JP3146796B2 - 直流遮断器 - Google Patents

直流遮断器

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JP3146796B2
JP3146796B2 JP26677993A JP26677993A JP3146796B2 JP 3146796 B2 JP3146796 B2 JP 3146796B2 JP 26677993 A JP26677993 A JP 26677993A JP 26677993 A JP26677993 A JP 26677993A JP 3146796 B2 JP3146796 B2 JP 3146796B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流遮断器に係り、特
に過電流引き外し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、交流送電に代えた直流送電のシス
テム化が検討されており、この直流送電に必要となる直
流遮断器、例えば直流高速度気中遮断器(HSCB)と
その過電流引き外し装置が開発されてきている。
【0003】この過電流引き外し装置においても、信頼
性向上のために一般的な交流遮断器と同じに二重化した
保護遮断が検討されている。
【0004】図5は、交流遮断器用の過電流継電器の回
路を示す。交流遮断器1の線路電流から両過電流継電器
2、3がそれぞれ過電流を検出し、両過電流継電器2、
3の出力接点2A、2Bの同時オンで交流遮断器1のト
リップコイル4を付勢する。補助接点2AA、2BAは、
装置故障出力を得るためのものである。
【0005】この回路の特徴は、一方の過電流継電器2
が動作方向に故障している場合、他方の正常な過電流継
電器3が遮断器動作出力を阻止し、遮断器の不要動作を
防止する。
【0006】また、一方の過電流継電器2が不動作方向
に故障している場合、過電流の発生には保護遮断ができ
ないため、上位のバックアップ遮断で保護遮断を得る。
このときの継電器2の故障は、過電流の発生で他方の正
常な継電器3が動作したときにその補助接点による装置
故障の検出信号から判別される。
【0007】すなわち、交流遮断器用の過電流継電器
は、その二重化構成では一方の故障には保護遮断を行わ
ず、上位のバックアップ遮断に期待することとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の交流遮断器用の
二重化した過電流継電手法を直流遮断器の過電流引き外
し装置に適用した場合、以下の問題がある。
【0009】(1)直流送電系統では上位のバックアッ
プ遮断が期待できないため、一方の継電器の不動作方向
への故障があると、系統遮断不能に陥る恐れがある。
【0010】(2)直流遮断器では限流遮断を行ってお
り、事故電流が推定短絡電流に達する前に遮断する必要
がある。このため、事故電流確認から遮断動作開始まで
は2ms前後の時間遅れしか許されず、装置故障を確認
してから手動で遮断指令を出力したのでは、その間に事
故電流が増大してしまい、結果的に遮断不能を起こして
しまう。
【0011】本発明の目的は、二重化した保護遮断にし
ながら一方の直流過電流継電器の不動作方向への故障に
も限流遮断を可能にする直流遮断器を提供することにあ
る。
【0012】また、本発明の他の目的は、回路精度上の
誤動作を防止して限流遮断を可能にする直流遮断器を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決を図るため、直流遮断器が接続される直流線路の電流
検出信号が過電流設定値を越えたことをそれぞれ検出す
る二重化した判定手段と、前記両判定手段の判定出力の
不一致を検出及び出力する不一致判定手段と、前記遮断
器のトリップコイルに遮断器トリップのための通電を行
う直列接続の半導体スイッチと、前記判定手段の判定出
力でそれぞれ前記半導体スイッチを個別に点弧しかつ前
記不一致判定手段の不一致判定出力で該半導体スイッチ
を一括して点弧する点弧手段とを有する過電流引き外し
装置としたことを特徴とする。
【0014】また、本発明は、前記構成において、前記
両判定手段の一方に過電流の判定結果が得られたときに
他方の判定手段の入力側に正帰還補正して該他方の判定
手段を過電流検出側に強制する補正回路を備えたことを
特徴とする。
【0015】
【作用】二重化した判定手段による両半導体スイッチの
個別の点弧に加えて、両判定手段の判定出力の不一致判
定により両半導体スイッチの一括点弧を行うと共に誤不
動作を検出する。これにより、一方の系の誤不動作にも
高速の遮断動作を得ると共に不一致検出により回路故障
の判定出力を得る。
【0016】また、一方の判定手段に過電流の判定を得
たときに他方の判定手段を過電流検出側に強制すること
により、両判定手段の回路精度上の誤差による検出タイ
ミングのずれを無くし、誤った不一致判定動作を防止す
ると共に不一致判定を高速に得て限流遮断を可能にす
る。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す回路図であ
る。直流高速度気中遮断器11に接続される直流線路の
通電電流は一対の直流変流器12、13でそれぞれ検出
される。
【0018】増幅器14、15は、直流変流器12、1
3の検出信号をそれぞれ増幅して適当なレベルの通電電
流検出信号を得る。
【0019】過電流判定回路16、17は、同じ過電流
設定値を比較基準とし、増幅器14、15からの検出信
号を比較入力とし、それぞれ通電電流が過電流設定値を
越えたか否かを判定し、通電電流が過電流設定値を越え
たとき(過電流を検出したとき)に論理「1」の判定出
力を得る。
【0020】不一致判定回路18は、両判定回路16、
17の判定出力が不一致になるときに論理「1」の判定
出力を得る。また、判定出力に並行して不一致信号を補
助接点18Aのオン出力として得る。
【0021】論理和回路19、20は、それぞれ判定回
路16、17の出力を一方の入力とし、他方の共通入力
に不一致判定回路18の出力を入力とし、判定回路1
6、17に過電流判定出力が得られたとき、又は両判定
出力が不一致のときに論理「1」の出力を得る。
【0022】出力回路21、22は、それぞれ論理和回
路19、20の論理「1」の出力を電力増幅し、半導体
スイッチになるサイリスタ23、24の点弧出力を得
る。
【0023】サイリスタ23、24は、直列接続され、
両方の点弧で直流高速度気中遮断器11のトリップコイ
ル25に遮断器トリップのための通電をする。
【0024】本実施例において、過電流発生時の正常な
回路動作では、両判定回路16、17にそれぞれ過電流
判定出力を得、個別に論理和回路19、20を介して出
力回路21、22を動作させ、サイリスタ23、24を
共に点弧し、トリップコイル25への通電で遮断器11
を遮断動作させる。
【0025】また、直流変流器12、13から判定回路
16、17までの両検出系の一方の系が誤動作したとき
には不一致判定回路18で不一致を判定し、一括して論
理和回路19、20を介して出力回路21、22を動作
させ、両サイリスタ23、24の点弧によって遮断動作
をさせると共に、動作不一致による補助接点18Aから
装置異常出力を得る。
【0026】また、両検出系の一方が誤不動作したとき
には不一致判定回路18の不一致判定出力によって上記
の誤動作と同様に遮断動作と装置異常出力を得る。
【0027】したがって、本実施例によれば、二重化構
成での一方の系の不動作故障にも正常動作と同じに高速
の遮断動作を得ることができ、重大事故への拡大を防止
できる。
【0028】すなわち、従来の二重化構成では、一方の
系の故障時には遮断動作が得られないため、最も厳しい
回路条件下で短絡事故が発生したときには、約10ms
後には遮断器の定格遮断容量を越えた過電流状態にな
り、遮断不能になって系統の設備に大きな損害を与え
る。この点、本実施例では正常動作と同じに高速の遮断
動作を得ることができ、遮断器の定格遮断容量を越える
前に遮断を得ることができる。
【0029】図2は、本発明の他の実施例を示す回路図
である。同図が図1と異なる部分は、判定回路16に論
理「1」出力が得られたときに所定値を判定回路17の
比較入力に加算して判定回路17の出力を過電流検出状
態に強制する正帰還補正回路26を設け、同様に判定回
路17に論理「1」出力が得られたときに所定値を判定
回路16の比較入力に加算して過電流検出状態に強制す
る正帰還補正回路27を設けた点にある。
【0030】本実施例によれば、一方の判定回路16
(又は17)に過電流検出の判定が得られたときには他
方の判定回路17(又は16)の入力信号に所定値が加
算され、その判定出力を過電流検出に強制される。これ
により、両判定回路系の回路精度上の誤差による検出タ
イミングのずれを無くし、誤った不一致判定動作を防止
すると共に不一致判定を高速に得て限流遮断を可能にす
る。これを以下に詳細に説明する。
【0031】前記の図1の実施例において、両判定回路
系(変流器12、13から判定回路16、17までの回
路)による電流検出信号と過電流設定値の個々の比較
は、常に同じ精度で判定動作を得ることが難しく、回路
精度上の誤差が存在する。
【0032】例えば、図3の(a)に示すように線路の
電流(検出信号)Aが急速に上昇する過電流発生、又は
(b)に示すように線路の電流(検出信号)Bが緩やか
に上昇する過電流発生に対し、両判定回路16、17の
過電流検出レベルV1、V2に回路精度上の誤差があると
き、両判定回路16、17の判定結果に時間T1、T2
遅れを伴う。
【0033】ここで、不一致判定回路18は、不一致を
確認するために不一致検出からその出力までに限時を持
たせてあるが、この限時は一方の判定回路系の故障時の
強制遮断信号にすることから長く設定すると限流遮断が
不能になるため、数100マイクロ秒と極めて短くされ
る。
【0034】このため、図3の(b)に示すような漸進
電流に対しては図1の構成では回路精度上のずれから誤
った不一致判定(装置故障の検出)になってしまう。
【0035】そこで、本実施例では、一方の判定回路の
過電流判定出力で他方の判定回路を過電流判定出力に強
制することにより、不一致判定の限時を限流遮断可能に
する極めて短い値に設定しながら誤った不一致判定を無
くす。
【0036】図4は、本実施例の判定動作を説明するた
めの波形図である。同図中、破線で示すI1は検出電流
の理想曲線であり、実線で示すI2、I3は実際の検出信
号波形を示し、理想曲線とは回路の精度誤差があること
を示す。また、V3は過電流設定値を示す。
【0037】同図の(a)と(b)は、判定回路16の
動作波形を示し、時刻t1で過電流の判定を得る。この
時刻t1は理想曲線での判定時刻t0に比べて時間d1
け早く動作する。また、(c)に示す判定回路17の動
作波形では時刻t2で過電流の判定を得るため、理想曲
線での判定とは時間d2だけ遅れて動作する。
【0038】すなわち、図1の実施例では、両判定回路
の判定動作にd1+d2の時間遅れが発生する。
【0039】この点、本実施例では、時刻t1で判定回
路16が動作することにより、(c)に示すように判定
回路17の入力を所定値Sだけステップ状に増加させた
波形I3’に強制する。これにより、判定回路17の判
定動作出力は、判定回路16と同じ時刻t1で判定出力
を得ることができ、両判定回路の判定動作に時間遅れは
無くなる。同時に、(b)に示すように、判定回路17
の出力で判定回路16の入力も所定値Sだけ増加させた
波形I2’になり、正帰還がかかる。
【0040】したがって、両判定回路系の内、早い判定
動作を得る側の過電流検出タイミングに一致して両判定
回路に判定出力を得ることができる。このような動作
は、図3の(b)に示す漸進電流に対しても同様にな
り、限流遮断を可能にする短い限時にした不一致判定に
しながら回路精度上の誤差による誤った不一致判定を無
くすことができる。また、正帰還によってノイズ等によ
る判定動作のチャタリング現象を無くした安定動作を得
ることもできる。
【0041】なお、以上までの実施例において、電流検
出から判定回路までの構成や論理和回路からサイリスタ
までの構成は適宜設計変更できる。
【0042】また、不一致判定による正帰還は、判定回
路の入力信号に所定値を加算するのとは逆に過電流設定
値を所定値だけ下げる構成にして同等の作用効果を得る
ことができる。
【0043】さらに、不一致判定回路の入力を両判定回
路の出力とするのに代えて出力回路21、22の信号か
ら得る構成など適宜設計変更できる。
【0044】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、二重化
した判定手段による両半導体スイッチの個別の点弧に加
えて、両判定手段の判定出力の不一致判定により両半導
体スイッチの一括点弧を行うと共に誤不動作を検出する
ようにしたため、一方の系の誤不動作にも自動遮断動作
による限流遮断を得ることができ、重大事故への拡大を
防止できる。また、不一致検出により回路故障の判定出
力も得ることができる効果がある。
【0045】また、本発明は、一方の判定手段に過電流
の判定を得たときに他方の判定手段を過電流検出側に強
制する正帰還補正回路を設けたため、両判定手段の回路
精度上の誤差による検出タイミングのずれを無くし、誤
った不一致判定動作を防止すると共に不一致判定を高速
に得て安定した限流遮断を可能にする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図。
【図2】本発明の他の実施例を示す回路図。
【図3】実施例における過電流検出態様図。
【図4】他の実施例の動作波形図。
【図5】従来の交流遮断器の過電流引き外し装置を示す
回路図。
【符号の説明】
11…直流高速度気中遮断器 12、13…変流器 16、17…過電流判定回路 18…不一致判定回路 25…トリップコイル 26、27…正帰還補正回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−130022(JP,A) 特開 昭61−109217(JP,A) 特開 昭62−163515(JP,A) 特開 昭57−180319(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 33/59 H02H 3/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流遮断器が接続される直流線路の電流
    検出信号が過電流設定値を越えたことをそれぞれ検出す
    る二重化した判定手段と、前記両判定手段の判定出力の
    不一致を検出及び出力する不一致判定手段と、前記遮断
    器のトリップコイルに遮断器トリップのための通電を行
    う直列接続の半導体スイッチと、前記判定手段の判定出
    力でそれぞれ前記半導体スイッチを個別に点弧しかつ前
    記不一致判定手段の不一致判定出力で該半導体スイッチ
    を一括して点弧する点弧手段とを有する過電流引き外し
    装置を備えたことを特徴とする直流遮断器。
  2. 【請求項2】 前記両判定手段の一方に過電流の判定結
    果が得られたときに他方の判定手段の入力側に正帰還補
    正して該他方の判定手段を過電流検出側に強制する補正
    回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の直流遮断
    器。
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