JP3145865B2 - 電気自動車用変速装置 - Google Patents

電気自動車用変速装置

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JP3145865B2 JP12439294A JP12439294A JP3145865B2 JP 3145865 B2 JP3145865 B2 JP 3145865B2 JP 12439294 A JP12439294 A JP 12439294A JP 12439294 A JP12439294 A JP 12439294A JP 3145865 B2 JP3145865 B2 JP 3145865B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車体に搭載されたバ
ッテリー等の電力源でモータを回転して走行する電気自
動車の変速装置、詳しくは手動式変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような電気自動車においては、駆
動力を発生させる源をガソリンエンジンからモータに変
換しただけで、変速装置にはガソリンエンジン用のもの
を流用したタイプが一般的である。しかし、ガソリンエ
ンジン用の変速装置は前進4段ないし5段で歯車の種類
および数が多く構造が複雑で重量も重いのに対し、モー
タ駆動の場合の変速装置は前進2段で十分な出力が得ら
れることなどガソリンエンジン用とは相違した点がある
ことから、近年、電気自動車専用の変速装置の開発が待
望されている。
【0003】この種の変速装置の先行技術に、特開昭6
0−91804号公報に記載のものがある。この変速装
置は、モータに直結された出力軸上に高速用歯車を電磁
クラッチを介して出力軸と連結可能に配置するととも
に、出力軸上に低速用歯車を固設し、出力軸と平行に配
置された駆動軸上には前記高速用歯車に噛合する高速歯
車を固設し、前記低速用歯車に噛合する低速歯車を一方
向クラッチを介して配設するとともに、後進歯車を前記
駆動軸上に固設し、後進歯車と前記低速歯車との間に機
械式クラッチを介設した構造を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た公報に記載の変速装置では、以下のような改良すべき
点がある。
【0005】1) 変速装置には、パーキングのために駆
動軸を非回転状態に拘束する歯車機構が備えられていな
い。したがって、変速装置とは別に駆動輪を非回転状態
に拘束するための機構を設ける必要がある。
【0006】2) 上記公報に記載の図面(第5図)に
は、H(前進高速段)−L(前進低速段)−R(後進
段)を一直線状に切換操作するチェンジレバーが記載さ
れているが、H(前進高速段)とL(前進低速段)の切
換は、チェンジレバーの位置をセンサで検出して電気的
に制御する機構が用いられており、またR(後進段)へ
の切換は、上記の電気的制御でモータを逆回転させると
同時にシフトリンクを介して機械式クラッチをチェンジ
レバーで作動させることにより行うようになっている。
このため、チェンジレバーの操作機構が電気式と機械式
の二通りになり、構造的に複雑である。
【0007】3) パーキング時に、モータの駆動力を各
種作業に利用することができれば便利であるが、その変
速装置の構造ではPTO軸を取り付けることは困難であ
る。
【0008】この発明は上述の点に鑑みなされたもの
で、出力軸を非回転状態に拘束するパーキング段を備
え、チェンジレバーをオートマチック式変速装置と同様
に直線状に操作して変速でき、歯車の種類および歯車数
が少なく構造が簡単で小型軽量化が図れる電気自動車用
変速装置を提供することを第1の目的とし、パーキング
時にPTO軸から出力を取り出すことができ、作業車に
好適な電気自動車用変速装置を提供することを第2の目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した第1および第2
の目的を達成するためにこの発明の電気自動車用変速装
置は、a)モータに直結された入力軸と、この入力軸の延
長線上に配設された出力軸と、この出力軸と平行に配設
されたカウンター軸とを装置本体内に備えた電気自動車
用変速装置において、b)前記入力軸上に高速用歯車を固
設し、c)前記出力軸上に低速用歯車を回動自在に配装
し、d)前記高速用歯車に噛合する高速歯車と前記低速用
歯車に噛合する低速歯車とを前記カウンター軸にそれぞ
れ固設し、e)パーキング歯を前記出力軸上で装置本体に
固設し、f)前記出力軸上にこの出力軸を前記高速用歯車
と前記低速用歯車とのいずれか一方に選択的に連結ある
いは連結を解除する低高速切換用歯車選択手段を設ける
とともに、前記出力軸上にこの出力軸を前記パーキング
歯に連結あるいは連結を解除するパーキング用歯車選択
手段を設け、g)前記低高速切換用歯車選択手段および前
記パーキング用歯車選択手段は、それぞれ操作ロッド上
に軸方向に摺動自在に装着したシフトアームを備え、そ
れらの操作ロッドは相互に平行に配設され、h)前記各
シフトアームをそれぞれ操作するための二つのシフトド
ラムを軸方向に間隔をあけて固設しかつ一端部にピニオ
ンを設けたピニオン軸を、前記二つの操作ロッドの間に
平行にかつ回動自在に配設するとともに、二つの前記シ
フトドラムにおける前記シフトアームの操作部は、前記
出力軸が中立状態で前記パーキング歯に連結されるよう
に構成し、i)前記ピニオン軸のピニオンにラックを噛合
させ、このラックは一直線状に選択操作するチェンジレ
バーにケーブルやロッドなどの連結部材を介して連結
し、前記シフトドラムの回転操作により前記シフトアー
ムを移動することによって、高速段・中立段・低速段・
パーキング段の切換をチェンジレバーの一直線状移動操
作により行うようにしている。
【0010】請求項2記載のように、j)前記装置本体内
に、出力歯車を固設したPTO軸を前記カウンター軸と
平行に回動自在に取り付けるとともに、前記出力歯車を
前記カウンター軸の前記高速歯車又は前記低速歯車に噛
合させることができる。
【0011】請求項3記載の変速装置は上記した第1の
目的を達成するもので、a)モータに直結された入力軸
と、この入力軸の延長線上に配設された出力軸と、この
出力軸と平行に配設されたカウンター軸とを装置本体内
に備えた電気自動車用変速装置において、b)前記入力軸
上に高速用歯車を固設し、c)前記出力軸上に低速用歯車
を回動自在に配装し、d)前記高速用歯車に噛合する高速
歯車と前記低速用歯車に噛合する低速歯車とを前記カウ
ンター軸にそれぞれ固設し、f’)前記出力軸上にこの出
力軸を前記高速用歯車と前記低速用歯車のいずれか一方
に選択的に連結あるいは連結を解除する低高速切換用歯
車選択手段を設けるとともに、前記出力軸上にこの出力
軸を前記低速用歯車に連結あるいは連結を解除するパー
キング用歯車選択手段を設け、g)前記低高速切換用歯車
選択手段および前記パーキング用歯車選択手段は、それ
ぞれ操作ロッド上に軸方向に摺動自在に装着したシフト
アームを備え、それらの操作ロッドは相互に平行に配設
され、h’)前記各シフトアームをそれぞれ操作するため
の二つのシフトドラムを軸方向に間隔をあけて固設しか
つ一端部にピニオンを設けたピニオン軸を、前記二つの
操作ロッドの間に平行にかつ回動自在に配設するととも
に、二つの前記シフトドラムにおける前記シフトアーム
の操作部は、前記出力軸が前記低速用歯車又は前記高速
用歯車に或いは前記低速用歯車と前記高速用歯車とに同
時にそれぞれ選択的に連結可能に構成し、i)前記ピニオ
ン軸のピニオンにラックを噛合させ、このラックは一直
線状に選択操作するチェンジレバーにケーブルやロッド
などの連結部材を介して連結し、前記シフトドラムの回
転操作により前記シフトアームを移動することによっ
て、高速段・中立段・低速段・パーキング段の切換をチ
ェンジレバーの一直線状移動操作により行うようにして
いる。
【0012】上記請求項1〜3の変速装置においては、
請求項4記載のように、k)前記モータの回転方向を正逆
に切り換えるためのスイッチを設けるとよく、あるいは
請求項5記載のように、l)前記ピニオン軸の他端部にカ
ムを取り付け、このカムにより前記モータの回転方向を
正逆に切り換えるためのスイッチを操作するようにして
もよい。
【0013】
【作用】上記の構成を有するこの発明の変速装置によれ
ば、チェンジレバーを一直線状に操作(移動操作)して
パーキング段(P)−低速段(L)−中立段(N)−高
速段(H)を選択することができ、たとえばチェンジレ
バーがPの位置にあると、出力軸は中立状態で装置本体
に固定されたパーキング歯に連結されて非回転状態に保
持されるので、電気自動車が移動することがない。そし
て、入力軸の高速用歯車とカウンター軸(以下、カウン
ターシャフトともいう)の高速歯車とは常に噛合してい
るので、モータを回転させるとカウンタシャフトも回転
し、低速歯車と噛合する出力軸上の低速用歯車が空転す
る。
【0014】次にチェンジレバーをPからLに操作する
と、ラックの直線移動によりピニオン軸が所定角度回転
し、一方のシフトドラムが一方の操作ロッド上のシフト
アームを摺動させてパーキング歯と出力軸との連結状態
を解除すると同時に、他方のシフトドラムが他方の操作
ロッド上のシフトアームを摺動させて出力軸を低速用歯
車に連結する。これによりモータの回転(力)は入力軸
の高速用歯車と常時噛合する高速歯車を介してカウンタ
ーシャフトに伝達され、カウンターシャフトの低速歯車
と常時噛合する低速用歯車を介して出力軸に伝達される
ことにより出力軸を低速度で回転させる。
【0015】チェンジレバーをLからNに操作すると、
ラックの直線移動によりピニオン軸がさらに同一方向に
所定角度回転し、一方のシフトドラムだけが一方の操作
ロッド上のシフトアームを摺動させるので、出力軸はパ
ーキング歯、高速用歯車、低速用歯車のいずれにも連結
されず、中立状態になる。
【0016】チェンジレバーをNからHに操作すると、
ラックの直線移動によりピニオン軸がさらに同一方向に
所定角度回転し、一方のシフトドラムだけが一方の操作
ロッド上のシフトアームを摺動させて出力軸を入力軸の
高速用歯車に連結する。これによりモータの回転(力)
は入力軸から出力軸に直接伝達され、カウンターシャフ
トを介さずに出力軸が小さい減速ギヤ比で回転する。こ
のようにして、チェンジレバーを一直線状に操作(移動
操作)することにより、変速装置をP−L−N−Hの各
状態に切り換えることができる。
【0017】請求項2記載の変速装置によると、請求項
1の変速装置においてP状態でモータの回転力がカウン
ターシャフトの高速歯車あるいは低速歯車に噛合する出
力歯車を介してPTO軸に伝達されるので、モータの出
力を取り出すことができる。このため、作業機を電気自
動車に搭載されているモータを利用して駆動できる。
【0018】請求項3記載の変速装置では、Pの状態を
除き、すなわちチェンジレバーがL−N−Hのときには
請求項1の変速装置と同様の作用が得られる。一方、チ
ェンジレバーがPの位置にあるときには、出力軸は入力
軸と連結されると同時に、出力軸上の低速用歯車とも連
結されるので、出力軸およびカウンターシャフトがとも
に非回転状態に保持される。したがって、この状態では
電気自動車が移動することがない。
【0019】請求項4記載の変速装置では、スイッチを
切り換えることにより、前進から後進に切り換わり、こ
の状態でチェンジレバーをLとHに選択的に操作すれば
後進も高速段と低速段の二通りの走行が選べる。
【0020】請求項5記載の変速装置では、チェンジレ
バーだけの一直線状の操作でRの位置を選択することに
より、ピニオン軸のカムが回転して前後進の切換スイッ
チが操作され、後進に切り換わる。ただし、この場合に
は、通常、後進は前進のLの状態、すなわち出力軸が大
きい減速ギヤ比で回転する状態で逆方向に回転すること
になる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の電気自動車用変速装置の実
施例を図面に基づいて説明する。図1は第1実施例にか
かる電気自動車用変速装置を概略的に示す模式図、図2
は図1の変速装置の操作系の構造を示す斜視図、図3
(a)は図2のパーキング切換用操作ロッドとピニオン軸
と前進二段切換用操作ロッドの位置関係を示す説明図
で、図3(b)は図2のパーキング切換用シフトドラムの
カム溝の展開図(上段)とチェンジレバーの4ポジショ
ン(中段)と前進二段切換用シフトドラムのカム溝の展
開図(下段)およびそれらの関係を示すものである。
【0022】図1に示すように、本例の変速装置1は手
動式で、装置本体(ミッションケーシング)2内に入力
軸3が軸受4を介して回動自在に支承され、入力軸3の
一部が装置本体2から外方に突出し、その一端(装置本
体2の外部)にモータ5が接続されている。入力軸3の
延長線上に、出力軸(メインシャフト)6が軸受7を介
して回動自在に支承され、出力軸6の一部がモータ5と
反対側に装置本体2から突出している。図示は省略する
が、突出した出力軸6の一端は駆動輪に接続されてい
る。装置本体2内には、カウンターシャフト8が出力軸
6と平行に配置され、軸受9・9を介して回動自在に支
承されている。
【0023】装置本体2内において、入力軸3上に高速
用歯車Ghが固設され、また入力軸3の一端に、出力軸
6との接続用のドッグ歯Gdが固設されている。一方、
出力軸6上には低速用歯車Glが回動自在に配装されて
いる。この低速用歯車Glの一端にも、出力軸6との接
続用のドッグ歯Gd2が固設されている。さらに出力軸
6上で装置本体2側に、パーキング用のドッグ歯(以
下、パーキング歯という)Gpが固設されている。そし
て出力軸6上で高速用歯車Ghと低速用歯車Glとの間
に、歯車選択手段S1が配設され、この歯車選択手段
(以下、セレクターともいう)S1により高速用歯車G
hと低速用歯車Glとのいずれか一方を選択的に、出力
軸6に連結したりそれらの連結を解除したりできるよう
に構成されている。また、出力軸6上で低速用歯車Gl
とパーキング歯Pの間に、歯車選択手段(以下、セレク
ターともいう)S2が配設され、この歯車選択手段S2
によりパーキング歯Gpに、出力軸6を連結したり連結
を解除したりできるように構成されている。
【0024】カウンターシャフト8上には、高速歯車G
h’と低速歯車Gl’がそれぞれ固設され、高速歯車G
h’は入力軸3の高速用歯車Ghに常時噛合され、また
低速歯車Gl’は出力軸6の低速用歯車Glに常時噛合
されている。
【0025】図2および図3に示すように、変速装置1
の操作系統は、運転席(図示せず)に操作部としてのチ
ェンジレバー11を備えている。このチェンジレバー1
1はオートマチック式の変速装置のチェンジレバーと同
様に一直線状に操作できる。つまり、本例では、パーキ
ング段(P)、低速段(L)、中立段(N)、高速段
(H)を一直線状に配置した四段切換構造になってお
り、チェンジレバー11の操作部と平行にその選択位置
を表示するインジケータ12を具備している。またチェ
ンジレバー11の近傍には、前後進の切換用スイッチ1
3を設けている。このスイッチ13はモータ5(図1)
に接続され、モータ5の回転方向を正逆に切り換える。
【0026】図3(a)に示すように、ピニオン軸15
を二等辺三角形の頂点にして底辺の一方(図では左側)
の点にパーキング用操作ロッド17、他方(図では右
側)の点に高低速用操作ロッド19が相互に平行に配設
されている。そして、本例では、パーキング用操作ロッ
ド17の中立位置と高低速用操作ロッド19の中立位置
において、図3(a)のように90゜位相がずれている。
図2のように、パーキング用操作ロッド17上に、セレ
クターS2を操作するシフトアーム21が軸方向に摺動
自在に装着されている。また、高低速用操作ロッド19
上には、セレクターS1(図1参照)を操作するシフト
アーム22が軸方向に摺動自在に装着されている。
【0027】一方、ピニオン軸15上には、パーキング
用シフトドラム23と高低速用シフトドラム24とが軸
方向に距離をあけてそれぞれ固設されている。シフトド
ラム23はシフトアーム21に対応し、シフトドラム2
4はシフトアーム22に対応している。シフトドラム2
3にはシフトアーム操作部としてのカム溝23aが形成
され、このカム溝23a内にシフトアーム21に突設さ
れたカムフォロア21aが緩挿されている。カム溝23
aは展開状態で図3(b)のように、チェンジレバー11
がH−N−Lのときに中立位置で、チェンジレバー11
がPのときに所定のシフトストロークsで一方へ位置が
ずれる連続した溝からなる。また、シフトドラム24に
もシフトアーム操作部としてのカム溝24aが形成さ
れ、このカム溝24a内にシフトアーム22に突設され
たカムフォロア22aが緩挿されている。カム溝24a
は展開状態で図3(b)のように、チェンジレバー11が
NとPのときに中立位置で、チェンジレバー11がHの
ときに所定のシフトストロークsで一方へ位置がずれる
とともに、チェンジレバー11がLのときに所定のシフ
トストロークsで反対側へ位置がずれる連続した溝から
なる。
【0028】前記ピニオン軸15は一端部にピニオン1
5aが形成され、その軸心を中心に定位置に回動自在に
配設されている。ピニオン軸15(および操作ロッド1
7・19)に直交する方向にラック16がその軸方向に
移動自在に配設されている。ラック16は、ピニオン軸
15のピニオン15aに噛合し、ラック16の移動に伴
ってピニオン軸15が一方向に回転する。ピニオン軸1
5の一端に直角にアーム16aが固定され、このアーム
16aの先端とチェンジレバー11とが本例では連結部
材としてのプッシュプルケーブル18により連結されて
いる。チェンジレバー11を操作すれば、その操作方向
と同じ方向にラック16が移動し、ピニオン軸15とと
もにシフトドラム23・24が回転する。これにより、
シフトアーム21・22が操作ロッド17・19の軸方
向に摺動し、セレクターS1・S2を作動させる。な
お、ラック16とチェンジレバー11の連結には、プッ
シュプルケーブル18の代わりに、ロッドやリンクなど
を使用することができる。
【0029】上記のように構成された本実施例の変速装
置1によると、以下の要領で、前進後進、高低速の二段
変速ならびにパーキングへの切換が行われる。図1又は
図2において、 チェンジレバー11がインジケータ12のPの位置
では、出力軸6はセレクターS2を介してパーキング歯
Gpに連結され非回転状態に保持されている。またセレ
クターS1は高速用歯車Ghと低速用歯車Glの中間位
置、つまり中立状態である。このため、入力軸3と出力
軸6は連結されておらず、また出力軸6上の低速用歯車
Glは空転可能な状態になっている。
【0030】 チェンジレバー11をインジケータ1
2のPの位置からLの位置に操作すると、プッシュプル
ケーブル18を介してラック16が図2の右方向に移動
することにより、ピニオン軸15が反時計方向に所定角
度回転する。ピニオン軸15とともにパーキング用のシ
フトドラム23および高低速用シフトドラム24が所定
角度回転し、パーキング用操作ロッド17上でシフトア
ーム21が軸方向に移動して、セレクターS2が出力軸
6とパーキング歯Gpとの連結状態を解除させる。同時
に、操作ロッド19上のシフトアーム22が軸方向に移
動して、セレクターS1が出力軸6と低速用歯車Glを
連結させる。この状態で、モータ5を回転させれば、入
力軸3の高速用歯車Ghと噛合する高速歯車Gh’を介
してカウンターシャフト8が回転し、カウンターシャフ
ト8の低速歯車Gl’と噛合する低速用歯車Glを介し
て出力軸6が大きな減速ギヤ比で回転する。したがって
電気自動車を大きなトルクにて、低速度で前進させるこ
とができる。
【0031】 チェンジレバー11をインジケータ1
2のLの位置からNに操作すると、ラック16が図2の
右方向にさらに移動することにより、ピニオン軸15が
反時計方向にさらに所定角度回転する。これによりパー
キング用のシフトドラム23および高低速用シフトドラ
ム24がさらに同一方向に所定角度回転するが、パーキ
ング用操作ロッド17上のシフトアーム21は移動せず
出力軸6とパーキング歯Gpとは連結されていない状態
に保たれる。一方、高低速用操作ロッド19上のシフト
アーム22は元の中立状態に戻され、セレクターS1が
出力軸6と低速用歯車Glとの連結を解除させる。
【0032】 チェンジレバー11をインジケータ1
2のNの位置からHの位置に操作すると、ラック16が
図2の右方向にさらに移動することにより、ピニオン軸
15が反時計方向にさらに所定角度回転する。これによ
り、パーキング用のシフトドライブ23および高低速用
シフトドライブ24がさらに同一方向に所定角度回転す
るが、パーキング用操作ロッド17上のシフトアーム2
1は移動せず出力軸6とパーキング歯Gpとは連結され
ていない状態に保たれる。一方、高低速用操作ロッド1
9上のシフトアーム22はL(上記)の状態とちょう
ど逆方向に移動し、セレクターS1が高速用歯車Ghと
出力軸6とを連結させる。これにより、モータ5の回転
は入力軸3から出力軸6に直接伝達され、カウンターシ
ャフト8を介さずに出力軸6が回転するので、減速ギア
比が小さく(1:1)なる。したがって電気自動車を小
さなトルクにて、高速度で前進させることができる。
【0033】以上のようにして、チェンジレバー11を
一直線状に操作(移動操作)することで、変速装置1を
P−L−N−Hの各状態に切り換えることができる。ま
た、上記したのパーキング状態で、切換スイッチ13
を後進側に切り換えて上記した〜の状態に操作する
ことにより、電気自動車を低速と高速の二段変速で後進
させることができる。
【0034】また上記変速装置1を作業用の電気自動車
(図示せず)に使用するときには、図1のように、カウ
ンターシャフト8と平行にPTO軸31を装置本体2に
回動自在に配設するとともに、PTO軸31上に固設し
た出力歯車32をカウンターシャフト8の高速歯車G
h’又は低速歯車Gl’に噛合させ、PTO軸31の装
置本体2から突出させた部分に作業機(図示せず)を接
続する。そして、チェンジレバー11をインジケータ1
2のPの位置にし、パーキング状態でモータ5を一定速
度で回転させることにより、モータ5の駆動力を作業機
の駆動源として利用することができる。
【0035】次に、図4は図1の変速装置1の操作系の
構造の他の実施例を示す斜視図、図5は図4のパーキン
グ切換用シフトドラムのカム溝の展開図(上段)とチェ
ンジレバーの5ポジション(中上段)と前後進切換用ス
イッチおよびその操作用カム(中下段)と前進二段切換
用シフトドラムのカム溝の展開図(下段)およびそれら
の関係を示すものである。
【0036】本例の操作系の構造が上記実施例と相違す
る主な点は、チェンジレバー11による操作で前後進も
切り換えられるように後進用のポジションを増やして5
ポジションにし、切換スイッチ13(図2)を省いたこ
とである。ただし、変速装置1については図1と共通の
ものを使用している。
【0037】チェンジレバー11は、パーキング段
(P)、後進段(R)、中立段(N)、高速段(H)、
低速段(L)を五段切換構造にし、その操作は上記実施
例と同様に一直線状に行うようにしている。このため、
ピニオン軸15の他端に、円周方向の一か所25aが凹
状に窪んだカム25を固設している。このカム25に
は、後進切換用スイッチ26の操作部26aを添接し、
操作部26aの位置にカム25の凹状部25aが回転し
てきたときに、後進切換用スイッチ26がONになって
モータ5(図1)の回転方向が切り換わるようにしてい
る。
【0038】パーキング用シフトドラム23のカム溝2
3aは、その展開状態を図5に示すように、チェンジレ
バー11がR−N−H−Lの位置のときに中立位置にな
るように変更している。高低速用シフトドラム24のカ
ム溝24aも、その展開状態を図5に示すように、チェ
ンジレバー11がRの位置のときにチェンジレバー11
がLのときと同位置に所定のシフトストロークsで位置
が一方へずれるように変更するとともに、チェンジレバ
ー11がHの位置とLの位置間のときには中立状態
(N)を省き、所定のシフトストロークsで位置が一方
へずれた状態から反対側へ所定のシフトストロークsで
反対側へ位置がずれるように変更している。
【0039】したがって、チェンジレバー11だけの直
線的な操作でRの位置を選択することにより、前進から
後進に切り換えられるという利点があるが、本例の場合
は、後進は前進の低速段(L)の一段だけになる。この
ため、乗用車には本例が好適であるが、作業車には上記
実施例の方が有利な場合が多い。
【0040】次に、図6は第2実施例にかかる電気自動
車用変速装置1’を概略的に示す模式図である。
【0041】本例の変速装置1’が上記第1実施例と相
違する点は主に下記の点である。すなわち、図6に示す
ように、装置本体2に固設していたパーキング歯Gpを
取り除いている。その代わりに、低速用歯車Glのドッ
グ歯Gd2と反対側の端に、別のドッグ歯Gd3を設け
て、歯車選択手段(セレクターともいう)S2により出
力軸6と低速用歯車Glとを連結したり連結を解除した
りできるように構成している。その他の構成について
は、上記第1実施例と共通するので、同一の構成部材に
ついては、図1の同一の符号を用いて示し、説明を省略
する。
【0042】本例の変速装置1’によっても、上記実施
例の変速装置1とほぼ同じ要領で、前進後進ならびに高
低速の二段変速が行われるが、パーキング段への切換だ
けが下記のように相違する。
【0043】すなわち、図6において、チェンジレバー
11(図2・図4)をインジケータ12のPの位置に移
動すると、出力軸6はセレクターS2を介して低速用歯
車Glのドッグ歯Gd3に噛合して連結されると同時
に、出力軸6はセレクターS1を介して高速用歯車Gh
のドッグ歯Gdに噛合して連結される。この状態で出力
軸6に対し、モータ5からの回転力が入力軸3から直接
伝達されると同時に、高速用歯車Gh−高速歯車Gh’
−カウンターシャフト8−低速歯車Gl’−低速用歯車
Glを介して間接的にも伝達されるが、両系統の減速ギ
ヤ比が異なっているので、出力軸6は非回転状態に保持
され、パーキング段が構成されることになる。本例の場
合には、出力軸6だけでなくカウンターシャフト8も回
転しないので、PTO軸31(図1参照)による動力の
取り出しはできない。なお本例の変速装置1’において
も、その操作系に上記した図2・図3あるいは図4・図
5の構造を用いることにより、チェンジレバー11によ
る直線的な操作で前進後進、高低速の二段変速およびパ
ーキング段への切換ができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の電気自動車用変速装置には、下記のような効果
がある。
【0045】(1) 出力軸を非回転状態に拘束するパーキ
ング段を備え、チェンジレバーをオートマチック式変速
装置と同様に一直線状に操作して変速でき、しかも歯車
の種類および歯車数が少なくて済むため、構造が簡単で
小型軽量化が図れる。
【0046】(2) 請求項2記載の変速装置では、パーキ
ング時にPTO軸から自動車に搭載されているモータの
出力を取り出すことができるので、作業車に好適であ
る。
【0047】(3) 請求項3記載の変速装置では、請求項
1とほぼ同様の効果があり、しかもパーキング歯を設け
る必要がないので、構造がより簡略化される。反面、P
TO軸による動力の取り出しができないという不都合が
ある。
【0048】(4) 請求項4記載の変速装置では、チェン
ジレバー操作部に並設されるスイッチの切り換えによ
り、前進と後進とが切り換えられる。後進も前進と同様
に高速と低速の二段変速が可能なため、作業車に有効で
ある。
【0049】(5) 請求項5記載の変速装置では、チェン
ジレバーだけの操作で前進と後進の切換が可能なため、
操作が容易であり、とくに乗用車タイプの電気自動車に
好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる電気自動車用変速
装置を概略的に示す模式図である。
【図2】図1の変速装置の操作系の構造を示す斜視図で
ある。
【図3】図3(a)は図2のパーキング切換用操作ロッド
とピニオン軸と前進二段切換用操作ロッドの位置関係を
示す説明図で、図3(b)は図2のパーキング切換用シフ
トドラムのカム溝の展開図(上段)とチェンジレバーの
4ポジション(中段)と前進二段切換用シフトドラムの
カム溝の展開図(下段)およびそれらの関係を示す。
【図4】図1の変速装置1の操作系の構造の他の実施例
を示す斜視図である。
【図5】図4のパーキング切換用シフトドラムのカム溝
の展開図(上段)とチェンジレバーの5ポジション(中
上段)と前後進切換用スイッチおよびその操作用カム
(中下段)と前進二段切換用シフトドラムのカム溝の展
開図(下段)およびそれらの関係を示す。
【図6】本発明の第2実施例にかかる電気自動車用変速
装置を概略的に示す模式図である。
【符号の説明】
1・1’ 変速装置 2 装置本体(ミッションケーシング) 3 入力軸 5 モータ 6 出力軸(メインシャフト) 8 カウンターシャフト Gh 高速用歯車 Gh’高速歯車 Gl 低速用歯車 Gl’低速歯車 Gd・Gd2・Gd3 ドッグ歯 Gp パーキング歯 S1・S2 歯車選択手段(セレクター) 11 チェンジレバー 13 前後進切換スイッチ 15 ピニオン軸 16 ラック 17・19 操作ロッド 18 プッシュプルケーブル(連結部材) 21・22 シフトアーム 23・24 シフトドラム 23a・24a カム溝(シフトアーム操作部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータに直結された入力軸と、この入力
    軸の延長線上に配設された出力軸と、この出力軸と平行
    に配設されたカウンター軸とを装置本体内に備えた電気
    自動車用変速装置において、 前記入力軸上に高速用歯車を固設し、 前記出力軸上に低速用歯車を回動自在に配装し、 前記高速用歯車に噛合する高速歯車と前記低速用歯車に
    噛合する低速歯車とを前記カウンター軸上にそれぞれ固
    設し、 パーキング歯を前記出力軸上で装置本体に固設し、 前記出力軸上にこの出力軸を前記高速用歯車と前記低速
    用歯車とのいずれか一方に選択的に連結あるいは連結を
    解除する低高速切換用歯車選択手段を設けるとともに、
    前記出力軸上にこの出力軸を前記パーキング歯に連結あ
    るいは連結を解除するパーキング用歯車選択手段を設
    け、 前記低高速切換用歯車選択手段および前記パーキング用
    歯車選択手段は、それぞれ操作ロッド上に軸方向に摺動
    自在に装着したシフトアームを備え、それらの操作ロッ
    ドは相互に平行に配設され、 前記各シフトアームをそれぞれ操作するための二つのシ
    フトドラムを軸方向に間隔をあけて固設しかつ一端部に
    ピニオンを設けたピニオン軸を、前記二つの操作ロッド
    の間に平行にかつ回動自在に配設するとともに、二つの
    前記シフトドラムにおける前記シフトアームの操作部
    は、前記出力軸が中立状態で前記パーキング歯に連結さ
    れるように構成し、 前記ピニオン軸のピニオンにラックを噛合させ、このラ
    ックは一直線状に選択操作するチェンジレバーにケーブ
    ルやロッドなどの連結部材を介して連結し、前記シフト
    ドラムの回転操作により前記シフトアームを移動するこ
    とによって、高速段・中立段・低速段・パーキング段の
    切換をチェンジレバーの一直線状移動操作により行うよ
    うにしたことを特徴とする電気自動車用変速装置。
  2. 【請求項2】 前記装置本体内に、出力歯車を固設した
    PTO軸を前記カウンター軸と平行に回動自在に取り付
    けるとともに、前記出力歯車を前記カウンター軸の前記
    高速歯車又は前記低速歯車に噛合させた請求項1記載の
    電気自動車用変速装置。
  3. 【請求項3】 モータに直結された入力軸と、この入力
    軸の延長線上に配設された出力軸と、この出力軸と平行
    に配設されたカウンター軸とを装置本体内に備えた電気
    自動車用変速装置において、 前記入力軸上に高速用歯車を固設し、 前記出力軸上に低速用歯車を回動自在に配装し、 前記高速用歯車に噛合する高速歯車と前記低速用歯車に
    噛合する低速歯車とを前記カウンター軸にそれぞれ固設
    し、 前記出力軸上にこの出力軸を前記高速用歯車と前記低速
    用歯車のいずれか一方に選択的に連結あるいは連結を解
    除する低高速切換用歯車選択手段を設けるとともに、前
    記出力軸上にこの出力軸を前記低速用歯車に連結あるい
    は連結を解除するパーキング用歯車選択手段を設け、 前記低高速切換用歯車選択手段および前記パーキング用
    歯車選択手段は、それぞれ操作ロッド上に軸方向に摺動
    自在に装着したシフトアームを備え、それらの操作ロッ
    ドは相互に平行に配設され、 前記各シフトアームをそれぞれ操作するための二つのシ
    フトドラムを軸方向に間隔をあけて固設しかつ一端部に
    ピニオンを設けたピニオン軸を、前記二つの操作ロッド
    の間に平行にかつ回動自在に配設するとともに、二つの
    前記シフトドラムにおける前記シフトアームの操作部
    は、前記出力軸が前記低速用歯車又は前記高速用歯車に
    或いは前記低速用歯車と前記高速用歯車とに同時にそれ
    ぞれ選択的に連結可能に構成し、 前記ピニオン軸のピニオンにラックを噛合させ、このラ
    ックは一直線状に選択操作するチェンジレバーにケーブ
    ルやロッドなどの連結部材を介して連結し、前記シフト
    ドラムの回転操作により前記シフトアームを移動するこ
    とによって、高速段・中立段・低速段・パーキング段の
    切換をチェンジレバーの一直線状移動操作により行うよ
    うにしたことを特徴とする電気自動車用変速装置。
  4. 【請求項4】 前記モータの回転方向を正逆に切り換え
    るためのスイッチを設けた請求項1〜3のいずれかに記
    載の電気自動車用変速装置。
  5. 【請求項5】 前記ピニオン軸の他端部にカムを取り付
    け、このカムにより前記モータの回転方向を正逆に切り
    換えるためのスイッチを操作するようにした請求項1〜
    3のいずれかに記載の電気自動車用変速装置。
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