JP3147536B2 - 多針ミシンにおける上糸切れ検出装置 - Google Patents

多針ミシンにおける上糸切れ検出装置

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JP3147536B2 JP28203692A JP28203692A JP3147536B2 JP 3147536 B2 JP3147536 B2 JP 3147536B2 JP 28203692 A JP28203692 A JP 28203692A JP 28203692 A JP28203692 A JP 28203692A JP 3147536 B2 JP3147536 B2 JP 3147536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刺繍用ミシン等の多針
ミシンにおける針棒下端の縫針に上糸を導く箇所に設け
た上糸の切れを検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からこの種の多針ミシンおいては、
ミシンヘッド等に多数の針棒と天秤とを並列的に配置し
てあり、選択された針棒と天秤のみを上下動させるよう
に構成してあり、このミシンヘッドの上方に、前記各天
秤に導く各上糸の中途部を挟持する糸調子等の糸ガイド
を針棒の数だけ設けていた。
【0003】そして、前記選択されて駆動する針棒に対
する上糸の切れ検出装置として、特開昭62−6059
3号公報では、前記各上糸を巻掛け挟持する各糸調子の
支軸を回転可能に構成し、この支軸に一体的に回転する
スリット板を固着し、該スリット板のスリット孔に対し
て光の通過及び遮断を検出できるフォトインタラプタを
配置してなる糸切り検出装置を設けることを提案してい
る。
【0004】この構成では、上糸が針棒方向に供給され
ている(進行している)ときには、糸調子の支軸、ひい
てはスリット板が回転するので、フォトインタラプタに
て所定時間内でのON・OFFの繰り返し信号を検出し
て、糸切れでないと判別する。他方、糸切れのときには
前記スリット板の回転が停止するので、所定時間内でO
N信号またはOFF信号が継続されることから、糸切れ
と判別するのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
行技術においては、前記選択されなかった針棒に対する
上糸の供給(進行)がないにも拘らず、糸調子の数だけ
フォトインタラプタを必要とし、且つ選択された針棒に
対応するフォトインタラプタのみを検出可能状態に切り
換えるための切換回路も必要であった。従って、糸切れ
検出装置全体として嵩張ると共に、必要部品数が多くな
ることから製造コストも高くなるという問題があった。
【0006】本発明は、前記問題を解決するためになさ
れたものであり、天秤及び針棒を並列的に上下動自在に
支持したスライドケースをミシンヘッドに対して左右移
動可能に装着した構成を利用して、前記フォトインタラ
プタなどの検出器の数を減少させ、コンパクトな多針ミ
シンにおける上糸切れ検出装置を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の多針ミシンにおける上糸切れ検出装置は、
ミシンヘッドの前面に対して左右摺動可能に装着したス
ライドケースに、複数本の針棒とこれに対応する天秤と
を一定間隔にて配置し、ミシンヘッドには、スライドケ
ースの左右移動にて選択された一本の針棒と天秤とを上
下駆動する駆動機構を設けてなる多針ミシンにおいて、
前記スライドケースと一体的に移動する糸調子台の表面
には、前記各針棒または天秤に対応させてこれに通す上
糸の中途部を巻掛ける回転体を、スライドケースの左右
移動方向に沿って前記一定間隔で、且つ上下2段の千鳥
配列状に配設し、該各回転体と一体的に回転する被検出
部を、糸調子台の裏面に臨ませる一方、ミシンヘッドか
ら突出する固定ブラケットには、前記スライドケースの
移動により選択された針棒または天秤に対応する被検出
部に接近すべく、前記回転体の上下2段の配列に対応さ
せて検出器を上下に2つ設けたものである。
【0008】
【実施例】次に、本発明を具体化した実施例について説
明する。図1は、複数のミシンアーム1をテーブル2に
対して並列配置した刺繍用の多頭、多針ミシンの平面図
である。各ミシンアーム1の後端に着脱自在に設けた中
空筒状のブラケット3に横方向に貫通する共通横軸4は
一つの駆動モータ5により回転駆動させられ、各ブラケ
ット3内の伝動機構を介して各ミシンアーム1内に配置
した上軸6に動力伝達される。
【0009】なお、テーブル2上には、被縫製物である
布(図示せず)を挟持する布押え枠体(図示せず)を配
置し、該布押え枠体はXモータとX方向移動機構及びY
モータとY方向移動機構とにより所定のXY方向に間欠
的に移動させられるものである。また、刺繍のパターン
に基づいて図示しない制御手段が、前記Xモータ及びY
モータの正逆回転の間欠的作動を制御する。
【0010】前記各ミシンアーム1の基部(後部)内に
おいて、傘歯車対及び縦軸を介して上軸6からベッド2
a下方に位置する下軸(図示せず)に動力伝達され、同
じく図示しない従来周知の構造の釜を回転させる。各ミ
シンアーム1の先端である中空状、且つ前面開放状のミ
シンヘッド1aの前面には、正面視矩形枠状のスライド
ケース7が横移動可能に支持され、該スライドケース7
k下ガイド部7aと中途ガイド部7bとには、横一列
状に配置した多数本(実施例では12本)の針棒9の下
部と上下中途部とが上下摺動自在に支持され、各針棒9
の下端には縫針8が取りついている(図3,図4参
照)。
【0011】次に、図4及び図5を参照しながら、スラ
イドケース7の横移動により選択された一本の針棒9及
び天秤10を上下駆動するための駆動機構について説明
する。スライドケース7内の上部側には、前記各針棒9
に対応して横一列状に配置した天秤10が横軸11に上
下回動可能に支持され、且つ、各天秤10は付勢ばね1
8により上向き位置にセットされている。図5に示すよ
うに、ミシンヘッド1a内の上軸6の先端に取付けられ
ている天秤駆動カム12のカム溝12aに従動カム13
を摺動自在に嵌合させ、該従動カム13が取付けられて
いる揺動アーム14は回動軸15に一体的に回動するよ
うに固定されている。そして、上軸6の回転により、回
動軸15を適宜角度だけ往復回動させる。この回動軸1
5に固定されている扇型の駆動ギヤ16は、スライドケ
ース7の横移動により縫製位置に来た天秤10に設けら
れた扇型の従動ギヤ17と選択的に噛み合い、その天秤
10のみを上下揺動させる。
【0012】前記各針棒9に固定された針棒抱き19と
スライドケース7の下部ガイド7aとの間には、コイル
状のばね20を被嵌して各針棒9を上昇位置にセットし
てあり、前記天秤駆動カム12の先端に偏心して取付け
られたコネクティングロッド21を介してガイド軸22
に上下動可能に装着された針棒接続体23を昇降駆動
し、この針棒接続体23の係合溝24に対して、縫製位
置の針棒9に固定された針棒抱き19の係合ピン25を
選択的に係合させて当該箇所の針棒9のみを縫製状態に
昇降駆動する。
【0013】次に、本発明の糸切れ検出装置について説
明する。前記スライドケース7の上端には、図6に示す
ように、取付けブラケット29を介して本発明の糸調子
台30が配設されており、その糸調子台30は、裏面
(ミシンアーム1側)を開放した箱状であり、該糸調子
台30の上端には、針棒9の数に対応する数(実施例で
は12個)のガイド部31a及び補助糸調子31bを横
一列状に一定間隔にて設けられている。その下方の前面
板30aには、上糸Fを巻掛けて進行するときに一体的
に回転し得る糸切れ検出用の回転体32が、前記針棒9
の左右配置間隔P1と等しい間隔P1にて正面視上下2
段の千鳥状に配置されている(図7参照)。同様に、上
糸Fに張力を与えるために挟持する主糸調子33が左右
配置間隔P2にて正面視上下2段の千鳥状に配置されて
いる(図7参照)
【0014】図6に示すように、糸調子台30の裏面側
に固定した支持板37から前面板30aに突出する支軸
38に対して回転体32は回転自在に被嵌し、支軸38
の先端には回転体32が抜け落ちないようにする止め輪
39が取付けられている。また、各回転体32には、糸
調子台30の前面板30aの裏面側において、円周に沿
って一定間隔にてスリット孔41を穿設したスリット円
板42を被検出部として固着している。他方、前記ミシ
ンアーム1の上部から前向きに突出する固定ブラケット
43における縦長の平坦部43aを糸調子台30の裏面
側から内部に臨ませ、該平坦部43aには、前記スリッ
ト板42の回転・非回転を検出できる検出器44を設け
ている。
【0015】本実施例では、この検出器44として、投
光部44aと受光部44bとを対面させてなるフォトイ
ンタラプタを設けている。なお、被検出部としてN極と
S極との磁石を円周方向交互に配置した円板(回転体3
2と一体的に回転する)を使用し、この円板に磁気ピッ
クアップまたはホール素子、ホールICなどの磁気セン
サを検出器として接近させて、回転体の回転・非回転を
検出するように構成しても良いし、また、被検出部とし
て回転体32と一体的に回転する歯車を使用し、この歯
車の歯面に電磁ピックアップを接近させるように構成し
ても良い。
【0016】本実施例では、前述したように、12個の
回転体32が上下2段にて正面視千鳥状に配置されてい
るので、検出器44は上段の回転体32のスリット円板
42に対応させるものと、下の回転体32のスリット円
板42に対応させるものとに上下2つを固定ブラケット
の平坦部43aに相対向させて設けている。このとき、
実施例では図7に示すように、上下の検出器44,44
の左右配置間隔距離はP1に設定する。
【0017】このように構成したことにより、縫製に際
してミシンアーム1上に固定した供給台34の糸ボビン
35から、前記上糸Fは糸案内バー36を介して前記ガ
イド部31aを通り、補助糸調子31bに挟持され、回
転体32に1回〜2回巻掛けされた後、主糸調子33に
挟持され、この間で上糸Fに適宜の張力が与えられる。
そして、この上糸Fは前記スライドケース7の前面のカ
バー板27の縦孔26から突出する前記各天秤10の挿
通孔、その下方の横長案内バー40を介して各針棒9下
端の縫針8に導かれる。
【0018】なお、カバー板27の前面下端近傍には、
上向きの断面コ字型の支持板と、その前板部の前面に適
宜間隔でネジ(図示せず)またはスポット溶接等により
下部側を固着したバネ板とからなる横長の上糸把持装置
45が取付けられ、その上糸把持装置45は、各縫針8
が選択されないで待機上昇位置にあるときに、当該縫針
8に挿通した上糸Fの糸尻を把持しておくものである。
【0019】そして、縫製作業に際して、スライドケー
ス7を右または左に移動させるが、並設された針棒9の
ピッチP1ごとに、糸調子台30が固定ブラケット43
に対して横移動することになり、これに応じて糸調子台
30に横方向にピッチP1にて配置された回転体32に
おけるスリット円板42に対して検出器44が接近する
ことになる。
【0020】従って、例えば、スライドケース7の正面
視においてミシンヘッド1aに対してスライドケース7
の最も右端に位置する針棒9が縫製作業として選択され
たとすると、図7の実線状態のように、上段右端位置の
回転体32におけるスリット円板42に対して上側の検
出器44が重なるように接近する。この状態では下位置
の検出器44は下段に配置したスリット円板42に対し
ては接近しない。
【0021】そして、この状態で、縫製作業を実行し、
上糸Fが円滑に供給されているときには、当該上糸Fが
巻掛けられた回転体32は間欠的に回転し、スリット円
板42も間欠的に回転するから、検出器44にはON・
OFFの信号が間欠的に入る。この信号を図示しない中
央処理装置にて所定時間内で累積演算し、基準値以上で
あれば、「糸切れなし」と判断する。この縫製作業中に
上糸Fの糸切れが発生すると、前記回転体32ひいては
スリット円板42は停止するので、所定時間中、ON信
号またはOFFが続くことになる。従って、前記基準値
以下のとき、または一種類の信号が所定時間以上継続し
たときには「糸切れ」と判別すれば良い。
【0022】次いで、右端から2番目の針棒9が選択さ
れたときには、下段におけるスリット円板42のうち右
端のものに対して下位置の検出器44が重なるように接
近し、上位置の検出器44は上段の横並びした2つのス
リット円板42,42の間(中間)に位置することにな
る。スライドケース7における左端の針棒9が選択され
ると、糸調子台30に対して固定ブラケット43の平坦
部43aが相対的に距離L(=11×P1)だけ移動す
るので、図7に二点鎖線に示すような位置に来ることに
なり、下位置の検出器44が、下段の左端のスリット円
板42に重なるように接近するのである。
【0023】なお、本実施例では回転体32を上下2段
にて正面視千鳥状に配置したが、前記針棒9または天秤
10の横配置間隔距離に応じて、スリット円板42の直
径と検出器44の形状寸法が許せば、上下3段以上で千
鳥配列に配置しても良いし、1段(横一列状)に配置し
ても良い。
【0024】
【発明の作用・効果】以上詳述したように、本発明の多
針ミシンにおける上糸切れ検出装置によれば、針棒及び
天秤を選択すべく横移動するスライドケースと一体的に
横移動する糸調子台の表面に上糸を巻掛けた回転体を、
針棒等の横配列と同一間隔で、且つ上下2段の千鳥配列
状に配置し、糸調子台の裏面側には前記各回転体と一体
的に回転する検出部を設ける一方、前記糸調子台に対
して相対的に横移動し得る固定ブラケットに、検出器を
固定して設けたものであるから、選択するときに横移動
する糸調子台に対して前記固定ブラケットが自動的に相
対的に横方向に変位する。そして、固定ブラケットに
は、前記スライドケースの移動により選択された針棒ま
たは天秤に対応する被検出部に接近すべく、前記回転体
の上下2段の配列に対応させて検出器を上下に2つ設け
たものであるから、並設された針棒のピッチごとに、糸
調子台が固定ブラケットに対して横移動することにな
り、これに応じて糸調子台に横方向に前記と同一のピッ
チにて配置された回転体における被検出部に対して検出
器が接近することになる。
【0025】従って、この固定ブラケットに取付く検出
器が糸調子台に取付く前記選択された針棒等に対応する
被検出部を自動的に選択するように接近できることにな
る。
【0026】例えば、スライドケースの正面視において
ミシンヘッドに対してスライドケースの最も右端に位置
する針棒が縫製作業として選択されたとすると、上段右
端位置の回転体における被検出部に対して上側の検出器
が重なるように接近する。この状態では下位置の検出器
は下段に配置した被検出部に対しては接近しない。
【0027】従って、本発明によれば、回転体を針棒等
の横配列と同一間隔で、且つ上下2段の千鳥配列状に配
置したことと、回転体及び被検出部の設置数に比べて大
幅に少ない数(2つ)の検出器を上下に設置するだけ
で、所定の検出すべき箇所の上糸の切れを検出できるか
ら、糸切れ検出装置全体としてコンパクトになると共
に、別途検出器を所定の箇所だけ作動させるための選択
手段も不要となり、必要部品数を少なくして製造コスト
も大幅に低減できるという顕著な効果を奏するのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】多頭多針ミシンの概略平面図である。
【図2】多針ミシンの一部切欠き側面図である。
【図3】図2の III−III 線矢視正面図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視で示すミシンヘッド部分の
要部側断面図である。
【図5】針棒及び天秤の駆動機構の斜視図である。
【図6】糸調子台の要部側断面図である。
【図7】作用説明図である。
【符号の説明】
1 ミシンアーム 1a ミシンヘッド 2 ベッド 7 スライドケース 8 縫針 9 針棒 10 天秤 F 上糸 30 糸調子台 30 前面板 32 回転体 33 主糸調子 37 支持板 38 支軸 39 止め輪 41 スリット孔 42 スリット円板 43 固定ブラケット 43a 平坦部 44 検出器 45 上糸把持装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンヘッドの前面に対して左右摺動可
    能に装着したスライドケースに、複数本の針棒とこれに
    対応する天秤とを一定間隔にて配置し、ミシンヘッドに
    は、スライドケースの左右移動にて選択された一本の針
    棒と天秤とを上下駆動する駆動機構を設けてなる多針ミ
    シンにおいて、前記スライドケースと一体的に移動する
    糸調子台の表面には、前記各針棒または天秤に対応させ
    てこれに通す上糸の中途部を巻掛ける回転体を、スライ
    ドケースの左右移動方向に沿って前記一定間隔で、且つ
    上下2段の千鳥配列状に配設し、該各回転体と一体的に
    回転する被検出部を、糸調子台の裏面に臨ませる一方、
    ミシンヘッドから突出する固定ブラケットには、前記ス
    ライドケースの移動により選択された針棒または天秤に
    対応する被検出部に接近すべく、前記回転体の上下2段
    の配列に対応させて検出器を上下に2つ設けたことを特
    徴とする多針ミシンにおける上糸切れ検出装置。
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