JP3301829B2 - 乗物用座席の片持支持装置 - Google Patents

乗物用座席の片持支持装置

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輝男 沢田
由光 川島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バスや列車等の乗物に
おいて使用される座席を、当該乗物の床面に対して片持
ちしながら固定する装置に関し、特に、片持ちによって
座席の通路側の下部に自由空間を積極的に形成するよう
にした乗物用座席の片持支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗物用座席は、その下面全体で乗物の床
面上に固定すればその固定状況が非常に強固になってよ
いが、その下部に位置することになる支持台によって自
由空間が少ないものとなることは当然である。もし、こ
の乗物用座席の下部に自由空間があれば、網棚には置け
ない大きな手荷物を置いたり、あるいはラッシュアワー
時に立っている乗客の足の置場を確保することができて
有利である。このため、出願人は実公昭62−9153
号公報等において、乗物用座席である長椅子をその背面
にて壁に固定して、乗物用座席を言わば片持で固定する
構造を提案してきている。
【0003】このような片持支持構造によれば、乗物用
座席の下方に自由空間を確保することができて、乗物用
座席の設置に有利な点を生じさせることができたのであ
るが、その後の本発明者等の検討によって、次のような
改良すべき点が見つかったのである。すなわち、 (1)乗物用座席である長椅子の背面ではなく一側面で
壁に固定するようにすることにより、通路側に立った人
に対してもこの自由空間を利用できるようにすること。 (2)十分な片持剛性を、簡単な構造、すなわち部品点
数が少なく、製造も容易な片持支持装置とすること。 (3)乗物側に対する加工をそれ程必要としなくて、し
かも組付けが容易なものとすること。 (4)その片持支持を行うための作業を、熟練を要する
ことなく行えるようにすること。 等がその改良すべき点なのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の実状
に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題
は、片持支持装置を簡単な構造として組付け作業を容易
なものとすることである。
【0005】そして、本発明の目的とするところは、片
持支持装置を、その十分な支持固定作用を確保しながら
簡単な構造のものとして、当初の目的を十分達成するこ
とのできるものとし、かつその組付作業を非常に簡単に
かつ安定した品質で行うことのできる片持支持装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに本発明の採った手段は、実施例において使用する符
号を付して説明すると、「乗物用座席200を片持ちし
ながら床面に固定することにより、その通路側の下部に
自由空間を形成するようにした片持支持装置100であ
って、この片持支持装置100を、乗物の内側にむけて
略水平状に延在する受承アーム11を有して乗物の内壁
面に固定される支持本体10と、受承アーム11上に配
置固定されて乗物用座席200を下から支えるレバー部
材20と、このレバー部材20と受承アーム11の先端
部間に配置されてレバー部材20の床面に対する位置調
整を行うくさび板30とにより構成したことを特徴とす
る片持支持装置100」
【0007】
【発明の作用】以上のように構成した片持支持装置10
0によれば次のような作用を有するものである。まず、
この片持支持装置100においては、乗物用座席200
が一人掛けのものであっても複数人用のものであって
も、これに加わる荷重はその下面に取付けたレバー部材
20を介して、片持支持装置100に掛かることにな
る。そして、この片持支持装置100は、乗物の通路と
は反対側の内壁面に固定してあるため、乗物用座席20
0の荷重は、この片持支持装置100を介して乗物の主
として内壁面に掛かることになるのである。従って、こ
のように固定された片持支持装置100により、乗物用
座席200は通路とは反対側となる床面上に片持ち支持
されることになり、乗物用座席200の通路側部分の下
方には、図1に示すような大きな自由空間が確保される
のである。
【0008】このとき、レバー部材20の壁側端部が、
支持本体10の受承アーム11によって支持されている
ため、例えば通路側に一人だけ腰掛けた場合のように、
乗物用座席200に対して荷重が遍在した場合でも、こ
の荷重は大きく偏ることなく壁側に常に掛かることにな
るのである。そして、片持支持装置100の形状は乗物
用座席200の横幅より相当小さくなっているのである
から、この乗物用座席200の通路側部分に形成されて
いる自由空間は、足や荷物の収納箇所として十分な大き
さのものとなっているのである。
【0009】特に、この発明に係る片持支持装置100
においては、支持本体10を、その上端部にストッパ部
12を一体化することにより、このストッパ部12と受
承アーム11との間にレバー部材20の端部が挿入し得
る挿入部13を形成したものとしたから、レバー部材2
0の端部をこの挿入部13に対して、例えば通路側から
挿入して連結すればよいのであるから、乗物用座席20
0の乗物に対する固定作業は簡単になっているのであ
る。
【0010】具体的には、まず片持支持装置100の支
持本体10を乗物の壁の所定位置に固定するのである
が、この取付けは壁側面を構成している支持本体10の
取付板に設けた各取付穴16を利用してなされる。な
お、図1に示した実施例においては、乗物の壁内面に予
め固着してある取付レール50等に対してこの支持本体
10をボルト等を利用して取付けるようにしている。こ
の取付レール50の収納場所を確保するために、実施例
の支持本体10にあっては、その壁側端面に段部14が
形成してあるが、この段部14は必ずしも必要なもので
はない。
【0011】一方、レバー部材20については、例えば
乗物用座席200を製造する工場等において乗物用座席
200の下面に予め固着しておくものであり、このレバ
ー部材20の端部を支持本体10の挿入部13内に挿入
するのである。このとき、支持本体10における受承ア
ーム11の先端部分と当該挿入部13間にくさび板30
が介在するようにしておくのである。そして、レバー部
材20の壁側端部を支持本体10の挿入部13内に挿入
した後、このレバー部材20の端部が支持本体10のス
トッパ部12に確実に係止するように位置決めするとと
もに、レバー部材20をくさび板30上に載置してボル
ト等によって受承アーム11に対する仮固定を行うので
ある。このとき、もし、レバー部材20が乗物の床面に
対して略水平状態となっていないようであれば、くさび
板30を出入調整してレバー部材20の水平調整を行う
のである。くさび板30は、図2にも示したように、文
字通りのくさび状のものであるから、上記の調整は容易
に行えるものである。レバー部材20の位置調整が完了
すれば、仮止めしていたボルト等を本締めすることによ
り、当該片持支持装置100による乗物用座席200の
乗物の壁に対する支持固定が完了するのである。
【0012】以上のような固定作業は、壁側に対する支
持本体10の固定と乗物用座席200側に対するレバー
部材20の固定を別々に行っておき最後にレバー部材2
0を支持本体10に対して固定すればよいのであるか
ら、それぞれの作業を広い場所で行え、しかもそれ程の
熟練を要することなく行えるのであるから、全体として
非常に容易なものとなっているのである。なお、以下の
実施例においては、支持本体10の乗物に対する固定を
より確実なものとするために、床面に固定される支持脚
40を受承アーム11の先端に固着するものが示してあ
るが、この支持脚40の床面に対する固定、及び支持本
体10に対する連結は簡単なものとなっているから、こ
の支持脚40を使用する場合でも、乗物用座席200の
片持支持装置100を利用した支持固定作業は容易なも
のである。
【0013】以上のような片持支持装置100による
と、乗物用座席200側からの荷重が主としてレバー部
材20から片持支持装置100側の受承アーム11に掛
かり、この荷重によって片持支持装置100を構成して
いるくさび板30を中心とした回転力がレバー部材20
に働くことになる。しかしながら、この回転力は、支持
本体10を構成しているストッパ部12によって完全に
打ち消されるから、乗物用座席200の支持固定状態は
壁に対して安定したものとなるのである。なお、乗物が
上下に揺れた場合に加わる力は、支持本体10の挿入部
13に対する嵌合、及び支持本体10自体の壁への固着
によって十分阻止されるものであり、このことは乗物の
加速あるいは減速によって生ずる乗物用座席200の前
後方向への力についても同様である。
【0014】
【発明の実施例】次に、本発明に係る片持支持装置10
0を、図面に示した実施例に従って説明すると、図1に
は、一対の乗物用座席200を片持支持装置100によ
って乗物の壁内面に片持ち支持した状態が示してある。
本発明に係る片持支持装置100は、背面を乗物の壁に
当接させた乗物用座席200に対しても適用できるもの
であることは当然である。
【0015】片持支持装置100は、図1及び図2に示
したように、乗物用座席200の幅の数分の1程度の長
さを有して乗物の壁内面に固定される支持本体10と、
受承アーム11上に配置固定されて乗物用座席を下から
支えるレバー部材20と、このレバー部材20と受承ア
ーム11の先端部間に配置されてレバー部材20の床面
に対する位置調整を行うくさび板30とにより構成して
ある。特に、本実施例に係るレバー部材20は、二本の
角パイプ状のものを一体化して形成したものであり、こ
れにより、乗物用座席200の裏面や、支持本体10を
構成している受承アーム11への連結を、十分な面積で
面接触させながら行えるようにしているものである。な
お、本実施例におけるレバー部材20にあっては、その
四角柱状の中空部内にインサートプレートを挿入するよ
うにしてあり、このインサートプレートに連結のための
ピンや取付ネジの挿入あるいは螺着が行えるようにして
ある。つまり、このインサートプレートは、各部材の固
着時の剛性をより十分なものとするために使用されるも
のである。
【0016】支持本体10は、図2に示したように、例
えば複数の金属板を互いに溶接等することによって一体
的に形成したものであり、乗物の壁内面に当接し得る垂
直面と、乗物内に延在される受承アーム11とを有した
ものとして構成してある。また、この支持本体10は、
その上部に板状のストッパ部12を一体化することによ
り、後述のレバー部材20の端部が挿入される挿入部1
3を、ストッパ部12と受承アーム11との間に形成し
たものである。なお、本実施例の支持本体10は、図1
にも示したように、乗物の壁内面に固着されている取付
レール50に対しても連結するものであるため、その壁
側垂直面には、この取付レール50を介在せしめ得るよ
うにするための段部14が形成してある。この図2に示
した段部14は、支持本体10の垂直面の上側に位置す
るように形成したものであるが、この段部14を支持本
体10の垂直面の下側部分に形成しておけば、支持本体
10を取付レール50に係合支持させることもできるよ
うになって有利である。
【0017】勿論、この支持本体10を構成している各
板材、例えば前述した垂直面を構成する板材には、支持
本体10を乗物の壁側に固定するための取付穴16が形
成してあり、挿入部13の側面を形成している板材に
は、後述するレバー部材20を連結するための連結穴1
5が形成してある。なお、この実施例の支持本体10に
おいては、その受承アーム11の先端部を支持脚40に
よって床面上にも支持できるようにしたものであるた
め、この受承アーム11の先端部両側に支持脚40を連
結するための連結穴も形成してある。
【0018】支持本体10の受承アーム11は、次に述
べるレバー部材20の下面を受承するものであるため、
その上面が略水平状となる平面としてあり、その先端部
には後述のくさび板30を支持するための支持プレート
が一体化してある。なお、本実施例の受承アーム11
は、図2にも示したように、二本の角パイプを一体化し
て形成するとともに、その先端部の切口を傾斜面として
ある。これは、レバー部材20をボルト等によって受承
アーム11に固定する場合に、このボルトの螺着作業を
容易に行えるようにするためである。
【0019】本実施例に係るレバー部材20は、支持本
体10側の受承アーム11と同様に二本の角パイプを所
定長に切断して一体化したものであり、その壁側端部に
は連結ピン21を挿通するための挿通穴22が形成して
ある。つまり、このレバー部材20は、挿通穴22に挿
通した連結ピン21の両端を、支持本体10側の各連結
穴15に連結することにより、支持本体10に対して回
動可能に連結されるものである。勿論、このレバー部材
20の下面には、これを支持本体10側の受承アーム1
1先端に固定すべく、ボルト等が螺着されるべき固定穴
が形成してあるものである。なお、このレバー部材20
や前述した支持本体10側の受承アーム11は、角パイ
プを一体化して形成したものであるため、その他の部材
等に対する固着や支持は、角パイプ内に挿入されるプレ
ートを介して行われることもある。
【0020】そして、以上のように構成したレバー部材
20と受承アーム11の先端部間には、図1及び図2に
示したような形状のくさび板30が配置されるものであ
る。このくさび板30は、図2の図示左方側が薄くなっ
た文字通りくさび形状を有するものであり、レバー部材
20と受承アーム11とを連結するボルト等が挿入され
る調整長穴31を有しているものである。つまり、この
くさび板30は、受承アーム11に対してレバー部材2
0をボルト等によって仮止めした場合であっても、その
各調整長穴31の有在により受承アーム11に対する位
置を自由に調整し得るものとなっている。
【0021】以上のような本考案に係る片持支持装置1
00は、その支持本体10を乗物の壁内面に固定するの
みで、片持支持装置100の支持固定を確実に行うこと
ができるものではあるが、図に示した実施例では、万全
を期して、支持本体10を構成している受承アーム11
の先端を支持脚40によって床面上に対して支持するよ
うにしている。つまり、この支持脚40は、本考案の実
施にあたっては必ずしも必要なものではないが、その上
端に支持本体10を構成している受承アーム11を両側
から支えるための支持部を有しているものである。
【0022】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明においては、
上記実施例にて例示した如く、「乗物用座席200を片
持ちしながら床面に固定することにより、その通路側の
下部に自由空間を形成するようにした片持支持装置10
0であって、この片持支持装置100を、乗物の内側に
むけて略水平状に延在する受承アーム11を有して乗物
の内壁面に固定される支持本体10と、受承アーム11
上に配置固定されて乗物用座席200を下から支えるレ
バー部材20と、このレバー部材20と受承アーム11
の先端部間に配置されてレバー部材20の床面に対する
位置調整を行うくさび板30とにより構成したこと」に
その構成上の特徴があり、これにより、当該片持支持装
置100を、その十分な支持固定作用を確保しながら簡
単な構造のものとして、当初の目的を十分達成すること
のできるものとし、かつその組付作業を非常に簡単にか
つ安定した品質で行うことのできるものとして提供する
ことができるのである。
【0023】すなわち、本発明に係る片持支持装置10
0によれば、 (1)固定するための壁が存在していなくても、座席の
通路側下部に自由空間を確保することができて、当該座
席の利用者は勿論、通路側に立った人に対してもこの自
由空間を利用できるようにすることができる。 (2)片持支持装置を、十分な支持剛性を有し、簡単な
構造、すなわち部品点数が少なく、製造も容易なものと
することができる。 (3)乗物側、特に床面に対する加工をそれ程必要とし
なくて、しかも組付けを容易に行うことのできる構造と
することができる。 といった効果を発揮することができるのである。 (4)その片持支持装置とするための作業を熟練を要す
ることなく行えるようにすることができる。 といった優れた効果を発揮することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る片持支持装置を採用して固定し
た乗物用座席の正面図である。
【図2】 同支持本体の分解斜視図である。
【符号の説明】
100 片持支持装置 10 支持本体 11 受承アーム 12 ストッパ部 13 挿入部 14 段部 20 レバー部材 21 連結ピン 30 くさび板 31 調整長穴 40 支持脚 50 取付レール 200 乗物用座席
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/72

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗物用座席を片持ちしながら床面に固定
    することにより、その通路側の下部に自由空間を形成す
    るようにした片持支持装置であって、 この片持支持装置を、乗物の内側にむけて略水平状に延
    在する受承アームを有して乗物の内壁面に固定される支
    持本体と、前記受承アーム上に配置固定されて前記乗物
    用座席を下から支えるレバー部材と、このレバー部材と
    前記受承アームの先端部間に配置されて前記レバー部材
    の床面に対する位置調整を行うくさび板とにより構成し
    たことを特徴とする片持支持装置。
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