JP3223671B2 - 車両用交流発電機の三相全波整流器 - Google Patents
車両用交流発電機の三相全波整流器Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MOSパワートランジ
スタを用いた車両用交流発電機の三相全波整流器に関す
る。特に、本発明の車両用交流発電機の三相全波整流器
は、界磁鉄心の直流磁化手段として三相全波整流器と直
列接続された界磁コイルや永久磁石を有する車両用交流
発電機に好適である。また、本発明の三相全波整流器
は、エンジン駆動のいわゆるオルタネータの他、車両制
動時の運動エネルギを電力として回生する発電電動可能
なオルタネータや電気自動車用走行モータにも適用でき
る
スタを用いた車両用交流発電機の三相全波整流器に関す
る。特に、本発明の車両用交流発電機の三相全波整流器
は、界磁鉄心の直流磁化手段として三相全波整流器と直
列接続された界磁コイルや永久磁石を有する車両用交流
発電機に好適である。また、本発明の三相全波整流器
は、エンジン駆動のいわゆるオルタネータの他、車両制
動時の運動エネルギを電力として回生する発電電動可能
なオルタネータや電気自動車用走行モータにも適用でき
る
【0002】。
【従来の技術】車両用交流発電機の三相電機子巻線の各
端とバッテリの高位端及び低位端とをそれぞれ個別に接
続するハイサイドの半導体電力素子及びローサイドの半
導体電力素子を有する三相全波整流器と、各半導体電力
素子を同期断続するコントローラとを備え、前記三相全
波整流器は、三相電機子巻線の発電電圧を直流電圧に変
換してバッテリに給電する車両用交流発電機が公知であ
り、例えば特開平4ー138030号公報は、上記半導
体電力素子としてMOSパワートランジスタを用いるこ
とを開示している。
端とバッテリの高位端及び低位端とをそれぞれ個別に接
続するハイサイドの半導体電力素子及びローサイドの半
導体電力素子を有する三相全波整流器と、各半導体電力
素子を同期断続するコントローラとを備え、前記三相全
波整流器は、三相電機子巻線の発電電圧を直流電圧に変
換してバッテリに給電する車両用交流発電機が公知であ
り、例えば特開平4ー138030号公報は、上記半導
体電力素子としてMOSパワートランジスタを用いるこ
とを開示している。
【0003】すなわち上記公報に図示されるNチャンネ
ルMOSパワートランジスタ式三相全波整流器は、車両
用交流発電機の三相電機子巻線の各端とバッテリの高位
端とを接続する3個のハイサイドのMOSパワートラン
ジスタと、三相電機子巻線の各端とバッテリの低位端と
を接続する3個のローサイドのMOSパワートランジス
タとを有する。
ルMOSパワートランジスタ式三相全波整流器は、車両
用交流発電機の三相電機子巻線の各端とバッテリの高位
端とを接続する3個のハイサイドのMOSパワートラン
ジスタと、三相電機子巻線の各端とバッテリの低位端と
を接続する3個のローサイドのMOSパワートランジス
タとを有する。
【0004】この種のMOSパワートランジスタとして
は、耐圧確保及びオン抵抗低減のためにN型シリコン基
板をMOSパワートランジスタの一方の主電極とし、チ
ップの表面部に形成されたP型ウエル領域の表面部にも
う一方の主電極をなすN+ 型の領域を形成する縦型MO
Sパワートランジスタ構造を採用するのが通常である。
は、耐圧確保及びオン抵抗低減のためにN型シリコン基
板をMOSパワートランジスタの一方の主電極とし、チ
ップの表面部に形成されたP型ウエル領域の表面部にも
う一方の主電極をなすN+ 型の領域を形成する縦型MO
Sパワートランジスタ構造を採用するのが通常である。
【0005】更に、従来、車両用交流発電機の界磁鉄心
の直流磁化手段として三相全波整流器と並列接続された
界磁コイルを用いる並列界磁コイル式や、構造及び制御
が比較的簡単な磁石式が一般的であるが、その他の形式
として、本出願人は三相全波整流器と励磁コイルとを直
列接続して磁石式の界磁束を増強する直列界磁コイル併
用磁石式を提案している。
の直流磁化手段として三相全波整流器と並列接続された
界磁コイルを用いる並列界磁コイル式や、構造及び制御
が比較的簡単な磁石式が一般的であるが、その他の形式
として、本出願人は三相全波整流器と励磁コイルとを直
列接続して磁石式の界磁束を増強する直列界磁コイル併
用磁石式を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した並列界磁コイ
ル式では車両用交流発電機では、励磁電流の断続により
充電電流の制御を行うが、そのためには、励磁電流を断
続するスイッチングトランジスタが必要であるので、構
造及び制御が複雑であるという欠点があった。一方、上
記した磁石式や直列界磁コイル併用磁石式では、励磁電
流断続用の上記スイッチングトランジスタを省略でき、
構造、制御が簡単となるという大きな利点をもつもの
の、界磁束制御による充電電流の制御ができないので、
回転数が増大すると、バッテリを過充電してしまう可能
性が生じた。
ル式では車両用交流発電機では、励磁電流の断続により
充電電流の制御を行うが、そのためには、励磁電流を断
続するスイッチングトランジスタが必要であるので、構
造及び制御が複雑であるという欠点があった。一方、上
記した磁石式や直列界磁コイル併用磁石式では、励磁電
流断続用の上記スイッチングトランジスタを省略でき、
構造、制御が簡単となるという大きな利点をもつもの
の、界磁束制御による充電電流の制御ができないので、
回転数が増大すると、バッテリを過充電してしまう可能
性が生じた。
【0007】もちろん、このような磁石式や直列界磁コ
イル併用磁石式において、上記MOSパワートランジス
タ式三相全波整流器の開閉制御タイミングの調整により
充電電流の制御を行うことは可能であるが、MOSパワ
ートランジスタのオフ時においても上記説明した寄生ダ
イオードDsを通じてバッテリが充電されるために、バ
ッテリが過充電される可能性が生じてしまう。
イル併用磁石式において、上記MOSパワートランジス
タ式三相全波整流器の開閉制御タイミングの調整により
充電電流の制御を行うことは可能であるが、MOSパワ
ートランジスタのオフ時においても上記説明した寄生ダ
イオードDsを通じてバッテリが充電されるために、バ
ッテリが過充電される可能性が生じてしまう。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、界磁束制御を行わない車両用交流発電機におけ
る過充電を抑止することを、その第1の目的としてい
る。更に、上記公報のMOSパワートランジスタを用い
た三相全波整流器は、従来の三相全波整流器のPN接合
ダイオードの機能を果たす寄生ダイオードとMOSパワ
ートランジスタとを並列接続した構成を有するので、従
来のシリコンダイオードを用いた三相全波整流器に比較
して接合ダイオードの順方向電圧降下が無い分だけ電力
損失を低減できる可能性がある。
であり、界磁束制御を行わない車両用交流発電機におけ
る過充電を抑止することを、その第1の目的としてい
る。更に、上記公報のMOSパワートランジスタを用い
た三相全波整流器は、従来の三相全波整流器のPN接合
ダイオードの機能を果たす寄生ダイオードとMOSパワ
ートランジスタとを並列接続した構成を有するので、従
来のシリコンダイオードを用いた三相全波整流器に比較
して接合ダイオードの順方向電圧降下が無い分だけ電力
損失を低減できる可能性がある。
【0009】しかしながら、本発明者らの解析により、
上記したMOSパワートランジスタ式三相全波整流器に
は以下の問題があることが判明した。車両用交流発電機
では、三相電機子巻線や界磁コイルの蓄積磁気エネルギ
量が大きいために、それが瞬時に放出される場合に対す
る対策として、三相全波整流器の各半導体電力素子の耐
圧をバッテリ電圧すなわち三相全波整流器の出力整流電
圧の20倍以上例えば300V程度に設定することが好
ましい。
上記したMOSパワートランジスタ式三相全波整流器に
は以下の問題があることが判明した。車両用交流発電機
では、三相電機子巻線や界磁コイルの蓄積磁気エネルギ
量が大きいために、それが瞬時に放出される場合に対す
る対策として、三相全波整流器の各半導体電力素子の耐
圧をバッテリ電圧すなわち三相全波整流器の出力整流電
圧の20倍以上例えば300V程度に設定することが好
ましい。
【0010】エンハンスメント型MOSパワートランジ
スタでは、原理的に、ウエル領域すなわち、ゲート電極
下の領域とソース領域との間にソース接続側の寄生ダイ
オードDsが生じ、ウエル領域とドレイン領域との間に
ドレイン接続側の寄生ダイオードDdが生じる。ここ
で、P型ウエル領域への電位付与の必要からP型ウエル
領域とソース電極又はドレイン電極のどちらかとを接続
することが通常行われるが、車両用交流発電機の三相全
波整流器では、P型ウエル領域とドレイン電極とを接続
する(すなわちドレイン接続側の寄生ダイオードDdを
短絡する)必要がある。これは、PチャンネルMOSパ
ワートランジスタの場合も同じである。
スタでは、原理的に、ウエル領域すなわち、ゲート電極
下の領域とソース領域との間にソース接続側の寄生ダイ
オードDsが生じ、ウエル領域とドレイン領域との間に
ドレイン接続側の寄生ダイオードDdが生じる。ここ
で、P型ウエル領域への電位付与の必要からP型ウエル
領域とソース電極又はドレイン電極のどちらかとを接続
することが通常行われるが、車両用交流発電機の三相全
波整流器では、P型ウエル領域とドレイン電極とを接続
する(すなわちドレイン接続側の寄生ダイオードDdを
短絡する)必要がある。これは、PチャンネルMOSパ
ワートランジスタの場合も同じである。
【0011】すなわち、車両用交流発電機の三相全波整
流器では、P型ウエル領域とソース電極とを接続してソ
ース接続側の寄生ダイオードDsを短絡すると、ハイサ
イドのMOSパワートランジスタのドレイン電極に印加
される発電電圧がバッテリ電圧より低下する場合にドレ
イン接続側の寄生ダイオードDdを通じて逆流電流(ダ
イオード順方向電流)が流れてしまう。同じく、ローサ
イドのMOSパワートランジスタのソース電極に接続さ
れる発電電圧がバッテリ低位端の電位(接地電位)電圧
より上昇すればドレイン接続側の寄生ダイオードDdを
通じて逆流電流(ダイオード順方向電流)が流れてしま
う。したがって、このような寄生ダイオードDdを通じ
た電流の逆流を防止するためには、P型ウエル領域をド
レイン電極に接続して、ソース接続側の寄生ダイオード
Dsにより上記逆流を阻止する必要が生じる。このこと
はPチャンネルMOSパワートランジスタでも同じであ
る。
流器では、P型ウエル領域とソース電極とを接続してソ
ース接続側の寄生ダイオードDsを短絡すると、ハイサ
イドのMOSパワートランジスタのドレイン電極に印加
される発電電圧がバッテリ電圧より低下する場合にドレ
イン接続側の寄生ダイオードDdを通じて逆流電流(ダ
イオード順方向電流)が流れてしまう。同じく、ローサ
イドのMOSパワートランジスタのソース電極に接続さ
れる発電電圧がバッテリ低位端の電位(接地電位)電圧
より上昇すればドレイン接続側の寄生ダイオードDdを
通じて逆流電流(ダイオード順方向電流)が流れてしま
う。したがって、このような寄生ダイオードDdを通じ
た電流の逆流を防止するためには、P型ウエル領域をド
レイン電極に接続して、ソース接続側の寄生ダイオード
Dsにより上記逆流を阻止する必要が生じる。このこと
はPチャンネルMOSパワートランジスタでも同じであ
る。
【0012】ところが、従来のMOSパワートランジス
タ構造では、図7又は図8に示すように、P型ウエル領
域103とその表面部のN+ 型領域104とを短絡し、
P型ウエル領域103とN型エピタキシャル耐圧層10
5との間のPN接合の空乏層107をN型エピタキシャ
ル耐圧層側に張り出してオフ時の耐圧を稼がざるを得な
い。
タ構造では、図7又は図8に示すように、P型ウエル領
域103とその表面部のN+ 型領域104とを短絡し、
P型ウエル領域103とN型エピタキシャル耐圧層10
5との間のPN接合の空乏層107をN型エピタキシャ
ル耐圧層側に張り出してオフ時の耐圧を稼がざるを得な
い。
【0013】すなわち、上記したMOSパワートランジ
スタ構造で上記車両用交流発電機の三相全波整流器を構
成する場合、N+ 型基板106をソース領域、N+ 型領
域104をドレイン領域とせざるを得ない。しかしこの
ようにすると、N型耐圧層105の大きなソース寄生抵
抗Rsが実質的なソース端とソース電極との間に直列接
続されることになる。
スタ構造で上記車両用交流発電機の三相全波整流器を構
成する場合、N+ 型基板106をソース領域、N+ 型領
域104をドレイン領域とせざるを得ない。しかしこの
ようにすると、N型耐圧層105の大きなソース寄生抵
抗Rsが実質的なソース端とソース電極との間に直列接
続されることになる。
【0014】MOSトランジスタのドレイン飽和電流I
dsatは、しきい値電圧Vtを簡単化のために無視
し、Kを比例定数、ΔVgsをゲート・ソース間電圧
(Vg−Vs)、Vgをゲート電圧、Vs’=Vs+I
dsat・Rsを実質的なソース端S’の電位とすれ
ば、 Idsat=K(Vg−Vs’)2 =K(ΔVgs−Idsat・Rs)2 すなわち、ドレイン飽和電流(所定ゲート電圧印加時の
最大電流)Idsatは、Idsat・Rsの分だけゲ
ート電圧Vgが低くなったことに等しいことになる。な
お、基板効果によるしきい値電圧Vtの変化も無視す
る。
dsatは、しきい値電圧Vtを簡単化のために無視
し、Kを比例定数、ΔVgsをゲート・ソース間電圧
(Vg−Vs)、Vgをゲート電圧、Vs’=Vs+I
dsat・Rsを実質的なソース端S’の電位とすれ
ば、 Idsat=K(Vg−Vs’)2 =K(ΔVgs−Idsat・Rs)2 すなわち、ドレイン飽和電流(所定ゲート電圧印加時の
最大電流)Idsatは、Idsat・Rsの分だけゲ
ート電圧Vgが低くなったことに等しいことになる。な
お、基板効果によるしきい値電圧Vtの変化も無視す
る。
【0015】例えばゲート電圧が+20V、ソース(バ
ッテリ)電位が+12V,電流が100A、ソース寄生
抵抗Rsが0.05オームとすれば、実際のソース電位
Vs’は17Vとなり、チャンネル電流はRsが0の場
合に比べて9/64まで低下することになる。すなわ
ち、わずかのソース寄生抵抗Rsの増加により、チャン
ネル電流が極端に減少することがわかる。以下、この電
流減少作用、言い換えればチャンネル抵抗増加作用をソ
ース抵抗帰還効果という。
ッテリ)電位が+12V,電流が100A、ソース寄生
抵抗Rsが0.05オームとすれば、実際のソース電位
Vs’は17Vとなり、チャンネル電流はRsが0の場
合に比べて9/64まで低下することになる。すなわ
ち、わずかのソース寄生抵抗Rsの増加により、チャン
ネル電流が極端に減少することがわかる。以下、この電
流減少作用、言い換えればチャンネル抵抗増加作用をソ
ース抵抗帰還効果という。
【0016】上記式はドレイン電流飽和領域のものであ
るが、同様に非飽和領域においてもRsの増加により同
様にドレイン非飽和電流は減少する。このようなドレイ
ン電流の減少はチャンネル抵抗の増大を意味しており、
上記ソース寄生抵抗Rsの増加はそれ自身による電力損
失の他、チャンネル抵抗の増加による電力損失を招くの
で、全体として大幅な電力損失、発熱を招くことがわか
る。
るが、同様に非飽和領域においてもRsの増加により同
様にドレイン非飽和電流は減少する。このようなドレイ
ン電流の減少はチャンネル抵抗の増大を意味しており、
上記ソース寄生抵抗Rsの増加はそれ自身による電力損
失の他、チャンネル抵抗の増加による電力損失を招くの
で、全体として大幅な電力損失、発熱を招くことがわか
る。
【0017】もちろん、ソース寄生抵抗Rsの低減のた
めにN型耐圧層105を薄くすることは可能であるが、
上記したように車両用交流発電機では300Vといった
高耐圧を必要とするので、N型耐圧層105を薄くする
ことは困難である。すなわち、通常のシリコンMOSパ
ワートランジスタにおいて、シリコンの降伏電界強度は
約30V/μmであり、上記300Vの耐圧をN型耐圧
層105だけで稼ぐとすれば、N型耐圧層105中の電
界強度が一定と仮定しても10μmの厚さが必要とな
る。計算すると、N型耐圧層105の厚さは約20μm
以上必要となり、その不純物濃度を約1×1015原子/
cm3 以下とせねばならない。
めにN型耐圧層105を薄くすることは可能であるが、
上記したように車両用交流発電機では300Vといった
高耐圧を必要とするので、N型耐圧層105を薄くする
ことは困難である。すなわち、通常のシリコンMOSパ
ワートランジスタにおいて、シリコンの降伏電界強度は
約30V/μmであり、上記300Vの耐圧をN型耐圧
層105だけで稼ぐとすれば、N型耐圧層105中の電
界強度が一定と仮定しても10μmの厚さが必要とな
る。計算すると、N型耐圧層105の厚さは約20μm
以上必要となり、その不純物濃度を約1×1015原子/
cm3 以下とせねばならない。
【0018】耐圧確保のためにこのような厚さ及び不純
物濃度をもつN型耐圧層105を形成することは、上記
したソース寄生抵抗Rsの増加及びそれによる抵抗損失
とともに上記したドレイン電流の減少(チャンネル抵抗
の大幅な増大)を招き、その結果として、上記公報のM
OSパワートランジスタ式三相全波整流器は車両用交流
発電機用途(すなわちリアクタンス負荷分野)におい
て、PN接合ダイオード式三相全波整流器を凌駕するこ
とは理論的に無理であり、構造及び制御が複雑という欠
点だけが残るため実用化のメリットがなかった。
物濃度をもつN型耐圧層105を形成することは、上記
したソース寄生抵抗Rsの増加及びそれによる抵抗損失
とともに上記したドレイン電流の減少(チャンネル抵抗
の大幅な増大)を招き、その結果として、上記公報のM
OSパワートランジスタ式三相全波整流器は車両用交流
発電機用途(すなわちリアクタンス負荷分野)におい
て、PN接合ダイオード式三相全波整流器を凌駕するこ
とは理論的に無理であり、構造及び制御が複雑という欠
点だけが残るため実用化のメリットがなかった。
【0019】一方、上記した図7又は図8のMOSパワ
ートランジスタ構造において、N+型領域104をソー
ス電極、N+ 型基板106をドレイン電極とし、P型ウ
エル領域103とN+ 型ドレイン領域106とを短絡す
ることも考えられる。しかしながら、この方式ではソー
ス電極を構成するN+ 型領域104とP型ウエル領域1
03との間に上記した300Vもの耐圧を確保し、ゲー
ト電極とP型ウエル領域107及びN+ 型領域104と
の間の耐圧をも確保することは困難である。
ートランジスタ構造において、N+型領域104をソー
ス電極、N+ 型基板106をドレイン電極とし、P型ウ
エル領域103とN+ 型ドレイン領域106とを短絡す
ることも考えられる。しかしながら、この方式ではソー
ス電極を構成するN+ 型領域104とP型ウエル領域1
03との間に上記した300Vもの耐圧を確保し、ゲー
ト電極とP型ウエル領域107及びN+ 型領域104と
の間の耐圧をも確保することは困難である。
【0020】本発明は、上記した車両用交流発電機用の
MOSパワートランジスタ式三相全波整流器の上記欠点
に鑑みなされたものであり、低損失で冷却も簡単な車両
用交流発電機のMOSパワートランジスタ式三相全波整
流器を提供することをその第2の目的としている。
MOSパワートランジスタ式三相全波整流器の上記欠点
に鑑みなされたものであり、低損失で冷却も簡単な車両
用交流発電機のMOSパワートランジスタ式三相全波整
流器を提供することをその第2の目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用交流発電
機の三相全波整流器は、界磁巻線電流制御を行わない車
両用交流発電機の三相電機子巻線の各端とバッテリの高
位端及び低位端とを接続するハイサイドのMOSパワー
トランジスタ又はローサイドのMOSパワートランジス
タを有するとともに、三相電機子巻線の発電電圧を直流
電圧に変換してバッテリに給電する車両用交流発電機の
三相全波整流器において、前記MOSパワートランジス
タは、ソース領域又はドレイン領域とウエル領域との間
のどちらか一方の寄生ダイオードと並列に接続される高
抵抗体を有することを特徴としている。
機の三相全波整流器は、界磁巻線電流制御を行わない車
両用交流発電機の三相電機子巻線の各端とバッテリの高
位端及び低位端とを接続するハイサイドのMOSパワー
トランジスタ又はローサイドのMOSパワートランジス
タを有するとともに、三相電機子巻線の発電電圧を直流
電圧に変換してバッテリに給電する車両用交流発電機の
三相全波整流器において、前記MOSパワートランジス
タは、ソース領域又はドレイン領域とウエル領域との間
のどちらか一方の寄生ダイオードと並列に接続される高
抵抗体を有することを特徴としている。
【0022】
【作用及び発明の効果】本発明の車両用交流発電機の三
相全波整流器は、界磁巻線電流制御を行わない車両用交
流発電機の三相電機子巻線の各端とバッテリの高位端及
び低位端とを接続するハイサイドのMOSパワートラン
ジスタ又はローサイドのMOSパワートランジスタを有
する。更に、MOSパワートランジスタは、ソース領域
又はドレイン領域とウエル領域との間のどちらか一方の
寄生ダイオードと並列に接続される高抵抗体を有する。
相全波整流器は、界磁巻線電流制御を行わない車両用交
流発電機の三相電機子巻線の各端とバッテリの高位端及
び低位端とを接続するハイサイドのMOSパワートラン
ジスタ又はローサイドのMOSパワートランジスタを有
する。更に、MOSパワートランジスタは、ソース領域
又はドレイン領域とウエル領域との間のどちらか一方の
寄生ダイオードと並列に接続される高抵抗体を有する。
【0023】この高抵抗体は、寄生ダイオードを流れる
(MOSパワートランジスタのチャンネルをバイパスす
る)制御不能な不所望電流を抑止して、バッテリの過充
電を防いだり、又は、バッテリから三相電機子巻線への
電流の逆流を防止する。したがって、本発明によれば、
寄生ダイオードを通じてバッテリに流れる電流を従来よ
り格段に低減乃至禁止できるので、バッテリ過充電を抑
止でき、MOSパワートランジスタの開閉によりバッテ
リ充電量を制御できるので、励磁電流制御用のスイッチ
ングトランジスタも省略でき、簡単な構造を実現するこ
ともできる。
(MOSパワートランジスタのチャンネルをバイパスす
る)制御不能な不所望電流を抑止して、バッテリの過充
電を防いだり、又は、バッテリから三相電機子巻線への
電流の逆流を防止する。したがって、本発明によれば、
寄生ダイオードを通じてバッテリに流れる電流を従来よ
り格段に低減乃至禁止できるので、バッテリ過充電を抑
止でき、MOSパワートランジスタの開閉によりバッテ
リ充電量を制御できるので、励磁電流制御用のスイッチ
ングトランジスタも省略でき、簡単な構造を実現するこ
ともできる。
【0024】第1態様において、高抵抗体は、ドレイン
領域とウエル領域との間の寄生ダイオード(ドレイン接
続側の寄生ダイオードDd)と並列に接続されるので、
ウエル領域はこの高抵抗体を通じて電位付与される。こ
のようにすれば、ソース領域とウエル領域との間の寄生
ダイオード(ソース接続側の寄生ダイオードDs)を通
じて流れるバッテリ充電電流は高抵抗体により大幅に削
減され、バッテリ過充電は良好に抑止される。
領域とウエル領域との間の寄生ダイオード(ドレイン接
続側の寄生ダイオードDd)と並列に接続されるので、
ウエル領域はこの高抵抗体を通じて電位付与される。こ
のようにすれば、ソース領域とウエル領域との間の寄生
ダイオード(ソース接続側の寄生ダイオードDs)を通
じて流れるバッテリ充電電流は高抵抗体により大幅に削
減され、バッテリ過充電は良好に抑止される。
【0025】第2態様において、高抵抗体は、上記ソー
ス接続側の寄生ダイオードDsと並列に接続されるの
で、ウエル領域はこの高抵抗体を通じて電位付与され
る。このようにすれば、寄生ダイオードを通じて流れる
バッテリ充電電流はドレイン接続側の寄生ダイオードD
dの大きな逆バイアス接合の抵抗により阻止される。な
お、三相電機子巻線の電位が低く、MOSパワートラン
ジスタのドレイン電位が低い場合には、上記寄生ダイオ
ードDdは順バイアスとなるが、バッテリからこの寄生
ダイオードDdを通じて逆流する電流はこの高抵抗体に
より良好に抑止される。
ス接続側の寄生ダイオードDsと並列に接続されるの
で、ウエル領域はこの高抵抗体を通じて電位付与され
る。このようにすれば、寄生ダイオードを通じて流れる
バッテリ充電電流はドレイン接続側の寄生ダイオードD
dの大きな逆バイアス接合の抵抗により阻止される。な
お、三相電機子巻線の電位が低く、MOSパワートラン
ジスタのドレイン電位が低い場合には、上記寄生ダイオ
ードDdは順バイアスとなるが、バッテリからこの寄生
ダイオードDdを通じて逆流する電流はこの高抵抗体に
より良好に抑止される。
【0026】したがって、この高抵抗体内蔵MOSパワ
ートランジスタでは、ウエル領域への電位付与のために
ウエル領域とドレイン領域とを短絡する必要がない。そ
の結果、ウエル領域とドレイン領域との間に耐圧層を設
けることができる。このことは、ソース電極とチャンネ
ル始端との間に耐圧層を設ける必要がないので、上記し
たようにソース寄生抵抗Rsに基づく大きな電力損失及
び発熱を格段に低減できることを意味する。特に、Nチ
ャンネルMOSパワートランジスタにおいて抵抗低減が
困難なハイサイドのMOSパワートランジスタにおい
て、ソース電位はバッテリの高位端電位にほぼ固定され
るので、上記ソース抵抗帰還効果の減少に基づいてその
電力損失及び発熱を大幅に低減でき、冷却、配置も簡単
となる。
ートランジスタでは、ウエル領域への電位付与のために
ウエル領域とドレイン領域とを短絡する必要がない。そ
の結果、ウエル領域とドレイン領域との間に耐圧層を設
けることができる。このことは、ソース電極とチャンネ
ル始端との間に耐圧層を設ける必要がないので、上記し
たようにソース寄生抵抗Rsに基づく大きな電力損失及
び発熱を格段に低減できることを意味する。特に、Nチ
ャンネルMOSパワートランジスタにおいて抵抗低減が
困難なハイサイドのMOSパワートランジスタにおい
て、ソース電位はバッテリの高位端電位にほぼ固定され
るので、上記ソース抵抗帰還効果の減少に基づいてその
電力損失及び発熱を大幅に低減でき、冷却、配置も簡単
となる。
【0027】第3態様において、ハイサイド及びローサ
イドのMOSパワートランジスタの一方はドレイン接続
側の寄生ダイオードDdと並列に接続されるドレイン接
続側の高抵抗体を有し、ハイサイド及びローサイドのM
OSパワートランジスタの他方はソース接続側の寄生ダ
イオードDsと並列に接続されるソース接続側の高抵抗
体を有する。
イドのMOSパワートランジスタの一方はドレイン接続
側の寄生ダイオードDdと並列に接続されるドレイン接
続側の高抵抗体を有し、ハイサイド及びローサイドのM
OSパワートランジスタの他方はソース接続側の寄生ダ
イオードDsと並列に接続されるソース接続側の高抵抗
体を有する。
【0028】このようにすれば、ハイサイド及びローサ
イドのMOSパワートランジスタの両方の高抵抗体及び
寄生ダイオードからなるバイパス経路が、高抵抗体によ
りバイパスされない互いに逆向きのドレイン接続側の寄
生ダイオードDd及びソース接続側の寄生ダイオードD
sを有することになるので、このバイパス経路を通じて
直流電流が流れることが阻止される。
イドのMOSパワートランジスタの両方の高抵抗体及び
寄生ダイオードからなるバイパス経路が、高抵抗体によ
りバイパスされない互いに逆向きのドレイン接続側の寄
生ダイオードDd及びソース接続側の寄生ダイオードD
sを有することになるので、このバイパス経路を通じて
直流電流が流れることが阻止される。
【0029】第4態様において、MOSパワートランジ
スタは単結晶SiCを素材として形成されるので、耐圧
層の抵抗をSiを素材とするそれに比較して格段に低減
でき、その結果、電力損失を低減することができる。特
に、第1態様では、耐圧層がソース寄生抵抗となるのが
通常であり、このソース寄生抵抗は僅かな増大でもチャ
ンネル抵抗を大きく増大するので、この耐圧層抵抗の低
減は第1態様において特に重要である。
スタは単結晶SiCを素材として形成されるので、耐圧
層の抵抗をSiを素材とするそれに比較して格段に低減
でき、その結果、電力損失を低減することができる。特
に、第1態様では、耐圧層がソース寄生抵抗となるのが
通常であり、このソース寄生抵抗は僅かな増大でもチャ
ンネル抵抗を大きく増大するので、この耐圧層抵抗の低
減は第1態様において特に重要である。
【0030】第5態様において、MOSパワートランジ
スタはハイサイド側の素子又はローサイド側の素子のど
ちらか一方を構成し、前記ハイサイド側の素子又はロー
サイド側の素子のどちらか他方はPN接合ダイオードか
らなる。このようにすれば、構造及び制御が簡単とな
る。第6態様は第2態様において、MOSパワートラン
ジスタ縦型MOSパワートランジスタとしたものであ
る。すなわち、MOSパワートランジスタは、ドレイン
電極を構成するN+ 型の基板と、前記基板上に形成され
たN型の耐圧層と、前記耐圧層の表面部に形成されたP
型ウエル領域と、前記P型ウエル領域の表面部に形成さ
れてソース電極を構成するN+ 型のソース領域と、前記
P型ウエル領域の表面部に絶縁膜を介して配設されると
ともに前記ソース領域及び前記耐圧層を導通させるN型
チャンネルを形成するゲート電極とを備える。
スタはハイサイド側の素子又はローサイド側の素子のど
ちらか一方を構成し、前記ハイサイド側の素子又はロー
サイド側の素子のどちらか他方はPN接合ダイオードか
らなる。このようにすれば、構造及び制御が簡単とな
る。第6態様は第2態様において、MOSパワートラン
ジスタ縦型MOSパワートランジスタとしたものであ
る。すなわち、MOSパワートランジスタは、ドレイン
電極を構成するN+ 型の基板と、前記基板上に形成され
たN型の耐圧層と、前記耐圧層の表面部に形成されたP
型ウエル領域と、前記P型ウエル領域の表面部に形成さ
れてソース電極を構成するN+ 型のソース領域と、前記
P型ウエル領域の表面部に絶縁膜を介して配設されると
ともに前記ソース領域及び前記耐圧層を導通させるN型
チャンネルを形成するゲート電極とを備える。
【0031】このようにすれば、基板がソース電極を構
成できるので、耐圧層はドレイン側となり、耐圧層がソ
ース側となる従来のMOSパワートランジスタに比較し
てソース寄生抵抗Rsの低減によりチャンネル抵抗を大
幅に低減することができる。第7態様において、前記M
OSパワートランジスタは単結晶SiCを素材として形
成され、前記MOSパワートランジスタのソース・ドレ
イン間及びドレイン・ゲート間耐圧は100V以上に設
定される。
成できるので、耐圧層はドレイン側となり、耐圧層がソ
ース側となる従来のMOSパワートランジスタに比較し
てソース寄生抵抗Rsの低減によりチャンネル抵抗を大
幅に低減することができる。第7態様において、前記M
OSパワートランジスタは単結晶SiCを素材として形
成され、前記MOSパワートランジスタのソース・ドレ
イン間及びドレイン・ゲート間耐圧は100V以上に設
定される。
【0032】この態様は特に第1態様において有効であ
る。すなわち、第1態様では耐圧層又は耐圧領域をソー
ス側に配設せざるを得ないので、ソース寄生抵抗Rsが
増大してしまう。高耐圧のSiCを用いれば、ソース寄
生抵抗Rsを格段に低減でき、チャンネル抵抗も格段に
低減でき、それに応じて電力損失を格段に低減すること
ができる。
る。すなわち、第1態様では耐圧層又は耐圧領域をソー
ス側に配設せざるを得ないので、ソース寄生抵抗Rsが
増大してしまう。高耐圧のSiCを用いれば、ソース寄
生抵抗Rsを格段に低減でき、チャンネル抵抗も格段に
低減でき、それに応じて電力損失を格段に低減すること
ができる。
【0033】
【実施例】(実施例1)車両エンジンにより駆動される
本実施例の車両用交流発電機いわゆるオルタネータの構
造を図1〜図4に基づき説明する。図1は本案の第一実
施例を示す構成図である。励磁調節手段を有さない磁石
式回転子1と回転子1によって誘導発電される三相電機
子巻線5によって、発電機が構成される。
本実施例の車両用交流発電機いわゆるオルタネータの構
造を図1〜図4に基づき説明する。図1は本案の第一実
施例を示す構成図である。励磁調節手段を有さない磁石
式回転子1と回転子1によって誘導発電される三相電機
子巻線5によって、発電機が構成される。
【0034】発電機外殻は一対のフロントハウジング1
4とリアハウジング15で構成されており、4本のスル
ーボルト23で結合されている。ハウジング14及び1
5の内周にはステータコア2が固定され、ステータコア
2には三相電機子巻線5が巻装されている。ハウジング
14、15に固定されたベアリング21、22は回転子
を回転自在に支持している。回転子1は、磁石18とロ
ータコア12とそれらを支持する非磁性部材20とシャ
フト16とにより構成される。
4とリアハウジング15で構成されており、4本のスル
ーボルト23で結合されている。ハウジング14及び1
5の内周にはステータコア2が固定され、ステータコア
2には三相電機子巻線5が巻装されている。ハウジング
14、15に固定されたベアリング21、22は回転子
を回転自在に支持している。回転子1は、磁石18とロ
ータコア12とそれらを支持する非磁性部材20とシャ
フト16とにより構成される。
【0035】リアハウジング15の内側には、整流制御
装置10がビスにより固定されている。整流制御装置1
0は、三相交流出力電流の入力端子10bとB電流出力
端子10cとバッテリ信号入力端子10dの入出力端子
を持ち、三相電機子巻線5と三相交流電流の入力端子1
0bとが後述の冷却風吐出窓26の位置において軟ろう
付けで結線され、B電流出力端子10cとハーネス(図
示せず)とはナットで結線され、バッテリ信号入力端子
10dとエンジンキースイッチ信号端子10aはコネク
タで結線される。この一体成形された整流制御装置10
は、入出力端子を除き、電磁シールドと放熱のため、金
属製の電磁シールド部材9で囲包されている。
装置10がビスにより固定されている。整流制御装置1
0は、三相交流出力電流の入力端子10bとB電流出力
端子10cとバッテリ信号入力端子10dの入出力端子
を持ち、三相電機子巻線5と三相交流電流の入力端子1
0bとが後述の冷却風吐出窓26の位置において軟ろう
付けで結線され、B電流出力端子10cとハーネス(図
示せず)とはナットで結線され、バッテリ信号入力端子
10dとエンジンキースイッチ信号端子10aはコネク
タで結線される。この一体成形された整流制御装置10
は、入出力端子を除き、電磁シールドと放熱のため、金
属製の電磁シールド部材9で囲包されている。
【0036】回転子1にはその両側端面にファン17が
設けられており、冷却風24をフロントハウジング14
とリヤハウジング15に設けられた吸入窓25から吸入
する。整流制御装置10、吸入窓25及び吐出窓26は
ほぼ遠心方向へ並ぶように配置されている。これによ
り、冷却風の一部は、ファン17に対面してファン17
のシュラウドをなすところの電磁シールド部材9の天井
側部材9aの表面にあたって、吐出窓26から吐出す
る。また同様に、電磁シールド部材9の底側部材9bは
リヤハウジング15に熱伝達良好に密着して取り付けら
れている。
設けられており、冷却風24をフロントハウジング14
とリヤハウジング15に設けられた吸入窓25から吸入
する。整流制御装置10、吸入窓25及び吐出窓26は
ほぼ遠心方向へ並ぶように配置されている。これによ
り、冷却風の一部は、ファン17に対面してファン17
のシュラウドをなすところの電磁シールド部材9の天井
側部材9aの表面にあたって、吐出窓26から吐出す
る。また同様に、電磁シールド部材9の底側部材9bは
リヤハウジング15に熱伝達良好に密着して取り付けら
れている。
【0037】上記の構成を有する整流制御装置10は、
従来の電圧調整器(レギュレータ)と三相全波整流器と
を有する車両用交流発電機の三相全波整流器に比較し
て、軸方向リヤハウジング15の端面面積の占有率が半
減し、省スペース、通風抵抗の低減及び冷却効果を向上
が実現する。次に、電圧調整部20による三相全波整流
器19の各MOSパワートランジスタ19a〜19fの
開閉制御について説明する。
従来の電圧調整器(レギュレータ)と三相全波整流器と
を有する車両用交流発電機の三相全波整流器に比較し
て、軸方向リヤハウジング15の端面面積の占有率が半
減し、省スペース、通風抵抗の低減及び冷却効果を向上
が実現する。次に、電圧調整部20による三相全波整流
器19の各MOSパワートランジスタ19a〜19fの
開閉制御について説明する。
【0038】電圧調整部20は、各相の三相電機子巻線
5の出力端の電位である各相発電電圧Vu,Vv,Vw
を読み込み、その相間発電電圧Vu−Vv,Vu−V
w,Vv−Vu,Vv−Vw,Vw−Vu,Vw−Vv
の中から、最も大きい正値でかつバッテリ21の端子電
圧より大きい相間発電電圧を選択し、この選択した相間
発電電圧がバッテリ21に印加されるように、ハイサイ
ドのMOSパワートランジスタ19a〜19cの中の一
つのMOSパワートランジスタと、ローサイドのMOS
パワートランジスタ19d〜19fの中の一つのMOS
パワートランジスタとをオンさせる。これにより、選択
された三相電機子巻線からバッテリ21へ充電電流が給
電される。
5の出力端の電位である各相発電電圧Vu,Vv,Vw
を読み込み、その相間発電電圧Vu−Vv,Vu−V
w,Vv−Vu,Vv−Vw,Vw−Vu,Vw−Vv
の中から、最も大きい正値でかつバッテリ21の端子電
圧より大きい相間発電電圧を選択し、この選択した相間
発電電圧がバッテリ21に印加されるように、ハイサイ
ドのMOSパワートランジスタ19a〜19cの中の一
つのMOSパワートランジスタと、ローサイドのMOS
パワートランジスタ19d〜19fの中の一つのMOS
パワートランジスタとをオンさせる。これにより、選択
された三相電機子巻線からバッテリ21へ充電電流が給
電される。
【0039】また、電圧調整部20は通常のレギュレー
タと同様に、バッテリ21の端子電圧を検出し、検出電
圧と予め設定してある基準電圧とを比較し、その大小に
基づいて励磁電流を断続制御してバッテリ21の端子電
圧を目標レベルに維持することは従前通りである。次
に、本実施例の車両用交流発電機の回路構成について図
5を用いて説明する。
タと同様に、バッテリ21の端子電圧を検出し、検出電
圧と予め設定してある基準電圧とを比較し、その大小に
基づいて励磁電流を断続制御してバッテリ21の端子電
圧を目標レベルに維持することは従前通りである。次
に、本実施例の車両用交流発電機の回路構成について図
5を用いて説明する。
【0040】整流制御装置10は、三相全波整流器19
と電圧調整器20とで構成されている。三相全波整流器
19は、単結晶SiCを素材とするNチャンネルエンハ
ンスメント形式のMOSパワートランジスタ19a〜1
9fからなる三相全波整流器であって、ハイサイドのト
ランジスタ19a〜19cは三相電機子巻線5の各相出
力端とバッテリ21の高位端とを接続しており、ローサ
イドのトランジスタ19d〜19fは三相電機子巻線5
の各相出力端とバッテリ21の低位端とを接続してい
る。
と電圧調整器20とで構成されている。三相全波整流器
19は、単結晶SiCを素材とするNチャンネルエンハ
ンスメント形式のMOSパワートランジスタ19a〜1
9fからなる三相全波整流器であって、ハイサイドのト
ランジスタ19a〜19cは三相電機子巻線5の各相出
力端とバッテリ21の高位端とを接続しており、ローサ
イドのトランジスタ19d〜19fは三相電機子巻線5
の各相出力端とバッテリ21の低位端とを接続してい
る。
【0041】電圧調整器20は、入力される三相電機子
巻線5の各相出力端から各相発電電圧Vu,Vv,Vw
を入力しており、これらの入力信号に基づいてMOSパ
ワートランジスタ19a〜19fの各ゲート電極に印加
するゲート電圧を制御している。すなわち、整流制御装
置10の電圧調整器20がバッテリ21の電圧を読み取
り、それが一定となるようにMOSパワートランジスタ
19a〜19fを開閉制御する。
巻線5の各相出力端から各相発電電圧Vu,Vv,Vw
を入力しており、これらの入力信号に基づいてMOSパ
ワートランジスタ19a〜19fの各ゲート電極に印加
するゲート電圧を制御している。すなわち、整流制御装
置10の電圧調整器20がバッテリ21の電圧を読み取
り、それが一定となるようにMOSパワートランジスタ
19a〜19fを開閉制御する。
【0042】上記したSiCを用いたMOSパワートラ
ンジスタ式三相全波整流器19の詳細を図6及び図7、
図8を参照して以下、更に説明する。ただし、図6はこ
の実施例のMOSパワートランジスタ式三相全波整流器
の一相部分を示すインバータ回路であり、図7、図8は
MOSパワートランジスタ19a〜19fの断面構造の
一部を示す。
ンジスタ式三相全波整流器19の詳細を図6及び図7、
図8を参照して以下、更に説明する。ただし、図6はこ
の実施例のMOSパワートランジスタ式三相全波整流器
の一相部分を示すインバータ回路であり、図7、図8は
MOSパワートランジスタ19a〜19fの断面構造の
一部を示す。
【0043】図6のNチャンネルMOSパワートランジ
スタのインバータ回路は、ハイサイドのMOSパワート
ランジスタ101のドレイン電極DとローサイドのMO
Sパワートランジスタ102のソース電極Sとが三相電
機子巻線5の一相出力端に接続され、ローサイドのMO
Sパワートランジスタ102のドレイン電極Dがバッテ
リ21の低位端に接続され、ハイサイドのMOSパワー
トランジスタ101のソース電極Sはバッテリ21の高
位端に接続される。なお、バッテリ充電時における充電
電流の方向と電子の移動方向とは逆であり、ソース電極
はこの充電時におけるキャリヤ電荷をチャンネルへ注入
する側の電極をいう。
スタのインバータ回路は、ハイサイドのMOSパワート
ランジスタ101のドレイン電極DとローサイドのMO
Sパワートランジスタ102のソース電極Sとが三相電
機子巻線5の一相出力端に接続され、ローサイドのMO
Sパワートランジスタ102のドレイン電極Dがバッテ
リ21の低位端に接続され、ハイサイドのMOSパワー
トランジスタ101のソース電極Sはバッテリ21の高
位端に接続される。なお、バッテリ充電時における充電
電流の方向と電子の移動方向とは逆であり、ソース電極
はこの充電時におけるキャリヤ電荷をチャンネルへ注入
する側の電極をいう。
【0044】MOSパワートランジスタ101、102
では後述のP型ウエル領域103すなわちゲート電極1
01直下の領域とソース電極S又はドレイン電極Dとの
間にソース接続側の寄生ダイオードDsとドレイン接続
側の寄生ダイオードDdとが図示のように生じるが、P
型ウエル領域103への電位付与の必要から、ハイサイ
ドのMOSパワートランジスタ101のP型ウエル領域
103はソース電極Sに高抵抗体120を通じて接続さ
れる。一方、ローサイドのMOSパワートランジスタ
も、そのP型ウエル領域103への電位付与の必要か
ら、そのP型ウエル領域103とドレイン電極Dが短絡
されている。その理由については前述した通りである。
これにより、ローサイドのMOSパワートランジスタ1
02におけるソース接続側の寄生ダイオードDsがバッ
テリ21からの上記逆流を阻止する。
では後述のP型ウエル領域103すなわちゲート電極1
01直下の領域とソース電極S又はドレイン電極Dとの
間にソース接続側の寄生ダイオードDsとドレイン接続
側の寄生ダイオードDdとが図示のように生じるが、P
型ウエル領域103への電位付与の必要から、ハイサイ
ドのMOSパワートランジスタ101のP型ウエル領域
103はソース電極Sに高抵抗体120を通じて接続さ
れる。一方、ローサイドのMOSパワートランジスタ
も、そのP型ウエル領域103への電位付与の必要か
ら、そのP型ウエル領域103とドレイン電極Dが短絡
されている。その理由については前述した通りである。
これにより、ローサイドのMOSパワートランジスタ1
02におけるソース接続側の寄生ダイオードDsがバッ
テリ21からの上記逆流を阻止する。
【0045】一方、例えば150オーム以上という高抵
抗値を有する高抵抗体120は、発電電圧すなわちハイ
サイドのMOSパワートランジスタ101のドレイン電
位がバッテリ電位より低下した場合でかつ他のMOSパ
ワートランジスタ(図示せず)がオンした場合におい
て、電流がドレイン接続側の寄生ダイオードDdを通じ
ての電流の逆流を許容範囲に圧縮する。
抗値を有する高抵抗体120は、発電電圧すなわちハイ
サイドのMOSパワートランジスタ101のドレイン電
位がバッテリ電位より低下した場合でかつ他のMOSパ
ワートランジスタ(図示せず)がオンした場合におい
て、電流がドレイン接続側の寄生ダイオードDdを通じ
ての電流の逆流を許容範囲に圧縮する。
【0046】次に、図6の三相全波整流器19のハイサ
イドのMOSパワートランジスタ101の断面構造の一
部を図8を参照して説明する。SiCのN+ 型基板10
6上にN型耐圧層105がエピタキシャル成長により形
成され、N型耐圧層105の表面部にP型ウエル領域1
03がアルミニウムをイオン注入することにより形成さ
れ、更にP型ウエル領域103の表面部にN+型領域1
04が窒素をイオン注入することにより形成される。そ
して、ウエハ表面のトレンチ形成予定領域だけを開口し
てレジストや絶縁膜でマスクしつつ周知のR.i.Eド
ライエッチングによりトレンチ108が凹設され、その
後、トレンチ108の表面に熱酸化法によりシリコン酸
化膜からなるゲート絶縁膜109を形成し、その後、ト
レンチ108にドープドポリシリコンからなるゲート電
極110を形成する。その後、ホトリソグラフィにより
フィールド絶縁膜(図示せず)を開口し、ニッケル電極
111をN+ 型領域(ソース電極)104及びP型ウエ
ル領域103にコンタクトし、金電極112をN+ 型基
板(ドレイン電極)106にコンタクトして素子を完成
する。
イドのMOSパワートランジスタ101の断面構造の一
部を図8を参照して説明する。SiCのN+ 型基板10
6上にN型耐圧層105がエピタキシャル成長により形
成され、N型耐圧層105の表面部にP型ウエル領域1
03がアルミニウムをイオン注入することにより形成さ
れ、更にP型ウエル領域103の表面部にN+型領域1
04が窒素をイオン注入することにより形成される。そ
して、ウエハ表面のトレンチ形成予定領域だけを開口し
てレジストや絶縁膜でマスクしつつ周知のR.i.Eド
ライエッチングによりトレンチ108が凹設され、その
後、トレンチ108の表面に熱酸化法によりシリコン酸
化膜からなるゲート絶縁膜109を形成し、その後、ト
レンチ108にドープドポリシリコンからなるゲート電
極110を形成する。その後、ホトリソグラフィにより
フィールド絶縁膜(図示せず)を開口し、ニッケル電極
111をN+ 型領域(ソース電極)104及びP型ウエ
ル領域103にコンタクトし、金電極112をN+ 型基
板(ドレイン電極)106にコンタクトして素子を完成
する。
【0047】このニッケル電極111は、スパッタリン
グや真空蒸着により形成され、ニッケル電極111とP
型ウエル領域103との間にニッケルとSiCの高抵抗
の合金層(図示せず)が形成され、この合金層が高抵抗
体120を構成する。更に、このようにして製造された
図8のハイサイドのMOSパワートランジスタ101
は、N+ 型領域104がソース電極Sを構成し、N+ 型
基板106がドレイン電極Dを構成し、N型耐圧層10
5がドレイン側に配置されるので、高い耐圧を確保しつ
つソース寄生抵抗Rsを格段に低減でき、その結果、高
耐圧と低抵抗とを両立することができる。更に、N型耐
圧層105もSiCの採用により大幅に低抵抗化でき、
その電力損失も格段に改善することができる。
グや真空蒸着により形成され、ニッケル電極111とP
型ウエル領域103との間にニッケルとSiCの高抵抗
の合金層(図示せず)が形成され、この合金層が高抵抗
体120を構成する。更に、このようにして製造された
図8のハイサイドのMOSパワートランジスタ101
は、N+ 型領域104がソース電極Sを構成し、N+ 型
基板106がドレイン電極Dを構成し、N型耐圧層10
5がドレイン側に配置されるので、高い耐圧を確保しつ
つソース寄生抵抗Rsを格段に低減でき、その結果、高
耐圧と低抵抗とを両立することができる。更に、N型耐
圧層105もSiCの採用により大幅に低抵抗化でき、
その電力損失も格段に改善することができる。
【0048】図7は図8の他例である。次に、図3の三
相全波整流器19のローサイドのMOSパワートランジ
スタ102の断面構造の一部を図8を参照して説明す
る。SiCのN+ 型基板106上にN型耐圧層105が
エピタキシャル成長により形成され、N型耐圧層105
の表面部にP型ウエル領域103がアルミニウムをイオ
ン注入することにより形成され、更にP型ウエル領域1
03の表面部にN+型領域104が窒素をイオン注入す
ることにより形成される。そして、ウエハ表面のトレン
チ形成予定領域だけを開口してレジストや絶縁膜でマス
クしつつ周知のR.i.Eドライエッチングによりトレ
ンチ108が凹設され、その後、トレンチ108の表面
に熱酸化法によりシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜
109を形成し、その後、トレンチ108にドープドポ
リシリコンからなるゲート電極110を形成する。その
後、金属電極111をN+ 型領域(ドレイン電極)10
4にコンタクトし、金属電極112をN+ 型基板(ソー
ス電極)106にコンタクトして素子を完成する。
相全波整流器19のローサイドのMOSパワートランジ
スタ102の断面構造の一部を図8を参照して説明す
る。SiCのN+ 型基板106上にN型耐圧層105が
エピタキシャル成長により形成され、N型耐圧層105
の表面部にP型ウエル領域103がアルミニウムをイオ
ン注入することにより形成され、更にP型ウエル領域1
03の表面部にN+型領域104が窒素をイオン注入す
ることにより形成される。そして、ウエハ表面のトレン
チ形成予定領域だけを開口してレジストや絶縁膜でマス
クしつつ周知のR.i.Eドライエッチングによりトレ
ンチ108が凹設され、その後、トレンチ108の表面
に熱酸化法によりシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜
109を形成し、その後、トレンチ108にドープドポ
リシリコンからなるゲート電極110を形成する。その
後、金属電極111をN+ 型領域(ドレイン電極)10
4にコンタクトし、金属電極112をN+ 型基板(ソー
ス電極)106にコンタクトして素子を完成する。
【0049】したがってこの実施例では、MOSパワー
トランジスタがオフしている場合に高電圧(例えば+3
00V)がソース領域106とドレイン電極111との
間に印加されると、主にN型耐圧層105に空乏層を張
り出してこの高電圧に耐えることになる。その結果、こ
のN型耐圧層105はソース帰還抵抗Rsとなり、上述
したようにそれ自身の抵抗とチャンネル抵抗増加効果と
により電力損失を発生する。
トランジスタがオフしている場合に高電圧(例えば+3
00V)がソース領域106とドレイン電極111との
間に印加されると、主にN型耐圧層105に空乏層を張
り出してこの高電圧に耐えることになる。その結果、こ
のN型耐圧層105はソース帰還抵抗Rsとなり、上述
したようにそれ自身の抵抗とチャンネル抵抗増加効果と
により電力損失を発生する。
【0050】しかし、この実施例では単結晶SiCを素
材とするので、N型耐圧層105の厚さ及び不純者濃度
を従来のSiに比較して大幅に向上することができる。
以下、N型耐圧層105の耐圧を300Vとする場合の
N型耐圧層105の設計条件を考える。Siの場合、そ
の降伏電界強度は約30V/μmであり、N型耐圧層1
05の厚さは約20μmとなり、その不純物濃度は約1
×1015原子/cm3 となり、このSi−N型耐圧層1
05の抵抗率は5Ω・cmとなる。
材とするので、N型耐圧層105の厚さ及び不純者濃度
を従来のSiに比較して大幅に向上することができる。
以下、N型耐圧層105の耐圧を300Vとする場合の
N型耐圧層105の設計条件を考える。Siの場合、そ
の降伏電界強度は約30V/μmであり、N型耐圧層1
05の厚さは約20μmとなり、その不純物濃度は約1
×1015原子/cm3 となり、このSi−N型耐圧層1
05の抵抗率は5Ω・cmとなる。
【0051】一方、SiCの場合、その降伏電界強度は
約400V/μmであり、N型耐圧層105の厚さは約
4μmとなり、その不純物濃度は約2×1016原子/c
m3となり、その結果、このN型耐圧層105の抵抗率
は約1.25Ω・cmとなる。したがって、N型耐圧層
105の抵抗は抵抗率×厚さであるので、SiCのN型
耐圧層105はSiのN型耐圧層105に比較して、約
1/20の抵抗値まで低減可能となる。
約400V/μmであり、N型耐圧層105の厚さは約
4μmとなり、その不純物濃度は約2×1016原子/c
m3となり、その結果、このN型耐圧層105の抵抗率
は約1.25Ω・cmとなる。したがって、N型耐圧層
105の抵抗は抵抗率×厚さであるので、SiCのN型
耐圧層105はSiのN型耐圧層105に比較して、約
1/20の抵抗値まで低減可能となる。
【0052】結局、上記ローサイドのSiCのMOSパ
ワートランジスタにおける上記ソース寄生抵抗RsはS
iに比較して約1/20に低減することができ、またそ
れに応じて上記説明したようにチャンネル抵抗も大幅に
減少することができ、それらの相乗効果により極めて低
損失の車両用交流発電機用の三相全波整流器19を実現
することができる。
ワートランジスタにおける上記ソース寄生抵抗RsはS
iに比較して約1/20に低減することができ、またそ
れに応じて上記説明したようにチャンネル抵抗も大幅に
減少することができ、それらの相乗効果により極めて低
損失の車両用交流発電機用の三相全波整流器19を実現
することができる。
【0053】すなわち、SiCを採用したことによるN
型耐圧層105の降伏電界強度の改善することにより、
従来のものからは予測し得ない優れた効率をもつ三相全
波整流器19を実現できることがわかった。当然、上記
した関係はN型耐圧層105に300V以外の他の高電
圧を印加した場合も同じである。上記のように構成され
た本実施例の三相全波整流器19の更なる作用効果を以
下に説明する。
型耐圧層105の降伏電界強度の改善することにより、
従来のものからは予測し得ない優れた効率をもつ三相全
波整流器19を実現できることがわかった。当然、上記
した関係はN型耐圧層105に300V以外の他の高電
圧を印加した場合も同じである。上記のように構成され
た本実施例の三相全波整流器19の更なる作用効果を以
下に説明する。
【0054】この磁石式発電機では、高回転域では発電
電圧が増大するため、従来のMOSパワートランジスタ
式三相全波整流器ではMOSパワートランジスタのオフ
時でもバッテリが過充電される問題があった。これは、
バッテリから三相電機子巻線への逆流防止のために寄生
ダイオードDdを短絡してウエル領域に電位付与せざる
を得ないためである。この問題を解決するために、本実
施例では、三相全波整流器19のハイサイドのMOSパ
ワートランジスタ19a〜19cのソース電極SとP型
ウエル領域103とを高抵抗体120により接続し、こ
の高抵抗体120を通じてP型ウエル領域103に電位
付与する。
電圧が増大するため、従来のMOSパワートランジスタ
式三相全波整流器ではMOSパワートランジスタのオフ
時でもバッテリが過充電される問題があった。これは、
バッテリから三相電機子巻線への逆流防止のために寄生
ダイオードDdを短絡してウエル領域に電位付与せざる
を得ないためである。この問題を解決するために、本実
施例では、三相全波整流器19のハイサイドのMOSパ
ワートランジスタ19a〜19cのソース電極SとP型
ウエル領域103とを高抵抗体120により接続し、こ
の高抵抗体120を通じてP型ウエル領域103に電位
付与する。
【0055】このようにすれば、ハイサイドのMOSパ
ワートランジスタ19a〜19cの寄生ダイオードDd
がチャンネルをバイパスするバッテリ充電電流を阻止す
るために、バッテリ21の過充電は防止される。また、
高抵抗体120はバッテリ21から三相電機子巻線5へ
の逆流電流を許容範囲内に制限する。また、上記説明し
た実施例とは逆に、ハイサイドのMOSパワートランジ
スタ19a〜19cの寄生ダイオードDdを短絡し、ロ
ーサイドのMOSパワートランジスタ19d〜19fの
寄生ダイオードDsと高抵抗体120とを並列接続して
もよい。なお、ハイサイド、ローサイド両方のMOSパ
ワートランジスタ19a〜19fに上記高抵抗体120
を並列接続すると、バッテリ21から直流電流が漏れる
問題が生じる。
ワートランジスタ19a〜19cの寄生ダイオードDd
がチャンネルをバイパスするバッテリ充電電流を阻止す
るために、バッテリ21の過充電は防止される。また、
高抵抗体120はバッテリ21から三相電機子巻線5へ
の逆流電流を許容範囲内に制限する。また、上記説明し
た実施例とは逆に、ハイサイドのMOSパワートランジ
スタ19a〜19cの寄生ダイオードDdを短絡し、ロ
ーサイドのMOSパワートランジスタ19d〜19fの
寄生ダイオードDsと高抵抗体120とを並列接続して
もよい。なお、ハイサイド、ローサイド両方のMOSパ
ワートランジスタ19a〜19fに上記高抵抗体120
を並列接続すると、バッテリ21から直流電流が漏れる
問題が生じる。
【0056】その他、短絡側MOSパワートランジスタ
であるMOSパワートランジスタ(図6では19d〜1
9f)をPN接合ダイオードに置換することも可能であ
る。次に、同一チップサイズ及び設計ルールで製造した
SiダイオードとSiのMOSパワートランジスタとS
iCのMOSパワートランジスタの電圧・電流特性を図
9〜図11に示す。ただしそれらの耐圧は250Vとし
ている。図9はSiダイオードの特性を示し、図10は
SiのMOSパワートランジスタの特性を示し、図11
はSiCのMOSパワートランジスタの試験特性を示
す。図9〜図11からわかるように、出力電流75Aの
条件において本実施例の三相全波整流器19は従来の三
相全波整流器に比較して電力損失を90%以上削減する
ことが可能となった。
であるMOSパワートランジスタ(図6では19d〜1
9f)をPN接合ダイオードに置換することも可能であ
る。次に、同一チップサイズ及び設計ルールで製造した
SiダイオードとSiのMOSパワートランジスタとS
iCのMOSパワートランジスタの電圧・電流特性を図
9〜図11に示す。ただしそれらの耐圧は250Vとし
ている。図9はSiダイオードの特性を示し、図10は
SiのMOSパワートランジスタの特性を示し、図11
はSiCのMOSパワートランジスタの試験特性を示
す。図9〜図11からわかるように、出力電流75Aの
条件において本実施例の三相全波整流器19は従来の三
相全波整流器に比較して電力損失を90%以上削減する
ことが可能となった。
【0057】図12に、MOSパワートランジスタの要
求耐圧を変えた場合のオン抵抗率についての計算結果の
一例を示す。なお、このオン抵抗率はチャンネル抵抗と
N型耐圧層105の抵抗との和であるが、特にチャンネ
ル抵抗は各種ファクタにより変動するものの、図12か
らわかるように高耐圧領域ではN型耐圧層105の上記
抵抗が支配的となる。
求耐圧を変えた場合のオン抵抗率についての計算結果の
一例を示す。なお、このオン抵抗率はチャンネル抵抗と
N型耐圧層105の抵抗との和であるが、特にチャンネ
ル抵抗は各種ファクタにより変動するものの、図12か
らわかるように高耐圧領域ではN型耐圧層105の上記
抵抗が支配的となる。
【0058】すなわち、耐圧が増加してもチャンネル抵
抗自体はほとんど変化しないが(ソース寄生抵抗Rsの
増加による上記帰還効果によるチャンネル抵抗の増加を
無視した場合)、N型耐圧層105の抵抗は耐圧に正の
相関関係を保ちつつ増加する。したがって、Siでは耐
圧25V近傍から耐圧増加とともにオン抵抗率が比例的
に増加するものの、SiCでは耐圧250VまではN型
耐圧層105の抵抗増加はほとんど無視でき、耐圧25
0Vを超えてはじめてオン抵抗率がゆっくりと増加する
ことがわかる。 (実施例2)本発明の他の実施例を図13を参照して説
明する。
抗自体はほとんど変化しないが(ソース寄生抵抗Rsの
増加による上記帰還効果によるチャンネル抵抗の増加を
無視した場合)、N型耐圧層105の抵抗は耐圧に正の
相関関係を保ちつつ増加する。したがって、Siでは耐
圧25V近傍から耐圧増加とともにオン抵抗率が比例的
に増加するものの、SiCでは耐圧250VまではN型
耐圧層105の抵抗増加はほとんど無視でき、耐圧25
0Vを超えてはじめてオン抵抗率がゆっくりと増加する
ことがわかる。 (実施例2)本発明の他の実施例を図13を参照して説
明する。
【0059】この実施例では、ハイサイド及びローサイ
ドのMOSパワートランジスタ19d〜19fのドレイ
ン接続側の寄生ダイオードDdと並列に高抵抗体120
を接続したものである。このようにすれば、MOSパワ
ートランジスタ19a〜19fの高抵抗体120は、そ
のP型ウエル領域103に電位付与するとともに、MO
Sパワートランジスタ19a〜19fのソース接続側の
寄生ダイオードDsを通じて流れるバイパス発電電流を
低減する。また、バッテリ21からの逆流電流は寄生ダ
イオードDsにより阻止される。 (実施例3)本発明の他の実施例を図14を参照して説
明する。
ドのMOSパワートランジスタ19d〜19fのドレイ
ン接続側の寄生ダイオードDdと並列に高抵抗体120
を接続したものである。このようにすれば、MOSパワ
ートランジスタ19a〜19fの高抵抗体120は、そ
のP型ウエル領域103に電位付与するとともに、MO
Sパワートランジスタ19a〜19fのソース接続側の
寄生ダイオードDsを通じて流れるバイパス発電電流を
低減する。また、バッテリ21からの逆流電流は寄生ダ
イオードDsにより阻止される。 (実施例3)本発明の他の実施例を図14を参照して説
明する。
【0060】この実施例では、実施例1において、ハイ
サイドのMOSパワートランジスタ19a〜19cの高
抵抗体120を、そのソース接続側の寄生ダイオードD
sとを並列接続したものである。このようにすれば、ハ
イサイドのMOSパワートランジスタ19a〜19cの
ドレイン接続側の寄生ダイオードDdがチャンネルをバ
イパスするバッテリ充電電流を阻止する。また、ローサ
イドのMOSパワートランジスタ19d〜19fのソー
ス接続側の寄生ダイオードDsはバッテリ21からの逆
流電流を阻止する。
サイドのMOSパワートランジスタ19a〜19cの高
抵抗体120を、そのソース接続側の寄生ダイオードD
sとを並列接続したものである。このようにすれば、ハ
イサイドのMOSパワートランジスタ19a〜19cの
ドレイン接続側の寄生ダイオードDdがチャンネルをバ
イパスするバッテリ充電電流を阻止する。また、ローサ
イドのMOSパワートランジスタ19d〜19fのソー
ス接続側の寄生ダイオードDsはバッテリ21からの逆
流電流を阻止する。
【0061】更に、ローサイドのMOSパワートランジ
スタ19d〜19fの高抵抗体120は、そのP型ウエ
ル領域103に電位付与するとともに、ローサイドのM
OSパワートランジスタ19d〜19fのソース接続側
の寄生ダイオードDsを通じて流れるバイパス発電電流
を低減する。 (実施例4)本発明の他の実施例を図15を参照して説
明する。
スタ19d〜19fの高抵抗体120は、そのP型ウエ
ル領域103に電位付与するとともに、ローサイドのM
OSパワートランジスタ19d〜19fのソース接続側
の寄生ダイオードDsを通じて流れるバイパス発電電流
を低減する。 (実施例4)本発明の他の実施例を図15を参照して説
明する。
【0062】この実施例では、高抵抗体120の接続を
実施例3とは反対にしたものであり、ハイサイドのMO
Sパワートランジスタ19a〜19cの高抵抗体120
をその寄生ダイオードDdと並列接続し、ローサイドの
MOSパワートランジスタ19d〜19fの高抵抗体1
20をその寄生ダイオードDsと並列接続したものであ
り、作用効果は実施例3と同じである。
実施例3とは反対にしたものであり、ハイサイドのMO
Sパワートランジスタ19a〜19cの高抵抗体120
をその寄生ダイオードDdと並列接続し、ローサイドの
MOSパワートランジスタ19d〜19fの高抵抗体1
20をその寄生ダイオードDsと並列接続したものであ
り、作用効果は実施例3と同じである。
【0063】ただ、この実施例によれば、ハイサイドの
MOSパワートランジスタ19a〜19cはソース側に
耐圧層を有する共通ソース構造とすることができ、ロー
サイドのMOSパワートランジスタ19d〜19fはど
レイン側に耐圧層を有する共通ドレイン構造とすること
ができるので、図16に示すようにコモンソースのハイ
サイドMOSパワートランジスタ19a〜19cを1個
のチップで構成し、図17に示すようにコモンドレイン
のローサイドのMOSパワートランジスタ19d〜19
fを1個のチップで構成することができる。
MOSパワートランジスタ19a〜19cはソース側に
耐圧層を有する共通ソース構造とすることができ、ロー
サイドのMOSパワートランジスタ19d〜19fはど
レイン側に耐圧層を有する共通ドレイン構造とすること
ができるので、図16に示すようにコモンソースのハイ
サイドMOSパワートランジスタ19a〜19cを1個
のチップで構成し、図17に示すようにコモンドレイン
のローサイドのMOSパワートランジスタ19d〜19
fを1個のチップで構成することができる。
【0064】更に詳しく説明すると、図16において、
N+ 型基板106はハイサイドの各MOSパワートラン
ジスタ19a〜19cの共通のソース電極Sを構成し、
基板106上には各相のP型ウエル領域103a〜10
3cが互いにパンチスルー不能な距離だけ充分離れて個
別に形成され、各P型ウエル領域103a〜103cの
表面部にはそれぞれN+ 型のドレイン領域104a〜1
04cが個別に形成され、各P型ウエル領域103a〜
103cの表面部には絶縁膜109を介してゲート電極
110a〜110cが配設され、各ドレイン領域104
a〜104cはゲート電極110a〜110cにより耐
圧層105に個別に導通される。
N+ 型基板106はハイサイドの各MOSパワートラン
ジスタ19a〜19cの共通のソース電極Sを構成し、
基板106上には各相のP型ウエル領域103a〜10
3cが互いにパンチスルー不能な距離だけ充分離れて個
別に形成され、各P型ウエル領域103a〜103cの
表面部にはそれぞれN+ 型のドレイン領域104a〜1
04cが個別に形成され、各P型ウエル領域103a〜
103cの表面部には絶縁膜109を介してゲート電極
110a〜110cが配設され、各ドレイン領域104
a〜104cはゲート電極110a〜110cにより耐
圧層105に個別に導通される。
【0065】このようにすれば、1チップ上に3個のハ
イサイドのMOSパワートランジスタ19a〜19cか
らなるハーフブリッジをなんら工程を増加することなく
集積できるという優れた効果を奏する。また、各MOS
パワートランジスタ19a〜19cの電力損失が小さい
ので、上記集積により各素子が高温化することも回避で
きる。
イサイドのMOSパワートランジスタ19a〜19cか
らなるハーフブリッジをなんら工程を増加することなく
集積できるという優れた効果を奏する。また、各MOS
パワートランジスタ19a〜19cの電力損失が小さい
ので、上記集積により各素子が高温化することも回避で
きる。
【0066】また図17において、N+ 型基板106は
ローサイドの各MOSパワートランジスタ19d〜19
fの共通のドレイン電極Dを構成し、基板106上には
各相のP型ウエル領域103d〜103fが互いにパン
チスルー不能な距離だけ充分離れて個別に形成され、各
P型ウエル領域103d〜103fの表面部にはそれぞ
れN+ 型のソース領域104d〜104fが個別に形成
され、各P型ウエル領域103d〜103fの表面部に
は絶縁膜109を介してゲート電極110d〜110f
が配設され、各ドレイン領域104d〜104fはゲー
ト電極110d〜110fにより耐圧層105に個別に
導通される。
ローサイドの各MOSパワートランジスタ19d〜19
fの共通のドレイン電極Dを構成し、基板106上には
各相のP型ウエル領域103d〜103fが互いにパン
チスルー不能な距離だけ充分離れて個別に形成され、各
P型ウエル領域103d〜103fの表面部にはそれぞ
れN+ 型のソース領域104d〜104fが個別に形成
され、各P型ウエル領域103d〜103fの表面部に
は絶縁膜109を介してゲート電極110d〜110f
が配設され、各ドレイン領域104d〜104fはゲー
ト電極110d〜110fにより耐圧層105に個別に
導通される。
【0067】このようにすれば、1チップ上に3個のハ
イサイドのMOSパワートランジスタ19d〜19fか
らなるハーフブリッジをなんら工程を増加することなく
集積できるという優れた効果を奏する。また、各MOS
パワートランジスタ19d〜19fの電力損失が小さい
ので、上記集積により各素子が高温化することも回避で
きる。 (実施例5)他の実施例を図18を参照して説明する。
この実施例は、この三相全波整流器19の制御方式を提
案するものであって、車両エンジン制御コンピュータに
機能統合されたコントローラ(図示せず)により、この
制御は実行される。もちろん、電圧調整器20がこの制
御動作を行うこともできる。
イサイドのMOSパワートランジスタ19d〜19fか
らなるハーフブリッジをなんら工程を増加することなく
集積できるという優れた効果を奏する。また、各MOS
パワートランジスタ19d〜19fの電力損失が小さい
ので、上記集積により各素子が高温化することも回避で
きる。 (実施例5)他の実施例を図18を参照して説明する。
この実施例は、この三相全波整流器19の制御方式を提
案するものであって、車両エンジン制御コンピュータに
機能統合されたコントローラ(図示せず)により、この
制御は実行される。もちろん、電圧調整器20がこの制
御動作を行うこともできる。
【0068】以下この制御動作を説明する。まず、バッ
テリ電圧を入力し(200)、それに基づいてバッテリ
充電状態を推定する(202)。次に、三相電機子巻線
5の各相出力端から入力発電電圧信号Vu,Vv,Vw
を入力し(204)、それらに基づいてから各相の線間
電圧を計算し(206)、線間電圧がバッテリ電圧を越
える電圧であり、かつ、バッテリを充電する方向である
相を検出し、その相の線間に接続されるハイサイド及び
ローサイドのMOSパワートランジスタを選択する(2
08)。
テリ電圧を入力し(200)、それに基づいてバッテリ
充電状態を推定する(202)。次に、三相電機子巻線
5の各相出力端から入力発電電圧信号Vu,Vv,Vw
を入力し(204)、それらに基づいてから各相の線間
電圧を計算し(206)、線間電圧がバッテリ電圧を越
える電圧であり、かつ、バッテリを充電する方向である
相を検出し、その相の線間に接続されるハイサイド及び
ローサイドのMOSパワートランジスタを選択する(2
08)。
【0069】次に、相電圧より発電機回転数を計算し
(210)、それに基づいてエンジンの回転数を検出
し、メモリに格納する(212)。次に、アイドル時の
エンジン不整燃焼に伴うトルクむらにもとづく回転2次
高調波成分(4気筒の場合)、回転3次高調波成分(6
気筒の場合)のなどのエンジン回転脈動を検出する(2
14)。
(210)、それに基づいてエンジンの回転数を検出
し、メモリに格納する(212)。次に、アイドル時の
エンジン不整燃焼に伴うトルクむらにもとづく回転2次
高調波成分(4気筒の場合)、回転3次高調波成分(6
気筒の場合)のなどのエンジン回転脈動を検出する(2
14)。
【0070】次に、計算したバッテリ充電状態と、エン
ジン回転脈動よりあらかじめ定めてある制御パタ−ンを
検索し(216)、MOSパワートランジスタ19a〜
19fの導通時間、開閉タイミングなどの制御量を決定
し、決定した制御量に基づいてMOSパワートランジス
タ19a〜19fを開閉制御する(218)。このよう
にすれば、例えば、バッテリ残容量が小の場合は充電を
重視した発電制御を行い、エンジン回転脈動量が大の場
合はエンジン回転脈動を制御するように発電量を変えト
ルク制御を行うことが可能となる。
ジン回転脈動よりあらかじめ定めてある制御パタ−ンを
検索し(216)、MOSパワートランジスタ19a〜
19fの導通時間、開閉タイミングなどの制御量を決定
し、決定した制御量に基づいてMOSパワートランジス
タ19a〜19fを開閉制御する(218)。このよう
にすれば、例えば、バッテリ残容量が小の場合は充電を
重視した発電制御を行い、エンジン回転脈動量が大の場
合はエンジン回転脈動を制御するように発電量を変えト
ルク制御を行うことが可能となる。
【0071】なお従来、このような回転の脈動に対する
抑制制御は理論上考えられたが実用化に至っていないの
は、界磁式巻線式発電機の場合には界磁コイルに機械振
動が伝わり回動故障を招いたり、界磁回路の時定数が大
きく、高速で回転の脈動を抑制するのに適さないことが
原因としてある。また永久磁石回転子の場合には、前述
した如く出力電流を低損失に制御できる手段が発見され
ていなかったことがあげられる。本実施例により、電力
損失の増大を抑止しつつエンジンの回転振動の低減を実
現することができる。
抑制制御は理論上考えられたが実用化に至っていないの
は、界磁式巻線式発電機の場合には界磁コイルに機械振
動が伝わり回動故障を招いたり、界磁回路の時定数が大
きく、高速で回転の脈動を抑制するのに適さないことが
原因としてある。また永久磁石回転子の場合には、前述
した如く出力電流を低損失に制御できる手段が発見され
ていなかったことがあげられる。本実施例により、電力
損失の増大を抑止しつつエンジンの回転振動の低減を実
現することができる。
【0072】上記各実施例において、ハイサイドのMO
Sパワートランジスタ19a〜19cとローサイドのM
OSパワートランジスタ19d〜19fのどちらかを、
PN接合ダイオードに置換することもできる、またSi
C−MOSFETとSi−MOSFEとを混用すること
もできる。更に、本実施例は励磁磁束量の制御を行わな
い界磁コイル式回転子にも適用することができる他、界
磁コイルと磁石とを併用する構造の回転子にも適用する
ことができる。
Sパワートランジスタ19a〜19cとローサイドのM
OSパワートランジスタ19d〜19fのどちらかを、
PN接合ダイオードに置換することもできる、またSi
C−MOSFETとSi−MOSFEとを混用すること
もできる。更に、本実施例は励磁磁束量の制御を行わな
い界磁コイル式回転子にも適用することができる他、界
磁コイルと磁石とを併用する構造の回転子にも適用する
ことができる。
【0073】以上の説明では、車両用交流発電機の三相
全波整流器19について説明したが、本実施例の三相全
波整流器19はスイッチング可能であるので、三相交流
電圧を発生するスイッチングインバータ回路としても採
用又は兼用できることは当然である。(Si−MOSパ
ワートランジスタとSiC−MOSパワートランジスタ
の耐圧と抵抗値との関係の解析) なお、上記した各実施例のMOSパワートランジスタ1
9a〜19fは6H−SiCを素材として耐圧250V
に設計しているが、この6H−SiCのMOSパワート
ランジスタ19a〜19fを用いた車両用交流発電機用
の三相全波整流器19と、SiのMOSパワートランジ
スタを用いた車両用交流発電機の三相全波整流器19と
の抵抗値の解析結果(図12参照)を以下に理論的に説
明する。
全波整流器19について説明したが、本実施例の三相全
波整流器19はスイッチング可能であるので、三相交流
電圧を発生するスイッチングインバータ回路としても採
用又は兼用できることは当然である。(Si−MOSパ
ワートランジスタとSiC−MOSパワートランジスタ
の耐圧と抵抗値との関係の解析) なお、上記した各実施例のMOSパワートランジスタ1
9a〜19fは6H−SiCを素材として耐圧250V
に設計しているが、この6H−SiCのMOSパワート
ランジスタ19a〜19fを用いた車両用交流発電機用
の三相全波整流器19と、SiのMOSパワートランジ
スタを用いた車両用交流発電機の三相全波整流器19と
の抵抗値の解析結果(図12参照)を以下に理論的に説
明する。
【0074】ただし、ここではソース寄生抵抗Rsの帰
還効果によるチャンネル抵抗増加効果は無視するものと
する。また、回路構造は、図8の縦型構造とし、チップ
面積は等しくする。トランジスタの抵抗Rは、チャンネ
ル抵抗rcとN+ 型耐圧層105の抵抗rbとの和であ
り、 rc=L/W・(1/μs・εs・εo)-1・(Tox/(Vg−Vt)) rb=4Vb2 ・(1/μ・εs・εo・Ec・A) とすると、SiのMOSパワートランジスタに比較して
SiCのMOSパワートランジスタは約1/15の抵抗
値となった。
還効果によるチャンネル抵抗増加効果は無視するものと
する。また、回路構造は、図8の縦型構造とし、チップ
面積は等しくする。トランジスタの抵抗Rは、チャンネ
ル抵抗rcとN+ 型耐圧層105の抵抗rbとの和であ
り、 rc=L/W・(1/μs・εs・εo)-1・(Tox/(Vg−Vt)) rb=4Vb2 ・(1/μ・εs・εo・Ec・A) とすると、SiのMOSパワートランジスタに比較して
SiCのMOSパワートランジスタは約1/15の抵抗
値となった。
【0075】ただし、降伏電界強度EcはSiが3×1
05 ,SiCは3×106 V/cm、比誘電率εsはS
iが11.8,SiCが10.0、面積Aは両者とも1
mm 2 、Vbはブレークダウン電(耐圧)である。更
に、μは電子のバルク移動度であって、Siが110
0、SiCは370cm2 /(V・S)、チャンネル長
Lは両者とも1μm、チャンネル幅Wは両者とも222
μm、μsは電子のチャンネル移動度であって、Siが
500、SiCは100cm2 /(V・S)とした。
05 ,SiCは3×106 V/cm、比誘電率εsはS
iが11.8,SiCが10.0、面積Aは両者とも1
mm 2 、Vbはブレークダウン電(耐圧)である。更
に、μは電子のバルク移動度であって、Siが110
0、SiCは370cm2 /(V・S)、チャンネル長
Lは両者とも1μm、チャンネル幅Wは両者とも222
μm、μsは電子のチャンネル移動度であって、Siが
500、SiCは100cm2 /(V・S)とした。
【0076】上記式から、耐圧50V以上ではSiCの
方が抵抗値が小さくなることがわかった。なお、上記計
算では基板をドレインとしているので、基板をソースと
する場合には上記説明したソース寄生抵抗Rsの帰還効
果によるチャンネル抵抗増加によりSiの抵抗は格段に
増大する筈である。したがって、設計ルールが多少変化
しても耐圧100V以上では確実にSiCのMOSパワ
ートランジスタが低抵抗となると推定することができ
る。
方が抵抗値が小さくなることがわかった。なお、上記計
算では基板をドレインとしているので、基板をソースと
する場合には上記説明したソース寄生抵抗Rsの帰還効
果によるチャンネル抵抗増加によりSiの抵抗は格段に
増大する筈である。したがって、設計ルールが多少変化
しても耐圧100V以上では確実にSiCのMOSパワ
ートランジスタが低抵抗となると推定することができ
る。
【0077】なお、上記各実施例では、Pウエル領域1
03をイオン注入により形成したが、図8の構造ではエ
ピタキシャル成長により形成することができる。
03をイオン注入により形成したが、図8の構造ではエ
ピタキシャル成長により形成することができる。
【図1】実施例1の車両用交流発電機の断面図である。
【図2】図1の車両用交流発電機のカバーを除去した状
態でのリヤ側から見た側面図である。
態でのリヤ側から見た側面図である。
【図3】図1の整流制御装置10の斜視図である。
【図4】図1の整流制御装置10の斜視図である。
【図5】図1の車両用交流発電機の回路図である。
【図6】図1の三相全波整流器の一相分を示すインバー
タ回路の等価回路図である。
タ回路の等価回路図である。
【図7】図1の三相全波整流器を構成するMOSパワー
トランジスタの一例を示す一部拡大断面図である。
トランジスタの一例を示す一部拡大断面図である。
【図8】図1の三相全波整流器を構成するMOSパワー
トランジスタの一例を示す一部拡大断面図である。
トランジスタの一例を示す一部拡大断面図である。
【図9】従来のSiを素材とするPNダイオードの電圧
−電流特性図である。
−電流特性図である。
【図10】従来のSiを素材とするMOSパワートラン
ジスタの電圧−電流特性図である。
ジスタの電圧−電流特性図である。
【図11】本実施例のSiCを素材とするMOSパワー
トランジスタの電圧−電流特性図である。
トランジスタの電圧−電流特性図である。
【図12】図8及び図9のMOSパワートランジスタの
耐圧とチャンネル抵抗との関係を示す図である。
耐圧とチャンネル抵抗との関係を示す図である。
【図13】他の実施例を示す回路図である。
【図14】他の実施例を示す回路図である。
【図15】他の実施例を示す回路図である。
【図16】図15のハイサイドのMOSパワートランジ
スタ19a〜19cの一例断面図である。
スタ19a〜19cの一例断面図である。
【図17】図15のローサイドのMOSパワートランジ
スタ19d〜19fの一例断面図である。
スタ19d〜19fの一例断面図である。
【図18】図1の車両用交流発電機の制御例を示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
5は三相電機子巻線、21がバッテリ、19a〜19c
はハイサイドのMOSパワートランジスタ、19d〜1
9fはローサイドのMOSパワートランジスタ、19は
三相全波整流器、20は電圧調整器、120は高抵抗
体。
はハイサイドのMOSパワートランジスタ、19d〜1
9fはローサイドのMOSパワートランジスタ、19は
三相全波整流器、20は電圧調整器、120は高抵抗
体。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−138030(JP,A) 特開 平5−90927(JP,A) 特開 昭61−157274(JP,A) 特開 平5−6958(JP,A) 特開 平5−3427(JP,A) 特開 平4−306715(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/21 B60R 16/04 H02J 7/14 H02M 7/219
Claims (8)
- 【請求項1】界磁巻線電流制御を行わない車両用交流発
電機の三相電機子巻線の各端とバッテリの高位端及び低
位端とを接続するハイサイドのMOSパワートランジス
タ又はローサイドのMOSパワートランジスタを有する
とともに、三相電機子巻線の発電電圧を直流電圧に変換
してバッテリに給電する車両用交流発電機の三相全波整
流器において、 前記MOSパワートランジスタは、ソース領域又はドレ
イン領域とウエル領域との間のどちらか一方の寄生ダイ
オードと並列に接続される高抵抗体を有することを特徴
とする車両用交流発電機の三相全波整流器。 - 【請求項2】前記高抵抗体は、ドレイン領域とウエル領
域との間のドレイン接続側の寄生ダイオードと並列に接
続される請求項1記載の車両用交流発電機の三相全波整
流器。 - 【請求項3】前記高抵抗体は、ソース領域とウエル領域
との間のソース接続側の寄生ダイオードと並列に接続さ
れる請求項1記載の車両用交流発電機の三相全波整流
器。 - 【請求項4】前記ハイサイドのMOSパワートランジス
タ及びローサイドのMOSパワートランジスタの一方は
前記ドレイン領域とウエル領域との間のドレイン接続側
の寄生ダイオードと並列に接続されるドレイン接続側の
前記高抵抗体を有し、前記ハイサイドのMOSパワート
ランジスタ及びローサイドのMOSパワートランジスタ
の他方はソース領域とウエル領域との間のソース接続側
の寄生ダイオードと並列に接続されるソース接続側の前
記高抵抗体を有する請求項1記載の車両用交流発電機の
三相全波整流器。 - 【請求項5】前記MOSパワートランジスタは単結晶S
iCを素材として形成される請求項1記載の車両用交流
発電機の三相全波整流器。 - 【請求項6】前記MOSパワートランジスタはハイサイ
ド側の素子又はローサイド側の素子のどちらか一方を構
成し、前記ハイサイド側の素子又はローサイド側の素子
のどちらか他方はPN接合ダイオードからなる請求項1
記載の車両用交流発電機の三相全波整流器。 - 【請求項7】前記MOSパワートランジスタは、ドレイ
ン電極を構成するN+ 型の基板と、前記基板上に形成さ
れたN型の耐圧層と、前記耐圧層の表面部に形成された
P型ウエル領域と、前記P型ウエル領域の表面部に形成
されてソース電極を構成するN+ 型のソース領域と、前
記P型ウエル領域の表面部に絶縁膜を介して配設される
とともに前記ソース領域及び前記耐圧層を導通させるN
型チャンネルを形成するゲート電極とを備える請求項3
記載の車両用交流発電機の三相全波整流器。 - 【請求項8】前記MOSパワートランジスタは単結晶S
iCを素材として形成され、前記MOSパワートランジ
スタのソース・ドレイン間及びドレイン・ゲート間耐圧
は100V以上に設定される請求項1〜7のどれかに記
載の車両用交流発電機の三相全波整流器。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30678293A JP3223671B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 車両用交流発電機の三相全波整流器 |
| EP94119243A EP0657947B1 (en) | 1993-12-07 | 1994-12-06 | Power converter |
| DE69416796T DE69416796T2 (de) | 1993-12-07 | 1994-12-06 | Leistungsumwandler |
| US08/351,027 US5608616A (en) | 1993-12-07 | 1994-12-07 | Power converter |
| US08/658,532 US5780953A (en) | 1993-12-07 | 1996-06-05 | Alternator |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30678293A JP3223671B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 車両用交流発電機の三相全波整流器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07163149A JPH07163149A (ja) | 1995-06-23 |
| JP3223671B2 true JP3223671B2 (ja) | 2001-10-29 |
Family
ID=17961201
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30678293A Expired - Fee Related JP3223671B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 車両用交流発電機の三相全波整流器 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| EP (1) | EP0657947B1 (ja) |
| JP (1) | JP3223671B2 (ja) |
| DE (1) | DE69416796T2 (ja) |
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|---|---|---|---|---|
| US5780953A (en) * | 1993-12-07 | 1998-07-14 | Nippondenso Co., Ltd. | Alternator |
| JPH08336259A (ja) * | 1995-06-06 | 1996-12-17 | Nippondenso Co Ltd | 車両用交流発電機 |
| JPH08336268A (ja) * | 1995-06-06 | 1996-12-17 | Nippondenso Co Ltd | 車両用交流発電機 |
| US6573534B1 (en) | 1995-09-06 | 2003-06-03 | Denso Corporation | Silicon carbide semiconductor device |
| KR100199997B1 (ko) * | 1995-09-06 | 1999-07-01 | 오카메 히로무 | 탄화규소 반도체장치 |
| JP3471509B2 (ja) * | 1996-01-23 | 2003-12-02 | 株式会社デンソー | 炭化珪素半導体装置 |
| US6133587A (en) * | 1996-01-23 | 2000-10-17 | Denso Corporation | Silicon carbide semiconductor device and process for manufacturing same |
| JP2007037280A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Mitsubishi Electric Corp | インバータ一体型回転電機 |
| US10205017B2 (en) * | 2009-06-17 | 2019-02-12 | Alpha And Omega Semiconductor Incorporated | Bottom source NMOS triggered Zener clamp for configuring an ultra-low voltage transient voltage suppressor (TVS) |
| CN110601323B (zh) * | 2019-08-29 | 2024-07-05 | 深圳英驱新能源有限公司 | 充电装置及驱动电源产生电路 |
| CN119631274A (zh) * | 2022-07-28 | 2025-03-14 | 新电元工业株式会社 | 电池充电装置 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6180858A (ja) * | 1984-09-28 | 1986-04-24 | Hitachi Ltd | パワ−mosfet |
| JP2786196B2 (ja) * | 1987-07-21 | 1998-08-13 | 株式会社デンソー | 絶縁ゲート型半導体装置 |
| JP2959640B2 (ja) | 1990-09-27 | 1999-10-06 | 本田技研工業株式会社 | 充電回路 |
| US5233215A (en) * | 1992-06-08 | 1993-08-03 | North Carolina State University At Raleigh | Silicon carbide power MOSFET with floating field ring and floating field plate |
-
1993
- 1993-12-07 JP JP30678293A patent/JP3223671B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1994
- 1994-12-06 DE DE69416796T patent/DE69416796T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1994-12-06 EP EP94119243A patent/EP0657947B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP0657947B1 (en) | 1999-03-03 |
| DE69416796T2 (de) | 1999-10-28 |
| EP0657947A1 (en) | 1995-06-14 |
| JPH07163149A (ja) | 1995-06-23 |
| DE69416796D1 (de) | 1999-04-08 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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