JP3296370B2 - 可逆的感熱記録媒体の記録の消色方法 - Google Patents

可逆的感熱記録媒体の記録の消色方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子供与性呈色性化合
物と電子受容性化合物間の発色反応を利用した記録方法
に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、電子供与性呈色性化
合物(以下、発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以
下、顕色剤とも言う)との間の発色反応を利用した感熱
記録媒体は広く知られ、電子計算機のアウトプット、フ
ァクシミリ、自動券売機、科学計測機のプリンター、C
RT医療計測用プリンター等に広く応用されている。し
かし、従来の製品は、いずれも、その発色が不可逆的な
もので、発色と消色を交互に繰り返し行わせることがで
きない。
【0003】一方、特許公報によれば、発色と消色を可
逆的に行わせるものも提案されており、例えば、顕色
剤として没食子酸とフロログルシノールを組合せたもの
を用いる特開昭60−193691号公報、顕色剤に
フェノールフタレインやチモールフタレイン等の化合物
を用いる特開昭61−237684号公報、発色剤と
顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含
有する特開昭62−138556号、特開昭62−13
8568号及び特開昭62−140881号公報、顕
色剤に没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いる特開
平2−188294号公報、顕色剤にビス(ヒドロキ
シフェニル)酢酸又は酪酸と高級脂肪族アミンとの塩を
用いる特開平2−188293号公報等が開示されてい
る。しかしながら、以上に示した従来の可逆的感熱記録
媒体には種々の問題が残されており、未だ充分満足し得
るものではない。
【0004】本出願人は、先に顕色剤として長鎖脂肪族
基を持つ有機リン酸やカルボキシル化合物、フェノール
化合物、ヒドロキシホスホン酸等の化合物を用い、これ
を発色剤としてのフルオラン化合物等と組合せることに
よって、その発色と消色を加熱のみで容易に行わせるこ
とができ、しかもその発色状態と消色状態を常温におい
て保持することが可能で、且つ消色温度が発色温度より
も低く、その上、画像の形成及び消去を温度変化により
何度も繰り返すことのできる可逆的熱発色性組成物、及
びこれを記録層に含有する可逆的感熱記録媒体を提案し
た(特願平3−355078)。この可逆的感熱記録媒
体は、多数回の繰り返し使用においても発色濃度低下等
の問題を起こさず、従来技術からは考えられないほど多
数回の使用が可能である。しかし、該記録媒体の記録消
去には若干の問題があり、特に消色温度等の消色条件が
適正でないと、消色時間を長くしても充分な記録消去が
できない場合が多いことが分かった。この場合の消色不
良は、新しい印字の判読が困難になる程のものでなく、
無色に近い軽度の消色不良であるが、機密保持の点から
は大きな問題であるし、鮮明度の点からも好ましいこと
ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発色・記録
状態にある前記可逆的感熱記録媒体の記録を消去する際
に、機密保持の点からも全く問題とならない程度に、充
分消色した記録媒体が得られるような記録消去方法を提
供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決べく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明によれば発色剤と顕色剤を含
む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録状態を形
成し、発色温度より低温に加熱すると発色状態の凝集構
造から該電子受容性化合物が分離・結晶化して記録の消
えた消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体に形成され
た発色記録を消去する方法において、その発色記録状態
にある該記録層を高速度消色温度域より一たん高い温度
域に加熱保持した後、該高速度消色温度域に加熱保持す
ることを特徴とする可逆的感熱記録媒体の記録の消去方
法が提供される。
【0007】本発明で用いる可逆的感熱記録媒体は、加
熱により瞬時に発色し、その発色状態は常温でも安定的
に存在するが、発色状態の記録層は発色温度以下の加熱
により消色し、その消色状態は常温においても安定的に
存在するものである。本発明で用いる可逆的感熱記録媒
体の発色と消色、すなわち画像形成と画像消去の原理を
図1に示したグラフによって説明する。グラフの縦軸は
発色濃度を表わし、横軸は温度を表わしており、実線1
は加熱による画像形成過程を、破線3は加熱による画像
消去過程を示したものである。Aは完全消去状態におけ
る濃度であり、BはT1以上の温度に加熱した時の飽和
発色状態における濃度であり、Cは飽和発色状態のT0
以下の温度における濃度であり、DはT0〜T1間の温度
で加熱消去した時の濃度を示している。
【0008】本発明の可逆的感熱記録媒体は、T0以下
の温度では無色の状態(A)にある。記録を行うには、
サーマルヘッド等でT1以上の温度に加熱すれば良く、
発色(B)して記録画像を形成する。この記録画像は実
線2に従ってT0以下の温度に戻してもそのままの状態
(C)を保ち、記録のメモリー性は失われない。次に記
録画像の消去を行うには、形成された記録画像を発色温
度より低いT0〜T1間の温度に加熱すれば良く、無色の
状態(D)になる。この状態はT0以下の温度に戻して
もそのまま保持される(A)。すなわち、記録画像の形
成過程は実線ABCの経路により、Cに至り記録が保持
される。記録画像の消去過程は破線CDAの経路によ
り、Aに至り消去状態が保持される。この記録画像の形
成と消去の挙動特性は可逆性を持ち、何回も繰り返し行
うことができる。
【0009】図2は画像形成及び画像消去の一例を示し
た説明図であって、Sは支持体、Lは可逆的感熱記録層
である。画像形成工程(A)→(B)は画像形成用熱
源、例えばサーマルヘッドHによって図1のT1以上の
温度で記録印字を行うことによって達成される。次に画
像消去工程(B)→(A)は画像消去熱源、例えば加熱
ロールRによってT0〜T1間の温度に加熱することによ
り達成される。図2において、Pは発色画像を示す。本
発明の可逆的感熱記録媒体は、発色剤と顕色剤を必須成
分としている。そして、本発明の可逆的感熱記録媒体の
発色は、可逆的感熱記録層を構成する顕色剤と発色剤が
加熱によって共融反応して形成された発色体組成物を、
室温まで冷却することにより得られるものである。この
発色体組成物は、溶融温度より低温側に消色温度領域を
持つため、溶融発色状態から発色を保持したまま冷却し
て常温にするには、一般的には急冷であることが好まし
い。徐冷になると消色温度領域を通るときに多少の消色
が起き、濃度が低下することが多い。
【0010】発色体組成物は、発色剤と顕色剤の分子が
相互作用し、発色剤のラクトン環が開環して発色してい
るものと考えられる。溶融状態から急冷された組成物
は、発色体分子のほか発色体の形成には直接関与しない
顕色剤分子と発色剤分子を含んでいる。本発明の可逆的
感熱記録媒体において、常温時の発色体組成物はこれら
の分子間に凝集力が働き固化した状態にある。また、発
色体組成物の凝集構造は何らかの規則性を示すが、非常
に規則性の高い場合とあまり規則性の高くない場合があ
る。これは、顕色剤と発色剤の組合せや量比や冷却条件
に依存する。このような凝集構造が形成される主因は、
発色体を形成している顕色剤分子のアルキル鎖構造部分
と、発色体を形成していない過剰分の顕色剤分子のアル
キル鎖構造部分の間に何等かの結合力が働いているため
と推定される。このような凝集構造を形成していること
が、該発色体組成物の消色現象と関係するものである。
【0011】発色体組成物は、その発色状態を特定の温
度領域に加熱することにより消色させることができる。
この消色過程では、発色状態の凝集構造が変化し、最終
的に発色体組成物から顕色剤分子が分離・結晶化して顕
色剤単独の結晶を作り、安定した消色状態となることが
X線によって確認されている。このように本発明の可逆
的感熱記録媒体では、発色状態の形成とその消色過程に
対し、顕色剤のアルキル鎖部分が大きな役割を果してい
ることが明白であり、これが本発明の可逆的感熱記録媒
体に形成される発色体組成物の特徴である。また、その
ため顕色剤の持つアルキル鎖部分の長さで消色温度の制
御が可能となり、鎖長が長くなるほど発色及び消色温度
が高温側へシフトする事が多い。これは、該部分の長さ
によって顕色剤分子の凝集や運動性が変化するためであ
る。
【0012】本発明で使用する記録媒体の記録層に形成
される前記の可逆的熱発色性組成物は、基本的にはアル
キル鎖構造部分を持つ前記顕色剤と発色剤とを組合せた
組成物であり、個々の顕色剤に対して好ましい発色剤が
存在する。この可逆的熱発色性組成物に用いる顕色剤と
発色剤の組合せは、両者を溶融温度以上に加熱して得ら
れる発色状態組成物を、溶融温度より低温へ加熱したと
きに起る消色のし易さ(消色性)と、発色状態の色調等
の特性で適当に選択される。このうち消色性は、その組
合せで得られる発色状態組成物の示差熱分析(DT
A)、又は示差走査熱量分析(DSC)における昇温過
程に現れる発熱ピークの有無で判断できる。この発熱ピ
ークは、前記組成物を特徴づける消色現象と対応するも
のであり、消色性の良好な組合せを選択する基準とな
る。なお、本発明で用いる可逆的感熱記録媒体では、可
逆的感熱記録層に第3物質が存在してもかまわず、例え
ば高分子化合物が存在してもその可逆的な消・発色挙動
を保つことができる。
【0013】本発明で使用する可逆的感熱記録媒体にお
いて、発色剤と組合せて用いられる顕色剤は、基本的に
分子内に発色剤を発色させることができる顕色能を示す
構造と、分子間の凝集力をコントロールするアルキル鎖
構造部分を併せ持つ化合物であり、炭素数12以上の脂
肪族基を持つ有機リン酸化合物や脂肪族カルボン酸化合
物やフェノール化合物、又は炭素数10〜18の脂肪族
基を持つメルカプト酢酸の金属塩、或いは炭素数5〜8
のアルキル基を持つカフェー酸のアルキルエステルであ
る。脂肪族基には直鎖状又は分枝状のアルキル基及びア
ルケニル基が包含され、ハロゲン、アルコキシ基、エス
テル基等の置換基を持っていてもよい。本発明で使用さ
れる記録媒体を構成する可逆的熱発色性組成物は、基本
的に前記顕色剤と発色剤を組合せて構成されるものであ
る。発色剤は電子供与性を示す無色或いは淡色の染料前
駆体であり、特に限定されず、従来公知のトリフェニル
メタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノ
チアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インド
リノフタリド系化合物等が用いられる。上記の本発明で
使用される顕色剤及び発色剤の具体例は、特願平3−3
55078、特願平4−191643及び特願平4−2
07604に詳記されている。
【0014】本発明で使用される可逆的感熱記録媒体に
おいて、可逆的感熱記録層内の発色剤と顕色剤の割合
は、使用する化合物の物性によって適切な比率を選択す
る必要がある。その範囲はおおむねモル比で発色剤1に
対し顕色剤が1から20の範囲であり、好ましくは2か
ら10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくと
も、また多くても発色状態の濃度が低くなり実用上の問
題となる。また、上記の好ましい範囲にあっても発色剤
と顕色剤の割合によって消色特性は変化し、比較的顕色
剤が多い場合には消色開始温度が低くなり、比較的少な
い場合には消色が温度に対してシャープになる。したが
って、この割合は用途や目的に応じて適当に選択しなけ
ればならない。前記の可逆的熱発色性組成物は、基本的
に前記の顕色剤と発色剤で成り立つものであるが、種々
の特性、例えば消色性や保存性等の改善を目的として、
顕色剤の結晶化をコントロールする効果のある添加剤等
を含有させることができる。
【0015】本発明で使用される可逆的感熱記録媒体
は、前記の可逆的熱発色性組成物を含む記録層を支持体
上に設けたものであり、該記録媒体の基本的構成は最下
層に支持体を備え、その上に記録層及び保護層を順次積
層したものである。ここで用いられる支持体は、紙、合
成紙、プラスチックフィルム或いはこれらの複合体等で
あり、記録層を保持できるものであればよい。記録層
は、前記の可逆的熱発色性組成物が存在すればどのよう
な態様のものでも良いが、通常はバインダー樹脂内に顕
色剤と発色剤を充分良く分散して記録層とするのが良
く、この方法で長寿命の可逆的感熱記録媒体を得ること
ができる。顕色剤及び発色剤は、そのまま或いはマイク
ロカプセル中に内包して用いることができる。顕色剤、
発色剤のマイクロカプセル化は、コアセルベーション
法、界面重合法、インサイチュ重合法など公知の方法に
よって行なうことができる。なお、顕色剤及び発色剤は
単独でも2種以上混合して使用してもよい。
【0016】記録層の形成は、発色剤及び顕色剤をバイ
ンダー樹脂と共に水又は有機溶剤により均一に分散もし
くは溶解して、これを支持体上に塗布・乾燥する公知の
方法で行えばよい。記録層のバインダー樹脂の主要な役
割は、発色・消色の繰り返しによって可逆的熱発色性組
成物が凝集するのを防止し、該組成物が均一に分散した
状態を保持することである。そして、発色時の熱印加で
該組成物が凝集することが多いから、バインダー樹脂に
は耐熱性の高いものを使用するのが好ましい。本発明で
使用する可逆的感熱記録媒体では必要に応じて、塗布特
性或いは記録特性の向上を目的に、通常の感熱記録紙に
用いられている種々の添加剤、例えば分散剤、界面活性
剤、高分子カチオン系導電剤、填料、発色画像安定剤、
酸化防止剤、光安定化剤、滑剤等を記録層に加えること
も出来る。
【0017】保護層は、熱印加時の熱と圧力による表面
の変形や変色を防止するから、多数回使用のためには保
護層設置が極めて有効である。保護層にはこのほか、耐
薬品性、耐水性、耐摩擦性、ヘッドマッチング性等を向
上させる役割もある。そのため、保護層形成材料は耐熱
性のほか強度も大きいものが良く、シリコーン系ゴム、
シリコーン樹脂、ポリシロキサングラフトポリマー、紫
外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等が使用される。このよ
うな保護層の形成で耐熱性が向上すると共に、有機溶
剤、可塑剤、油、汗、水等の接触に対する抵抗力も増加
し、悪い環境でも画像の形成・消去を問題なく繰り返す
ことのできる記録媒体が得られる。また、保護層中に光
安定化剤を含有させると画像及び地肌の耐光性が著しく
改良され、高分子カチオン系導電剤の添加で帯電防止を
可能にする。更に、保護層に有機又は無機フィラー及び
滑剤を添加することで、ステッキング現像をかなり減少
させることも可能である。保護層の形成方法は記録層形
成時と同様、保護層成分を水又は有機溶剤によって均一
に分散もしくは溶解し、これを記録層の上に均一に塗布
・乾燥させれば良く、保護層の厚さは0.5〜10μm
程度が良い。
【0018】本発明に使用される可逆的感熱記録媒体に
は、アンダーコート層や種々の役割を持つ中間層を設け
ても良い。アンダーコート層は、断熱性向上、支持体と
記録層間の接着性向上、記録層作成時の溶剤に対する支
持体の耐性向上等の目的で設置するものである。アンダ
ーコート層の重要な役割は断熱性向上であるが、これは
印加熱エネルギーを無駄なく記録の形成や消去に役立た
せるためのものである。それゆえ、断熱層の設置で発色
及び消色をシャープに行なうことができるし、高速記録
時にも対応可能になる。断熱用アンダーコート層は、支
持体上に有機又は無機質の微小中空体粒子を塗工すれば
良く、具体的にはガラス又はセラミックス、或いはプラ
スチック等で形成された粒径10〜50μmの微小中空
体を、バインダー樹脂と共に溶剤に良く分散させて支持
体上に均一に塗布・乾燥させれば良い。なお、断熱層を
設ける代りに断熱性支持体を使って印加熱エネルギーの
有効利用を図ることもできる。
【0019】記録画像の形成には、使用目的によって熱
ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等が用いられ、特
に限定されない。同様に記録画像の消去も、加熱ロール
や面状発熱体等のように消去の温度条件が与えられるも
のであれば特に限定されない。本発明では、記録画像を
消去温度に設定したサーマルヘッドにより消去しなが
ら、同時に記録温度に設定した別のサーマルヘッドによ
って記録画像の形成を行うことも可能である。次に、本
発明による発色画像の消去方法及びその実施装置につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】図3は、光学濃度1.8の発色画像を有す
る記録層を1秒間加熱した後の記録層の光学濃度と、そ
の加熱温度との関係を示す図である。この図で縦軸は記
録層の光学濃度を、横軸は加熱温度を示している。本発
明においては、発色画像を有する記録層の光学濃度と、
この記録層を1秒間加熱した後の光学濃度との差(1秒
間に消色した光学濃度分)を消色速度と定義する。図3
から分かるように、発色画像の消色速度はその加熱温度
と関係し、消色温度域(図3では62〜85℃)におい
最大消色速度を与える温度(図3では73℃)が存在
する。本発明においては、この最大消色速度の90%以
上の消色速度を与える温度域を高速度消色温度域(図3
では70〜75℃のA領域)と定義するが、この高速度
消色温度域の温度が実際に使用される消色温度である。
次に、上記の最大消色速度を与える73℃に発色画像を
保持したときのその画像濃度の経時変化を求め図4を得
た。図4の縦軸は画像濃度を、横軸は経過時間(秒)を
示している。図4から、この実験では記録の消去操作開
始後1秒間で画像の光学濃度が1.8から0.4に低下
するが、その後は20秒以上経過しても光学濃度0.2
7程度までしか低下しないことが分かる。この実験は記
録の消去時間が10分間以上になるまで継続したが、そ
れでも画像の光学濃度は0.24までしか低下せず、該
記録媒体の地肌の光学濃度が0.20であることから、
この実験では光学濃度0.04だけ消し残しが生じるこ
とになる。
【0021】以上の実験データから、前記可逆的感熱記
録媒体の発色画像を消去する場合は、前記した高速度消
色温度域(図3の(A))で消色させると多少の消し残
しが生じることが明らかである。本発明者らは、この現
象が機密保持や画像鮮明度の点で問題になることを認
め、これを解決するために試行錯誤的な検討を重ね、高
速度消色温度域より一たん高温に加熱してから、高速度
消色温度域で加熱することにより前記の問題が解決でき
ることを見出した。消色に際して一たん高温に加熱する
ことは発色体組成物の凝集力を弱め、これによって次の
高速度消色温度域での加熱による消色を促進させるもの
と考えられる。本発明法における画像濃度と経過時間の
関係を図5に示す。この図の縦軸及び横軸は図4と同一
であり、横軸の(B)及び(C)の範囲はそれぞれ高温
保持過程(図5では5秒間)及び消色過程(図5では2
0秒間)を示している。前者は前記の初期高温過程であ
り、後者は前記した高速度消色温度域の温度(図5では
73℃)に保持する過程である。また、図5の曲線
(F)は高温保持過程(B)がない場合の画像濃度と経
過時間の関係を示し(比較例)、曲線(D)及び(F)
はそれぞれ高温保持過程(B)の温度が120℃及び8
5℃の場合である。
【0022】図5から分かるように、消色操作開始後1
0秒経過時点で画像濃度を比較すると、高温保持過程
(B)の温度を120℃にした曲線(D)の場合に画像
濃度が最も薄い0.22を示し、次いで高温保持過程を
85℃にした曲線(E)の場合(画像濃度0.24)で
あった。また、曲線(D)では15秒経過時点で完全消
色濃度である0.20に到達している。この結果は、初
期過程で発色温度まで温度を上昇させた場合に最良の消
色状態になることを示しており、高温保持過程(B)の
温度を発色温度以下の温度までしか昇温させなかった曲
線(E)の場合は、高温保持過程の無い曲線(F)の場
合よりは優れるが、消色速度の点でも到達可能な消色濃
度の点でも曲線(D)の場合に劣る。更に、高温保持過
程(B)の温度を発色温度にした場合は、この過程で該
記録媒体の記録層が全面的に発色するから、この時点で
前回の画像が完全に消滅し、何等かの事故で消色が不充
分になったとしても機密保持上の問題は残らない。
【0023】高温保持過程の保持温度と消色濃度及び消
色速度の関係については、図5以外にも多数の実験で詳
細な検討を試みたが、発色温度以下の温度に保持しても
高温保持過程不在時との消色速度差はあまり大きくな
い。しかし、発色温度に保持した場合の効果は極めて大
きく、発色温度に数秒保持後に高速度消色温度域の温度
に保持する方式では、消色操作開始後10〜15秒で完
全消色することが認められた。なお、高温保持に必要な
時間は5秒以下で良い場合が多く、高温保持過程を取り
入れることで機密保持に充分な程度の記録の消去時間を
10秒以上短縮できる場合が多いことも確認された。そ
れゆえ、前記した高温保持によって完全消色が可能にな
る場合が多い点も勘案すると、本発明の二段加熱記録消
去法は極めて有利な記録消去法と云えよう。特に、短時
間での記録消去が要求されることの多い実用装置や、機
密保持が必要な場合には利点が多い記録消去法と云え
る。
【0024】本発明で用いられる消色用加熱装置は、加
熱ロール、線状発熱体、面状発熱体、温風、恒温槽、サ
ーマルヘッド等であり、本発明の二段加熱が可能な温度
条件を備えていれば特に限定されず、どのような加熱機
構のものであっても使用可能である。また、二段加熱の
初期段階と後期段階を同一構造の発熱体で行っても良い
し異っていても良い。例えば、初期段階を加熱ロールで
行い、後期段階を面状発熱体や線状発熱体で行っても良
いし、その逆も可能である。本発明に使用される加熱ロ
ールの一例を図6に示す。この図で1は加熱ロール、2
は加圧ロール、3は発色した可逆的感熱記録媒体であ
る。加熱ロール1は、表面が厚さ0.1mmのシリコー
ンゴムで被覆された外径30mm、内径20mmのアル
ミニウム製中空ロールであり、該ロールの内部に挿入さ
れた長さ250mmで150wのハロゲンランプを点滅
することによって、該ロール表面を一定温度に保持して
いる。加圧ロール2は、外径18mmのSUS304ス
テンレス製ロールであり、表面が厚さ4mmのシリコー
ンゴムで被覆されている。このように比較的厚いゴムで
被覆されているため、加圧ロールを加熱ロールに押し付
けると接触部分の円周方向の長さd(これをニップ幅と
云う)が9mm程度になる。
【0025】本発明の二段加熱記録消去法は、図6に示
した加熱ロールと加圧ロールの組を2組備えることによ
っても達成可能であるが、この場合の加熱時間の調整は
ニップ幅dを変えることで達成される。すなわち、図6
で説明した加熱ロールと加圧ロールの対のほか、硬質ゴ
ムで被覆された加圧ロール(図7の4)を使用したため
ニップ幅dが2〜3mmのものを併用すれば、該加熱ロ
ールへの接触時間は図6のそれの場合の1/3〜1/
4.5になる。このような二段加熱装置の模式図を図7
に示す。また、エンドレスベルトを利用して加熱時間を
制御することもでき、その例を図8に示す。図8におい
て1及び1′は加熱ロール、2及び2′は加圧ロール、
5はテンションロール、6はエンドレスベルトを示す。
以上のほか、高温保持過程及び消色過程の温度に保たれ
た二段階の面状発熱体が上下に配設されている消色装置
内を通過させる方法(図9)、高温保持過程における加
熱を面状発熱体で行い、消色過程の加熱を加熱ロールで
行う方法(図10)、恒温槽型の加熱箱を利用する消色
法(図11、12)など多岐にわたる消色方法が可能で
あるが、これらの具体例は実施例で説明する。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定さ
れるものではない。また、実施例1〜11及び比較例1
〜8で使用した可逆的感熱記録媒体は下のようにして作
製した。なお、発色濃度及び消色濃度はマクベス社製R
D−914濃度計で測定した。 (記録層)100μm厚の透明ポリエステルフィルム上
に、下の処方の液をボールミルで24時間粉砕・分散さ
せて作製した塗布液を塗布・乾燥し、膜厚10μmの記
録層を設けた 2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン 14重量部 ヘキサデシルホスホン酸 42 〃 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 42 〃 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) メチルエチルケトン 210 〃 トルエン 210 〃
【0027】(中間層)前記記録層の上に、下の処方の
液を塗布・乾燥して1μm厚の中間層を設けた。なお、
該中間層は保護層の接着性向上を目的としたものであ
る。 エチルセルロース(試薬) 10重量部 イソプロピルアルコール 45 〃 酢酸エチル 45 〃 (保護層)前記中間層の上に、下の処方の液を塗布・乾
燥後に80w/cmの紫外線ランプで硬化させ、3μm
厚の保護層を持つ可逆的感熱記録媒体を作製した。 ウレタンアクリレート系UV硬化性樹脂の酢酸ブチル7
5wt%溶液 (大日本インク化学社製、ユニデックC7−157) (発色温度、高速度消色温度域、地肌濃度及び発色濃
度) 発色温度:約110℃以上 高速度消色温度域:70〜75℃ 地肌濃度:0.2 発色濃度:1.8
【0028】実施例1、比較例1 前記した図6の装置と同一の加熱ロールと加圧ロールを
組合せて記録消去用加熱装置を作製した。この装置を図
7のように2組使用し、前段では加圧ロール被覆用ゴム
を硬質ゴムに変えた以外は図6の装置と同一の加圧ロー
ル4を、後段では図6の装置に使用した物と同一の加圧
ロール2を使用し、前段ではニップ幅dが3mmに、後
段では9mmになるようにした。また、加熱ロール1の
表面温度は85℃、加熱ロール1′のそれは73℃にな
るようにハロゲンランプを点滅させて制御した。この記
録消去装置に、線速度3mm/秒で濃度1.8に発色し
た可逆的感熱記録媒体を送入した。なお、本実験では加
熱ロール1から加熱ロール1′に記録媒体が移動するの
に約7秒を要し、加熱ロール1′に接触する直前の記録
媒体表面温度は79℃であった。これらを勘案すると、
本実施例では85℃に1秒、消色過程に3秒、発色した
記録媒体が保持されたことになる。加熱ロール1′から
排出された記録媒体の画像濃度は0.21を示し、ほぼ
完全に消色していた(実施例1)。しかし、比較のため
加熱ロール1の表面温度を加熱ロール1′のそれと等し
い73℃にした場合は、加熱ロール1′から排出される
記録媒体の画像濃度が0.28となり、この場合は地肌
濃度(0.20)まで消色することができなかった(比
較例1)。
【0029】実施例2、比較例2 図8に示す記録消去装置で記録消去を行った。図8の1
及び1′は図6の装置と同一の加熱ロールである。ま
た、2及び2′は図6の装置と同一の加圧ロールであ
る。5はテンションロールであり、これは外径15mm
のアルミニウム製ロールである。加圧ロール2′とテン
ションロール5の間には、ポリエーテルスルホン樹脂製
のエンドレスベルト6が引張力500gf/cm2でか
けられている。そのため、加熱ロール1と加圧ロール2
の間に挿入された記録媒体3は、加熱ロール1′と加圧
ロール2′の間に送入された後、エンドレスベルト6に
乗って加熱ロール1′と接触後に排出される。本実施例
では、発色した記録媒体3が加熱ロール1′と接触する
長さが円周方向で30mmになるように配設されてい
る。発色した記録媒体3の移動速度を線速度で6mm/
秒とし、加熱ロール1の表面温度を120℃、加熱ロー
ル1′のそれを73℃に保って実験を行うと、該記録媒
体が加熱ロール1に接触してから加熱ロール1′に接触
するまでに約4秒を要し、加熱ロール1′と接触する直
前の記録媒体表面温度は113℃であった。それゆえ、
本実施例では120℃に0.5秒、消色過程に5秒だけ
発色状態の記録媒体が保持されたことになる。以上に詳
記した記録消去装置で画像濃度1.8に発色した発色画
像を消色させると、消色後の画像濃度は0.21を示し
ほぼ完全に消色されることが認められた(実施例2)。
一方、加熱ロール1の表面温度を加熱ロール1′のそれ
と同等の73℃にした場合は、消色濃度が0.29であ
った(比較例2)。
【0030】実施例3、比較例3 図9に示す装置によって記録消去実験を行った。図9の
8及び8′は高温保持過程実施用面状発熱体であり、9
及び9′は消色過程実施用面状発熱体である。また、7
1及び72は発色した記録媒体3を記録消去装置に送り
込むための搬送ロールであり、73及び74は消色され
た記録媒体取り出し用搬送ロールである。これらの搬送
ロールは、いずれも厚さ0.1mmのシリコーンゴムで
表面が被覆された外径15mmのアルミニウム製ロール
である。面状発熱体8、8′、9、9′は23℃で2
2.4Ωの抵抗値を示す電気ヒーターであり、電圧制御
によって定温に保持できるものである。なお、面状発熱
体8と8′及び9と9′の間隔は両者とも2mmであ
る。また、面状発熱体8及び8′の記録媒体進行方向の
長さを20mmに、面状発熱体9及び9′のそれを20
0mmとし、設定温度をそれぞれ120℃及び73℃と
した。以上に詳記した記録消去装置を使用し、これに画
像濃度1.8に発色した可逆的感熱記録媒体を線速度1
0mm/秒で送入したところ、画像濃度0.21でほぼ
完全に消色した記録媒体が得られた(実施例3)。一
方、面状発熱体8及び8′の設定温度を面状発熱体9及
び9′と同一の73℃にした場合は、記録消去装置排出
後の画像濃度が0.24であり、完全消色状態の可逆的
感熱記録媒体を得ることができなかった(比較例3)。
なお、本実施例における発色画像の保持時間は、120
℃に2秒、消色過程には10秒である。
【0031】実施例4、比較例4 図10に示す装置によって記録消去実験を行った。この
図において8及び8′は図9の装置で使用した物と同一
の面状発熱体であり、8と8′の間隔も図9の場合と同
一である。また、7及び7′は搬送ロールであり、これ
は図9の装置で使用した搬送ロールと同一品である。図
10の1′は加熱ロール、2′は加圧ロール、5はテン
ションロール、6はエンドレスベルトであり、これらは
図8の装置で使用した物と同一品であり、エンドレスベ
ルト6にかかる引張力や加熱ロール1′と発色した記録
媒体3の接触長さも図8の装置と同一にした。面状発熱
体8及び8′の記録媒体進行方向の長さを20mm、設
定温度を110℃とし、加熱ロール1′の表面温度を7
3℃にすると共に、記録媒体の送入速度を線速度で3m
m/秒とし、発色した記録媒体3が8及び8′で構成さ
れる加熱部分を出てから加熱ロール1′に接触するまで
の時間を2秒とした。このような記録消去装置に画像濃
度1.8の発色画像を送入すると、記録消去終了後の画
像濃度は0.21であった(実施例4)。一方、面状発
熱体8及び8′で構成される加熱部分の温度を73℃に
した場合は、記録消去終了後の画像濃度0.24であ
り、画像の消し残りが認められた(比較例4)。なお、
本実施例における発色画像の保持時間は、110℃に
3.3秒、消色過程には10秒である。
【0032】実施例5、比較例5 図11に示す装置によって記録消去実験を行った。この
図で10及び11は箱型恒温槽であり、これらは記録媒
体が通過する上下の壁面にヒーター13を備え、該ヒー
ターと記録媒体が通過する空間の間は10メッシュの金
網12で仕切られている。このため、記録媒体3はヒー
ター13と接触することなく箱型恒温槽10で加熱され
てから箱型恒温槽11に送り込まれ、ここに収納され
る。また、図11の7及び7′は図10の装置で使用し
た物と同一の搬送ロールである。箱型恒温槽10の記録
媒体通路幅を5mm、記録媒体進行方向の長さを20m
m、設定温度を125℃とした。また、箱型恒温槽11
では記録媒体収納部の幅を15mm、設定温度を75℃
とした。この記録消去装置に、線速度10mm/秒の速
度で画像濃度1.8に発色させたA−4版の可逆的感熱
記録媒体50枚を連続的に送入し、箱型恒温槽11に5
0枚全部が収納されてから10分間放置後に該恒温槽の
ふたを開け、消色した記録媒体を取り出した。これら5
0枚の消色された記録媒体の発色濃度を調べると、最高
の濃度を示すものは0.21であるが大部分は0.20
を示し、完全消色していることが認められた(実施例
5)。この場合は、発色した記録媒体が125℃に2秒
保持された後、75℃に10分間以上保持されたことに
なる。一方、箱型恒温槽10の設定温度を75℃にした
場合は50枚の記録媒体全部が発色濃度0.24を示
し、消色が充分でなかった(比較例5)。
【0033】実施例6、比較例6 図12(a)に示す装置によって記録消去実験を行っ
た。この図で1及び2は、図6の装置で使用した物と同
一の加熱ロール及び加圧ロールである。また、11は図
11の装置で使用した物と同一の収納型箱型恒温槽であ
る。加熱ロール1の表面温度を120℃、収納型箱型恒
温槽11の温度を75℃とし、画像濃度1.8に発色さ
せたA−4版の可逆的感熱記録媒体を線速度3mm/秒
で連続的に50枚送入し、実施例5と同一の方法で記録
消去実験を行ったところ、消色された記録媒体50枚の
平均濃度は0.21、最高濃度は0.22であった(実
施例6)。この場合は、発色した記録媒体が120℃に
1秒保持された後、75℃に10分間以上保持されたこ
とになる。一方、加熱ロール1の表面温度を恒温槽温度
と同一の75℃にした場合は、消色された記録媒体50
枚の平均濃度0.24、最高濃度0.26であった(比
較例6)。
【0034】実施例7、比較例7 図12(b)に示す装置で記録消去実験を行った。該装
置は、図12(a)で使用した加熱ロール1及び加圧ロ
ール2の代りに、図9及び10の装置と同一の面状発熱
体8及び8′を使った装置であり、発色した記録媒体3
を搬送するため図9〜11の装置で使用したのと同一の
搬送ロール7及び7′を備えている。面状ヒータ8及び
8′の温度を125℃に設定し、収納型箱型恒温槽11
の温度は実施例6と同じ75℃として、画像濃度1.8
に発色させたA−4版の可逆的感熱記録媒体50枚を線
速度10mm/秒で連続的にこの装置に送入し、実施例
5及び6と同一の方法で記録消去実験を行った。その結
果、記録媒体50枚の全部が濃度は0.21まで消色さ
れていた(実施例7)。この場合は、発色した記録媒体
が125℃に2秒保持された後、75℃に10分間以上
保持されたことになる。一方、面状ヒータ8及び8′の
温度を75℃に設定した場合は、消色された記録媒体5
0枚の平均画像濃度0.24で最高画像濃度0.26で
あった(比較例7)。
【0035】実施例8〜10、比較例8 実施例1〜8と同一の可逆的感熱記録媒体(未使用品)
に、8ドット/mmで0.50mJ/ドットの印字エネ
ルギーを持つサーマルヘッドによって、線幅0.25m
m、0.5mm、1.0mm及び2.0mmの線と、同
じ線幅の文字リコーを印字した。このようにして得られ
た画像濃度1.8の発色画像を、120℃に保持した恒
温槽に5秒間保持して全体を発色状態にしてから、73
℃の恒温槽に10分間保持して文字読み取りの可否を目
視で調べた。なお、この実験では120℃に加熱直後に
73℃に加熱した場合(実施例8)、120℃に加熱し
てから24時間室温に放置後に73℃に加熱した場合
(実施例9)、120℃に加熱してから5日間室温に放
置後に73℃に加熱した場合(実施例10)のほか、比
較のため73℃に10分間加熱して消色させる方法(比
較例8)も試みた。これらの実験結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例11 実施例8〜10に記述した発色画像の上に、更に実施例
8〜10で使用したのと同一サーマルヘッドで3倍幅の
印字を行った。すなわち、線幅0.25mm、0.50
mm、1.0mm及び2.0mmの線上には3倍幅の線
を印字し、リコーの文字部分は文字部分がかくれるよう
に四角形に黒ベタ印字を行った。これらの発色画像につ
いて、実施例8〜10と同一の記録消去方法を試みたと
ころ、120℃加熱と73℃加熱間に放置時間が有る場
合も無い場合も、消色画像から線や文字を読み取ること
ができなかった。
【0038】実施例12〜19、比較例9〜16 顕色剤及び発色剤の種類と添加量を変えた以外は実施例
1〜11に使用した記録媒体と同一の可逆的感熱記録媒
体を作製し、これらの可逆的感熱記録媒体を発色させて
から、該記録媒体の送入速度を種々の速度として実施例
2に記載した記録消去装置(図8の装置)に送入するこ
とによって消色し、消色濃度を比較例のそれと比較し表
2を得た。
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明の記録消去方法によれば、高速度
消色温度域より高温に加熱してから高速度消色温度域で
加熱することにより、記録消去が完全になると共に充分
な消色状態が得られるまでの加熱時間が短縮する。その
ため、本発明で対象にしている可逆的感熱記録媒体を機
密文書のコピーに使用することができる。また、記録消
去速度の増加が必要な場合、例えばエンドレスベルト状
の透明記録媒体を使用して画像記録と同時に画像消去を
行い、これをニュース等の投影表示に利用する場合等で
は、前記の可逆的感熱記録媒体の使用範囲が従来の記録
消去法を利用した場合より増大する。以上に記載した本
発明の記録消去方法利用効果は、初期の高温保持過程に
おける保持温度を該記録媒体の発色記録温度にすること
によって、更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆的感熱記録媒体の発色濃度と温度
との関係を示すグラフで、発色及び消色原理の説明図で
ある。
【図2】画像形成工程と画像消去工程の説明図である。
【図3】消色温度域に発色画像を1秒間保持した場合の
保持温度と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図4】図3と同一の発色画像を73℃に保持した場合
の保持時間と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図5】図3と同一の発色画像を73℃、85℃及び1
20℃に5秒間保持後、73℃に保持した場合の保持時
間と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図6】加熱ロールによる記録消去の概念を示す説明図
である。
【図7】本発明の二段加熱記録消去方法を二段階の加熱
ロールで行う場合の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の二段加熱記録消去方法を二段階の加熱
ロールで行う図7とは別の方式を示す模式図である。
【図9】本発明の二段加熱記録消去方法を二段階の面状
ヒーターで行う場合の一例を示す模式図である。
【図10】本発明の二段加熱記録消去方法において、前
段の加熱を面状ヒーターで後段の加熱を加熱ロールで行
う場合の一例を示す模式図である。
【図11】本発明の二段加熱記録消去方法を二段階の箱
型恒温槽で行う場合の一例を示す模式図であり、後段の
箱型恒温槽は収納槽を兼ている。
【図12】本発明の二段加熱記録方法の一例を示す模式
図であり、後段の加熱は図11の場合と同一の収納槽を
兼ねた箱型恒温槽で行われるが、前段の加熱は(a)の
場合は加熱ロールで(b)の場合は面状ヒーターで行っ
ている。
【符号の説明】
S 支持体 1,1′ 加熱ロール L 可逆的感熱記録層 2,2′ 加圧ロール P 発色画像 3 発色記録状態の可逆的
感熱記録媒体 H サーマルヘッド 4 加圧ロール R 加熱ロール 5 テンションロール 6 エンドレスベルト 71,72,73,74 搬送ロール 8,8′,9,9′ 面状発熱体 10 箱型恒温槽 11 収納型箱型恒温槽 12,14 金網 13 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−210954(JP,A) 特開 平4−223211(JP,A) 欧州特許出願公開492628(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を含む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録
    状態を形成し、発色温度より低温に加熱すると発色状態
    の凝集構造から該電子受容性化合物が分離・結晶化して
    記録の消えた状態を形成する可逆的感熱記録媒体に形成
    された発色記録を消去する方法において、その発色記録
    状態にある該記録層を、高速度消色温度域より一たん高
    い温度域に加熱保持した後、該高速度消色温度域に加熱
    保持することを特徴とする可逆的記録媒体の記録の消去
    方法。
  2. 【請求項2】 発色状態にある記録層を、一たんその発
    色温度域に加熱保持した後、前記高速度消色温度域に
    保持することを特徴とする請求項1の可逆的感熱記録
    媒体の記録の消去方法。
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