JP3276020B2 - 潜像電荷トラップが形成された静電情報記録媒体、その潜像電荷トラップ形成方法、及び静電情報記録再生方法 - Google Patents

潜像電荷トラップが形成された静電情報記録媒体、その潜像電荷トラップ形成方法、及び静電情報記録再生方法

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JP3276020B2
JP3276020B2 JP24223093A JP24223093A JP3276020B2 JP 3276020 B2 JP3276020 B2 JP 3276020B2 JP 24223093 A JP24223093 A JP 24223093A JP 24223093 A JP24223093 A JP 24223093A JP 3276020 B2 JP3276020 B2 JP 3276020B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極上に潜像電荷トラ
ップを保持した情報記録層を積層した静電情報記録媒
体、及びその潜像電荷トラップ形成方法、及び静電情報
記録再生方法に関し、該トラップに静電荷を捕捉させる
ことにより、例えば静電印刷用のマスターとして有用な
静電情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、支持体上に電極層、光導電性層を
順次積層した感光体と、支持体上に電極層、電荷保持層
を順次積層した静電情報記録媒体とを対向配置し、両電
極層間に電圧を印加して画像露光することにより、電荷
保持層に静電潜像を記録するようにしたものが各種提案
されている。この方法によると、極めて高解像度のアナ
ログ記録が可能であり、静電情報記録方法として優れた
特徴を有するものであるが、電荷保持層表面に記録され
た表面電荷は空気中の湿気、埃等により徐々に減衰する
傾向にある。また、外部からの損傷、接触により静電潜
像が破壊されるという問題もある。
【0003】そのため、電荷保持層に静電潜像を形成し
た後、その表面に保護層を積層したもの、また、電気絶
縁層上に光導電性層、または導電性層を画素単位状にパ
ターンニングして積層し、さらにその上に薄膜状の電気
絶縁性樹脂層を積層して電荷保持層を構成し、電荷保持
層表面に形成された静電潜像をトンネリング現象により
薄膜状の電気絶縁性樹脂層を通過させて、光導電性層ま
たは導電性層に蓄積させることにより、静電潜像を媒体
内部に保持させるものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電荷保
持層が単に電気絶縁性の高い樹脂からのみなる場合に
は、経時的に保持電荷が減衰するという問題があり、ま
た静電潜像の保存操作が必要であり、また、情報記録層
をパターンニングするものは、静電情報記録媒体の作製
工程が複雑であり、また、その画素形成の大きさにより
解像度が制限されてしまうという問題もある。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためのもの
で、静電潜像等の静電情報を静電荷の形態ではなく、電
荷トラップの形態で記録ができる静電情報記録媒体及び
静電情報記録再生方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の静電情報記録媒
体は、少なくとも電極上に含フッ素脂肪族環構造を有す
る重合体のフッ素ガス接触処理物からなる情報記録層を
積層した静電情報記録媒体であって、該情報記録層上に
一様帯電により画像状に静電荷を捕捉する潜像電荷トラ
ップを形成、保持したものであることを特徴とする。
【0007】また、本発明の潜像電荷トラップ形成方法
は、少なくとも電極上に含フッ素脂肪族環構造を有する
重合体のフッ素ガス接触処理物からなる情報記録層を積
層した静電情報記録媒体に、電子、原子、分子、イオン
から選ばれた少なくとも1種を照射するか、光を照射す
るか、或いは情報記録層表面を機械的接触処理するか、
または、該情報記録層上に導電性物質または絶縁性物質
を画像状に積層することにより、情報記録層に一様帯電
により画像状に静電荷を捕捉する潜像電荷トラップを形
成することを特徴とする。
【0008】更に、本発明の静電情報記録再生方法は、
少なくとも電極上に含フッ素脂肪族環構造を有する重合
体のフッ素ガス接触処理物からなる情報記録層を積層し
た静電情報記録媒体であって、該情報記録層に潜像電荷
トラップを保持した静電情報記録媒体における情報記録
層表面を一様帯電して、前記トラップに静電荷を捕捉さ
せた後、該静電荷を電荷読取り、またはトナー現像する
ことにより、情報記録層に記録されている画像を再生す
ることを特徴とする。
【0009】まず、本発明における情報記録層について
説明する。情報記録層は、体積抵抗率が1014(Ω・c
m)以上の含フッ素脂肪族環構造を有する重合体をフッ
素ガスで接触処理して得られるフッ素樹脂層からなる。
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、例えば
主鎖に下記のごとき特定の環構造を有する含フッ素重合
体が挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】(但し、lは0〜5、mは0〜4、nは0
〜1、l+m+nは1〜6、RはF又はCF3 )
【0012】
【化2】
【0013】(但し、o、p、qは0〜5、o+p+q
は1〜6)
【0014】
【化3】
【0015】(但し、R1 、R2 はF又はCF3 )これ
らのうち、次のごとき環構造を有する重合体が代表的で
ある。但し、本発明の内容はこれらのみに限定されるも
のではない。
【0016】
【化4】
【0017】パーフルオロ脂肪族環状構造を有する重合
体を例示したが、他にも、上記例示のフッ素原子の一部
が他の水素原子や有機基で置換されたもの、或いはメタ
セシス重合で得られる
【0018】
【化5】
【0019】のごとき環構造を有するものも挙げられ
る。
【0020】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、
特開平4−189802号公報に開示の含フッ素単量体
を原料とし、同じく同公報に開示される製造方法により
製造される。なお、同公報の実施例において製造される
重合体Aは、例えば旭硝子(株)製の商標名「サイトッ
プ」(標準グレード)として市販されるものである。ま
た、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体を架橋処理し
て得られる重合体でもよい。
【0021】本発明における情報記録層は、上記の含フ
ッ素脂肪族環構造を有する重合体をフッ素ガスで接触処
理して得られるものである。以下、その作製例を記載す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】(作製例)パーフルオロブテニルビニルエ
ーテルを35g、R113を5g、イオン交換水を15
0g、メタノールを25g及び重合開始剤として、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネートを90mgを、内
容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れ
た。系内を3回窒素で置換した後、40℃で23時間懸
濁重合を行ない、重合体Aを28g得た。
【0023】この重合体Aの赤外線吸収スペクトルを測
定したところ、モノマーに存在した二重結合に起因する
1550cm-1、1840cm-1付近の吸収はなかっ
た。さらに、19FのNMRスペクトルを測定したとこ
ろ、以下の繰り返し構造を示すスペクトルが得られた。
【0024】
【化6】
【0025】重合体Aのガラス転移点は110℃であ
り、室温では透明なガラス体である。また、10%熱分
解温度は462℃である。吸水率は0.01%以下、室
温での誘電率は2.2(80Hz〜1MHz)、体積抵
抗は1017Ω・cm以上である。
【0026】次に、重合体Aの5gを、ステンレス製1
リットルのオートクレーブに入れ、系内を3回窒素で置
換した後、30Torrまで減圧した。その後、系内に
窒素で14%に希釈したフッ素ガスを760Torrま
で導入し、230℃で6時間接触処理した。その結果重
合体Bが5g得られた。重合体Bのような弗素化処理物
は、特開平4−189802号公報に記載されており、
旭硝子(株)製の商標名「サイトップ」(紫外線高透過
性グレード)として市販されている。
【0027】本発明の情報記録層は、このフッ素ガスと
接触処理されたフッ素樹脂層をパーフルオロ(2−ブチ
ルテトラヒドロフラン)等のフッ素系溶剤に溶解させ
て、2%〜13%溶液とし、スピンナーコーティング、
ディッピング、ブレードコート法等により、電極上に塗
布して形成される。情報記録層の乾燥後膜厚は、1μm
〜10μm、好ましくは1μm〜5μmとするとよい。
【0028】このようにして得られる情報記録層は、室
温(25℃)条件下で、その表面を弱いコロナで帯電さ
せても、その層幅方向での電荷移動が生じ、電荷蓄積能
を殆ど有しない特性を有する。特開平4−189802
号公報の比較例1、比較例2により処理された重合体
は、このような電荷輸送性を示さないものであり、この
特定の含フッ素脂肪族環構造を有する重合体をフッ素ガ
スで接触処理することにより、その末端基がフッ素ガス
処理により不活性化され、帯電性が失活するのではない
かと推測される。
【0029】しかしながら、この特定の情報記録層を強
いコロナで帯電させると、帯電特性を有するに至り、そ
の際、蓄積された電荷を加熱等により消去した後も、情
報記録層には電荷トラップが画像状に残存し、弱いコロ
ナによる帯電等で、再度そのトラップに電荷を蓄積させ
ることができることが見出された。
【0030】潜像電荷トラップは、下記の(1)〜
(4)の方法により形成される。 (1)情報記録層表面に、ある電圧以上のコロナ電圧で
帯電を行なうこと(強条件)により潜像電荷トラップを
形成できる。コロナ電圧が一定電圧以下であると潜像電
荷トラップは形成されない。強条件で帯電された後は、
この電荷はトラップに安定して保持されるが、加熱、ま
たは逆電荷の印加により消去される。しかしながら、本
発明における情報記録層においては、電荷が消去されて
も、電荷を有しないトラップが残存する。このトラップ
には、情報記録層表面に上記の一定電圧以下のコロナ電
圧で帯電することにより再度電荷を蓄積させることがで
きる。即ち、本発明における情報記録層は、潜像電荷が
消去されても、再度の帯電処理により潜像電荷を発生さ
せることができるものである。
【0031】このような潜像電荷トラップは、強条件で
のコロナ帯電以外にも、例えば電子ビーム等の加速され
た電子、イオン流、原子、分子等の照射によっても形成
することができる。
【0032】また、潜像電荷トラップは、本発明の静電
情報記録媒体と情報書込み用電極とをμmオーダーの空
隙を介して対向させ、両電極間に電圧を印加し、放電記
録することによっても、潜像電荷トラップを形成させる
ことができる。
【0033】更に、電極上に光導電層が積層された感光
体を使用し、本発明の情報記録媒体とμmオーダーでの
空隙を介して対向させ、両電極間に電圧印加すると共に
像露光することによって、画像状に潜像電荷トラップを
形成させることもできる。
【0034】(2)また、潜像電荷トラップは、情報記
録層表面に光照射することによっても形成することがで
きる。光としては特に紫外光以下の短波長光が好まし
い。この場合には、形成されるトラップには電荷は蓄積
されてなく、上記(1)で記載したコロナ帯電等の方法
により帯電させることができる。
【0035】(3)また、潜像電荷トラップは、情報記
録層表面を機械的に摩擦することによっても形成するこ
とができる。
【0036】(4)更に、潜像電荷トラップは、情報記
録層上に金属等の導電性微粒子、或いは有機物質等の絶
縁性微粒子を積層することによっても形成することがで
きる。
【0037】本発明の静電情報記録媒体における電極
は、比抵抗値が106 Ω・cm以下であれば限定されな
く、無機金属導電膜、無機金属酸化物導電膜、或いは四
級アンモニウム塩等の有機導電膜等であり、支持体上
に、蒸着、スパッタリング、CVD、コーティング、メ
ッキ、ディッピング、電解重合等の方法により形成され
るか、または支持体上に接着して形成される。その膜厚
は、電極を構成する材料の電気特性、および情報記録の
際の印加電圧により変化させる必要があるが、例えばア
ルミニウムであれば100〜3000Å程度であり、支
持体と情報記録層との間の全面、或いは情報記録層の形
成パターンに合わせて形成される。また、情報記録層と
してそれ自体強度を有するフィルム状のものを使用する
場合には、裏面に上記同様に電極材料を蒸着等の方法に
より形成してもよい。
【0038】本発明の静電情報記録媒体において、支持
体を有する場合には支持体/電極/樹脂層の順次積層構
造とされる。支持体は、静電情報記録媒体を強度的に支
持することができるある程度の強度を有していれば、そ
の材質、厚みは特に制限がなく、例えば可撓性のあるプ
ラスチックフィルム、金属箔、紙、或いは硝子、プラス
チックシート、金属板(電極を兼ねることもできる)等
の剛体を使用でき、また静電情報記録媒体がフレキシブ
ルなフィルム、テープ、ディスク形状をとる場合には、
フレキシブル性のあるプラスチックフィルムが使用さ
れ、強度が要求される場合には剛性のあるシート、ガラ
ス等の無機材料等が使用される。尚、情報記録層がそれ
自体強度を有するフィルム状のものを使用する場合には
不要である。
【0039】静電情報記録媒体は、記録される情報、あ
るいは記録の方法により種々の形状をとることができ
る。例えば静電カメラ(同一出願人による特願昭63−
121591号)に用いられる場合には、一般のフィル
ム(単コマ、連続コマ用)形状、あるいはディスク状と
なり、レーザー等によりデジタル情報、またはアナログ
情報を記録する場合には、テープ形状、ディスク形状、
あるいはカード形状となる。
【0040】次に、本発明における静電情報記録再生方
法について説明する。本発明の静電情報記録媒体におけ
る潜像電荷トラップには、上述したように、その形成時
に既に電荷を有し、帯電している場合がある。この際、
記録された情報電荷は、電位読取装置により再生するこ
ともでき、或いは、トナー現像等により可視化し、再生
することもできる。
【0041】また、潜像電荷トラップに潜像電荷を有し
ていても、その電荷は加熱や逆電荷を印加することによ
り消去されるが、消去されても電荷トラップ自体は安定
して保持されており、このように電荷が消去されたトラ
ップや、上述したようにその形成時に潜像電荷を有しな
いトラップを形成させた場合には、情報記録層表面を弱
いコロナ帯電等により帯電させ、潜像電荷トラップに電
荷を蓄積させてから、後に、上記と同様に情報として再
生される。
【0042】
【作用】本発明の静電情報記録媒体における情報記録層
は、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体をフッ素ガス
で接触処理したものであり、弱い帯電では電荷が蓄積さ
れず、リークしてしまう性質があるが、強条件での帯
電、感光体を使用しての電圧印加露光、イオン照射、電
子ビーム照射、光照射、機械的接触等により、潜像電荷
トラップが情報記録層に形成されるものである。
【0043】トラップに潜像電荷が捕捉されている場合
には、加熱しても、トラップに捕捉された電荷がリーク
するのみでトラップは消滅しないものであり、再度、コ
ロナ帯電器等により弱条件で帯電するとトラップで電荷
を捕捉し、容易に静電潜像が形成される。以下、実施例
により本発明を説明する。
【0044】
【実施例1】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体のフ
ッ素ガス接触処理物(商品名CTX−807S、旭硝子
(株)製)のパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフ
ラン)に溶解させた7%溶液を、ガラス基板上に蒸着形
成した酸化インジウム錫膜(膜厚1000Å、抵抗10
0Ω/□)上にスピンナーコーティング(700rp
m、20sec.)し、25℃で2時間レベリングした
後、180℃、1時間で乾燥させ、膜厚2μmの情報記
録層を形成した。
【0045】この静電情報記録媒体と、ガラス基板上に
酸化インジウム錫膜(膜厚1000Å、抵抗100Ω/
□)を蒸着形成した電極板とを、膜厚6μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムをスペーサーとし、静電情
報記録媒体における情報記録層と情報記録用電極を、空
隙を介して対向させ、両電極間に情報記録用電極側を負
とし、−600V、100msの電圧印加をパターン状
に行なった。
【0046】この電圧印加後、静電情報記録媒体の情報
記録層における表面電位測定したところ、電圧印加部で
は−62Vの表面電位を有していた。
【0047】次いで、ホットプレート上に静電情報記録
媒体を乗せ、200℃で10秒間加熱したところ、情報
記録層における電圧印加部での表面電位は0Vとなっ
た。
【0048】この情報記録層における電圧印加部、電圧
未印加部を一様に、コロナ帯電器を使用し、帯電させ
た。帯電条件は、コロナ電圧:−7Kv、情報記録層−
コロナワイヤー間距離:3cm、コロナ帯電時間:5秒
間である。
【0049】帯電後、その表面電位を測定したところ、
上記の情報記録用電極による電圧を印加してない部位で
は−35Vであるのに対して、電圧印加部では−145
Vであった。これにより、情報記録層においては、情報
記録用電極を使用しての電圧印加した部分での帯電能が
上昇することがわかった。
【0050】
【実施例2】ポリビニルカルバゾールと2,4,7−ト
リニトロフルオレノン(TNF)を1:1(モル比)で
テトラヒドロフランに溶解させ、8%溶液とした後、ガ
ラス基板上に蒸着形成した酸化インジウム錫膜(膜厚1
000Å、抵抗100Ω/□)上にブレードコーティン
グ(ギャップ厚、4ミル)し、60℃、2時間で乾燥さ
せ、膜厚10μmの光導電層を積層し、感光体を作製し
た。
【0051】この感光体と実施例1で作製した静電情報
記録媒体とを、膜厚12μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムをスペーサーとし、静電情報記録媒体にお
ける情報記録層と感光体における光導電層を、空隙を介
して対向させ、感光体上に光照射部、非照射部を形成し
た後、両電極間に感光体電極を負とし、−800V、1
0秒の電圧印加を行なった。
【0052】この電圧印加後、静電情報記録媒体を感光
体から分離し、情報記録層における表面電位測定したと
ころ光照射部では−170Vの表面電位を有していた。
【0053】次いで、ホットプレート上に静電情報記録
媒体を乗せ、250℃で30秒間加熱したところ、情報
記録層における光照射部での表面電位は0Vとなった。
【0054】この情報記録層における光照射部、非照射
部を一様に、グリッド電極を有するスコロトロン帯電器
を使用して帯電させた。帯電条件は、コロナ電圧:−7
Kv、グリッド電圧:−800V、情報記録層−コロナ
ワイヤー間距離:3cm、グリッド−コロナワイヤー間
距離:1.3cm、コロナ帯電時間:30秒間である。
【0055】帯電後、表面電位を測定したところ、非照
射部位では−40Vであるのに対して、光照射部では−
100Vの表面電位が測定された。これにより、情報記
録層においては、感光体に光を照射して電圧印加した部
分での帯電能が上昇することがわかる。光照射部と非照
射部について、そのコロナ帯電時間(秒)と帯電後電位
(V)との関係を図1に示す。尚、図中、○は非照射
部、●は光照射部における表面電位である。
【0056】
【実施例3】EB照射装置(キュアトロンEBC−20
0−AA2、日新ハイボルテージ(株)製)を用い、下
記の条件で、実施例1で作製した静電情報記録媒体の情
報記録層表面にEB照射した。照射条件:加速電圧11
0KV、電子流12mA、搬送速度15m/min.
(照射線量:10Mrad)。
【0057】EB照射後、情報記録層表面の電位は0V
であった。実施例1と同じコロナ帯電条件で、情報記録
層表面におけるEB照射部とEB未照射部を一様に帯電
し、その帯電後電位を測定した。
【0058】図2に、そのコロナ帯電時間と帯電後電位
の関係を示す。EB未照射部(○)は−42Vに帯電し
たのに対して、EB照射部(●)は −505Vに帯電
した。この結果から、EB照射によりその帯電能が上昇
することがわかる。
【0059】
【実施例4】ROM ERASER(RE−908、サ
ンハヤト(株)製)を用いて、次に示す条件で、実施例
1で作製した静電情報記録媒体における情報記録層表面
に紫外線照射をした。紫外線照射条件:UV光源−水銀
ランプ(253nm)、試料−光源間距離1cm、照射
時間40分。
【0060】紫外線照射後、情報記録層の表面電位は0
Vであった。実施例1と同じコロナ帯電条件で、情報記
録層表面におけるUV照射部とUV未照射部を一様に帯
電し、その帯電後電位を測定した。
【0061】図3に、そのコロナ帯電時間と帯電後電位
の関係を示す。UV未照射部(○)は−35Vに帯電し
たのに対して、UV照射部(●)は −140Vに帯電
した。この結果から、UV照射によりその帯電能が上昇
することがわかる。
【0062】
【実施例5】実施例1で作製した静電情報記録媒体にお
ける情報記録層表面を下記に示すコロナ帯電条件で帯電
させた。コロナ帯電条件:コロナ電圧:−10KV、試
料−コロナワイヤ間距離1.3cm、コロナ帯電時間1
秒。
【0063】コロナ帯電後、情報記録層の表面電位は−
143Vであった。ホットプレート上に静電情報記録媒
体を乗せ、200℃で10秒間加熱したところ、情報記
録層における表面電位は0Vとなった。表面電位消去
後、情報記録層表面のコロナ帯電部及びその未帯電部を
一様に実施例1同様のコロナ帯電条件で帯電し、その帯
電後電位を測定した。
【0064】図4にコロナ帯電時間と帯電後電位の関係
を示す。強条件でのコロナ未帯電部では−35Vに帯電
したのに対して、コロナ帯電部では−90Vに帯電し
た。この結果から、強いエネルギー条件でのコロナ帯電
により情報記録層の帯電能が上昇することがわかる。
【0065】次に、比較として、上記の強条件でのコロ
ナ帯電条件を、下記のごとく弱い条件として同様に実施
例1で作製した静電情報記録媒体における情報記録層表
面を帯電させた。コロナ帯電条件:コロナ電圧:−7K
V、試料−コロナワイヤ間距離3cm、コロナ帯電時間
15分。
【0066】コロナ帯電後、情報記録層の表面電位は−
200Vであった。ホットプレート上に静電情報記録媒
体を乗せ、200℃で10秒間加熱したところ、情報記
録層における表面電位は0Vとなった。表面電位消去
後、情報記録層表面のコロナ帯電部及びその未帯電部を
一様に実施例1同様のコロナ帯電条件で帯電し、その帯
電後電位を測定した。
【0067】この条件でのコロナ未帯電部では−35V
に帯電したのに対して、コロナ帯電部でも−35Vの帯
電であり、弱いエネルギー条件でのコロナ帯電では情報
記録層の帯電能には影響を与えないことがわかった。
【0068】
【実施例6】実施例1で作製した静電情報記録媒体にお
ける情報記録層表面を、セルロース100%ワイパーを
使用して、20回擦った。摩擦により情報記録層表面は
−175Vに帯電した。ホットプレート上に静電情報記
録媒体を乗せ、200℃で10秒間加熱したところ、情
報記録層における表面電位は0Vとなった。
【0069】表面電位消去後、情報記録層表面の摩擦部
及び非摩擦部を一様に実施例1同様のコロナ帯電条件で
帯電し、その帯電後電位を測定した。
【0070】図5にコロナ帯電時間と帯電後電位との関
係を示す。未摩擦部では−30Vに帯電したのに対し
て、摩擦部では−200Vの帯電であり、この結果か
ら、摩擦によって情報記録層の帯電能が上昇したことが
わかる。
【0071】
【実施例7】実施例1で作製した静電情報記録媒体にお
ける情報記録層上の一部分に、金を1000Åの膜厚で
スパッタ法により蒸着させ、トラップ形成をおこなっ
た。
【0072】この情報記録層における金が蒸着された部
分と蒸着されていない部分を一様に、コロナ帯電器を使
用し、帯電させた。帯電条件は、コロナ電圧:−7K
v、情報記録層−コロナワイヤー間距離:3cm、コロ
ナ帯電時間:10秒間である。帯電後、その表面電位を
測定したところ、金が蒸着されていない部分では−60
Vであるのに対して、金が蒸着された部分では−600
Vであった。これにより、本発明の情報記録層において
は、金を蒸着させた部分での帯電能が上昇することがわ
かる。
【0073】
【発明の効果】本発明の静電情報記録媒体は、記録され
た静電潜像は消去されても、帯電機能を有するトラップ
は残存させることができ、再度電荷を蓄積させることが
できるので、記録情報のセキュリティを格段に向上させ
ることが可能となる。
【0074】また、本発明の静電情報記録媒体は、画像
情報を帯電部、非帯電部としてパターニング記録可能で
あり、一様帯電とトナー現像、紙へのトナー転写を繰り
返し行なうような静電印刷用のマスター等としての利用
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の静電情報記録媒体を、感光
体を使用して作製した際の電圧未印加部と電圧印加部に
ついて、コロナワイアーによる帯電を行ない、そのコロ
ナ帯電時間(秒)と帯電後電位(V)との関係を示す図
である。
【図2】 図2は、本発明の静電情報記録媒体に、EB
照射した後、コロナワイヤーによる帯電を行ない、その
コロナ帯電時間と帯電後電位の関係を示す図である。
【図3】 図3は、本発明の静電情報記録媒体に、UV
照射した後、コロナワイアーによる帯電を行ない、その
コロナ帯電時間と帯電後電位の関係を示す図である。
【図4】 図4は、本発明の静電情報記録媒体に、強条
件でのコロナ帯電した後、コロナワイヤーによる弱条件
での帯電を行ない、その弱条件でのコロナ帯電時間と帯
電後電位の関係を示す。
【図5】 図5は、本発明の静電情報記録媒体の情報記
録層表面に、機械的摩擦処理を行なった後、コロナワイ
ヤーによる帯電を行ない、そのコロナ帯電時間と帯電後
電位との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 佳世子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−73769(JP,A) 特開 平3−7942(JP,A) 特開 平4−189802(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電極上に含フッ素脂肪族環構
    造を有する重合体のフッ素ガス接触処理物からなる情報
    記録層を積層した静電情報記録媒体であって、該情報記
    録層上に一様帯電により画像状に静電荷を捕捉する潜像
    電荷トラップを形成、保持したものであることを特徴と
    する静電情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 少なくとも電極上に含フッ素脂肪族環構
    造を有する重合体のフッ素ガス接触処理物からなる情報
    記録層を積層した静電情報記録媒体に、電子、原子、分
    子、イオンから選ばれた少なくとも1種を照射して情報
    記録層に一様帯電により画像状に静電荷を捕捉する潜像
    電荷トラップを形成することを特徴とする潜像電荷トラ
    ップ形成方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも電極上に含フッ素脂肪族環構
    造を有する重合体のフッ素ガス接触処理物からなる情報
    記録層を積層した静電情報記録媒体に、光を照射して情
    報記録層に一様帯電により画像状に静電荷を捕捉する潜
    像電荷トラップを形成することを特徴とする潜像電荷ト
    ラップ形成方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも電極上に含フッ素脂肪族環構
    造を有する重合体のフッ素ガス接触処理物からなる情報
    記録層を積層した静電情報記録媒体における情報記録層
    表面を機械的接触処理し、情報記録層に一様帯電により
    画像状に静電荷を捕捉する潜像電荷トラップを形成する
    ことを特徴とする潜像電荷トラップ形成方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも電極上に含フッ素脂肪族環構
    造を有する重合体のフッ素ガス接触処理物層からなる情
    報記録層を積層すると共に、該情報記録層上に導電性物
    質または絶縁性物質を画像状に積層することにより、情
    報記録層に一様帯電により画像状に静電荷を捕捉する潜
    像電荷トラップを形成することを特徴とする潜像電荷ト
    ラップ形成方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも電極上に含フッ素脂肪族環構
    造を有する重合体のフッ素ガス接触処理物からなる情報
    記録層を積層した静電情報記録媒体であって、該情報記
    録層に潜像電荷トラップを保持した静電情報記録媒体に
    おける情報記録層表面を一様帯電して、前記トラップに
    静電荷を捕捉させた後、該静電荷を電荷読取り、または
    トナー現像し、情報記録層に記録されている画像を再生
    することを特徴とする静電情報記録再生方法。
JP24223093A 1992-09-30 1993-09-29 潜像電荷トラップが形成された静電情報記録媒体、その潜像電荷トラップ形成方法、及び静電情報記録再生方法 Expired - Fee Related JP3276020B2 (ja)

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