JP3142324B2 - 金属磁性粉末の製造法 - Google Patents

金属磁性粉末の製造法

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JP3142324B2 JP03259173A JP25917391A JP3142324B2 JP 3142324 B2 JP3142324 B2 JP 3142324B2 JP 03259173 A JP03259173 A JP 03259173A JP 25917391 A JP25917391 A JP 25917391A JP 3142324 B2 JP3142324 B2 JP 3142324B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度磁気記録媒体用の
磁性粉として用いられる、保磁力が高く、保磁力分布が
シャープであり、分散性に優れ、且つ酸化安定性に優れ
る金属磁性粉末の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高密度磁気記録媒体用の磁性粉として、
鉄を主成分とする金属磁性粉末の開発が進められ、オー
ディオテープ、ビデオ用テープ、フロッピーディスクと
して実用化されている。金属磁性粉末の現在実用化され
ている一般的な製造法は、鉄を主体とする針状のオキシ
水酸化鉄あるいは酸化鉄を還元性ガス中で加熱還元し
て、金属あるいは合金の粉末とした後、粒子表面に薄い
酸化皮膜を形成させる方法である。近年、磁気記録再生
装置の小型軽量化、高画質化、長時間化が進められ、そ
れに伴い使用する磁気記録媒体の高密度化が強く要望さ
れている。磁気記録媒体の高密度化を達成するために
は、使用する金属磁性粉末が、微細粒子であり、保磁力
が高く、飽和磁束密度が大きく、且つ分散性に優れ、酸
化安定性にも優れる必要がある。
【0003】金属磁性粉末の保磁力は、金属の組成が一
定であるならば、針状粒子の大きさに最も影響される。
一般論として、粒子の太さが一定であれば、針状粒子の
軸比(粒子の長さ/太さ)が大であるほど保磁力は高く
なる。しかるに、最近の高密度化に伴う、より短波長で
の記録再生の必要性から、金属磁性粉末粒子の長さはよ
り短いものが要望され、また磁気記録再生ヘッドの改良
が進められて、保磁力が高いものでも使用できるように
なり、より保磁力の高いものが強く要望されている。粒
子が短いものでも、粒子の太さがより小さくなり、軸比
が大に出来るならば、保磁力を高くすることが可能であ
るが、粒子の太さを小さくすることには限界がある。こ
の理由は、一つには粒子があまり細くなると、超常磁性
が発現して保磁力を示さないことであり、二つめには金
属磁性粉末には大気中で安全に取り扱えるようにするた
めに粒子の表面に酸化皮膜が形成されており、粒子があ
まり細かくなると酸化皮膜ばかりになり、磁性を示さな
くなってしまうからである。したがって微細粒子は必然
的に軸比の小さい粒子になり、保磁力を高くすることは
難しい傾向がある。飽和磁束密度は金属磁性粉末の組
成、粒子の大きさ、酸化皮膜の厚さにより変化する。組
成としては、鉄を主体とした合金を考えた場合、コバル
トの添加が有効である。粒子の大きさでは粒子が大きい
程、粒子表面の酸化皮膜の厚さが同じもの同士を比較す
ると、酸化皮膜の量と金属部分の割合において、金属部
分の割合が大きくなり、飽和磁束密度も当然のことなが
ら大きくなる。粒子体積が同じものを比較すると、酸化
皮膜の厚さが同じものでは、軸比の小さい方が表面積も
小さく、酸化皮膜の割合が小さくなり、飽和磁束密度は
大きくなる。しかし、軸比は保磁力に大きく影響するの
で、極端に小さくはできない。酸化皮膜を薄くすること
により、金属磁性粉末の飽和磁束密度は大きくはなる
が、大気中で安全に取り扱うこと、また磁気記録媒体と
した時の経時安定性を考えた場合、酸化皮膜を薄くする
ことは好ましくない。金属磁性粉末の分散性は、粒子の
形状、および表面の化学的性質が大きく影響し、媒体に
使用する樹脂との相性もあるが、一般論として、粒子が
微細になるほど分散は難しくなる方向である。金属磁性
粉末の酸化安定性(高温、高湿下でのσs の経時変化)
は、酸化皮膜の緻密さや粒子表面に被覆する形状保持剤
の種類によって変化するが、粒子が微細になり、表面積
が大きくなることにより、σs の経時変化が大きくな
り、酸化安定性は悪くなる傾向がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の磁気記録再生装
置の高性能化に伴い、使用する磁気記録媒体の高出力
化、低ノイズ化の要望が強く、使用する金属磁性粉末
も、微細で、保磁力が高く、飽和磁束密度の大きいもの
が望まれている。しかしながら、従来の技術では、上述
の事情によりこれらの項目を全て満足するような金属磁
性粉末は得られない。本発明はこの問題を解決すること
を目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこの問題を
解決するために種々の検討を行った結果、第一鉄塩とア
ルカリを混合した水懸濁液に、酸化性ガスを吹き込むこ
とによって得られたオキシ水酸化鉄を主体とする種結晶
の粒子表面に、酸化反応終了後、または酸化反応途中に
おいて、該懸濁液に非酸化性雰囲気下、酸化反応終了後
の場合には懸濁液に第一鉄塩水溶液及び稀土類元素化合
物および/またはケイ素化合物の水溶液を加えた後、酸
化反応途中の場合には稀土類元素化合物および/または
ケイ素化合物の水溶液を加え、酸化反応温度以上の温度
で熟成後、再び酸化性ガスを吹き込んでオキシ水酸化鉄
結晶を成長させた後、該オキシ水酸化鉄の表面に形状保
持剤を被覆し、次いで、非還元性雰囲気下、 500〜800
℃の温度で加熱処理し、しかる後、還元性ガスで加熱還
元することにより、前記の問題が解決できることを見出
し、本発明を完成するに到った。
【0006】本発明において使用される第一鉄塩として
は、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄が使用でき
る。またアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等の水酸化アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸ア
ンモニウム等の炭酸アルカリ、アンモニア等が使用でき
る。また、酸化性ガスとしては、酸素ガス、空気等の公
知のガスが使用できる。このようにして得られるオキシ
水酸化鉄としては、α−FeOOH 、β−FeOOH 、γ−FeOO
H 等があげられ、特にα−FeOOH 、γ−FeOOH が好まし
い。なお、該オキシ水酸化鉄の形状は、長軸長が0.05〜
0.3 μm 、軸比が3〜15の、針状、柱状、紡錘状、棒状
のものが好ましく、粒子中にCo,Ni,Cr,Mn,Mg,Ca,
Ba,Sr,Zn,Ti,Mo,Ag,Cu等の金属化合物が含まれる
場合にも有効である。本発明で使用される稀土類元素は
La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Y のうち少なくとも1種
類であり、これらの組合せでも有効である。添加量はオ
キシ水酸化鉄中の鉄に対して 0.3〜10wt%が好ましく、
0.5〜5.0 wt%がより好ましい。ケイ素化合物としては
メタ珪酸ソーダ、オルト珪酸ソーダ、水ガラスが使用出
来、その添加量はオキシ水酸化鉄中の鉄に対してケイ素
として 0.1〜5wt%が好ましく、さらに好ましくは 0.2
〜3wt%である。本発明で使用される形状保持剤として
は、Si,Al,B ,P のうち少なくとも1種類またはその
組合せが使用出来る。
【0007】本発明について、オキシ水酸化鉄を針状の
α−FeOOH とした場合を例として説明する。先ず、第一
鉄塩とアルカリを混合した水懸濁液に、酸化性ガスを吹
き込むことによって針状α−FeOOH を主体とする種結晶
を製造する。この時の酸化反応の温度は40〜70℃で、pH
は10.5以上が望ましい。またこの時、Co,Ni,Cr,Mn,
Mg,Ca,Ba,Sr,Zn,Ti,Mo,Ag,Cu等の金属化合物が
添加されていてもよい。次に種結晶の粒子表面に、酸化
反応終了後、または酸化反応途中において、該懸濁液に
非酸化性雰囲気下、酸化反応終了後の場合には懸濁液に
第一鉄塩水溶液および稀土類元素化合物および/または
ケイ素化合物の水溶液を加えた後、酸化反応途中の場合
には稀土類元素化合物および/またはケイ素化合物の水
溶液を加え、酸化反応温度以上の温度で熟成後、再び酸
化性ガスを吹き込んで針状α−FeOOHの結晶を成長させ
る。この反応で稀土類元素化合物および/またはケイ素
化合物の添加方法は種々あるが、酸化反応終了後の場合
には、添加する第一鉄水溶液と稀土類化合物水溶液を別
々に添加しても、予め混合した水溶液を添加してもよ
い。ケイ素化合物水溶液は酸化反応終了後、第一鉄塩水
溶液を添加する前のα−FeOOH の懸濁液中に添加しても
よいし、また第一鉄塩水溶液を添加した後、この水酸化
第一鉄とα−FeOOH の懸濁液中に添加してもよい。この
工程で添加される第一鉄塩の量は添加される鉄/α−Fe
OOH 中の鉄比で10〜50モル%が好ましい。これより少な
いと添加する稀土類元素化合物および/またはケイ素化
合物が完全に成長時に取り込まれない。これより多いと
成長がうまく行われず、新たにα−FeOOH結晶の核
の生成が起こり、粒子の揃いが悪くなる。熟成及び成長
反応の温度は酸化反応の温度以上で行うことが望まし
い。成長反応が酸化反応温度以下で行われると成長がう
まく行われず、新たに核の生成が起こり、粒子の揃いが
悪くなる。また反応途中で稀土類元素化合物および/ま
たはケイ素化合物を添加する場合には稀土類化合物の水
溶液を水酸化第一鉄とα−FeOOH の懸濁液に添加しても
よいし、ケイ素化合物の水溶液を水酸化第一鉄とα−Fe
OOH 懸濁液に添加してもよい。また稀土類化合物とケイ
素化合物の両方を添加する場合には、反応途中の水酸化
第一鉄とα−FeOOH 懸濁液にそれぞれの化合物の水溶液
を添加してもよいし、予め両者をよく混合して添加して
もよい。この時の酸化反応率は50〜90%が適当である。
酸化反応率が50%より低いときに添加すると、新たに核
が生成し、粒子の揃いが悪くなり、また酸化反応率が90
%を越えたときに添加すると、添加する稀土類元素化合
物および/またはケイ素化合物が完全に成長時に取り込
まれない。またこの工程で添加される稀土類元素は添加
される鉄+α−FeOOH 中の鉄に対し、 0.3〜10wt%が好
ましく、またケイ素量は 0.1〜5.0wt %の範囲が好まし
い。これより量が少ないと期待される形状保持効果が得
られず、保磁力の向上が望めない。これより量が多いと
飽和磁束密度が低下したり、還元に長時間を要する等の
問題が出てくる。この工程で使用される第一鉄塩および
稀土類元素化合物としては、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等
の水溶性塩が使用できる。次いで、粒子の表面近傍に稀
土類元素化合物および/またはケイ素化合物をドープし
たα−FeOOH 懸濁液を攪拌しながら、Al,Si,B ,Pの
化合物の単独もしくはこれら化合物の組合せを含む水溶
液を添加し、pHを酸、またはアルカリを添加して5〜10
に調整することで被着し、濾過、洗浄、乾燥する。次い
で、非還元性雰囲気中で 500〜800 ℃の温度で加熱処理
し、しかる後、還元性ガスで加熱還元することで金属磁
性粉末を得る。
【0008】
【作用】本発明の第一の効果は加熱還元時の粒子の形状
保持効果にある。従来の技術においても粒子表面にAl,
Si,B , P 等の化合物の一種、またはこれらの組合せを
存在させ、形状保持効果を得ているが、本発明では、形
状保持剤の下層に稀土類元素化合物および/またはケイ
素化合物をドープさせておくことにより、形状保持効果
がさらに優れたものになり、その結果として、ほぼ同じ
サイズの粒子で従来技術で製造したものと、粉体磁気特
性を比較すると、保磁力が顕著に高くなり、角型比も向
上する。また、温度=60℃、相対湿度=90%雰囲気中で
1週間放置した後の飽和磁束密度(σs )の保持率も高
く、酸化安定性にも優れている。さらに、この金属磁性
粉末をテープ化して磁気特性を測定すると、Br,角型
比、S.F.D(突発性周波数変動)が従来技術で製造
したものに比較して優れている。このことは、本発明で
製造した金属磁性粉が塗料中での分散性、パッキング性
に優れることを示している。また、テープでのS.F.
D.が小さいことは、粉体の保磁力分布がシャープであ
ることを示している。本発明で得られた金属磁性粉末の
この優れた特性の発現理由については明らかではない
が、形状保持剤の下層に難還元性で、酸素との親和力の
強い稀土類元素化合物および/またはケイ素化合物が存
在することにより、熱処理時の熱による歪みで粒子表面
の形状保持剤と内部の鉄を主体とする酸化物が遊離した
り、加熱還元時に、内部の酸化物が還元され収縮して粒
子内に空孔を生じたり、粒子がちぎれたり、粒子の一部
分だけが還元が進行してコブのついた粒子になったり、
あるいは粒子同士が焼結すること等を防止する効果が顕
著に現れるためと考えられる。
【0009】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0010】実施例1 窒素ガスを流して酸化性ガスを追い出した容器に、2.0m
ol/lの塩化第一鉄水溶液4リットルと1.5mol/lの水酸化
ナトリウム水溶液20リットルを混合した懸濁液に、空気
を1時間吹き込むことによって、完全に酸化し、針状の
α−FeOOH を得た。この時の反応は40℃の温度で行っ
た。この懸濁液に非酸化性雰囲気下で、0.5mol/lの塩化
第一鉄水溶液2リットルおよび0.1mol/lの塩化ランタン
水溶液1リットルを加え、1時間攪拌した。この時の熟
成は45℃の温度で行った。この後再び空気を吹き込み、
ランタンを表面にドープした針状のα−FeOOH を得た。
このα−FeOOH を濾過、水洗後、再び40リットルの蒸留
水に分散させ、この懸濁液に0.5mol/lの塩化アルミニュ
ーム水溶液2リットルを添加して30分間攪拌した。水酸
化ナトリウム水溶液を徐々に添加して懸濁液のpHを8に
調整して、水酸化アルミニュームを針状のα−FeOOH 粒
子の表面に被覆した。この懸濁液を濾過、水洗後、120
℃の乾燥器中で乾燥した。この乾燥ケーキを窒素雰囲気
中 700℃で3時間熱処理し、次いで、水素ガス流下 470
℃の温度で6時間還元した。還元後、ガスを窒素ガスに
変え、温度を室温まで下げた後、窒素ガス流中に空気を
徐々に流して、常法により安定化処理を行って長軸長
0.2μm、軸比10の金属磁性粉末を得た。透過電子顕微鏡
で粒子を観察したところ、形崩れや焼結のない、また粒
子中に空孔の少ない粒子であった粉末の磁気特性及び温
度=60℃、相対湿度=90%中での1週間後の飽和磁束密
度(σs )の数値を表1に示した。また、得られた金属
磁性粉末をテープ化して測定した磁気特性を表2に示し
た。テープ化は以下の方法で行った。又、以下の実施
例、比較例についても同様に、金属磁性粉末の磁気特性
を表1に、テープにした場合の磁気特性を表2に示し
た。
【0011】テープ化の方法及び評価 金属粉末100gとポリウレタン樹脂11g 、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体7.75g 、トルエン/メチルエチルケト
ン/シクロヘキサノン=1/1/1の混合溶液345gとを
混合し、サンドグラインダーで5時間分散を行って磁性
塗料を作成した。この塗料に架橋剤としてコロネートL
を2.5g添加したのち、ポリエステルフィルムに塗布し、
3000ガウスの磁界を印加して、50℃の温度で乾燥した。
次いで80℃、線圧200Kg/cmでカレンダー処理を行い、60
℃で24時間熟成を行った後、カットしてVSM磁力計を
用いて最大印加磁場5kOe で磁気特性を測定した。
【0012】実施例2〜4 稀土類金属元素の種類および添加量を変えた以外は実施
例1と同様にして金属磁性粉末を得た。
【0013】実施例5 窒素ガスを流して酸化性ガスを追い出した容器に、8.0m
olの塩化第一鉄と0.3molの塩化ニッケルを4リットルの
蒸留水に溶解した混合溶液と1.5mol/lの水酸化ナトリウ
ム水溶液20リットルを混合した懸濁液に、空気を1時間
吹き込むことによって完全に酸化し、針状のα−FeOOH
を得た。この時の反応は40℃の温度で行った。この懸濁
液に非酸化性雰囲気下0.5mol/lの塩化第一鉄水溶液2リ
ットルおよびSiO2換算で100g/lの濃度の水ガラスを75ml
加え、1時間攪拌した。この時の熟成は45℃の温度で行
った。この後再び空気を吹き込みケイ素化合物を表面に
ドープした針状のα−FeOOH を得た。この針状のα−Fe
OOH を濾過、水洗後、再び40リットルの蒸留水に分散さ
せ、この懸濁液に0.5mol/lの塩化アルミニューム水溶液
2リットルを添加し、30分攪拌した。水酸化ナトリウム
水溶液を徐々に添加してpHを8に調整して水酸化アルミ
ニュームを針状のα−FeOOH の表面に被覆した。この懸
濁液を濾過、水洗後 120℃の乾燥機中で乾燥した。この
乾燥ケーキを窒素雰囲気下、 700℃で3時間熱処理し、
次いで水素ガス流下、 470℃の温度で6時間還元を行っ
た。還元後、ガスを窒素ガスに変え、温度を室温まで下
げた後、窒素ガス流中に空気を徐々に流して常法により
安定化処理を行って金属磁性粉末を得た。
【0014】実施例6 窒素ガスを流して、酸化性ガスを追い出した容器に、8.
0molの塩化第一鉄と0.25mol の塩化ニッケルを4リット
ルの蒸留水に溶解した混合溶液と1.5mol/lの水酸化ナト
リウム水溶液20リットルを混合した懸濁液に、空気を40
分間吹き込むことによって、第一鉄の70%を酸化した。
この時の反応は40℃の温度で行った。この懸濁液に非酸
化性雰囲気下、0.1mol/lの塩化ネオジム1リットルおよ
びSiO2換算で、100g/lの濃度の水ガラスを70ml加え、1
時間攪拌した。この時の熟成は45℃の温度で行った。こ
の後再び空気を吹き込み、ネオジム化合物及びケイ素化
合物をドープした針状のα−FeOOH を得た。この針状の
α−FeOOH を濾過、水洗後、再び40リットルの蒸留水に
分散させ、この懸濁液に0.5mol/lの塩化アルミニューム
水溶液2リットルを添加し、30分攪拌した。水酸化ナト
リウム水溶液を徐々に添加してpHを8に調整し、水酸化
アルミニュームを針状のα−FeOOH の表面に被覆した。
この懸濁液を濾過、水洗後 120℃の乾燥器中で10時間乾
燥した。この乾燥ケーキを窒素雰囲気中 700℃の温度で
3時間熱処理し、次いで水素ガス流下、500 ℃の温度で
6時間還元を行った。還元後、ガスを窒素ガスに変え、
温度を室温まで下げた後、窒素ガス流中に空気を徐々に
流して常法により安定化処理を行って金属磁性粉末を得
た。
【0015】実施例7 窒素ガスを流して酸化性ガスを追い出した容器に、8.0m
olの塩化第一鉄と0.25mol の塩化ニッケルを4リットル
の蒸留水に溶解した混合溶液と1.5mol/lの水酸化ナトリ
ウム水溶液20リットルを混合した懸濁液に、空気を40分
間吹き込むことによって、第一鉄の70%を酸化した。こ
の時の反応は40℃の温度で行った。この懸濁液に非酸化
性雰囲気下、0.1mol/lの塩化ネオジム1リットルおよび
SiO2換算で100g/l濃度の水ガラスを70ml加え、1時間攪
拌した。この時の熟成は45℃の温度で行った。この後再
び空気を吹き込み、ネオジム化合物およびケイ素化合物
をドープした針状のα−FeOOH を得た。この針状のα−
FeOOH を濾過、水洗後、再び40リットルの蒸留水に分散
させ、この懸濁液に成長反応に使用したものと同じ濃度
の水ガラス900ml を添加し、30分攪拌した。塩酸水溶液
を徐々に添加してpHを8に調整してケイ素化合物を針状
のα−FeOOH の表面に被覆した。この懸濁液を濾過、水
洗して 120℃の乾燥器中で10時間乾燥した。この乾燥ケ
ーキを窒素雰囲気中 600℃の温度で3時間熱処理し、次
いで、水素ガス流下 520℃で6時間還元した。安定化は
実施例1と同じように行い金属磁性粉末を得た。
【0016】実施例8 窒素ガスを流して、酸化性ガスを追い出した容器に、2.
0mol/lの塩化第一鉄水溶液4リットルと2mol/l の塩化
コバルト水溶液 200mlおよび1.5mol/lの水酸化ナトリウ
ム水溶液20リットルを混合した懸濁液に、空気を40分間
吹き込むことによって、第一鉄の70%を酸化した。この
時の反応は40℃の温度で行った。この懸濁液に非酸化性
雰囲気下、0.1mol/lの塩化ネオジム水溶液を1リットル
およびSiO2換算で100g/lの濃度の水ガラスを70ml加え、
1時間攪拌した。この時の熟成は45℃の温度で行った。
この後再び空気を吹き込みネオジム化合物およびケイ素
化合物をドープした針状のα−FeOOH を得た。この針状
のα−FeOOH を濾過、水洗後、再び40リットルの蒸留水
に分散させ、この懸濁液に0.5mol/lの塩化アルミニュー
ム水溶液1リットルを添加し、30分攪拌した。水酸化ナ
トリウム水溶液を徐々に添加してpHを8に調整して、水
酸化アルミニュームを針状のα−FeOOH に被覆した。こ
の懸濁液を濾過、水洗後、圧搾して水分を良く絞った湿
ケーキを得た。この湿ケーキに0.25mol の硼酸をできる
だけ少量の蒸留水に溶解した水溶液を加え、十分に混合
し、 120℃の乾燥器中で10時間乾燥した。この乾燥ケー
キを窒素雰囲気下 550℃の温度で熱処理し、次いで、水
素ガス流下、 480℃の温度で6時間還元した。安定化は
実施例1と同様に行い金属磁性粉末を得た。
【0017】実施例9 窒素ガスを流して酸化性ガスを追い出した容器に、2.0m
ol/lの塩化第一鉄水溶液4リットルと2.0mol/lの塩化コ
バルト水溶液200ml 、および0.5mol/lの炭酸ナトリウム
水溶液20リットルを混合した懸濁液に、空気を1時間吹
き込むことによって、完全に酸化し紡錘状のα−FeOOH
を得た。この時の反応は40℃の温度で行った。この懸濁
液に非酸化性雰囲気下、0.5mol/lの塩化第一鉄水溶液2
リットルおよび0.1mol/lの塩化ネオジム水溶液1リット
ルとSiO2換算で100g/lの濃度の水ガラスを36ml加え、1
時間攪拌した。この時の熟成は45℃の温度で行った。こ
の後再び空気を吹き込みネオジム化合物およびケイ素化
合物をドープした紡錘状のα−FeOOH を得た。この紡錘
状のα−FeOOH を濾過、水洗後、再び40リットルの蒸留
水に分散させ、この懸濁液に成長反応で使用したのと同
じ濃度の水ガラス400ml を添加し、30分間攪拌した。塩
酸水溶液を徐々に添加しpHを8に調整し、ついで0.5mol
/lの塩化アルミニューム水溶液1リットルを添加し、30
分間攪拌した。水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し
pHを8に調整し、紡錘状のα−FeOOHの表面にケイ素化
合物および水酸化アルミニュームを被覆した。この懸濁
液を濾過、水洗後 120℃の乾燥器中で10時間乾燥した。
この乾燥ケーキを窒素雰囲気中 500℃で3時間熱処理
し、次いで、水素ガス流下 480℃で6時間還元した。安
定化処理は実施例1と同様に行い金属磁性粉末を得た。
【0018】比較例1 ランタン化合物をドープしなかった以外は実施例1と同
様な操作で金属磁性粉末を得た。
【0019】金属磁性粉末を透過型電子顕微鏡で観察し
たところ、粒子の形崩れや粒子中に空孔のあるものが目
立った。
【0020】比較例2 ケイ素化合物をドープしなかった以外は実施例5と同様
な操作で金属磁性粉末を得た。
【0021】比較例3 ネオジム化合物、ケイ素化合物をドープしなかった以外
は実施例7と同様な操作で金属磁性粉末を得た。
【0022】比較例4 ネオジム化合物、ケイ素化合物をドープしなかった以外
は実施例9と同様な操作で金属磁性粉末を得た。
【0023】
【表1】
【0024】(表1の注) *1 :( )内は種結晶のオキシ水酸化鉄中にドープさ
れている金属。 *2 :窒素吸着法で測定した比表面積値。 *3 :温度=60℃、相対湿度=90%中に1週間放置した
後のσs 値。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】表1,2で明らかなように、本発明で得
られた金属磁性粉末は従来の方法で得られたものに比較
して保磁力が高く、分散性も良好であり、且つ酸化安定
性も優れているものである。テープにした時のS.F.
D値も小さく、保磁力分布もシャープであることを示し
ている。従って、高密度磁気記録媒体用の磁性粉として
好適のものである。特に、金属磁性粉末の軸比が小さく
ても十分な保磁力が得られるので、短波長記録再生用の
媒体の磁性粉として最適のものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 功 群馬県渋川市金井425番地 関東電化工 業株式会社研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平3−162508(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 9/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一鉄塩とアルカリを混合した水懸濁液
    に、酸化性ガスを吹き込むことによって得られたオキシ
    水酸化鉄を主体とする種結晶の粒子表面に、酸化反応途
    中において、該懸濁液に非酸化性雰囲気下、稀土類元素
    化合物および/またはケイ素化合物の水溶液を加え、酸
    化反応温度以上の温度で熟成後、再び酸化性ガスを吹き
    込んでオキシ水酸化鉄結晶を成長させた後、該オキシ水
    酸化鉄の表面に形状保持剤を被覆し、次いで、非還元性
    雰囲気下、 500〜800℃の温度で加熱処理し、しかる
    後、還元性ガスで加熱還元することを特徴とする金属磁
    性粉末の製造法。
  2. 【請求項2】 第一鉄塩とアルカリを混合した水懸濁液
    に、酸化性ガスを吹き込むことによって得られたオキシ
    水酸化鉄を主体とする種結晶の粒子表面に、酸化反応終
    了後、該懸濁液に非酸化性雰囲気下、懸濁液に第一鉄塩
    水溶液と稀土類元素化合物および/またはケイ素化合物
    の水溶液を加えた後、酸化反応温度以上の温度で熟成
    後、再び酸化性ガスを吹き込んでオキシ水酸化鉄結晶を
    成長させた後、該オキシ水酸化鉄の表面に形状保持剤を
    被覆し、次いで、非還元性雰囲気下、 500〜800 ℃の温
    度で加熱処理し、しかる後、還元性ガスで加熱還元する
    ことを特徴とする金属磁性粉末の製造法。
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