JP3249999B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents
半導体レーザ装置Info
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Description
活性層を有する高出力の半導体レーザ装置に関する。
でも大きさが微小なため、各種の装置に組み込みやすい
という大きな特徴を備えており、広範囲な応用例を有し
ている。その高性能化を一層進めるためには、低しきい
値化と高出力化が課題として挙げられる。これらの課題
のため、活性層に多重量子井戸構造を用いた、注入型の
半導体レーザ装置がある。
を示す断面図である。同図において、1はn型のInP
からなる基板、2は基板1上にMOCVD法などにより
形成されたn型のInPからなる下部クラッド層、3は
同様にして下部クラッド層2上に形成されたInGaA
sPからなる下部ガイド層である。また、4aはInG
aAsPからなる量子井戸層とそれよりPが多いなどに
よりバンドギャップが広いInGaAsPからなる障壁
層とが複数形成された多重量子井戸構造となっている活
性層、5は活性層4a上に形成されたInGaAsPか
らなる上部ガイド層、6はp型のInPからなる上部ク
ラッド層、7はp型のInGaAsPからなるキャップ
層である。そして、8は下部電極、9は上部電極であ
る。
9に(+)、下部電極8に(−)の順方向電圧を印加す
ることで、上部クラッド層6などのp型領域より活性層
4aに対して正孔が注入され、下部クラッド層2などの
n型領域より活性層4aに対して電子が注入される。そ
して、活性層4aとp型領域およびn型領域との間に
は、バンドギャップ差に基づく電位障壁が形成され、活
性層4aに電子および正孔が閉じ込められる。これらの
密度はわずかな電流で高くなり、光の増幅(誘導放出)
が生じやすい状態となり、そして、活性層4aにおいて
レーザが発振する。
重量子井戸構造は、発振しきい値電流密度を低減化する
なかで、活性層の厚みを極限まで薄くできるという効果
がある。そして、これらのみならず、量子井戸構造にお
いては、電子や正孔が量子力学的な波動としての振る舞
いを示すことから、半導体レーザ装置のさらなる高性能
化に大きな効果をもたらしている。ここで、このような
半導体レーザ装置においては、多重量子井戸構造の量子
井戸の層数を増加させることで、実効的な光電変換部の
体積を増加させることができ、高出力化が期待できる。
多重量子井戸構造では、以下に示すような原因により、
量子井戸層の層数を増加させても、この層数がある程度
以上になると、期待どおりの高出力化が得られないとい
う問題があった。多重量子井戸構造において、その量子
井戸層数がある程度以上となっていくと、正孔の分布が
一様でなくなっていく。これは、正孔が電子に比較して
その有効質量がかなり大きく、拡散長が短いためであ
る。
量子井戸層数を増加させると、p型領域から注入された
正孔が、活性層の中で全ての量子井戸層に行き渡り難く
なり、n型領域近くの量子井戸層には、正孔が注入され
難くなる。このことは、キャリアの注入効率の低下や、
光学的損失の増加を招くものであり、高出力化の妨げと
なっていた。
るためになされたものであり、多重量子井戸構造の活性
層を有する半導体レーザ装置において、量子井戸層の層
数を増やして、高出力化ができるようにすることを目的
とする。
装置は、活性層を構成する障壁層中に、それよりバンド
ギャップが小さい材料からなる中間層を有し、この中間
層の量子準位が障壁層より小さく活性層を構成する量子
井戸層の量子準位より高く、量子井戸層は、n型半導体
領域側よりp型半導体領域側になるにつれて、それぞれ
の量子準位が一致した状態でその膜厚が薄くなっていく
ことを特徴とする。
体領域側よりp型半導体領域側にかけて変化させるよう
にしたので、p型半導体領域側の量子井戸層における注
入された正孔の捕獲確率が低くなる。また、障壁層の膜
厚やバンドギャップをn型半導体領域側よりp型半導体
領域側にかけて変化させるようにしたので、p型半導体
領域側の障壁層における正孔のトンネリングの確率が高
くなる。そして、障壁層中に、中間層を設けるようにし
たので、p型半導体領域側の障壁層における正孔のトン
ネリングの確率が高くなる。
発明の概要について説明する。量子井戸構造内でのキャ
リア(電子,正孔)の挙動は、拡散方程式で取り扱うこ
とができ、正孔は量子井戸構造内をp型領域からn型領
域へ拡散する。正孔の拡散には複数の過程が考えられ、
量子井戸層で捕獲される確率と量子井戸層に捕獲された
ものが一部障壁層に染み出し、隣の量子井戸層にトンネ
リングする確率が含まれる。正孔が量子井戸層に捕らわ
れる捕獲確率は、その量子井戸層の膜厚に関係し、厚い
ほどその捕獲確率が大きいことが知られている。
散することを助長させるための手段の1つとして、例え
ば量子井戸層の膜厚をそれぞれ異なるものにし、p型領
域の近くの層はその膜厚を最小として正孔の捕獲確率を
低減する。この場合、各量子井戸層は、p型領域からn
型領域に近づくに従って、遷移波長が短波長化するよう
にして量子準位を一致させ、それぞれの発振波長が一致
するようにする。このことによって、発振波長を単一に
保ったまま、n型領域に近い部分に正孔が分布する確率
を増加させる作用を与える。
障壁層の膜厚をそれぞれ異なるものとし、p型半導体領
域の近くの層の膜厚を最小とし、n型領域に近づくに従
ってその膜厚を厚くするようにしてもよい。この場合、
量子井戸内の正孔が染み出して隣の量子井戸層へトンネ
リングする確率を、p型領域に近いほど高くしておくこ
とになり、正孔の拡散を助長することになる。
障壁層を構成する材料の組成比をそれぞれ異なるものと
するようにしても良い。この場合、p型領域に近い障壁
層ほど、その障壁エネルギーを低くするように、バンド
ギャップが小さくなるような組成比とすればよい。正孔
は、障壁エネルギーが低いほど、隣の量子井戸層に拡散
しやすくなり、結果として、多重量子井戸構造の活性層
内におけるn型領域近傍への正孔の拡散過程を助長する
ことになる。
得られる手段として、量子障壁層に極めて薄い中間層を
設けるようにした。これによれば、正孔がn型領域に拡
散しやすい作用を与えることができる。一般に、量子井
戸構造内のキャリアの存在確率は量子井戸層内にほとん
ど集中するが、前述したように、これら正孔の一部が障
壁層へ染み出し、この染み出した正孔がある一定の割合
で隣の量子井戸層へトンネリングする。ここで、障壁層
中に、この障壁層よりバンドギャップエネルギーが小さ
く、かつ、量子準位の低い中間層を設けておくと、その
トンネリングの確率をより高くすることができる。な
お、この中間層の量子準位は量子井戸層よりは高いもの
である。
例えば量子井戸層に用いる材料における量子準位は、そ
の厚さによって変化するものであり、薄いほど高いもの
となる。すなわち、障壁層の中に形成する中間層とし
て、例えば、より薄い量子井戸層を設けるようにすれば
よい。以上のことにより、正孔がp型領域からn型領域
へ拡散することを助長し、多重量子井戸構造の活性層内
におけるn型領域近傍への正孔の拡散過程を助長するこ
とになる。ただし、この中間層は幅が狭く、電子の量子
準位が障壁層における電子の量子準位とほぼ一致するた
め、量子井戸層とは異なり、レーザ発振には寄与しな
い。
明する。図1は、多重量子井戸構造の活性層におけるバ
ンドギャップの状態を示す説明図である。同図におい
て、同一符号は図7と同様であり、41a〜41eは活
性層4を構成するInGaAsPからなる量子井戸層で
ある。また、42は、量子井戸層41a〜41eよりは
バンドギャップが広いInGaAsPからなり、活性層
4を構成する膜厚10nmの障壁層である。
5nm、量子井戸層41bは4.5nm、量子井戸層4
1cは5.5nm、量子井戸層41dは6.5nm、量
子井戸層41eは7.5nmである。また、量子井戸層
41a〜41eは、n型領域である下部ガイド層3に近
いほどバンドギャップを広げるようにして、それぞれの
量子準位が等しくなるようにすることで、その発振波長
が一致するようにしている。このバンドギャップを広げ
るためには、例えばPの組成比を多くするようにすれば
よい。
し、発振するレーザの室温における特性を調べた。この
結果、発振波長は1.53μmであり、図2の相関図に
実線で示すように、注入電流の増加に対して、光出力も
増加している。そして、図2において、破線で示す従来
構成の半導体レーザ装置の特性に比較して、高出力とな
っていることが分かる。
p型領域側よりn型領域側へとその状態を変化させるよ
うにしたが、これに限るものではない。図3に示すよう
に、まず、膜厚6nmの量子井戸層41は、上部ガイド
層5側から下部ガイド層3側にかけて、膜厚など同一の
特性としておく。そして、膜厚10nmの障壁層42a
〜42cは、上部ガイド層3側ほど、そのバンドギャッ
プが小さくなるように構成してある。このように構成す
ることで、活性層4の上部ガイド層5側では、このp型
領域から注入される正孔の拡散を助長することになる。
そして、活性層4では、下部ガイド層3近くまで正孔が
注入されやすくなる。
薄くするようにしても良い。図4に示すように、障壁層
42a’〜42c’を、上部ガイド層5側より下部ガイ
ド層3側にかけて、その膜厚が4nmから10nmまで
変化するように構成する。このことにより、活性層4の
p型領域である上部ガイド層5側では、トンネリングに
より正孔が障壁層を通り抜ける確率が高くなり、下部ガ
イド層3近くまで正孔が注入されやすくなる。
量子井戸構造の活性層におけるバンドギャップの状態を
示す説明図である。同図において、同一符号は、図1と
同様であり、41はInGaAsPからなる膜厚5.5
nmの活性層4を構成する量子井戸層である。また、4
2’は中間層51が挿入された膜厚13nmの障壁層で
ある。中間層51は量子井戸層41と同一材料により形
成し、その膜厚を2nmとする。そして、2つの中間層
51を3nmの間隔をあけて、均等に障壁層42’内に
配置する。
の低い部分が形成される。すなわち、中間層51におけ
る電子の量子準位52aは、障壁層42’の量子準位よ
りも低く、正孔の量子準位52bも障壁層のそれより低
い。ただし、電子の量子準位52aは量子井戸41にお
ける電子の量子準位53aより高く、また、正孔の量子
準位52bも量子井戸41における正孔の量子準位53
bより高くしておく。これは、バンドギャップのせまい
材料が、形成膜厚に依存してその量子準位を変化させる
特性を利用したものである。膜厚が薄いほど量子準位は
高くなり、障壁層のそれに近づく。
位の低くなった領域を設けておくことで、障壁層42’
における正孔のトンネリングの確率が高くなり、結果と
して、n型領域側の量子井戸層41にまで正孔が注入さ
れやすくなる。以上の構成で、共振器長を500μmと
し、発振するレーザの室温における特性を調べた。この
結果、発振波長は1.53μmであり、前述と同様に、
注入電流の増加に対して光出力も増加し、従来構成の半
導体レーザ装置の特性に比較して、より高出力となっ
た。
きの、光出力の変化の状態を調べた。図6は、その結果
を示す特性図である。ここでは、1つの障壁層全体の厚
さは13nmと一定にして、中間層の厚さを変化させ
た。例えば、中間層の厚さが1nmの場合、障壁層内に
2つの中間層を11/3nmの間隔で均一に配置した。
の範囲である場合に、効果を発揮していることが分か
る。中間層の厚さが2.5nm以上に厚くなると量子準
位が低くなり、量子井戸層の量子準位に近くなり、正孔
拡散の助長効果が無くなってくる。また、中間層を1n
mよりも薄くすると、中間層における量子準位が障壁層
よりも高くなり、正孔のトンネリングの確率を高くする
効果はなくなる。すなわち、中間層においては、量子準
位を量子井戸層より高く、障壁層より低くしておく必要
がある。
層を2層配置するようにしたが、これに限るものではな
い。障壁層中に中間層を1層配置するようにしても、同
様に効果が得られる。ただし、中間層1層の場合、中間
層と量子井戸層との距離が離れるため、中間層2層を配
置して、中間層と量子井戸層との距離を縮めるようにし
た方が、より高い効果が得られる。通常、障壁層として
は、最低10nm程度あった方がよい。ここで、厚さ
2.5nmの中間層を1つだけ厚さ10nmの障壁層内
に配置した場合、中間層と量子井戸層との距離は3.2
5nmとなり、図3に示した場合より離れることにな
る。
みを変化させたり、障壁層のみを変化させるようにした
が、これらを組み合わせるようにしても良い。例えば、
p型半導体領域の近くの量子井戸層の膜厚を最小とし、
n型領域に近づくに従ってその膜厚を厚くすることに加
え、p型半導体領域近くの障壁層の膜厚を最小とし、n
型領域に近づくに従ってその膜厚を厚くするようにして
もよい。また、例えば、図3の構成において、p型半導
体領域側になるにつれて、それぞれの量子準位が一致し
た状態で量子井戸層41の膜厚を薄くしていくようにし
ても良い。
の濃度を変えたInGaAsPを用いるようにしたが、
これに限るものではない。量子井戸層としてInAsP
を用い、障壁層にInGaAsPを用いるようにしても
良い。また、量子井戸層にGaAs,障壁層にAlGa
As、量子井戸層にInGaAlP,障壁層にInGa
AlP、量子井戸層にInGaP,障壁層にInGa
P、また、量子井戸層にInGaP,障壁層にInGa
AlPを用いるようにしても良い。ここで、量子井戸層
と障壁層とで、同一組成の材料を用いる場合、その組成
比を変えて、障壁層に用いる材料の方のバンドギャップ
を大きくすればよい。すなわち、量子井戸層に用いる材
料より、障壁層に用いる材料の方をバンドギャップの大
きいものとし、かつ、それらが格子整合する関係にあれ
ばよい。
井戸層と同一の材料を用いるようにしたが、これに限る
ものではない。障壁層と格子整合し、バンドギャップが
小さい材料を用いるようにすれば、同様の効果を奏す
る。ところで、上記実施例においては、説明を簡略にす
るために、4,5層の量子井戸から構成されている多重
量子井戸構造の場合について説明した。実際には、8層
以上の量子井戸からなる多重量子井戸構造の活性層にお
いて、顕著な効果を発揮するものである。
の活性層における量子井戸層を、この活性層を挾むn型
領域側よりp型領域側になるにつれて、その量子準位が
一致した状態で膜厚を薄くなっていくようにし、バンド
ギャップが小さくなっていくようにした。また、多重量
子井戸構造の活性層における障壁層を、この活性層を挾
むn型領域側よりp型領域側になるにつれて、バンドギ
ャップが小さくなるようにしたり、膜厚が薄くなるよう
にした。そして、本発明では、多重量子井戸構造の活性
層における障壁層の中に、障壁層より量子準位が低い中
間層を設けるようにした。
いて、この活性層を挾むp型領域側より注入された正孔
が、n型領域側の量子井戸にまで、より均一に注入され
るようになる。このため、量子井戸層の層数が多い場合
でも光出力を低下させず、量子井戸層の層数を増やし
て、高出力化ができるという効果がある。
ャップの状態を示す説明図である。
る。
ャップの状態を示す説明図である。
ャップの状態を示す説明図である。
の活性層におけるバンドギャップの状態を示す説明図で
ある。
変化の状態を示す特性図である。
す断面図である。
5…上部ガイド層、6…上部クラッド層、41,41a
〜41e…量子井戸層、42,42a〜42c,42’
…障壁層、51…中間層。
Claims (2)
- 【請求項1】 p型半導体領域とn型半導体領域に挟ま
れ、前記p型半導体領域より順方向電圧が加えられたと
き、前記p型半導体領域より正孔が注入される多重量子
井戸構造の活性層を有する半導体レーザ装置において、 前記活性層を構成する障壁層中に、それよりバンドギャ
ップが小さい材料からなる中間層を有し、前記中間層の量子準位が前記障壁層より小さく前記活性
層を構成する量子井戸層の量子準位より高 いことを特徴
とする半導体レーザ装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザ装置におい
て、 前記活性層を構成する量子井戸層は、前記n型半導体領
域側よりp型半導体領域側になるにつれて、それぞれの
量子準位が一致した状態でその膜厚が薄くなっていく こ
とを特徴とする半導体レーザ装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP05254195A JP3249999B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 半導体レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05254195A JP3249999B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 半導体レーザ装置 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05254195A Expired - Lifetime JP3249999B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | 半導体レーザ装置 |
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