記載の原子炉設備。
  13. 【請求項13】各短管(34r)ごとにそれぞれ流れ方向
    に一致する2つのU字形チャネル切欠き(41)が設けら
    れ、それらの境界部が乱流を強化するために角張って
    (41.1)形成されていることを特徴とする請求の範囲第
    12項記載の原子炉設備。
  14. 【請求項14】捕捉容器(19)の上側でこれに続いて支
    持・防護構造物(7)の円周壁(7.2)と原子炉圧力容
    器(6)の外周との間の環状室(45)の中に設置されて
    いる遮蔽リング(37)を有していることを特徴とする請
    求の範囲第1項ないし第13項の1つに記載の原子炉設
    備。
  15. 【請求項15】遮蔽リング(37)が支持・防護構造物
    (7)の円周壁(7.2)に係留されていることを特徴と
    する請求の範囲第14項記載の原子炉設備。
  16. 【請求項16】遮蔽リング(37)がプレストレストコン
    クリートから成り、その鉄筋が同様にプレストレストコ
    ンクリートから成る支持・防護構造物(7)の鉄筋と統
    一的な鉄筋系統の形に一体化されていることを特徴とす
    る請求の範囲第14項又は第15項記載の原子炉設備。
  17. 【請求項17】遮蔽リング(37)が個々のリングセグメ
    ントから組み合わされて構成され、リングセグメントが
    相互に且つ支持・防護構造物(7)の円周壁(7.2)に
    かみ合されていることを特徴とする請求の範囲第14項な
    いし第16項の1つに記載の原子炉設備。
  18. 【請求項18】原子炉圧力容器(6)の下部(6a)を間
    隔をおいて包囲する熱絶縁体(W)が設けられ、この熱
    絶縁体(W)が主に相互に移行する次の3つの熱絶縁部
    材(W1〜W3)、即ち、 a)捕捉容器(19)の埋込層(19c)を覆い原子炉圧力
    容器(6)の球欠状底(6.1)を包囲する下側熱絶縁部
    材(W1)、 b)遮蔽リング(37)の内周を被覆する中央熱絶縁部材
    (W2)、 c)遮蔽リング(37)から原子炉圧力容器(6)の蓋接
    合部(38)の範囲まで延び主冷却材配管によって貫通さ
    れている上側熱絶縁部材(W3)、 に分割されていることを特徴とする請求の範囲第14項な
    いし第17項の1つに記載の原子炉設備。
  19. 【請求項19】捕捉容器(19)の外側冷却系統(29)が
    空冷・水冷二重冷却系統として形成され、この冷却系統
    が、原子炉設備(KA)の通常運転において即ち乾燥外側
    冷却系統において原子炉圧力容器(6)ないしこれを包
    囲する熱絶縁体(W)の外側面を空冷するために用いら
    れ、このために入口チャネル装置(31)が冷却空気源
    (49)に、出口チャネル装置(32)が冷却空気貯蔵槽に
    接続されていることを特徴とすることを特徴とする請求
    の範囲第1項ないし第18項の1つに記載の原子炉設備。
  20. 【請求項20】外側二重冷却系統(29、ZL1)に加え
    て、原子炉圧力容器(6)に対する別の空冷系統(ZL
    2)が設けられ、この空冷系統(ZL2)に通風するため
    に、支持・防護構造物(7)の円周壁(7.2)および遮
    蔽リング(37)を貫通する入口チャネル(50)が上側冷
    却空気室(45)に開口し、この上側冷却空気室(45)が
    上側熱絶縁部材(W3)の外側で原子炉圧力容器(6)の
    支持リング構造物(51)まで延び、その際上昇して流れ
    る冷却空気が多数の部分流で次の冷却面、即ち − 上側熱絶縁部材(W3)の外周面および支持・防護構
    造物(7)の円周壁(7.2)の内周面、 − 支持リング構造物(51)の外側面特にその原子炉圧
    力容器(6)の支持ブラケット(54)を接触支持する支
    持腕(51a)およびその固有のサポート(55)、 に沿って流れ、主冷却材配管(HL)の外周と支持・防護
    構造物(7)の壁貫通口(7.3)の内周との間に形成さ
    れている流出環状室(7.4)を通ってコンテインメント
    ないしは排気・フィルタ装置の中に流れることを特徴と
    する請求の範囲第19項記載の原子炉設備。
  21. 【請求項21】捕捉容器(19)がその円周壁(21)の上
    側半部において少なくとも1本の溶融物冷却管(56)に
    よって貫通され、この溶融物冷却管(56)が多層構造の
    捕捉容器(19)においてそのるつぼ壁(19a)、防護層
    (19b)、埋込材貯留物(19c)および熱絶縁体(W1)を
    突き抜けて、その内側端が可溶融閉塞プラグ(56a)に
    よって密封され、外側から内側に勾配をもって付設さ
    れ、入口側が冷却液貯蔵槽(24)に接続され、捕捉容器
    (19)内に炉心溶融物が存在する場合に可溶融閉塞プラ
    グ(56a)がその溶融温度に加熱されて溶かされ、炉心
    溶融物の表面への冷却液の流れ通路が開けられることを
    特徴とする請求の範囲第1項ないし第20項の1つに記載
    の原子炉設備。
  22. 【請求項22】− 原子炉設備の通常運転において冷却
    水貯蔵槽(24)の冷却水レベルが、捕捉容器・冷却系統
    (29)の入口チャネル装置(31)に冷却水が到達しない
    ような低い水位に維持され、 − 一次回路に漏洩が生じた際に非常冷却水が一次回路
    圧に関係して作動するアキュムレータから原子炉圧力容
    器(6)の主冷却材配管(HL)に供給され、この非常冷
    却水が漏洩個所および場合によってはそれと並行して別
    の供給個所を介して冷却水貯蔵槽(24)に供給され、そ
    のアキュムレータの水量が、冷却水貯蔵槽(24)の冷却
    水レベルを高水位(P2)まで上昇するのに十分であり、
    その高水位(P2)において冷却水は冷却水貯蔵槽(24)
    から入口チャネル装置(31)に到達し、そこから捕捉容
    器・冷却系統(29)の間隔中間室(28)に到達し、冷却
    系統が出口チャネル装置(32)のレベルまで充填でき、
    従って捕捉容器(19)が高温であるとき、冷却水貯蔵槽
    (24)から入口チャネル装置(31)を介して冷却系統
    (29)の底側および円周側の冷却チャネル(29.1、29.
    2)への自然循環流およびそこから出口チャネル装置(3
    2)を介して冷却水貯蔵槽(24)に戻る自然循環流が開
    始される、 ことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第21項の1つ
    に記載の原子炉設備において捕捉容器の外側非常冷却を
    開始して維持する方法。
  23. 【請求項23】a) 原子炉圧力容器(6)の下側に、
    冷却液によって冷却可能な炉心溶融物用の捕捉容器(1
    9)が、その底壁(20)および円周壁(21)が原子炉圧
    力容器(6)を支持し且つ下側および横側を包囲する支
    持・防護構造物(7)の底範囲(7.1)ないし円周壁
    (7.2)に対して間隔中間室(28)を有するように配置
    され、 b) 間隔中間室(28)の中に、捕捉容器(19)を冷却
    液で外側冷却するための底側および円周側の冷却チャネ
    ル(29.1、29.2)が配置され、底壁(20)の平面範囲
    に、内側から外側に向かって底壁(20)にわたって円周
    壁(21)に流れる冷却液に乱流を発生するための乱流体
    (34、34a、34r)が配置されている、 ことを特徴とする原子炉炉心(10)を備えた原子炉圧力
    容器(6)を有する原子炉設備の炉心コンテインメント
    (CC)。
  24. 【請求項24】底側冷却チャネル(29.1)が入口チャネ
    ル装置(31)を介して、円周側冷却チャネル(29.2)が
    出口チャネル装置(32)を介して、支持・防護構造物
    (7)の外側に設けられ原子炉の水溜めを形成するかこ
    れに接続されている冷却水貯蔵槽(24)に、捕捉容器
    (19)が高温であり冷却チャネル(29.1、29.2)が水で
    充填されている場合にこれらの冷却チャネルを通して自
    然循環が行われるような昇水高さで接続されていること
    を特徴とする請求の範囲第23項記載の炉心コンテインメ
    ント。
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