JP3143839B2 - 放射性廃液の処理方法 - Google Patents

放射性廃液の処理方法

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JP3143839B2 JP05099264A JP9926493A JP3143839B2 JP 3143839 B2 JP3143839 B2 JP 3143839B2 JP 05099264 A JP05099264 A JP 05099264A JP 9926493 A JP9926493 A JP 9926493A JP 3143839 B2 JP3143839 B2 JP 3143839B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウラン及びウランの娘
核種であるβ崩壊核種を含む放射性廃液からこれらの放
射性物質を効率的に除去する放射性廃液の処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】原子燃料転換施設において六フッ化ウラ
ンの転換工程から排出されるプロセス廃液中にはウラン
及びトリウム等のウランの娘核種であるβ崩壊核種の放
射性物質が含まれている。このプロセス廃液に水ガラス
を添加してこれらの放射性物質を凝集沈澱させてこのプ
ロセス廃液から除去する方法が特公昭48ー38320
号公報に開示されている。この方法では、水ガラス(珪
酸ソーダ)がアンモニア溶液中又は酸性溶液中で、大き
な表面積と活性を有する極性吸着剤である無定型シリカ
の澱物を形成することを利用して、上記プロセス廃液中
のウラン及びウランの娘核種であるβ崩壊核種等の放射
性物質を吸着捕集し、この廃液からこれらの放射性物質
を除去回収している。この方法によれば50〜200p
pm程度の放射性物質を含むプロセス廃液から放射性物
質を除去してウラン濃度を約100ppbまでにするこ
とが可能である。
【0003】一方、将来、使用済核燃料を再処理して回
収されたウランから作られた核燃料を転換した場合に
は、その転換工程から排出されるプロセス廃液中には高
放射性のウラン(ウランの同位体)が含まれることが予
測され、これらの廃液の放射能濃度を排出基準値まで低
減させるためには、ウラン濃度として10〜20ppb
程度まで低減させることが必要となる。このことから上
記従来の水ガラス処理法では十分に対応できなくなるこ
とが予測される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これまでプロセス廃液
に水ガラスを添加してこれらの放射性物質を凝集沈澱さ
せてこのプロセス廃液から除去する方法が上記特公昭4
8−38320号の方法以外に、種々提案されているが
(特公昭60−636,特公昭61−26040,特公
平−33117)、将来廃液中のウラン放射能濃度が増
加することを考慮すると、いずれの方法もウランの除去
においてなお改良の余地があった。一方、プロセス廃液
を水ガラスで処理した場合には、廃液中にシリカが溶け
込んで、時間の経過とともにシリカが沈澱物となって再
析出して、処理済みの廃液の排出等に支障を来たす場合
もある。
【0005】本発明の目的は、ウラン及びウランの娘核
種であるβ崩壊核種を含む放射性廃液からこれらの放射
性物質をより効率的に除去する放射性廃液の処理方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ウラン及びウ
ランの娘核種であるβ崩壊核種を含む放射性廃液に水ガ
ラスを添加してウラン及びβ崩壊核種を除去する放射性
廃液の処理方法の改良である。その特徴あるところは、
水ガラスに加えてアルミナゾルを添加することにある。
【0007】以下、本発明を詳述する。本発明で処理さ
れる放射性廃液は、主として六フッ化ウランの転換工程
から排出されるプロセス廃液であって、ウラン及びトリ
ウム、プロトアクチニウム等のウランの娘核種であるβ
崩壊核種を含む。即ち、この放射性廃液はフッ化ウラニ
ル水溶液にアンモニア水を加えることによって生じた重
ウラン酸アンモニウム(ADU)のスラリーをろ過して
得たろ液(通常の転換工程廃液)である。これ以外の放
射性廃液として硝酸ウラニル水溶液にアンモニア水を加
えることによって生じた重ウラン酸アンモニウム(AD
U)のスラリーをろ過して得たろ液(硝酸系の廃液)等
がある。
【0008】本発明の水ガラスには、珪酸ソーダ、珪酸
カリ等の珪酸アルカリ塩が挙げられる。また上記放射性
廃液に水ガラスに加えて添加されるアルミナゾルは水を
分散媒としたアルミナ水和物のコロイド液である。水ガ
ラス及びアルミナゾルの各添加量は上記放射性廃液の総
量並びにウラン及びウランの娘核種であるβ崩壊核種の
含有量に応じて変動する。水ガラスの添加量を1とする
とき、アルミナゾルの添加量は容積比で0.1〜1の範
囲内にあることが望ましい。0.1未満ではアルミナゾ
ルを添加した効果に乏しく、1を越えても1と同等の放
射性物質の除染係数しか得られないためである。この除
染係数を高めるために、水ガラスを添加した後にアルミ
ナゾルを添加することが好ましく、またアルミナゾルを
2回添加した後に水ガラスを添加することがより好まし
い。
【0009】
【作用】放射性廃液に水ガラスとアルミナゾルを添加す
ると、廃液中にシリカ粒子とアルミナ粒子がコロイド粒
子として分散する。正に帯電したアルミナ粒子が負に帯
電したシリカ粒子を吸着し中和する。これにより、廃液
中においてシリカ粒子とアルミナ粒子は電気的な吸引力
で凝集して沈澱する。このときシリカの凝集効果は水ガ
ラス単独の場合に比べてアルミナの作用のため更に良好
となり、これに伴いウラン及びβ崩壊核種の捕集効果も
増加する。従って、従来の水ガラス単独の場合に比べ
て、更に高い除染効果が得られ、廃液中のウラン及びβ
崩壊核種の濃度が更に低減できる。これは廃液中に残存
(溶存)しているシリカ濃度がアルミナゾルを添加した
場合に低くなることからも確認できる。またこれは廃液
中のシリカ濃度を低減させる効果もある。なお沈澱によ
り捕集されたウランは後に硝酸で溶出され容易に回収さ
れる。
【0010】
【実施例】次に本発明の具体的態様を示すために、本発
明の実施例を説明する。以下に述べる実施例は本発明の
技術的範囲を限定するものではない。 <実施例1>ウラン及びウランの娘核種であるβ崩壊核
種を含む放射性廃液として六フッ化ウランの転換工程か
ら排出されるウラン濃度が20ppmのプロセス廃液
(通常の転換工程の廃液)を準備した。この廃液100
mLをビーカに入れ、珪酸ソーダを200g/L含む水
ガラスをこの廃液に0.94mL添加し、マグネチック
スターラを用いて5分間撹拌した。次いで同じ水ガラス
を0.94mL添加し、5分間撹拌した。
【0011】次にこの混合液にアルミナゾル(商品名:
「アルミナゾル−100」、日産化学(株)製)を1.
88mL添加して10分間撹拌した。水ガラス及びアル
ミナゾルの添加により負に帯電したシリカ粒子と正に帯
電したアルミナ粒子は電気的な吸引力で凝集して沈澱し
た。この凝集沈澱物をブフナロートを使用して吸引ろ過
した。得られたろ液に含まれるウラン及びβ崩壊核種の
うちβ崩壊核種は廃液中に極めて微量にしか存在しない
ので、ウランを代表してそのウラン濃度を蛍光光度計を
用いて測定し、この測定値に基づいて除染係数を計算し
た。またろ液のシリカ濃度を誘導結合プラズマ発光分析
装置を用いて測定した。これらの結果を表1に示す。な
お、「アルミナゾル−100」は水を分散媒としたベー
マイト系のアルミナ水和物のコロイド液であって、アル
ミナ含有率10〜11重量%、pH2.5〜4.5、比
重(20℃)1.09〜1.14、平均粒径100〜1
0000nm、粘度(25℃)100〜10000CP
の特性を有し、アルミナ粒子の電荷は陽性を示す。
【0012】<実施例2>実施例1と同じ混合液に同一
のアルミナゾルを0.24mL添加したことを除いては
実施例1の工程を繰り返した。その結果を表1に示す。
【0013】<比較例1>実施例1と同じ混合液にアル
ミナゾルを全く添加しなかったことを除いては実施例1
の工程を繰り返した。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1より明らかなように、比較例1では2
0ppmであったウラン濃度を約50ppb(除染係
数:約420)までしか低減することができなかったも
のが、実施例1及び実施例2ではウラン濃度を約15p
pb(除染係数:約1300)まで低減することができ
た。これは比較例1の約1/3強の値であった。また比
較例1のシリカ濃度が373ppmであったのに対し
て、実施例1及び実施例2のシリカ濃度はそれぞれ13
2ppm及び199ppmであり、比較例1の約1/3
〜1/2の値を示し、大幅に低減していることが判る。
また比較例1では水ガラスの添加した数分後にシリカの
沈澱が析出したのに対して、実施例1及び実施例2では
1週間放置してもシリカの沈澱は析出しなかった。
【0016】<実施例3>ウラン及びウランの娘核種で
あるβ崩壊核種を含む放射性廃液として硝酸ウラニル水
溶液にアンモニア水を加えることによって生じた重ウラ
ン酸アンモニウム(ADU)のスラリーをろ過して得た
ウラン濃度が20ppmのろ液(硝酸系の廃液)を準備
した。この廃液100mLをビーカーに入れ、珪酸ソー
ダを200g/L含む水ガラスをこの廃液に0.94m
L添加し、マグネチックスターラを用いて5分間撹拌し
た。次いでこの混合液に実施例1と同じアルミナゾルを
0.94mL添加して10分間撹拌した。水ガラス及び
アルミナゾルの添加により実施例1と同じように凝集沈
澱物が生成した。この凝集沈澱物を実施例1と同様に吸
引ろ過した。得られたろ液に含まれるウラン及びβ崩壊
核種のうち、ウランを代表してそのウラン濃度を実施例
1と同様に測定し、この測定値に基づいて除染係数を計
算した。またろ液のシリカ濃度を実施例1と同様に測定
した。これらの結果を表2に示す。
【0017】<比較例2>実施例3において、アルミナ
ゾルを添加しない以外は実施例3と同様にして凝集沈澱
物を生成した。ウラン濃度、除染係数、シリカ濃度を実
施例3と同様に求めた。その結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】表2より明らかなように、比較例2では2
0ppmであったウラン濃度を約401ppb(除染係
数:約130)までしか低減することができなかったも
のが、実施例3ではウラン濃度を約55ppb(除染係
数:約912)まで低減することができた。また比較例
2のシリカ濃度が360ppmであったのに対して、実
施例3のシリカ濃度は150ppmであり、比較例2の
約2/5の値を示し、大幅に低減していることが判る。
また比較例2では水ガラスの添加した数分後にシリカの
沈澱が析出したのに対して、実施例3では1週間放置し
てもシリカの沈澱は析出しなかった。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ウ
ラン及びウランの娘核種であるβ崩壊核種を含む放射性
廃液に水ガラスに加えてアルミナゾルを添加することに
よって、水ガラスのみでは十分に捕捉しきれなかったウ
ラン及びβ崩壊核種をより効率的に捕捉することができ
る。更に廃液中においてシリカ粒子とアルミナ粒子が電
気的な吸引力で凝集して沈澱するため、シリカ濃度を従
来と比べてより一層低減することができ、シリカ沈澱の
再析出を防止することもできる。これにより処理済みの
廃液の排出に支障を来たすことがなくなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 建二 茨城県那珂郡那珂町大字向山字六人頭 1002番地の14 三菱マテリアル株式会社 那珂原子力開発センター内 (56)参考文献 特開 昭52−142199(JP,A) 特開 昭53−2319(JP,A) 特開 昭56−109825(JP,A) 特開 昭57−172298(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/10 G21F 9/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウラン及びウランの娘核種であるβ崩壊
    核種を含む放射性廃液に水ガラスを添加してウラン及び
    β崩壊核種を除去する放射性廃液の処理方法において、 前記水ガラスに加えてアルミナゾルを添加することを特
    徴とする放射性廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 水ガラスを1回又は2回添加した後にア
    ルミナゾルを添加する請求項1記載の放射性廃液の処理
    方法。
  3. 【請求項3】 β崩壊核種はトリウム又はプロトアクチ
    ニウムを含む請求項1記載の放射性廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】 水ガラスの添加量とアルミナゾルの添加
    量の容積比が1:0.1〜1である請求項1記載の放射
    性廃液の処理方法。
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CN112053794B (zh) * 2020-09-11 2024-03-22 中乌先楚核能科技有限公司 一种利用纳米复合吸附材料对放射性废水深度净化的方法

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