JP3229375B2 - 水中音響材 - Google Patents

水中音響材

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JP3229375B2 JP19667992A JP19667992A JP3229375B2 JP 3229375 B2 JP3229375 B2 JP 3229375B2 JP 19667992 A JP19667992 A JP 19667992A JP 19667992 A JP19667992 A JP 19667992A JP 3229375 B2 JP3229375 B2 JP 3229375B2
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は水中音響材に係わり、
更に詳しくは、接着界面をなくして気泡内への水の浸入
を防止し、音響性能の長期安定、及び耐久性の向上を図
ることが出来る水中音響材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、水中で使用される水中音響材に
は、水中の音波を遮断して反射する遮音材と水中の音波
を吸収して反射波を減衰させる吸音材とがあることが知
られている。前記遮音材は、水との音響インピーダンス
を異ならせる物質を具備することにより水中の音波を遮
断し、前記吸音材は、水との音響インピーダンスを等し
くさせる物質を具備することにより水中の音波を吸収し
ている。
【0003】上述した水との音響インピーダンスを異な
らせる物質、或いは等しくさせる物質としては、従来、
共に空気が用いられている。この空気の量を調整するこ
とにより、遮音材、或いは吸音材として使用している。
ところで、前記水中音響材としては、例えば図8及び図
9に示すような構成のものが知られている。図8の水中
音響材は、平板状を成し、複数の空洞部11を含有する
本体ゴム層12に、該空洞部11を密封するようにして
カバーゴム層13が接着剤を介して固定されたものであ
る。
【0004】図9の水中音響材も、平板状を成し、複数
の貫通した空洞部11が設けられた本体ゴム層12の両
面に、該空洞部11を覆うようにしてカバーゴム層13
a,13bが接着剤を介して固定されたものである。両
水中音響材共に、空洞部11には空気(気泡)が封入さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
水中音響材にあっては、本体ゴム層12にカバーゴム層
13を接着剤で貼り付ける際に、接着圧力の不足、接着
剤の塗布量の不均一等に起因して、長期水中で使用して
いると、本体ゴム層12とカバーゴム層13との接着界
面14から水が浸入し、空洞部11にも該水が入り込ん
で、遮音性能、或いは吸音性能等の音響性能を維持する
ことが出来ず、耐久性に劣ると言う問題があった。
【0006】この発明はかかる従来の課題に着目して案
出されたもので、接着界面をなくすことにより気泡内へ
の水の浸入を防止し、もって音響性能の長期安定及び耐
久性の向上を図ることが出来る水中音響材を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、可撓性を有するシート状のシート本体上に
凹凸状のカバー部を一体的に設け、前記シート本体と凹
凸状のカバー部とで独立した気泡が封入された複数の空
洞部を形成してなるエアーバブルシートと、このエアー
バブルシートの上下面に可撓性及び耐水性を有する樹脂
被覆した被覆層とを一体的に構成したことを要旨とす
るものである。
【0008】
【作用】この発明は上記のように構成され、可撓性及び
耐水性を有する樹脂により独立した気泡を有するエアー
バブルシートを被覆してあるので、接着剤等により接着
さた接着界面が排除され、該接着界面から気泡内への水
の浸入が完全に防止され、常に気泡を完全に独立した状
態に保つことが出来る。
【0009】
【実施例】以下、添付図面に基づいてこの発明の実施例
を説明する。図1は、この発明に係る水中音響材の一部
切り欠き平面図、図2は部分断面図を示し、この水中音
響材1は、平板状を成し、樹脂から成る被覆層2で、複
数の独立した気泡を有するエアーバブルシート4を被覆
して一体的に構成されている。前記被覆層2に使用され
る樹脂としては、熱硬化性樹脂であって、可撓性及び耐
水性を有する、例えば、可撓性エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂等である。また、モールドに注型可能な粘度を有
し、硬化物のJIS硬度が約90以下であることが好ま
しい。JIS硬度が約90を越えると、可撓性が乏しく
なり、音響性能を十分に発揮することが出来ない。硬化
物のJIS硬度の下限としては、水中音響材としての充
分な硬度を有するために約40以上であることが好まし
い。
【0010】また更に、硬化発熱が80℃以下であり、
硬化速度が常温において24時間以上であることが好ま
しい。硬化発熱が80℃越、及び硬化速度が常温におい
て24時間未満であると、製造過程において、前記エア
ーバブルシート4が有する気泡3を均一に維持すること
が出来ない。また、前記熱硬化性樹脂は、取扱う上で、
約10〜40℃の温度範囲において液状であることが好
ましい。例えば上述した樹脂としては、下記表1のA〜
D、及び表2に示すようなものである。但し表2は表1
で使用される樹脂の商品名を示す。
【0011】表 1
【0012】表 2 前記エアーバブルシート4は、可撓性を有し、図3に示
すように、シート状のシート本体4aと、このシート本
体4a上に一体的に設けられた凹凸状のカバー部4bと
から構成されている。従って、カバー部4bの凹部に
は、複数の空洞部3が均一に配置されて形成され、この
空洞部3にはそれぞれ独立した気泡(空気)が封入され
ている。
【0013】前記シート本体4aとカバー部4bとは、
共に図4に示すように、3層構造の樹脂層R1,R2,
R3から構成され、樹脂層R1,R3には、製造加工上
における耐熱強度を有する樹脂が使用され、例えばポリ
エチレン樹脂が使用される。また、樹脂層R2には、空
気透過を防止する樹脂が使用され、例えばナイロン樹脂
が使用される。前記エアーバブルシート4としては、例
えば、キャプロン#107〔商品名:JSP(株)製〕
等がある。エアーバブルシート4は、前記被覆層2を被
覆する工程において、形成された空洞部3内の気泡を維
持することが可能であれば、前述に限定されることなく
様々な態様が可能である。
【0014】上述した水中音響材1は、図5に示すよう
にして製造される。まず上述した条件となるように樹脂
を混合し、脱泡する。次に、図5(a)に示すように、
混合された混合樹脂5を所定のモールド6に規定の厚み
だけ流し込む。続いて、図5(b)に示すように、エア
ーバブルシート4を流し込まれたモールド6内の樹脂5
上に、該シート4と樹脂5との間に空気が介在しないよ
うにして配置する。そして、モールド6のエアーバブル
シート4上に混合樹脂5を充填し、該混合樹脂5を硬化
させて図1に示すような水中音響材1を製造することが
出来る。
【0015】以上のようにこの発明は、可撓性及び耐水
性を有する樹脂から成る被覆層2で、複数の独立した気
泡を有する可撓性のエアーバブルシート4を被覆して一
体的に構成したので、接着界面が排除されて、該接着界
面から空洞部3内への水の浸入が防止され、水中音響材
1の音響性能の長期安定及び耐久性の向上を図ることが
出来る。また、耐圧特性が向上するため、圧力変化に伴
う音響性能の変化が小さいという利点がある。
【0016】なお、前述した水中音響材1では、その厚
さ方向にエアーバブルシート4を単段に設ける例を説明
したが、用途に応じて2段あるいは3段に配置してもよ
く、その場合の製造方法も、混合樹脂とエアーバブルシ
ートとを交互にモールド内に配置して製造することが出
来る。次に、前記表1のAに示す配合割合及び特性を有
する樹脂を被覆層2として使用し、上述した方法により
試作した水中音響材1の音響性能(透過損失TL〔トラ
ンスミッションロス〕)測定試験について説明する。
【0017】厚さ12mm、縦横がそれぞれ300mm
で、エアーバブルシート4としてキャプロン#107を
用い、空隙率が約33%である水中音響材1を作製した
(20℃で24時間硬化)。この水中音響材1の受信器
B側に、3.2mmの鉄板を接着剤で装着した後、図6
に示すように、水深0.5mの水H中に配置し、音波送
信器Aと音波受信器Bとをそれぞれ水中音響材1から2
m、及び1mm水中音響材1を介して対向するように配
置し、送受信器A,B間に水中音響材1がある場合とな
い場合の受信音圧レベルの差を測定した。
【0018】その結果を図7に実線で示す。但し、横軸
は周波数(kHz)、縦軸は透過損失(dB)である。
また、参考として、クロロプレンゴムを素材として厚さ
13mm、縦横がそれぞれ300mm、空隙率が約33
%の従来の水中音響材(従来例)の音響性能も図7に破
線で示す。図7から明らかなように、この発明の実施例
は、従来と略同等の音響性能を有していることが判る。
従って、この発明の水中音響材は、長期間の使用であっ
ても接着界面を有していないため、この接着界面から気
泡内への水の浸入がなく、よって、長期にわたる音響性
能の維持が可能であることが容易に推測される。
【0019】
【発明の効果】この発明は上述したように、可撓性を有
するシート状のシート本体上に凹凸状のカバー部を一体
的に設け、前記シート本体と凹凸状のカバー部とで独立
した気泡が封入された複数の空洞部を形成してなるエア
ーバブルシートと、このエアーバブルシートの上下面に
可撓性及び耐水性を有する樹脂を被覆した被覆層とを
体的に構成したので、接着界面から気泡内への水の浸入
を完全に排除して、音響性能の長期安定及び耐久性の向
上を図り、水中音響材の寿命を長く保つことが出来る効
果がある。また耐圧特性が向上するため、圧力変化に伴
う音響性能の変化が小さいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る水中音響材の一部切り欠き平面
図である。
【図2】水中音響材の断面図である。
【図3】エアーバブルシートの断面図である。
【図4】エアーバブルシートの拡大部分断面図である。
【図5】水中音響材の製造方法を示す説明図である。
【図6】透過損失測定試験の説明図である。
【図7】透過損失測定試験の結果を示すグラフ図であ
る。
【図8】従来例の水中音響材の断面図である。
【図9】従来例の水中音響材の断面図である。
【符号の説明】
1 水中音響材 2 被覆層 3 空洞部 4 エアーバブル
シート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有するシート状のシート本体上
    に凹凸状のカバー部を一体的に設け、前記シート本体と
    凹凸状のカバー部とで独立した気泡が封入された複数の
    空洞部を形成してなるエアーバブルシートと、このエア
    ーバブルシートの上下面に可撓性及び耐水性を有する樹
    脂を被覆した被覆層とを一体的に構成して成る水中音響
    材。
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