JP3149730B2 - 鋼管杭の接合方法及びこれに使用する接合治具 - Google Patents

鋼管杭の接合方法及びこれに使用する接合治具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼管杭の接合方法及び
これに使用する接合治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、土木、建築の基礎工事等に使用す
る鋼管杭の接続にあたっては、現場において2本の鋼管
杭の端面を当接し、溶接により接合していたが、現場に
おける溶接作業は面倒で手間がかかるばかりでなく、垂
直精度が悪いなど種々問題があった。そのため、最近で
は、鋼管杭の端部にねじを設け、直接又は継手金具を介
して鋼管杭を接合するねじ継手式鋼管杭による接合が普
及しつつある。
【0003】この種のねじ継手式鋼管杭として、例え
ば、特開昭64−21116号公報(従来例1)に開示
されたものがある。このネジ式継手杭は、鋼管杭の上端
部にめねじを、また、下端部におねじを設けると共に、
鋼管杭の中空部に内向きの突片を設け、鋼管杭の掘削穴
への建込みに際しては、突片に杭回転治具の係止部を係
合させ、杭埋設機などにより鋼管杭を回転させて自動的
にねじ接合するようにしたもである。
【0004】また、特開平4−70414号公報(従来
例2)に記載された鋼管杭は、鋼管杭の上下に反対方向
の平行ねじを設けると共に、上下に反対方向の平行ねじ
が設けられ、外周に複数の棒状操作部を有する連結部材
を両鋼管杭の間に介装し、人力やウインチにより棒状操
作部を介して継手部材を回転させ、両鋼管杭を接合する
ようにしたものである。
【0005】さらに、特開平7−4572号公報(従来
例3)には、互いに接合される鋼管の一方の鋼管の端部
内面に設けた雌ねじ部に、大径雄ねじ部とこれと逆方向
の小径雄ねじ部とを有し、両雄ねじ部の間に回転棒挿入
孔が設けられた段付き継手金具を、回転棒挿入孔に挿入
した回転用ロッドで回転してその大径雄ねじ部をねじ込
み、他方の鋼管の端部内面に設けた雌ねじ部に、一端部
の外周に回転棒挿入孔を有するつば部が突設され、かつ
つば部の内面に雌ねじ部を有すると共に外面に雄ねじ部
を有するつば付き継手金具を、回転棒挿入孔に挿入した
回転用ロッドで回転してその雄ねじ部をねじ込み、つば
付き継手金具のつば部の内面の雌ねじ部に段付き継手金
具の小径雄ねじをねじ込み、つば付き継手金具のつば部
を回転用ロッドで回動させることにより、両鋼管をつば
部を挟んで突合せ螺合するようにした鋼管の接合方法が
記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来例1のネジ式継手
杭は、上杭を回転させるための特殊な機械設備が必要で
あり、かつ、上杭のねじ込み速度に合わせてリーダーを
下降させる特殊な構造にしなければならないので、機械
設備が高価になる。また、個々の継手杭の中空部に、継
手杭に回転力を与えるための内向きの突片を設ける必要
があるため、継手杭の製造が面倒でコストアップを招
く。
【0007】また、従来例2の鋼管杭は、個々の連結部
材の外周に複数の棒状操作部を設けているので、コスト
が増大する。また、鋼管杭を接合したのち棒状操作部を
そのままにしておくと、鋼管杭の打込みや掘削穴への挿
入に支障をきたすため、接合後棒状操作部を除去しなけ
ればならないが、除去作業が面倒である。
【0008】従来例3の鋼管の接合方法は、段付き継手
金具とつば付き継手金具にそれぞれ回転棒挿入穴を設け
なければならないので製造が面倒であり、また、これら
回転棒挿入穴の穴径が小さい場合は、これに差込んだ回
転用ロッドが折れるおそれがあり、穴径が大きい場合
は、段付き継手金具とつば付継手金具の強度低下を招く
おそれがある。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、特殊な機械設備を必要とせず、着脱可能
な接合治具により第2の鋼管杭を容易に第1の鋼管杭に
接合することのできる鋼管杭の接合方法を得ることを目
的としたものである。また、本発明は、上記鋼管杭の接
合に使用する接合治具を得ることを目的としたものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鋼管杭の接
合方法は、鋼板からなる2つの円弧状の部材の一端をヒ
ンジで連結しその外周に複数の突起部を設けたリング状
の接合治具を第2の鋼管杭又は継手金具に装着し、他端
に設けた締付金具を締付けて第2の鋼管杭又は継手金具
と接合治具とを一体的に結合し、この接合治具を介して
第2の鋼管杭又は継手金具を回転して第2の鋼管杭を第
1の鋼管杭にねじ接合するようにしたものである。
【0011】また、本発明に係る鋼管杭の接合治具は、
鋼板からなる円弧状の2つの部材の一端をヒンジにより
開閉可能に連結し、他端に締付金具を取付けてなり、そ
の内径が接合する鋼管杭の外径とほぼ等しいリング状の
半割りバンドと、この半割りバンドの外周に固着した複
数の突起部とからなるものである。
【0012】
【作用】接合治具の円弧状の部材を外方に開いて第2の
鋼管杭又は継手金具に装着して巻付け、締付金具を締付
けて一体的に結合する。そして、第2の鋼管杭を直接又
は継手金具を介して第1の鋼管杭上に位置させ、接合治
具の突起部にガス管の如き棒状体を差込み、人力又はウ
インチなどにより回転する。これにより接合治具と摩擦
結合された第2の鋼管杭又は継手金具も回転し、第2の
鋼管杭は第1の鋼管杭にねじ接合される。接合が終った
ときは締付金具を外し、接合治具を第2の鋼管杭又は継
手金具から取外す。
【0013】
【実施例】
実施例1.図1は本発明に係る鋼管杭の接合方法を説明
するための斜視図である。図において、1aは鋼管杭が
接合される第1の鋼管杭(以下下杭という)、1bは下
杭1aに接合される第2の鋼管杭(以下上杭という)
で、それぞれ上端部にはめねじ2が、また、下端部には
めねじ2に対応したおねじ3が設けられている。
【0014】10は接合治具で、その実施例を図2に示
す。11はリング状の半割りバンドで、鋼板を折曲げ加
工してなる円弧状の部材12a,12bの一端を、ヒン
ジ13により開閉可能に連結してリング状に形成したも
ので、他端の開口部側には締付金具14が取付けられて
いる。15a,15b,15c,15dは半割りバンド
11の外周に、溶接によりほぼ等間隔に固着されたパイ
プ状の突起部である。この突起部15a〜15dは中実
体で構成してもよい。なお、この半割りバンド11を閉
じたときの内径D2 は、上杭1bの外径D1 とほぼ等し
くなるように形成されている。
【0015】上記のように構成した本発明により下杭1
aに上杭1bを接合するには、先ず、接合治具10の半
割りバンド11をヒンジ13を中心に大きく開き、上杭
1bの外周に嵌合して巻付け、締付け金具14により上
杭1bに強く締付けて両者を一体的に結合する。そし
て、上杭1bをほぼ垂直にしてその下端面を下杭1aの
上端面に当接させる。ついで、突起部15a〜15dに
例えばガス管の如き棒状体16を差込み、人力あるいは
ウインチなどにより、棒状体16及び半割りバンド11
を介して上杭1bを回転させ、おねじ3を下杭1aのめ
ねじに螺入し、両者を一体に接合する。接合が終ったと
きは棒状体16を突起部15a〜15dから引き抜き、
締付け金具14を外して上杭1bから接合治具10を取
外す。
【0016】実施例では、半割りバンド11の厚さを5
mm以上10mm以下とした。これは、5mm未満の場
合は、上杭1bを回転する際に突起部15a〜15dの
半割りバンド11への固着部が塑性変形するおそれがあ
り、10mmを超えると、剛性が大きくなりすぎて上杭
1bに巻付けて回転する際に弾性変形せず、密着しない
ため上杭1bとの摩擦が小さく、から廻りするおそがあ
るためである。なお、あまり厚くすると重くなり、取扱
いに不便である。
【0017】また、半割りバンド11の幅は、40mm
以上100mm以下とした。これは、40mm未満の場
合は狭すぎて突起部15a〜15dを固着し難く、ま
た、100mmを超えると、上杭1bを回転する際に弾
性変形せずから廻りするおそれがあり、その上重量が大
になって取扱いにくいためである。
【0018】このように、本発明においては、半割りバ
ンド11に適度の剛性を与えることにより、上杭1bを
回転する際に、回転力を与える突起部15a〜15d付
近の半割りバンド11が適度な弾性変形を生じて上杭1
bとの摩擦力が増大し、半割りバンド11の回転力を確
実に上杭1bに伝達するようにしたものである。
【0019】次に、本発明の具体的実施例につて説明す
る。 (1)工事内容 地すべり抑止杭工事 (2)鋼管杭寸法 外径 406.4mm 肉厚 24.0mm 長さ 下杭 10m 上杭 7m (3)接合方式 下杭上端部にめねじ 上杭下端部におねじ (4)治 具 半割りバンド 鋼板の厚さ 6mm 鋼板の幅 65mm 突起の数 4本 (5)棒状体 ガス管 (6)回転力 半割りバンドの突起にガス管を差込んで、人力により上杭 を回転 上記により上杭を回転したところきわめて円滑に回転す
ることができ、上杭を下杭に確実に接合できた。
【0020】実施例2.第1の実施例では、下杭1aに
設けためねじ2に上杭1bに設けたおねじ3を直接螺入
して両者を接合する場合について説明したが、本実施例
は、継手金具を介して下杭と上杭を接合するようにした
ものである。図3において、20aは下杭で、上端部に
はめねじ21が設けられている。20bは上杭で、下端
部には下杭20aのめねじ21と反対方向のめねじ22
が設けられている。
【0021】23は管状の継手金具で、上下方向のほぼ
中央部には下杭20a及び上杭20bの外径とほぼ等し
い外径のつば部24が設けられており、つば部24の下
部には下杭20aのめねじ21と同方向のおねじ25
が、また、つば部24の上部には上枠20bのめねじ2
2と同方向のおねじ26がそれぞれ設けられている。
【0022】下杭20aに上杭20bを接合するには、
先ず、継手金具23のつば部24に接合治具10の半割
りバンド11を装着して締付ける。ついで、下杭20a
の上端部に継手金具23の下端部を当接すると共に、そ
の上端部に上杭20bの下端部を当接する。そして、接
合治具10の突起15a〜15dに棒状体16を差込
み、接合治具10を介して継手金具23を回転すれば、
継手金具23のおねじ25は下杭20aのめねじ21に
螺入され、上杭20bのめねじ22は継手金具23のお
ねじ26に螺入されて、上杭20bは継手金具23のつ
ば部24を挟んで下杭20aに接合される。接合が終っ
たときは、接合治具10を継手金具23から取外す。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る鋼管杭の接合方法は、鋼板からなる2つの円弧状
の部材の一端をヒンジで連結しその外周に複数の突起部
を設けた複数のリング状の治具を第2の鋼管杭又は継手
金具に装着し、他端に設けた締付金具を締付けて第2の
鋼管杭又は継手金具と接合治具とを一体的に結合し、こ
の接合治具を介して第2の鋼管杭又は継手金具を回転し
て第2の鋼管杭を第1の鋼管杭にねじ接合するようにし
たので、次のような効果を得ることができる。
【0024】(1)鋼管杭の接合のための特殊な機械設
備を必要としないので、設備費を節減できる。 (2)個々の鋼管杭又は継手金具に回転のための加工が
不要である。このためコストを低減でき、また、鋼管杭
や継手金具の強度に影響を与えるこおそれがない。 (3)接合治具を介して鋼管杭又は継手金具に回転力を
確実に伝達することができ、ねじ込み作業が容易であ
る。
【0025】また、本発明に係る鋼管杭の接合治具は、
鋼板からなる円弧状の2つの部材の一端をヒンジにより
開閉可能に連結し、他端に締付金具を取付けてなり、そ
の内径が接合する鋼管杭の外径とほぼ等しいリング状の
半割りバンドと、この半割りバンドの外周に固着した複
数の突起部とによって構成したので、構造がきわめて簡
単で、しかも回転力を確実に鋼管杭又は継手金具に伝達
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するための斜視図
である。
【図2】本発明に係る接合治具の平面図及び側面図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1a,20a 第1の鋼管杭 1b,20b 第2の鋼管杭 2,21,22 めねじ 3,25,26 おねじ 10 接合治具 11 半割りバンド 12a,12b 円弧状の部材 13 ヒンジ 14 締付金具 15a〜15d 突起部 16 棒状体 23 継手金具 24 つば部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 玄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−70414(JP,A) 特開 平8−158359(JP,A) 実開 昭62−190730(JP,U) 実開 昭56−130034(JP,U) 実開 昭54−167511(JP,U) 特公 昭44−3448(JP,B1) 実公 昭44−9308(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 5/24 101 E02D 5/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端部にねじを有する第1の鋼管杭と、
    下端部に前記第1の鋼管杭のねじに螺合するねじを有す
    る第2の鋼管杭とを直接又は継手金具を介して接合する
    鋼管杭の接合方法において、 前記第2の鋼管杭又は継手金具に、鋼板からなる円弧状
    の2つの部材の一端をヒンジで連結しその外周に複数の
    突起部を設けたリング状の接合治具を装着して他端を締
    付金具で締付けて一体的に結合し、該接合治具を介して
    前記第2の鋼管杭又は継手金具を回転し、前記第2の鋼
    管杭を第1の鋼管杭に接合することを特徴とする鋼管杭
    の接合方法。
  2. 【請求項2】 鋼板からなる円弧状の2つの部材の一端
    をヒンジにより開閉可能に連結し他端に締付金具を取付
    けてなり、その内径が接合する鋼管杭の外径とほぼ等し
    いリング状の半割りバンドと、 該半割りバンドの外周に固着した複数の突起部とからな
    る鋼管杭の接合治具。
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