JP3146914B2 - シェルの成形金型 - Google Patents

シェルの成形金型

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JP3146914B2 JP7801995A JP7801995A JP3146914B2 JP 3146914 B2 JP3146914 B2 JP 3146914B2 JP 7801995 A JP7801995 A JP 7801995A JP 7801995 A JP7801995 A JP 7801995A JP 3146914 B2 JP3146914 B2 JP 3146914B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、円盤状の磁気記憶媒
体を収納するフロッピーディスクあるいは光学的な記録
担体を収納する光ディスク等のシェルの成形金型に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より知られているフロッピーディス
クは、例えば、図4に示すように、円盤状に形成された
記憶用ディスク体1を収納するために薄型箱状に形成さ
れる樹脂製のシェル2と、シェル2の外周部に摺動可能
に取り付けられる断面コ字状のシャッタ3とから構成さ
れている。そして、コンピュータ等に接続された磁気デ
ィスクユニット(図示略)から抜き出された非使用状態
で、前記シャッタ3によってシェル2に形成された磁気
ヘッド導入口4を閉鎖し、ディスク体1を外部の塵埃等
から保護するようになっている。
【0003】このようなフロッピーディスク5のシェル
2は、ディスク体1の両面から相互に組み合わせられる
2つのハーフよりなる。各ハーフは、別個の成形金型に
よって成形されるようになっている。かかる成形金型
は、相互に接離される固定型と可動型とから構成され、
固定型は、例えば、シェル2の外面となるハーフの表面
を成形し、可動型はシェル2の内面となるハーフの表面
を成形するようになっている。
【0004】シェル2の外面を成形する固定型6として
は、図5に示す構造のものがある。この固定型には、所
望の表面形状を達成するための凹部7が形成されてお
り、型閉時に、可動型の凹部(図示略)と組み合わせら
れることによって、各ハーフを成形するためのキャビテ
ィ8が形成されるようになっている。このような凹部7
は、従来より、固定型6の表面に切削加工を施すことに
より形成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
全ての外面形状を成形することが凹部7を表面に切削形
成した固定型6を使用する場合には、部品点数を少なく
することができるという利点はある。しかしながら、そ
の反面、このような固定型6をシェル2の成形する成形
金型として採用する場合には、以下のような種々の不都
合がある。
【0006】第1に、上述したように、シェル2にはシ
ャッタ3の摺動する摺動面9が表裏面にそれぞれ設けら
れるが、これらの摺動面9間の距離寸法は、きわめて厳
密に設定されている必要がある。すなわち、断面コ字状
のシャッタ3は、一体成形されるために、高い寸法精度
で成形されるが、このシャッタ3の内面を摺動させる摺
動面9間の距離寸法が精度良く形成されていないと、シ
ャッタ3の内面と摺動面9との間に隙間を生じたり、過
大な摩擦力によりシャッタ3等の摩耗を生じたりする不
都合が考えられる。
【0007】この観点から、シェル2の外面を成形する
固定型6に摺動面9を成形するための凹部をも切削形成
する上記成形金型であると、摺動面9の位置調整がきわ
めて困難であると言える。すなわち、この成形金型にお
いて摺動面9の位置調整を行うには、試験的に成形した
シェル2の摺動面9の厚さ寸法を測定した後に、固定型
6を取り外して、専用の加工装置(図示略)により、図
6に鎖線で示すように、摺動面9に相当する金型の表面
を微小量ずつ削り取り、その後に、再度固定型6を取り
付けてシェル2を成形するという作業を繰り返し実施し
なければならない。特に、摺動面9を切削する作業はき
わめて煩雑であるとともに、削り取り量が多過ぎた場合
には、固定型6が使用不可能となる不都合も考えられ
る。
【0008】第2に、シェル2の摺動面9は、一般に、
シャッタ3を含めたシェル2の厚さ寸法を、それ以外の
シェル2の外面10と同等に構成するために、他の外面
10よりもシェル2の厚さ分だけ一段低く形成される。
このため、このシェル2の外面を形成する固定型6は、
図7に示すように、摺動面9の部分だけ一段高く形成さ
れることになり、他の外面10との間に段差11を有す
るものとなる。
【0009】しかしながら、かかる段差11がキャビテ
ィ8内に設けられていると、ゲート(図示略)の配置に
よっては、溶融樹脂の射出時に、溶融樹脂によって追い
出されるキャビティ8内の空気が、図7に示すように、
その段差11の部分に溜まって気泡Aが形成され、成形
品としてのシェル2の一部が欠けるいわゆるショートシ
ョットが発生するという不都合がある。
【0010】第3に、上記段差11は、シャッタ3の縁
を当接させるストッパとしても機能するため、一定の幅
寸法Wを有する当接面12を確保する必要がある。しか
しながら、固定型6の表面に切削加工によってシェル2
の外面形状を彫り込む方法であると、摺動面9を成形す
る部分とその他の外面10との境界に形成される内隅部
13に、図8に示すように、工具先端のエッジ形状等に
よって、R面(あるいはC面)が形成されてしまうこと
になる。したがって、ゲート位置等の調整によって上記
ショートショットの発生を抑制することができたとして
も、段差11におけるR面等によって成形されるシェル
2の上記当接面12の幅寸法Wが減少させられてしまう
不都合も考えられる。
【0011】本発明は、上述した事情に鑑みて成された
ものであって、シャッタ3を摺動させる摺動面9を精度
良く成形し、ショートショットの発生を防止し、かつ、
シャッタ3を当接させる当接面14の幅寸法Wを確保し
たシェル2を成形することができる成形金型を提供する
ことを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ディスク体を収納するシェル外面にシャ
ッタを摺動させる摺動面を設けてなるシェルの成形金型
であって、前記摺動面を成形する第1の金型が、シェル
の外面の他の部位を成形する第2の金型に着脱可能に組
み合わせられる入子型とされているシェルの成形金型を
提案している。
【0013】上記成形金型において、第1の金型が、該
第1の金型の形成する摺動面のキャビティ面と、第2の
金型の形成する摺動面周囲のキャビティ面との距離を調
整可能に、第2の金型に組み合わせられることとすれば
効果的である。
【0014】
【作用】本発明に係るシェルの成形金型によれば、摺動
面を成形する第1の金型を第2の金型の入子型とするこ
とにより、これらの金型の間に形成される段差の内隅部
を平面が直交する形状とすることが可能となる。これに
より、該段差によって構成されるシャッタを当接させる
ための当接面の幅寸法が確保されることになる。
【0015】また、第1の金型と第2の金型とは、摺動
面とそれ以外のシェルの外面との境界位置において、相
互に接触する分割面を有しているので、溶融樹脂の射出
に際して段差に溜まろうとする空気をこの分割面からキ
ャビティ外部に逃がし、ショートショットの発生を回避
することが可能となる。
【0016】さらに、第1の金型が、その形成するキャ
ビティ面と、第2の金型の形成するキャビティ面との距
離を調整可能に、第2の金型に組み合わせられることと
すれば、シェルの表裏面に形成される摺動面間の距離
を、切削加工を伴うことなく簡易かつ正確に調整するこ
とが可能となり、摺動面とシャッタとの間における過大
な隙間や、過大な摩擦力の発生が回避されることにな
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係るシェルの成形金型の一実
施例について図1から図3を参照して説明する。なお、
本実施例においては、上述した従来例と構成を共通とす
る箇所に、同一符号を付して説明を簡略化する。
【0018】本実施例に係る成形金型20も、例えば、
フロッピーディスク5用のシェル2を成形するためのも
のであって、図1に示すように、成形されるべきシェル
2の外面形状に倣って、例えば、固定型21の表面に切
削加工により形成された凹部22を有する点において上
述した従来の成形金型と共通している。
【0019】しかし、本実施例の成形金型20は、摺動
面9を成形する部分の金型が入子型23となっている点
において従来例と相違している。すなわち、固定型21
の凹部22には、摺動面9を除くシェル2の外面形状を
成形するための凹凸が切削加工等により設けられている
とともに、摺動面9の輪郭形状に沿って、一段深く彫り
込まれた嵌合凹部24が設けられている。
【0020】この嵌合凹部24には、該嵌合凹部24に
ぴったりと嵌合する形状の入子型23が固定型21の表
面に直交する方向から嵌め込まれ、図示しないボルト等
の締結具によって固定型21に固定されるようになって
いる。また、この入子型23と嵌合凹部24との間に
は、適当な厚さ寸法のシム25が挿入されるようになっ
ている。
【0021】前記入子型23は、シム25の厚さ寸法を
考慮して、十分に薄い板状に形成されている。これによ
り、嵌合凹部24との間に介在させるシム25の厚さ寸
法を調整することによって、入子型23の表面23aと
他の外面10との距離を増減させ、任意に調整すること
ができるようになっている。
【0022】このように構成された本実施例の成形金型
20によれば、図2および図3に示すように、固定型2
1の凹部22に形成されたシェル2の外面を成形するキ
ャビティ面10と、嵌合凹部24に挿入される入子型2
3の側面23bとが直交するように配される。これによ
り、段差11の内隅部13にC面等が形成されることが
回避され、シャッタ3を当接させる当接面12の幅寸法
Wを段差11の寸法と等しい寸法に確保することができ
る。
【0023】また、嵌合凹部24と入子型23とは、相
互に嵌合させられるものであるから、両者23・24間
には、一定の微細なクリアランス26が形成される。し
たがって、溶融樹脂がキャビティ8内に射出された場合
に、キャビティ8内の空気はそのクリアランス26を通
してキャビティ8の外部に効率的に逃がされることにな
り、段差11の内隅部13まで完全に溶融樹脂を充填し
てショートショットの発生を防止することができる。
【0024】さらに、摺動面9の位置調整を行う場合
に、金型に切削加工を施すことなく、シム25調整のみ
のよって簡易かつ確実に摺動面9の位置調整を実施する
ことができる。しかも、試作成形されたシェル2を測定
することにより、追加、削除すべきシム25の厚さ寸法
を容易に予測できるので、摺動面9の位置調整作業の繰
り返し回数を大幅に削減することができる。また、調整
を失敗した場合であっても、シム25の厚さ寸法をもと
に戻す調整を実施できるため、摺動面9を直接切削する
場合のように、金型が使用不可能となるような重大な事
態になることが回避される。
【0025】そして、このように本実施例のシェル2の
成形金型20によれば、シャッタ3と摺動面9との最適
な接触状態を達成するシェル2をきわめて簡易に成形す
ることができる。すなわち、両者3・9間の隙間を最小
限に抑制して、シェル2内部への塵埃等の侵入を有効に
回避することができ、また両者3・9間の接触圧力が過
大なものとなることによる摩擦力の増大やシャッタ3等
の摩耗等の不都合をも回避することができる。
【0026】なお、本実施例においては、固定型21に
設ける場合について説明したが、これに代えて、同様の
構成を可動型に設けることとしてもよい。また、嵌合凹
部24と入子型23との間に、シム25を介在させて、
該シム25を交換することにより入子型23の位置調整
を実施することとしたが、これに代えて、シム25を使
用することなく、厚さ寸法の異なる入子型23を複数用
意しておき、これを交換することとしてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るシェ
ルの成形金型は、摺動面を成形する第1の金型を、シェ
ルの外面の他の部位を成形する第2の金型に着脱可能に
組み合わせられる入子型としているので、第1の金型と
第2の金型との境界面に設けられる段差の内隅部を2つ
の平面が直交するように構成することができる。その結
果、シェルに形成される段差と等しい幅寸法の、シャッ
タの当接する当接面を確保することができ、シャッタが
段差に乗り上げるような不都合の発生を防止することが
できるという効果を奏する。
【0028】また、第1の金型と第2の金型の境界面に
段差が形成されるので、キャビティ内の空気を両金型の
境界面から効果的に逃がし、段差の内隅部におけるショ
ートショットの発生を確実に回避することができる。
【0029】さらに、上記シェルの成形金型において、
第1の金型の形成するキャビティ面と、第2の金型の形
成するキャビティ面との距離を調整可能に、第1の金型
を第2の金型に組み合わせることにより、シェルに形成
される摺動面の位置調整をきわめて簡易に実施すること
ができ、生産立ち上げ時等における調整作業に要する作
業工数を大幅に短縮することができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシェルの成形金型の一実施例を示
す分解斜視図である。
【図2】図1のシェルの成形金型を組立てた状態を示す
斜視図である。
【図3】図1のシェルの成形金型の第1の金型と第2の
金型との境界面近傍を示す縦断面図である。
【図4】フロッピーディスクの一例を示す正面図であ
る。
【図5】従来のシェルの成形金型を示す斜視図である。
【図6】図5の成形金型を示す縦断面図である。
【図7】図5の成形金型においてショートショットが発
生している場合を示す縦断面図である。
【図8】図5の成形金型により成形されるシェルの摺動
面の周囲における段差を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ディスク体 2 シェル 3 シャッタ 9 摺動面 10 外面(キャビティ面) 20 成形金型 21 入子型(第1の金型) 23 固定型(第2の金型)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−80852(JP,A) 特開 平7−1518(JP,A) 特開 平4−53718(JP,A) 特開 平3−272068(JP,A) 特開 平3−266273(JP,A) 特開 平6−226794(JP,A) 特開 平6−134811(JP,A) 実開 昭63−80115(JP,U) 実開 平2−146013(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 - 45/44 B65D 85/57 G11B 23/113

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク体を収納するシェルの外面にシ
    ャッタを摺動させる摺動面が設けられたシェルの成形金
    型であって、 前記摺動面を成形する第1の金型が、シェルの外面の他
    の部位を成形する第2の金型に着脱可能に組み合わせら
    れる入子型とされていることを特徴とするシェルの成形
    金型。
  2. 【請求項2】 第1の金型が、該第1の金型の形成する
    摺動面のキャビティ面と、第2の金型の形成する摺動面
    周囲のキャビティ面との距離を調整可能に、第2の金型
    に組み合わせられることを特徴とする請求項1記載のシ
    ェルの成形金型。
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