JP3297301B2 - 光駆動ゼロクロス型トライアック - Google Patents

光駆動ゼロクロス型トライアック

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光により駆動され
るゼロクロス機能を有するトライアックにおいて、その
光感度およびdV/dt耐量を向上させるものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、一般的なゼロクロス型トライア
ックの等価回路図である。
【0003】トライアックは1組のサイリスタを逆並列
に接続したものと考えられ、各サイリスタは2個のトラ
ンジスタの図のような組合せと考えられる。端子T1
よびT2 間に接続されるトランジスタQ1 およびQ2
一方のサイリスタを構成し、トランジスタQ3 およびQ
4 が他方のサイリスタを構成する。トランジスタQ1
たはQ3 のコレクタおよびトランジスタQ2 またはQ4
のベースは、それぞれゲートカソード間抵抗となる抵抗
GK1 またはRGK2 により端子T2 またはT1に接続さ
れている。
【0004】MOSFET1または1−1のソースはト
ランジスタQ2 またはQ4 のベースに接続され、MOS
FET1または1−1のドレインはトランジスタQ2
たはQ4 のコレクタに接続されている。MOSFET1
または1−1のゲートはトランジスタQ2 またはQ4
エミッタおよびコレクタに接続されている。
【0005】左側のサイリスタが動作すると電流はアノ
ード(A)となる端子T1 からカソード(K)となる端
子T2 に流れ、右側のサイリスタが動作すると電流はア
ノードとなる端子T2 からカソードとなる端子T1 に流
れてスイッチングが行なわれる。
【0006】サイリスタは両端子間に急峻な電圧が印加
されると、ゲート入力がなくても誤点孤してしまうこと
がある。これはPゲートサイリスタの場合、Pゲート拡
散領域がN型基板の表面に形成されているとすると、両
者の接合において急激な電圧上昇により変位電流が発生
し、それがゲート電流として働き、サイリスタがターン
オンしてしまうためである。このターンオン状態に至る
臨界の電圧変化率(dV/dt)を臨界オフ電圧上昇率
と呼び、この値が高いほど、サイリスタはノイズに対し
て誤動作しにくくなる。これをdV/dt特性という。
【0007】従来よりdV/dt特性の向上には、サイ
リスタの感度を低下させたり、抵抗RGKを低くしたりし
ていたが、これらはいずれも素子の光感度を大きく低下
させてしまうことになる。
【0008】また、交流制御用のオンオフスイッチとし
て突入電流を抑える目的で、ゼロクロスポイントでしか
トリガしない光駆動ゼロクロス型トライアックが用いら
れる。このゼロクロス機能は、一般にサイリスタの端子
1 とT2 間の、トランジスタQ2 またはQ4 のエミッ
タ,コレクタおよびベースの間に図4に示すようにMO
SFET1または1−1を接続して実現される。このと
き、このMOSFETのゲート酸化膜絶縁破壊の保護と
して、ゲートに印加される電圧を制限するパンチスルー
ダイオードを用いる方法(以下、パンチスルーダイオー
ド方式という)がある。
【0009】図5は、図4のゼロクロス型トライアック
の左側のサイリスタを構成する素子の略断面図である。
図面を簡略化するため右側のサイリスタは図示されてい
ないが右側のサイリスタもほぼ同様の構造である。
【0010】このサイリスタはプレーナ型の一例であっ
て、全体がN型基板4の表面に形成され、電極取出部以
外はたとえばSiO2 による酸化膜5で覆われている。
【0011】サイリスタはN型基板4の表面に形成され
たP型のアノード拡散領域15,Pゲート拡散領域6,
その表面に形成されたN型カソード拡散領域14等によ
り構成され、それぞれの電極取出部からAlによるアノ
ード電極12−1,カソード電極12−2,Pゲート電
極12−3が取出される。裏面には裏面電極が形成され
ている。
【0012】MOSFETはN型基板4の表面に形成さ
れたP型のウェル拡散層7,その表面に拡散されたN型
のソース拡散層8およびドレイン拡散層9,酸化膜5を
介してソース拡散層8およびドレイン拡散9に跨がるよ
うに形成されたAlによるゲート電極13等により構成
されている。ソース拡散層8およびドレイン拡散層9か
らはそれぞれの電極取出部からAlによるソース電極1
2−4,ドレイン電極12−5が取出される。P型のウ
ェル拡散層7の電極12−7はカソード電極と接続され
カソードと同電位となる。
【0013】パンチスルーダイオードはN型基板4の表
面にP型拡散層10を形成して作られる。その電極取出
部からAlによるダイオード電極12−6が取出され
る。
【0014】端子Aはアノード電極12−1に、端子K
はカソード電極12−2およびソース電極12−4に、
ドレイン電極12−5はPゲート電極12−3に、ゲー
ト電極13はダイオード電極12−6に接続されてい
る。アノード電極12−1とカソード電極12−2の間
の酸化膜5の表面には素子表面を保護するためのナイト
ライド膜11が形成されている。
【0015】このパンチスルーダイオードには後述のよ
うな問題点がある。従来このような装置に使用されるM
OSFETの形状は、図6の略平面図に示されるよう
に、ゲート電極13の下方のソース拡散層8とドレイン
拡散層9はウェル拡散層7の表面に平行に形成されてい
た。そしてその動作時のオン抵抗は数kΩであった。
【0016】なお、図示されていないが、素子表面の絶
縁膜5の表面にPゲート拡散領域6とカソード拡散領域
14とを接続する抵抗RGK1 が形成されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、dV/
dt特性を向上させるために、サイリスタの感度を低下
させたり、抵抗RGKの抵抗を低くすると、素子の光感度
を大きく低下させる。
【0018】パンチスルーダイオード方式は、図5のダ
イオード電極12−6からゲート電極13に電圧を印加
してMOSFETのゲート酸化膜絶縁破壊を保護するの
であるが、光が入射しない入力オフ状態では、パンチス
ルーダイオードのPN接合の逆方向リーク電流によって
のみ、MOSFETのゲートが充填されるため、MOS
FETのゲートがMOSFETがオンするまで充電する
のに時間がかかり、MOSFETの応答が遅くなるため
にdV/dt等ノイズ耐量が低くなる。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明においては、dV
/dt特性を向上させるため、MOSFETの動作時の
オン抵抗を減少させ、たとえば1kΩ以下にする。その
手段としてMOSFETのソースおよびドレイン拡散層
の対向部の面積を大きくする。
【0020】また、パンチスルーダイオード方式を用い
たとき、dV/dt特性を向上のためMOSFETの応
答を改善させる。その手段としてパンチスルーダイオー
ドと並列にコンデンサを形成した構造とする。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の一
例の略断面図である。図5に対応するもので、図2の本
発明のトライアックの等価回路図の左半分に相当する素
子の略断面図である。
【0022】図1および図2において、図4および図5
と同一符号は同一の部分を示す。本実施の形態が図5の
従来例と異なるところは、断面図では表示されていない
が、MOSFETを構成するウェル拡散層7の表面のソ
ース拡散層8とドレイン拡散層9の配置が図3に示すよ
うに、たとえば、櫛状の拡散層が互いに噛み合うように
ウェル拡散層7の表面に配置して形成されて、図6の従
来例よりチャネル幅を拡大したことである。櫛型以外に
も、たとえば二重の螺旋状にしてチャネル幅を拡大する
ことができる。すなわち、ソース拡散層8とドレイン拡
散層9を相互に相手側を挟み込むように形成してチャネ
ル幅を拡大する。
【0023】このようにしてチャネル幅を拡大すること
により、MOSFETがオンしたときの抵抗を1kΩ以
下にできる。
【0024】この装置によれば、5kV/μs以上のd
V/dtが入力されたとき、サイリスタがターンオンす
る前に、MOSFETがオンし、dV/dtにより発生
する変位電流を、ゲート,カソード間を1kΩ以下の低
抵抗で短絡したことになり、後動作を防ぐことができ
る。
【0025】次に、図1の実施の形態と図5の従来例と
異なるところは、N型基板4の表面の酸化膜5を部分的
に除去し、その部分に素子表面の保護膜として用いられ
るナイトライド膜11−1を形成しパターニングし、さ
らにその上にAlによるコンデンサ電極12−8を蒸着
パターニングし、ゲート電極13およびパンチスルーダ
イオードの電極12−6に接続されていることである。
【0026】試作チップでは、ナイトライド膜の面積を
0.015mm2 、膜厚を1μmとし約10pSの容量
とした。これにより、図2の等価回路図に示されるよう
に、パンチスルーダイオード3(3−1)と並列にコン
デンサ2(2−1)が挿入されたことになる。
【0027】図2に示されるMOSFET1のゲートと
ドレインとの間に接続されるツェナーダイオードZD1
は図1のP型拡散層10とN型基板4との間に形成され
る。図2の右半分に示されるツェナーダイオードZD−
1についても同様である。
【0028】パンチスルーダイオード方式のゼロクロス
型トライアックにおいて、図2のようにパンチスルーダ
イオード2と並列に10pF以上のコンデンサ3を付加
することにより、MOSFETの遅れを1〜5msから
100〜500nsに改善し、MOSFETをdV/d
t入力に対し高速に働かせることができ、誤動作を防ぐ
ことができた。
【0029】MOSFETの応答の改善は、MOSゲー
ト容量の減少やパンチスルーダイオードの面積の拡大に
よっても可能であるが、前者は、MOSFETのVth
コントロールが難しくなり、十分な応答改善を得にく
い。また、後者はチップ面積の拡大になるため好ましく
ない。
【0030】コンデンサを付加するとき、これを形成す
るのにナイトライド膜を用いることにより、酸化膜に比
し誘電率が高いため比較的小さい面積で目的の10pF
を達成できる。ナイトライド膜は素子の表面保護膜とし
て用いているので、新しいプロセスを追加する必要がな
い。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高光感
度(たとえば、IFT=5mA)で高dV/dt耐量(5
kV/μs以上)の素子を、チップサイズを拡大した
り、新しい工程を増加することなく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の略断図である。
【図2】本発明の一実施の形態の等価回路図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるMOSFETの
略平面図である。
【図4】従来の光駆動ゼロクロス型トライアックの等価
回路図である。
【図5】従来の光駆動ゼロクロス型トライアックの略断
面図である。
【図6】従来のトライアックのゼロクロス用MOSFE
Tの略平面図である。
【符号の説明】
1 MOSFET 2 コンデンサ 3 パンチスルーダイオード 4 N型基板 5 酸化膜 6 Pゲート拡散領域 7 ウェル拡散層 8 ソース拡散層 9 ドレイン拡散層 10 P型拡散層 11,11−1 ナイトライド膜 12−1〜12−8 電極 13 ゲート電極 14 カソード拡散領域 15 アノード拡散領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/74 H01L 29/747

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOSFETを用いた光駆動ゼロクロス
    型トライアックにおいて、MOSFETのソース拡散層
    およびドレイン拡散層相互に相手方を挟み込みチャネ
    ル幅を拡大することによりMOSFETの動作時のオン
    抵抗を減少させdV/dt特性を向上させる手段と、M
    OSFETの入力オフ状態のときのMOSFETの充電
    によるMOSFETの応答の遅れを防止しdV/dt特
    性を向上させる手段を有することを特徴とする光駆動ゼ
    ロクロス型トライアック。
  2. 【請求項2】 MOSFETのソース拡散層およびドレ
    イン拡散層はそれぞれ櫛状に形成され、相互に挟み込む
    ように配置されていることを特徴とする請求項1記載の
    光駆動ゼロクロス型トライアック。
  3. 【請求項3】 MOSFETを用いた光駆動ゼロクロス
    型トライアックにおいて、MOSFETのゲート酸化膜
    破壊保護のためのパンチスルーダイオードを備え、MO
    SFETの入力オフ状態のときのMOSFETの充電に
    よるMOSFETの応答の遅れを防止しdV/dt耐量
    を向上するため、パンチスルーダイオードに並列にコン
    デンサを形成することを特徴とする光駆動ゼロクロス型
    トライアック。
  4. 【請求項4】 コンデンサの誘電体としてナイトライド
    膜を使用することを特徴とする請求項3記載の光駆動ゼ
    ロクロス型トライアック。
  5. 【請求項5】 MOSFETを用いた光駆動ゼロクロス
    型トライアックにおいて、MOSFETの動作時のオン
    抵抗を減少させdV/dt特性を向上させる手段と、M
    OSFETの入力オフ状態のときのMOSFETの充電
    によるMOSFETの応答の遅れを防止しdV/dt特
    性を向上させる手段を有することを特徴とする請求項3
    または4記載の光駆動ゼロクロス型トライアック。
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