JP3148931U - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】テーパー用毛を用いた歯ブラシにおいて、歯グキに対する痛みが少なく使用感が良好で、なお且つ毛束の抜け強度に優れた歯ブラシを提供する。【解決手段】植毛面2aに複数の植毛穴6が設けられたヘッド部2を備え、このヘッド部2の各植毛穴6に毛先に向かうに従って径が細くなるテーパー用毛4の毛束3が植設されてなる歯ブラシであって、複数の植毛穴6が、上面開口部から底面に向かって漸次径が細くなるテーパー形状を有する。【選択図】図3

Description

本考案は、テーパー用毛を用いた歯ブラシの改良に関する。
近年、衛生志向の高まりにより様々な口腔内清掃具、口腔内洗浄剤などが開発されている。また、口腔内清掃具である歯ブラシでは、従来より歯面や歯頸部、歯間部などの細部における歯垢除去効果を高めるための様々な工夫が行われている。例えば、毛先に向かうに従って径が細くなるテーパー用毛を用いた歯ブラシは、歯の隙間における清掃性を高めることが可能である。
ところで、従来のストレート用毛を植毛穴に植設する場合には、使用性の良い歯ブラシとするため、毛束が広がらないように植毛を行っている。一方、テーパー用毛を植毛穴に植設する場合に、ストレート用毛と同様に毛束が広がらないよう植毛を行うと、毛先が細くなっているため、毛先が歯と歯グキとの隙間に集中的に入り込み、歯グキに痛みが発生し易いといった課題が生じてしまう。
このため、テーパー用毛を植毛穴に植設する場合には、従来は毛束が広がり易くなるように植毛穴に植設される毛束の本数を多くすることが行われている。しかしながら、植毛穴に植設される毛束の本数が多くなると、植毛時に植毛穴の周囲に割れが発生し易くなるといった問題が発生してしまう。また、テーパー用毛は、ストレート用毛に比べて、歯と歯の隙間に入り込み易いことから、刷掃時に用毛が歯の隙間に引っ掛かり、用毛が抜け易くなるといった問題もある。
一般に、植毛穴に植設された毛束は、太い毛に比べて細い毛の方が、その抜け強度(植毛穴の外周に位置する1本のテーパー用毛を抜き取るときの引張り強度)が低い。また、テーパー用毛の方がストレート用毛よりも抜け強度が低い。
一方、毛束の抜け強度を高めた歯ブラシも提案されている(例えば、特許文献1〜4を参照。)。しかしながら、テーパー用毛を用いた歯ブラシでは、毛束の抜け強度を高めるだけでなく、毛先が歯と歯グキとの隙間に集中的に入り込むことを防ぐ必要があるため、植毛穴に植設された毛束が広がり易くなるような工夫が必要となる。
実開平2−145123号公報 特開平4−261605号公報 特開平5−68328号公報 特開2005−185399号公報
本考案は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、テーパー用毛を用いた歯ブラシにおいて、歯グキに対する痛みが少なく使用感が良好で、なお且つ毛束の抜け強度に優れた歯ブラシを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案は以下の手段を提供する。
すなわち、請求項1に係る考案は、植毛面に複数の植毛穴が設けられたヘッド部を備え、このヘッド部の各植毛穴にテーパー用毛の毛束が植設されてなる歯ブラシであって、複数の植毛穴が、上面開口部から底面に向かって漸次径が細くなるテーパー形状を有することを特徴とする歯ブラシである。
また、請求項2に係る考案は、植毛穴のテーパー形状を為す側面の角度が、植毛面の垂線に対して1〜3゜の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシである。
また、請求項3に係る考案は、植毛穴の側面に、毛束の抜け止めとなる突起部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯ブラシである。
また、請求項4に係る考案は、毛束が、複数本のテーパー用毛を束ねて二つ折りにし、その間に平線を挟んで前記植毛穴に打ち込むことによって植設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の歯ブラシである。
以上のように、本考案の請求項1に係る歯ブラシでは、複数の植毛穴を上面開口部から底面に向かって漸次径が細くなるテーパー形状とすることで、植毛穴に植設された毛束が適度に広がることになる。これにより、テーパー用毛の毛先が歯と歯グキとの隙間に集中的に入り込むことを防ぐことができ、歯グキに対する痛みが少ない良好な使用感を得ると共に、毛束の抜け強度を高めることができる。
また、本考案の請求項2に係る歯ブラシでは、植毛穴のテーパー形状を為す側面の角度を植毛面の垂線に対して1〜3゜の範囲とすることで、植毛穴に植設された毛束の広がり具合を最適化し、歯グキに対する痛みの低減、毛束の抜け強度の向上、及び植毛ワレの防止を図ることができる。
また、本考案の請求項3に係る歯ブラシでは、植毛穴の側面に毛束の抜け止めとなる突起部を設けることで、植毛穴に植設された毛束の抜け強度を更に高めることができる。
また、本考案の請求項4に係る歯ブラシでは、毛束を二つ折りにし、その間に平線を挟んで植毛穴に植設する場合において、植毛穴の周囲に割れが発生し易くなるといった問題を防ぐことができる。
以下、本考案を適用した歯ブラシについて、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、場合によって毛束の図示を省略し、毛束が植毛される植毛穴のみを示すものとする。
図1は、本考案を適用した歯ブラシ1の一例を示すものであり、図1は、この歯ブラシ1の特徴部分として、図示を省略するブラシハンドルの先端に設けられたヘッド部2を示す。
この歯ブラシ1は、図1に示すように、硬質樹脂材料により成形されたブラシハンドルの先端にヘッド部2を備えている。ブラシハンドルに使用される硬質樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、飽和ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、ポリウレタン、ポリアミド、ABS(アクロル二トリル・ブタジエン・スチレン)などの熱可塑性樹脂材料を挙げることができるが、これらの材料に必ずしも限定されるものではない。また、ブラシハンドルのヘッド部2に連なるハンドル部についても、その形状や大きさ、デザイン等は、特に限定されるものではなく、任意に変更して実施することができる。
ヘッド部2は、口腔内を清掃しやすい形状であればよく、通常は2〜6mm程度の厚みで略直方体状に形成されている。そして、このヘッド部2の一面(植毛面という。)2aには、複数の毛束3が植設されている。
各毛束3は、その中央部から両端の毛先に向かって漸次径が細くなる図2に示すようなテーパー用毛4によって構成されている。具体的に、このテーパー用毛4は、その材質については特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド(例:6−12ナイロン、6−10ナイロン)、ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(例:ポリプロピレン)、エラストマー(例:オレフィン系、スチレン系)などの合成樹脂材料を用いることができる。また、これらの樹脂材料を複数組み合わせて用いてもよく、例えば芯鞘構造などのように、芯部と鞘部で異なる樹脂材料を用いることもできる。その中でも、テーパー用毛8には、所定の長さにカットされたポリブチレンテレフタレートからなる用毛(フィラメント)をアルカリ性加水分解処理剤に浸漬し溶解することで毛先をテーパー状としたものを用いることが好ましい。
また、テーパー用毛4の横断面形状は、好ましく円形であるが、そのような形状に必ずしも限定されるものではなく、例えば、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形など。)異形(例えば、星形、三つ葉のクローバー形、四つ葉のクローバー形など。)等とすることができ、歯ブラシ1の目的用途に応じて任意の形状とすることができる。さらに、テーパー用毛4は、スパイラル状にしたり、エンボス等を設けたりしてもよい。
テーパー用毛4の毛丈は、ヘッド部2の植毛面2aから、大人用で8mm〜13mm、子供用で6mm〜9mmとすることが好ましい。テーパー用毛4の太さ(最大径)は、口腔内の使用性や使用感の点から、0.15mm〜0.25mmであることが好ましい。また、使用感や、刷掃感、清掃効果、耐久性など考慮して、太さの異なる複数本のテーパー用毛4を任意に組み合わせて用いてもよい。
そして、各毛束3は、図3に拡大して示すように、複数本のテーパー用毛4を束ねて二つ折りにし、その間に平線5と呼ばれる抜止め具を挟んでヘッド部2の一面(植毛面)2aに設けられた植毛穴6に打ち込むことによって植設されている。
平線5は、植毛穴6の中心部を通り、且つ、植毛穴6を跨ぐように植毛穴6に打設されている。平線5の材質としては、例えば、真鍮やステンレスなどの金属を挙げることができ、その他にも硬質プラスチックや生分解性プラスチッなどを挙げることができる。平線5は、その長さが植毛穴6の直径よりも大であり、その幅が植毛穴6の深さよりも小である。また、平線5の長さや幅、厚みについては、毛束3や植毛穴6に合わせて任意に調整すればよい。特に、平線5の厚みを調節することによって、毛束3を植毛穴6内に確実に固定して空隙を少なくすることができる。また、平線5は、植毛穴6からの抜けを防ぐため、その両端の植毛穴16からはみ出した部分(打設部分)の長さの合計が0.3〜0.6mmであることが好ましい。
ヘッド部2の植毛面2aには、通常はヘッド部2の長さ方向や幅方向において、円形の植毛穴6が格子状や千鳥状に所定の間隔で複数並んで配置されるが、植毛穴6の配置や間隔、それらの組み合わせ等については、特に限定されるものではなく、歯ブラシ1の目的用途に応じて任意の変更することができる。植毛穴6の深さは3〜4mm、植毛穴6の直径は、1.5〜2.5mm、隣接する植毛穴6の間隔は0.5〜1.5mmであることが好ましい。また、植毛穴6の横断面形状は、上述したテーパー用毛4を束ねた毛束3の形状に合わせて通常は円形であるが、そのような形状に限定されるものではなく、上述したテーパー用毛4を束ねた毛束3の形状に合わせて任意の形状とすることができる。また、植毛穴6の底面は、面取りを施した平面形状とする以外にも、その断面形状を例えば半円状や矩形状などとしてもよい。
ところで、本考案を適用した歯ブラシ1では、図3に示すように、ヘッド部2の植毛面2aに設けられた複数の植毛穴6が、その上面開口部から底面に向かって漸次径が細くなるテーパー形状を有している。
この場合、植毛穴6に植設された毛束3は、植毛穴6のテーパー形状を為す側面に沿って適度に広がることになる。これにより、本考案を適用した歯ブラシ1では、各毛束3を構成するテーパー用毛4の毛先が歯と歯グキとの隙間に集中的に入り込むことを防ぐことができ、刷掃時に歯グキに対する痛みが少ない良好な使用感を得ることが可能である。
また、この歯ブラシ1では、植毛穴6をテーパー形状とすることで、植毛穴6に植設される毛束3の下部における植毛密度(植毛穴の断面積に対する毛束の総断面積)を高め、毛束3の抜け強度を向上させることが可能である。
なお、植毛穴6をテーパー形状とした場合は、上述したブラシハンドルを成形する際の離型性も良くなる。また、上記突起部7の形状は、離型性の観点からアンダーカットとならない形状とすることが好ましい。
また、植毛穴6のテーパー形状を為す側面の角度(テーパー角度という。)θは、図4に拡大して示すように、植毛面2aの垂線に対して1〜3゜の範囲にあることが好ましい。これにより、植毛穴6に植設された毛束3の広がり具合を最適化することができ、歯グキに対する痛みの低減、毛束の抜け強度の向上、及び植毛ワレの防止を図ることができる。
さらに、本考案を適用した歯ブラシ1では、図4に示すように、植毛穴4の側面に毛束3の抜け止めとなる突起部7を設けた構成とすることも可能である。具体的に、この突起部7は、植毛穴4の側面から周方向に亘って突出形成されると共に、深さ方向に連続しながら複数並んで設けられている。
本考案を適用した歯ブラシ1では、このような毛束3の抜け止めとなる突起部7を設けることで、植毛穴6に植設された毛束3の抜け強度を更に高めることが可能である。なお、上記突起部7は、毛束3の抜け強度を高める上で、植毛穴6の深さ方向の略中間部より下方に位置する方が効果的である。また、上記突起部7の形状や数については、上記図4に示す形状に限らず、適宜変更して実施することが可能である。
なお、本考案は、上記歯ブラシ1に適用したものに限らず、例えば電気的に駆動される電動歯ブラシやその取替用ブラシなどにも適用可能である。
以下、実施例により本考案の効果をより明らかなものとする。なお、本考案は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
本実施例では、先ず、表1に示すように、植毛穴の形状を異ならせた実施例1〜3及び比較例1〜3の歯ブラシを作製した。
なお、各歯ブラシには、ポリプロピレン(PP)樹脂からなるブラシハンドルを用いた。また、ヘッド部の植毛面には、円形の植毛穴が先端側より3列/4列×6行/3列(計30穴)並んで配置されている。また、各植毛穴の間隔は、長さ方向/幅方向=2.5mm/2.2mmである。また、各植毛穴の径はφ1.5mm(上端開口部)、深さは3.8mmである。毛束には、ポリブチレンテレフタレート樹脂からなるテーパー用毛(中央部最大径0.190mm)を用い、毛束の本数は21本/穴とした。平線は、真鍮製で0.25×1.5×2.0mmである。
また、実施例1〜3及び比較例1〜3の歯ブラシにおける植毛穴の形状は、図5(a)〜(d)に示すとおりである。すなわち、図5中において、(a)は、上面開口部から底面に亘って漸次径が細くなるテーパー形状の植毛穴Aを示す。(b)は、植毛穴Aの側面に複数の突起部を設けた植毛穴Bである。(c)は、上面開口部から底面に亘って径が一定(テーパー角度θ=0゜)の植毛穴Cである。(d)は、上面開口部から深さ方向の中途部に亘って径が一定(テーパー角度θ=0゜)、且つその中途部から底面に亘って縮径された径が一定(テーパー角度θ=0゜)の植毛穴Dである。
Figure 0003148931
そして、これら実施例1〜3及び比較例1〜6の歯ブラシについて、「歯グキの痛み」、「毛抜け強度」、及び「植毛ワレ」の評価試験を行い、その「総合評価」を行った。以下、その評価結果を表2に示す。
Figure 0003148931
なお、「歯グキの痛み」については、10名の専門パネラーによる官能評価を行い、以下の7段階による各パネラーの評価平均とした。
<評価基準>
7…「全く痛みなし」
6…「ほとんど痛みなし」
5…「あまり痛みなし」
4…「どちらとも言えない」
3…「やや痛みあり」
2…「かなり痛みあり」
1…「非常に痛みあり」
「毛抜け強度」については、島津製作所社製の引張圧縮試験機を用いて、植毛穴の外周に位置する1本のテーパー用毛を抜き取るときの引張り強度(Max/Min)[N]を測定した。
「植毛ワレ」については、各歯ブラシを1000本作製したときの割れの発生率(%)から評価した。
表2に示す評価結果から、実施例1〜3の電動歯ブラシは、比較例1〜3の電動歯ブラシと比較して、「歯グキの痛み」、「毛抜け強度」、及び「植毛ワレ」の何れの評価も良好な結果を示したことから、総合評価について良好な結果が得られた。
図1は、本考案を適用した歯ブラシの一例を示す側面図である。 図2は、テーパー用毛の一例を示す側面である。 図3は、植毛穴に植設された毛束を拡大して示す断面図である。 図4は、植毛穴の変形例を示す断面図である。 図5は、本実施例に示す各植毛穴の形状を示す断面図である。
符号の説明
1…歯ブラシ 2…ヘッド部 2a…植毛面 3…毛束 4…テーパー用毛 5…平線 6…植毛穴 7…突起部

Claims (4)

  1. 植毛面に複数の植毛穴が設けられたヘッド部を備え、このヘッド部の各植毛穴にテーパー用毛の毛束が植設されてなる歯ブラシであって、
    前記複数の植毛穴は、上面開口部から底面に向かって漸次径が細くなるテーパー形状を有することを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記植毛穴のテーパー形状を為す側面の角度が、前記植毛面の垂線に対して1〜3゜の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
  3. 前記植毛穴の側面には、前記毛束の抜け止めとなる突起部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
  4. 前記毛束は、複数本のテーパー用毛を束ねて二つ折りにし、その間に平線を挟んで前記植毛穴に打ち込むことによって植設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の歯ブラシ。
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