JP3144328B2 - 熱電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

熱電変換素子およびその製造方法

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JP3144328B2 JP34287896A JP34287896A JP3144328B2 JP 3144328 B2 JP3144328 B2 JP 3144328B2 JP 34287896 A JP34287896 A JP 34287896A JP 34287896 A JP34287896 A JP 34287896A JP 3144328 B2 JP3144328 B2 JP 3144328B2
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  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電変換素子および
その製造方法に関し、より詳しくは、熱電半導体と電極
との接合信頼性を改善した熱電変換素子およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱電変換素子としては、特開平4
−249385号公報に記載されたものがある。この熱
電変換素子では、熱電半導体と電極とを接合するに際し
て、熱電半導体の上に、拡散防止層となるニッケル層を
5μm以上の厚みに形成し、このニッケル層の上に錫と
鉛とからなるはんだ材を用いて電極を接合している。
【0003】また、ビスマス−錫系のはんだ材を用いる
場合には、拡散防止層を形成せずに、このはんだ材のみ
を間に介在させて、熱電半導体と電極とが十分な強度を
有して接合されることが知られている。このようなビス
マス−錫系のはんだ材は、たとえば、株式会社リアライ
ズ社発行の「熱電変換システム技術総覧」などの文献に
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例にあって、ニッケルを拡散防止層として用いる場
合には、このニッケルの拡散防止層は熱電半導体との接
合強度が不十分であるとともに、ニッケルとはんだ材と
の間で徐々に反応が進むものである。このため、使用中
に特性が変化することがあるととも、接合界面でずれま
たは剥離などの不具合が発生することがある。また、ニ
ッケルの拡散防止層を5μm以上の厚みに形成するに
は、めっきなどの湿式法による工程を要し、また、成膜
に長時間を要し、製造コストの上昇になるという不都合
もある。また、このような長時間を要する成膜は、膜の
内部応力を増大させるので、熱電半導体を損傷させる恐
れもある。
【0005】また、ビスマス−錫系のはんだ材について
は、このはんだ材が低融点のものであるため、室温以上
の熱サイクルに弱いという不都合がある。
【0006】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的は、電極と熱電半
導体との接合強度が十分に高く、拡散による経時劣化も
なくて信頼性が高く、拡散防止層を薄くできて、製造容
易な熱電変換素子およびその製造方法の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明の熱電変換素子は、熱電半導体1と電極
2とを接合してなる熱電変換素子において、熱電半導体
1をビスマス−アンチモン−テルル−セレン系合金と
し、この熱電半導体1の上に錫、ビスマスまたはアンチ
モンのうちの少なくとも一種類の金属からなる拡散層3
を形成し、この拡散層3の上にモリブデン、タングステ
ンまたはニオブのうちの少なくとも一種類の金属からな
る拡散防止層4を形成し、この拡散防止層4の上に電極
2を形成してなることを特徴として構成している。
【0008】このような熱電変換素子では、拡散層3を
形成している金属が熱電半導体1に拡散しているので、
この拡散層3の上に形成される拡散防止層4が強力に密
着している。
【0009】つまり、熱電半導体1は機械的強度が弱い
ため、異材質の材料との接合強度が一般に低いものにな
っている。しかし、拡散層3との間に合金層が形成さ
れ、その上、微少クリープまたは格子欠陥が補強され
て、機械的強度が向上している。さらに、拡散層3の熱
電半導体1に拡散していない部分は、熱電半導体1より
も引っ張り強度、延性が大きく、接合強度の向上に寄与
している。また、この拡散層3を形成している金属は、
熱電半導体1に拡散しても、この熱電半導体の性能に悪
影響を及ぼすことがないものになっている。
【0010】また、拡散防止層4によって、この拡散防
止層4を通した相互の拡散が抑えられるので、拡散によ
る接合強度の劣化がなくなっている。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、拡散層3と拡散防止層4との間にアルミニ
ウム層6を形成してなることを特徴として構成してい
る。
【0012】このような熱電変換素子では、アルミニウ
ム層6によって、より確実に拡散が防止されている。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、アルミニウム層6の厚みを0.1〜1.0
μmとしてなることを特徴として構成している。
【0014】このような熱電変換素子では、アルミニウ
ム層6が0.1μm以上であって、十分な拡散防止がな
されるとともに、1.0μm以下であって、このアルミ
ニウム層6は十分に薄く、形成容易なものになってい
る。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
のいずれかに記載の発明において、拡散層4の厚みを
0.1〜2.0μmとし、拡散防止層5の厚みを0.1
〜1.0μmとしてなることを特徴として構成してい
る。
【0016】このような熱電変換素子では、拡散層4が
0.1μm以上であって、十分に熱電半導体1と拡散
し、その強度を向上させているとともに、2.0μm以
下であって、この拡散層4は十分に薄く、形成容易なも
のになっている。また、拡散防止層5が0.1μm以上
であって、十分な拡散防止がなされるとともに、1.0
μm以下であって、この拡散防止層5は十分に薄く、形
成容易なものになっている。
【0017】請求項5記載の発明の熱電変換素子の製造
方法は、熱電半導体1と電極2とを接合する熱電変換素
子の製造方法において、熱電半導体1をビスマス−アン
チモン−テルル−セレン系合金とし、この熱電半導体1
の上に錫、ビスマスまたはアンチモンのうちの少なくと
も一種類の金属からなる拡散層3を形成し、この拡散層
3の上にモリブデン、タングステンまたはニオブのうち
の少なくとも一種類の金属からなる拡散防止層4を形成
し、この拡散防止層4の上に電極2を形成することを特
徴として構成している。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、拡散層3と拡散防止層4との間にアルミニ
ウム層6を形成することを特徴として構成している。
【0019】請求項7記載の発明は、請求項5、6のい
ずれかに記載の発明において、拡散防止層4の上に銅層
7を形成し、この銅層7の上に電極2を形成することを
特徴として構成している。
【0020】請求項8記載の発明は、請求項5、6、7
のいずれかに記載の発明において、熱電半導体1と電極
2との間に形成される各層を、スパッタリングまたは蒸
着によって形成することを特徴として構成している。
【0021】請求項9記載の発明は、請求項5、6、7
のいずれかに記載の発明において、熱電半導体1と電極
2との間に形成される各層のいずれかの層を形成した後
に、120〜300℃で1分〜1時間の加熱処理を行う
ことを特徴として構成している。
【0022】請求項10記載の発明は、請求項5、6のい
ずれかに記載の発明において、熱電半導体1の上に拡散
層3を形成する前に、この拡散層3を形成する表面を粗
面化処理することを特徴として構成している。
【0023】請求項11記載の発明は、請求項5、6、
7、8、9、10のいずれかに記載の発明において、熱電
半導体1と電極2との間の各層の形成を、真空中におけ
る連続工程にて行うことを特徴として構成している。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に添付
図を参照して説明する。
【0025】図1および図2は、それぞれこの実施の形
態における一つの熱電変換素子の構成を示し、(A) は
その要部の断面図であり、(B) は(A) の図における
Xの部分の拡大断面図である。
【0026】以上の図に示すように、この熱電変換素子
は、P型の熱電半導体1とN型の熱電半導体1とを、電
極2によって複数個直列に接合して形成されている。こ
れらの図は、一対の隣り合うP型とN型との構成単位を
示したものであって、これらの図に示されるように、電
極2は熱電半導体1の上下に配され、上の電極2と下の
電極2とは接合される熱電半導体1が隣に一つづつずれ
ているものである。
【0027】以上の熱電半導体1はビスマス−アンチモ
ン−テルル−セレン系合金として形成されるものが用い
られている。そして、このような熱電半導体1の上に
錫、ビスマスまたはアンチモンのうちの少なくとも一種
類の金属からなる拡散層3を形成し、さらにこの拡散層
3の上にモリブデン、タングステンまたはニオブのうち
の少なくとも一種類の金属からなる拡散防止層4を形成
し、さらにこの拡散防止層4の上に電極2を形成して、
この熱電変換素子は形成されている。
【0028】このような構成の熱電変換素子では、拡散
層3を形成している金属が熱電半導体1に拡散している
ので、この拡散層3の上に形成される拡散防止層4が強
力に密着することができて、剥がれ等の問題が起きにく
く、電極2と熱電半導体1との接合強度が高いものにな
っている。また、この拡散層3を形成している以上のよ
うな金属は、熱電半導体1に拡散しても、この熱電半導
体1の性能に悪影響を及ぼすことがないものになってお
り、形成される熱電変換素子の特性に悪影響を与えない
ものになっている。また、拡散防止層4によって、この
拡散防止層4を越えて起こる拡散が抑えられるので、熱
電半導体1の性能に影響を及ぼすことがないとととも
に、接合強度の劣化がなくなっており、接合強度および
性能が安定して、長期間の使用にも支障のないものにな
っている。特に、はんだ接合して電極2が形成される場
合に、はんだ材5の拡散を的確に抑えて、はんだ接合強
度の劣化および熱電半導体1の性能低下が防止されてい
る。
【0029】また、図2には、図1に示されるものの拡
散層3と拡散防止層4との間に、アルミニウム層6を形
成しており、このアルミニウム層6によって、さらに高
い拡散防止効果が得られている。
【0030】以上の拡散層3、拡散防止層2またはアル
ミニウム層6は、比較的薄く形成されても十分にその機
能を発揮できるものである。例えば、アルミニウム層6
の厚みは、0.1〜1.0μm程度とすることができ、
拡散層4の厚みを0.1〜2.0μm程度とし、拡散防
止層5の厚みを0.1〜1.0μm程度とすることがで
きる。このような厚みであっても、ニッケルを用いて拡
散防止層4を5μm程度の厚みに形成するような公知の
場合と、略一致する拡散防止効果を達成することができ
る。
【0031】図3は、上記図2に示した熱電変換素子の
製造工程を示したものであって、熱電半導体1に電極2
を形成する手順を示す製造工程図であり、(A) ないし
(E) に、それぞれの工程における製品の状態を、要部
の断面図として示している。
【0032】この図の(A) に示すように、まず熱電半
導体1の上に拡散層3を形成し、次に(B) に示すよう
に、この拡散層3の上にアルミニウム層6を形成し、次
に(C) に示すように、このアルミニウム層6の上に拡
散防止層4を形成し、さらに(D) に示すように、この
拡散防止層4の上にはんだ材5を介して電極2を接合し
て形成している。または、(E) に示すように、(C)
の後に、直接電極2をめっき形成するようにしてもよ
い。
【0033】なお、図1に示した熱電変換素子を形成す
るには、上記の工程において、(B) の工程を省略こと
で、支障なく行うことができる。
【0034】また、図4に示すように、拡散防止層4の
上に銅層7を形成し、この銅層7の上にはんだ材5を介
して電極2を形成することも好ましい形態の一つであ
る。このような工程によれば、銅層7によって、拡散防
止層4の酸化が防止され、はんだ材5のぬれ性が向上す
るため、電極2を熱電半導体1にしっかりと接合して形
成することができる。また、この銅層7の上に電解めっ
きを行う場合にあっては、この銅層7によって電着しや
すくなっている。
【0035】また、図5に示すように、熱電半導体1に
おける拡散層3が形成される表面を、粗面化処理するこ
とも好ましい形態の一つである。このような粗面化処理
は、たとえば、熱電半導体1の上に拡散層3を形成する
前に、湿式機械研磨を行い、さらに超音波洗浄を行い、
さらにイオンビームまたはプラズマエッチングを行うこ
とによって、好ましい状態に形成される。すなわち、サ
ンドペーパーなどの湿式研磨によって熱電半導体1表面
を粗面化させ、超音波洗浄によって粗面化された表面に
存在する微粒子を除去し、さらに、イオンビームまたは
プラズマエッチングによって、前記表面をさらに細かく
粗面化させるとともに、清浄化させ、活性化させること
ができる。そして、このような表面に電極2が形成され
るので、接合強度が極めて向上したものになるのであ
る。
【0036】また、熱電半導体1と電極2との間に形成
される各層を、スパッタリングまたは蒸着によって形成
すると、乾式の簡単な工程となるので、製造効率が向上
したものになって好ましいものである。
【0037】また、熱電半導体1と電極2との間に形成
される各層のいずれかの層を形成した後に、120〜3
00℃で1分〜1時間の加熱処理を行うと、拡散層3を
形成している金属と、熱電半導体1を形成している金属
との拡散が促進されるので好ましい。
【0038】また、熱電半導体1と電極2との間の各層
の形成を、真空中における連続工程にて行うようにすれ
ば、加工中の酸化が防止されるので、電極2の熱電半導
体1に対する接合強度が向上したものになるので好まし
い。
【0039】
【実施例】以下に、この発明の熱電変換素子およびその
製造方法を、さらに具体的に実施例として説明する。
【0040】この発明の一つの熱電変換素子は、以下の
1〜11の手順にて、好ましく製造される。 1.熱電半導体1の電極2が形成される接合部表面をサ
ンドペーパーで湿式研磨する。この場合、サンドペーパ
ーは400番のものを用いている。 2.エタノールに浸して超音波洗浄を行う。 3.熱電半導体1表面をプラズマエッチング(逆スパッ
タ)する。この場合、アルゴンガスを用い、6.6Pa
の圧力、300WでRFプラズマを発生させ、60秒間
プラズマエッチングを行っている。 4.熱電半導体1表面にイオンビームを照射する。 5.拡散層3を熱電半導体1の電極2が形成される表面
にスパッタリングする。この場合、アルゴンガスを用
い、4.0Paの圧力、3000WでDCプラズマを発
生させ、錫を1μmの厚みにスパッタリングしている。 6.加熱し、拡散層3の熱電半導体1への拡散を促進さ
せる。 7.拡散防止層4を上記拡散層3の表面にスパッタリン
グする。厚みは処理時間で調整することができる。 8.銅を上記拡散防止層4表面にスパッタリングして銅
層7を形成する。 9.半田付け用フラックスを銅層7の表面に塗布する。 10.はんだ材5を盛る。 11.電極2をはんだ接合する。
【0041】以上の熱電半導体1はP型、N型とも、粉
末の押出し焼結材として形成されるものである。そし
て、P型のものはビスマスを0.5、アンチモンを1.
5、テルルを3.0とした成分割合であり、N型のもの
はビスマスを2.0、テルルを2.85、セレンを0.
15とした成分割合である。
【0042】以上の熱電半導体1に、この熱電半導体1
の構成元素に、化学族が近い元素である錫を、熱電半導
体1表面に拡散層3として成膜し、さらに高融点の金属
であるモリブデンを、拡散防止層4として成膜すること
によって、拡散防止層4がテープ剥離試験によって剥離
強度で密着する。また、pull-stud 引っ張り試験におい
ても、P型で2.16kgf/mm2 、N型で2.94kgf/mm
2 の接合強度が得られている。これは、熱電半導体1の
母材強度を同様のpull-stud 引っ張り試験で評価した場
合には、P型で3.49kgf/mm2 、N型で4.05kgf/
mm2 の接合強度が得られることから、母材強度の7割程
度の接合強度が得られていることがわかる。
【0043】なお、比較例として、拡散層3を成膜せず
に、拡散防止層4を直接熱電半導体1に成膜すると、テ
ープ剥離テストで剥離することがわかっている。
【0044】また、錫を拡散層3とし、拡散層3の上に
アルミニウム膜6を形成して、モリブデンを拡散防止層
4として成膜する場合には、pull-stud 引っ張り試験に
おいても、P型で1.18kgf/mm2 、N型で1.69kg
f/mm2 の接合強度が得られ、テープ剥離テストで剥離し
ないことが分かる。この場合、接合強度はやや弱いもの
の、実用上十分な強度であるとともに、アルミニウム層
6が高い拡散防止効果を示し、形成される熱電変換素子
の性能が経時劣化しにくく、このアルミニウム層6を含
む拡散防止層4の厚みを薄くできる利点がある。
【0045】なお、比較例として、拡散層3を成膜せず
に、熱電半導体1の上に直接アルミニウム膜6を形成し
て、モリブデンを拡散防止層4として成膜する場合に
は、テープ剥離テストで剥離することが確認されてい
る。また、モリブデン−ニッケルの二層構造において
も、テープ剥離テストで剥離することが確認されてい
る。
【0046】以上の成膜条件は、モリブデンの場合に
は、アルゴンガスを用い、4.0Paの圧力、3000
WでDCプラズマを発生させてスパッタリングを行い、
0.5μm厚みの薄膜を形成している。
【0047】また、アルミニウムの場合には、アルゴン
ガスを用い、0.5Paの圧力、3000WでDCプラ
ズマを発生さてスパッタリングを行い、0.5μm厚み
の薄膜を形成している。
【0048】また、ニッケルの場合には、アルゴンガス
を用い、6.6Paの圧力、3000WでDCプラズマ
を発生さてスパッタリングを行い、0.5μm厚みの薄
膜を形成している。
【0049】以上のような成膜を行った熱電半導体1の
表面に、はんだ材5を介して電極2を接合した場合、成
膜される層構成が錫−モリブデン、錫−アルミニウム−
モリブデン、アルミニウム−モリブデン、モリブデン−
ニッケルのいずれの場合にも、はんだ材5は熱電半導体
1に拡散しないことが認められている。また、モリブデ
ン単層(0.3μm厚み)とした場合にも、P型、N型
ともに、はんだ材5は熱電半導体1に拡散しないことが
認められている。しかし、ニッケル単層(0.3μm厚
み)とした場合には、はんだ材5が熱電半導体1中に拡
散し、中間層を形成して、熱電半導体1の性能が劣化す
ることが確認されている。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の発明の熱電変換素子で
は、拡散層を形成している金属が熱電半導体に拡散して
いるので、この拡散層の上に形成される拡散防止層が強
力に密着している。その上、この拡散層を形成している
金属は、熱電半導体に拡散しても、この熱電半導体の性
能に悪影響を及ぼすことがないものになっている。ま
た、拡散防止層によって、この拡散防止層を越える相互
の拡散が抑えられるので、拡散による接合強度の経時劣
化がなくなるとともに、熱電半導体の性能劣化も防止さ
れている。このような拡散層を形成している金属種によ
れば、拡散層の厚みを拡散層にニッケルを用いた場合よ
りも薄く形成することができる。
【0051】つまり、電極と熱電半導体との接合強度が
十分に高く、拡散による経時劣化もなくて信頼性が高い
とともに、拡散防止層を薄くできて、製造容易な熱電変
換素子になっている。
【0052】請求項2記載の発明では、アルミニウム層
によって、さらに高い拡散防止効果が得られている。
【0053】請求項3記載の発明では、アルミニウム層
の厚みが薄く、このアルミニウム層が短時間で容易に形
成されるものになっている。
【0054】請求項4記載の発明では、拡散防止層の厚
みが薄く、この拡散防止層が短時間で容易に形成される
ものになっている。
【0055】請求項5記載の発明の熱電変換素子の製造
方法では、請求項1記載の発明の効果を奏する熱電変換
素子を確実に製造することができる。
【0056】請求項6記載の発明では、請求項2記載の
発明の効果を奏する熱電変換素子を確実に製造すること
ができる。
【0057】請求項7記載の発明では、銅層によって、
拡散防止層の酸化が防止されるので、電極を熱電半導体
にしっかりと接合することができる。
【0058】請求項8記載の発明にでは、スパッタリン
グまたは蒸着によって各層を形成するので、湿式に比較
して工程が簡略化され、製造効率が向上している。
【0059】請求項9記載の発明にでは、加熱処理を行
うことによって、拡散層の熱電半導体への拡散が促進さ
れ、接合強度が向上している。
【0060】請求項10記載の発明では、粗面化された表
面に電極が接合されるので、接合強度が向上したものに
なっている。
【0061】請求項11記載の発明では、真空中における
連続工程によって、加工中の酸化が防止されるので、電
極の熱電半導体に対する接合強度が向上したものになっ
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における一つの熱電変換素
子の構成を示し、(A) はその要部の断面図であり、
(B) は(A) の図におけるXの部分の拡大断面図であ
る。
【図2】同上実施の形態における一つの熱電変換素子の
構成を示し、(A) はその要部の断面図であり、(B)
は(A) の図におけるXの部分の拡大断面図である。
【図3】同上の熱電変換素子の製造工程における熱電半
導体に、電極を形成する手順を示す製造工程図であり、
(A) ないし(E) に、それぞれの工程における製品の
状態を、要部の断面図として示している。
【図4】同上の熱電変換素子の異なる製造工程途中の製
品の状態を、要部の断面図として示している。
【図5】同上の熱電変換素子のさらに異なる製造工程途
中の製品の状態を、要部の断面図として示している。
【符号の説明】
1 熱電半導体 2 電極 3 拡散層 4 拡散防止層 5 はんだ材 6 アルミニウム層 7 銅層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/08 H01L 35/16 H01L 35/32

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電半導体と電極とを接合してなる熱電
    変換素子において、熱電半導体をビスマス−アンチモン
    −テルル−セレン系合金とし、この熱電半導体の上に
    錫、ビスマスまたはアンチモンのうちの少なくとも一種
    類の金属からなる拡散層を形成し、この拡散層の上にモ
    リブデン、タングステンまたはニオブのうちの少なくと
    も一種類の金属からなる拡散防止層を形成し、この拡散
    防止層の上に電極を形成してなることを特徴とする熱伝
    変換素子。
  2. 【請求項2】 拡散層と拡散防止層との間にアルミニウ
    ム層を形成してなることを特徴とする請求項1記載の熱
    電変換素子。
  3. 【請求項3】 アルミニウム層の厚みを0.1〜1.0
    μmとしてなることを特徴とする請求項2記載の熱電変
    換素子。
  4. 【請求項4】 拡散層の厚みを0.1〜2.0μmと
    し、拡散防止層の厚みを0.1〜1.0μmとしてなる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    熱電変換素子。
  5. 【請求項5】 熱電半導体と電極とを接合する熱電変換
    素子の製造方法において、熱電半導体をビスマス−アン
    チモン−テルル−セレン系合金とし、この熱電半導体の
    上に錫、ビスマスまたはアンチモンのうちの少なくとも
    一種類の金属からなる拡散層を形成し、この拡散層の上
    にモリブデン、タングステンまたはニオブのうちの少な
    くとも一種類の金属からなる拡散防止層を形成し、この
    拡散防止層の上に電極を形成することを特徴とする熱伝
    変換素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 拡散層と拡散防止層との間にアルミニウ
    ム層を形成することを特徴とする請求項5記載の熱電変
    換素子。
  7. 【請求項7】 拡散防止層の上に銅層を形成し、この銅
    層の上に電極を形成することを特徴とする請求項5、6
    のいずれかに記載の熱伝変換素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 熱電半導体と電極との間に形成される各
    層を、スパッタリングまたは蒸着によって形成すること
    を特徴とする請求項5、6、7のいずれかに記載の熱伝
    変換素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 熱電半導体と電極との間に形成される各
    層のいずれかの層を形成した後に、120〜300℃で
    1分〜1時間の加熱処理を行うことを特徴とする請求項
    5、6、7のいずれかに記載の熱伝変換素子の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 熱電半導体の上に拡散層を形成する前
    に、この拡散層を形成する表面を粗面化、清浄化、活性
    化処理することを特徴とする請求項5ないし6のいずれ
    かに記載の熱電変換素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 熱電半導体と電極との間の各層の形成
    を、真空中における連続工程にて行うことを特徴とする
    請求項5、6、7、8、9、10のいずれかに記載の熱電
    変換素子の製造方法。
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