JP3219323B2 - 電池用セパレータ - Google Patents

電池用セパレータ

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JP3219323B2 JP31588792A JP31588792A JP3219323B2 JP 3219323 B2 JP3219323 B2 JP 3219323B2 JP 31588792 A JP31588792 A JP 31588792A JP 31588792 A JP31588792 A JP 31588792A JP 3219323 B2 JP3219323 B2 JP 3219323B2
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grafting
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智史 山本
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    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
    • H01M50/409Separators, membranes or diaphragms characterised by the material
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にニッケル−水素電
池やニッケル−カドミウム電池などのようにシート状電
極とセパレータとを重ね合わせて渦巻状に巻回して作製
した渦巻状電極体を用いるアルカリ二次電池に好適に使
用される高保液性の電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−水素電池やニッケル−カドミ
ウム電池などのアルカリ二次電池のセパレータとして
は、ポリアミド繊維やポリオレフィン繊維などの合成繊
維の不織布が用いられている〔たとえば、吉沢四郎監修
「電池ハンドブック」、(株)電気書院、p.3〜15
(昭50)〕。
【0003】しかし、ポリアミド繊維は、親水性が優れ
ているものの、アルカリ電解液中での酸化雰囲気(過充
電時にこの雰囲気になる)での分解が大きく、その分解
生成物が自己放電を大きくさせるという問題があった
〔たとえば、H.W.Lim等:“Proceedin
gs of the 27th Power Sour
ces Conference”,p.83〜85(’
76)〕。
【0004】また、ポリオレフィン繊維はアルカリ電解
液中での酸化雰囲気に対しても優れた耐久性を有するも
のの、親水性が乏しく、電解液保持能力が小さい。その
ため、セパレータとして用いるポリオレフィン不織布
は、電解液に対する濡れ性を付与するために、あらかじ
め界面活性剤で表面処理することが行なわれている。
【0005】しかし、表面処理されたポリオレフィン不
織布は、初期の親水性は良好であるが、一旦電解液に接
触すると、界面活性剤が電解液に溶解し、それが自己放
電を大きくさせるという問題があった〔たとえば、特開
昭64−57568号公報〕。また、電解液保持能力の
低下により、電池の内部抵抗が増加し、放電電圧の低下
や活物質の利用率の低下を招くという問題もあった。
【0006】そのため、アルカリ電解液中での酸化雰囲
気に対しても優れた耐久性を有するポリプロピレンとポ
リエチレンからなる複合成分型繊維の不織布に、親水性
を有するアクリル酸、メタクリル酸などをグラフト共重
合させることによって、界面活性剤処理による場合のよ
うな電解液に溶解するおそれのない、親水性付与方法が
提案されている〔たとえば、特公平1−36231号公
報〕。
【0007】この場合における複合成分型繊維は、通
常、芯部と表面部からなる二層構造をしていて、芯部5
0%が高融点のポリプロピレンで構成され、表面部50
%が不織布作製時に熱融着が容易なように低融点のポリ
エチレンで構成されている。
【0008】このような複合成分型繊維にアクリル酸や
メタクリル酸などをグラフト共重合させた場合、グラフ
ト共重合は芯部のポリプロピレンに対してはほとんど行
なわれないが、グラフト共重合が容易な表面部のポリエ
チレンに対しては全体にわたってグラフト共重合が行な
われる。
【0009】また、電池を組み立てた際に、電池反応に
充分な量の電解液を保持させるためには、アクリル酸や
メタクリル酸などによるグラフト化率を大きくする必要
がある〔たとえば、丹宗他2名:YUASA−JIH
O,No.59,p,35〜44(’85)〕。
【0010】しかし、グラフト化率を大きくすると繊維
自体が脆くなってしまう〔森他2名:高分子論文集,V
ol.48,No.1,p.1〜9〕。一般に、脆い材
料は応力集中が大きく〔前沢成一郎訳:“改訂材料力学
要論”,p.51(昭47)〕、一旦亀裂が生じると、
それが容易に伝播し、切断してしまう。この現象の強弱
はエレメンドルフ引裂強度〔JIS P 8116〕を
測定することによって知ることができる。
【0011】そして、このように脆くなったセパレータ
を用いると、シート状電極に重ね合わせて渦巻状に巻回
する段階でセパレータが電極の角部で押圧されて破断が
生じ、短絡が発生する。
【0012】また、グラフト化率を高くすると、セパレ
ータが高分子電解質としての性質を持つようになり、直
流での電気抵抗が増加するため、高率放電時や低温放電
時の放電電圧の低下や活物質の利用率が低下するという
問題が発生する。
【0013】ところで、どの電池でも同様であるが、小
型高容量化に対する要求に応えるために、アルカリ二次
電池でも高容量化を図る必要があり、そのため、電極の
活物質充填量を増加させることが行なわれている。一定
体積のなかで、活物質充填量を増加させようとすると、
セパレータに割り当てる体積を減少させるのが最も簡単
な解決法である。
【0014】そのため、薄いセパレータを使用すること
が必要になるが、薄いセパレータを使用すると必然的に
強度が低下し、特に単位重量が70g/m2 以下になる
と、セパレータをシート状電極と重ね合わせて渦巻状に
巻回する際にセパレータが電極の角部に押圧されて破断
することがより頻繁に発生するようになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、親水性付与
を界面活性剤処理に頼らず、かつ高容量化に対応できる
ように薄くしたセパレータが脆く、シート状電極と重ね
合わせて渦巻状に巻回する際に破断するという問題点を
解決し、しなやかさと高保液性を保持させ、かつ高容量
化にも対応できる電池用セパレータを提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、電池のセパレ
ータとして用いる不織布を平均繊維径10μm以下で、
かつ親水基のグラフト化率が3〜20%の合成繊維に、
前記合成繊維よりも太く、かつ少なくともその表面部が
前記合成繊維よりも低融点の合成繊維を補強材として混
入して構成し、微細な電解液保持時間を有するようにす
ることによって、上記目的を達成したものである。
【0017】すなわち、本発明では、不織布を構成する
合成繊維の平均繊維径を10μm以下と細くすることに
よって繊維にしなやかさを保持させ、かつその細い繊維
のからみ合いにより形成される微細空間の毛管現象を利
用することによって保液性を高め、親水基のグラフト化
を少なくすることによって脆弱化を防止し、しなやかさ
と高保液性を保持させ、薄くても充分な強度を持ち得る
ようにして、高容量化に対応できるようにしたものであ
る。
【0018】本発明を完成するにいたった経過を説明す
ると次の通りである。
【0019】 電池用セパレータには電池反応をスム
ーズに進行させるのに必要な電解液を保持する能力が必
要である。そこで、従来はポリエチレンを主体とする
か、またはポリエチレンを表面部に配した繊維に親水基
をグラフト化することによって親水性を付与し、電解液
保持能力を向上させていた。
【0020】 しかし、グラフト化すると、セパレー
タの電解液保持能力が高くなるが、その反面、セパレー
タがしなやかさを失って脆くなるという欠点が発生す
る。このことをかつて問題にした人はいなかったが、本
発明者はこのしなやかさの消失が重大な欠点となること
を見い出した。つまり、セパレータが脆くなると、渦巻
状に巻回する時にセパレータが電極の角部によって押圧
されて破断し、短絡が発生する。
【0021】 これを解決するには、グラフト化を繊
維表面のみにとどめて内部までグラフト化されないよう
にすればよい。しかし、ポリエチレンはグラフト化され
やすいためにグラフト化を表面のみにとどめることはむ
つかしく、そのため、脆弱化を防止することができない
という問題がある。
【0022】 このように、セパレータの構成繊維と
してポリエチレンを用い、電解液保持能力を向上させる
のにグラフト化に頼るだけでは限界がある。
【0023】 そこで、本発明者は、電解液保持能力
の向上をグラフト化のみに頼るのではなく、セパレータ
を構成する繊維間の毛管現象との相乗作用によって電解
液保持能力を向上させることを思い立った。
【0024】 そして、繊維がしなやかさを保持し、
かつ繊維間の毛管現象を利用するのに重要な因子として
繊維の径に着目した。
【0025】 また、グラフト化による脆弱化を防止
するため、表面部のみにグラフト化ができるようにポリ
プロピレンを用いることが適していることを見い出し
た。
【0026】 すなわち、本発明では、しなやかさの
保持のために繊維径を細くし、かつその内部までグラフ
ト化されないように注意を払い、表面部のグラフト化さ
れた部分が微細な間隔で隣接するようにして、隣り合う
繊維同士のグラフト化された表面部に囲まれた部分が毛
管現象で電解液を保持できるようにしたのである。
【0027】 ただし、電池組立の機械化を図り、量
産化に適するようにするには、セパレータがそれ自身で
形状を保持する必要があり、そのために、平均繊維径が
10μmより大きい繊維を補強材として混入させる。
【0028】上記の記載からも明らかであるように、平
均繊維径10μm以下の合成繊維としては、内部までグ
ラフト化が進行しないポリプロピレンを主成分としてい
ることが好ましい。また、ポリフッ化ビニリデンなどの
含フッ素系ポリオレフィンもポリプロピレン同様に適し
ている。そして、主成分とするのは、それらのみでもよ
いし、それらの特性を損なわない範囲で他のものが混入
していてもよいという意味である。
【0029】繊維径は小さいほど、しなやかさや電解液
保持能力の面から考えると好適であるが、その反面、ハ
ンドリング適性や強度が低下するので、平均繊維径10
μm以下で2μm以上のものを使用することが好まし
い。
【0030】この平均繊維径10μm以下の合成繊維は
グラフト化率が3〜20%であることを必要とする。
【0031】グラフト化は、基材となる合成繊維に、酸
または塩基と反応して直接あるいは間接に塩を形成し得
る親水性のモノマー、たとえばアクリル酸やメタクリル
酸などをグラフト共重合させることによって行なわれ
る。
【0032】グラフト化率は、下記の式 から算出されるものであって、モノマーが重合して長鎖
状でグラフト化することが起こり得るので、グラフト化
率が100%を超えることもあり得る。
【0033】本発明において、この平均繊維径10μm
の合成繊維に関し、グラフト化率が3〜20%であるこ
とを必要としているのは、次の理由によるものである。
【0034】グラフト化は繊維に親水性を付与し、電解
液保持能力を高めるが、このグラフト化率が高くなると
繊維は脆くなる。本発明者の実験によれば、この脆さは
グラフト化率が20%を超えると顕著に現れるようにな
るので、20%以下に抑える。しかし、グラフト化率が
0%、つまり、アクリル酸、メタクリル酸などの親水性
のモノマーをまったくグラフト共重合させていないとき
は親水性がまったくなくなるので、グラフト化率が3%
以上であることを必要とし、特に5〜15%のものが好
ましい。
【0035】補強材として用いる繊維は、上記平均繊維
径10μm以下の合成繊維よりも太く、かつ少なくとも
その表面が上記平均繊維径10μm以下の合成繊維より
も低融点であることが必要である。この低融点であるこ
とは不織布の形成を容易にする。
【0036】このような繊維としては、芯部がポリプロ
ピレンで、表面部がポリエチレンの複合成分型繊維、ポ
リエチレン単独のものなどがあるが、これらのポリオレ
フィン系のものを用いる場合、グラフト化によって親水
性を付与しなければならないので、芯部までグラフト化
されるおそれのない芯部がポリプロピレンで、表面部が
ポリエチレンの複合成分型繊維を用いることが好まし
い。
【0037】そして、このような複合成分型繊維は平均
繊維径が10μmを超えて50μm以下のもの、グラフ
ト化率が20%を超えて100%以下、特に20〜70
%のものが好ましい。
【0038】この補強材として用いる繊維の混入量、つ
まり平均繊維径10μm以下で、グラフト化率が3〜
%の合成繊維に対する混入量は、多くなると不織布全
体としてのしなやかさが損なわれることになるので、全
体中90重量%以下、特に30〜70重量%であること
が好ましい。
【0039】
【実施例】つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0040】実施例1 平均繊維径9μm、平均繊維長5mmのポリプロピレン
単一成分型繊維と、これと同量の平均繊維径15μm、
平均繊維長5mmの複合成分型繊維(芯部がポリプロピ
レンで、表面部がポリエチレンの複合成分型繊維であ
り、その成分比は重量比で1:1である)を水に分散さ
せ、抄紙して繊維堆積シートを得た。
【0041】このシートを熱ロールでプレスして、繊維
を相互に接着するとともに厚さを調整して不織布を得
た。得られた不織布は単位重量が50g/m2 、厚さが
180μmであった。
【0042】この不織布に電子線を3Mrad照射し、
ラジカルを生成させた。このラジカル生成不織布を、ア
クリル酸100重量部、水100重量部およびモール塩
〔硫酸鉄(II)アンモニウム六水塩〕1重量部からな
る溶液中に浸漬し、50℃で10分間加熱した。つぎ
に、70℃の温水中に1時間浸漬して、未反応のアクリ
ル酸を洗浄して除去し、ついで、50℃に加熱した20
%水酸化カリウム水溶液中に10分間浸漬してアクリル
酸を中和した後、水洗、乾燥してセパレータとした。
【0043】このセパレータのエレメンドルフ法によっ
て測定した引裂強度は480gfであった。また、この
セパレータを構成する繊維のグラフト化率を赤外線分光
光度法により測定したところ、ポリプロピレン単一成分
型繊維のグラフト化率は5%であり、ポリエチレン−ポ
リプロピレン複合成分型繊維のグラフト化率は25%で
あった。
【0044】このセパレータを用い、シート状電極、つ
まりシート状の正極およびシート状の負極と重ね合わ
せ、渦巻状に巻回して渦巻状電極体にし、その渦巻状電
極体を用いて、図1に示す構造の単3形アルカリ二次電
池を作製した。
【0045】上記電池の作製にあたって、正極には焼結
式ニッケル電極を用い、負極には焼結式水素吸蔵合金電
極を用い、電解液には濃度30重量%の水酸化カリウム
水溶液を用いた。
【0046】ここで、図1に示す電池について説明する
と、1は正極、2は負極、3はセパレータ、4は渦巻状
電極体、5は電池ケース、6は環状ガスケット、7は封
口蓋、8は端子板、9は封口板、10は金属バネ、11
は弁体、12は正極リード体、13は絶縁体、14は絶
縁体である。
【0047】正極1は活物質として水酸化ニッケルを含
むシート状の焼結式ニッケル電極であり、その寸法は3
9mm×82mm×0.66mmで、理論電気容量は1
160mAhである。負極2は活物質となる水素吸蔵合
金そのものを焼結したシート状の水素吸蔵合金電極であ
り、その寸法は41mm×111mm×0.30mm
で、理論電気容量は1800mAhである。
【0048】セパレータ3は上記のように平均繊維径9
μmのポリプロピレン単一成分型繊維と平均繊維径15
μmのポリエチレン−ポリプロピレン複合成分型繊維と
の混合繊維の不織布にアクリル酸をグラフト共重合させ
たものであり、上記単一成分型繊維のグラフト化率は5
%で、複合成分型繊維のグラフト化率は25%である。
そして、上記正極1と負極2はこのセパレータ3を介し
て重ね合わせられ、渦巻状に巻回して渦巻状電極体4と
して電池ケース5内に挿入され、その上部には絶縁体1
4が配置されている。
【0049】環状ガスケット6はナイロン66で作製さ
れ、封口蓋7は端子板8と封口板9とで構成され、電池
ケース5の開口部はこの封口蓋7と上記環状ガスケット
6とで封口されている。
【0050】つまり、電池ケース5内に渦巻状電極体4
や絶縁体14などを挿入した後、電池ケース5の開口端
近傍部分に底部が内周側に突出した環状の溝5aを形成
し、その溝5aの内周側突出部で環状ガスケット6の下
部を支えさせて環状ガスケット6と封口蓋7とを電池ケ
ース5の開口部に配置し、電池ケース5の溝5aから先
の部分を内方に締め付けて電池ケース5の開口部を封口
蓋7と環状ガスケット6とで封口している。
【0051】上記端子板8にはガス排出孔8aが設けら
れ、封口板9にはガス検知孔9aが設けられ、端子板8
と封口板9との間には金属バネ10と弁体11とが配置
されている。そして、封口板9の外周部を折り曲げて端
子板8の外周部を挟み込んで端子板8と封口板9とを固
定している。
【0052】この電池は、通常の状況下では金属バネ1
0の押圧力により弁体11がガス検知孔9aを閉鎖して
いるので、電池内部は密閉状態に保たれているが、電池
内部でガスが発生して電池内圧が異常に上昇した場合に
は、金属バネ10が収縮して弁体11とガス検知孔9a
との間に隙間が生じ、電池内部のガスはガス検知孔9a
およびガス排出孔8aを通過して電池外部に放出され、
電池破裂が防止できるように構成されている。
【0053】上記電池を100個作製し、作製直後に短
絡の有無を調べたところ、100個とも短絡がなく、そ
の歩留りは100%であった。つまり、この実施例1の
セパレータを用いた場合には、シート状電極と重ね合わ
せて渦巻状に巻回する時にセパレータの破断がまったく
なかった。
【0054】また、上記100個の電池を、室温(20
℃)、100mAで15時間充電し、200mAで0.
9Vまで放電するという充放電サイクルを10回繰り返
し、10回目の放電容量を測定し、その平均値を算出し
たところ、平均放電容量は1100mAhであった。
【0055】さらに、上記同様の条件で充電した後、室
温、3000mAで0.9Vまで放電したときの平均放
電容量は950mAhであり、また−20℃の雰囲気
中、500mAで0.9Vまで放電したときの平均放電
容量は650mAhであった。
【0056】以後、室温、200mAでの平均放電容量
を標準放電容量、室温、3000mAでの平均放電容量
を高率放電容量、−20℃、500mAでの平均放電容
量を低温放電容量と記す。
【0057】実施例2 平均繊維径9μm、平均繊維長5mmのポリプロピレン
単一成分型繊維と、これと同量の平均繊維径15μm、
平均繊維長5mmのポリエチレン単一成分型繊維を水に
分散させ、抄紙して繊維堆積シートを得た。このシート
を熱ロールでプレスして、繊維を相互に接着するととも
に厚さを調整して不織布を得た。得られた不織布は単位
重量が50g/m2 、厚さが180μmであった。
【0058】この不織布に電子線を3Mrad照射し、
ラジカルを生成した。このラジカル生成不織布を、アク
リル酸100重量部、水100重量部およびモール塩1
重量部からなる溶液中に浸漬し、50℃で10分間加熱
した。つぎに、70℃の温水中に1時間浸漬して、未反
応のアクリル酸を洗浄して除去し、ついで、50℃に加
熱した20%水酸化カリウム水溶液中に10分間浸漬し
てアクリル酸を中和した後、水洗、乾燥してセパレータ
とした。
【0059】このセパレータのエレメンドルフ引裂強度
は370gfであった。また、このセパレータを構成す
る繊維のグラフト化率を赤外線分光光度法により測定し
たところ、ポリプロピレン単一成分型繊維のグラフト化
率は5%で、ポリエチレン単一成分型繊維のグラフト化
率は30%であった。
【0060】このセパレータを用い、それ以外は実施例
1と同様にして、単3形アルカリ二次電池を100個作
製し、作製直後に短絡発生の有無を調べたところ、短絡
の発生したものはまったくなく、歩留りは100%であ
った。
【0061】つまり、この実施例2のセパレータを用い
た場合には、シート状電極と重ね合わせて渦巻状に巻回
する時にセパレータの破断がまったくなかった。
【0062】また、これら100個の電池について、実
施例1と同様に標準放電容量、高率放電容量および低温
放電容量を求めたところ、標準放電容量は1100mA
h、高率放電容量は935mAh、低温放電容量は62
0mAhであった。
【0063】比較例1 平均繊維径15μm、平均繊維長5mmの複合成分型繊
維(芯部がポリプロピレンで、表面部がポリエチレンの
複合成分型繊維であり、その成分比は重量比で1:1で
ある)を単独で水に分散させ、抄紙して繊維堆積シート
を得た。このシートを熱ロールでプレスして、繊維を相
互に接着するとともに厚さを調整して不織布を得た。得
られた不織布は単位重量が50g/m2 、厚さが180
μmであった。
【0064】この不織布に電子線を3Mrad照射し、
ラジカルを生成させた。このラジカル生成不織布を、ア
クリル酸100重量部、水100重量部およびモール塩
1重量からなる溶液中に浸漬し、50℃で10分間加熱
した。つぎに、70℃の温水中に1時間浸漬して、未反
応のアクリル酸を洗浄して除去し、ついで、50℃に加
熱した20%水酸化カリウム水溶液中に10分間浸漬し
てアクリル酸を中和した後、水洗、乾燥してセパレータ
とした。
【0065】このセパレータのエレメンドルフ引裂強度
は160gfであった。また、このセパレータの構成繊
維のグラフト化率を赤外線分光光度法により測定したと
ころ、グラフト化率は35%であった。
【0066】このセパレータを用い、それ以外は実施例
1と同様にして、単3形アルカリ二次電池を100個作
製し、作製直後に短絡発生の有無を調べたところ、10
0個の電池中43個の電池が短絡しており、歩留りは5
7%であった。
【0067】短絡の発生しなかった57個の電池につい
て、実施例1と同様に標準放電容量、高率放電容量およ
び低温放電容量を求めたところ、標準放電容量は110
0mAh、高率放電容量は820mAh、低温放電容量
は530mAhであった。
【0068】比較例2 平均繊維径15μm、平均繊維長5mmのポリプロピレ
ン単一成分型繊維と、これと同量の平均繊維径15μ
m、平均繊維長5mmの複合成分型繊維(芯部がポリプ
ロピレンで、表面部がポリエチレンの複合成分型繊維で
あり、その成分比は重量比で1:1である)を水に分散
させ、抄紙して繊維堆積シートを得た。このシートを熱
ロールでプレスして、繊維を相互に接着するとともに厚
さを調整して不織布を得た。得られた不織布は単位重量
が50g/m2 、厚さが180μmであった。
【0069】この不織布に電子線を3Mrad照射し、
ラジカルを生成させた。このラジカル生成不織布を、ア
クリル酸100重量部、水100重量部およびモール塩
1重量部からなる溶液中に浸漬し、50℃で10分間加
熱した。つぎに、70℃の温水中に1時間浸漬して、未
反応のアクリル酸を洗浄して除去し、ついで、50℃に
加熱した20%水酸化カリウム水溶液中に10分間浸漬
してアクリル酸を中和した後、水洗、乾燥してセパレー
タとした。
【0070】このセパレータのエレメンドルフ引裂強度
は310gfであった。また、このセパレータの構成繊
維のグラフト化率を赤外線分光光度法により測定したと
ころ、ポリプロピレン単一成分型繊維のグラフト化率は
3%であり、ポリプロピレン−ポリエチレン複合成分型
繊維のグラフト化率は25%であった。
【0071】このセパレータを用い、それ以外は実施例
1と同様にして、単3形アルカリ二次電池を100個作
製し、作製後に短絡発生の有無を調べたところ、短絡の
発生したものはまったくなく、歩留りは100%であっ
た。
【0072】また、この電池について、実施例1と同様
に標準放電容量、高率放電容量および低温放電容量を求
めたところ、標準放電容量は1040mAh、高率放電
容量は780mAh、低温放電容量は490mAhであ
った。
【0073】以上の結果を表1に示す。なお、表1では
ポリプロピレンをPP、ポリエチレンをPEと表示し
た。
【0074】
【表1】
【0075】表1に示すように、本発明の実施例1〜2
は電池作製時の歩留りが100%と高く、また放電容量
は標準放電容量、高率放電容量、低温放電容量のいずれ
も大きく、放電特性が良好であった。
【0076】これに対して、比較例1は電池作製時の歩
留りが57%と低く、また放電容量に関しても、標準放
電容量は1100mAhと大きいものの、高率放電容量
や低温放電容量は実施例1〜2に比べて低かった。
【0077】この比較例1の歩留りが悪かったのは、グ
ラフト化によりセパレータが脆くなったためであり、高
率放電容量や低温放電容量が実施例1〜2に比べて低か
ったのは、繊維径が太いために毛管現象による電解液の
保持能力が小さいことによるものと考えられる。
【0078】また、比較例2は電池作製時の歩留りは良
いものの、標準放電容量が低く、特に高率放電容量や低
温放電容量が実施例1〜2のものに比べて大幅に低下し
た。これも、比較例2のセパレータの繊維径が太いため
に毛管現象による電解液の保持能力が小さいことによる
ものと考えられる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、しな
やかさと高保液性を保持し、かつ高容量化にも対応でき
る電池用セパレータを提供することができた。
【0080】このセパレータは、しなやかさを有するの
で、薄くてもシート状電極に重ね合わせて渦巻状に巻回
する際の破断がなく、したがって電池作製時の歩留りが
高く、かつ高保液性で電池反応に必要な電解液を保持で
きるので、このセパレータを使用することにより、高容
量で、かつ高率放電特性、低温放電特性が良好な電池が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセパレータを用いたアルカリ二次電池
の一例を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長井 陽三 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 飯田 博之 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−105962(JP,A) 特開 昭55−96554(JP,A) 特開 昭49−85527(JP,A) 特開 昭50−101834(JP,A) 実開 昭53−11021(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維径10μm以下で、かつ親水基
    のグラフト化率が3〜20%の合成繊維に、前記合成繊
    維よりも太く、かつ少なくともその表面部が前記合成繊
    維よりも低融点の合成繊維を補強材として混入すること
    よって構成され、微細な電解液保持空間を有する不織
    布からなることを特徴とする電池用セパレータ。
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