JP3230764B2 - ボールペン用中芯のインク逆流防止機構 - Google Patents

ボールペン用中芯のインク逆流防止機構

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボールペン用中芯のイ
ンク逆流防止機構に係り、詳しくはペン本体内に装填さ
れて使用される中芯(替芯とも称する)のインク収容管
内インクが逆流せしめて外部に流出するのを防ぐインク
逆流防止機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】一般に、ボールペンは大
気圧により中芯のインク収容管内から該収容管先端に挿
着されているチップのインク流路を通して先端の転写ボ
ールにインクが供給される様になっている。従って、中
芯のインク収容管の後端と該中芯が装填されるペン本体
の適宜の箇所には外気をインク収容管の後端側に導入す
るための外気導入孔が設けられているために、中芯の後
端側を下向きにした上向き状態でボールペンを使用する
筆記姿勢を取っていると転写ボールのインクが出る隙間
からチップ内に空気が入り、それにより、インク収容管
内のインクが逆流せしめて後端外気導入孔からペン本体
内に漏れたり、本体内に漏れたインクが本体の外気導入
孔から外部に流出することがある。そこで、従来ではイ
ンクの逆流を防ぐ種々のインク逆流防止機構が開発され
すでに提案されている。例えば本願出願人が先に提案し
たインク逆流防止機構を備えたボールペンが知られてい
る(実公昭54−15703 号公報参照)。この従来逆流防止
機構はチップが嵌入装着されるインク収容管の先端側内
にインク流動孔を開孔備えた弁座を嵌着内装せしめてこ
の弁座とチップの後端面との間に構成した弁室にボール
弁を装入内在せしめ、ボールペンを上向きにした際にボ
ール弁が自重で弁座上に乗ることでインク流入孔を塞ぐ
ようにして、インクの逆流を防ぐものである。ところ
が、この従来のインク逆流防止機構においては、インク
収容管の先端側に内蔵具備せしめる様に構成してなるか
ら、インクの逆流を防ぐと同時に筆記時にはインク収容
管内インクがチップのインク流路に流れ込む様にインク
収容管よりも太さが細く精密な加工工程が要求されるチ
ップの後端面に、ボール弁が乗ってもインク流路に通じ
るインク溝を放射状に形成せねばならないので、その製
作には特殊な専用加工機が必要となり、ひいては莫大な
設備投資による生産コストの高騰を招く等の問題を有し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な従来
事情に鑑みてなされたもので、面倒で生産コストの高騰
を招く精密な加工工程を一切不要として、簡単且つ安く
製作できる様に改良したボールペン用中芯のインク逆流
防止機構の提供を目的とする。
【0004】
【課題を達成するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が講じる技術的手段は、インク収容管の後端部
に外気導入孔を有する弁座を備え、この弁座から適宜の
間隔をおいた後端側内面にはボール弁の遊動量を規制す
る規制部を備えてこの規制部と前記弁座との間に弁室を
構成し、この弁室内にボール弁を遊動自在に装入内在さ
せて構成し、前記規制部は、前記後端側内面の周方向数
カ所にボール受け凸部を一体に形成してなることを特徴
とする。更に、本発明が講じる技術的手段は、上記ボー
ル受け凸部は、ボール弁が弁室に嵌入されるように形成
してなることを特徴とする。更に、本発明が講じる技術
的手段は、上記インク収容管の後端側に高粘度液体を内
在させたことを特徴とする。
【0005】
【作 用】而して、上記した本発明の技術的手段によれ
ば、インク逆流防止機構をインク収容管の後端側に内蔵
具備せしめたボールペン用中芯を製作することができ
る。そして、ボールペンを上向き状態にすると、弁室内
ボール弁は自重により弁座上に乗り、該弁座の外気導入
孔を塞いでインク収容管内インクの後端側への逆流を防
ぐ。一方、ボールペンを筆記状態にすると、ボール弁は
自重により弁座から離れて外気導入孔を開いてインク収
容管の後端側には外気が導入される状態となり、インク
収容管内インクは大気圧のもとでチップのインク流路を
通ってチップ先端の転写ボールに供給されると共に弁座
から離れたボール弁は規制部により受け止められた状態
で弁室に内在する。
【0006】
【実施例】本発明の実施の一例を図面に基づいて以下説
明すると、インク収容管1及び該収容管1の先端に嵌入
装着されるチップ2は周知の構造を呈し、チップ2をジ
ョイントパイプ3を介してインク収容管1の先端に装着
せしめて中芯Aを構成する。そして、インク収容管1の
後端部に外気導入孔4を有する弁座5を備え、この弁座
5から適宜の間隔をおいた後端側内面にはボール弁6の
遊動量を規制する規制部7を備えてこの規制部7と前記
弁座5との間に弁室8を構成し、この弁室8内にボール
弁6を遊動自在に装入内在させて、ボールペンを上向き
にした時にボール弁6が自重で弁座5上に乗り該弁座5
の外気導入孔4を塞ぐことによりインク収容管1内イン
クBの逆流を防止する様にしてある。
【0007】上記弁座5及び規制部7はインク収容管1
の後端開口部に嵌入装着する尾栓9の射出成形時に該尾
栓9内に一体に形成備え、該尾栓9をインク収容管1の
後端に嵌入装着することによって、インク収容管1の後
端部及びその後端側内面に具備せしめてそれら間に弁室
8を構成する様にしてなり、弁座5は、鍔付き円筒筒状
に成形される尾栓9の後端開口内周面より該口縁方向に
向け且つ軸芯方向に向けて漸次テーパー状に形成し、そ
のテーパー底には外気導入孔4を穿設する。一方、規制
部7は、尾栓9の筒方向略中途部位内周面に、周方向に
適宜の間隔をおいた数箇所(図面では3箇所)にボール
受け凸部7aを突設して、ボール弁6を各凸部7aにて受け
止める様に形成してなるもので、周方向各凸部7a間には
弁座5の外気導入孔4から流入してきた外気をインク収
容管1内へと流入せしめる外気導入溝10を確保形成する
(図3参照)。
【0008】而して、上記した実施例によれば、尾栓9
を熱可塑性樹脂等により射出成形することにより、該尾
栓9内には外気導入孔4を有する弁座5とボール弁6の
遊動量を規制するボール受け凸部7a及びボール弁6を遊
動自在に内在させる弁室8が一体に成形備えられ、ボー
ル弁6を尾栓9の前端開口部側から弁室8に嵌入せしめ
た後、尾栓9をインク収容管1の後端開口部に嵌入装着
することによって、インク逆流防止機構をインク収容管
1の後端側に内蔵具備せしめた中芯Aを製作することが
できる。従って、インク逆流防止機構を簡単且つ安価に
製作することができることから、インク逆流防止機構を
備えたボールペン用中芯Aを安く提供することができ
る。そして、弁室8に内在させたボール弁6はボールペ
ンを図1の如く上向き状態にすると、自重により弁座5
上に乗り、該弁座5の外気導入孔4を塞いでインク収容
管1内インクの後端側への逆流を防ぐ。一方、図2の如
くボールペンを筆記状態にすると、ボール弁6は自重に
より弁座5から離れて外気導入孔4を開いて、インク収
容管1の後端側に外気が導入される状態となり、インク
収容管1内インクは大気圧のもとでチップ2のインク流
路2aを通ってチップ2先端の転写ボール11に供給され
る。弁座5から離れたボール弁6はインク収容管1内に
転がり落ちることなくボール受け凸部7aにより受け止め
られた状態で弁室8に内在する。
【0009】図中Cはインク収容管1の後端側に注入内
在させたグリス等の高粘度液体であり、この高粘度液体
Cを注入内在させておくことにより、インクBの後端側
への落下を防ぐことができると共に、ボール弁6への付
着により該ボール弁6が自重で弁座5上に乗った際に該
弁座5のテーパー面との密着性を向上させるシール材と
しての機能を発揮して該テーパー面に対するボール弁6
の密着度がボール弁6自体の自重との相乗効果により高
められてインクBの逆流防止をより一層完全なものとす
るものである。
【0010】尚、上記実施例にあっては弁座5,規制部
7,弁室8これらをインク収容管1の後端開口部を塞ぐ
尾栓9内に一体に設けて該尾栓9を後端開口部に嵌入装
着することによって、インク逆流防止機構をインク収容
管1の後端側に内蔵具備せしめた構成として詳述した
が、インク収容管1の後端を一体的に塞いでなる即ち尾
栓9を用いないで後端開口部を塞ぐ形態のボールペン用
中芯の場合は弁座5,規制部7,弁室8これらをインク
収容管1の後端部内に任意の加工方法にて設け、ボール
弁6を嵌入内在せしめてインク逆流防止機構をインク収
容管1の後端側に内蔵具備せしめる様にするものであ
る。
【0011】
【発明の効果】本発明のボールペン用中芯のインク逆流
防止機構は叙上の如く、インク収容管の後端側に内蔵具
備せしめてなるから、従来の様に筆記時においてインク
収容管内インクがチップのインク流路に流れ込む様にす
るための流入手段並びに工夫を施す必要がない。従っ
て、本考案のインク逆流防止機構によれば、面倒で生産
コストの高騰を招く等の精密な加工工程を一切必要とせ
ずに簡単に製作することができることから、生産性を大
幅に改善せしめると同時にその生産コストを大幅に削減
することができ、ひいては生産性の向上とコストの削減
によりインク逆流防止機構を備えたボールペン用中芯を
安く提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明ボールペン用中芯のインク逆流防止機
構の実施の一例を示した縦断面図で上向きにした状態を
示す。
【図2】 筆記状態を示した同縦断面図。
【図3】 図1の III−III 線に沿えた拡大断面図。
【符号の説明】
1…インク収容管 2…チップ 4…外気導入孔 5…弁座 6…ボール弁 7…規制部 8…弁室

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク収容管の後端部に外気導入孔を有
    する弁座を備え、この弁座から適宜の間隔をおいた後端
    側内面にはボール弁の遊動量を規制する規制部を備えて
    この規制部と前記弁座との間に弁室を構成し、この弁室
    内にボール弁を遊動自在に装入内在させて構成し、前記規制部は、前記後端側内面の周方向数カ所にボール
    受け凸部を一体に形成してなる ことを特徴とするボール
    ペン用中芯のインク逆流防止機構。
  2. 【請求項2】 上記ボール受け凸部は、ボール弁が弁室
    に嵌入されるように形成してなることを特徴とする請求
    項1記載のボールペン用中芯のインク逆流防止機構。
  3. 【請求項3】 上記インク収容管の後端側に高粘度液体
    を内在させたことを特徴とする請求項1又は2記載のボ
    ールペン用中芯のインク逆流防止機構。
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