JP3148024B2 - 反射型光磁界センサヘッド - Google Patents

反射型光磁界センサヘッド

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JP3148024B2 JP32037992A JP32037992A JP3148024B2 JP 3148024 B2 JP3148024 B2 JP 3148024B2 JP 32037992 A JP32037992 A JP 32037992A JP 32037992 A JP32037992 A JP 32037992A JP 3148024 B2 JP3148024 B2 JP 3148024B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスマス置換磁性ガー
ネット膜のファラデー効果を利用した光磁界センサヘッ
ドに関する。更に詳しく云えば、本発明は、磁界の強弱
を検知する磁界センサにおいて、小型軽量で、しかも容
易に量産が可能な磁界の強弱を検知するための反射型光
磁界センサヘッドの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に汎用されている工業装置や
民生用機器などには、モーターや歯車などの回転装置や
回転部分を有しているものが多い。科学技術の進歩と地
球環境保護、および、省エネルギーに対する社会的な関
心と要請の高まりから、産業装置、例えば、航空機や船
舶など、および、民生機器、例えば、乗用車などの回転
機器・装置の運転制御を、より高度・高精度に実施しよ
うとの試みが具体的になされるようになってきた。
【0003】地球環境保護、および、省エネルギーに対
する社会的要請に答える具体的な方法の一つとして回転
機器・装置のより高度・高精度な運転制御を実現するた
めには、先ず、その正確な回転速度〔数〕を連続的に、
しかも即時に知ることができなければならない。回転機
器・装置の正確な回転速度〔数〕を知るためには、正確
な回転速度を即時に計測することのできる信頼性の高い
回転速度計・測定装置が提供されなければならない。し
かし、未だ、この社会的要請に答え得る、更に具体的に
言えば、小型軽量で、精度が高く、取扱い易く、高温で
振動の伴う過酷な環境下での長期間の連続使用に耐える
ことができて、しかも安価な測定装置は、提供されてい
ない。地球環境保護、および、省エネルギーに対する国
際的な社会的要請に答えるためには、早急に社会的要請
に答え得る高い性能を有する測定装置を開発して、より
安価に、しかも、大量に提供する必要がある。
【0004】既に、回転速度〔数〕を測定する方法とし
て、電磁誘導を利用する方法〔センサ技術、1986年、12
月号、68ページ〕や磁気光学材料のファラデー効果を利
用した光磁界センサを用いる方法〔アプライド オプテ
イックス(Applied Optics)、第28巻、第11号、1992頁(1
989 年) 〕が提案されている。
【0005】電磁誘導を利用する方法は、既に、航空機
や自動車用エンジンなどの回転速度〔数〕の計測・測定
に用いられている。しかし、電磁誘導を利用した回転速
度計には、計測端子と機器本体との間の伝送線路〔ケー
ブル〕で電磁気的雑音を受け易く信頼性に劣ると言った
重大な欠点がある。また、電気回路を用いるため、有機
溶剤などの可燃性物質、即ち、危険物を取り扱う施設、
換言すれば、危険物製造所や危険物取扱所では、防爆対
策を実施しなければならないと言う重大な問題点があ
る。
【0006】磁気光学材料のファラデー効果を利用した
光磁界センサを用いる方法は、光磁界センサに永久磁石
〔磁界〕が接近すると、光磁界センサ中の磁気光学材料
の偏波面が、磁界〔磁石〕の有無によって回転すること
を利用するものである。即ち、光磁界センサ中の磁気光
学材料を透過する光の偏波面の回転を、光強度の変化に
変換して検知・計数して回転速度〔数〕を測定しようと
するものである〔ナショナル テクニカル レポート(N
ational Technical Report) 、Vol.29, No.5,P70(1983)
〕。
【0007】光磁界センサには、透過型と反射型とがあ
る。透過型は、その構成部品の性質から、信号光の入
射、および、透過の方向が一直線上に並ぶように配置・
配列しなければならないため、その設置場所に制約があ
り、その使用目的と設置場所によっては、設置・採用す
ることができない。
【0008】透過型光磁界センサの欠点を改善する構成
として反射型の光磁界センサが提案されている〔特開昭
56-55811、特公平3-22595 〕。ここに提案されている反
射型の光磁界センサは、信号光の入力用光ファイバと出
力用光ファイバが、ファラデー回転子に対して、同じ
側、換言すれば、出力用光ファイバが入力用光ファイバ
と同じ方向、更に換言すれば、ファラデー回転子は、光
磁界センサの先端部に配置・設置されている。故に、反
射型光磁界センサは、取付け空間が狭くて透過型光磁界
センサが設置できないような夾雑な、狭い空間にも設置
することができると言った特徴を有している。しかし、
松井らの提案〔特開昭56-55811〕になる反射型光磁界セ
ンサは、レンズと偏光子、および、レンズと検光子を直
列に並べて、しかも、並列に配置しなければならないた
め組立作業の自動化が難しく、従って、製造コストの低
減が困難であるという重大な問題点を残している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】松村ら〔特公平3-2259
5 〕は、松井らの提案した反射型光磁界センサヘッドの
問題点、即ち、組立作業の自動化が難しく、従って、製
造コストの低減が困難であるという問題点を解決する方
法として、偏光子と検光子とを、一つの偏光子に置き換
える構成を提案している。また、松村らは、ファラデー
回転子〔磁気光学材料〕として、イットリウム・鉄・ガ
ーネット(化学構造式:Y3Fe5O12)を用いている。イッ
トリウム・鉄・ガーネートは、通常一般に、YIG と称さ
れ、融液法などの公知の方法で製造することができる。
イットリウム・鉄・ガーネット(YIG)は、従来から、フ
ァラデー回転子として使用されてきた常磁性ガラスやセ
レン化亜鉛(ZnSe)等に較べて感度が非常に高いという
特性を有している。従って、松村らの提案、即ち、イッ
トリウム・鉄・ガーネット(YIG)を、反射型光磁界セン
サのファラデー回転子として使用するとの提案は、その
特性の面で極めて興味のある提案であると言える。しか
し、イットリウム・鉄・ガーネット(YIG) の光の透過性
に関する性質・特徴を考えるとき、光磁界センサの磁気
光学材料、即ち、ファラデー回転子としての実用性に疑
問が生じる。即ち、既に、イットリウム・鉄・ガーネッ
ト(YIG) が、波長 1.1μm以上の近赤外波長領域の光を
良く透過し、波長領域 0.8μm 帯の光を良く吸収すると
言う特徴ある性質を有していることが知られているから
である。
【0010】現在、通常一般に、光センサの光源として
は、 0.78 μm 乃至 0.85 μm に中心波長を有する半導
体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED) が賞用・汎用され
ている。半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED) が光
センサの光源として汎用されている理由は、既に、光源
装置として安価に市販されており、しかも、光検出器の
感度も高いからである。従って、光磁界センサの光源と
して、市販の光源装置を使用するのが最も好ましい、換
言すれば、市販の光源装置を使用して、高感度に作動す
る光磁界センサを安価に提供するのが社会的要請に答え
る最良の対応方法であることは言うまでもない。
【0011】イットリウム・鉄・ガーネット(YIG) が、
波長領域 0.8μm 帯の光を良く吸収すると言うことは、
光源として、市販の光源装置を使用すると、光信号の検
出が困難になる可能性があることを意味している。即
ち、イットリウム・鉄・ガーネット(YIG) には、光磁界
センサ用磁気光学材料、換言すれば、ファラデー回転子
に要求される物性・性質に、基本的な欠点・欠陥がある
ことを示している。
【0012】本願発明者らは、松村らの提案に強い興味
と危惧の念とを抱いた。従って、本願発明者らは、イッ
トリウム・鉄・ガーネット(YIG) の欠点・危惧を回避す
る方法について、種々の検討を実施した結果、磁気光学
材料として注目されているビスマス置換磁性ガーネット
に、その可能性を見い出した。ここに提案するビスマス
置換磁性ガーネットは、液相エピタキシャル(LPE) 法
で、比較的容易に製造することができ、しかも、量産性
にも優れている。ビスマス置換磁性ガーネットは、化学
構造式 (RBi)3(FeA)5O12 で表される。ここに、R は、
イットリウムY 、或いは、希土類元素を意味し、A は、
アルミニウムAlやガリウムGaなどのことを意味する。
【0013】ビスマス置換磁性ガーネットのファラデー
回転係数、換言すれば、磁化が飽和された状態における
単位膜厚当たりの偏波面の回転角は、イットリウム・鉄
・ガーネット(YIG) のファラデー回転係数に比べて数倍
以上、更に具体的に言えば、例えば、波長 0.8μm にお
いて約10倍も大きい。従って、磁気光学材料として同じ
効果を期待する場合には、ファラデー回転係数に比例し
て磁気光学材料の膜厚を薄くすることが可能であり、そ
の結果として、光の吸収損失が少なくなり、より小さ
く、小型化することができることを示唆している。即
ち、磁気光学材料の材質を、イットリウム・鉄・ガーネ
ット(YIG) からビスマス置換磁性ガーネットに替えるこ
とによって、素子の膜厚が薄くなり、光の吸収損失が少
なくなり、波長領域 0.8μm 帯の光を光源とする光磁界
センサの開発が可能であることを示唆している。
【0014】また、ビスマス置換磁性ガーネットの飽和
磁界〔 500〜1200 Oe 〕は、イットリウム・鉄・ガーネ
ット(YIG) の飽和磁界〔約1800 Oe 〕の半分程度であ
る。従って、弱い磁界の測定も可能であると期待され
る。弱い磁界の測定が可能であると言うことは、永久磁
石と光磁界センサとの距離・間隔をより長くすることが
できると言うことを意味している。このことは、光磁界
センサの配置・設置の自由度・フレキシビリティーの向
上を意味しており、光磁界センサの利用分野の拡大の可
能性を示唆するものである。
【0015】本願発明者らは、上述した検討結果等か
ら、ビスマス置換磁性ガーネットを磁気光学材料、即
ち、ファラデー回転子とする反射型光磁界センサの開発
が可能であるとの確信を得て、更に、種々の基礎実験、
および、開発実験を実施した。本願発明者らは、先ず、
特公平3-22595 明細書の記載に従って、イットリウム・
鉄・ガーネット(YIG) の替わりにビスマス置換磁性ガー
ネットを用いて反射型光磁界センサ〔図1〕を製作し
た。図1において、符号1 は半導体レーザ等からなる光
源、符号2 はレンズ、符号3 は入射光の一部を反射さ
せ、一部を透過するハーフミラー、符号4 は光ファイ
バ、符号5 は分布屈折率レンズ等からなるレンズ、符号
6 はルチル単結晶等からなる偏光子、符号7 はビスマス
置換希土類磁性ガーネットからなるファラデー回転子、
符号8 は金属薄膜等からなる反射膜、符号9 は光検出器
〔パワーメータ〕である。光源1 から出射された信号光
は、レンズ2 、ハーフミラー3 を経て光ファイバ4 に集
光・導かれる。光ファイバ4 に導かれた信号光は、レン
ズ5 により平行光となって、偏光子6 に入射する。信号
光は、偏光子6 により直線偏光となる。次いで、直線偏
光となった信号光は、ファラデー回転子7 に入射して、
その一部がファラデー回転子を透過して反射膜8 に至
る。反射膜8 に到達した信号光は、反射膜8 の表面で反
射して逆進し、再び、ファラデー回転子7 、偏光子6 に
入射する。偏光素子6 を透過した信号光〔反射戻り光〕
は、レンズ5 により光ファイバ4 に結合される。光ファ
イバ4 に入射した信号光〔反射戻り光〕は、ハーフミラ
ー3 に入射する。ハーフミラー3 に入射した信号光〔反
射戻り光〕は、ハーフミラー3 によって、その一部が反
射して光検出器9 に達して、その光強度が測定される。
【0016】次いで、本願発明者らは、ファラデー回転
子としてビスマス置換磁性ガーネットを採用し、図1に
示される反射型光磁界センサを用いて、ファラデー回転
子に印加する磁界強度を種々に変化させながら光信号の
検出実験を実施した。しかし、本願発明者らの期待に反
して、外部磁界の印加の有無にかかわらず、光信号を、
全く検知・検出することが出来なかった。拠って、光信
号を検出することが出来ない理由・原因を究明するため
に、種々の基礎実験を行なった。その結果、本願発明者
らは、図1に示した反射型光磁界センサでは、ファラデ
ー回転素子として多数の磁区を有する多磁区構造体を用
いると、外部磁界の印加の有無にかかわらず、光の強度
に変化が生じないとの結論を得た。
【0017】ここに得られた本願発明者らの実験・検討
結果は、ビスマス置換磁性ガーネットと同じ多磁区構造
体であるイットリウム・鉄・ガーネット(YIG) をファラ
デー回転素子として使用している松村らの実験結果〔特
公平3-22595 、実施例〕と、一致しない。本願発明者ら
には、未だ、イットリウム・鉄・ガーネット(YIG) と同
じ多磁区構造体であるビスマス置換磁性ガーネットが、
ファラデー回転素子として有効に機能しない、機能しな
かった理由がわからない。
【0018】本願発明者らは、上述した実験結果を詳細
に再検討すると共に、更に詳細な基礎実験を行なった結
果、反射膜、ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜、偏
光子、光入出力装置から構成し、しかも、光入出力装置
の光入出力用の光路を二つに分離し、ここに分離した光
入力路と光出力路の二つの光路のなす角度が5度以上に
なるように設定・配置することによって反射型の光磁界
センサを構成することができるとの知見を得て、更に、
鋭意研究検討を行い、ビスマス置換磁性ガーネット製フ
ァラデー回転子を用いる反射型光磁界センサとして完成
させて提案〔特願平4-090976、図2参照〕した。
【0019】図2において、符号10は、コーニング社製
のポーラコア〔商品名〕等の偏光子を、符号11は、磁化
容易軸が膜面に垂直なビスマス置換磁性ガーネット単結
晶膜からなるファラデー回転子を意味し、ここに外部磁
界が印加される。また、符号12は、誘電体多層膜等から
なる反射膜を、符号13は、ガラスや高分子フィルム上に
形成された光導波路、または、光ファイバからなる光入
力路を、符号14は、ガラスや高分子上に形成された光導
波路、或いは、光ファイバからなる光出力路を意味す
る。図2の構成からなる反射型光磁界センサでは、通
常、半導体レーザなどの光源16から出射された信号光
は、レンズ15を経て、光入力路13に導かれる。なお、こ
こに設置したレンズ15は、所望により、これを省略して
光源16と光入力路13とを直接結合することも可能であ
る。光入力路13に入射した信号光は、センサヘッドに至
り、偏光子10、および、ファラデー回転子11を透過して
反射膜12に至る。反射膜12に到達した信号光は、反射膜
12の表面で反射して戻り、ファラデー回転子11、次い
で、偏光子10を透過して光出力路14に入射して光検出器
17に至る。光検出器17に到達した信号光は、光信号とし
て検出される。図2の構成からなる反射型光磁界センサ
では、光入出力装置の光入出力用の光路は、二つに分離
されて、各々独立した光入力路13と光出力路14として構
成されており、しかも、入力路13と光出力路14のなす角
度αが5度以上になるように配置・構成されている。
【0020】ここに提案したビスマス置換磁性ガーネッ
ト製ファラデー回転子を用いる反射型光磁界センサは、
現在、当該市場において光磁界センサに要求されている
性能を十分に保有している。しかし、ここに提案した反
射型光磁界センサは、図2に見られるように、光入力路
と光出力路の二本の光路を必要とし、更に、光入力路と
光出力路の二本の光路を、約5度以上の角度をもたせて
配置しなければならないと言った技術的困難を残してい
る。
【0021】従って、本願発明者らは、ここに残された
技術的改良の余地を改善して、より汎用性に富んだ、よ
り小型で高性能の反射型光磁界センサを開発するために
鋭意改良研究を行なった。その結果、ビスマス置換磁性
ガーネット製のファラデー回転子を、偏光子、および、
反射膜の法線、或いは、平面に対して傾斜させて配置す
ることによって、光入力路と光出力路の二本の光路を一
本に纏めても光信号を検出することができるとの知見を
得た。拠って、本願発明者らは、ここに得られた知見に
基づき、更に、改良研究を行ない、(111) ビスマス置換
磁性ガーネット単結晶膜を、当該ビスマス置換磁性ガー
ネット単結晶膜の法線、換言すれば、磁化方向と光入出
力路の中心軸、更に具体的に言えば、光の進行方向との
なす角度が、10度乃至70度の範囲内になるように設置・
配置したときに、光路を一本に纏めることができること
を確認して新しい反射型光磁界センサとして提案〔特願
平4-116141〕した。しかし、ここに提案した反射型光磁
界センサ〔特願平4-116141〕には、なお、(111) ビスマ
ス置換磁性ガーネット単結晶膜を所定の角度に傾斜させ
て設置しなければならないと言った組立作業上、およ
び、調整操作上の技術的困難を残している。次いで、本
願発明者らは、組立作業上、および、調整操作上の技術
的困難を解決するために鋭意研究実験を行い、[111]軸
が膜法線に対して 5度乃至60度の範囲内で傾いているビ
スマス置換磁性ガーネット単結晶膜で構成したときに、
極めて容易に、光路が一本の高性能反射型光磁界センサ
が得られることを見出して組立・調整操作の容易な反射
型光磁界センサとして提案〔特願平4-142929〕した。し
かし、ここに提案した反射型光磁界センサは、ファラデ
ー回転子として高価な[111]軸が膜法線に対して 5度乃
至60度の範囲内で傾いているビスマス置換磁性ガーネッ
ト単結晶膜を使用しなければならないため、量産性に劣
り、経済的に不利であると言う新しい問題点を残してい
ることが明らかになった。本願発明者らは、ここに残さ
れた問題点を解決するために種々の実験検討を行なった
結果、ファラデー回転子として、複数の [111]軸が膜法
線と実質的に一致している (111)ビスマス置換磁性ガー
ネット単結晶膜を用いることにより、ファラデー回転子
を傾けたり、或いは、[111] 軸が膜法線に対して傾いて
いる特殊なビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜を使用
することなく、光入力路と光出力路を一本の光路に纏め
ても光信号を検出することができることを確認して新し
い反射型光磁界センサとして提案〔特願平4-174357〕し
た。しかし、工業的生産において、時として、極めて稀
に、2枚の (111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜
で構成したファラデー回転素子を用いたときに、反射型
光磁界センサとして十分に機能しない製品が生成すると
言うトラブルが生じることが知られた。即ち、先に提案
した反射型光磁界センサ〔特願平4-174357〕には、反射
型光磁界センサとして十分に機能しない製品が生成する
可能性、恐れがある、換言すれば、技術的瑕疵のあるこ
とが明らかになった。拠って、先に提案した反射型光磁
界センサ〔特願平4-174357〕の性能・信頼性を保証する
ためには、ここに製造した全ての製品について、その機
能試験・性能試験を実施しなければならない。
【0022】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、本願発
明者らの提案した反射型光磁界センサに残されている技
術的欠陥・欠点を改善して、即時に正確な回転速度を計
測することのできる信頼性の高い、更に具体的に言え
ば、小型軽量で、精度が高く、取扱い易く、高温で振動
の伴うような過酷な環境下での長期間の連続使用に耐え
ることができて、しかも安価な回転速度計・測定装置を
提供することによって、地球環境保護、および、省エネ
ルギーに対する国際的な社会的要請に寄与するべく鋭意
検討・実験を実施した。その結果、先ず、先に提案した
反射型光磁界センサ〔特願平4-174357〕に反射型光磁界
センサとして十分に機能しない製品が混入する原因が、
光路とファラデー回転子を構成するビスマス置換磁性ガ
ーネット単結晶膜の相対的な光学的位置関係にある、即
ち、光学的な微調整・整合操作を省略したことによって
生じることを知った。
【0023】実際問題として、反射型光磁界センサの工
業的な製造において、光学的な微調整・整合操作を実施
することは容易ではない。従って、本願発明者らは、光
学的な調整・整合操作に替わる技術を開発するべく鋭意
検討実験を実施した。その結果、ファラデー回転子とし
て、その [111]軸が膜法線に対して1度乃至60度の範
囲内で傾いているビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜
と [111]軸が膜法線と実質的に一致している (111)ビス
マス置換磁性ガーネット単結晶膜との複数の (111)ビス
マス置換磁性ガーネットで構成されたファラデー回転子
を用いることにより、反射型光磁界センサとしての機能
性の欠陥を実質的に回避することができるとの知見を得
て、更に鋭意改良研究、および、信頼性の確認実験と試
験生産とを行い、本願発明を完成させた。即ち、本願発
明は、光入出力路、偏光子、ファラデー回転子、反射膜
の順に配置された光磁界測定装置において、反射膜が、
光入出力路の光路中心に対してほぼ垂直に配置されてお
り、しかも、ファラデー回転子が、その [111]軸が膜法
線に対して1度乃至60度の範囲内で傾いているビスマ
ス置換磁性ガーネット単結晶膜と [111]軸が膜法線と実
質的に一致している (111)ビスマス置換磁性ガーネット
単結晶膜との複数の (111)ビスマス置換磁性ガーネット
単結晶膜で構成されている反射型光磁界センサヘッドに
関する。
【0024】本願発明のビスマス置換磁性ガーネット製
ファラデー回転子を用いる反射型光磁界センサヘッド
は、光入出力路、偏光子、その [111]軸が膜法線に対し
て1度乃至60度の範囲内で傾いているビスマス置換磁
性ガーネット単結晶膜と [111]軸が膜法線と実質的に一
致している (111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜
との複数の (111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶
膜、および、反射膜で構成されている〔図3、図4参
照〕。
【0025】本願発明の反射型光磁界センサヘッドは、
光源装置側から、光入出力路、偏光子、複数のビスマス
置換磁性ガーネット単結晶膜からなるファラデー回転
子、反射膜の順に配置されている〔図3参照〕。即ち、
図3において、符号18は、ポーラコア等からなる偏光子
を、符号19は、複数のビスマス置換磁性ガーネット単結
晶膜からなるファラデー回転子を、符号20は、金属薄膜
等からなる反射膜を、符号21は、光ファイバや光導波路
などからなる光入力出路を意味している。ここに、反射
型光磁界センサヘッドの小型化の観点から、該光入出力
路21が、光入力用の光路であると同時に、反射膜20で反
射した信号光を光検出器に入射させるために分岐する機
能を有していても良いことは言うまでもない〔図9参
照〕。
【0026】多磁区構造を有するビスマス置換磁性ガー
ネット単結晶膜をファラデー回転子とする反射型光磁界
センサでは、光入出力路から出射された光信号が、レン
ズ、偏光子、ビスマス置換磁性ガーネット単結晶を透過
して反射膜に至り、反射膜で反射して、再び、ビスマス
置換磁性ガーネット単結晶に入射して透過し、光入出力
路に至るまでの間に、異なる磁区、即ち、磁区a と磁区
b とを通過する必要がある〔特願平4-090976、特願平4-
116141、特願平4-174357、図5、図6、図7参照〕。
【0027】先に提案した反射型光磁界センサ〔特願平
4-174357〕に、時として、極めて稀にではあるが、反射
型光磁界センサとして十分に機能しない製品が生じるの
は、光学的な位置関係によって、光入出力路から出射さ
れた光信号が、レンズ、偏光子、ビスマス置換磁性ガー
ネット単結晶を透過して反射膜に至り、反射膜で反射し
て、再び、ビスマス置換磁性ガーネット単結晶に入射し
て透過し、光入出力路に至るまでの間に、異なる磁区、
即ち、磁区a と磁区b とを通過しない場合が生じるため
である〔図7参照〕。
【0028】[111] 軸が膜法線と実質的に一致している
(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜のみで構成
したファラデー回転子では、図7に例示したように、そ
の磁化方向が信号光の進行方向と平行になっている。従
って、例えば、第1層目の磁区a に入射した信号光が異
なる磁区、即ち、磁区b を通過するためには、その光路
の直線上に第2層目、或いは、第3層目以降として磁区
b が存在しなければならない。このことは、図7の構成
からなるファラデー回転子では、光入出力路から出射さ
れた光信号を、確実に、異なる磁区、即ち、磁区a と磁
区b とを通過させるためには、ビスマス置換磁性ガーネ
ット単結晶の積層数をより多くする以外に方法がないこ
とを示している。実際問題として、経済性の観点から、
ビスマス置換磁性ガーネット単結晶の積層数をより多く
することはできない。拠って、ビスマス置換磁性ガーネ
ット単結晶の積層数を増加することなく、光入出力路か
ら出射された光信号が、反射膜で反射して、再び、光入
出力路に至るまでの間に、より高い確率・精度で、異な
る磁区、即ち、磁区a と磁区b とを通過させることがで
きれば、光学的な微調製・整合操作に替わる工業的製造
技術として評価することができる。
【0029】本願発明では、ファラデー回転子を、[1
11] 軸が膜法線に対して1度乃至60度の範囲内で傾い
ているビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜と[111]
軸が膜法線と実質的に一致している (111)ビスマス置換
磁性ガーネット単結晶膜とで構成する〔図4参照〕こと
によって、ファラデー回転子を傾けたり、或いは、複雑
な微調整操作を行うことなく、工業的生産において発生
する不良品の発生率を許容限度以下、実質的にゼロにす
る効果が得られる。即ち、本願発明では、光入出力路か
ら出射された光信号を、[111] 軸が膜法線に対して1度
乃至60度の範囲内で傾いているビスマス置換磁性ガー
ネット単結晶膜と [111]軸が膜法線と実質的に一致して
いる (111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜とで構
成されたファラデー回転子を通過させることによって、
より高い確率・精度で、異なる磁区、即ち、磁区a と磁
区b とを通過させようとするものである。このことを図
3、および、図4を用いて、更に具体的に説明すると、
光入出力路21から出射された光信号が、ファラデー回転
子19を構成している第1のビスマス置換磁性ガーネット
単結晶22、例えば、[111] 軸が膜法線と実質的に一致し
ている (111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜に入
射して磁区a を透過し、次いで、第2のビスマス置換磁
性ガーネット単結晶23、例えば、[111] 軸が膜法線に対
して1度乃至60度の範囲内で傾いているビスマス置換
磁性ガーネット単結晶膜の磁区b を透過して、反射膜20
に至って反射して、再び、第2のビスマス置換磁性ガー
ネット単結晶23に入射してファラデー回転子内を往復す
る間に、より高い確率・精度で、実質的に、相異なる磁
区、即ち、磁区a と磁区b とを通過するのである。
【0030】本発明を実施するとき、ファラデー回転子
は、同一の、或いは、種類の相異なる [111]軸が膜法線
に対して1度乃至60度の範囲内で傾いているビスマス
置換磁性ガーネット単結晶膜と [111]軸が膜法線と実質
的に一致している (111)ビスマス置換磁性ガーネット単
結晶膜とで構成しなければならない。しかし、[111]軸
が膜法線に対して1度乃至60度の範囲内で傾いている
ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜と [111]軸が膜法
線と実質的に一致している (111)ビスマス置換磁性ガー
ネット単結晶膜とで構成することを除いて、その他の構
成、例えば、どちらを光源側に配置するかや組み合わせ
など、および、(111) ビスマス置換磁性ガーネット単結
晶膜の構成枚数には、特に制限はない。従って、本発明
を実施するとき、ファラデー回転子を構成するビスマス
置換磁性ガーネット単結晶膜の種類と構成と構成枚数
は、ファラデー回転子に要求される性能と特性を考慮し
て適宜に選べば良い。
【0031】通常一般的な用途に使用される光磁界セン
サヘッドの場合には、実用上の観点、即ち、ファラデー
回転子の性能・特性と材料コストの観点から、同一の、
[111] 軸が膜法線に対して1度乃至60度の範囲内で傾
いているビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜と [111]
軸が膜法線と実質的に一致している (111)ビスマス置換
磁性ガーネット単結晶膜の2枚で構成すれば、十分にそ
の目的を達成することができる。なお、特殊な目的を有
する場合には、適宜に構成枚数を増加し、或いは、非磁
性ガーネット基板の両面に育成された3層構造のビスマ
ス置換磁性ガーネット単結晶を選ぶのが好ましい。
【0032】本発明を実施するとき、ファラデー回転
子、即ち、ビスマス置換磁性ガーネットの組成には、特
に制限はないが、一般式、 R3-XBiXFe5-ZAZO12 〔但し、R は、Y 、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの群から選ばれる少なくとも一
種であり、Aは、Ga、Sc、Al、Inの群から選ばれる少な
くとも一種であり、しかも、0.3 ≦X≦ 2.0、0 ≦Z≦
1.0である〕で示される磁性ガーネット単結晶の中から
適宜に選ぶのが好ましい。
【0033】本発明で使用する (111)ビスマス置換磁性
ガーネット単結晶膜は、公知の方法によって製造するこ
とができる。とりわけ操作が容易で、しかも量産性に優
れた液相エピタキシャル(LPE) 法〔スィン ソリッド
フィルムズ (Thin Solid Films), Vol.114, p33(1984)
〕を選ぶのが好ましい。液相エピタキシャル法を実施
するとき、単結晶育成用基板としては、公知の何れの基
板も使用し得るが、通常一般的には、既に、SGGG基板と
称して市販されている格子定数が 12.490 Å、乃至、1
2.515Åの非磁性ガーネット[(GdCa)3(GaMgZr)5O12
の中から適宜に選ぶのが好ましい。
【0034】[111] 軸が膜法線と実質的に一致している
(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜は、一般に
市販されている非磁性ガーネット基板〔[111] 軸が法線
と実質的に一致している〕を単結晶育成用基板として、
液相エピタキシャル(LPE) 法で単結晶育成用基板上にビ
スマス置換磁性ガーネット単結晶膜を育成・成長させる
ことによって得られる。
【0035】(111) ビスマス置換磁性ガーネット単結晶
膜の [111]軸、換言すれば、磁化容易軸を膜法線からγ
度傾けるためには、 [111]軸が法線から、おおよそγ度
傾いた非磁性基板を単結晶育成用基板として使用すれば
よい。[111] 軸が膜法線に対して1度乃至60度の範囲
内で傾いているビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜
は、[111] 軸が法線から傾いた非磁性ガーネット基板を
単結晶育成用基板として、液相エピタキシャル(LPE) 法
で単結晶育成用基板上にビスマス置換磁性ガーネット単
結晶膜を育成・成長させることによって得られる。ここ
に得られたビスマス置換磁性ガーネット単結晶の [111]
軸は、単結晶育成用基板と同等、若しくは、それ以上に
傾いている。
【0036】[111] 軸が法線からγ度傾いた非磁性基板
は、そのインゴットを所望の傾き角度γだけ傾けて切り
出すことによって得られる。[111] 軸の法線からの傾き
角度γが大きくなるほど、当該インゴットから得られる
基板の枚数が少なくなり、基板の価額が高価になる。従
って、[111] 軸の法線からの傾き角度γは、実用上の観
点から、経済性を考慮して必要最小限度に近い値に選ぶ
のが好ましい。本発明を実施するとき、(111) ビスマス
置換磁性ガーネット単結晶膜の [111]軸の法線からの傾
き角度γは、1度乃至60度の範囲内、より好ましく
は、3度乃至45度の範囲内に選ぶのがよい。実用上の
観点、特に、経済性を重視する場合には、3度乃至20
度に選べばよい。[111] 軸の法線からの傾き角度γを1
度以下に選ぶと、[111] 軸が膜法線に対して傾いている
(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜を使用した
ことによる明らかな効果が確認できない。即ち、複数の
[111]軸が膜法線と実質的に一致している (111)ビスマ
ス置換磁性ガーネット単結晶膜を使用した場合と区別す
ることができない。一方、[111] 軸の法線からの傾き角
度γを45度以上、特に、60度以上に選ぶと、経済的
に不利である。
【0037】本発明を実施するとき、ビスマス置換磁性
ガーネット単結晶膜の空間配置・組合せは、[111] 軸が
膜法線に対して1度乃至60度の範囲内で傾いているビ
スマス置換磁性ガーネット単結晶膜と [111]軸が膜法線
と実質的に一致している (111)ビスマス置換磁性ガーネ
ット単結晶膜とを用いて、単結晶膜表面の磁区模様と磁
区幅に応じた構成をとる限り、特に制限はない。また、
ここに言う [111]軸が膜法線に対して1度乃至60度の
範囲内で傾いているビスマス置換磁性ガーネット単結晶
膜は、複数枚の [111]軸が膜法線に対して1度乃至6
0度の範囲内で傾いているビスマス置換磁性ガーネット
単結晶膜を積層させたもの、または、非磁性ガーネッ
ト基板の両面に育成された3層構造の [111]軸が膜法線
に対して1度乃至60度の範囲内で傾いているビスマス
置換磁性ガーネット単結晶、或いは、 [111]軸が膜法
線に対して1度乃至60度の範囲内で傾いているビスマ
ス置換磁性ガーネット単結晶膜と非磁性ガーネット基板
の両面に育成された3層構造の [111]軸が膜法線に対し
て1度乃至60度の範囲内で傾いているビスマス置換磁
性ガーネット単結晶とを適宜に積層させたものであって
もよい。
【0038】更にまた、ここに言う [111]軸が膜法線と
実質的に一致している (111)ビスマス置換磁性ガーネッ
ト単結晶膜は、複数枚の [111]軸が膜法線と実質的に
一致している (111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶
膜を積層させたもの、または、非磁性ガーネット基板
の両面に育成された3層構造の[111] 軸が膜法線と実質
的に一致しているビスマス置換磁性ガーネット単結晶、
或いは、 [111]軸が膜法線と実質的に一致している
(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜と非磁性ガ
ーネット基板の両面に育成された3層構造の[111] 軸が
膜法線と実質的に一致しているビスマス置換磁性ガーネ
ット単結晶とを適宜に積層させたものであってもよい。
【0039】即ち、表面の磁区模様が直線状を呈したビ
スマス置換磁性ガーネット膜の場合には、直線模様が交
差するように密着させて、或いは、空間を設けて重ねる
〔図8参照〕るのが良い。また、磁区幅が異なるビスマ
ス置換磁性ガーネット同士を密着させて、或いは、空間
を設けて重ねてもよい。しかし、磁区幅が同じで、しか
も表面の磁区模様がメイズパターンであるビスマス置換
磁性ガーネット膜の場合には、密着させると磁区が重な
ってしまうので、当該材料の特性に応じて、適宜の距
離、更に具体的に言えば、大凡 400μm だけ離して配置
する必要がある。このようにして構成すれば、光磁界セ
ンサによる磁界の検出において要求される光信号強度の
差ΔPとして、少なくとも 2dB以上〔特願平4-90976 〕
を達成することができる。
【0040】本発明を実施するとき、ビスマス置換磁性
ガーネット単結晶膜の光路に対する傾き角には、特に制
限はない。ビスマス置換磁性ガーネット単結晶表面の反
射による影響が大きい場合には、反射光が光入出力路に
直接戻らないようにするために、ビスマス置換磁性ガー
ネット単結晶を適宜に傾けて配置するのが好ましい。ビ
スマス置換磁性ガーネット単結晶に反射防止膜が施され
ていて、表面の反射が十分に抑制されている場合には、
組立・調整作業の観点から、光路に対してほぼ垂直に近
い状態で配置するのが簡便で好ましい。
【0041】本発明を実施するとき、偏光子は、特に特
殊なものである必要はなく、通常一般に市販されている
ものの中から、所望によって、適宜に選んで用いれば良
い。しかし、厚さが薄く、消光比が高いと言った点で、
特に、二色性偏光子が好適である。
【0042】本発明を実施するとき、反射膜には、特に
制限はない。通常一般に市販されているガラス等に金属
を蒸着した金属薄膜鏡・ミラー、または、ビスマス置換
磁性ガーネット薄膜、或いは、非磁性基板の表面に金、
或いは、アルミニウム等を蒸着した金属薄膜ミラー、若
しくは、SiO2や TiO2 等の金属酸化物の多層膜からなる
誘電体多層膜ミラーの中から所望によって適宜に選べば
良い。
【0043】本発明を実施するとき、光入出力路は、特
に特殊なものである必要はなく、通常一般に市販されて
いる光ファイバや、或いは、ガラスや高分子フィルム母
材内にパターニングされている光導波路、および、空中
伝搬路などの中から所望によって適宜に選べば良い。通
常一般には、その量産性や小型化の観点から、特に、光
ファイバを選ぶのが好ましい。
【0044】光入出力路を光ファイバで形成するとき、
使用する光ファイバの種類等には、特に制限はない。し
かし、ここに使用する光ファイバのコア直径を 50 μm
以下に選ぶと、ビスマス置換磁性ガーネットの磁区幅の
影響が現れて感度が不安定になったり、或いは、光の結
合効率が低下することがある。従って、通常一般的に
は、市販のコア径 50 μm 以上の光ファイバの中から適
宜に選択すれば、十分にその目的を達成することができ
る。
【0045】本発明を実施するとき、本願発明の反射型
光磁界センサヘッドと光源、および、光検出器との結合
は、図1に示したハーフミラーを使用する方法、およ
び、或いは、図に例示したような光導波路や光カプラ
等の信号光の分岐器を使用する方法によってなされる。
において、符号26は、半導体レーザ等からなる光源
を、符号27と符号30と符号31は、光ファイバを、符号28
は、ガラス、或いは、高分子上に形成された光導波路
を、符号29は、偏光子と複数のビスマス置換磁性ガーネ
ットと反射膜からなる光磁界センサヘッドを、符号32
は、光検出器(パワーメータ)を意味している。なお、
所望によっては、図に図示した光ファイバの全て、或
いは、その一部を省略して、換言すれば、光ファイバを
使用することなく、例えば、光導波路に反射型光磁界セ
ンサヘッドを、直接接続しても良い。
【0046】光磁界測定装置の光源の波長は、ファラデ
ー回転子の感度、光透過率、光源の性能と価格、およ
び、検知器の感度などを総合的に考慮して選択される。
本発明を実施するとき、光源の波長は、 ・ビスマス置換磁性ガーネットには、ウインドと呼ばれ
る光吸収係数の比較的小さい領域がある ・ビスマス置換希土類磁性ガーネットのファラデー回転
係数が大きい ・ビスマス置換磁性ガーネットの膜厚が 30 乃至 100μ
m で製造が容易である ・高出力の短波長半導体レーザや発光ダイオードが安価
に市販されている ・光検出器の感度が高く、しかも、安価に入手できる などの理由によって、波長 780nm乃至 850nmの近赤外光
を選ぶのが好ましい。また、次善の策として、光ファイ
バ通信で実用化されている 1300nm と 1550nm の波長
帯、または、YAG レーザが使用可能な 1060nm の波長帯
の光を選ぶことも可能である。しかし、光源の波長が、
上記の範囲を逸脱すると、光吸収が大きくなったり、或
いは、ビスマス置換磁性ガーネットのファラデー回転係
数が小さくなるなどの障害が現れるため、信号光の検出
が困難になったり、ファラデー回転子の膜厚を厚くしな
ければならなくなるなどの種々の問題点が生じるので好
ましくない。
【0047】以下、本発明を代表的な実施例によって、
その実施態様と効果を具体的に、かつ詳細に説明する
が、以下の例は、具体的に説明するためのものであっ
て、本発明の実施態様や発明の範囲を限定するものとし
ては意図されていない。
【0048】
【実施例】
実施例1 常法に従って、チョクラルスキー法によって製造された
1インチの (111)ガーネット単結晶[(GdCa)3(GaMgZr)5
O12 、インゴット]〔格子定数 12.498 ± 0.002Å〕を
[112]軸方向に5度傾けて裁断して、[111] 軸が法線に
対して5度傾いている厚さ 490〜510 μm の単結晶育成
用基板[a1]を得た。同様にして [111]軸が法線と実質的
に一致している厚さ 480〜500 μm の単結晶育成用基板
[b] を得た。容量 500mlの白金製ルツボに、酸化鉛[Pb
O 、4N]843g、酸化ビスマス[Bi2O 3 、4N]978g、酸化
第2鉄[Fe2O3 、4N]128g、酸化ほう素[B2O3、5N]38
g 、酸化テルビウム[Tb4O7 、3N]4.0g、および、酸化
ホルミウム[Ho2O3 、3N]9.0gを仕込んだ。これを精密
縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱し
て溶融し、十分に攪拌して均一に混合させたのち、融液
温度 768℃にまで冷却してビスマス置換磁性ガーネット
単結晶育成用融液を得た。次いで、常法に従って、ここ
に得られた融液中に、単結晶育成用基板[a1]、および、
基板[b] を浸漬させて、融液温度を 768℃に維持しなが
ら 0.5時間のエピタキシャル成長を行ない、単結晶育成
用基板の両面に [111]軸が膜法線に対して5度傾いてい
る Ho1.1Tb0.6Bi1.3Fe5O12単結晶膜を有する Ho1.1Tb
0.6Bi1.3Fe5O 12単結晶〔以下、HoTbBiIG単結晶[A1]と略
称する〕、および、[111] 軸が膜法線と実質的に一致し
ている Ho1.1Tb0.6Bi1.3Fe5O12単結晶膜を有する Ho1.1
Tb0.6Bi1.3Fe5O12単結晶〔以下、HoTbBiIG単結晶[B1]と
略称する〕とを得た。ここに得られた HoTbBiIG 単結晶
[A1]は、片面12μm 、両面の厚さが 24 μmで、磁化を
飽和させた状態でのファラデー回転角θF は、波長 786
nmで 22.2 度であり、飽和磁界は 1000 Oeであった。ま
た、ここに得られた HoTbBiIG 単結晶[B1]は、片面13μ
m 、両面の厚さが 26 μm で、磁化を飽和させた状態で
のファラデー回転角θF は、波長 786nmで 23.1 度であ
り、飽和磁界は 1000 Oeであった。
【0049】ここに得られた HoTbBiIG 単結晶[A1]の一
方の HoTbBiIG 単結晶表面に、蒸着法によりアルミニウ
ムを蒸着させて反射膜、即ち、ミラーを形成させたの
ち、他方の HoTbBiIG 単結晶表面に、常法により、反射
防止膜を施したのち、所定の大きさ〔 2.5mm×2.5mm 〕
に裁断して HoTbBiIG 単結晶[A1]−反射膜ブロックを得
た。次いで、HoTbBiIG単結晶[B1]の HoTbBiIG 単結晶膜
の両面に、常法により、反射防止膜を施したのち、所定
の大きさ〔 2.5mm×2.5mm 〕に裁断して HoTbBiIG単結
晶[B1]片を得た。
【0050】引き続いて、ここに得られた HoTbBiIG 単
結晶[B1]片を HoTbBiIG 単結晶[A1]−反射膜ブロックの
HoTbBiIG 単結晶膜面に密着させて、市販の光学用接着
剤を用いて固定して接合させて、ファラデー回転子−反
射膜ブロックを得た。
【0051】ここに得られたファラデー回転子−反射膜
ブロックの中から、無作為に5個を選び出して、その H
oTbBiIG 単結晶[B1]膜の表面に、反射防止膜を施した偏
光子〔コーニング社製、商品名ポーラコア〕を取り付け
て、エポキシ系接着剤で固定して接合させて、偏光子−
ファラデー回転子[A1-B1] −反射膜ブロックを得た。こ
こに得られた偏光子−ファラデー回転子−反射膜ブロッ
クに、光入出力路としてコア径 400μm のポリマクラッ
ド光ファイバを取り付けて光磁界センサヘッドを得た。
【0052】ここに得られた光磁界センサヘッドを反射
型光磁界センサ〔図1参照〕の光磁界センサヘッド端子
に取り付けた。光磁界センサヘッドの先端部を磁界印加
装置〔マグネテイック社製、MAGNET〕の所定の位置に設
置した。光磁界センサヘッドの磁界の印加状態を種々に
変化させながら、光源〔半導体レーザ、シャープ社製、
商品名半導体レーザ、LT024MD/PD型〕から波長 0.786μ
m の信号光を出射して、レンズ、ハーフミラー、光入出
力路〔コア径 400μm の光ファイバ〕を介して、上記の
光磁界センサヘッドに信号光を入射させた。そして、光
磁界センサヘッドで反射して、再び、光ファイバから出
射された光信号の一部をハーフミラーで反射させて光検
出器〔安藤電気社製、商品名パワーメータ、AQ-1111
型〕に導き、ここに到達した信号光の光強度を測定し
た。その結果、ファラデー回転子に磁界強度 1000 Oe
の磁界を印加したときに、ファラデー回転子は磁気的に
飽和した。また、ファラデー回転子に磁界を印加しない
状態と、ファラデー回転子に磁界強度 1000 Oe の磁界
を印加した状態との光強度差は 2.5dB乃至 2.6dB(平均
値 2.5dB)であった。
【0053】実施例2 実施例1において、単結晶育成用基板[a1]の片面を単結
晶育成用融液の表面に接触させて 1.0時間のエピタキシ
ャル成長を行った以外は、全て実施例1と同様に処理し
て、単結晶育成用基板[a1]の片面に Ho1.1Tb0.6Bi1.3Fe
5O12単結晶膜を有する Ho1.1Tb0.6Bi1.3Fe5O12単結晶
〔以下、HoTbBiIG単結晶[A2]と略称する〕を得た。ここ
に得られた HoTbBiIG 単結晶[A2]の膜厚は 23 μm であ
った。また、磁化を飽和させた状態でのファラデー回転
角θF は、波長 786nmで 21.7 度であった。ここに得ら
れた HoTbBiIG 単結晶[A2]の基板[a1]の表面に、蒸着法
によりアルミニウムを蒸着させて反射膜、即ち、ミラー
を形成させたのち、常法に従って、HoTbBiIG 単結晶
[A2]の表面に反射防止膜を施したのち、所定の大きさ
〔 2.5mm×2.5mm 〕に裁断して HoTbBiIG 単結晶[A2]−
反射膜ブロックを得た。
【0054】ここに得られた HoTbBiIG 単結晶[A2]−反
射膜ブロックの中から、無作為に5個を選び出して、実
施例1で得た HoTbBiIG 単結晶[B1]片を HoTbBiIG 単結
晶[A 2]−反射膜ブロックの HoTbBiIG 単結晶[A2]膜面に
密着させて、市販の光学用接着剤を用いて固定して接合
させた。次いで、HoTbBiIG単結晶[B1]膜の表面に、反射
防止膜を施した偏光子〔コーニング社製、商品名ポーラ
コア〕を取り付けて、エポキシ系接着剤で固定して接合
させて偏光子−ファラデー回転子[A2-B1] −反射膜ブロ
ックを得た。ここに得られた偏光子−ファラデー回転子
−反射膜ブロックに、光入出力路としてコア径 400μm
のポリマクラッド光ファイバを取り付けて光磁界センサ
ヘッドを得た。
【0055】ここに得られた光磁界センサヘッドを実施
例1で使用した試験装置の光磁界センサヘッド端子に取
り付けて、実施例1と同様にして評価試験を行った。そ
の結果、ファラデー回転子に磁界強度 1000 Oe の磁界
を印加したときに、ファラデー回転子は磁気的に飽和し
た。また、ファラデー回転子に磁界を印加しない状態
と、ファラデー回転子に磁界強度 1000 Oe の磁界を印
加した状態との光強度差は 2.8dB乃至 3.0dB(平均値
2.9dB)であった。
【0056】実施例3 実施例1において、単結晶育成用基板の裁断に際して、
インゴットを [112]軸方向に3度傾けて裁断して得た
[111]軸が法線に対して3度傾むいた単結晶育成用基板
[a3]を用いた以外は、全て実施例1と同様にして光磁界
センサヘッドを製作し、実施例1と同様にして評価試験
を行った。その結果、ファラデー回転子[A3-B1] に磁界
強度 1000 Oe の磁界を印加したときに、ファラデー回
転子は磁気的に飽和した。また、ファラデー回転子に磁
界を印加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度 1
000 Oe の磁界を印加した状態との光強度差は 2.2dB乃
至 2.5dB(平均値 2.3dB)であった。
【0057】実施例4 実施例1において、単結晶育成用基板の裁断に際して、
インゴットを [112]軸方向に10度傾けて裁断して得た
[111]軸が法線に対して10度傾むいた単結晶育成用基
板[a4]を用いた以外は、全て実施例1と同様にして光磁
界センサヘッドを製作し、実施例1と同様にして評価試
験を行った。その結果、ファラデー回転子[A4-B1] に磁
界強度 1000 Oe の磁界を印加したときに、ファラデー
回転子は磁気的に飽和した。また、ファラデー回転子に
磁界を印加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度
1000 Oe の磁界を印加した状態との光強度差は 2.8dB
乃至 3.3dB(平均値 3.0dB)であった。
【0058】実施例5 実施例1において、単結晶育成用基板の裁断に際して、
インゴットを [112]軸方向に20度傾けて裁断して得た
[111]軸が法線に対して20度傾むいた単結晶育成用基
板[a5]を用いた以外は、全て実施例1と同様にして光磁
界センサヘッドを製作し、実施例1と同様にして評価試
験を行った。その結果、ファラデー回転子[A5-B1] に磁
界強度 1000 Oe の磁界を印加したときに、ファラデー
回転子は磁気的に飽和した。また、ファラデー回転子に
磁界を印加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度
1000 Oe の磁界を印加した状態との光強度差は 3.0dB
乃至 3.4dB(平均値 3.2dB)であった。
【0059】実施例6 実施例1において、単結晶育成用基板の裁断に際して、
インゴットを [112]軸方向に40度傾けて裁断して得た
[111]軸が法線に対して40度傾むいた単結晶育成用基
板[a6]を用いた以外は、全て実施例1と同様にして光磁
界センサヘッドを製作し、実施例1と同様にして評価試
験を行った。その結果、ファラデー回転子[A6-B1] に磁
界強度 1000 Oe の磁界を印加したときに、ファラデー
回転子は磁気的に飽和した。また、ファラデー回転子に
磁界を印加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度
1000 Oe の磁界を印加した状態との光強度差は 3.6dB
乃至 4.1dB(平均値 3.8dB)であった。
【0060】実施例7 実施例1において、単結晶育成用基板の裁断に際して、
インゴットを [112]軸方向に60度傾けて裁断して得た
[111]軸が法線に対して60度傾むいた単結晶育成用基
板[a7]を用いた以外は、全て実施例1と同様にして光磁
界センサヘッドを製作し、実施例1と同様にして評価試
験を行った。その結果、ファラデー回転子[A7-B1] に磁
界強度 1000 Oe の磁界を印加したときに、ファラデー
回転子は磁気的に飽和した。また、ファラデー回転子に
磁界を印加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度
1000 Oe の磁界を印加した状態との光強度差は 3.3dB
乃至 3.5dB(平均値 3.4dB)であった。
【0061】実施例8 容量 500mlの白金製ルツボに、酸化鉛[PbO 、4N]843
g、酸化ビスマス[Bi2O3、4N]978g、酸化第2鉄[Fe2O
3 、4N]120g、酸化ガリウム[Ga2O3 、4N]4.5g、酸化
ほう素[B2O3、5N]38g 、酸化ガドリニウム[Gd2O3
3N]6.5g、および、酸化イットリウム[Y2O3、3N]4.0g
を仕込んだ。これを精密縦型管状電気炉の所定の位置に
設置し、1000℃に加熱して溶融し、十分に撹拌して均一
に混合させたのち、融液温度 773℃にまで冷却してビス
マス置換磁性ガーネット単結晶育成用融液とした。次い
で、常法に従って、ここに得られた融液に、実施例1で
得た単結晶育成用基板[b] を浸漬し、融液温度を 773℃
に維持しながら 0.7時間のエピタキシャル成長を行な
い、単結晶育成用基板[b] の両面に Y0.9Gd0.9Bi1.2Fe4
.8Ga0.2O12単結晶[YGdBiGaIG 単結晶]膜を有する Y
0.9Gd0.9Bi1.2Fe4.8Ga0.2O 12単結晶〔以下、YGdBiGaIG
単結晶[B2]と略称する〕膜を得た。ここに得られた YGd
BiGaIG単結晶[B2]は、片面16μm 、両面の厚さが 32 μ
mで、磁化を飽和させた状態でのファラデー回転角θF
は、波長 786nmで 24.4 度であった。また、飽和磁界は
600 Oe であった。次いで、常法に従って、YGdBiGaIG
単結晶[B2]の両面に反射防止膜を施したのち、所定の大
きさ〔 2.5mm×2.5mm 〕に裁断して YGdBiGaIG単結晶[B
2]片を得た。
【0062】ここに得られた YGdBiGaIG単結晶[B2]片の
中から、無作為に5個を選び出して、実施例1で得た H
oTbBiIG 単結晶[A1]−反射膜ブロックの HoTbBiIG 単結
晶膜面に密着させて、市販の光学用接着剤を用いて固定
して接合させた。次いで、YGdBiGaIG 単結晶[B2]膜の表
面に、反射防止膜を施した偏光子〔コーニング社製、商
品名ポーラコア〕を取り付けて、エポキシ系接着剤で固
定して接合させて、偏光子−ファラデー回転子[A1-B2]
−反射膜ブロックを得た。ここに得られた偏光子−ファ
ラデー回転子−反射膜ブロックに、光入出力路としてコ
ア径 400μm のポリマクラッド光ファイバを取り付けて
光磁界センサヘッドを得た。
【0063】ここに得られた光磁界センサヘッドを、高
分子光導波路で作製された光分岐器〔三菱瓦斯化学社
製、200S-D2 型〕で構成された反射型光磁界センサ〔図
参照〕の光入出力路〔コア径 200μm の光ファイバ〕
に取り付けた。光磁界センサヘッドの先端部を磁界印加
装置〔マグネテイック社製、MAGNET〕の所定の位置に設
置した。光磁界センサヘッドの磁界の印加状態を種々に
変化させながら、光源から波長0.786μm のレーザ光を
入射させて、光検出器〔安藤電気社製、商品名パワーメ
ータ、AQ-1111 型〕に到達した信号光の光強度を測定し
た。その結果、ファラデー回転子に磁界強度 1000 Oeの
磁界を印加したときに、ファラデー回転子は磁気的に飽
和した。また、ファラデー回転子に磁界を印加しない状
態と、ファラデー回転子に磁界強度 1000 Oeの磁界を印
加した状態との光強度差は 3.5dB乃至 3.8dB(平均値
3.7dB)であった。
【0064】実施例9 実施例8において、実施例1で得た HoTbBiIG 単結晶[A
1]−反射膜ブロックの替わりに実施例3で得た HoTbBiI
G 単結晶[A3]−反射膜ブロックを用いた以外は、全て実
施例8と同様にして評価試験を行った。その結果、ファ
ラデー回転子[A3-B2] に磁界強度 1000 Oeの磁界を印加
したときに、ファラデー回転子は磁気的に飽和した。ま
た、ファラデー回転子に磁界を印加しない状態と、ファ
ラデー回転子に磁界強度 1000 Oeの磁界を印加した状態
との光強度差は 3.0dB乃至 3.5dB(平均値 3.3dB)であ
った。
【0065】実施例10 実施例8において、実施例1で得た HoTbBiIG 単結晶[A
1]−反射膜ブロックの替わりに実施例7で得た HoTbBiI
G 単結晶[A7]−反射膜ブロックを用いた以外は、全て実
施例8と同様にして評価試験を行った。その結果、ファ
ラデー回転子[A7-B2] に磁界強度 1000 Oeの磁界を印加
したときに、ファラデー回転子は磁気的に飽和した。ま
た、ファラデー回転子に磁界を印加しない状態と、ファ
ラデー回転子に磁界強度 1000 Oeの磁界を印加した状態
との光強度差は 2.7dB乃至 3.1dB(平均値 2.8dB)であ
った。
【0066】実施例11 先ず、容量 500mlの白金製ルツボに、酸化鉛[PbO 、4
N]843g、酸化ビスマス[Bi2O3 、4N]978g、酸化第2
鉄[Fe2O3 、4N]120g、酸化ガリウム[Ga2O3 、4N]4.
5g、酸化ほう素[B2O3、5N]38g 、酸化ガドリニウム
[Gd2O3 、3N]6.5g、および、酸化イットリウム[Y
2O3、3N]4.0gを仕込んだ。これを精密縦型管状電気炉
の所定の位置に設置し、1000℃に加熱して溶融し、十分
に攪拌して均一に混合させたのち、融液温度 773℃にま
で冷却してビスマス置換磁性ガーネット単結晶育成用融
液とした。次いで、常法に従って、ここに得られた融液
中に、実施例1で得た単結晶育成用基板[a1]を浸漬させ
て、融液温度を 773℃に維持しながら 0.7時間のエピタ
キシャル成長を行ない、単結晶育成用基板の両面に [11
1]軸が膜法線に対して5度傾いている Y0.9Gd0.9Bi1.2F
e4.8Ga0.2O12単結晶膜を有する Y0.9Gd0.9Bi1.2Fe4 .8Ga
0.2O12単結晶〔以下、YGdBiGaIG 単結晶[A8]と略称す
る〕を得た。ここに得られた YGdBiGaIG単結晶[A8]は、
片面15μm 、両面の厚さが 30 μmで、磁化を飽和させ
た状態でのファラデー回転角θF は、波長 786nmで 23.
7 度であり、飽和磁界は 600 Oe であった。
【0067】ここに得られた YGdBiGaIG単結晶[A8]の一
方の YGdBiGaIG単結晶表面に、蒸着法によりアルミニウ
ムを蒸着させて反射膜、即ち、ミラーを形成させたの
ち、他方の YGdBiGaIG単結晶表面に、常法により、反射
防止膜を施したのち、所定の大きさ〔 2.5mm×2.5mm 〕
に裁断して YGdBiGaIG単結晶[A8]−反射膜ブロックを得
た。ここに得られた YGdBiGaIG単結晶[A8]−反射膜ブロ
ックの中から、無作為に5個を選び出して、実施例8で
得た YGdBiGaIG単結晶[B2]片の YGdBiGaIG単結晶膜面に
密着させて、市販の光学用接着剤を用いて固定して接合
させた。次いで、YGdBiGaIG 単結晶[B2]膜の表面に、反
射防止膜を施した偏光子〔コーニング社製、商品名ポー
ラコア〕を取り付けて、エポキシ系接着剤で固定して接
合させて、偏光子−ファラデー回転子[A8-B2] −反射膜
ブロックを得た。以下、全て実施例8と同様にして光磁
界センサヘッドを製作し、実施例8と同様にして評価試
験を行った。その結果、ファラデー回転子[A 8 -B 2 ] に磁
界強度 600 Oe の磁界を印加したときに、ファラデー回
転子は磁気的に飽和した。また、ファラデー回転子に磁
界を印加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度 6
00 Oe の磁界を印加した状態との光強度差は 4.5dB乃至
4.6dB(平均値 4.6dB)であった。
【0068】比較例1 実施例1で得られた HoTbBiIG 単結晶[B1]の一方の HoT
bBiIG 単結晶表面に、蒸着法によりアルミニウムを蒸着
させて反射膜、即ち、ミラーを形成させたのち、他方の
HoTbBiIG 単結晶表面に、常法に従って、反射防止膜を
施し、所定の大きさ〔 2.5mm×2.5mm 〕に裁断して HoT
bBiIG 単結晶[B 1 ]−反射膜ブロックを得た。ここに得ら
れた HoTbBiIG 単結晶[B 1 ]−反射膜ブロックの中から、
無作為に5個を選び出して、実施例1で得た HoTbBiIG
単結晶[B1]片を HoTbBiIG 単結晶[B 1 ]膜面に密着させ
て、市販の光学用接着剤を用いて固定して接合させた。
次いで、HoTbBiIG単結晶[B1]膜の表面に、反射防止膜を
施した偏光子〔コーニング社製、商品名ポーラコア〕を
取り付けて、エポキシ系接着剤で固定して接合させて、
偏光子−ファラデー回転子[B 1 -B1] −反射膜ブロックを
得た。ここに得られた偏光子−ファラデー回転子−反射
膜ブロックに、光入出力路としてコア径 400μm のポリ
マクラッド光ファイバを取り付けて光磁界センサヘッド
を得た。次いで、実施例1と同様にして評価試験を行っ
た。その結果、ファラデー回転子[B 1 -B1] に磁界強度 1
000 Oeの磁界を印加したときに、ファラデー回転子は磁
気的に飽和した。また、ファラデー回転子に磁界を印加
しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度 1000 Oeの
磁界を印加した状態との光強度差は 1.7dB乃至 2.1dB
(平均値 1.8dB)であった。
【0069】比較例2 実施例1において、単結晶育成用基板の裁断に際して、
インゴットを [112]軸方向に1度傾けて裁断して得た
[111]軸が法線に対して1度傾むいた単結晶育成用基板
[a10] を用いた以外は、全て実施例1と同様にして光磁
界センサヘッドを制作し、実施例1と同様にして評価試
験を行った。その結果、ファラデー回転子[A10-B1]に磁
界強度 1000 Oe の磁界を印加したときに、ファラデー
回転子は磁気的に飽和した。また、ファラデー回転子に
磁界を印加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度
1000 Oe の磁界を印加した状態との光強度差は 1.8dB
乃至 2.1dB(平均値 2.0dB)であった。
【0070】比較例3 実施例1において、単結晶育成用基板の裁断に際して、
インゴットを [112]軸方向に65度傾けて裁断して得た
[111]軸が法線に対して65度傾むいた単結晶育成用基
板[a11] を用いた以外は、全て実施例1と同様にして光
磁界センサヘッドを制作し、実施例1と同様にして評価
試験を行った。その結果、ファラデー回転子[A11-B1]に
磁界強度 1000 Oe の磁界を印加したときに、ファラデ
ー回転子は磁気的に飽和した。また、ファラデー回転子
に磁界を印加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強
度 1000 Oe の磁界を印加した状態との光強度差は 3.2
dB乃至 3.5dB(平均値 3.3dB)であった。
【0071】比較例4 実施例8において、 HoTbBiIG 単結晶[A1]−反射膜ブロ
ックの替わりに比較例2で得た HoTbBiIG 単結晶[A10]
−反射膜ブロックを用いた以外は、全て実施例8と同様
にして光磁界センサヘッドを制作し、実施例1と同様に
して評価試験を行った。その結果、ファラデー回転子[A
10-B2]に磁界強度 1000 Oe の磁界を印加したときに、
ファラデー回転子は磁気的に飽和した。また、ファラデ
ー回転子に磁界を印加しない状態と、ファラデー回転子
に磁界強度 1000 Oe の磁界を印加した状態との光強度
差は 1.8dB乃至 2.1dB(平均値 2.0dB)であった。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、多磁区構造を有する磁
気光学材料を用いて、小型軽量の反射型光磁界センサヘ
ッドを、工業的に、極めて容易に製造して提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特公平3−22595号に開示された反射型光
磁界センサの構成を示した模式図である。
【図2】特願平4−90976号に開示した反射型光磁
界センサの構成を示した模式図である。
【図3】本発明の反射型光磁界センサヘッドの基本構成
を、具体的に説明するための模式図である。
【図4】本発明の [111]軸が膜法線に対して傾いている
(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜と [111]軸
が膜法線と実質的に一致している (111)ビスマス置換磁
性ガーネット単結晶膜とからなるファラデー回転子を、
光入出力路〔光路〕に対して垂直に配置したときの光路
と磁区の位置と磁化方向との関係を示す模式図である。
【図5】[111]軸が膜法線と実質的に一致している (11
1)ビスマス置換磁性ガーネット膜からなるファラデー回
転子を、光入出力路〔光路、光軸〕に対して傾斜させて
配置したときの光路〔光軸〕と法線と磁区の位置と磁化
方向との関係を示す模式図である。
【図6】[111]軸が膜法線に対して傾いている (111)ビ
スマス置換磁性ガーネット膜からなるファラデー回転子
を、光入出力路〔光路、光軸〕に対して垂直に配置した
ときの光路〔光軸〕と法線と磁区の位置と磁化方向との
関係を示す模式図である。
【図7】2枚の [111]軸が膜法線と実質的に一致してい
る (111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜からなる
ファラデー回転子を、光入出力路〔光路〕に対して垂直
に配置したときの光路と磁区の位置と磁化方向との関係
を示す模式図である。
【図8】表面の磁区模様が直線状のビスマス置換磁性ガ
ーネット膜を重ねたファラデー回転子の一例を示す模式
図である。
【図9】本発明の反射型光磁界センサヘッドを用いた光
磁界センサの全体構成の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ・・・光源 2 ・・・レンズ 3 ・・・ハーフミラー 4 ・・・光ファイバ 5 ・・・レンズ 6 ・・・偏光子 7 ・・・ファラデー回転子 8 ・・・反射膜 9 ・・・光検出器 10 ・・・偏光子 11 ・・・ファラデー回転子 12 ・・・反射膜 13 ・・・光入力路 14 ・・・光出力路 15 ・・・レンズ 16 ・・・光源 17 ・・・光検出器 18 ・・・偏光子 19 ・・・ファラデー回転子 20 ・・・反射膜 21 ・・・光入出力路 22 ・・・ビスマス置換磁性ガーネット 23 ・・・ビスマス置換磁性ガーネット 24 ・・・ビスマス置換磁性ガーネット 25 ・・・ビスマス置換磁性ガーネット 26 ・・・光源 27 ・・・光ファイバ 28 ・・・光導波路 29 ・・・光磁界センサヘッド 30 ・・・光入出力路 31 ・・・光ファイバ 32 ・・・光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−146858(JP,A) 特開 昭55−76327(JP,A) 特開 平5−172917(JP,A) 特開 平6−18639(JP,A) 特開 平5−333124(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光入出力路、偏光子、ファラデー回転子、
    反射膜の順に配置された光磁界測定装置において、反射
    が、光入出力路の光路中心に対してほぼ垂直に配置さ
    れており、しかも、ファラデー回転子が、その [111]軸
    が膜法線に対して1度乃至60度の範囲内で傾いている
    ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜と [111]軸が膜法
    線と実質的に一致している (111)ビスマス置換磁性ガー
    ネット単結晶膜との複数の (111)ビスマス置換磁性ガー
    ネット単結晶膜で構成されていることを特徴とする反射
    型の光磁界センサヘッド。
  2. 【請求項2】偏光子、ファラデー回転子、および、反射
    膜が (111)ガーネット単結晶基板を介在して、或いは、
    介在することなく密着して一体的に構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の反射型光磁界センサヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】ファラデー回転子が、その [111]軸が膜法
    線に対して1度乃至60度の範囲内で傾いているビスマ
    ス置換磁性ガーネット単結晶膜と [111]軸が膜法線と実
    質的に一致している (111)ビスマス置換磁性ガーネット
    単結晶膜との2枚の (111)ビスマス置換磁性ガーネット
    単結晶膜で構成されていることを特徴とする請求項1、
    および、請求項2記載の反射型光磁界センサヘッド。
  4. 【請求項4】ファラデー回転子が、その [111]軸が膜法
    線に対して3度乃至45度の範囲内で傾いているビスマ
    ス置換磁性ガーネット単結晶膜と [111]軸が膜法線と実
    質的に一致している (111)ビスマス置換磁性ガーネット
    単結晶膜とで構成されていることを特徴とする請求項
    1、請求項2、および、請求項3記載の反射型光磁界セ
    ンサヘッド。
  5. 【請求項5】その [111]軸が膜法線に対して1度乃至6
    0度の範囲内で傾いている、或いは、および、 [111]軸
    が膜法線と実質的に一致している (111)ビスマス置換磁
    性ガーネット単結晶膜が、(111) ガーネット単結晶基板
    の両面に育成・形成されている3層構造の (111)ビスマ
    ス置換磁性ガーネット単結晶であることを特徴とする請
    求項1、請求項2、および、請求項3記載の反射型光磁
    界センサヘッド。
  6. 【請求項6】ファラデー回転子が、化学組成の異なる2
    種類以上のビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜を積層
    させて構成されていることを特徴とする請求項1、請求
    項2、請求項3、請求項4、および、請求項5記載の反
    射型光磁界センサヘッド。
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