JP3128603B2 - 生型造型用離型剤 - Google Patents

生型造型用離型剤

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芳郎 林
定 坂本
正広 中村
辻彦 安田
章祥 阪納
民郎 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生型を造型する際に金
型(模型)に塗布して使用する離型剤に関する。
【0002】
【従来の技術】生型は、造型後すぐに注湯でき、型砂の
再生利用が容易、鋳型費用が安い等の理由により、依然
として鋳型の主流である。
【0003】従来、生型の造型に際して使用する金型
は、生型造型用の鋳物砂が付着し易く、きれいな生型を
得がたくなる。その理由は、生砂(鋳型)は、骨材、粘
土、水その他添加剤からなる一方、金型は、通常、水と
の接触角が、実質0°である鉄製(例えば、鋳鉄製)で
あるためである。
【0004】このため、従来は、金型の表面に鉄より水
に対する接触角の大きな、ニッケル、クロム等のメッキ
(通常、電気メッキ)を施して対処していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、生型造型の場
合、鋳型の簡便さもあって、金型の一部を改変して(特
に試作段階においては)使用することが多い。この際、
再度メッキをする必要があり、面倒であった。さらに
は、生型砂の組成、即ち、結合剤、添加剤の種類にによ
っては、生型砂付着防止作用を十分に奏し得ないおそれ
があった。
【0006】本発明は、上記にかんがみて、接触角の大
きな金属メッキを金型に施さなくても、金型に塗布して
使用するだけで奇麗な生型の造型が可能となる生型造型
用離型剤を提供することを目的とする。
【0007】本発明の他の目的は、生型砂付着防止作用
を十分に奏し得る生型造型用離型剤を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る生型造型用
離型剤は、上記課題を、下記構成により解決するもので
ある。
【0009】生型を造型する際に模型金型に塗布して使
用する生型造型用離型剤であって、離型成分であるポリ
メタロカルボシランが非極性有機溶剤に溶解されてなる
ことを特徴とする。
【0010】
【手段の詳細な説明】次に、上記手段の各構成について
詳細な説明をおこなう。
【0011】(1) 本発明の生型造型用離型剤は、ポリメ
タロカルボシランが離型成分として非極性有機溶剤に溶
解されている。
【0012】(2) ここで使用されるポリメタロカルボシ
ランとは、後述の(A)カルボシラン結合単位および少
なくとも一種の後述の(B)メタロキサン結合単位から
なり、 (式中、R1 およびR2 は同一または異なってもよく相
互に独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基また
は水素原子を示す。) (B): (−M−O−) (式中、MはTi、Zr、MoおよびCrからなる群か
ら選ばれる少なくとも一種の元素を示し、場合によって
は前記各元素の少なくとも一部分が側鎖基として炭素数
1〜4のアルコキシル基またはフェニル基を少なくとも
1個有する。)前記(A)および(B)各結合単位が主
鎖骨格中でランダムに結合した重合体、および/または
前記(A)の結合単位のケイ素原子の少なくとも一部が
前記(B)の結合単位の前記各金属元素と酸素原子を介
して結合し、これらによって前記(A)の結合単位の連
鎖により得られるポリカルボシラン部分が前記(B)の
結合単位により酸素を介して架橋された重合体である。
【0013】前記(A)の結合単位の全数対前記(B)
の結合単位の全数の比率が1:1から10:1の範囲に
あることが好ましい。また、ポリメタロカルボシランの
数平均分子量は400〜50,000であることが好ま
しい。
【0014】(3) また、上記非極性有機溶剤としては、
トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、工業
用ガソリン、石油ベンジン、塗料用シンナー、メタノー
ル、エタノール等を使用可能である。極性有機溶剤で
は、ポリメタロカルボシランを溶解させることができな
い。
【0015】(4) 上記ポリメタロカルボシランは、上記
非極性有機溶剤で、適宜濃度、通常、3〜30wt%(望
ましくは5〜15wt%)に希釈して使用する。3%未満
では、金型に離型作用(生型砂が付着しない撥水性)を
付与し難く、30wt%を越えると、離型作用(撥水性付
与効果)がそれ以上増大しないと共に、粘度が高くなり
過ぎて金型への塗布作業性にも悪影響がでるおそれがあ
る。
【0016】この際、通常は、ポリメタロカルボシラン
を非極性有機溶剤に溶解させただけで、離型剤とするこ
とができるが、適宜、界面活性剤、無機充填剤等を添加
することもできる。
【0017】(5) この様にして調製した離型剤は、造型
前の金型に塗布して使用する。この塗布に際して、再利
用する生型砂は、溶湯の影響を受けて、通常40℃前後
の加温状態にあるため、金型を40℃前後に加熱して行
うのが望ましい。金型表面の結露を防止するためであ
る。
【0018】なお、塗布方法としては、スプレー・刷毛
・浸漬塗布等、任意であるが、作業性の見地からスプレ
ー塗布が望ましい。また、塗布厚は、乾燥状態で、10
〜100μm(望ましくは 40〜60μm)とする。
【0019】さらに、塗布後、主として、溶剤揮発を促
進させるために、加熱乾燥することが望ましいが、時間
があるときは、自然乾燥でも良い。
【0020】こうして、離型膜を形成した金型は、生型
造型に繰り返し使用することができる。ちなみに、ポリ
チタノカルボシラン10wt%トルエン溶液を、スプレー
塗布3回行ったものについて、生型造型を300回行っ
たが、金型への生型砂の付着は観察されていない。
【0021】
【発明の作用・効果】本発明の生型造型用離型剤は、上
記の如く、ポリメタロカルボシランを非極性有機溶剤に
溶解させたものであり、生型造型の際に金型に塗布する
だけで、後述の試験例で支持される如く、金型表面に生
型砂付着防止作用を付与できる。
【0022】従って、接触角の大きな金属メッキを金型
に施さなくても、金型に塗布して使用するだけで奇麗な
生型の造型が可能となる。
【0023】また、従来のニッケルめっきを施した場合
に比して、接触角が格段に高く、金型表面に非常に高い
撥水性が付与できる。即ち、生型砂の組成、即ち、結合
剤、添加剤の種類にかかわらず、生型砂付着防止作用を
十分に奏し得る。
【0024】なお、特開昭63−12672号公報にお
いて、本発明で使用するポリメタロカルボシランを必須
成分とし、鉄等の基材に塗布して使用する被覆用組成物
(離型剤)が開示されている。
【0025】しかし、当該公知離型剤は本願発明の離型
剤とは異質であり、本願発明の進歩性に影響を与えるも
のではない。
【0026】本願発明の離型剤は、生型造型用離型剤で
あり、あくまで、水分を多量に含有し、造型時せいぜい
40℃前後である生型鋳物砂に対する離型性を目的とし
ているのに対し、前記公知離型剤は、高温(通常500
℃以上)となるアルミニウム等の金属融液ないしガラス
融液に対する離型性を目的とし、両者の目的は全く別異
である。
【0027】そして、離型作用を担う成分において、本
願発明は、「ポリメタロカルボシラン」であるのに対
し、公知離型剤は、主として「窒化ホウ素粉末」である
(前記公報第2頁下左欄第1段)。ポリメタロカルボシ
ランは、主として、基材への密着性を担うことが示唆さ
れているのみであり(前記公報第2頁下左欄第4段)、
ポリメタロカルボシランが離型作用を担うことは前記公
報に何ら示唆されていない。
【0028】
【試験例】以下、本発明の効果を確認するために行っ
た、間接試験である撥水性試験について説明する。
【0029】(1) それぞれ、70×70×5mmtの鉄
板または鋳鉄(FC)板を、下記方法で離型剤処理し
て調製した試験片について、図1に示すように水平にお
き、常温及び40℃に保持した加温した試験片1に水滴
2を落し、直後の接触角Θを測定して、3点平均を採っ
た。
【0030】なお、離型剤処理は、離型剤(ポリチタノ
カルボシラン10wt%トルエン溶液)をはけ塗りにより
3回塗布し、自然乾燥60分→200℃×30分→25
0℃×15分の条件で乾燥して行った(乾燥膜厚:約5
0μm)。ポリチタノカルボシランは、宇部興産株式会
社製造の「チラノコートVN110」を使用した。
【0031】それらの結果は、鉄板:83.7°(常
温)、74.7°(40℃)、FC板:84.3°
(常温)、74.7°(40℃)であった。なお、常温
における、鉄及びニクロムの水との接触角は、それぞ
れ、0°及び6.5°である(「化学便覧 基礎編II」
丸善発行、第541頁)。
【0032】本発明の離型剤で処理したものは、ニッケ
ルめっき処理より、はるかに優れた撥水性を示すことが
分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撥水性試験のモデル断面図
【符号の説明】
1 試験片 3 水滴 Θ 接触角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 正広 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 安田 辻彦 愛知県名古屋市中村区沖田町230番地 中部助川興業株式会社内 (72)発明者 阪納 章祥 愛知県名古屋市中村区沖田町230番地 中部助川興業株式会社内 (72)発明者 伊藤 民郎 愛知県名古屋市中村区沖田町230番地 中部助川興業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−12672(JP,A) 特開 昭63−260655(JP,A) 特開 昭64−31546(JP,A) 特開 平6−218489(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生型を造型する際に金型に塗布して使用
    する離型剤であって、離型成分であるポリメタロカルボ
    シランが非極性有機溶剤に溶解されてなることを特徴と
    する生型造型用離型剤。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ポリメタロカル
    ボシランの濃度が、3〜30wt%であることを特徴とす
    る生型造型用離型剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記ポリメ
    タロカルボシランが前記ポリチタノカルボシランである
    ことを特徴とする生型造型用離型剤。
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