JP3140319B2 - 耐食性に優れたNi基合金の熱処理方法 - Google Patents
耐食性に優れたNi基合金の熱処理方法Info
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- JP3140319B2 JP3140319B2 JP07067084A JP6708495A JP3140319B2 JP 3140319 B2 JP3140319 B2 JP 3140319B2 JP 07067084 A JP07067084 A JP 07067084A JP 6708495 A JP6708495 A JP 6708495A JP 3140319 B2 JP3140319 B2 JP 3140319B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加圧水型原子力発電所
において使用される熱交換器伝熱管の管材として用いら
れる耐応力腐食割れ性に優れたNi基合金の熱処理方法
に関する。
において使用される熱交換器伝熱管の管材として用いら
れる耐応力腐食割れ性に優れたNi基合金の熱処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、高温高圧水にさらされる化学プラ
ントや原子力(軽水炉)プラントの熱交換器伝熱管の管
材としては、例えば特開昭59−232246号公報に
開示されているような、Cr:25〜35%、Ni:4
0〜70%のAlloy690合金(商品名、60%N
i−30%Cr−9%Fe合金)などのNi基合金が使
用されている。
ントや原子力(軽水炉)プラントの熱交換器伝熱管の管
材としては、例えば特開昭59−232246号公報に
開示されているような、Cr:25〜35%、Ni:4
0〜70%のAlloy690合金(商品名、60%N
i−30%Cr−9%Fe合金)などのNi基合金が使
用されている。
【0003】しかし、実際のプラントにおける水質環境
は、例えば280℃程度のpHが9.2〜9.5という
ような高温弱アルカリ環境であるが、伝熱管と管支持板
の隙間部でアルカリ濃縮が生じる懸念があり、このよう
な高温高濃度アルカリ環境下では、前記合金といえども
耐応力腐食割れ性(耐SCC性)が十分に確保できると
はいえない。
は、例えば280℃程度のpHが9.2〜9.5という
ような高温弱アルカリ環境であるが、伝熱管と管支持板
の隙間部でアルカリ濃縮が生じる懸念があり、このよう
な高温高濃度アルカリ環境下では、前記合金といえども
耐応力腐食割れ性(耐SCC性)が十分に確保できると
はいえない。
【0004】このような高温高濃度アルカリ環境下にお
ける耐応力腐食割れ性を向上させるため、特開昭59−
85850号公報や特開昭60−50134号公報に開
示された発明では、最終熱処理後に更に特殊熱処理とし
て、600〜750℃で0.1〜100時間保持した
後、徐冷するという2段階の熱処理を行なっている。
ける耐応力腐食割れ性を向上させるため、特開昭59−
85850号公報や特開昭60−50134号公報に開
示された発明では、最終熱処理後に更に特殊熱処理とし
て、600〜750℃で0.1〜100時間保持した
後、徐冷するという2段階の熱処理を行なっている。
【0005】前記2段階の熱処理は、粒界にCr炭化物(Cr
23 C 6 )を析出させると共に、Cr炭化物が析出したことに
よる粒界近傍でのCr欠乏層を回復させるまで長時間の処
理が必要である。また、この熱処理は最終処理であり、
処理後そのままでプラントに使用できるように、酸化被
膜の形成を防ぐため通常真空中で熱処理が行なわれる。
このように、長時間を要する2段階の熱処理が必要であ
り、また真空処理が行なわれるため、製造コストの高騰
は避けられない。
23 C 6 )を析出させると共に、Cr炭化物が析出したことに
よる粒界近傍でのCr欠乏層を回復させるまで長時間の処
理が必要である。また、この熱処理は最終処理であり、
処理後そのままでプラントに使用できるように、酸化被
膜の形成を防ぐため通常真空中で熱処理が行なわれる。
このように、長時間を要する2段階の熱処理が必要であ
り、また真空処理が行なわれるため、製造コストの高騰
は避けられない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のごとく、従来の
耐応力腐食割れ性に優れたNi基合金の熱処理方法は、
いずれも2段階の熱処理が必要で処理に長時間を要し、
製造コストが高騰するという問題があった。
耐応力腐食割れ性に優れたNi基合金の熱処理方法は、
いずれも2段階の熱処理が必要で処理に長時間を要し、
製造コストが高騰するという問題があった。
【0007】本発明は、前記従来の方法に見られる問題
点を排除し、高温高濃度アルカリ環境下における耐応力
腐食割れ性に優れたNi基合金の熱処理方法を提供する
ものである。
点を排除し、高温高濃度アルカリ環境下における耐応力
腐食割れ性に優れたNi基合金の熱処理方法を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、種々の合金について検討した結果、Crが35%を超え
たNi基合金では、前記従来方法のように2段階熱処理を
施さなくても、最終焼鈍における冷却時の冷却速度を制
御することにより、粒界にCr炭化物を析出させ、しかも
粒界近傍での顕著なCr欠乏層の発生も押さえ得ることが
わかった。また更に、昇温時の加熱速度を制御すること
により、粒界におけるCr炭化物の析出量を増加させ、耐
応力腐食割れ性を向上できることがわかった。本発明
は、前記知見に基づいて完成されたものである。
め、種々の合金について検討した結果、Crが35%を超え
たNi基合金では、前記従来方法のように2段階熱処理を
施さなくても、最終焼鈍における冷却時の冷却速度を制
御することにより、粒界にCr炭化物を析出させ、しかも
粒界近傍での顕著なCr欠乏層の発生も押さえ得ることが
わかった。また更に、昇温時の加熱速度を制御すること
により、粒界におけるCr炭化物の析出量を増加させ、耐
応力腐食割れ性を向上できることがわかった。本発明
は、前記知見に基づいて完成されたものである。
【0009】すなわち、本発明の第1の耐食性に優れた
Ni基合金の熱処理方法は、重量%で、C:0.015 〜0.05
%、Si:0.5 %以下、P:0.015 %以下、Cr:35%を超
え40%以下、Ni:50〜57%、Al:0.5 %以下、Ti:0.5
%以下、残部は実質的にFeからなるNi基合金の製造時の
最終焼鈍において、1000〜1200℃の温度域に加熱して1
〜60分間保持した後、900 〜500 ℃の温度範囲を冷却速
度5〜100 ℃/secで冷却することにある。
Ni基合金の熱処理方法は、重量%で、C:0.015 〜0.05
%、Si:0.5 %以下、P:0.015 %以下、Cr:35%を超
え40%以下、Ni:50〜57%、Al:0.5 %以下、Ti:0.5
%以下、残部は実質的にFeからなるNi基合金の製造時の
最終焼鈍において、1000〜1200℃の温度域に加熱して1
〜60分間保持した後、900 〜500 ℃の温度範囲を冷却速
度5〜100 ℃/secで冷却することにある。
【0010】また、本発明の第2の耐食性に優れたNi基
合金の熱処理方法は、重量%で、C:0.015 〜0.05%、
Si:0.5 %以下、P:0.015 %以下、Cr:35%を超え40
%以下、Ni:50〜57%、Al:0.5 %以下、Ti:0.5 %以
下、残部は実質的にFeからなるNi基合金の製造時の最終
焼鈍において、昇温速度150 〜500 ℃/minで1000〜1200
℃の温度域に加熱して1〜60分間保持した後、900 〜50
0 ℃の温度範囲を冷却速度5〜100 ℃/secで冷却するこ
とにある。
合金の熱処理方法は、重量%で、C:0.015 〜0.05%、
Si:0.5 %以下、P:0.015 %以下、Cr:35%を超え40
%以下、Ni:50〜57%、Al:0.5 %以下、Ti:0.5 %以
下、残部は実質的にFeからなるNi基合金の製造時の最終
焼鈍において、昇温速度150 〜500 ℃/minで1000〜1200
℃の温度域に加熱して1〜60分間保持した後、900 〜50
0 ℃の温度範囲を冷却速度5〜100 ℃/secで冷却するこ
とにある。
【0011】
【作用】本発明によれば、2段階熱処理を施さなくて
も、最終焼鈍における冷却時の冷却速度を制御すること
により、粒界にCr炭化物を十分に析出させ、しかも粒界
近傍での顕著なCr欠乏層の発生も押さえることができ、
優れた耐応力腐食割れ性が得られる。また、更に、昇温
時の加熱速度を制御することにより、粒界におけるCr炭
化物の析出量を増加させ、耐応力腐食割れ性をより一層
向上できる。しかも、2段階熱処理を必要としないた
め、処理時間が節減され製造コストの低減に有効であ
る。
も、最終焼鈍における冷却時の冷却速度を制御すること
により、粒界にCr炭化物を十分に析出させ、しかも粒界
近傍での顕著なCr欠乏層の発生も押さえることができ、
優れた耐応力腐食割れ性が得られる。また、更に、昇温
時の加熱速度を制御することにより、粒界におけるCr炭
化物の析出量を増加させ、耐応力腐食割れ性をより一層
向上できる。しかも、2段階熱処理を必要としないた
め、処理時間が節減され製造コストの低減に有効であ
る。
【0012】本発明において使用する合金の化学成分組
成を限定したのは次の理由による。Cは、粒界にCr炭化
物を析出するのに必須の元素であり、所要の析出量を得
るには0.015%以上が必要である。しかし、0.05%を超え
ると強度が高くなりすぎ、製管性が低下すると共に、最
終焼鈍における粒界へのCr炭化物の析出過多により粒界
近傍でCr欠乏層の形成が起こり耐応力腐食割れ性が劣化
する。そのため、0.015〜0.05%に限定した。
成を限定したのは次の理由による。Cは、粒界にCr炭化
物を析出するのに必須の元素であり、所要の析出量を得
るには0.015%以上が必要である。しかし、0.05%を超え
ると強度が高くなりすぎ、製管性が低下すると共に、最
終焼鈍における粒界へのCr炭化物の析出過多により粒界
近傍でCr欠乏層の形成が起こり耐応力腐食割れ性が劣化
する。そのため、0.015〜0.05%に限定した。
【0013】Siは、脱酸のため必要な元素であるが、
0.3%を超えると高Crフェライトのa’相の析出が
加速されるので上限は0.3%とした。しかし、少なす
ぎると脱酸効果が不十分となるので、0.05%以上含
有することが望ましい。
0.3%を超えると高Crフェライトのa’相の析出が
加速されるので上限は0.3%とした。しかし、少なす
ぎると脱酸効果が不十分となるので、0.05%以上含
有することが望ましい。
【0014】Mnは、Siと同様に脱酸のため必要な元
素であり、0.5%以下を含有させる。
素であり、0.5%以下を含有させる。
【0015】Pは、不純物として含まれるが、粒界に偏
析して耐応力腐食割れ性を劣化させるため、0.015
%以下に限定した。
析して耐応力腐食割れ性を劣化させるため、0.015
%以下に限定した。
【0016】Crは、Ni基合金の耐応力腐食割れ性を維持
するのに必要不可欠な元素であり、35%以下では高温高
圧水にさらされる熱交換器伝熱管として要求される耐食
性が確保できず、また40%を超えると高Crフェライトの
a'相の析出が加速されるため、35%超40%以下に限定し
た。
するのに必要不可欠な元素であり、35%以下では高温高
圧水にさらされる熱交換器伝熱管として要求される耐食
性が確保できず、また40%を超えると高Crフェライトの
a'相の析出が加速されるため、35%超40%以下に限定し
た。
【0017】Niは、合金の主成分であり、組織を安定
させ、高Crフェライトのa’相の析出を抑制するため
50%以上の含有が必要である。また、耐食性の点から
は上限を定める必要はないが、Cr等他の合金元素の添
加割合を考慮して上限を57%とし、50〜57%に限
定した。
させ、高Crフェライトのa’相の析出を抑制するため
50%以上の含有が必要である。また、耐食性の点から
は上限を定める必要はないが、Cr等他の合金元素の添
加割合を考慮して上限を57%とし、50〜57%に限
定した。
【0018】Alは、Si及びMnと同様に脱酸作用を
有する元素であるが、0.5%を超えると合金の清浄度
を低下させるため、0.5%以下に限定した。しかし、
添加量が少なすぎると脱酸効果が十分でなく熱間加工性
の劣化を招くので0.05%以上を含有することが望ま
しい。
有する元素であるが、0.5%を超えると合金の清浄度
を低下させるため、0.5%以下に限定した。しかし、
添加量が少なすぎると脱酸効果が十分でなく熱間加工性
の劣化を招くので0.05%以上を含有することが望ま
しい。
【0019】前記以外の成分元素としてTiがあるが、
TiはNと化合してTiNあるいはTi(C,N)とし
てBを固定し、熱間加工性の改善あるいは強度の向上に
有効な元素であり、0.5%以下含有させることが望ま
しい。
TiはNと化合してTiNあるいはTi(C,N)とし
てBを固定し、熱間加工性の改善あるいは強度の向上に
有効な元素であり、0.5%以下含有させることが望ま
しい。
【0020】次に、本発明における熱処理を限定した理
由について説明する。焼鈍温度は、1000℃未満では十分
な焼鈍効果が得られず、かつ固溶していない炭化物量が
多く強度が高くなりすぎることと、固溶C量が少なくな
るため冷却速度の制御による粒界へのCr炭化物の析出量
が減少するため、十分な耐食性が確保できず、また1200
℃を超えると結晶粒径が大きくなりすぎ、強度の低下を
招くため、1000〜1200℃に限定した。また、この際の焼
鈍時間は、1分未満ではCの固溶が十分に得られないた
め、1分以上保持する必要がある。しかし、60分を超え
て長く保持しても焼鈍効果には変わりが見られないの
で、1分〜60分とした。
由について説明する。焼鈍温度は、1000℃未満では十分
な焼鈍効果が得られず、かつ固溶していない炭化物量が
多く強度が高くなりすぎることと、固溶C量が少なくな
るため冷却速度の制御による粒界へのCr炭化物の析出量
が減少するため、十分な耐食性が確保できず、また1200
℃を超えると結晶粒径が大きくなりすぎ、強度の低下を
招くため、1000〜1200℃に限定した。また、この際の焼
鈍時間は、1分未満ではCの固溶が十分に得られないた
め、1分以上保持する必要がある。しかし、60分を超え
て長く保持しても焼鈍効果には変わりが見られないの
で、1分〜60分とした。
【0021】焼鈍後の冷却速度は、Cr炭化物が析出しや
すい900 〜500 ℃の温度域を制御する必要がある。その
冷却速度5℃/sec未満では、粒界へのCr炭化物の析出が
多くなるが、析出に伴い粒界近傍でCr欠乏層が形成され
るので、5℃/sec以上の冷却速度が必要である。しか
し、100 ℃/secを超えると粒界へのCr炭化物の析出が不
十分となり耐食性が低下する。そのため、900 〜500 ℃
の温度域での冷却速度は5〜100 ℃/secに限定した。
すい900 〜500 ℃の温度域を制御する必要がある。その
冷却速度5℃/sec未満では、粒界へのCr炭化物の析出が
多くなるが、析出に伴い粒界近傍でCr欠乏層が形成され
るので、5℃/sec以上の冷却速度が必要である。しか
し、100 ℃/secを超えると粒界へのCr炭化物の析出が不
十分となり耐食性が低下する。そのため、900 〜500 ℃
の温度域での冷却速度は5〜100 ℃/secに限定した。
【0022】前記のごとく、粒界へのCr炭化物析出の観
点からは焼鈍時の冷却速度が最も重要であるが、焼鈍温
度に加熱する際の昇温速度を制御することにより、更に
Cr炭化物の析出量を増加させ、耐食性の向上が図れる。
一般に、連続炉での焼鈍では、昇温温度は比較的に遅い
(100℃/min程度)が、昇温温度が遅いと500〜900℃の温
度域で昇温中にCr炭化物が析出し、その後再結晶や粒成
長が起こる。このため、粒内にCr炭化物が数多く析出し
た状態となる。このため、粒界へのCr炭化物の析出量を
増加させ、耐食性を更に向上させるには、最終焼鈍時の
昇温速度は150℃/min以上とする必要がある。しかし、5
00℃/minを超えると効果が飽和し、昇温用装置のコスト
が高くなるので上限は500℃/minとした。
点からは焼鈍時の冷却速度が最も重要であるが、焼鈍温
度に加熱する際の昇温速度を制御することにより、更に
Cr炭化物の析出量を増加させ、耐食性の向上が図れる。
一般に、連続炉での焼鈍では、昇温温度は比較的に遅い
(100℃/min程度)が、昇温温度が遅いと500〜900℃の温
度域で昇温中にCr炭化物が析出し、その後再結晶や粒成
長が起こる。このため、粒内にCr炭化物が数多く析出し
た状態となる。このため、粒界へのCr炭化物の析出量を
増加させ、耐食性を更に向上させるには、最終焼鈍時の
昇温速度は150℃/min以上とする必要がある。しかし、5
00℃/minを超えると効果が飽和し、昇温用装置のコスト
が高くなるので上限は500℃/minとした。
【0023】
【実施例】表1に化学組成を示した本発明の対象合金
a、b、c、dと本発明の対象外の比較合金e、f、g
を真空溶解により溶製した鋳塊に、鍛造、熱間圧延、中
間熱処理及び冷間圧延等を施して、それぞれ最終板厚3
mmの冷間圧延板に仕上げた。そして、表2に示す種々
の条件により最終焼鈍を施した。更に、これらの処理材
から寸法が2×10×40(mm)の腐食試験片と試験
片の平行部寸法が2×3×20(mm)の低歪速度応力
腐食割れ試験片を作製し、下記要領で粒界腐食試験と低
歪速度応力腐食割れ試験(SSRT)を行なった。
a、b、c、dと本発明の対象外の比較合金e、f、g
を真空溶解により溶製した鋳塊に、鍛造、熱間圧延、中
間熱処理及び冷間圧延等を施して、それぞれ最終板厚3
mmの冷間圧延板に仕上げた。そして、表2に示す種々
の条件により最終焼鈍を施した。更に、これらの処理材
から寸法が2×10×40(mm)の腐食試験片と試験
片の平行部寸法が2×3×20(mm)の低歪速度応力
腐食割れ試験片を作製し、下記要領で粒界腐食試験と低
歪速度応力腐食割れ試験(SSRT)を行なった。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】(1) 粒界腐食試験粒界への Cr炭化物の析出により形成される粒界近傍での
Cr欠乏層を検出するため、65%HNO3+0.2g/1Cr6+溶液を用
いて、沸騰,24時間の浸漬試験を行なった。この試験で
は、粒界近傍にCr欠乏層がある場合には腐食速度が大き
くなる。
Cr欠乏層を検出するため、65%HNO3+0.2g/1Cr6+溶液を用
いて、沸騰,24時間の浸漬試験を行なった。この試験で
は、粒界近傍にCr欠乏層がある場合には腐食速度が大き
くなる。
【0027】(2) 低歪速度応力腐食割れ試験 耐粒界応力腐食割れ性を検出するため、20%NaOH
水溶液中320℃で定電位低歪速度応力腐食割れ試験を
行なった。電位は、最も応力腐食割れ感受性が高くなる
(腐食電位+100mV)に保った。この環境では、引
張り速度は遅い方が応力腐食割れ感受性が高まるので、
8×10-7S-1の歪速度に設定して試験を行なった。破
断後の破面を走査型電子顕微鏡で観察した。その破断面
の粒界破面率により耐粒界応力腐食割れ性を評価した。
水溶液中320℃で定電位低歪速度応力腐食割れ試験を
行なった。電位は、最も応力腐食割れ感受性が高くなる
(腐食電位+100mV)に保った。この環境では、引
張り速度は遅い方が応力腐食割れ感受性が高まるので、
8×10-7S-1の歪速度に設定して試験を行なった。破
断後の破面を走査型電子顕微鏡で観察した。その破断面
の粒界破面率により耐粒界応力腐食割れ性を評価した。
【0028】その試験結果を表2に示す。比較例11とし
てあげたC量が少ないe合金は、本発明と同様の適切な焼
鈍を施しても粒界破面率が大きく耐粒界応力腐食割れ性
が劣る。また、比較例12のC量が多いf合金は、粒界への
Cr炭化物の析出が多くなり粒界腐食試験での腐食速度が
大きく、かつ粒界破面率も粒界近傍のCr欠乏層の生成に
より大きい。更に、比較例13のCr含有量が少ないg合金
は、腐食速度及び粒界破面率が共に大きく耐粒界応力腐
食割れ性の向上は見られない。
てあげたC量が少ないe合金は、本発明と同様の適切な焼
鈍を施しても粒界破面率が大きく耐粒界応力腐食割れ性
が劣る。また、比較例12のC量が多いf合金は、粒界への
Cr炭化物の析出が多くなり粒界腐食試験での腐食速度が
大きく、かつ粒界破面率も粒界近傍のCr欠乏層の生成に
より大きい。更に、比較例13のCr含有量が少ないg合金
は、腐食速度及び粒界破面率が共に大きく耐粒界応力腐
食割れ性の向上は見られない。
【0029】また、本発明のb合金を使用して、本発明
の焼鈍条件から焼鈍温度が外れている比較例14、焼鈍
時間が短い比較例15、焼鈍後の冷却速度が0.5℃/
secと遅い比較例16及び冷却速度が200℃/se
cと大きい比較例17は、いずれも粒界破面率が大きく
耐粒界応力腐食割れ性の向上は見られない。
の焼鈍条件から焼鈍温度が外れている比較例14、焼鈍
時間が短い比較例15、焼鈍後の冷却速度が0.5℃/
secと遅い比較例16及び冷却速度が200℃/se
cと大きい比較例17は、いずれも粒界破面率が大きく
耐粒界応力腐食割れ性の向上は見られない。
【0030】一方、本発明のa〜d合金を使用して、本
発明の焼鈍条件で焼鈍した実施例1〜10は、いずれも
粒界破面率は小さく、耐粒界応力腐食割れ性の向上が達
成されていることがわかる。
発明の焼鈍条件で焼鈍した実施例1〜10は、いずれも
粒界破面率は小さく、耐粒界応力腐食割れ性の向上が達
成されていることがわかる。
【0031】
【発明の効果】この発明によれば、耐粒界応力腐食割れ
性の優れたNi基合金を得ることができ、高温高圧水に
さらされる化学プラントや原子力(軽水炉)プラントの
熱交換器伝熱管の管材として最適の合金を提供できる。
また、2段階熱処理を必要としないため、処理時間が節
減され製造コストを低減できる。
性の優れたNi基合金を得ることができ、高温高圧水に
さらされる化学プラントや原子力(軽水炉)プラントの
熱交換器伝熱管の管材として最適の合金を提供できる。
また、2段階熱処理を必要としないため、処理時間が節
減され製造コストを低減できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 守 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 審査官 小川 武 (56)参考文献 特開 平3−100148(JP,A) 特開 平7−11366(JP,A) 特開 平4−228533(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 1/10 C22C 19/00 - 19/05
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.015 〜0.05%、Si:0.
5 %以下、P:0.015 %以下、Cr:35%を超え40%以
下、Ni:50〜57%、Al:0.5 %以下、Ti:0.5%以下、
残部は実質的にFeからなるNi基合金の製造時の最終焼鈍
において、1000〜1200℃の温度域に加熱して1〜60分間
保持した後、900 〜500 ℃の温度範囲を冷却速度5〜10
0 ℃/secで冷却することを特徴とする耐応力腐食割れ性
に優れたNi基合金の熱処理方法。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.015 〜0.05%、Si:0.
5 %以下、P:0.015 %以下、Cr:35%を超え40%以
下、Ni:50〜57%、Al:0.5 %以下、Ti:0.5%以下、
残部は実質的にFeからなるNi基合金の製造時の最終焼鈍
において、昇温速度150 〜500 ℃/minで1000〜1200℃の
温度域に加熱して1〜60分間保持した後、900 〜500 ℃
の温度範囲を冷却速度5〜100 ℃/secで冷却することを
特徴とする耐応力腐食割れ性に優れたNi基合金の熱処理
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07067084A JP3140319B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 耐食性に優れたNi基合金の熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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| US6457777B1 (en) | 1999-09-03 | 2002-10-01 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Seat cushion pad |
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