JP3144885U - インサート用袋ナット - Google Patents

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義浩 村瀬
雅人 岩田
俊也 森
重樹 松並
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【課題】優れた回り止め機能と抜け止め機能を有しており、また高さ方向の寸法精度が優れていて雌ネジ部への樹脂の流入も防止可能なインサート用袋ナットを提供する。
【解決手段】ナット本体1の中央に設けた貫通孔2に雌ネジ3を形成するとともに、ナット本体1の上端面に設けた環状の凹み部4に蓋体5を嵌め込み、この凹み部4の周縁をかしめて蓋体5をナット本体1に一体に結合したインサート用袋ナットである。前記ナット本体1の下方部外周には、抜け止め用の当り面となる段差部7を設けた。また、この段差部7にはナット本体1の外径より縮径した軸部8を続かせるとともに、該軸部8の外周には回り止め用の係止片9を突設した。
【選択図】図2

Description

本考案は、優れた回り止め機能と抜け止め機能を有しており、また高さ方向の寸法精度が優れていて雌ネジ部への樹脂の流入も防止可能なインサート用袋ナットに関するものである。
従来から、合成樹脂製のワークに部品を固定したり、互いのワークを固定して組み立てる場合、ネジ部材をワークに直接螺合して締結したり、ワークに貫通孔をあけて、この貫通孔にボルトとナット部材でワークを挟み締結等する方法等が広く用いられている。また、最近では小型化・軽量化等の要請から、このような従来の固定方法にかえて、インサート成形によりインサート用袋ナットを合成樹脂製のワークと一体化し、このインサート用袋ナットに形成された雌ネジにネジ部材を螺合して合成樹脂製品を固定するようにする方法も一般化してきた(例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。特に、精密部品での使用の場合は、水の浸入防止や締結時の異物落下防止を図る必要があるので、この点からも袋ナットのニーズが増加する傾向にある。
しかしながら、従来の袋ナットでは、通常タップ加工により雌ネジを形成しているが、底部を残すように加工するためタップを往復動させる必要があり加工性が悪いという問題点や、底部にタップ加工用のスペースが長く必要になるという問題点があった。また特に、インサート成形用の袋ナットの場合は、ワークの薄肉化に伴う寸法制限や、高さにバラツキがあるとインサート成形時においてナット内にワークの樹脂の流れ込みが生じるという理由から、高さ方向の寸法精度は厳しい管理下にあり、最終工程として切削加工による仕上げ工程が必要となって生産性が劣るとともに生産コストも高くなるという問題点があった。更には、従来の袋ナットの場合は、袋ナットの状態でめっきをしていたため、ナット内側部におけるめっき未着が生じ易いという問題点もあった。
一方、一般的な袋ナットとして、タップ加工により貫通させた状態でネジを形成後、一方の孔部の開口部に蓋を取り付けて一体化したものも提案されている。しかし、このような袋ナットはインサート用でないため、回り止め部や抜け止め部が形成されておらず、このままインサートナットとして適用することはできないものであった。
また鍛造技術として、基準面より突出した形状からなる回り止め部と抜け止め部の2つを鍛造のみで加工することは、型抜きの関係から困難であり、前記の袋ナットに回り止め部と抜け止め部を形成するには、鍛造後に切削加工を追加するか、あるいは転造及び切削加工を追加して仕上げる必要があり、この結果、生産性が劣るとともに生産コストも高くなるという問題点があった。
特開2004−106468号公報 特開2001−138309号公報
本考案は上記のような問題点を解決して、優れた回り止め機能と抜け止め機能を発揮することができ、しかも回り止め部および抜け止め部を転造や切削加工を追加して仕上げることなく鍛造だけで成形することが可能で生産性および生産コストに優れており、更には高さ方向の寸法精度が優れていて樹脂の流入も防止することができ、またナット内側部におけるめっき未着の発生も防止できるインサート用袋ナットを提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本考案のインサート用袋ナットは、ナット本体の中央に設けた貫通孔に雌ネジを形成するとともに、ナット本体の上端面に設けた環状の凹み部に蓋体を嵌め込み、この凹み部の周縁をかしめて蓋体をナット本体に一体に結合したインサート用袋ナットであって、前記ナット本体の下方部外周に抜け止め用の当り面となる段差部を設け、この段差部にナット本体の外径より縮径した軸部を続かせるとともに、該軸部の外周に回り止め用の係止片を突設したことを特徴とするものである。
前記回り止め用の係止片は、段差部から下方に向け垂設した突条体であることが好ましく、これを請求項2に係る考案とする。
この回り止め用の係止片の外径は、型抜きができるようにナット本体の外径以下としてあることが好ましく、これを請求項3に係る考案とし、また、回り止め用の係止片が、軸部に複数個均等に突設されていることが好ましく、これを請求項4に係る考案とする。
更に、前記抜け止め用の段と回り止め用の係止片は、鍛造工程のみで成形されたものであることが好ましく、これを請求項5に係る考案とする。
本考案では、蓋体をナット本体に一体に結合したインサート用袋ナットであって、前記ナット本体の下方部外周に抜け止め用の当り面となる段差部を設け、この段差部にナット本体の外径より縮径した軸部を続かせるとともに、該軸部の外周に回り止め用の係止片を突設した構造であるので、蓋体によって雌ネジ部への樹脂の流入を防止することができ、また抜け止め機能及び回り止め機能も発揮することとなる。
また、請求項2に係る考案では、回り止め用の係止片は、段差部から下方に向け垂設した突条体であるので、型抜きが可能となり抜け止め用の段部と回り止め用の係止片を共に鍛造により成形加工できることとなる。
また、請求項3に係る考案では、回り止め用の係止片の外径は、型抜きができるようにナット本体の外径以下の寸法としてあるので、同様に抜け止め用の段部と回り止め用の係止片を共に鍛造により成形加工できることとなる。
また、請求項4に係る考案では、回り止め用の係止片が、軸部に複数個均等に突設されているので、より確実に回り止め機能を発揮することとなる。
また、請求項5に係る考案では、前記抜け止め用の段部と回り止め用の係止片は、鍛造工程のみで成形されたものであるので、従来のように鍛造後に転造や切削加工を追加して仕上げる必要がなく、優れた生産性を発揮することとなる。
以下に、図面を参照しつつ本考案の好ましい実施の形態を示す。
図面は、本考案に係るインサート用袋ナットを示すもので、図1は正面図、図2はその断面図、図3は下側から見た斜視図である。
図において、1はナット本体、2はナット本体1の中央に設けられた貫通孔、3はこの貫通孔2に形成された雌ネジである。また、本体1の上端面には環状の凹み部4が設けられており、この凹み部4には蓋体5が嵌め込まれたうえ、凹み部4の周縁の爪片部6がかしめられ、前記蓋体5をナット本体1に一体に結合したインサート用袋ナットとされている。
このようなナットでは、貫通孔2に対してタップ加工により雌ネジ3を貫通形成できるため、従来の袋ナットのように一端が閉塞されたものと異なり、ネジ加工が極めて容易となる。また、貫通孔2の上端の開口部に蓋体5を嵌め込んで袋ナットとしたので、インサート成形により合成樹脂製のワーク(図示せず)と一体化した場合も、樹脂が雌ネジ部内へ流入することがない。更には、凹み部4に蓋体5を嵌め込んで周縁の爪片部6をかしめる際に、ナット本体1の高さ方向の精度出しが可能であるので、最終工程として切削加工による仕上げ工程を経なくても所望の寸法精度を確保することができ、優れた生産性を発揮する。
前記ナット本体1の下方部外周には、抜け止め用の当り面となる段差部7が設けられている。この段差部7は、ボルトをねじ込む際の反力によってナット本体1が浮き上がるのを防止するものであり、インサート成形により合成樹脂製のワークと一体化した場合に、食い込んだ合成樹脂と段差部7とが接触することにより、ナット本体1の抜け防止を図るものである。
なお、従来技術では、抜け止め機能は軸部の外周面に膨出成形するのが普通であり、型抜きの関係から鍛造型のみではできないものであった。そのため、鍛造後に切削加工等を追加して仕上げる必要があり、生産性に劣るとともに生産コストも高くなるという問題があった。
これに対し本考案では、抜け止め用の当り面となる段差部7を、鍛造工程においてナット本体1の成形と同時に成形することを可能としたものであり、上記のような従来の問題点の解消が図れる。
更に、前記段差部7には、ナット本体1の外径より縮径した軸部8が続いているとともに、該軸部8の外周には回り止め用の係止片9が突設されている。
この軸部8の内部には、貫通孔2が設けられ、そこに雌ネジ3が形成されている。また、軸部8の外周に突設される係止片9は、ボルトをねじ込む際におけるナット本体1の回りを防止するためのものであり、インサート成形により合成樹脂製のワークと一体化した場合に、係止片9の側面部9aとそこへ食い込んだ合成樹脂との接触により、ナット本体1の回りを防止する構造となっている。
前記回り止め用の係止片9は、段差部7から下方に向け垂設した突条体となっている。図示のものでは、係止片9は長方形条状の膨出体から構成され、長手方向を軸方向に沿わせるように配置されている。また、この係止片9の外径は、型抜きができるようにナット本体1の外径以下の寸法としてある。
従来技術では、抜け止め用の段部や回り止め用の係止片は基準面から突設した状態にあるため、鍛造によりナット本体部を成形後に、切削加工等を追加して成形していた。従って、生産性に劣るものであったが、本考案では型抜きが可能となって、抜け止め用の段部7と回り止め用の係止片9をナット本体1の成形と同時に鍛造により加工できることとなり、生産性を大幅に向上させることが可能になる。
なお、前記回り止め用の係止片9は、軸部8に複数個均等に突設しておけば、より回り止め効果を奏することができ好ましい。
また本考案では、前記抜け止め用の段部7と回り止め用の係止片9を鍛造工程のみで成形することが可能である。即ち、本考案のインサート用袋ナットでは、ナット本体1の下方部外周に抜け止め用の当り面となる段差部7を設け、この段差部7に縮径した軸部8を続かせるとともに、該軸部8の外周に回り止め用の係止片9を突設した構造であり、軸方向においてナット本体1の外径が最大外径寸法となっている。従って、鍛造加工後に、ナット本体1を上方向へ抜くようにすれば、下方部には前記の最大外径よりも大きい外径の突出部は存在しないので型抜きが可能であり、しかも下方部において抜け止め部と回り止め部の双方がしっかり形成されたものが得られることになる。
その後、貫通孔2に対してタップ加工により雌ネジ3を貫通形成し、更に、凹み部4に蓋体5を嵌め込んで周縁の爪片部6をかしめればインサート用袋ナットが完成する。
なお、かしめる際に、ナット本体1の高さ方向の精度出しが可能であるので、最終工程として切削加工による仕上げ工程を経なくても所望の寸法精度を確保することができることとなる。また、インサート成形により樹脂製のワークと一体化する際、雌ネジ内への樹脂の流れ込みを確実に防止することができるという利点も有する。また、抜け止め用の段部7と回り止め用の係止片9により、優れた回り止め機能と抜け止め機能を発揮することは勿論である。更には、ナット本体と蓋体とを別々にめっき処理できるので、ナット内側部におけるめっき未着の発生も防止できるという利点もある。
本考案の実施の形態を示す正面図である。 本考案の実施の形態を示す断面図である。 本考案の実施の形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 ナット本体
2 貫通孔
3 雌ネジ
4 凹み部
5 蓋体
6 爪片部
7 段差部
8 軸部
9 回り止め用の係止片
9a 係止片の側面

Claims (5)

  1. ナット本体の中央に設けた貫通孔に雌ネジを形成するとともに、ナット本体の上端面に設けた環状の凹み部に蓋体を嵌め込み、この凹み部の周縁をかしめて蓋体をナット本体に一体に結合したインサート用袋ナットであって、前記ナット本体の下方部外周に抜け止め用の当り面となる段差部を設け、この段差部にナット本体の外径より縮径した軸部を続かせるとともに、該軸部の外周に回り止め用の係止片を突設したことを特徴とするインサート用袋ナット。
  2. 回り止め用の係止片は、段差部から下方に向け垂設した突条体である請求項1に記載のインサート用袋ナット。
  3. 回り止め用の係止片の外径は、型抜きができるようにナット本体の外径以下としてある請求項1または2に記載のインサート用袋ナット。
  4. 回り止め用の係止片が、軸部に複数個均等に突設されている請求項1〜3のいずれかに記載のインサート用袋ナット。
  5. 抜け止め用の段部と回り止め用の係止片は、鍛造工程のみで成形されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のインサート用袋ナット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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