JP3256155B2 - ワイヤソー - Google Patents

ワイヤソー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤを使用し
て、半導体材料、磁性材料、セラミック等の硬脆材料よ
りなるインゴット状のワークに切断加工を施して、所定
厚さのウエハを形成するワイヤソーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のワイヤソーにおいては、
複数の加工用ローラが所定間隔おきに配設され、それら
のローラの外周には複数の環状溝が所定ピッチで形成さ
れている。また、各加工用ローラ間において、環状溝に
は1本のワイヤが順に巻回されている。そして、ワイヤ
が走行されながら、そのワイヤ上に遊離砥粒が供給さ
れ、この状態でワイヤに対しワークが押し付け接触され
て、ワークに切断加工が施されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近のワイヤソーで
は、長尺状のワークから一度に多数のウエハを切断形成
することが要望されるため、加工用ローラが軸線方向に
長くなる傾向にある。ところが、加工用ローラが長くな
りすぎると、ワークの切断加工時に、加工用ローラがワ
イヤとの摩擦により高温になって、そのローラに大きな
熱歪みが生じたり、環状溝のピッチに大きなバラツキが
生じるおそれがある。このため、所定厚さのウエハを、
高精度に切断形成することができないという問題があっ
た。
【0004】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、長尺状のワークから一度に多数のウエハ
を高精度に切断形成することができるワイヤソーを提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、複数の加工用ローラ
間にワイヤを所定ピッチで巻回し、そのワイヤを走行さ
せながら、ワイヤに対しワークを接触させて、切断加工
を施すようにしたワイヤソーにおいて、前記複数の加工
用ローラよりなるローラ群を、ワークに対向してその長
手方向へ複数組並設し、隣接するローラ群間におけるワ
イヤの配列ピッチが同一となるように構成するととも
に、前記加工用ローラの端部に隣接する加工用ローラ群
に巻回されたワイヤが接するのを防止するために、前記
加工用ローラの端部の径を、その中央部の径よりも小さ
く設定したものである。
【0006】従って、請求項1に記載のワイヤソーにお
いては、複数組のローラ群でワイヤが走行されながら、
そのワイヤに対しワークが押し付け接触されて、そのワ
ークがスライス状に切断加工される。このため、ワーク
が長尺状である場合でも、そのワークを複数組のローラ
群に分担して、1度に切断加工することができる。ま
た、各ローラ群の加工用ローラを短くすることが可能に
なる。このため、各加工用ローラに大きな熱歪みが生じ
るおそれはない。よって、所定厚さのウエハを、高精度
に切断形成することができる。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のワイヤソーにおいて、前記ワイヤを複数本装備し
て、複数組のローラ群に対して個別に巻回したものであ
る。請求項3に記載の発明では、請求項1に記載のワイ
ヤソーにおいて、前記ワイヤを1本装備して、複数組の
ローラ群に跨って巻回したものである。
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、この発明の第1の実施形態
を、図面に基づいて説明する。
【0010】図1〜図4に示すように、切断機構11は
装置フレーム12上に装設されている。この切断機構1
1は後述するワーク26に対向してその長手方向に並設
された複数組(実施形態では3組)のローラ群13,1
4,15を備えている。各ローラ群13,14,15
は、平行に延びる1本の加工用駆動ローラ16及び2本
の加工用被動ローラ17を備えている。各ローラ群1
3,14,15において、各加工用ローラ16,17の
軸心は逆3角形を成すように平行配置されている。各加
工用ローラ16,17の外周には所定ピッチの環状溝1
6a,17aが形成されている。なお、図面においては
理解を容易にするために、環状溝16a,17aの数を
実際よりも少なく描いてある。
【0011】3本の線材よりなるワイヤ18は前記各ロ
ーラ群13,14,15において独立した状態で、加工
用ローラ16,17の環状溝16a,17aに連続的に
巻回されている。また、この実施形態においては、隣接
するローラ群13,14,15間におけるワイヤ18の
配列ピッチが同一となるように構成されている。すなわ
ち、各ローラ群13,14間および各ローラ群14,1
5間におけるワイヤ18の配列ピッチが同一となってい
る。そして、所定の加工用ローラ16,17の端部に
は、その中央部の径よりも、その径が若干小さく形成さ
れた小径部16b,17bが設けられている。
【0012】3個のワイヤ走行用モータ19は前記フレ
ーム12上に配設されている。各ワイヤ走行用モータ1
9は、各ローラ群13,14,15の加工用駆動ローラ
16に対し、プーリ20及びベルト21を介して、また
はプーリ20,ベルト21,連結軸22,カップリング
23を介して連結されている。そして、これらのモータ
19により、各ローラ群13,14,15の加工用駆動
ローラ16が駆動回転される。また、この加工用駆動ロ
ーラ16の回転に伴い、ワイヤ18が走行して加工用被
動ローラ17が従動回転される。
【0013】ここで、所定の加工用ローラ16,17の
端部には小径部16b,17bが設けられているため、
隣接する加工用ローラ16,17に巻回されたワイヤ1
8が、任意の加工用ローラ16,17の端部に接するこ
とはない。つまり、小径部16b,17bは、隣接する
加工用ローラ16,17に巻回されたワイヤ18が、任
意の加工用ローラ16,17の端部に接するのを防止す
るための逃代として機能する。そのため、小径部16
b,17bの径は、隣接する加工用ローラ16,17に
巻回されたワイヤ18が、加工用ローラ16,17の端
部から逃げて接しない程度に設定すればよい。尚、小径
部16b,17bはワイヤ18に対する逃げをもたせる
ために設けるものであるため、加工用ローラ16,17
の端部にワイヤ18が接しない場合には省いてもよい。
つまり、図3において、左側の3本の加工用ローラ1
6,17の左側の小径部16b,17b、右側の3本の
加工用ローラ16,17の右側の小径部16b,17
b、中央の3本の加工用ローラ16,17のうち上側と
真ん中の加工用ローラ16,17の両側の小径部16
b,17bなど、加工用ローラ16,17の端部にワイ
ヤ18が接しない部分の小径部16b,17bについて
は設ける必要がないわけである。
【0014】ワーク支持機構24は前記切断機構11の
上方において、フレーム12に立設したコラム40に上
下動可能に支持され、その下部にはスラリ供給管25が
延長配置されている。また、このワーク支持機構24の
下部には、硬脆材料よりなるインゴット状のワーク26
が着脱自在にセットされる。図示しないワーク昇降用モ
ータがコラム40上に配設され、このモータにより図示
しないボールスクリュー等を介してワーク支持機構24
が上下動される。
【0015】そして、このワイヤソーの運転時には、ワ
イヤ18が各ローラ群13,14,15の加工用ローラ
16,17間で双方向に往復走行されながら、ワーク支
持機構24が切断機構11に向かって下降される。この
とき、スラリ供給管25からワイヤ18上へ遊離砥粒を
含むスラリAが供給されるとともに、そのワイヤ18に
対しワーク26が押し付け接触され、スラリに含まれる
遊離砥粒のラッピング作用によってワーク26がスライ
ス状に切断加工されて、所定厚さのウエハが切断形成さ
れる。
【0016】3組のリール機構27は前記各ローラ群1
3,14,15に対応してフレーム12上に装設され、
ワイヤ18を繰り出すための繰出しリール28と、ワイ
ヤ18を巻き取るための巻取りリール29とを備えてい
る。サーボモータよりなる各一対のリール回転用モータ
30,31はフレーム12に配設され、それらのモータ
軸にはリール28,29が連結されている。トラバース
機構32は各リール機構27に隣接してフレーム12上
に装設され、繰出しリール28からのワイヤ18の繰出
し及び巻取りリール29へのワイヤ18の巻取りを上下
にトラバースしながら案内する。なお、繰り出しと巻き
取りは定期的に交互に行われる。
【0017】そして、前記各リール機構27の両リール
28,29の回転により、繰出しリール28から切断機
構11の各ローラ群13,14,15へワイヤ18が前
進,後退を、例えば、10m前進,9m後退のように歩
進的に繰り出されるとともに、加工後のワイヤ18が巻
取りリール29に巻き取られる。また、繰出しリール2
8上のワイヤ18が、切断機構11を経て巻取りリール
29にすべて巻き取られたとき、各リール回転用モータ
30,31の回転方向が切り換えられ、リール28,2
9の繰出し機能及び巻取り機能が反転されて、ワイヤ1
8が反復使用される。
【0018】張力付与機構33及びガイド機構34は、
前記各リール機構27と切断機構11の各ローラ群1
3,14,15との間にそれぞれ配設されている。そし
て、各ローラ群13,14,15の加工用ローラ16,
17間に巻回されたワイヤ18の両端が、ガイド機構3
4の各ガイドローラ35を介して張力付与機構33に掛
装されている。この状態で、各張力付与機構33によ
り、ローラ群13,14,15における加工用ローラ1
6,17間のワイヤ18に対し、所定の張力が付与され
る。
【0019】張力低減機構37は前記各リール機構27
と張力付与機構33との間にそれぞれ配設され、一対の
回転ローラ38を備えている。そして、これらの回転ロ
ーラ38にはワイヤ18が掛装され、3個の回転ローラ
37が回転されることによって、張力付与機構33から
リール機構27の各リール28,29側へ波及するワイ
ヤ18の張力が低減されるようになっている。
【0020】次に、前記のように構成されたワイヤソー
について動作を説明する。さて、このワイヤソーでは、
切断機構11の各ローラ群13,14,15において、
ワイヤ18がリール機構27の繰出しリール28から繰
り出され、加工用ローラ16,17間において双方向へ
間欠的に往復走行された後、最終的に巻取りリール29
に巻き取られる。そして、ワーク支持機構24により、
各ローラ群13,14,15の加工用ローラ16,17
間のワイヤ18上に遊離砥粒を含むスラリAが供給され
ながら、そのワイヤ18に対してワーク26が押し付け
接触される。これにより、ワーク26がスライス状に切
断加工されて、所定厚さのウエハが形成される。
【0021】このように、このワイヤソーでは、複数の
加工用ローラ16,17よりなる3組のローラ群13,
14,15が、ワーク26に対向してその長手方向へ並
設されている。そして、これらのローラ群13,14,
15に巻回されたワイヤ18により、ワーク26が同時
に切断加工されるようになっている。このため、ワーク
支持機構24に長尺状のワーク26を装着した場合で
も、そのワーク26を複数組のローラ群13,14,1
5に分担して、1度に切断加工することができる。
【0022】また、各ローラ群13,14,15の加工
用ローラ16,17が短くなっているので、ワーク26
の切断加工時に、それらのローラ16,17に大きな熱
歪みが生じたり、環状溝16a,17aのピッチに熱に
よる変形に伴う大きなバラツキが生じるおそれはない。
従って、長尺状のワーク26を高精度に切断加工するこ
とができて、厚さの均一なウエハを製作することができ
る。
【0023】本実施形態によって期待できる効果につい
て、以下に記載する。 (a)ワーク26の長手方向に沿って複数組のローラ群
13,14,15が並設され、それらのローラ群13,
14,15に巻回されたワイヤ18により、ワーク26
が同時に切断加工されるようになっている。このため、
ワーク26が長尺状である場合でも、そのワーク26を
複数組のローラ群13,14,15により、1度に能率
良く切断加工することが可能であるため、加工時間を短
縮することができる。
【0024】(b)ワーク26の長手方向に沿って複数
組のローラ群13,14,15が並設されている。この
ため、短いワーク26を各ローラ群13,14,15に
それぞれ対応配置すれば、それら3つのワーク26を1
度に能率良く切断加工することもできる。
【0025】(c)各ローラ群13,14,15の加工
用ローラ16,17が短くなっている。このため、それ
らの加工用ローラ16,17に大きな熱歪みや、溝ピッ
チのバラツキが生じるおそれはなく、所定厚さのウエハ
を高精度に切断形成することができる。
【0026】(d)各ローラ群13,14,15の加工
用ローラ16,17が短くなっている。このため、それ
らの加工用ローラ16,17を表面摩耗時等において交
換する必要がある場合、その交換作業を容易に行うこと
ができる。
【0027】(e)3組のローラ群13,14,15に
対し、3本のワイヤ18が個別に巻回されている。この
ため、各ローラ群13,14,15において、加工用ロ
ーラ16,17上の環状溝16a,17aのピッチ、ワ
イヤ18の線径、ワイヤ18のテンションを任意に設定
変更すれば、長尺状のワーク26から板厚の異なったウ
エハを同時に切断形成することができる。
【0028】(f)各ローラ群13,14,15におい
て、各加工用ローラ16,17の軸心は3角形を成すよ
うに平行配置されている。このため、各加工用ローラ1
6,17に巻回されたワイヤ18のテンションを一定に
保つことが容易になり、ワークの加工精度を向上させる
ことができる。
【0029】(第2の実施形態)次に、この発明の第2
の実施形態を、図5に基づいて説明する。さて、この実
施形態においては、1本のワイヤ18が3組のローラ群
13,14,15を跨ぐように、それらのローラ群1
3,14,15に対し順に巻回されている。このため、
この実施形態のワイヤソーでは、ワイヤ18に関連した
リール機構27、トラバース機構32、張力付与機構3
3、ガイド機構34、張力低減機構35等を、切断機構
11の各ローラ群13,14,15に対応して個別に設
ける必要がない。従って、ワイヤソーの構造が簡単にな
る上に、装置を小型にすることができる。
【0030】なお、この発明を次のように変更して具体
化することも可能である。 (1)前記第1の実施形態において、切断機構11のロ
ーラ群13,14,15の内の1つ、または隣接する2
つを選択的に駆動させて、加工用ローラ16,17の1
本分または2本分の長さのワーク26を切断加工するよ
うに構成すること。
【0031】(2)前記第1の実施形態及び第2実施形
態において、ローラ群13,14,15の並設数を、2
組または4組以上に変更すること。 (3)前記第1の実施形態及び第2実施形態において、
ローラ群13,14,15の駆動構造等を任意に変更す
ること。例えば、各ローラ群13,14,15を1個の
ワイヤ走行用モータ19で駆動するように変更する。
【0032】
【発明の効果】請求項1〜のいずれか1項に記載の発
明によれば、加工用ローラの端部の径を、その中央部の
径よりも小さく設定したため、隣接する加工用ローラに
巻回されたワイヤが、任意の加工用ローラの端部に接す
るのを防止する逃代として機能して、長尺状のワークか
ら一度に多数の所定厚さのウエハを高精度に切断形成す
ることができる。
【0033】請求項2に記載の発明によれば、各ローラ
群の各加工用ローラの寸法形状、ワイヤの線径、ワイヤ
のテンションを任意に設定変更することにより、長尺状
のワークから板厚の異なったウエハを同時に切断形成す
ることができる。また、ワークに対してワイヤの新線送
りが可能になるため、ワークの切断能率を向上させるこ
とができる。
【0034】請求項3に記載の発明によれば、ワイヤを
繰り出し及び巻き取るためのリール機構を各ローラ群に
対応して各別に設ける必要がないため、装置の構造が簡
単になる上に、装置を小型化することができる。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の正面図。
【図2】第1の実施形態の側面図。
【図3】第1の実施形態における加工用ローラの配列構
成を示す概略平面図。
【図4】第1の実施形態における加工用ローラの配列構
成を示す概略斜視図。
【図5】本発明の第2の実施形態における加工用ローラ
の配列構成を示す概略平面図。
【符号の説明】
11…切断機構、13,14,15…ローラ群、16…
加工用駆動ローラ、16a,17a…環状溝、17…加
工用被動ローラ、18…ワイヤ、19…ワイヤ走行用モ
ータ、24…ワーク支持・スラリ供給機構、26…ワー
ク、27…リール機構、28…繰出しリール、29…巻
取りリール

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の加工用ローラ間にワイヤを所定ピ
    ッチで巻回し、そのワイヤを走行させながら、ワイヤに
    対しワークを接触させて、切断加工を施すようにしたワ
    イヤソーにおいて、 前記複数の加工用ローラよりなるローラ群を、ワークに
    対向してその長手方向へ複数組並設し、隣接するローラ
    群間におけるワイヤの配列ピッチが同一となるように構
    成するとともに、前記加工用ローラの端部に隣接する加
    工用ローラ群に巻回されたワイヤが接するのを防止する
    ために、前記加工用ローラの端部の径を、その中央部の
    径よりも小さく設定したワイヤソー。
  2. 【請求項2】 前記ワイヤを複数本装備して、複数組の
    ローラ群に対して個別に巻回した請求項1に記載のワイ
    ヤソー。
  3. 【請求項3】 前記ワイヤを1本装備して、複数組のロ
    ーラ群に跨って巻回した請求項1に記載のワイヤソー。
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