JP3120632B2 - 車両の旋回状態判定方法及び旋回状態判定装置 - Google Patents

車両の旋回状態判定方法及び旋回状態判定装置

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JP3120632B2
JP3120632B2 JP22605593A JP22605593A JP3120632B2 JP 3120632 B2 JP3120632 B2 JP 3120632B2 JP 22605593 A JP22605593 A JP 22605593A JP 22605593 A JP22605593 A JP 22605593A JP 3120632 B2 JP3120632 B2 JP 3120632B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のスピン状態、ド
リフトアウト状態などの車両の旋回状態を判定する車両
の旋回状態判定方法及び旋回状態判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の方法は、例えば特開平4
−287754号公報、特開平4−306174号公
報、特開平4−349072号公報、特開平4−331
669号公報及び特開平5−58133号公報に示され
ているように、ヨーレートγ、前輪舵角θf及び車速V
を検出するとともに、検出した前輪舵角θf及び車速V
に基づいてヨーレートの理論値(目標ヨーレート)γ*
を計算し、理論値γ*から検出ヨーレートγを減算した
値と検出ヨーレートγとの積γ・(γ*−γ)に応じて車両
のスピン状態、ドリフトアウト状態などの車両の旋回状
態を判定するようにしている。そして、このような判定
結果は、左右輪及び前後輪への制動力配分、前後輪への
駆動力配分、各輪の荷重分担、パワーステアリング装置
の操舵反力、後輪の操舵などの制御に利用されて、車両
の操縦性及び安定性の向上が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の判
定方法では、ヨーレートの理論値γ*の正確な計算は難
しく、誤差を含みがちであるので、この誤差のために車
両のスピン状態、ドリフトアウト状態などの車両の旋回
状態が正確に判定されないという問題があった。
【0004】本発明は上記問題に対処するためになされ
たもので、その目的は、車両のスピン状態及びドリフト
アウト状態に直接的に関係する車両のヨーレート及び滑
り角速度に基づいて車両の旋回状態を正確に判定する車
両の旋回状態判定方法及び旋回状態判定装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、車両に搭載したヨーレー
トセンサによって検出されたヨーレートと同ヨーレート
に車両の滑り角速度を加味した値との比を計算し、前記
計算した比の値の大きさに応じて車両のスピン状態又は
ドリフトアウト状態を判定するようにした車両の旋回状
態判定方法にある。また、車両に搭載されたヨーレート
センサを含み同ヨーレートセンサによって検出されたヨ
ーレートと同ヨーレートに車両の滑り角速度を加味した
値との比を計算する計算手段と、前記計算した比の値の
大きさに応じて車両のスピン状態又はドリフトアウト状
態を判定する判定手段とを備えた車両の旋回状態判定装
置にもある。
【0006】
【発明の作用・効果】車両のヨーレートは地球の回転角
速度成分(地球の自転及び公転成分の和)と車両の地球
に対する回転角速度成分の和として理解される。いま、
車両が定常円旋回していれば、車両の滑り角速度は
「0」であり、検出されるヨーレートは地球の回転角速
度成分にのみ依存する。一方、車両が完全スピンし又は
完全ドリフトアウトすれば、車両は地球の運動に対して
拘束されない状態になり、検出されるヨーレートは車両
の滑り角速度の絶対値に等しくかつ正負の符号がそれぞ
れ逆になる。したがって、検出ヨーレートと同ヨーレー
トに車両の滑り角速度を加味した値との比を計算すれ
ば、計算結果は無次元化されて、車両のスピン及びドリ
フトアウトを直接的に表す評価値となる。そして、本発
明によれば、この評価値により車両のスピン状態又はド
リフトアウト状態を判定するので、車両のスピン状態又
はドリフトアウト状態が簡単かつ正確に判定される。
【0007】
【実施例】本発明の具体的実施例を説明する前に、同実
施例に利用した本発明の基本原理について説明してお
く。車両に搭載したヨーレートセンサにより検出される
ヨーレートγは、地球の公転成分(1度/年)及び自転
成分(365度/年)による車両の公転成分γr(36
6度/年)と、車両の自転成分γtとの和として下記数
1のように表される。
【0008】
【数1】γ=γr+γt 次に、このヨーレートγと同ヨーレートγに車両の滑り
角速度dβ/dtを加味した値との比(公転度)Kを定義す
ることにより、車両のスピン及びドリフトアウトを含む
車両の旋回状態を直接的に表す無次元化された評価値を
考える。この評価値としての公転度Kは、例えば下記数
2のように表される。なお、ヨーレートγ及び滑り角速
度βは図3(A)の矢印方向を正とする。
【0009】
【数2】
【0010】まず、車両の完全スピン状態を考えると、
車両は地球の運動による拘束を受けない状態になるの
で、ヨーレートγの公転成分γr は限りなく「0」に近
づき、かつヨーレートγの自転成分γt は負の滑り角速
度−dβ/dtに等しくなる(図3(B)参照)。したがて、
前記数2によって定義される公転度Kは、下記数3に示
すように、「0」になる。
【0011】
【数3】
【0012】また、車両の完全ドリフトアウト状態を考
えると、この場合も、車両は地球の運動による拘束を受
けない状態になるので、ヨーレートγの公転成分γr は
限りなく「0」に近づき、かつヨーレートγの自転成分
γt は正の滑り角速度dβ/dtに等しくなる(図3(C)参
照)。したがって、前記数2によって定義される公転度
Kは、下記数4に示すように、「2」になる。
【0013】
【数4】
【0014】さらに、車両の定常円旋回状態(スピン状
態及びドリフトアウト状態でない状態)を考えると、ヨ
ーレートγの自転成分γt 及び滑り角速度dβ/dtは
「0」となり、かつヨーレートγは公転成分γr のみに
なる。したがって、前記数2によって定義される公転度
Kは、数5に示すように、「1」になる。
【0015】
【数5】
【0016】これらから、公転度Kが所定値Ksp(例え
ば、0.2)以下であれば、車両がスピン状態にあると
判定することができる。また、公転度Kが所定値Kdo
(例えば、1.5)以上であれば、車両がドリフトアウ
ト状態にあると判定することができる。
【0017】一方、車両の横加速度Gy、車速V、ヨー
レートγ及び滑り角速度dβ/dtは、次の数6のような関
係にある。
【0018】
【数6】Gy=V・(γ+dβ/dt) ここで、数2と数6の関係を用いると、公転度Kは下記
数7のように表される。
【0019】
【数7】K=Gy/(V・γ) したがって、横加速度Gy 、車速V及びヨーレートγを
検出して、前記公転度Kを計算すれば、車両のスピン状
態及びドリフトアウト状態を含む車両の旋回状態を判定
できることが理解される。
【0020】次に、このような基本原理を用いた本発明
の具体的実施例について図面を用いて説明すると、図1
は車両に搭載されて本発明に係る方法を用いた車両の旋
回状態判定装置10及び同判定結果を利用する各種制御
装置20をブロック図により示している。
【0021】旋回状態判定装置10は、横加速度センサ
11、ヨーレートセンサ12及び車速センサ13を備え
ている。横加速度センサ11は車両の重心位置近傍に設
けられて、車両の横加速度Gyを検出して同横加速度Gy
を表す検出信号を出力する。ヨーレートセンサ12も車
両の重心位置近傍に設けられて、車両のヨーレートγを
検出して同ヨーレートγを表す検出信号を出力する。車
速センサ13は、車輪の回転速度、変速機の出力軸など
の回転を検出して、車速Vを表す検出信号を出力する。
これらの各センサ11〜13はマイクロコンピュータ1
4に接続されている。マイクロコンピュータ14はRO
M、RAM、CPUなどからなり、図2のフローチャー
トに対応したプログラムを実行することにより車両の旋
回状態を判定して、判定結果をパワーステアリング制御
装置21、駆動力制御装置22、制動力制御装置23、
サスペンション制御装置24及び後輪操舵制御装置25
に出力する。
【0022】パワーステアリング制御装置21は、前記
出力された判定結果に応じてハンドルに対する操舵反力
を制御する。駆動力制御装置22は、前記出力された判
定結果に応じて前後輪に対する駆動力配分を制御する。
制動力制御装置23は、前記出力された判定結果に応じ
て左右輪及び前後輪に対する制動力配分を制御する。サ
スペンション制御装置24は、前記出力された判定結果
に応じて各輪毎の荷重分担を制御する。後輪操舵制御装
置25は、前記出力された判定結果に応じて後輪の操舵
を制御する。なお、これらの制御装置21〜25につい
ては詳述しないが、当業者であれば、前記従来技術の項
で引用した特開平4−287754号公報、特開平4−
306174号公報、特開平4−349072号公報、
特開平4−331669号公報及び特開平5−5813
3号公報に記載のされた公知の装置を多少変形すること
により適用可能である。
【0023】上記のように構成した実施例の動作を図2
のフローチャートにしたがって説明する。マイクロコン
ピュータ14は車両の発進動作に伴ってステップ100
にてプログラムの実行を開始して、ステップ100〜1
18からなる処理を所定時間毎に繰り返し実行する。ス
テップ102にて横加速度センサ11、ヨーレートセン
サ12及び車速センサ13から横加速度Gy 、ヨーレー
トγ及び車速Vをそれぞれ入力して、ステップ104に
て上述した数7の演算の実行により公転度Kを計算す
る。次に、ステップ106にて前記計算した公転度Kが
所定値Ksp(例えば、0.2)以下であるか否かを判定
するとともに、ステップ108にて同公転度Kが所定値
Kdo(例えば、1.5)以上であるか否かを判定する。
【0024】公転度Kが所定値Ksp以下の値を示せば、
ステップ106にて「YES」と判定して、ステップ1
10にてフラグFLG を「1」に設定する。公転度Kが所
定値Kdo以上であれば、ステップ108にて「YES」
と判定して、ステップ112にてフラグFLG を「2」に
設定する。公転度Kが所定値Kspと所定値Kdoとの間の
値を示せば、ステップ106,108にて共に「NO」
と判定して、ステップ114にてフラグFLG を「0」に
設定する。これらの説明及び上述した基本原理の説明か
ら、フラグFLG は、「1」により車両のスピン状態を示
し、「2」にて車両のドリフトアウト状態を示し、
「0」によりそれ以外の状態を示すことは明らかであ
る。
【0025】前記ステップ110〜114の処理後、マ
イクロコンピュータ14はステップ116にてフラグFL
G をパワーステアリング制御装置21、駆動力制御装置
22、制動力制御装置23、サスペンション制御装置2
4及び後輪操舵制御装置25に出力する。これらの各種
制御装置21〜25は、フラグFLG の値に応じて、操舵
ハンドルに対する反力、前後輪に対する駆動力配分、左
右輪及び前後輪に対する制動力配分、各輪毎の荷重分担
及び後輪の操舵をそれぞれ制御して、車両の操縦性及び
安定性の向上を図る。
【0026】なお、この各種制御においては、車両のス
ピン状態、ドリフトアウト状態、その他の通常状態の3
種類に分けて車両の特性を制御するようにしたが、前記
従来技術のように、連続的に車両の特性を変更制御する
ようにしてもよい。この場合、公転度Kの大きさに応じ
た分類分けをすることなく、公転度Kの大きさに応じて
車両の特性を直接的かつ連続的に制御するとよい。
【0027】また、上記実施例においては、車両のスピ
ン及びドリフトアウトを含むを車両の旋回状態を直接的
に表す無次元化された評価値として車両の公転度Kを上
記数2のように定義したが、この公転度K(ヨーレート
γと同ヨーレートγに車両の滑り角速度dβ/dtを加味し
た値との比)を下記数8のように定義するように変形し
てもよい。
【0028】
【数8】
【0029】まず、車両の完全スピン状態を考えると、
この場合も、ヨーレートγの公転成分γr は限りなく
「0」に近づき、かつヨーレートγの自転成分γt は負
の滑り角速度−dβ/dtに等しくなるので、前記数8によ
って定義される公転度Kは下記数9に示すように「2」
になる。
【0030】
【数9】
【0031】また、車両の完全ドリフトアウト状態を考
えると、この場合も、ヨーレートγの公転成分γr は限
りなく「0」に近づき、かつヨーレートγの自転成分γ
t は正の滑り角速度dβ/dtに等しくなるので、前記数8
によって定義される公転度Kは下記数10に示すように
「0」になる。
【0032】
【数10】
【0033】さらに、車両の定常円旋回状態(スピン状
態及びドリフトアウト状態でない状態)を考えると、ヨ
ーレートγの自転成分γt 及び滑り角速度dβ/dtは
「0」となり、かつヨーレートγは公転成分γr のみに
なるので、前記数8によって定義される公転度Kは数1
1に示すように「1」になる。
【0034】
【数11】
【0035】これらから、公転度Kが所定値Ksp(例え
ば、1.5)以上であれば、車両がスピン状態にあると
判定することができる。また、公転度Kが所定値Kdo
(例えば、0.2)以下であれば、車両がドリフトアウ
ト状態にあると判定することができる。一方、上記数6
の関係式を用いれば、この場合における公転度Kは、車
両の横加速度Gy、車速V及びヨーレートγを用いて、
下記数12のような表される。
【0036】
【数12】K=2−Gy/(V・γ) したがって、この変形例においても、横加速度Gy、車
速V及びヨーレートγを検出して、前記公転度Kを計算
すれば、同公転度Kに基づいて車両のスピン状態及びド
リフトアウト状態を含む車両の旋回状態を判定すること
ができることが理解できる。
【0037】上記説明からも理解できるように、上記実
施例及び変形例によれば、車両のスピン及びドリフトア
ウトに直接関係した車両の公転度、すなわちヨーレート
と同ヨーレートに車両の滑り角速度を加味した値との比
を計算して、車両の旋回状態を判定するようにしたの
で、同判定が正確になる。また、前記比は、検出したヨ
ーレートγ、横加速度Gy 及び車速Vに基づく簡単な計
算により算出されるので、装置を複雑にすることなく前
記判定は簡単に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両の旋回状態判定方法を用い
た装置及び同判定結果を用いた制御装置の概略図であ
る。
【図2】 図1のマイクロコンピュータにて実行される
プログラムのフローチャートである。
【図3】 ヨーレートと滑り角の方向と正負の符号を示
す説明図である。
【符号の説明】
11…横加速度センサ、12…ヨーレート、13…車速
センサ、14…マイクロコンピュータ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−222972(JP,A) 特開 平5−139327(JP,A) 特開 平5−69845(JP,A) 特開 平4−325357(JP,A) 特開 平5−208681(JP,A) 特開 平5−185948(JP,A) 特開 平5−99057(JP,A) 特開 平7−17419(JP,A) 特開 平5−301574(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B60G 17/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載したヨーレートセンサによっ
    て検出されたヨーレートと同ヨーレートに車両の滑り角
    速度を加味した値との比を計算し、前記計算した比の値
    の大きさに応じて車両のスピン状態又はドリフトアウト
    状態を判定するようにしたことを特徴とする車両の旋回
    状態判定方法。
  2. 【請求項2】 車両に搭載されたヨーレートセンサを含
    み同ヨーレートセンサによって検出されたヨーレートと
    同ヨーレートに車両の滑り角速度を加味した値との比を
    計算する計算手段と、前記計算した比の値の大きさに応
    じて車両のスピン状態又はドリフトアウト状態を判定す
    る判定手段とを備えたことを特徴とする車両の旋回状態
    判定装置。
JP22605593A 1993-09-10 1993-09-10 車両の旋回状態判定方法及び旋回状態判定装置 Expired - Lifetime JP3120632B2 (ja)

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