JP3140427B2 - 橋梁の制振装置 - Google Patents

橋梁の制振装置

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JP3140427B2
JP3140427B2 JP2701599A JP2701599A JP3140427B2 JP 3140427 B2 JP3140427 B2 JP 3140427B2 JP 2701599 A JP2701599 A JP 2701599A JP 2701599 A JP2701599 A JP 2701599A JP 3140427 B2 JP3140427 B2 JP 3140427B2
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英博 五郎丸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁の制振装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、橋長が40m程度までの中小支
間の橋梁は、大型車両等の通過によって振動が励起され
やすい。その場合の振動のタイプは二種類に大別され
る。
【0003】一つは、大型車両が橋梁の伸縮継手部を通
過する際の衝撃によって生じる周波数帯域が50Hz程
度までの振動であり、もう一つは、大型車両が橋梁支間
を通過する際に生じる周波数帯域が10Hz程度までの
振動である。
【0004】このような振動が励起されると、それに伴
って同帯域の低周波空気振動が発生する。この低周波空
気振動は可聴域に属さないため、直接「うるさい」と感
じることは少ないが、そのレベルが65dBを越えるあ
たりから、建具のがたつきや、いらいらする等の物理
的、心理的、生理的影響を与えることが指摘されてい
る。このような問題を解消するために、橋梁に適する制
振装置の研究が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で使用されてきた制振装置の多くは、比較的機構が複雑
であったり、大掛かりなものであったが、あまり有効な
効果が得られない場合もあった。
【0006】そこで、本発明は、上記事情を考慮し、比
較的簡易な構造で、かつ有効な制振効果が得られる橋梁
の制振装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のうち、請求項1
記載の橋梁の制振装置は、橋梁の桁や床版の裏面に設け
られる軟質ウレタンフォームと、この軟質ウレタンフォ
ームに設けられた鋼板とからなることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の橋梁の制振装置は、橋梁支
間である床版や桁の中間部の裏面に軟質ウレタンフォー
ムを設け、この軟質ウレタンフォームに鋼板を設け、伸
縮継手部のある床版や桁の長手方向両端部付近の裏面に
粘弾性材のみを設けるか、または、粘弾性材を設け、こ
の粘弾性材に鋼板を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の
形態である橋梁の制振装置を示す図で、(a)は床版を
下側から見上げた図、(b)は(a)図のIb−Ib矢
視断面図、(c)は複合型制振装置の基本モデル図であ
る。
【0010】図1の(a)、(b)において、1は例え
ば道路橋、歩道橋等の橋梁で、この橋梁1は、主桁2
と、この主桁2上に設けられた床版3とから主に構成さ
れている。主桁2の長手方向両端部は、図示しない橋脚
に支持されている。床版3は、コンクリート製である
が、金属製であってもよい。床版3の上面には、コンク
リート舗装またはアスファルト舗装が施される。
【0011】前記床版3の裏面(下面)には、軟質ウレ
タンフォーム等の弾性材4と拘束質量体5からなる橋梁
の制振装置(以下、複合型制振装置という。)6が設け
られている。この複合型制振装置6は、図1の(c)に
概略的に示すように、床版3の下部(裏面)に設けられ
るバネ(弾性材)4と、このバネ(弾性材)4に設けら
れた質量体(拘束質量体)5とから構成されており、い
わゆるバネ−マス系からなっている。
【0012】弾性材4としては、例えば軟質ウレタンフ
ォームがあり、拘束質量体5としては、例えば鋼板があ
る。複合型制振装置6は、弾性材としての板状軟質ウレ
タンフォーム4の一方の面に拘束質量体としての鋼板5
を接着剤等で取付ける(貼り付ける)ことにより構成さ
れる。そして、前記軟質ウレタンフォーム4の他方の面
を床版3の裏面に接着剤等で取付けることにより、複合
型制振装置6が床版3の裏面に取付けられる。複合型制
振装置6は、脱落を防止するために、床版3に対してボ
ルト等の支持具で止めることが好ましい。
【0013】この複合型制振装置6は、制振対象周波数
を橋梁の曲げ1次固有振動数とするもので、この振動数
で共振する(打ち消し合う)ように、軟質ウレタンフォ
ーム等の弾性材4の使用量や拘束質量体である鋼板5の
使用量が調節されており、それにより受動的な制振機能
を発揮するようになっている。複合型制振装置6の大き
さは取り扱い易いサイズであればよく、例えば、長さは
適宜に設定され、幅は床版3の裏面における主桁2の上
フランジ間の寸法に設定されている。なお、弾性材4
は、鋼板5の全面にわたって介在する大きさに設定され
ていなくてもよく、図2(a)、(b)に示すように、
拘束質量体5の両端に必要量を配置するだけでもよい。
【0014】このように構成された橋梁の複合型制振装
置6によれば、橋梁1の床版3の裏面に設けられる軟質
ウレタンフォーム等の弾性材4と、この弾性材4に設け
られた拘束質量体5とからなっているため、特に大型車
両が橋梁支間を通過した場合に発生する橋梁の曲げ1次
固有振動を効果的に低減することができる。
【0015】図3は本発明の第2の実施の形態である橋
梁を示す横断面図である。本実施の形態の橋梁の制振装
置(以下、拘束型制振装置という。)8は、床版3の裏
面に設けられる振動減衰材7のみからなっている。な
お、制振効果を更に上げるために、図4に示すように、
前記振動減衰材7の下面に拘束質量体9を設けてもよ
い。すなわち、拘束型制振装置8は、拘束質量体9を有
しないもの(無拘束形式)と、拘束質量体9を有するも
の(拘束形式)に大別される。
【0016】前記振動減衰材7としては、粘弾性材であ
る例えば樹脂系、ゴム系、アスファルト系等の種々のも
のが適用可能である。拘束質量体9としては、例えば鋼
板が適用される。無拘束形式の拘束型制振装置8を取付
ける場合は、床版3の裏面に振動減衰材7を接着剤等で
取付ければよい。拘束形式の拘束型制振装置8を取付け
る場合は、振動減衰材7の一方の面(下面)に拘束質量
体としての例えば鋼板9を接着剤等で取付けたものを振
動減衰材7を上にして床版3の裏面に接着剤等で取付け
ればよい。拘束型制振装置8は、脱落を防止するため
に、床版3に対してボルト等の支持治具で止めることが
好ましい。
【0017】拘束型制振装置8は、床版3の振動に伴う
振動減衰材7の曲げ変形(伸び縮み)でエネルギを減衰
させるものであり、振動減衰材7の下面に更に拘束質量
体としての例えば鋼板9を設けたものの場合は、振動減
衰材7よりなる減衰層の伸び縮みに加えて更にずり変形
も生じるようになるため、両者の複合作用で一層大きな
減衰効果を発揮することになる。
【0018】図5は床版3の下面に振動減衰材7のみを
張り付けた場合、図6はその振動減衰材7の下面に更に
拘束質量体としての鋼板9を張り付けた場合の振動変形
モデルを示している。床版3が振動した場合、床版3
は、厚さの中心線(一点鎖線)の位置を中心にして上下
で伸び縮みを生じる。従って、床版3の下面に張り付け
てある振動減衰材7も伸び縮みすることになり、その変
形作用に伴って減衰効果を発揮する。図6の場合は、振
動減衰材7の下面が拘束質量体である鋼板9で拘束され
ることにより、振動減衰材7にずり変形が生じるので、
一層の減衰効果を発揮する。このような拘束型制振装置
8の場合は、橋梁1の伸縮継手部を車両が通過する際に
生じる衝撃的な振動の減衰に効果を発揮するように構成
されている。
【0019】本実施の形態である橋梁の拘束型制振装置
8によれば、橋梁1の床版3の裏面に設けられる振動減
衰材7のみ、または振動減衰材7と、この振動減衰材7
に設けられた拘束質量体9とからなっているため、比較
的簡易な構造でありながら、例えば橋梁の伸縮継手部を
車両が通過したときに発生する衝撃的な振動を効果的に
低減することができる。
【0020】図7は本発明の第1の実施の形態である複
合型制振装置を取付けた場合の橋梁と従来の橋梁の卓越
周波数の違いを示す図である。図8は本発明の第2の実
施の形態である拘束型制振装置を取付けた場合の橋梁と
従来の橋梁の減衰の違いを示す図である。これらの図か
ら分かるように、本発明のような制振装置を取付けるこ
とにより、振動の強さ(振動エネルギ)が大きく低減さ
れる。
【0021】また、図9は本発明の第1の実施の形態で
ある複合型制振装置を取付けた場合の橋梁と従来の橋梁
の床版振動の大きさの違いを示す図である。図10は本
発明の第1の実施の形態である複合型制振装置を取付け
た場合の橋梁と従来の橋梁の床版振動の1/3オクター
ブバンド解析の結果を示す図である。これらの図から
も、本発明のような制振装置を取付けることにより、制
振効果が得られる。
【0022】図11は本発明の第3の実施の形態である
複合型制振装置および拘束型制振装置を取付けた橋梁を
概略的に示す図である。本実施の形態の橋梁1において
は、床版3の裏面に、軟質ウレタンフォーム等の弾性材
4と拘束質量体5からなる複合型制振装置6と、振動減
衰材7のみまたは振動減衰材7と拘束質量体9からなる
拘束型制振装置8とが設けられている。この場合、複合
型制振装置6は、橋梁支間である床版3の中間部に設け
られ、拘束型制振装置8は、伸縮継手部のある床版3の
長手方向両端部付近に設けられることが好ましい。
【0023】本実施の形態の橋梁1によれば、床版3の
裏面に、軟質ウレタンフォーム等の弾性材4と拘束質量
体5からなる複合型制振装置6と、振動減衰材7のみま
たは振動減衰材7と拘束質量体9からなる拘束型制振装
置8とが設けられているため、比較的簡易な構造であり
ながら、例えば橋梁支間を大型車両が通過したときに発
生する橋梁1の曲げ1次固有振動、および、橋梁1の伸
縮継手部を車両が通過したときに発生する衝撃的な振動
を低減することができ、橋梁の全域での有効な制振効果
が得られ、これに伴い、振動と同帯域の低周波音につい
ても低減が図れる。
【0024】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の
設計変更等が可能である。本発明は、道路橋や歩道橋以
外に、例えば鉄道橋等にも適用可能である。また、本発
明は、新設の橋梁以外に、既設の橋梁にも適用可能であ
る。前記実施の形態では、制振装置を橋梁の床版に取付
けた例が示されているが、本発明の制振装置は、橋梁の
桁(主桁)に取付けてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な効果を奏することができる。
【0026】(1)請求項1記載の橋梁の制振装置によ
れば、橋梁の桁や床版の裏面に設けられる軟質ウレタン
フォームと、この軟質ウレタンフォームに設けられた鋼
板とからなるため、比較的簡易な構造でありながら、例
えば橋梁支間を大型車両が通過したときに発生する振動
を低減することができ、有効な制振効果が得られ、これ
に伴い、振動と同帯域の低周波音についても低減が図れ
る。
【0027】(2)請求項2記載の橋梁の制振装置によ
れば、橋梁支間である床版や桁の中間部の裏面に軟質ウ
レタンフォームを設け、この軟質ウレタンフォームに鋼
板を設け、伸縮継手部のある床版や桁の長手方向両端部
付近の裏面に粘弾性材のみを設けるか、または、粘弾性
材を設け、この粘弾性材に鋼板を設けたため、橋梁支間
を大型車両が通過したときに発生する振動、および、
梁の伸縮継手部を車両が通過したときに発生する衝撃的
な振動を低減することができ、橋梁の全域での有効な制
振効果が得られ
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である橋梁を示す図
で、(a)は床版を下側から見上げた図、(b)は
(a)図のIb−Ib矢視断面図、(c)は複合型制振
装置の基本モデル図である。
【図2】複合型制振装置の他の例を示す図で、(a)は
側面図、(b)は底面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である橋梁を示す横
断面図である。
【図4】他の拘束型制振装置を備えた橋梁を示す横断面
図である。
【図5】図3の変形モデル図である。
【図6】図4の変形モデル図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態である複合型制振装
置を取付けた場合の橋梁と従来の橋梁の卓越周波数の違
いを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態である拘束型制振装
置を取付けた場合の橋梁と従来の橋梁の減衰の違いを示
す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態である複合型制振装
置を取付けた場合の橋梁と従来の橋梁の床版振動の大き
さの違いを示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態である複合型制振
装置を取付けた場合の橋梁と従来の橋梁の床版振動の1
/3オクターブバンド解析の結果を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態を概略的に示す図
である。
【符号の説明】
1 橋梁 2 主桁 3 床版 4 弾性材 5 拘束質量体 6 複合型制振装置 7 振動減衰材 8 拘束型制振装置 9 拘束質量体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁の桁や床版の裏面に設けられる軟質
    ウレタンフォームと、この軟質ウレタンフォームに設け
    られた鋼板とからなることを特徴とする橋梁の制振装
    置。
  2. 【請求項2】 橋梁支間である床版や桁の中間部の裏面
    に軟質ウレタンフォームを設け、この軟質ウレタンフォ
    ームに鋼板を設け、伸縮継手部のある床版や桁の長手方
    向両端部付近の裏面に粘弾性材のみを設けるか、また
    は、粘弾性材を設け、この粘弾性材に鋼板を設けたこと
    を特徴とする橋梁の制振装置。
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