JP3148427B2 - 無電解金めっき液 - Google Patents

無電解金めっき液

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JP3148427B2 JP34965292A JP34965292A JP3148427B2 JP 3148427 B2 JP3148427 B2 JP 3148427B2 JP 34965292 A JP34965292 A JP 34965292A JP 34965292 A JP34965292 A JP 34965292A JP 3148427 B2 JP3148427 B2 JP 3148427B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金源として塩化金(I
II)酸もしくは亜硫酸又はチオ硫酸の金(I)錯塩を
用いた無電解金めっき液に関する。
【0002】
【背景技術】無電解金めっき法は、その優れた機能特性
から複雑な微細回路やリードのとりにくい孤立した部分
等へのめっきが必要とされる電子工業分野において幅広
く利用されている。従来、一般に使用されている無電解
金めっき液としては、金(I)イオンの錯化剤として毒
性の強いシアン化合物を含んだものが用いられており、
これを、高温度、強アルカリ条件で使用するのが通例で
あった。そのため前述した如き用途に用いる場合におい
ては、回路のマスキングに用いたレジストが剥離すると
か、あるいは、アルカリによりセラミック基板素地が侵
蝕される等の問題がおこり、また、シアン化合物を含有
する無電解金めっき浴は非常に毒性が高く、取り扱いや
保管上及び管理上の問題があり、さらに実作業環境の安
全性や廃液処理の経済面についての問題が存在してい
た。
【0003】他方、シアン化合物を用いない金めっき液
としては、代表的なものとして金源に塩化金(IH)酸
を用いた金めっき液が知られている(例えば、米国特許
4142902、英国特許2114159参照)。この
塩化金(III)酸塩を用いた金めっき液は、塩化金
(III)酸塩と組成成分の亜硫酸又はチオ硫酸の塩と
がそれらの金錯塩を形成するとされているもので、シア
ン化合物を用いないめっき液として実用化されている。
【0004】本発明者らは、先に、上記塩化金(II
I)酸を金源とする無電解金めっき液の改良として、還
元成分としてアスコルビン酸を用いた金めっき液を提供
した(特開平1−191782号公報参照)。この無電
解金めっき液は、塩化金(III)酸又はその塩、亜硫
酸又はチオ硫酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、
アスコルビン酸又はその塩を組成成分とするもので、低
温度ならびに中性付近のpH条件で実用的なめっき速度
が得られ、また、セラミック基板を侵すことがなく、マ
スキングしたレジストを剥離することもなしにプリント
基板等の微細な回路やリードの金めっき液として使用し
得るという優れたものである。
【0005】しかしながら、この無電解金めっき液につ
いても使用中に微量の沈殿を生成したり、建浴後保存中
に金微粒子の沈殿を生ずるなど、安定性の面で解決すべ
き課題が存在しており、満足し得るものではない。この
場合に、亜硫酸金(I)錯塩又はチオ硫酸金(I)錯塩
を金源とする金めっき浴や塩化金(III)酸塩と亜硫
酸、チオ硫酸とから内部的に金錯体を形成せしめる金め
っき浴の安定性が保たれない原因は、実証的には明らか
にされていないが、以下のような理由が考えられる。
【0006】保存中あるいはめっき時の亜硫酸イオン、
チオ硫酸イオン等の酸化性成分の自然酸化、濃度減少に
より溶液内平衡が変化し金錯体が不安定化し、金活量が
増加し浴分解しやすくなること、またアスコルビン酸の
酸化活性を高める微量の金属イオンによる汚染により、
これらを核として金微粒子の生成が起こり、分解を促進
することになることなどである。
【0007】
【発明の開示】本発明者らは、無電解金めっき液の安定
性の向上を目的として鋭意研究を行った結果、(a)金
源としての塩化金(III)酸又はその塩もしくは亜硫酸
又はチオ硫酸の金(I)錯塩、(b)亜硫酸及び/又は
チオ硫酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、(c)
アスコルビン酸又はその塩及び(d)pH緩衝剤を組成
成分として含有する水溶液よりなる無電解金めっき液に
対して、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプ
トベンゾオキサゾール及びこれらの塩から選択された化
合物を含有せしめることにより、めっき液の保存時及び
めっき実施時における安定性を著しく向上させることが
でき、長期使用ならびに長期保存におけるめっき液の安
定性を改善し得ることを見出した。本発明は、かかる知
見に基づいてなされたものである。
【0008】すなわち、本発明は、(a)金源としての
塩化金(III)酸又はその塩もしくは亜硫酸又はチオ硫
酸の金(I)錯塩、(b)亜硫酸及び/又はチオ硫酸の
アルカリ金属塩又はアンモニウム塩、(c)アスコルビ
ン酸又はその塩、(d)pH緩衝剤及び(e)6−エト
キシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプ
トベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾ
ール及びそれらの塩から選択された化合物を含有する無
電解金めっき液を提供するものである。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明にかかる無電解金めっき液の好まし
い態様は以下のように説明される。
【0011】金塩として0.001〜0.10mol/
リットル、亜硫酸ナトリウム0.01〜1.0mol/
リットル、チオ硫酸ナトリウム0.01〜1.0mol
/リットル、りん酸ナトリウム0.01〜1.0mol
/リットル、アスコルビン酸又はそのナトリウム塩0.
001〜1.0mol/リットル及び6−エトキシ−2
−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズ
イミダゾール又は2−メルカプトベンゾオキサゾールと
して6×10−7〜3×10−3mol/リットルを含
有する。
【0012】本発明者らは、本発明にかかる無電解金め
っき液組成と、得られるめっき速度とめっき液安定性と
の関係について種々検討したところ、以下の如き知見を
得た。
【0013】(1) 金源として用いられる塩化金(I
II)酸又はその塩もしくは亜硫酸又はチオ硫酸の金
(I)錯塩の使用量については、0.001〜0.1m
ol/リットルが好ましいが、特に好ましくは0.00
5〜0.05mol/リットルである。0.001mo
l/リットル以下では実用的なめっき速度は得られず、
また0.1mol/リットル以上では金の沈殿が生じや
すくなり、また経済的にも不利である。
【0014】(2) 亜硫酸塩については例えばナトリ
ウム塩として、0.01〜1.0mol/リットルが好
ましいが、特に好ましくは0.04〜0.5mol/リ
ットルである。0.01mol/リットル以下では液が
不安定で分解しやすく、1.0mol/リットル以上で
はめっき速度が著しく低下し、実用的に好ましくない。
【0015】(3) チオ硫酸塩については、例えばナ
トリウム塩として、0.01〜1.0mol/リットル
が好ましいが、特に好ましくは0.04〜0.5mol
/リットルである。0.01mol/リットル以下では
めっき液の安定性を欠き分解を生じ易く、また、1.0
mol/リットル以上ではめっき反応に格別効果を示さ
ない。
【0016】(4) pH緩衝剤としては、例えばりん
酸水素ナトリウムにより調製された緩衝液が好適であ
り、その含有量は、0.01〜1.0mol/リットル
が好ましいが、特に好ましくは0.05〜0.5mol
/リットルである。0.01mol/リットル以下では
めっき面の粗雑化が生じ易い。また、1.0mol/リ
ットル以上では、格別の効果は期待されない。
【0017】(5) アスコルビン酸については例えば
ナトリウム塩として、0.001〜1.0mol/リッ
トルが好ましいが、特に好ましくは0.01〜0.5m
ol/リットルである。0.001mol/リットル以
下ではめっき速度が遅く、また、1.0mol/リット
ル以上ではめっき液が不安定となり、分解を生じ易くな
る。
【0018】(6) 6−エトキシ−2−メルカプトベ
ンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、
2−メルカプトベンゾオキサゾール、又はその誘導体も
しくはその塩については、6×10−7〜3×10−3
mol/リットルが好ましいが、特に好ましくは6×1
−6〜6×10−5mol/リットルである。6×1
−7mol/リットル以下ではめっき液が不安定とな
り、分解を生じ易いので好ましくない。また、3×10
−3mol/リットル以上ではめっき液の安定性は増大
するが、めっき速度が遅くなり好ましくない。
【0019】(7) 使用時においてめっき液のpH
は、めっき液成分が分解しない範囲内において硫酸又は
カセイソーダ液により適時調整する。好ましいpH域は
5〜9、特にpH6〜8の範囲である。
【0020】(8) めっき液の操作温度は50〜80
℃の範囲で選択できるが、好ましくは50〜70℃、さ
らに好ましくは55〜65℃である。このような低温度
においてめっき可能であることは、被めっき対照物が温
度に抵抗を有しない物体の場合、特に好都合であり、こ
のことは、さらにエネルギーの節約、作業者の安全性の
点からも従来の無電解金めっき液にない優れた利点をも
たらす。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例を掲げ、本発明を具体
的に説明する。
【0022】実施例1 下記の組成の無電解金めっき液(A)を用い、これに表
1に示されている0.5ppm、1.0ppm、2.5
ppm及び5.0ppmの各種濃度において6−エトキ
シ−2−メルカプトベンゾチアゾールを含有せしめた各
液を調製した。室温で保存した場合のこれら各液の安定
性を調べた。その結果は後掲表1に示される。
【0023】無電解金めっき液(A) 塩化金(III)酸ナトリウム 金として2g/L 亜硫酸ナトリウム 10g/L チオ硫酸ナトリウム 20g/L L−アスコルビン酸ナトリウム 40g/L りん酸水素二ナトリウム 9g/L りん酸二水素一ナトリウム 3g/L pH 7.0
【0024】表1に見られるように、6−エトキシ−2
−メルカプトベンゾチアゾールを含有していない浴(比
較例1)では、建浴後2日目には既に金の沈殿物を生成
し、不安定で長時間使用及び建浴後数日間保存すること
も困難である。
【0025】これに対し、6−エトキシ−2−メルカプ
トベンゾチアゾール0.5ppm、1.0ppm、2.
5ppm、5.0ppmの各添加浴(実施例)では、
0.5ppm添加でも6日間、1.0ppm及び2.5
ppmの各浴では15日間、5.0ppmの添加浴では
30日間の各期間に金の沈殿物を生成せず、無添加の場
合に比較して安定性が大幅に改善され、長期間、室温に
おいて保存することが可能であった。また、6−エトキ
シ−2−メルカプトベンゾチアゾールの添加濃度が高い
ほど安定性が良くなる傾向にあることも判った。これら
の実施例からみて本発明に係わる無電解金めっき液が、
浴の安定性向上に著しい効果を発揮することが認められ
る。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 下記の組成の無電解金めっき液(B)を用い、これに表
2に示した50ppm、100ppm、250ppm、
500ppmの各種濃度において2−メルカプトベンゾ
オキサゾールを含有せしめた各液を調製した。室温で保
存した場合のこれら各液の安定性を調べた。その結果を
後掲表2に示した。
【0028】無電解金めっき液(B) 亜硫酸金(I)ナトリウム 金として 2g/L 亜硫酸ナトリウム 10g/L チオ硫酸ナトリウム 25g/L L−アスコルビン酸ナトリウム 40g/L りん酸水素二ナトリウム 9g/L りん酸二水素一ナトリウム 3g/L pH 7.0
【0029】表2に見られるように、2−メルカプトベ
ンゾオキサゾールを含有していない浴(比較例2)で
は、建浴後3日目には既に金の沈殿物を生成し、不安定
で長時間の使用も困難であり、また、建浴後数日間保存
することも困難である。
【0030】これに対し、2−メルカプトベンゾオキサ
ゾール50ppm,100ppm、250ppm,50
0ppmの各添加浴(実施例)では、50ppm添加の
場合でも20日間、100ppm、250ppm,50
0ppmでは30日間、の期間において金の沈殿物を生
成せず、無添加の場合に比較して安定性は大幅に改善さ
れ、長期間室温で保存することが可能であった。また、
2−メルカプトベンゾオキサゾールの添加濃度が高いほ
ど安定性が良くなる傾向にあることも判った。これらの
実施例からみて本発明に係わる無電解金めっき液が、浴
の安定性の点において著しい効果を有するものであるこ
とが認められる。
【0031】
【表2】
【0032】実施例3 下記の組成の無電解金めっき液(C)を調製し、これに
6−メトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾールを0.
5ppm、1ppm,2ppm及び2.5ppmの各濃
度でそれぞれを含有せしめた液を用い、めっき試片とし
て、大きさ2cm×2cm、厚さ0.1mmの圧延ニッ
ケル板に厚さ3μmのニッケル皮膜を、次に、厚さ3μ
mの金皮膜をそれぞれ電気めっきしたものを用い、浴負
荷1.2dm/L、温度60℃、撹拌条件で6時間め
っきを行った。その結果を後掲表3に示した。
【0033】無電解金めっき液(C) 亜硫酸金(I)ナトリウム 金として 2g/L 亜硫酸ナトリウム 15g/L チオ硫酸ナトリウム 30g/L L−アスコルビン酸ナトリウム 40g/L りん酸水素二ナトリウム 12g/L りん酸二水素一ナトリウム 4g/L pH 7.0
【0034】
【表3】
【0035】表3に見られるように、6−エトキシ−2
−メルカプトベンゾチアゾールを含有していない浴(比
較例3)では、約3時間で浴中に微量の金沈殿物の生成
がはじまり、6時間以上使用することは困難であった。
【0036】これに対し、6−エトキシ−2−メルカプ
トベンゾチアゾール添加浴(実施例)では、6時間のめ
っき中に金沈殿物の生成は全く認められず、浴の安定性
が著しく向上していることが認められた。また金の析出
速度については、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾ
チアゾール2ppm以下の添加量では無添加浴(比較
例)とめっき速度は、ほぼ同様であり、安定性の向上に
ともなう速度の低下は認められなかった。ただし、6−
エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール2.5pp
m添加の場合では析出速度は、わずかに低下しているこ
とが認められた。
【0037】また、析出物の外観は無添加比較例が赤味
を帯びた黄色無光沢であるのに対し、実施例では明黄色
の半光沢であり、良好な外観を示した。
【0038】これらの実施例からみて本発明に係わる無
電解金めっき液が、浴の安定性に優れた効果をもたら
し、更に析出速度に悪影響を与えず、析出外観も良好で
あることが認められる。
【0039】実施例4 下記の組成の無電解金めっき液(D)を調製し、これに
2−メルカプトベンゾオキサゾールを50ppm、10
0ppm、250ppm及び500ppmの各濃度でそ
れぞれ含有せしめた液を用い、めっき試片として実施例
3で用いたものと同様処理のものを用い、浴負荷0.8
dm/L、温度60℃、撹拌条件で6時間めっきを行
った。その結果を後掲表4に示した。
【0040】無電解金めっき液(D) 亜硫酸金(I)ナトリウム 金として 2g/L 亜硫酸ナトリウム 12.5g/
L チオ硫酸ナトリウム 25g/L L−アスコルビン酸ナトリウム 40g/L りん酸水素二ナトリウム 9g/L りん酸二水素一ナトリウム 3g/L pH 7.0
【0041】
【表4】
【0042】表4に見られるように、2−メルカプトベ
ンゾオキサゾールを含有していない浴(比較例4)で
は、約2時間で浴中に微量の金沈殿物の生成がはじま
り、6時間以上使用することは困難であった。
【0043】これに対し、2−メルカプトベンゾオキサ
ゾール添加浴(実施例)では、6時間めっき中に、金の
沈殿物の生成は全く認められず、浴の安定性が著しく向
上していることが認められた。また、金の析出速度につ
いては、2−メルカプトベンゾオキサゾール添加浴はど
の添加濃度においても無添加浴(比較例4)に比し、め
っき速度はほぼ同様であり、安定性の向上にともなう速
度の低下は認められなかった。
【0044】また、析出物の外観は、無添加の比較例の
場合が赤味を帯びた黄色無光沢なのに対し、実施例のそ
れは明黄色の半光沢で良好であった。
【0045】これらの実施例からみて本発明に係わる無
電解金めっき液が、浴の安定性に優れた効果をもたら
し、更に析出速度に悪影響を与えず良好な析出外観が得
られるものであることが認められる。
【0046】実施例5 前記の無電解金めっき液(A)に2−メルカプトベンズ
イミダゾール25ppmを含有せしめた金めっき浴を調
製し、実施例3と同様のめっき試片を用い、同様のめっ
き条件の下で、6時間めっきを行い、室温で一晩放置し
た後、翌日以後、連日5日間にわたり毎日、すべて同一
条件の下でめっきを繰り返して行った。比較例として2
−メルカプトベンズイミダゾールを添加しない場合につ
いても同様条件でめっきを行った。
【0047】その結果、2−メルカプトベンズイミダゾ
ール無添加浴での場合には1日目における6時間の平均
めっき速度0.85μm/hrでめっき可能であった
が、第1日目の約3時間めっき時点で、めっき液中に金
微粒子の沈殿物が生成し、更に、一晩の室温放置中に金
の沈殿物が徐々に増加し、翌日には多量の沈殿物の生成
が認められた。そのため、第2日目以降においては、め
っきを行うことができなかった。これに対し、2−メル
カプトベンズイミダゾール25ppm添加浴では、5日
間のめっき期間中において金の沈殿物等浴中に分解物の
生成は全く認められず、毎日の繰り返し作業にともない
一日約10%程度の速度の低下は認められたが、5日間
めっき作業を行うことが可能であった。6時間の平均め
っき速度は、1日目、0.85μm/hr、2日目、
0.77μm/hr、3日目、0.72μm/hr、4
日目、0.66μm/hr、5日目、0.60μm/h
rであった。これら実施例の結果からみて、2−メルカ
プトベンズイミダゾールを含有せしめることにより、め
っき浴の安定性において優れた効果をもたらすことが認
められ一度加熱した液の保存状態における分解物の生成
も防止されることが認められ、長時間にわたる繰り返し
使用が可能となることが認められた。
【0048】実施例6 下記の組成の無電解金めっき液(E)及びこれに6−エ
トキシ−2−メルカプトベンゾチアゾールを2ppm含
有せしめた液を調製し、これらの各めっき浴について未
使用状態で室温条件下に後掲の表5に示した各保存期間
に保存した。
【0049】これらの各保存期間のめっき液の一部を用
いて、めっき試片として実施例3と同様処理したものを
用い、浴負荷0.8dm/L、温度60℃、撹拌条件
で6時間めっきを行い、各保存期間に保存された各めっ
き液について、その速度ならびに仕上がりの外観を比較
した。その結果を後掲表5に示した。
【0050】 無電解金めっき液(E) 塩化金 (III)酸ナトリウム 金として 2g/L 亜硫酸ナトリウム 12.5g/L チオ硫酸ナトリウム 25g/L L−アスコルビン酸ナトリウム 40g/L りん酸水素二ナトリウム 9g/L りん酸二水素一ナトリウム 3g/L pH 7.0
【0051】
【表5】
【0052】表5に見られるように、6−エトキシ−2
−メルカプトベンゾチアゾールを添加しない浴(比較
例)では保存期間1週間で既に、浴中に多量の金沈殿物
が生成し、めっきを行うことはできなかった。これに対
し、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾールの
2ppm添加浴(実施例)では28日目まで、液中に沈
殿物の生成は認められなかった。これらの保存浴による
めっきでは、建浴直後より、わずかにめっき速度は低下
したが、保存日数によるめっき速度の差は認められず、
最大28日保存浴までめっきを行うことが可能であっ
た。35日保存浴では金の沈殿物が生成したため、正常
にめっきを行うことが不可能であった。
【0053】また、6−エトキシ−2−メルカプトベン
ゾチアゾール2ppm添加浴におけるめっきにおいて
は、めっき浴の保存期間に関係なく、明黄色無光沢又は
半光沢の均一な析出膜が得られた。
【0054】このように、6−エトキシ−2−メルカプ
トベンゾチアゾールは、めっき液の分解防止に著しい効
果を示し、その結果、めっき浴の使用可能期間が延長さ
れ、浴活性を低下させることなくめっき浴を室温で長期
間、保存することが可能となった。
【0055】
【発明の効果】本発明にかかる無電解金めっき液は、建
浴後の保存状態及び使用状態において、浴中の沈殿物生
成を防止し、めっき浴を安定状態で長期間にわたり使用
することができ、この浴を用いて繰り返し、めっきを行
うことが可能であり、従来の金めっき浴が、建浴後直ち
に使用しなければならないという欠点を有するのに対
し、作業時間について制約されないという優れた利点を
有する。したがって、本発明により、金めっきの経済性
ならびに作業性に著しい改善がもたらされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−145997(JP,A) 特開 平4−350172(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/00 - 18/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)金源としての塩化金(III)酸又
    はその塩もしくは亜硫酸又はチオ硫酸の金(I)錯塩、
    (b)亜硫酸及び/又はチオ硫酸のアルカリ金属塩又は
    アンモニウム塩、(c)アスコルビン酸又はその塩及び
    (d)pH緩衝剤を組成成分として含有する水溶液より
    なる無電解金めっき液において、6−エトキシ−2−メ
    ルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミ
    ダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール及びこれ
    らの塩から選択された化合物を含有せしめることを特徴
    とする無電解金めっき液。
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