JP3141442B2 - ブリッジマン結晶成長用アンプル - Google Patents

ブリッジマン結晶成長用アンプル

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JP3141442B2
JP3141442B2 JP03244611A JP24461191A JP3141442B2 JP 3141442 B2 JP3141442 B2 JP 3141442B2 JP 03244611 A JP03244611 A JP 03244611A JP 24461191 A JP24461191 A JP 24461191A JP 3141442 B2 JP3141442 B2 JP 3141442B2
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啓一 桑原
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はブリッジマン結晶成長
用アンプルに関し、微小重力下において自由液面での融
液の温度差により生ずる表面張力差で引き起こされるマ
ランゴニ対流をアンプル内壁面の濡れ性を場所によって
変えることで抑制し、ブリッジマン結晶成長の際の結晶
欠陥や偏析などを防止できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】宇宙の微小重力環境を利用して地上では
得られない高純度の金属材料や高品質の半導体材料など
の製造を目的とする研究が種々行われており、その1つ
にブリッジマン結晶成長法を用いた材料の製造がある。
【0003】このブリッジマン結晶成長法では、図2に
示すように、結晶成長用にカーボン、石英、ボロンナイ
トライドなどを用いて略長円筒形のアンプル1を作り、
このアンプル1内に均一な結晶組織などを得ようとする
材料を固体化した状態で封入する。この後、宇宙空間な
どの微小重力環境下で、温度勾配を与えることができる
加熱炉で、まず全体を加熱してアンプル1内の材料を融
解させ、次いで、加熱炉によって融解した融液2に温度
勾配を与えるべくアンプル1の長さ方向の一端部から徐
々に冷却を行って凝固させて結晶3を成長させるように
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ブリッジマン結晶成長用のアンプル1を用いて結晶3を
成長させようとする場合、図3に図2中のA部分を拡大
して示すように、凝固時の体積収縮によって融液2とア
ンプル1の側面との間に空隙Sが生じ、このため融液2
に自由液面Fが形成され、この自由液面Fに発生する表
面張力でマランゴニ対流Mが生じてしまう。すなわち、
アンプル1内の材料を融解させた後、一端部から冷却し
て凝固させる場合、表面張力は温度の高い融液2側の液
表面で小さく、低温の結晶3側の液表面で大きくなるの
で、液分子は低温側に引っ張られて動き、表面の分子が
動くと内部の分子も徐々に引きずられて動きだし、全体
に流れが生じて対流現象となり、いわゆるマランゴニ対
流Mになってしまう。
【0005】このようなマランゴニ対流Mが生じると、
凝固面に温度のムラが生じ、結晶3の結晶界面Pが曲面
状になって、成分の分布が場所によって異なったり、結
晶3に方向性が出るなど結晶組織の不均一が生じるとい
う問題がある。また、こうして得られたアンプル1内の
結晶3は、中心部が比較的均一になるに過ぎず、利用し
ようとしても中心部分だけでは、非常に歩留まりが悪い
という問題がある。
【0006】この発明はかかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、微小重力下における発生が問題とな
り、結晶の成長に悪影響を及ぼすマランゴニ対流を抑制
することができ、均一組織の結晶を得ることができるブ
リッジマン結晶成長用アンプルを提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めこの発明のブリッジマン結晶成長用アンプルは、ブリ
ッジマン結晶成長用アンプルの内壁面の濡れ性を変え、
初期結晶成長端から最終結晶凝固端までの前記内壁面を
融液と濡れ易くする一方、最終結晶凝固端より外側の結
晶成長により自由液面が形成される前記内壁面を融液と
濡れ難くしたことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】このブリッジマン結晶成長用アンプルによれ
ば、ブリッジマン結晶成長用アンプルの内壁面の融液と
の濡れ性を場所によって変え、内部の融液が全て凝固し
て結晶となったときに空洞となる部分の内壁面を融液と
濡れ難くしておき、これ以外の初期結晶成長端から最終
結晶凝固端までの部分の内壁面を融液と濡れ易くするよ
うにしており、融液の凝固時の体積収縮によって生じる
自由液面を結晶成長部分から最も離れた端部分に生じさ
せるようにし、結晶成長部分に自由液面を形成させない
ようにしてマランゴニ対流を抑制し、結晶欠陥や偏析な
どのない結晶の成長を図るようにしている。
【0009】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1はこの発明のブリッジマン結晶成長
用アンプルの一実施例にかかる結晶成長用の材料を入れ
ない場合と同材料を入れた場合の概略断面図である。こ
のブリッジマン結晶成長用アンプルでは、アンプル10
内に結晶生成長用の材料が入れられるようになってお
り、結晶成長に際しては、材料を加熱して融液11の状
態とした後、一端(結晶成長端)10aから冷却しなが
ら徐々に凝固させて結晶12を他端(最終結晶凝固端)
10bに向かって連続して成長させるようにする。
【0010】この結晶成長用のアンプル10は、その内
壁面10cの融液11との濡れ性が材料の結晶成長方向
(アンプル10の一端10aと他端10bを結ぶ方向)
に変えてある。このアンプル10の内壁面10cの濡れ
性を変えることによって、融液11が内壁面10cと濡
れやすい場所では、融液11とアンプル10が接触して
自由液面Fが形成されず、逆に、融液11が内壁面10
cと濡れにくい場所では、融液11とアンプル10も接
触し難くなって自由液面Fが形成され易くなる。
【0011】そこで、結晶成長用のアンプル10の内壁
面10cの濡れ性を、結晶成長用材料を加熱溶融して融
液11としたのち、冷却を開始して結晶12にする開始
端部(初期結晶成長端)10aから完全に結晶12の成
長が完了する端部(最終結晶凝固端)10bまでの間L
1は融液11との濡れ性を良くし、結晶12の成長が完
了したときの結晶12の端部(最終結晶凝固端)10b
からアンプル10の端までの間L2の空洞13部分に対
しては融液11との濡れ性を悪くするようにする。
【0012】このようにアンプル10の内壁面10cの
融液11との濡れ性を変える場合、内壁面10c全体を
濡れ性の良い状態にすると、アンプル10の内壁面10
cと融液11との接触が結晶12の成長が始まって体積
収縮が生じる場合にも保持されるため、得られる結晶1
2の中心部に空洞を生じてしまう。また、アンプル10
の内壁面10c全体を濡れ性の悪い状態にすると、アン
プル10の内壁面10cと融液11とがある部分だけで
接触することになって、安定した状態で結晶を成長させ
ることができない。
【0013】このようなアンプル10の内壁面10cの
濡れ性を変える方法としては、たとえば、濡れ性を悪く
して融液11と内壁面10cとが接触しないようにする
内壁部分L2をボロンナイトライド、カーボン、石英等
の材料で形成するようにしたり、これらを内壁面10c
にコーティングするなどし、他の部分L1を融液11と
の濡れ性の良い材料、たとえば金や白金などで形成した
り、これらをコーティングするようにする。
【0014】このように構成されたブリッジマン結晶成
長用アンプル10を用いて行う結晶成長は、次のように
して行う。このアンプル10内に結晶成長用の材料を封
入した後、温度勾配を与えることができる加熱炉でまず
全体を加熱してアンプル10内の材料を融解させて融液
11とする。この状態では、融液11がアンプル10内
に空洞3がなく完全に充満した状態となり、アンプル1
0の内壁面10cの濡れ性の良否にかかわらず内壁面1
0c全体と接触した状態となる。
【0015】この後、融解した融液11に温度勾配を与
えるべくアンプル10の長さ方向の一端の初期結晶成長
端10aから徐々に冷却を行って凝固させながら結晶1
2を成長させる。この結晶成長材料の凝固の始まる極初
期の段階から、凝固にともなう体積収縮でアンプル10
の内容積に比べて結晶成長材料の体積が小さくなり、ア
ンプル10内のいずれかに空洞13が生じることになる
が、アンプル10の内壁面10cの濡れ性がアンプル1
0のL1の範囲とL2の範囲で変えてあるので、図1の
下側のアンプル10に示すように、濡れ性の良いL1部
分には結晶12及び融液11が接触し、空洞13が濡れ
性の悪い部分L2の端部に形成される。これにより、結
晶界面Pの近傍に融液11の自由液面Fが形成されるこ
とが無く、結晶界面Pは直線状となって融液11も移動
せず、マランゴニ対流が抑制される。
【0016】こうして結晶成長材料の凝固にともなって
結晶12が成長すると、結晶界面Pが軸方向に移動する
とともに、体積収縮量が大きくなって空洞13が大きく
なるが、空洞13が常にアンプル10の内壁面10cの
濡れ性が悪い部分L2にのみ形成されるので、結晶界面
Pでのマランゴニ対流が抑制される。
【0017】このように結晶界面Pの近傍のマランゴニ
対流が抑制されると、結晶界面Pが平面状となり、成分
の分布が均一化し、結晶組織も均一化されることなる。
したがって、ブリッジマン結晶成長方法で得られた結晶
12は中心部分だけでなく、広く全体を利用することが
でき、歩留まりが向上する。なお、この発明は、上記実
施例に限定するものでなく、この発明の要旨を変更しな
い範囲で各構成要素に変更を加えるようにしても良い。
【0018】
【発明の効果】以上、一実施例とともに具体的に説明し
たようにこの発明のブリッジマン結晶成長用アンプルに
よれば、ブリッジマン結晶成長用アンプルの内壁面の融
液との濡れ性を場所によって変え、内部の融液が全て凝
固して結晶となったときに空洞となる部分の内壁面を融
液と濡れ難くしておき、これ以外の初期結晶成長端から
最終結晶凝固端までの部分の内壁面を融液と濡れ易くし
たので、融液の凝固時の体積収縮によって生じる自由液
面を結晶成長部分から最も離れた端部分に生じさせ、結
晶成長部分に自由液面を形成させないようにしてマラン
ゴニ対流を抑制することができる。したがって、このブ
リッジマン結晶成長用アンプルを用いて得られたブリッ
ジマン結晶は、結晶欠陥や偏析などのなく、結晶組織が
均一で歩留まりの良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブリッジマン結晶成長用アンプルの
一実施例にかかる結晶成長用の材料を入れない場合と同
材料を入れた場合の概略断面図である。
【図2】従来のブリッジマン結晶成長用アンプルの縦断
面図である。
【図3】マランゴニ対流の説明図である。
【符号の説明】
10 ブリッジマン結晶成長用のアンプル 10a 初期結晶成長端 10b 最終結晶凝固端 10c 内壁面 11 融液 12 結晶 13 空洞 L1 濡れ性の良い範囲 L2 濡れ性の悪い範囲 F 自由液面 M マランゴニ対流 P 結晶界面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 B64G 7/00 CA(STN) JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブリッジマン結晶成長用アンプルの内壁
    面の濡れ性を変え、初期結晶成長端から最終結晶凝固端
    までの前記内壁面を融液と濡れ易くする一方、最終結晶
    凝固端より外側の結晶成長により自由液面が形成される
    前記内壁面を融液と濡れ難くしたことを特徴とするブリ
    ッジマン結晶成長用アンプル。
JP03244611A 1991-08-29 1991-08-29 ブリッジマン結晶成長用アンプル Expired - Fee Related JP3141442B2 (ja)

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