以下に本考案の押圧転写加工用版、及び、被加工物の表面に凹凸形状で転写形成された画像形成体について、図面を示しながら説明する。図面において、構成要素の形状・大きさ・寸法等は正確に示すものではなく形状、構成等の特徴を説明するための概略を示すものである。
図16は本考案の押圧転写加工用版を使用した押圧転写加工装置の一実施例の概略構成図であり、特に転写箔材料を使用する場合の概略構成図を示す。図16の押圧転写加工装置は原理的な機構を示すものであり、支持部材9の上に置かれた被加工物10に対し、ロール状に巻かれた転写箔材料11から一対の送受ロール12で繰り出されるベースフィルム層付転写箔材料11を間に挟んで、所望の文字・模様・文様・図柄・絵柄等の複数種類の画像を刻設した押圧転写加工用版1を固定した熱盤7で支持して配置し、プレス8により上下方向に押圧・離反させてベースフィルム層付転写箔材料11を被加工物10に転写形成するように構成されている。転写形成加工された残りのベースフィルム層付転写箔材料11は他方の送受ロール12で巻き取られる。プレス8と熱盤7は基盤を構成し、これら基盤が上下動する。この場合、熱盤7を加熱しない構成、または、熱盤7を使用しないでプレス8に押圧転写加工用版1を直接に固定した構成、または、熱盤7に基板(図示しない)を固定してその基板の表面に押圧転写加工用版1を固定した構成も可能である。また、転写箔材料11を使用することなく、押圧転写加工用版1を直接に被加工物10に型押し押圧転写加工する方法も可能である。また、複数個の押圧転写加工用版1を押圧転写加工装置に固定して押圧転写加工することも可能である。本実施例において、押圧転写加工用版1としては平板状の押圧転写加工用版1が使用される。
図1は本考案の一実施例の押圧転写加工用版1を説明するための概略模式図であり、(A)は押圧転写加工用版1の平面図を示す。図1において、複数種類の画像は、微細凹凸形状で刻設されて格子状に区切られて規則性を持って配列された複数種類の凹凸パターンセルの組み合わせによって表現されている。格子状に区切られて規則性を持って配列された複数種類の凹凸パターンセルの組み合わせによって表現される微細凹凸形状が押圧転写加工用版1の表面に刻設されている。本実施例では、微細凹凸形状で刻設されて互いに直交する縦線と横線により格子状に区切られた略正方形の凹凸パターンセルが、縦方向および横方向に規則性を持って配列されている。それらの凹凸パターンセルの組み合わせは複数種類の画像4と前記複数種類の画像を含まない背景領域5とを表現する。縦方向または横方向のいずれかひとつを基準線としたとき、前記複数種類のセルは少なくとも、前記基準線に対して鋭角の2本以上の平行複数線の凹凸形状で刻設された鋭角線凹凸パターンセル2と前記基準線に対して鈍角の2本以上の平行複数線の凹凸形状で刻設された鈍角線凹凸パターンセル3とを含む互いに異なる角度の2本以上の平行複数線の凹凸形状で刻設された複数種類の凹凸パターンセルより構成されている。そして、前記複数種類の画像4のそれぞれの画像は、前記鋭角線凹凸パターンセル2と前記鈍角線凹凸パターンセル3のうちの少なくともひとつの凹凸パターンセルを含む凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。さらに、前記複数種類の画像4のうちの画像が重なる重なり画像領域がある場合には、その重なっている画像の領域はその重なっているそれぞれの画像を形成する凹凸パターンセルのうちの少なくとも1種類ずつの凹凸パターンセルの組み合わせから形成されている。上記構成において特に望ましくは、前記複数種類の画像4のそれぞれの画像は少なくとも前記鋭角線凹凸パターンセル2と前記鈍角線凹凸パターンセル3とを含む前記複数種類の凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。
図1において、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)(G)、(H)、(I)、(J)および(K)はそれぞれの凹凸パターンセルの拡大図であり、複数種類の凹凸パターンセルは互いに異なる傾斜角度の平行複数線を有し、たとえば、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)に示されるような鋭角線凹凸パターンセル2と、(G)、(H)、(I)、(J)および(K)に示されるような鈍角線凹凸パターンセル3とから構成される。例えば、それぞれの凹凸パターンセルは3本の平行複数線を構成し、それぞれの平行線の角度は、横方向の横線を基準線とした場合、(B)は15度の鋭角であり、(C)は30度の鋭角であり、(D)は45度の鋭角であり、(E)は60度の鋭角であり、(F)は75度の鋭角であり、(G)は105度の鈍角であり、(H)は120度の鈍角であり、(I)は135度の鈍角であり、(J)は150度の鈍角であり、(K)は165度の鈍角である。これらの縦線、横線、鋭角線、鈍角線を表す黒線領域が、凸状態に刻設され、その他の領域が凹状態に刻設されている。なお、上記構成に限定されることなく、縦線と横線が形成されなく各凹凸パターンセルが鋭角線または鈍角線により形成された構成も可能である。また、鋭角線または鈍角線の平行複数線の数が2本または4本以上の平行複数線により形成された構成も可能である。また、縦線、横線、鋭角線、鈍角線を表す黒線領域が凹状態で刻設され、その他の領域が凸状態で刻設された構成も可能である。また、鋭角線または鈍角線の平行複数線の傾斜角度が前述の傾斜角度に限定されることなく、他の所望の角度で構成された構成も可能である。また、基準線として、縦線を基準線とした構成も可能である。また、図15は本考案の押圧転写加工用版1の表面に刻設され格子状に区切られて規則性を持って配列された複数種類の凹凸パターンセルの他の実施例の形状を示す平面の拡大模式図である。上記実施例では、格子状に区切られて規則性を持って配列された複数種類の凹凸パターンセルの形状は、互いに直交する縦線と横線により格子状に区切られた略正方形を有するが、この形状に限定されることなく、図15の(A)に示されるような菱形正四角形の凹凸パターンセル、(B)に示されるような長方形の凹凸パターンセル、(C)に示されるような平行四辺形の凹凸パターンセル、などの規則性を持って配列した格子状に区切られた凹凸パターンセルに区切られて、このような四角形の凹凸パターンセルの中に、所定の傾斜角度の平行複数線が凹凸形状で刻設されたような構成も可能である。
複数種類の画像4としては、図柄、絵、文字、記号、紋様、写真画像など任意の画像が適用される。また、本実施例においては、複数種類の画像4としては第1画像4aと第2画像4bと第3画像4cとが形成されている。これらの複数種類の画像4と背景領域5は複数種類のセルの組み合わせによって表現されて構成されている。すなわち、それぞれの第1画像4a,第2画像4b,第3画像4cは、鋭角線凹凸パターンセル2と鈍角線凹凸パターンセル3のうちの少なくとも1つの凹凸パターンセルを含む凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。または、少なくとも鋭角線凹凸パターンセル2と鈍角線凹凸パターンセル3とを含む複数種類の凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。また、背景領域5は、少なくとも鋭角線凹凸パターンセル2と鈍角線凹凸パターンセル3とを含む複数種類の凹凸パターンセルの組み合わせ、または、鋭角線凹凸パターンセル2と鈍角線凹凸パターンセル3のいずれか1つの凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。第1画像4aと第2画像4bが重なっている重なり画像領域は第1画像4aを形成する少なくとも1種類の凹凸パターンセルと第2画像4bを形成する少なくとも1種類の凹凸パターンセルとを含む凹凸パターンセルの組み合わせにより形成され、第2画像4bと第3画像4cが重なっている重なり画像領域は第2画像4bを形成する少なくとも1種類の凹凸パターンセルと第3画像4cを形成する少なくとも1種類の凹凸パターンセルとを含む凹凸パターンセルの組み合わせにより形成され、第1画像4aと第3画像4cが重なっている重なり画像領域は第1画像4aを形成する少なくとも1種類の凹凸パターンセルと第3画像4cを形成する少なくとも1種類の凹凸パターンセルとを含む凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。第1画像4aと第2画像4bと第3画像4cが重なっている重なり画像領域は第1画像4aを形成する少なくとも1種類の凹凸パターンセルと第2画像4bを形成する少なくとも1種類の凹凸パターンセルと第3画像4cを形成する少なくとも1種類の凹凸パターンセルとを含む凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。なお、上記構成に限定されることなく、背景領域5が凹凸パターンセルより構成されることなく、凹凸のない平坦形状である構成も可能である。また、複数種類の画像4が2種類の画像または4種類以上の画像である構成も可能である。また、複数種類の画像4が重ならないような構成、または、複数種類の画像4のうちの任意の数の画像が重なっているような構成なども可能である。また、さらなる所望画像6が形成され、そのさらなる所望画像6が凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されることなく、多重直線群、多重曲線群、多重折線群、微細円群、微細多角形群などの微細凹凸形状群、または、凸状平面形状、凹状平面形状により刻設形成されている構成も可能である。
押圧転写加工用版1の形状は任意に設定でき、例えば、平板形状の押圧転写加工用版1の平面図において、対角長さが10mmから500mmまでの範囲の長方形または正方形の押圧転写加工用版1が使用できる。格子状に区切られた多数個のセルは略正方形を有し、そのそれぞれの正方形セルの大きさは任意に設定でき、例えば、対角長さが100mmの長方形の押圧転写加工用版1の場合には、それぞれの正方形セルの一辺の長さは約0.1mmから約2mmまでの範囲が望ましい。それぞれの凹凸パターンセルの凹凸形状で刻設された平行複数線のピッチ間隔は0.02mmから1mmまでの範囲が望ましい。それぞれの凹凸パターンセルの凹凸形状で刻設された平行複数線の凹部と凸部との高低差は0.005mmから0.1mmまでの範囲が望ましい。各平行線の線幅は、線の部分が凸部で形成される場合には平行複数線のピッチ間隔の約1/2または1/2よりも細くし、線の部分が凹部で形成される場合には平行複数線のピッチ間隔の約1/2または1/2よりも太くすることが望ましい。これらの形状、寸法などは上記に限定されることなく使用目的に対応して任意に設定できる。
次に、押圧転写加工用版1の製造方法の一例について説明する。押圧転写加工用版1は、腐蝕エッチング加工方法によって作製される。すなわち、(a)露光用のマスクとなる原版フィルムの作製であり、それぞれの格子状セルのパターンに対応して、押圧転写加工用版1の凸部となる部分が透明で凹部となる部分が遮光されるパターンの原版フィルムを作製する。(b)腐蝕エッチングする金属原板に光硬化性の感光性レジストを塗布する。(c)前記の作製した原版フィルムを感光性レジスト塗布済み金属原板に密着した状態で露光する。(d)現像装置を用いて、露光により部分的に硬化されたレジストの非硬化部を溶解除去することにより現像して、金属原板にレジストにより形成された格子状セルのパターンを生成する。(e)レジストにより形成された格子状セルのパターンを有する金属原板を腐蝕エッチング装置を用いて腐食エッチングし、レジストにより覆われた部分を除く領域を凹状にエッチングする。(f)マスクとして利用した残存レジスト膜を剥離する。このようにして、腐食エッチング工程により、凹凸形状で複数個の凹凸パターンセルを刻設した押圧転写加工用版1が得られる。(g)必要に応じて、押圧転写しない金属板の部分だけをエッチングまたは機械加工する。さらに、精密な機械加工を行う。このような一連の工程により押圧転写加工用版1が製造される。なお、上記では、光照射により硬化する光硬化性レジストを使用したが、光照射により分子的架橋崩壊する光分解性レジストを使用する腐蝕エッチング加工方法も適用でき、この場合、押圧転写加工用版1に刻設された凹凸パターンセルの凹凸形状の凹部と凸部とが逆になるため、原版フィルムの作製時において、パターン形状を逆にする必要がある。このような腐蝕エッチング加工方法によって作製される金属原板としては、銅、鉄、真鍮、等の金属または合金を使用することができる。また、レーザーによる刻設、電離線による刻設、高周波ウェルダー加工による刻設などの刻設方法によっても凹凸パターンを形成できる。この場合には、原板としては金属に限定されることなく、プラスチック、ゴム、その他の原板を使用でき、プラスチック製、ゴム製などの押圧転写加工用版1が得られる。
上記の説明において、平板形状の略平面の表面形状を有する押圧転写加工用版1について説明したが、本考案は、これに限定されることなく、押圧転写加工用版1として円柱状や円筒形状のロール状のロールを使用し、そのロールの表面に格子状に区切られた多数個のセルの組み合わせによって表現される微細凹凸形状が表面に刻設されている押圧転写加工用版1も使用できる。または、なめらかに曲げることができるフレキシブル薄板の表面に格子状に区切られた多数個のセルの組み合わせによって表現される微細凹凸形状が表面に刻設されているフレキシブル原版も使用でき、そのフレキシブル原板をロールの表面に巻きつけて固定して構成した押圧転写加工用版1も使用できる。この固定方法としては、例えば、磁力を利用した固定、ボルトなどの固定治具を使用した固定または接着剤を利用した固定などが使用できる。このようなロール形状の押圧転写加工用版を使用した実施例について説明する。図17は本考案の押圧転写加工用版を使用した押圧転写加工装置の一実施例の概略構成図である。図17の押圧転写加工装置は原理的な機構を示すものであり、ロール状の押圧転写加工用版1aと支持部材としてのアンビルロール9aとが対を成して対向し、所定方向に回転している。その押圧転写加工用版1aとアンビルロール9aとの間に被加工物10aと転写箔材料11aが位置する状態で、被加工物10aと転写箔材料11aが繰り出される。本実施例においては、ロールの円周表面が上記に説明した平板形状の表面に相当し、ロールの円周表面に格子状に区切られた多数個のセルの組み合わせによって表現される微細凹凸形状が表面に刻設されている。すなわち、そのロールの表面の展開図が上記説明した押圧転写加工用版に相当する。ロール状の押圧転写加工用版1aとアンビルロール9aとが被加工物10aと転写箔材料11aの速度と同期してこれらを送る方向に回転しながら、それらの間に位置する被加工物10aと転写箔材料11aとを押圧する。これにより、被加工物10aの表面に凹凸パターンの転写画像が転写形成される。転写されなかった残りの転写箔材料11aは他方の方向に運び去られる。
また、本考案において、図18に示すような押圧転写加工装置の使用も可能である。図18において、ロール状の押圧転写加工用版1bと平面形状の支持部材9bとが対向し、ロール状の押圧転写加工用版1bが所定方向に回転し、そのロール状の押圧転写加工用版1bの回転と同期して、その押圧転写加工用版1bと支持部材9bとの間に被加工物10bと転写箔材料11bが位置する状態で、被加工物10bと転写箔材料11bが繰り出される。その他の構成および作用は、前述の図16、図17に関する説明と同じである。
転写箔材料を使用しない型押し押圧転写加工装置を使用することも可能である。すなわち、図16の平板状押圧転写加工装置において、支持部材9の上に置かれた被加工物10に対し、所望の文字・模様・文様・図柄・絵柄等の複数種類の画像を刻設した押圧転写加工用版1を固定した熱盤7で支持して配置し、プレス8により上下方向に押圧・離反させて、押圧転写加工用版1に刻設された複数種類の画像を、直接に、被加工物10の表面に直接に転写することも可能である。図17のロール状押圧転写加工装置において、ロール状押圧転写加工用版1aとアンビルロール9aとの間に被加工物10を位置し、押圧転写加工用版1に刻設された複数種類の画像を、直接に、被加工物10の表面に直接に転写することも可能である。この場合、被加工物10は、押圧または押圧・加熱により変形可能な材質である場合に適用でき、例えば、紙類、ダンボール紙、プラスチック成形物、プラスチックフィルム、ゴム類、フェルト類、布類、または、これらを積層した複合材などの被加工物10が適用できる。
このような押圧転写加工用版1を図16に示される押圧転写加工装置に装着、または、ロール状押圧転写加工用版1aを図17に示される押圧転写加工装置に装着して、転写箔材料11を使用して、被加工物10に箔押し押圧転写加工を行い、箔押し転写形成された画像形成体100の模式図が図2に示される。図2において、画像形成体100は、複数種類の転写画像40と複数種類の転写画像を含まない転写背景領域50とを表現し、少なくとも、複数種類の転写画像40を格子状に区切られ、規則性をもって配列された複数種類の転写凹凸パターンセルの組み合わせによって表現する微細凹凸形状が表面に形成されている。本実施例では、複数種類の転写画像40は縦線と横線により格子状に区切られ、縦方向および横方向に規則性をもって配列された複数種類の転写凹凸パターンセルの組み合わせによって微細凹凸形状が表面に形成されている。縦方向または横方向のいずれかひとつを基準線としたとき、前記複数種類の転写凹凸パターンセルは、少なくとも、前記基準線に対して2本以上の平行複数線の凹凸形状で形成された転写鋭角線凹凸パターンセル20と前記基準線に対して2本以上の平行複数線の凹凸形状で形成された転写鈍角線凹凸パターンセル30とを含む互いに異なる角度の2本以上の平行複数線の凹凸形状で形成された転写複数種類の凹凸パターンセルより成る。前記複数種類の転写画像40のそれぞれの転写画像は少なくとも前記転写鋭角線凹凸パターンセル20と前記転写鈍角線凹凸パターンセル30のうちの少なくともひとつの転写凹凸パターンセルを含む転写凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。または、複数種類の転写画像40のそれぞれの画像は少なくとも転写鋭角線凹凸パターンセル20と転写鈍角線凹凸パターンセル30とを含む前記転写複数種類の凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。数種類の転写画像40のうちの画像が重なっている転写重なり画像領域がある場合には、その重なっている画像の領域はその重なっているそれぞれの画像を形成する転写凹凸パターンセルのうちの少なくとも1種類ずつの転写凹凸パターンセルの組み合わせから形成されている。
すなわち、図2において、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)(G)、(H)、(I)、(J)および(K)はそれぞれの転写凹凸パターンセルの拡大図であり、複数種類の転写凹凸パターンセルは互いに異なる傾斜角度の平行複数線を有し、たとえば、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)に示されるような転写鋭角線凹凸パターンセル20と、(G)、(H)、(I)、(J)および(K)に示されるような転写鈍角線凹凸パターンセル30とから構成される。なお、図2における転写鋭角線凹凸パターンセル20は、図1における鋭角線凹凸パターンセル2の転写された凹凸パターンセルであり、したがって、転写鋭角線凹凸パターンセル20の傾斜角度の平行複数線は鈍角の平行複数線となるとともに、同様に、転写鈍角線凹凸パターンセル30の傾斜角度の平行複数線は鋭角の平行複数線となる。例えば、それぞれの凹凸パターンセルは3本の平行複数線を構成し、それぞれの平行線の角度は、横線を基準線とした場合、(B)は165度の鈍角であり、(C)は150度の鈍角であり、(D)は135度の鈍角であり、(E)は120度の鈍角であり、(F)は105度の鈍角であり、(G)は75度の鋭角であり、(H)は60度の鋭角であり、(I)は45度の鋭角であり、(J)は30度の鋭角であり、(K)は15度の鋭角である。これらの縦線、横線、鋭角線、鈍角線を表す黒線領域が、使用した押圧転写加工用版の凸部に対応して凹状態に形成され、その他の領域が凸状態に形成されている。なお、上記構成に限定されることなく、縦線と横線が形成されなく各凹凸パターンセルが鋭角線または鈍角線のみにより形成された構成も可能である。また、鋭角線または鈍角線の平行複数線の数が2本または4本以上の平行複数線により形成された構成も可能である。また、縦線、横線、鋭角線、鈍角線を表す黒線領域が凸状態で形成され、その他の領域が凹状態で形成された構成も可能である。また、鋭角線または鈍角線の平行複数線の傾斜角度が前述の傾斜角度に限定されることなく、他の所望の角度で構成された構成も可能である。また、基準線として、縦線を基準線とした構成も可能である。
複数種類の転写画像40としては、図柄、絵、文字、記号、紋様、写真画像などが適用される。本実施例においては、複数種類の転写画像40としては第1転写画像40aと第2転写画像40bと第3転写画像40cとが形成されている。これらの複数種類の転写画像40と転写背景領域50は複数種類のセルの組み合わせによって表現されて構成されている。すなわち、それぞれの第1転写画像40a,第2転写画像40b,第3転写画像40cは、転写鋭角線凹凸パターンセル20と転写鈍角線凹凸パターンセル30のうちの少なくとも1つの転写凹凸パターンセルを含む組み合わせ、または、少なくとも転写鋭角線凹凸パターンセル20と転写鈍角線凹凸パターンセル30とを含む複数種類の転写凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。転写背景領域50は、少なくとも転写鋭角線凹凸パターンセル20と転写鈍角線凹凸パターンセル30とを含む複数種類の転写凹凸パターンセルの組み合わせ、または、転写鋭角線凹凸パターンセル20と転写鈍角線凹凸パターンセル30のいずれか1つの転写凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。第1転写画像40aと第2転写画像40bが重なっている転写重なり画像領域は第1転写画像40aを形成する少なくとも1種類の転写凹凸パターンセルと第2転写画像40bを形成する少なくとも1種類の転写凹凸パターンセルとを含む転写凹凸パターンセルの組み合わせにより形成され、第2転写画像40bと第3転写画像40cが重なっている転写重なり画像領域は第2転写画像40bを形成する少なくとも1種類の転写凹凸パターンセルと第3転写画像40cを形成する少なくとも1種類の転写凹凸パターンセルとを含む転写凹凸パターンセルの組み合わせにより形成され、第1転写画像40aと第3転写画像40cが重なっている転写重なり画像領域は第1転写画像40aを形成する少なくとも1種類の転写凹凸パターンセルと第3転写画像40cを形成する少なくとも1種類の転写凹凸パターンセルとを含む転写凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。第1転写画像40aと第2転写画像40bと第3転写画像40cが重なっている転写重なり画像領域は第1転写画像40aを形成する少なくとも1種類の転写凹凸パターンセルと第2転写画像40bを形成する少なくとも1種類の転写凹凸パターンセルと第3転写画像40cを形成する少なくとも1種類の転写凹凸パターンセルとを含む転写凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されている。なお、上記構成に限定されることなく、転写背景領域50が転写凹凸パターンセルより構成されることなく、凹凸のない平坦形状である構成も可能である。また、複数種類の転写画像40が2種類の転写画像または4種類以上の転写画像である構成も可能である。また、複数種類の転写画像40が重ならないような構成、または、複数種類の転写画像40のうちの任意の数の転写画像が重なっているような構成なども可能である。また、さらなる所望転写画像60が形成され、そのさらなる所望転写画像60が凹凸パターンセルの組み合わせにより形成されることなく、多重直線群、多重曲線群、多重折線群、微細円群、微細多角形群などの微細凹凸形状群、凸状平面形状、凹状平面形状により形成されている構成も可能である。
このような画像形成体は、所望の角度から複数種類の転写画像のうちの所望の画像のみが明瞭に見えるとともに、左右方向及び上下方向、または、横方向及び縦方向などの全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。また、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。特に、従来公知の押圧転写加工用版や画像形成体よりも、それぞれの一つ一つの画像の明瞭性や精細度を著しく向上できる。さらに、画像が重なっている転写重なり領域においても、所定の方向から1つの画像のみが明瞭に見えるとともに、全方向に見る角度を移動させた場合にも、他の画像のみが明瞭に見えるというチェンジング視認効果が、従来の押圧転写加工用版や画像形成体よりも著しく優れる。さらに、より多くの画像が重なって存在する場合にも、このチェンジング視認効果が従来の押圧転写加工用版や画像形成体よりも著しく優れるため、単位領域内により多くの画像を構成できる。
本考案の典型的実施例について以下に説明する。
実施例1
本考案の典型的実施例の押圧転写加工用版1の概略図を図3に示す。図3において、(A)は平面図であり、押圧転写加工用版1の表面には複数種類の画像が刻設されている。本実施例では複数種類の画像として三角形を形成する第1画像4aとBCD文字を形成する第2画像4bが刻設されている。(B)は第1画像4aの一部分の拡大図であり、(C)は第2画像4bの一部分の拡大図であり、(D)は背景領域5の一部分の拡大図であり、(E)は第1画像4aと第2画像4bとが重なっている重なり領域4abの一部分の拡大図である。(A)において図示を略しているが、押圧転写加工用版1の表面には、互いに直交する縦線と横線により格子状に区切られた複数種類の凹凸パターンセルセルの組み合わせによって表現する微細凹凸形状の複数種類の凹凸パターンセルが刻設されている。横線を基準線としたとき、複数種類の凹凸パターンセルは、基準線に対して鋭角(30度)の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1鋭角線凹凸パターンセル2aと、第1鋭角線凹凸パターンセル2aと異なる鋭角(60度)の平行複数線の凹凸形状で刻設された第2鋭角線凹凸パターンセル2bと、基準線に対して鈍角(150度)の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1鈍角線凹凸パターンセル3aと、第1鈍角線凹凸パターンセル3aと異なる鈍角(120度)の平行複数線の凹凸形状で刻設された第2鈍角線凹凸パターンセル3bとからなる。(B)に示されるように第1画像4aは第1鋭角線凹凸パターンセル2aと第2鈍角線凹凸パターンセル3bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、(C)に示されるように第2画像4bは第2鋭角線凹凸パターンセル2bと第1鈍角線凹凸パターンセル3aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、(E)に示されるように第1画像と前記第2画像とが重なる重なり画像領域4abは第1鋭角線凹凸パターンセル2aと第1鈍角線凹凸パターンセル3aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成されている。(D)に示されるように第1画像と第2画像とを含まない背景領域5は第2鋭角線凹凸パターンセル2bと第2鈍角線凹凸パターンセル3bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成されている。
すなわち、図3に示される押圧転写加工用版1の構成において、押圧転写加工用版1は、複数種類の画像4と背景領域5とが格子状に区切られた複数種類のセルの組み合わせによって表現されている。複数種類の画像4が第1画像4aと第2画像4bの2種類の画像であるとき、複数種類の凹凸パターンセルは、基準線に対して0度から45度までの範囲の鋭角の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1鋭角線凹凸パターンセル2aと、基準線に対して45度から90度までの範囲であって第1鋭角線凹凸パターンセルと異なる鋭角の平行複数線の凹凸形状で刻設された第2鋭角線凹凸パターンセル2bと、基準線に対して135度から180度までの範囲の鈍角の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1鈍角線凹凸パターンセル3aと、基準線に対して90度から135度までの範囲であって第1鈍角線凹凸パターンセルと異なる鈍角の平行複数線の凹凸形状で刻設された第2鈍角線凹凸パターンセル3bとからなる。第1画像4aは前記第1鋭角線凹凸パターンセル2aと第2鈍角線凹凸パターンセル3bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、第2画像4bは第2鋭角線凹凸パターンセル2bと前記第1鈍角線凹凸パターンセル3aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、第1画像と第2画像とが重なる重なり画像領域は第1鋭角線凹凸パターンセル2aと第1鈍角線凹凸パターンセル3aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、第1画像と第2画像とを含まない背景領域5は第2鋭角線凹凸パターンセル2bと第2鈍角線凹凸パターンセル3bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成されている。
図3において、押圧転写加工用版1の材質は真鍮製であり、その形状は、平面図において横長さが80mm、縦長さが50mmの長方形である。表面に刻設形成された格子状に区切られたそれぞれのセルの形状は、縦長さおよび横長さがそれぞれ0.3mmの正方形である。それぞれのセルには所定の傾斜角度の2本の平行線が形成され、その平行線のピッチ間隔は約0.1mmである。縦線、横線、平行傾斜角度線などの黒線部が凸状態で形成され、黒線以外の部分は凹状態で形成され、その凸部と凹部との高低差は約0.02mmである。凸部の平行線の線幅は約0.04mmであり、凸部の格子状線の線幅は約0.02mmである。このような押圧転写加工用版1は、前述の腐蝕エッチング加工方法によって、精度よく作製される。
図16に示される押圧転写加工装置に、図3に示される押圧転写加工用版1を装着して、ベースフィルム層と転写箔層とを有する転写箔材料11と、被加工物10としての厚紙を使用して、箔押し押圧転写加工を行う場合における押圧転写加工用版1と転写箔材料11と被加工物10との関係の断面形状を説明するための模式図を図4に示す。図4において、(A)は箔押し押圧転写加工を行う直前の断面模式図であり、(B)は押圧転写加工用版1が転写箔材料11を被加工物10に押圧したときの状態の断面模式図を示し、(C)は、箔押し押圧転写加工を行った後の被加工物10の断面模式図を示す。図3において、(A)の状態に位置する押圧転写加工用版1が、(B)のように転写箔材料11を被加工物10に押圧することにより、押圧転写加工用版1の表面に刻設された凹凸パターンの形状に対応して、転写箔材料11の転写箔層が被加工物10に接着するとともに凹凸形状に転写形成され、その結果、(C)のように被加工物10の表面に接着されるとともに凹凸パターン形状に転写形成された転写箔層の箔押しされた転写パターンが形成される。なお、被加工物10が繊維製フェルトなどの厚く軟らかい材料である場合、凹凸形状に転写形成されるとともに、被加工物10の表面も凹凸形状に転写形成される。また、図4(C)に示される凹凸パターン形状に転写形成された転写箔層の凸部の断面形状において丸みを帯びているが、この断面形状に限定されることなく、例えば、厚い厚さの転写箔材料11を使用した場合または押圧転写加工用版1に刻設された凹凸パターンの凹凸部が被加工物10の表面から深く入り込むような被加工物10を使用した場合には、押圧転写加工用版1に刻設された凹凸パターンの深さ方向の凹凸形状に忠実に凹凸形成された箔押しされた転写パターンが転写形成される。
図4と図16において、被加工物10としての厚紙の表面に、押圧転写加工用版1に刻設された凹凸パターン形状に対応して箔押し転写パターンが凹凸形状で箔押転写形成される。この場合、ベースフィルム層と被加工物側に転写されなかった残りの転写箔層とを含むベースフィルム層付転写箔材料11は、他方の送受ロール12により巻き取られる。転写箔材料11としては、例えば、ベースフィルム層・離型層・表面保護層・着色層・金属層・接着層とから構成され、ベースフィルム層(約0.01mm−0.05mm厚)と転写箔層とからなる転写箔材料が使用できる。ここで、ベースフィルム層はキャリアフィルム層とも呼ばれ、ポリエステルフィルムなどの強靭なフィルムが使用される。転写箔層は例えば、表面保護層・着色層・金属層・接着層から構成される。着色層としては、染料や顔料などの着色剤含有材や着色フィルム層などが使用される。表面保護層としては、透明または着色された塗料やプラスチックフィルムが使用される。金属層としては金属蒸着層、金属薄膜層、金属蒸着フィルム層または金属箔層などが使用される。接着層は対象となる被加工物に接着しやすい材質の接着剤より構成される。離型層は、ベースフィルム層側または転写箔層側に形成される。これらの金属層の金属の種類や着色層の色の種類を組み合わせることによって、「金色」、「銀色」、「メタリックブルー」、「メタリックピンク」などの所望の色を呈する転写箔材料11が得られる。このような転写箔材料11を使用した場合、転写箔層(表面保護層・着色層・金属層・接着層)の接着層側が被加工物の表面に接着されて箔押転写形成される。本実施例では、「金色」を呈する転写箔材料11を使用した場合について説明する。
このようにして箔押し転写形成された画像形成体100の模式図が図5に示される。図5において、(A)は画像形成体100の表面の平面模式図であり、(B)は第1転写画像40aの部分拡大模式図であり、(C)は第2転写画像40bの部分拡大模式図であり、(D)は背景転写画像領域50の部分拡大模式図であり、(E)は第1転写画像と第2転写画像との重なり転写画像領域40abの一部分の拡大模式図である。図5の(B)、(C)、(D)、(E)において、使用した押圧転写加工用版1に刻設された凹凸パターン形状に対応して、黒線部が凹状態で転写形成され、黒線以外の部分が凸状態で転写形成されている。横線を基準線としたとき、複数種類の転写凹凸パターンセルは、第1鋭角線凹凸パターンセル2aに対応して転写形成された第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと、第2鋭角線凹凸パターンセル2bに対応して転写形成された第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bと、第1鈍角線凹凸パターンセル3aに対応して転写形成された第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aと、第2鈍角線凹凸パターンセル3bに対応して転写形成された第2転写鈍角線凹凸パターンセル30bとからなる。なお、それぞれの傾斜角度線は、転写形成されるために鋭角と鈍角とが逆に形成される。すなわち、第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bは鈍角線として転写形成され、第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aと第2転写鈍角線凹凸パターンセル30bは鋭角線として転写形成される。
(B)に示されるように、第1転写画像40aは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと第2転写鈍角線凹凸パターンセル30bとが縦方向および横方向に交互に位置するように構成される。(C)に示されるように、第2転写画像40bは第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bと第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aとが縦方向および横方向に交互に位置するように構成される。(D)に示されるように、背景転写画像領域50は第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bと第2転写鈍角線凹凸パターンセル30bとが縦方向および横方向に交互に位置するように構成される。(E)に示されるように、第1転写画像と第2転写画像との転写重なり画像領域40abは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aとが縦方向および横方向に交互に位置するように構成される。すなわち、複数種類の転写画像40と転写背景領域50とが格子状に区切られた複数種類の転写凹凸パターンセルの組み合わせによって表現され、複数種類の転写画像40が第1転写画像40aと第2転写画像40bの2種類の転写画像であるとき、複数種類の転写凹凸パターンセルは、前記基準線に対して鈍角の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと、第1転写鋭角線凹凸パターンセルと異なる鈍角の平行複数線の凹凸形状で刻設された第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bと、前記基準線に対して鋭角の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aと、前記第1鈍角線凹凸パターンセルと異なる鋭角の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1転写鈍角線凹凸パターンセル30bとからなり、第1転写画像40aは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20a(傾斜角150度)と第2転写鈍角線凹凸パターンセル30b(傾斜角60)とが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、第2転写画像40bは第2転写鋭角線凹凸パターンセル20b(傾斜角120度)と第1転写鈍角線凹凸パターンセル30a(傾斜角30度)とが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、第1転写画像と第2転写画像とが重なる転写重なり画像領域40abは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20a(傾斜角150度)と第1転写鈍角線凹凸パターンセル30a(傾斜角30度)とが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、第1転写画像と第2転写画像とを含まない転写背景領域50は第2転写鋭角線凹凸パターンセル20b(傾斜角120度)と第2転写鈍角線凹凸パターンセル30b(傾斜角60度)とが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成されている。
このようにして凹凸形状で転写形成された画像形成体100の転写形成された転写箔層は光沢表面を呈し、その転写形成された画像形成体100を、左右方向または横方向に視線を動かして見たとき、第1転写画像40aのみが明瞭に見える視線角度があり、また、第2転写画像40bのみが明瞭に見える視線角度があり、第1転写画像40aと第2転写画像40bが不明瞭にぼやけて見える視線角度がある。さらに、その画像形成体100を、上下方向または縦方向に視線を動かして見たとき、第1転写画像40aのみが明瞭に見える視線角度があり、また、第2転写画像40bのみが明瞭に見える視線角度があり、また、第1転写画像40aと第2転写画像40bが不明瞭にぼやけて見える視線角度がある。特に、第1転写画像40aと第2転写画像40bとが重なる転写重なり画像領域40abにおいても、所望の角度からは、2つの画像のうちの一つの転写画像のみが明瞭に見える。このように、箔押し転写形成された画像形成体100を左右方向および上下方向、または、横方向および縦方向に視線を動かして見たとき、第1転写画像40aのみが明瞭に視認できる視線角度があり、また、第2転写画像40bのみが明瞭に視認できる視線角度がある。すなわち、所望の角度から複数種類の画像のうちの1つの画像が明瞭に見えるとともに、左右方向または横方向、及び、上下方向または縦方向の全方向に見る角度を移動させた場合にも、1つの画像から他の画像へと見えるチェンジング画像が明瞭に変化して見える。さらに、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。
なお、本実施例において、転写箔材料11の転写箔層として、表面保護層・着色層・金属層・接着層からなる構成を例示したが、これに限定されることなく、箔押により転写形成できる所定の構成からなる転写箔層が使用できる。また、被加工物10としては、本実施例においては厚紙を使用したが、これに限定されることなく、例えば、通常の紙類、レター用紙、便箋、ノート表紙、カード、ラベル、繊維織物、繊維製フェルト、布、不織布等、樹脂コートされた紙類、防水コートされた紙類、プラスチックフィルムとラミネートされた紙類、プラスチックフィルムシート、皮革製品、プラスチック薄板、金属薄板、ラミネートフィルム、プラスチック製シート、プラスチック成形品、などが使用される。
本実施例においては、図3の押圧転写加工用版1の(B)、(C)、(D)、(E)に示されるそれぞれの凹凸パターンセルの黒線部が凸状に刻設されているが、これに限定されることなく、その黒線部が凹状に刻設された構成も可能である。このように、押圧転写加工用版1に刻設された凹凸が逆の押圧転写加工用版1を使用して転写形成された画像形成体も、上記説明と同じ優れた作用効果を発揮する。また、この場合、押圧転写加工用版1の腐蝕エッチング製造工程において、ネガ型レジストとポジ型レジストの種類、露光用マスクとなる原版フィルムの透明部と遮光部の構成、などを適切に適用することによって所望の凹凸形状を有する凹凸パターンセルを製造することができる。
本実施例においては、第1画像4aが三角形であり、第2画像がBCD文字である例を示したが、これらの画像に限定されることなく、任意の文字、絵柄、記号、図柄、写真柄、文様、これらの組み合わせなどの任意の所望の画像を形成するように刻設した押圧転写加工用版1を使用することもできる。また、本実施例では、縦線と横線により格子状に区切られた正方形の凹凸パターンセルの中に所定傾斜角度の平行複数線を刻設した実施例について説明したが、この構成に限定されることなく、図15の(A)に示されるような菱形正四角形の凹凸パターンセル、(B)に示されるような長方形の凹凸パターンセル、(C)に示されるような平行四辺形の凹凸パターンセル、などの規則性を持って配列した格子状に区切られた凹凸パターンセルに区切られて、このような多角形の凹凸パターンセルの中に、所定の傾斜角度の平行複数線が凹凸形状で刻設されたような構成も可能であり、この場合にも、本実施例と同じ効果を発揮する。
実施例2
本考案の他の実施例の押圧転写加工用版は、複数種類の画像4と背景領域5とが格子状に区切られた前記複数種類のセルの組み合わせによって表現され、複数種類の画像4が第1画像から第n画像までのn種類の画像であるとき、複数種類の凹凸パターンセルは、鋭角線凹凸パターンセル2と鈍角線凹凸パターンセル3とを含む互いに異なる角度の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1凹凸パターンセルから第(n+1)凹凸パターンセルまでの(n+1)種類の凹凸パターンセルが用いられ、n種類の画像のそれぞれの画像には、それぞれの角度の平行複数線の凹凸形状で刻設された凹凸パターンセルが割り当てられ、n種類の画像のそれぞれの画像が単独で存在する領域は、それぞれの画像に割り当てられた前記第1凹凸パターンセルから第n凹凸パターンセルまでの凹凸パターンセルのいずれか1つの凹凸パターンセルと前記第(n+1)凹凸パターンセルとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、n種類の画像の2つ以上が重なっている重なり画像領域は、その重なっている領域の画像に割り当てられた凹凸パターンセルのすべての凹凸パターンセルが縦方向及び横方向に互いに異なる凹凸パターンセルが隣り合うように位置して組み合わされて形成され、n種類の画像のいずれの画像も含まない背景領域は、前記第(n+1)凹凸パターンセルだけからなるように位置して組み合わされて形成されていることを特徴とする。
本実施例の具体的実施例の押圧転写加工用版の概略模式図が図6に示される。図6において、n種類の複数種類の画像としては2種類の画像が形成され、(n+1)種類の複数種類の凹凸パターンセルとしては、3種類の凹凸パターンセルが形成されている実施例である。図6において、(A)は平面図であり、押圧転写加工用版1の表面にはn種類の画像としての円形を形成する第1画像4aとEFG反転文字を形成する第2画像4bの2種類の画像が形成されている。(B)は第1画像4aの一部分の拡大図であり、(C)は第2画像4bの一部分の拡大図であり、(D)は背景領域5の一部分の拡大図であり、(E)は第1画像4aと第2画像4bとが重なっている重なり領域4abの一部分の拡大図である。(n+1)種類の複数種類の凹凸パターンセルとして、傾斜角度が30度の3本の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと、傾斜角度が60度の3本の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bと、傾斜角度が150度の3本の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aの3種類の凹凸パターンセルが刻設されている。本実施例では、格子状に区切るための縦線と横線は形成されていないが、縦横に格子状に区切られたそれぞれのセルには、所定傾斜角度の複数平行線が刻設されている。図6(B)に示されるように、第1画像4aは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図6(C)に示されるように、第2画像4bは、傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図6(D)に示されるように、背景領域5は、傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bが縦方向及び横方向に位置するように構成されている。図6(E)に示されるように、第1画像4aと第2画像4bが重なっている重なり画像領域4abは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。すなわち、背景領域5は1種類の凹凸パターンセル2bのみから形成され、第1画像が単独で存在する領域4aは背景領域を形成する凹凸パターンセル2bと第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aとの組み合わせから形成され、第2画像が単独で存在する領域4bは背景領域を形成する凹凸パターンセル2bと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aとの組み合わせから形成され、第1画像と第2画像とが重なる領域4abは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aとの組み合わせから形成される。
本実施例において、押圧転写加工用版の材質は鋼鉄製であり、その形状は、平面図において横長さが105mm、縦長さが65mmの長方形である。図6において、表面に刻設形成された格子状に区切られたそれぞれのセルの形状は、縦長さおよび横長さがそれぞれ0.5mmの正方形である。それぞれのセルには所定の傾斜角度の3本の平行傾斜角度線が形成され、その平行傾斜角度線のピッチ間隔は約0.15mmである。平行傾斜角度線などの黒線部が凸状態で形成され、黒線以外の部分は凹状態で形成され、その凸部と凹部との高低差は約0.015mmであり、凸部の平行傾斜角度線の線幅は約0.06mmである。このような押圧転写加工用版1aは、前述の腐蝕エッチング加工方法によって、精度よく作製される。その他については実施例1で説明した内容と同じである。
このような押圧転写加工用版1を図16に示される押圧転写加工装置に装着して、ベースフィルム層と転写箔層とを有する転写箔材料11と、被加工物10としての不織布を使用して、箔押し押圧転写加工を行い、箔押し転写形成された画像形成体100の模式図が図7に示される。なお、転写箔材料11としては、被加工物10としての不織布に適正に転写形成できる転写箔材料11が使用される。図7において、(A)は画像形成体100の表面の平面模式図である。(B)は第1転写画像40aの部分拡大模式図であり、第1転写画像40aは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。(C)は第2転写画像40bの部分拡大模式図であり、第2転写画像40bは第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aと第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。(D)は背景転写画像50の部分拡大模式図であり、背景転写画像50は第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bから形成されている。(E)は第1転写画像と第2転写画像との転写重なり画像領域40abの一部分の拡大模式図であり、転写重なり画像領域40abは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。図7の(B)、(C)、(D)、(E)において、使用した押圧転写加工用版1に刻設された凹凸パターン形状に対応して、黒線部が凹状態で転写形成され、黒線以外の部分が凸状態で転写形成されている。すなわち、画像形成体100は複数種類の転写画像40と転写背景領域50とが格子状に区切られた複数種類の転写凹凸パターンセルの組み合わせによって表現され、複数種類の転写画像40が第1画像から第n画像までのn種類の転写画像であるとき、複数種類の転写凹凸パターンセルは、転写鋭角線凹凸パターンセル20と転写鈍角線凹凸パターンセル30とを含む互いに異なる角度の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1転写凹凸パターンセルから第(n+1)転写凹凸パターンセルまでの(n+1)種類の転写凹凸パターンセルが用いられ、n種類の転写画像のそれぞれの転写画像には、それぞれの角度の平行複数線の凹凸形状で刻設された転写凹凸パターンセルが割り当てられ、n種類の転写画像のそれぞれの転写画像が単独で存在する領域は、それぞれの転写画像に割り当てられた第1転写凹凸パターンセルから第n転写凹凸パターンセルまでの転写凹凸パターンセルのいずれか1つの転写凹凸パターンセルと第(n+1)転写凹凸パターンセルとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、n種類の転写画像の2つ以上が重なっている転写重なり画像領域は、その重なっている領域の転写画像に割り当てられた転写凹凸パターンセルのすべての転写凹凸パターンセルが縦方向及び横方向に互いに異なる凹凸パターンセルが隣り合うように位置して組み合わされて形成され、n種類の転写画像のいずれの画像も含まない転写背景領域は、第(n+1)転写凹凸パターンセルだけからなるように位置して組み合わされて形成されている。
このようにして凹凸形状で転写形成された画像形成体100の転写形成された転写箔層は光沢表面を呈し、その転写形成された画像形成体100を、左右方向または横方向、および、上下方向または縦方向に視線を動かして見たとき、第1転写画像40aのみが明瞭に見える視線角度があり、また、第2転写画像40bのみが明瞭に見える視線角度があり、第1転写画像40aと第2転写画像40bが不明瞭にぼやけて見える視線角度がある。特に、第1転写画像40aと第2転写画像40bとが重なる転写重なり画像領域40abにおいても、所望の角度からは、2つの画像のうちの一つの転写画像のみが明瞭に見える。このように、所望の角度から複数種類の画像のうちの1つの画像が明瞭に見えるとともに、左右方向または横方向、及び、上下方向または縦方向の全方向に見る角度を移動させた場合にも、1つの画像から他の画像へと見えるチェンジング画像が明瞭に変化して見える。さらに、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。
実施例3
本考案の他の実施例の具体的実施例の押圧転写加工用版の概略図が図8に示される。本実施例の押圧転写加工用版1は、実施例2の押圧転写加工用版において、n種類の複数種類の画像4として3種類の画像が形成され、(n+1)種類の複数種類の凹凸パターンセルとして4種類の凹凸パターンセルが形成されている実施例である。図8において、(A)は平面図であり、押圧転写加工用版1の表面には円形を形成する第1画像4aと三角形を形成する第2画像4bとEFG反転文字を形成する第3画像4cの3種類の画像が形成されている。(B)は第1画像4aの一部分の拡大図であり、(C)は第2画像4bの一部分の拡大図であり、(D)は第3画像4cの一部分の拡大図であり、(E)は背景領域5の一部分の拡大図であり、(F)は第1画像4aと第2画像4bとが重なっている重なり画像領域4abの一部分の拡大図であり、(G)は第2画像4bと第3画像4cとが重なっている重なり画像領域4bcの一部分の拡大図であり、(H)は第1画像4aと第3画像4cとが重なっている重なり画像領域4acの一部分の拡大図である。(I)は第1画像4aと第2画像4bと第3画像4cとが重なっている重なり画像領域4abcの一部分の拡大図である。(n+1)種類の複数種類の凹凸パターンセルとして、傾斜角度が30度の3本の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと、傾斜角度が60度の3本の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bと、傾斜角度が150度の3本の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと、傾斜角度が120度の3本の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bの4種類の凹凸パターンセルが刻設されている。本実施例では、格子状に区切るための縦線と横線が形成されている。
図8(B)に示されるように、第1画像4aは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図8(C)に示されるように、第2画像4bは、傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図8(D)に示されるように、第3画像4cは、傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bと傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図8(E)に示されるように、背景領域5は、傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bが縦方向及び横方向に位置するように構成されている。図8(F)に示されるように、第1画像4aと第2画像4bが重なっている重なり画像領域4abは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図8(G)に示されるように、第2画像4bと第3画像4cが重なっている重なり画像領域4bcは、傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図8(H)に示されるように、第1画像4aと第3画像4cが重なっている重なり画像領域4acは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図8(I)に示されるように、第1画像4aと第2画像4bと第3画像4cが重なっている重なり画像領域4abcは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。すなわち、背景領域5は1種類の凹凸パターンセル2bのみから形成され、第1画像が単独で存在する領域4aは背景領域を形成する凹凸パターンセル2bと第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aとの組み合わせから形成され、第2画像が単独で存在する領域4bは背景領域を形成する凹凸パターンセル2bと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aとの組み合わせから形成され、第3画像が単独で存在する領域4cは背景領域を形成する凹凸パターンセル2bと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bとの組み合わせから形成される。第1画像と第2画像とが重なる重なり画像領域4abは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aとの組み合わせから形成され、第2画像と第3画像とが重なる重なり画像領域4bcは第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bとの組み合わせから形成され、第1画像と第3画像とが重なる重なり画像領域4acは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bとの組み合わせから形成される。また、第1画像と第2画像と第3画像とが重なる重なり画像領域4abcは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bとの組み合わせから形成される。
本実施例において、押圧転写加工用版1の材質は銅製であり、その形状は、平面図において横長さが105mm、縦長さが65mmの長方形である。表面に刻設形成された格子状に区切られたそれぞれのセルの形状は、縦長さおよび横長さがそれぞれ0.5mmの正方形である。それぞれのセルには所定の傾斜角度の3本の平行傾斜角度線が形成され、その平行傾斜角度線のピッチ間隔は約0.15mmである。平行傾斜角度線などの黒線部が凹状態で形成され、黒線以外の部分は凸状態で形成され、その凸部と凹部との高低差は約0.015mmであり、凹部の平行傾斜角度線の線幅は約0.09mmであり、凹部の縦線・横線の線幅は約0.07mmである。このような押圧転写加工用版1は、前述の腐蝕エッチング加工方法によって、精度よく作製される。その他については実施例1で説明した内容と同じである。
このような押圧転写加工用版と図16に示される押圧転写加工装置に装着して、転写箔材料を使用することなく、被加工物の表面に直接に押圧転写加工を行った場合の転写形成された画像形成体の模式図が図9に示される。この場合、被加工物の一例として、金色に着色された光沢表面を有するプラスチックフィルムと紙との積層物が使用される。このようなプラスチックフィルム・紙積層物の所定の領域に転写形成された画像形成体の模式図が図9である。図9において、(A)は画像形成体100の表面の平面模式図である。(B)は第1転写画像40aの部分拡大模式図であり、第1転写画像40aは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。(C)は第2転写画像40bの部分拡大模式図であり、第2転写画像40bは第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aと第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。(D)は第3転写画像40cの部分拡大模式図であり、第3転写画像40cは第2転写鈍角線凹凸パターンセル30bと第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。(E)は転写背景画像50の部分拡大模式図であり、転写背景画像50は第2転写鋭角線凹凸パターンセル20bから形成されている。(F)は第1転写画像と第2転写画像との転写重なり画像領域40abの一部分の拡大模式図であり、転写重なり画像領域40abは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。(G)は第2転写画像と第3転写画像との転写重なり画像領域40bcの一部分の拡大模式図であり、転写重なり画像領域40bcは第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aと第2転写鈍角線凹凸パターンセル30bとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。(H)は第1転写画像と第3転写画像との転写重なり画像領域40acの一部分の拡大模式図であり、転写重なり画像領域40acは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと第2転写鈍角線凹凸パターンセル30bとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。(I)は第1転写画像と第2転写画像と第3転写画像との転写重なり画像領域40abcの一部分の拡大模式図であり、転写重なり画像領域40abcは第1転写鋭角線凹凸パターンセル20aと第1転写鈍角線凹凸パターンセル30aと第2転写鈍角線凹凸パターンセル30bとが縦方向および横方向に交互に位置して形成されている。図9の(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)において、使用した押圧転写加工用版1に刻設された凹凸パターン形状に対応して、黒線部が凹状態で転写形成され、黒線以外の部分が凹状態で転写形成されている。
このようにして凹凸形状で転写形成された画像形成体100の転写形成された転写領域は光沢表面を呈し、その転写形成された画像形成体100を、左右方向または横方向、および、上下方向または縦方向に視線を動かして見たとき、第1転写画像40aのみが明瞭に見える視線角度があり、また、第2転写画像40bのみが明瞭に見える視線角度があり、第3転写画像40cのみが明瞭に見える視線角度がある。特に、第1転写画像40aと第2転写画像40bとが重なる転写重なり画像領域40ab、第2転写画像40bと第3転写画像40cとが重なる転写重なり画像領域40ac、第1転写画像40aと第3転写画像40cとが重なる転写重なり画像領域40ac、第1転写画像40aと第2転写画像40bと第3転写画像40cが重なる転写重なり画像領域40abcにおいても、所望の角度からは、3つの画像のうちの一つの転写画像のみが明瞭に見える。このように、所望の角度から複数種類の画像のうちの1つの画像が明瞭に見えるとともに、左右方向または横方向、及び、上下方向または縦方向の全方向に見る角度を移動させた場合にも、1つの画像から他の画像へと見えるチェンジング画像が明瞭に変化して見える。さらに、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。
実施例4
本考案の他の実施例の押圧転写加工用版1は、複数種類の画像と前記背景領域とが格子状に区切られた複数種類の凹凸パターンセルの組み合わせによって表現され、複数種類の画像が第1画像から第n画像までのn種類の画像であるとき、複数種類の凹凸パターンセルは、鋭角線凹凸パターンセルと鈍角線凹凸パターンセルとを含む互いに異なる角度の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1凹凸パターンセルから第(n+1)凹凸パターンセルまでの(n+1)種類の凹凸パターンセルが用いられ、n種類の画像のそれぞれの画像には、それぞれの角度の平行複数線の凹凸形状で刻設された凹凸パターンセルが割り当てられ、n種類の画像のそれぞれの画像が単独で存在する領域は、それぞれの画像に割り当てられた前記第1凹凸パターンセルから第n凹凸パターンセルまでの凹凸パターンセルのいずれか1つの凹凸パターンセルと第(n+1)凹凸パターンセルとが縦方向及び横方向に交互に位置するように組み合わされて形成され、n種類の画像の2つ以上が重なっている重なり画像領域は、その重なっている領域の画像に割り当てられた凹凸パターンセルのすべての凹凸パターンセルと第(n+1)凹凸パターンセルとが縦方向及び横方向に互いに異なる凹凸パターンセルが隣り合うように位置して組み合わされて形成され、n種類の画像のいずれの画像も含まない背景領域は、第(n+1)凹凸パターンセルだけからなるように位置して組み合わされて形成されていることを特徴とする。
本実施例の具体的実施例の押圧転写加工用版1の概略図が図10に示される。図10に示される押圧転写加工用版1において、n種類の複数種類の画像4としては3種類の画像が形成され、(n+1)種類の複数種類の凹凸パターンセルとしては、4種類の凹凸パターンセルが形成されている実施例である。図9において、(A)は平面図であり、押圧転写加工用版1の表面にはn種類の画像としての円形を形成する第1画像4aと三角形を形成する第2画像4bと、楕円形を形成する第3画像4cの3種類の画像が形成されている。(B)は第1画像4aの一部分の拡大図であり、(C)は第2画像4bの一部分の拡大図であり、(D)は第3画像4cの一部分の拡大図であり、(E)は背景領域5の一部分の拡大図である。(F)は第1画像4aと第2画像4bとが重なっている重なり画像領域4abの一部分の拡大図であり、(G)は第2画像4bと第3画像4cとが重なっている重なり画像領域4bcの一部分の拡大図であり、(H)は第1画像4aと第3画像4cとが重なっている重なり画像領域4acの一部分の拡大図である。(I)は第1画像4aと第2画像4bと第3画像4cとが重なっている重なり画像領域4abcの一部分の拡大図である。(n+1)種類の複数種類の凹凸パターンセルとして、傾斜角度が30度の3本の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと、傾斜角度が60度の3本の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bと、傾斜角度が150度の3本の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと、傾斜角度が120度の3本の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bの4種類の凹凸パターンセルが刻設されている。本実施例では、格子状に区切るための縦線と横線が形成されている。
図10(B)に示されるように、第1画像4aは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図10(C)に示されるように、第2画像4bは、傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図10(D)に示されるように、第3画像4cは、傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bと傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図10(E)に示されるように、背景領域5は、傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bが縦方向及び横方向に位置するように構成されている。図10(F)に示されるように、第1画像4aと第2画像4bが重なっている重なり画像領域4abは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図10(G)に示されるように、第2画像4bと第3画像4cが重なっている重なり画像領域4bcは、傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bと傾斜角度60度の平行線を刻設した鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図10(H)に示されるように、第1画像4aと第3画像4cが重なっている重なり画像領域4acは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bと傾斜角度60度の平行線を刻設した鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図10(I)に示されるように、第1画像4aと第2画像4bと第3画像4cが重なっている重なり画像領域4abcは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bと傾斜角度60度の平行線を刻設した鋭角凹凸パターンセル2bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。すなわち、背景領域5は1種類の凹凸パターンセル2bのみから形成され、第1画像が単独で存在する領域4aは背景領域を形成する凹凸パターンセル2bと第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aとの組み合わせから形成され、第2画像が単独で存在する領域4bは背景領域を形成する凹凸パターンセル2bと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aとの組み合わせから形成され、第3画像が単独で存在する領域4cは背景領域を形成する凹凸パターンセル2bと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bとの組み合わせから形成される。第1画像と第2画像とが重なる重なり画像領域4abは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aと背景領域を形成する凹凸パターンセル2bとの組み合わせから形成され、第2画像と第3画像とが重なる重なり画像領域4bcは第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bと背景領域を形成する凹凸パターンセル2bとの組み合わせから形成され、第1画像と第3画像とが重なる重なり領域4acは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bと背景領域を形成する凹凸パターンセル2bとの組み合わせから形成される。また、第1画像と第2画像と第3画像とが重なる重なり画像領域4abcは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bと背景領域を形成する凹凸パターンセル2bとの組み合わせから形成される。すなわち、背景画像5に割り当てられた凹凸パターンセル2bが、単独画像4a,4b,4cおよび重なり画像4ab,4ac,4bc,4abcに組み合わされて存在する。
本実施例において、押圧転写加工用版1の材質は真鍮製であり、その形状は、平面図において横長さが80mm、縦長さが50mmの長方形である。表面に刻設形成された格子状に区切られたそれぞれのセルの形状は、縦長さおよび横長さがそれぞれ0.3mmの正方形である。本実施例ではセルに区切るための縦線および横線は刻設されていない。それぞれのセルには所定の傾斜角度の3本の平行線が形成され、その平行線のピッチ間隔は約0.07mmである。平行傾斜角度線などの黒線部が凸状態で形成され、黒線以外の部分は凹状態で形成され、その凸部と凹部との高低差は約0.015mmである。凸部の平行線の線幅は約0.04mmである。このような押圧転写加工用版1は、前述の腐蝕エッチング加工方法によって、精度よく作製される。その他については実施例1で説明した内容と同じである。
図16に示される押圧転写加工装置に、図10に示される押圧転写加工用版1を装着して、ベースフィルム層と転写箔層とを有する転写箔材料11を使用して、被加工物10に箔押し押圧転写加工を行うことができる。被加工物10としては、紙類、フェルト類、不織布、織布などの比較的やわらかい材質からなる物、または、プラスチック成形物、プラスチック薄板、フェルト、ガラス類、陶磁器類などの比較的硬い材質からなる物が使用される。このようにして箔押し加工物に転写形成された画像形成体において、所望の角度から複数種類の画像のうちの1つの画像が明瞭に見えるとともに、左右方向または横方向、及び、上下方向または縦方向の全方向に見る角度を移動させた場合にも、1つの画像から他の画像へと見えるチェンジング画像が明瞭に変化して見える。さらに、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。
実施例5
本考案の他の押圧転写加工用版は、複数種類の画像が格子状に区切られた前記複数種類の凹凸パターンセルの組み合わせによって表現され、複数種類の画像が第1画像から第n画像までのn種類の画像であるとき、複数種類の凹凸パターンセルは、鋭角線凹凸パターンセルと鈍角線凹凸パターンセルとを含む互いに異なる角度の平行複数線の凹凸形状で刻設された第1凹凸パターンセルから第n凹凸パターンセルまでのn種類の凹凸パターンセルが用いられ、n種類の画像のそれぞれの画像には、それぞれの角度の平行複数線の凹凸形状で刻設された凹凸パターンセルが割り当てられ、n種類の画像のそれぞれの画像が単独で存在する領域は、それぞれの画像に割り当てられた第1凹凸パターンセルから第n凹凸パターンセルまでの凹凸パターンセルのいずれか1つの凹凸パターンセルが縦方向及び横方向に位置するように組み合わされて形成され、n種類の画像の2つ以上が重なっている重なり画像領域は、その重なっている領域の画像に割り当てられた凹凸パターンセルのすべての凹凸パターンセルが縦方向及び横方向に互いに異なる凹凸パターンセルが隣り合うように位置して組み合わされて形成され、n種類の画像のいずれの画像も含まない背景領域は、n種のパターンセル以外の角度により形成された第(n+1)凹凸パターンセル、または、多重直線群、多重曲線群、多重折線群、微細円群、微細多角形群などの微細凹凸形状群、または、凹凸のない凸平面形状、または、転写しない凹平面形状により刻設形成されていることを特徴とする。
上記構成において、n種類の複数種類の画像として3種類の画像が形成され、n種類の複数種類の凹凸パターンセルとして3種類の凹凸パターンセルが形成されている実施例について説明する。図11において、(A)は平面図であり、押圧転写加工用版1の表面には円形を形成する第1画像4aと三角形を形成する第2画像4bと楕円形を形成する第3画像4cの3種類の画像が形成されている。(B)は第1画像4aの一部分の拡大図であり、(C)は第2画像4bの一部分の拡大図であり、(D)は第3画像4cの一部分の拡大図であり、(E)は背景領域5の一部分の拡大図である。(F)は第1画像4aと第2画像4bとが重なっている重なり画像領域4abの一部分の拡大図であり、(G)は第2画像4bと第3画像4cとが重なっている重なり画像領域4bcの一部分の拡大図であり、(H)は第1画像4aと第3画像4cとが重なっている重なり画像領域4acの一部分の拡大図である。(I)は第1画像4aと第2画像4bと第3画像4cとが重なっている重なり画像領域4abcの一部分の拡大図である。n種類の複数種類の凹凸パターンセルとして、傾斜角度が30度の3本の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと、傾斜角度が150度の3本の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと、傾斜角度が120度の3本の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bの3種類の凹凸パターンセルが刻設されている。本実施例では、格子状に区切るための縦線と横線が形成されている。なお、本実施例において、縦線、横線および各3本の平行傾斜角度線の黒線部が凸状態で刻設されている。
図11(B)に示されるように、第1画像4aは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aのみが縦方向及び横方向に位置するように構成されている。図11(C)に示されるように、第2画像4bは、傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aのみが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図11(D)に示されるように、第3画像4cは、傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bのみが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図11(E)に示されるように、背景領域5には、平行線は刻設されていない。図11(F)に示されるように、第1画像4aと第2画像4bが重なっている重なり画像領域4abは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図11(G)に示されるように、第2画像4bと第3画像4cが重なっている重なり画像領域4bcは、傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図11(H)に示されるように、第1画像4aと第3画像4cが重なっている重なり画像領域4acは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図11(I)に示されるように、第1画像4aと第2画像4bと第3画像4cが重なっている重なり画像領域4abcは、傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。すなわち、第1画像が単独で存在する領域4aは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aのみの組み合わせから形成され、第2画像が単独で存在する領域4bは第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aのみの組み合わせから形成され、第3画像が単独で存在する領域4cは第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bのみの組み合わせから形成される。第1画像と第2画像とが重なる重なり画像領域4abは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aとの組み合わせから形成され、第2画像と第3画像とが重なる重なり画像領域4bcは第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bとの組み合わせから形成され、第1画像と第3画像とが重なる重なり画像領域4acは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bとの組み合わせから形成される。また、第1画像と第2画像と第3画像とが重なる重なり画像領域4abcは第1画像に割り当てられた凹凸パターンセル2aと第2画像に割り当てられた凹凸パターンセル3aと第3画像に割り当てられた凹凸パターンセル3bとの組み合わせから形成される。
本実施例において、図11(E)に示す背景領域5の凹凸に形成された模様に換えて、第1画像、第2画像および第3画像に割り当てられた凹凸パターンセルの形状以外の任意の模様の形状に刻設された凹凸パターンが使用できる。例えば、背景領域5としては、図12の(A)から(M)に示されるような多重直線群、多重曲線群、多重折線群、微細円群、微細多角形群などの微細凹凸形状群、または、凹凸のない凸平面形状などに刻設された凹凸模様が使用できる。
図16に示される押圧転写加工装置に、図11に示される押圧転写加工用版1を装着して、ベースフィルム層と転写箔層とを有する転写箔材料11を使用して、実施例4で説明したような被加工物10に箔押し押圧転写加工を行うことができる。このようにして箔押し加工物に転写形成された画像形成体において、所望の角度から複数種類の画像のうちの1つの画像が明瞭に見えるとともに、左右方向または横方向、及び、上下方向または縦方向の全方向に見る角度を移動させた場合にも、1つの画像から他の画像へと見えるチェンジング画像が明瞭に変化して見える。さらに、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。
実施例6
本考案の他の構成の押圧転写加工用版は、上記の実施例1から実施例5までの構成に加えて、さらに、さらなる所望画像が所望の領域に刻設され、そのさらなる所望画像は、多重直線群、多重曲線群、多重折線群、微細円群、微細多角形群などの微細凹凸形状群、または凹凸のない平面形状により刻設形成されていることを特徴とする。上記構成において、複数種類の画像として2種類の画像が形成され、複数種類の凹凸パターンセルとして4種類の凹凸パターンセルが形成されている押圧転写加工用版の実施例について、図13を参照して説明する。図13は本実施例の押圧転写加工用版1の(A)は平面図であり、押圧転写加工用版1の表面には円形を形成する第1画像4aと、三角形を形成する第2画像4bと、「B2C3E4」反転文字を形成するさらなる所望画像6が形成されている。図13において、(B)は第1画像4aの一部分の拡大図であり、(C)は第2画像4bの一部分の拡大図であり、(D)は背景領域5の一部分の拡大図である。(E)は第1画像4aと第2画像4bとが重なっている重なり画像領域4abの一部分の拡大図である。また、(F)はさらなる所望画像の一部分の拡大図である。複数種類の凹凸パターンセルとして、傾斜角度が30度の2本の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと、傾斜角度が60度の2本の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bと、傾斜角度が150度の2本の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aと、傾斜角度が120度の2本の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bの4種類の凹凸パターンセルが刻設されている。本実施例では、格子状に区切るための縦線と横線が形成されている。なお、本実施例において、縦線、横線および各3本の平行傾斜角度線の黒線部が凸状態で刻設されている。
図13(B)に示されるように、第1画像4aは、傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bと、第1画像4aに割り当てられた傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成される。図13(C)に示されるように、第2画像4bは、傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bと、第2画像4bに割り当てられた傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成される。図13(D)に示されるように、背景領域5は傾斜角度60度の平行線を刻設した第2鋭角凹凸パターンセル2bと傾斜角度120度の平行線を刻設した第2鈍角凹凸パターンセル3bとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図13(E)に示されるように、第1画像4aと第2画像4bが重なっている重なり画像領域4abは、第1画像4aに割り当てられた傾斜角度30度の平行線を刻設した第1鋭角凹凸パターンセル2aと、第2画像4bに割り当てられた傾斜角度150度の平行線を刻設した第1鈍角凹凸パターンセル3aとが縦方向及び横方向に交互に位置するように構成されている。図13(F)に示されるように、さらなる所望画像6は黒色で示される凸状態で構成されている。
本実施例において、図13(F)に示すさらなる所望画像6に形成された模様に換えて、第1画像および第2画像を形成する凹凸パターンセルの形状以外の任意の模様の形状に刻設された凹凸パターンが使用できる。例えば、さらなる所望画像6としては、図14の(A)から(H)に示されるような、多重直線群、多重曲線群、多重折線群、微細円群、微細多角形群などの微細凹凸形状群の凹凸模様、または凹凸のない平面形状により刻設形成されているパターンが使用できる。
図16に示される押圧転写加工装置に、図13に示される押圧転写加工用版1を装着して、ベースフィルム層と転写箔層とを有する転写箔材料11を使用して、実施例4で説明したような被加工物10に箔押し押圧転写加工を行うことができる。このようにして箔押し加工物に転写形成された画像形成体において、所望の角度から複数種類の画像のうちの1つの画像が明瞭に見えるとともに、左右方向または横方向、及び、上下方向または縦方向の全方向に見る角度を移動させた場合にも、1つの画像から他の画像へと見えるチェンジング画像が明瞭に変化して見える。さらに、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。また、さらなる所望画像6が全方向から見える。
実施例7
上記の実施例1から実施例6において、平板形状の略平面の表面形状を有する押圧転写加工用版について説明したが、本考案は、これに限定されることなく、押圧転写加工用版として円柱形状や円筒形状のロールを使用し、そのロールの表面に複数種類の凹凸パターンセルを刻設形成した構成の箔押加工用版も使用できる。例えば、図17に示されるようなロール形状の押圧転写加工装置を使用する加工方法も可能である。ロール状の押圧転写加工用版1aとしては、ロールの円周表面に実施例1から実施例6で説明した構成に相当する展開平面図の構成を有する凹凸パターンがロールの円周表面に刻設形成されたロール版、または、凹凸パターンを刻設したフレキシブルな薄板形状の版が表面に固定されているロール版が使用できる。このようなロール状の押圧転写加工用版1aとアンビルロール9aとが被加工物10aと転写箔材料4aの速度と同期してこれらを送る方向に回転しながら、それらの間に位置する被加工物10aと転写箔材料4aとを押圧する。これにより、被加工物10aの表面に複数種類の転写画像を有する画像形成体100が転写形成される。転写されなかった残りの転写箔材料4aは他方の方向に運び去られる。本実施例におけるその他の構成および変形例は、実施例1から実施例6で説明した内容と同じ例も適用できる。
このようにして箔押し加工物に転写形成された画像形成体において、実施例1から実施例6で得られた画像形成体と同じように、所望の角度から複数種類の画像のうちの1つの画像が明瞭に見えるとともに、左右方向または横方向、及び、上下方向または縦方向の全方向に見る角度を移動させた場合にも、1つの画像から他の画像へと見えるチェンジング画像が明瞭に変化して見える。さらに、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。
実施例8
実施例1、実施例2、および、実施例4から実施例7においては、転写箔材料を使用して、被加工物表面に画像形成体100を転写形成する方法について説明したが、これに限定されることなく、転写箔材料を使用しない型押し押圧転写加工装置を使用することも可能である。すなわち、図16の平板状押圧転写加工装置において、支持部材9の上に置かれた被加工物10に対し、押圧転写加工用版1を固定した熱盤7で支持して配置し、プレス8により上下方向に押圧・離反させて、押圧転写加工用版1に刻設された複数種類の画像を、直接に、被加工物10の表面に直接に転写することも可能である。また、図17のロール状押圧転写加工装置において、ロール状押圧転写加工用版1aとアンビルロール9aとの間に被加工物10を位置し、押圧転写加工用版1に刻設された複数種類の画像を、直接に、被加工物10の表面に直接に転写することも可能である。この場合、被加工物10は、押圧または押圧・加熱により変形可能な材質である場合に適用でき、例えば、紙類、ダンボール紙、プラスチック成形物、プラスチックフィルム、ゴム類、フェルト類、布類、または、これらを積層した複合材などの被加工物10が適用できる。このようにして形成された画像形成体100は、実施例1から実施例6で得られた画像形成体と同じように、所望の角度から複数種類の画像のうちの1つの画像が明瞭に見えるとともに、左右方向または横方向、及び、上下方向または縦方向の全方向に見る角度を移動させた場合にも、1つの画像から他の画像へと見えるチェンジング画像が明瞭に変化して見える。さらに、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。
実施例9
実施例1から実施例6では、格子状に区切られた凹凸パターンセルとして、互いに直交する縦線と横線により格子状に区切られた正方形の凹凸パターンセルの中に所定傾斜角度の平行複数線を刻設した実施例について説明したが、この構成に限定されることなく、図15の、(A)に示されるような菱形正四角形の凹凸パターンセル、(B)に示されるような長方形の凹凸パターンセル、(C)に示されるような平行四辺形の凹凸パターンセルなどに区切られた凹凸パターンセルが規則性を持って配列し、このような多角形の凹凸パターンセルの中に、所定の傾斜角度の平行複数線が凹凸形状で刻設されたような構成も可能である。たとえば、図15の(B)、(C)および(D)に示されるような四角形の凹凸パターンセルに区切られた凹凸パターンセルを構成する場合には、上記の実施例1から実施例6において、四角形のそれぞれの辺が隣り合う横方向と縦方向、または、横方向と斜め方向に、互いに異なる傾斜角度の平行複数線を有する凹凸パターンセルを隣り合うように組み合わせて配列することができる。このように押圧転写加工用版を使用して転写形成された画像形成体は、実施例1から実施例6で得られた画像形成体と同じように、所望の角度から複数種類の画像のうちの1つの画像が明瞭に見えるとともに、左右方向または横方向、及び、上下方向または縦方向の全方向に見る角度を移動させた場合にも、1つの画像から他の画像へと見えるチェンジング画像が明瞭に変化して見える。さらに、画像の重なり領域においても、全方向に見る角度を移動させた場合にも、複数種類の転写画像のうちの1つの画像から他の画像へと明瞭に画像がチェンジングして見える。ここで、このような格子状に区切られた凹凸パターンセルとして、実施例1から実施例6のように互いに直交する縦線と横線により格子状に区切られた正方形の凹凸パターンセルを形成する構成、または、図15の(B)、(C)および(D)に示されるような四角形の凹凸パターンセルに区切られた凹凸パターンセルを形成する構成によって、転写形成された画像形成体の見え方に若干の差が生じる。互いに直交する縦線と横線により格子状に区切られた正方形の凹凸パターンセルを形成する構成の場合には、左右上下の全方向から見た時、見える画像は同じような見え方の画像が見える。他方、図15の(B)、(C)および(D)に示されるような四角形の凹凸パターンセルに区切られた凹凸パターンセルを形成する構成の場合には、見る方向により、見える画像の感覚がやや異なって見える場合がある。しかし、チェンジング視認効果はいずれの場合も優れた効果を有する。したがって、目的に対応して、これらの凹凸パターンセルの形状が選択される。また、格子状に区切られた線がない構成も実施可能であり、この場合も、画像の見え方に若干の差があるが、しかしながら、チェンジング視認効果はいずれの場合も優れた効果を有する。