JP3140380B2 - ポリビニルアセタール系多孔質体 - Google Patents

ポリビニルアセタール系多孔質体

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JP3140380B2
JP3140380B2 JP08269426A JP26942696A JP3140380B2 JP 3140380 B2 JP3140380 B2 JP 3140380B2 JP 08269426 A JP08269426 A JP 08269426A JP 26942696 A JP26942696 A JP 26942696A JP 3140380 B2 JP3140380 B2 JP 3140380B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、洗車後
の車体表面についた水滴の除去用シート、精密機械や部
品、器具等の表面拭浄用ウエス、化粧用スポンジ、浴用
スポンジ等のスポンジ類一般に好適な、吸水性、拭浄能
力に優れたポリビニルアセタール系多孔質体、特に、防
かび性に優れたポリビニルアセタール系多孔質体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアセタール系多孔質体は、通
気性、クッション性、緩衝性、吸水性等を有するため、
例えば、洗車後の車体表面についた水滴の拭取用シート
や水性化粧品用のパフ等の他、上述したような様々な用
途に広く用いられているが、このポリビニルアセタール
系多孔質体は、乾燥時には硬化してその柔軟性及び弾力
性が失われるため、湿潤状態で保管されるのが一般的で
ある。特に、ポリビニルアセタール系多孔質体の間に補
強用の布帛類を間挿し、これらを複合一体化してシート
状となした、前述の水滴の拭取用シートにおいては、乾
燥しやすく湿潤状態で保管することが必要とされてい
た。
【0003】しかし、このポリビニルアセタール系多孔
質体を湿潤状態で保管した場合には、かびが発生しやす
く、衛生上、外観上及び取り扱い上等の種々の問題があ
るため、ポリビニルアセタール系多孔質体に防かび剤を
添加することによって、防かび性を付与することが一般
的に行われている。具体的には、以下に示す外添法によ
って防かび性を付与している。ポリビニルアセタール系
多孔質体は、ポリビニルアルコール(PVA)に、アル
デヒド類、硫酸等の酸触媒、でんぷん等の気孔形成剤を
添加して加熱することにより、アセタール化反応を起こ
してPVAとアルデヒド類を結合させ、反応終了後に未
反応のアルデヒド類、酸触媒及び気形成剤を除去する
ことによって製造されるが、製造されたポリビニルアセ
タール系多孔質体を水溶性防かび剤を溶かした水溶液中
に浸漬することで、水溶性防かび剤を多孔質体の立体的
樹枝網目状連続組織の樹枝表面に含浸付着させた後、適
度に脱水し、適当量を残した状態で密封包装することに
より、防かび性を付与している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
水溶性の防かび剤によって防かび性を付与したポリビニ
ルアセタール系多孔質体では、使用前の初期段階におい
ては、立体的樹枝網目状連続組織の樹枝表面に付着した
防かび剤によって十分な防かび効果が得られるが、使用
時及びその後の水洗時に、付着した防かび剤がポリビニ
ルアセタール系多孔質体から流出し易く、繰り返し使用
する間に防かび効果は急速に低下、消失し、かびに汚染
されやすくなるといった問題がある。
【0005】そこで、この発明の課題は、使用時におけ
る防かび剤の流出を抑えることにより、防かび効果を長
期間持続させることができるポリビニルアセタール系多
孔質体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明のポリビニルアセタール系多孔質体は、ポ
リビニルアセタールによって形成された立体的樹枝網目
状連続組織の樹枝内部に難水溶性防かび剤を固定し、
らに、水溶性防かび剤を立体的樹枝網目状連続組織の樹
枝表面に固定したのである。このように、難水溶性防か
び剤を立体的樹枝網目状連続組織の樹枝内部に固定する
と、使用中及び使用後の水洗等によって防かび剤の流出
が抑えられ、防かび効果の持続性が向上するので、使用
段階で発生する2次汚染を効果的に防止することができ
る。
【0007】上述したように、難水溶性防かび剤を立体
的樹枝網目状連続組織の樹枝内部に固定するためには、
ポリビニルアセタール系多孔質体の製造に際して、その
製造原液中に防かび剤を添加する所謂内添法を用いるの
が一般的であるが、ポリビニルアセタール系多孔質体
は、ポリビニルアルコール(PVA)に硫酸等の酸を触
媒としてホルムアルデヒド等のアルデヒド類を結合させ
る所謂アセタール化反応によって製造されるため、使用
する難水溶性防かび剤は、酸触媒や反応温度の影響によ
って分解しないように、耐酸性及び耐熱性を有するもの
が望ましい。具体的には、pH<3.0、反応温度=8
0℃でも分解しない程度の耐酸性及び耐熱性が必要であ
る。
【0008】また、防かび性能をポリビニルアセタール
系多孔質体の全体に均一に付与するためには、使用する
難水溶性防かび剤が、微粒子粉体状態で前記立体的樹枝
網目状連続組織の樹枝内部に均一に分散固定されている
ことが望ましい。
【0009】前記難水溶性防かび剤としては、ニトリル
系防かび剤として2,4,5,6−テトラクロロイソフ
タロニトリル(以下、2,4,5,6−TCIPNとい
う。)が適しており、その他、ニトリル系防かび剤とし
て5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニ
トリル、2−メトキシ−カルボニル−アミノベンズイミ
ダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾー
ル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホ
ニルピリジン、塩酸クロルヘキシジン、ジチオ−2,
2’−ビス(ベンズメチルアマイド)等が使用できる。
【0010】また、前記難水溶性防かび剤として、2,
4,5,6−TCIPNを使用した場合、難水溶性防か
び剤の含有量が、0.2重量%〜5.0重量%の範囲内
にあることが望ましい。含有量が、0.2重量%以下で
は有効性が無く、5.0重量%以上では凝集すると共
に、風合いが悪くなり、また、引張伸度も低下してしま
うからである。
【0011】また、前記難水溶性防かび剤として、2,
4,5,6−TCIPNを使用する場合は、水中分散性
を付与するために、アニオン系、非アニオン系、カチオ
ン系等の界面活性剤を加えて微粒子粉体状に粉砕し、こ
れをサスペンション(けん濁液)の状態としてPVAの
溶液に添加、撹拌混合することで、この難水溶性防かび
剤を立体的樹枝網目状連続組織の樹枝内部に均一に分散
固定することができる。このように、製造原液中に添加
される難水溶性防かび剤は、水中分散性に優れているこ
とが望ましい。
【0012】また、上述したように、難水溶性防かび剤
を立体的樹枝網目状連続組織の樹枝内部に固定した状態
で、さらに、水溶性防かび剤を立体的樹枝網目状連続組
織の樹枝表面に固定しておくと、水溶性防かび剤の滲み
出しによるハロー効果が大きくなり、使用段階で発生す
る2次汚染のみならず、製品出荷後使用前に発生する所
謂製造段階での1次汚染を効果的に防止することができ
る。
【0013】前記水溶性防かび剤としては、デヒドロ酢
酸ナトリウムが適しており、その他、5−クロロ−2−
メチル−4−イソチアゾリン−3−オン又は2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オン又は2n−オクチル−
4−イソチアゾリン−3−オン又は1,2−ベンゾイソ
チアゾリン−3−オンを主成分としているものや、塩化
ベンザルコニウム、チアベンダゾール、クロルヘキシジ
ングルコネート等が使用できる。なお、水溶性防かび剤
としてデヒドロ酢酸ナトリウムを使用する場合、デヒド
ロ酢酸ナトリウムはpHがアルカリに傾くと抗菌力が低
下することから、pH調整剤としてシュウ酸を用いる。
【0014】また、難水溶性防かび剤と水溶性防かび剤
とを併用する場合は、両者の含有比率が、難水溶性防か
び剤:水溶性防かび剤=8:2〜2:8(重量比)の範
囲内にあるものが、製造段階での1次汚染と使用段階で
の2次汚染の双方に対してバランスよく防かび効果が発
揮されるので望ましい。
【0015】さらに、単一の防かび剤を使用する場合
は、耐性菌が出現しやすく、また、防かび性があっても
抗菌性に劣るものや、抗菌性があっても防かび性に劣る
もの等があり、複数の防かび剤を併用することによって
こうした問題を解決することができるという利点もあ
る。
【0016】なお、ここにいう「ポリビニルアセター
ル」とは、ポリビニルアルコール(PVA)に硫酸等の
酸を触媒としてアルデヒド類を結合させる所謂アセター
ル化反応によって製造されるもの全般を意味し、PVA
にホルムアルデヒドを結合させたポリビニルホルマール
に限定されるものではない。
【0017】また、ここにいう「防かび剤」は、少なく
とも防かび性能を有しておればよく、防かび効果に比べ
て抗菌効果が優れている薬剤も含まれることはいうまで
もない。
【0018】さらに、本発明のポリビニルアセタール系
多孔質体に使用される防かび剤に求められる望ましい特
性としては、上述した耐酸性、耐熱性、水中分散性の
他、a)生体に対して安全性が高いこと、b)低毒性で
環境汚染につながらないこと、c)弾力性等の多孔質体
の品質特性に悪影響を与えないこと、d)自然界に存在
する多種多様の微生物に対して広く効果を有すること、
e)少量で効果のあること等が挙げられる。
【0019】本発明のポリビニルアセタール系多孔質体
は、具体的には、以下に示す方法によって製造される。
【0020】まず、ポリビニルアルコール(PVA)
水溶液中に、微粒子粉体状の難水溶性防かび剤を懸濁
液、乳化液又は分散液として混合する。次に、このP
VA水溶液中に、気孔形成剤としてのでんぷん又は水溶
性合成高分子を添加した後、加熱糊化し、冷却する。
次に、このPVA水溶液に、ホルムアルデヒドと硫酸等
の酸触媒を加えて撹拌混合し、pH=1.0〜2.0の
均一スラリー状原液とする。そして、これを、40〜
90℃の恒温室中で5〜24時間反応させ、ホルマール
化度40〜80mol%の縮合物を得る。この縮合物
を、水洗して余剰のホルムアルデヒド、硫酸、でんぷん
等を除去し、ほぼ中性のポリビニルアセタール系多孔質
体を得る。この状態では、多孔質体の立体的樹枝網目状
連続組織の樹枝内部に微粒子粉体状の難水溶性防かび剤
が均一に分散固定されている。
【0021】さらに、水溶性防かび剤を併用する場合
は、難水溶性防かび剤が立体的樹枝網目状連続組織の樹
枝内部に固定された多孔質体を、水溶性抗菌・防腐・防
かび剤の水溶液に浸漬した後、適当な手段により余剰の
液分を除去することで、多孔質体の立体的樹枝網目状連
続組織の樹枝表面に防かび剤を含浸、付着させる。な
お、その他の方法として、水溶性抗菌・防腐・防かび剤
の水溶液をスプレーにより吹き付けたり、ローラーによ
り塗布したりすることも可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0023】(参考例1〜3) ポリビニルアセタール系多孔質体の製造途中で、難水溶
性防かび剤である微粒子粉体状の2,4,5,6−TC
IPNを懸濁液として添加することで、多孔質体の立体
的樹枝網目状連続組織の樹枝内部に微粒子粉体状の2,
4,5,6−TCIPNを均一に分散固定したものであ
る。なお、2,4,5,6−TCIPNの含有量は、表
1に示すように、多孔質体の固形成分に対して参考例1
が0.2重量%、参考例2が2重量%、参考例3が4重
量%である。
【0024】(実施例参考 例1と同様の方法により、微粒子粉体状の2,4,
5,6−TCIPN(含有量0.2重量%)が立体的樹
枝網目状連続組織の樹枝内部に均一に分散固定されたポ
リビニルアセタール系多孔質体を製造した後、さらに、
多孔質体の立体的樹枝網目状連続組織の樹枝表面に水溶
性防かび剤として塩化ベンザルコニウムを含浸付着させ
たものである。なお、塩化ベンザルコニウムの含有量
は、表1に示すように、多孔質体の固形成分に対して
1.0重量%である。
【0025】(実施例) 実施例で使用した塩化ベンザルコニウムに代えて、5
−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
を、水溶性防かび剤として多孔質体の立体的樹枝網目状
連続組織の樹枝表面に含浸付着させたものである。な
お、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オンの含有量は、表1に示すように、多孔質体の固形
成分に対して0.3重量%である。
【0026】(実施例) 実施例で使用した塩化ベンザルコニウムに代えて、シ
ュウ酸でpH調整したデヒドロ酢酸ナトリウムを、水溶
性防かび剤として多孔質体の立体的樹枝網目状連続組織
の樹枝表面に含浸、付着させたものである。なお、デヒ
ドロ酢酸ナトリウムの含有量は、表1に示すように、多
孔質体の固形成分に対して0.3重量%である。
【0027】(比較例1) 難水溶性防かび剤及び水溶性防かび剤を全く含有してい
ない通常のポリビニルアセタール系多孔質体である。
【0028】(比較例2) 難水溶性防かび剤を使用せず、シュウ酸でpH調整した
デヒドロ酢酸ナトリウムを水溶性防かび剤として多孔質
体の立体的樹枝網目状連続組織の樹枝表面に含浸付着さ
せたものである。なお、デヒドロ酢酸ナトリウムの含有
量は、表1に示すように、多孔質体の固形成分に対して
0.3重量%である。
【0029】(比較例3) 比較例2と同様に難水溶性防かび剤を使用せず、5−ク
ロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを水
溶性防かび剤として多孔質体の立体的樹枝網目状連続組
織の樹枝表面に含浸付着させたものである。なお、5−
クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの
含有量は、表1に示すように、多孔質体の固形成分に対
して1.0重量%である。
【0030】
【表1】
【0031】以上の参考例1〜3、実施例1〜及び比
較例1〜3のそれぞれについて、かび抵抗性試験及び抗
菌性試験を行い、1週間経過後の結果を表2に、4週間
経過後の結果を表3に示した。なお、試験方法及び使用
したかび(糸状菌)、細菌は以下の通りである。
【0032】(かび抵抗性試験) 試験方法としては、JIS Z−2911(かび抵抗性
試験方法)を採用し、Aspergillus niger FERM S-1(供
試かび)及びPenicillium T-1 FERM S-5(供試かび
)の2種類のかびを試験用のかびとして用いた。な
お、表2及び表3における判定指標3(試料上にかびの
発育無し)の右側の数値は、防かび剤のハロー効果によ
る試料周辺部分への防かび効果を示しており、例えば、
「3−10」とあれば、試料の外側10mm以内にかび
が発生しなかったことを示している。
【0033】(抗菌性試験) 試験方法としては、JIS L−1902(繊維製品の
抗菌性試験方法)を採用し、 Escherichia coli IFO330
1(大腸菌)及びStaphyrococcus aureusATCC6338P(ブ
ドウ球菌)の2種類の細菌を試験用の細菌として用い
た。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】表2に示す1週間経過後の結果を見ると、
防かび剤を全く含有していない比較例1及び水溶性防か
び剤(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン)のみを使用した比較例3を除いて、試料上に
かびの発生が無く、細菌類に対しても抗菌効果が持続し
ていることがわかる。
【0037】また、難水溶性防かび剤(2,4,5,6
−TCIPN)のみを使用した参考例1〜3は、試料上
にかびは発生しなかったが、試料周辺部にはかびが発生
しているのに対し、難水溶性防かび剤と水溶性防かび剤
とを併用した実施例1〜3のものは、試料上のみなら
ず、試料周辺部においてもかびが発生しておらず、水溶
性防かび剤の滲み出しによるハロー効果が顕著に表れて
いる。
【0038】また、水溶性防かび剤(デヒドロ酢酸ナト
リウム)のみを使用した比較例2は、試料上及びその周
辺部分にもかびが発生しておらず、使用したデヒドロ酢
酸ナトリウムの防かび効果が高いことがわかる。
【0039】これに対して、表3に示す4週間経過後の
結果を見ると、難水溶性防かび剤を使用していない比較
例1〜3については、全て試料上にかびが発生している
と共に抗菌効果も消失しているが、難水溶性防かび剤を
使用した参考例1〜3及び実施例1〜については、
例1について若干のかびの発生はあるものの概ねかび
が発生しておらず、防かび効果が4週間経過後も持続し
ていることがわかる。ただ、難水溶性防かび剤のみを使
用した参考例1〜3については、大腸菌に対する抗菌効
果が消失しているが、難水溶性防かび剤と水溶性防かび
剤とを併用した実施例1〜3については、抗菌効果も持
続していることがわかる。
【0040】従来の水溶性防かび剤のみを使用したポリ
ビニルアセタール系多孔質体であって、実際に使用、水
洗したものでは、使用、水洗の際に多孔質体に付着して
いた水溶性防かび剤がほとんど流出してしまうため、比
較例1と同様に防かび剤を全く含有しない状態となり、
表2の比較例1に示すように、1週間経過する間に試料
上にかびが発生すると共に抗菌効果も消失すると考えら
れる。
【0041】一方、難水溶性防かび剤を多孔質体の立体
的樹枝網目状連続組織の樹枝内部に固定した本発明品で
は、使用、水洗によって難水溶性防かび剤が簡単に流出
してしまうことがないので、表3の実施例1〜3に示す
ように、4週間経過した後も防かび効果が持続している
と考えられる。
【0042】ただ、上述したように、難水溶性防かび剤
を単独使用したもの(参考例1〜3)では、ハロー効果
が少なく、しかも、4週間経過する間に大腸菌に対する
抗菌効果が消失するので、難水溶性防かび剤と水溶性防
かび剤とを併用することが望ましい。特に、難水溶性防
かび剤である2,4,5,6−TCIPNと、水溶性防
かび剤であるデヒドロ酢酸ナトリウムとを併用したもの
(実施例)が防かび性能に優れていることが、表2、
表3から伺える。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明のポリビニルア
セタール系多孔質体は、立体的樹枝網目状連続組織の樹
枝内部に難水溶性防かび剤を固定しているので、使用及
び使用後の水洗によって防かび剤が流出しにくく、防か
び効果が長期間に渡って持続する。このため、使用段階
における二次汚染を効果的に防止することができる。
【0044】 また、難水溶性防かび剤として耐酸性、耐
熱性を備えたものを使用すると、多孔質体の製造途中で
PVAの製造原液中に防かび剤を添加した際にも、酸触
媒や反応温度の影響によって防かび剤が分解しにくく、
防かび剤が本来持っている防かび性能をそのまま多孔質
体に付与することができる。
【0045】 また、難水溶性防かび剤を、微粒子粉体状
態で立体的樹枝網目状連続組織の樹枝内部に均一に分散
固定したものにあっては、防かび効果が多孔質体全体に
渡って均一に現れるので、部分的に微生物に汚染される
といったことがない。
【0046】 さらに、水溶性防かび剤を樹枝表面に固定
しておくと、水溶性防かび剤の滲み出しによるハロー効
果が大きくなり、使用段階で発生する2次汚染のみなら
ず、製造段階での1次汚染を効果的に防止することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08L 29:14 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42 A01N 25/10 A01N 37/06 A01N 37/34

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアセタールによって形成され
    た立体的樹枝網目状連続組織の樹枝内部に難水溶性防か
    び剤を固定し、前記樹枝表面に水溶性防かび剤を固定し
    てなるポリビニルアセタール系多孔質体。
  2. 【請求項2】 前記難水溶性防かび剤が、耐酸性及び耐
    熱性を有している請求項1記載のポリビニルアセタール
    系多孔質体。
  3. 【請求項3】 前記難水溶性防かび剤が、微粒子粉体状
    態で前記立体的樹枝網目状連続組織の樹枝内部に均一に
    分散固定されている請求項1又は2に記載のポリビニル
    アセタール系多孔質体。
  4. 【請求項4】 前記難水溶性防かび剤として、2,4,
    5,6−テトラクロロイソフタロニトリルを用いた請求
    項1、2又は3に記載のポリビニルアセタール系多孔質
    体。
  5. 【請求項5】 前記難水溶性防かび剤の含有量が、0.
    2重量%〜5.0重量%である請求項4に記載のポリビ
    ニルアセタール系多孔質体。
  6. 【請求項6】 前記水溶性防かび剤が、デヒドロ酢酸ナ
    トリウムである請求項1乃至5に記載のいずれかのポリ
    ビニルアセタール系多孔質体。
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