JP3301832B2 - 薄葉紙を基材とする熱封緘性蓋材 - Google Patents

薄葉紙を基材とする熱封緘性蓋材

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JP3301832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱封緘性蓋材およびそれ
を用いた包装容器に関する。さらに詳しくは、ブリスタ
ー包装、とくに医薬品等のPTP包装(Press Through
Pack)に用いる、グラシン紙等の薄葉紙を基材とする熱
封緘性蓋材およびそれを用いた包装容器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に各種カプセル、錠剤等の医薬品、
塊状のチョコレートやキャンデイ等の食品、あるいは歯
ブラシ等の雑貨品等の固形物を衛生的に包装する方法と
して、PTP包装を初めとするブリスター包装が広く採
用されている。それらのブリスター包装は、被包装物を
格納するためのポケットを成形したポリ塩化ビニルやポ
リプロピレン等の熱可塑性樹脂シ−ト製の容器のポケッ
トの部分に被包装物を格納し、その後、ポケットの開口
部側にアルミニウム箔等の金属箔を基材とする蓋材を、
熱封緘性層を介して貼合わせて密封することにより行わ
れる。
【0003】しかし、蓋材として金属箔を使用した場
合、高湿度下に保管されると、錆を発生することがあ
り、また価格的にも高いという欠点もある。また、被包
装体中に蒸気圧を有する酸を発生する可能性のあるもの
が含まれている場合には、特にアルミニウム箔等の金属
箔の腐食が大きな問題である。
【0004】これらの欠点を改良するため、金属箔以外
の基材として種々の素材が検討され、その結果、グラシ
ン紙等の薄葉紙がブリスター包装、特にPTP包装の蓋
材として強度、破裂性等の物性が適していることが見出
された。そのような熱封緘性蓋材として、例えばグラシ
ン紙等を基材とし、その一面に目止め剤を塗工して目止
め層を設け、その上に透湿防止剤あるいは最上層の熱封
緘性層との層間密着性を向上させるための接着助成剤を
塗工して中間層を設け、さらにその上に熱封緘剤を塗工
して熱封緘性層を設け、他面には必要により耐熱性上塗
り剤を塗工した塗工薄葉紙が使用されるようになってき
ている(例えば、特開昭54−21474号公報参
照)。
【0005】前記の塗工薄葉紙からなる熱封緘性蓋材は
ブリスター包装の内容物の識別や美装化を目的として着
色される場合が多く、基材として着色されたグラシン紙
等が使用されることもあるが、多種多様の着色要求に応
じることが困難である。その対策として、着色した目止
め剤を使用し、目止め層を着色することが行われている
(包装技術 第29巻 No.2 217−220
頁)。
【0006】このような熱封緘性蓋材を製造する代表的
な工程は、先ず坪量20〜40g/m2程度のグラシン紙の
一面(熱封緘する側の面)に、塩化ビニル系共重合体
類、ポリビニルブチラール系樹脂、(メタ)アクリル酸
エステル系共重合体類、エチレン−酢酸ビニル系共重合
体、ニトロセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハ
ードレジン系樹脂等の通常、印刷インキや塗料において
使用される熱可塑性樹脂の1種または2種以上を主成分
とするビヒクルに、顔料や染料等の着色剤を添加、分散
させた塗工剤を、ロール塗工機、グラビア印刷機等の適
当な塗工手段により塗工し、乾燥させてグラシン紙の目
止めおよび着色を目的とする目止め層を形成させる。そ
の上に必要により文字、記号、装飾デザイン等を印刷し
た後、この印刷面を目止めする目的も兼ねて、目止め層
と最上層の熱封緘性層との接着を強固にするためにポリ
塩化ビニル系共重合体等を主成分とする塗工剤を塗工、
乾燥させて中間層を形成させる。ついで、ポリ塩化ビニ
リデン系共重合体を主成分とする塗工剤を塗工し、乾燥
させ、透湿防止性を有する熱封緘性層を形成させること
によって蓋材が製造される。さらに他面(外側に表われ
る面)に印刷を施した後、耐熱性の上塗り層を設けるこ
とは任意に行われる。またPTP包装以外のブリスター
包装、その他容器の開口部に破り易い、あるいは剥し易
いシートを熱封緘した包装容器に対してもそのような熱
封緘性蓋材が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記ブリスター包装は
合成樹脂シート製の容器のポケットに充填する内容物を
格納した後、その開口面側に蓋材をその熱封緘層が対面
するように載置し、蓋材の熱封緘層を設けた面の反対面
から熱封緘バーあるいは熱封緘ドラムにより加熱および
加圧してプラスチック容器の非ポケット部分(フランジ
部)に熱融着させることによって遂行される。熱封緘時
の条件は容器の材質や加工速度等によっても異なるが、
容器がポリ塩化ビニルシ−ト製の場合には温度は80〜
180℃位が適当であり、一般に120〜160℃の間
で行われることが多く、熱封緘圧力は1〜3kg/ cm2
設定されていることが多い。
【0008】しかし、熱封緘時に熱封緘バーあるいは熱
封緘ドラムの熱により蓋材の熱封緘層を流動させて接着
を行うのであるが、熱封緘層の流動に伴って中間層およ
び目止め層の流動も起こり、熱封緘の圧力のムラや僅か
の偏りによって熱封緘層、中間層および目止め層からな
る樹脂層の厚さに部分的な厚薄が生じ、外観上、染みの
ような樹脂流れ模様が生じ、局部的に樹脂層が殆ど排除
された部分は接着不良が生じる場合も起こるという問題
があった。
【0009】特に多くの場合は前記のように着色層を設
けるため、色流れと言われる色相の濃淡のムラを生じて
内容物の商品価値を著しく減殺するのみならず、層間に
印刷された文字や記号の印刷皮膜も同時に流動するため
に内容物の識別が出来なくなるという場合も生じる。
【0010】一般に均一な熱封緘効果を与えるための工
程上の対策として行われている、熱封緘バーあるいは熱
封緘ドラムの押圧面を印刷版における彫刻凹版のように
規則的で立体的な細かい升目構造に加工したものを使用
する、いわゆる絹目シールと呼ばれる方法なども熱封緘
強度に関してはある程度までは解決できても、樹脂層の
流動、特に目止め層の流動による外観不良、即ち樹脂流
れ模様の発生や色流れは解決されない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究を
重ねた結果、薄葉紙の片面を、特定の目止め層および熱
封緘性層で被覆し、好ましくは両層の間に中間層を設
け、これらの各層に使用する樹脂および樹脂組成物に特
定の樹脂および樹脂組成物を使用することにより、容器
本体に熱封緘した際に樹脂流れ模様や色流れを生じない
蓋材が得られることを見出して本発明に到達したもので
ある。
【0012】すなわち本発明の熱封緘性蓋材は、薄葉紙
からなる基材と、その基材の片面に設けたウレタン樹脂
を主成分とする目止め層と、その上に設けた熱封緘性層
とから構成される。前記目止め層と熱封緘性層との間に
は、両者の層間密着性を高めるための中間層を介在させ
るのが好ましい。さらに熱封緘すべき容器本体が塩化ビ
ニル樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂製の場合は、グラ
シン紙等の薄葉紙の片面にウレタン樹脂を主成分とする
目止め層、酸変性塩化ビニル系共重合体を主成分とする
中間層および塩化ビニリデン系共重合体を主成分とする
熱封緘性層をこの順序で設けるのが好ましい。
【0013】本発明において使用する基材の薄葉紙とし
ては、晒クラフト紙や純白ロール紙等の包装用紙も使用
できるが、蓋材とした場合に破裂性等の機能面から、グ
ラシン紙、ライスペーパー、インディアペーパー、カー
ボン紙原紙、タイプ・コピー紙、コンデンサーペーパー
等の密度の高い薄葉紙が好ましい。坪量には特に制限は
ないが、あまり薄い場合には、塗工、印刷等の蓋材の製
造工程で破損し易く、かつ蓋材に加工されたものも強度
が低く、樹脂層の被覆によりかえって脆くなって破損し
易くなり、一方、厚い場合には、強度は大きくなるが、
樹脂層を被覆することにより補強効果が加わるためにP
TP包装に加工した時に容器底部を指で押圧しても容易
に蓋が破れず、内容物の取り出しが困難になるので、2
0〜40g/m2のものが好ましい。
【0014】本発明における目止め層に使用するウレタ
ン樹脂としては、公知のヒドロキシル基を有するポリオ
ール類またはその他のアミノ基やカルボキシル基などを
側鎖や末端に有する活性水素含有多官能化合物や重合体
類とポリイソシアネート化合物とを主成分とする二液型
のポリウレタンが用いられ、特にポリオールとポリイソ
シアネートとを主成分とするウレタン樹脂が好ましい。
ポリオールとしてはポリエステル、ポリ(オキシプロピ
レン)、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)の
ほか、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基
含有単量体を官能性単量体として共重合させたアクリル
共重合体であるアクリルポリオールや酢酸ビニルを含む
共重合体の酢酸ビニル基を部分加水分解することにより
ヒドロキシル基を発生させたヒドロキシル基含有共重合
体等があげられる。ポリイソシアネート化合物としては
市販のものは全て使用可能であるが、例えばトリレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタフ
ェニレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の単量体や、
ポリオール類1モルに対して、そのヒドロキシル基当量
に相当するモル数のポリイソシアネート類を付加反応さ
せて得られたポリイソシアネート、例えば1モルのトリ
メチロールプロパンに3モルのトリレンジイソシアネー
トを反応させて得られるTDI付加体、ビュレット、ト
リマー、アロファネートあるいはそれらの混合物等が具
体例としてあげられる。
【0015】前記ウレタン樹脂は、通常、例えばメチル
エチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン
類、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル類など活性
水素を持たない極性溶剤を主成分とし、トルエン、キシ
レンなどの芳香族系溶剤やヘプタン、ヘキサンなどの脂
肪族系溶剤などの非極性溶剤を混合した有機溶剤溶液と
してワニスの形態とし、これに顔料や染料等の着色剤を
分散させて着色塗工液として使用する。塗工液中には、
前記成分以外に、他の樹脂類やアミン類、有機金属塩等
の触媒、水分安定剤、流動性調整剤、粘度調整剤、乾燥
調整剤、体質顔料等の助剤を必要により添加して使用し
てもよい。前記のようにして得られた塗工液を基材の薄
葉紙にロール塗工、グラビア塗工等の公知の手段により
塗布し、乾燥、硬化させることによって目止め層を形成
させる。その塗布量は乾燥固形分重量で1〜10g/m2
適当であるが、好ましくは1〜6g/m2である。
【0016】前記中間層の主成分である酸変性塩化ビニ
ル系共重合体は、塩化ビニルに少なくとも(無水)マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、(メタ)アクリル
酸、リン酸ビニル等の共重合性の酸を共重合させたもの
であるが、通常はそのほかに共単量体として酢酸ビニ
ル、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、エチレン等
を共重合させた三元共重合体等とするのが好ましい。こ
れらの共重合体中の塩化ビニル単位の割合は通常の重合
では、50重量%以上であるが、この割合のものは熱封
緘性層との接着性を高めるうえで好ましい。また、共重
合性の酸の割合は0.2〜5重量%が好ましく、この範
囲より少ない場合は目止め層との層間の接着性が不充分
となり、多い場合は未反応の単量体酸の残存が多くなっ
たり、また溶液の流動性が悪く均一な塗工が困難になる
等の問題が生じやすい。しかし、実際に製造市販されて
いるものは0.5〜2重量%の含有率であって、好まし
い範囲のものである。特に好ましいものは塩化ビニル−
酢酸ビニル−(無水)マレイン酸共重合体で、これらの
共重合体の中では最も一般的であり、層間接着性、溶解
性、相溶性等の物性が良好で、加工作業性がよいので好
ましい。前記酸変性塩化ビニル系共重合体も、例えばメ
チルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケト
ン類、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル類などの
活性水素を持たない極性溶剤を主成分とし、トルエン、
キシレンなどの芳香族系溶剤やヘプタン、ヘキサンなど
の脂肪族系溶剤、イソプロピルアルコール、ブタノール
などのアルコール類などを希釈剤として混合した有機溶
剤溶液とし、目止め層の塗工の場合のウレタン樹脂と同
様に、必要に応じて他の樹脂類や添加剤を混合した塗工
液を目止め層の上に塗布し、乾燥、硬化させることによ
って中間層を形成させる。このようにして得られた塗工
液の塗布量は乾燥固形分重量で1〜10g/m2が適当であ
るが、好ましくは1〜6g/m2である。なお添加剤として
は通常のコーティング用の添加剤であり、その添加量は
添加剤の種類により変わる。たとえば充填剤であれば、
ある組成に対してはシリカ粉末なら3%、タルクなら1
8%などのごとくである。
【0017】前記熱封緘性層の主成分とする塩化ビニリ
デン系共重合体としては、塩化ビニリデン−アクリロニ
トリル共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体
等、またはこれらの組成に(メタ)アクリル酸等の共重
合性のカルボン酸を第三成分として含有する三元共重合
体等が使用される。前記塩化ビニリデン系共重合体は有
機溶剤溶液またはエマルションのごとき形態で市販され
ており、これを、そのまま、あるいは必要により他の樹
脂類や添加剤を添加して使用できる。熱封緘性層におけ
る添加剤も前述の中間層の場合と同じである。得られた
塗工液は目止め層の塗工の場合のウレタン樹脂と同様に
して中間層の上に塗布し、乾燥、硬化させることによっ
て透湿防止層を兼ねる熱封緘性層を形成させる。その塗
布量は乾燥固形分重量で1〜10g/m2が通常であるが、
好ましくは1〜6g/m2である。このように薄葉紙の片面
にウレタン樹脂を主成分とする目止め層を形成すること
により、破裂性を維持しながら熱封緘時の流動を防止す
ることができる。さらに塩化ビニリデン系共重合体を主
成分とする熱封緘性層を形成することによりポリ塩化ビ
ニルシートからなる容器との熱封緘が確実となる利点が
あり、とくにそのような目止め層と熱封緘層との間に酸
変性塩化ビニル系共重合体を主成分とする中間層を形成
することにより、目止め層と熱封緘層との接着が確実と
なり、全体として樹脂流れや色相のムラがなく、層間に
印刷した文字や記号が明瞭に読みとれる熱封緘性蓋材が
得られる。
【0018】本発明のブリスター包装容器は、従来公知
の熱可塑性シートから、被収納物を収容するポケット部
およびその開口部を囲むように広がるフランジ部を備え
た形態に成型した容器本体と、その容器本体の開口部を
塞ぐように、前記フランジ部に熱封緘される前記本発明
の熱封緘性蓋材とから構成される。前記容器本体を構成
する熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ポリプロピレンが挙げられる。容器本体が塩化ビ
ニル系樹脂シートから形成されている場合は、前述のよ
うに蓋材の熱封緘性層として塩化ビニリデン系共重合体
を主成分とする層を形成し、目止め層と熱封緘層との間
に酸変性塩化ビニル系共重合体を主成分とする中間層を
形成するのが好ましい。前記容器本体のポケット部を押
しつぶし容易とし、前記蓋材を、ポケット部の押しつぶ
しにより被包装物を介して容易に破ることができるよう
にすることにより、PTP包装とすることができる。複
数のポケット部を備えた容器本体を採用する場合は、フ
ランジ部にポケット部同士を切り離すための切り離し線
を形成してもよい。
【0019】
【実施例】つぎに本発明の熱封緘性蓋材および包装容器
の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の蓋
材の層構造の一実施例を模式的に示す断面図であり、図
2は本発明の包装容器の一実施例を示す斜視図である。
図1においてAは蓋材を示しており、その蓋材Aは薄葉
紙からなる基材1と、その上に設けられる目止め層2
と、その上に設けられる中間層3と、その上に設けられ
る熱封緘性層4とから構成される。通常は目止め層2の
上に被包装物(図2では錠剤)5に関する情報が文字や
記号により、あるいは装飾デザインなどがそれぞれ印刷
される。図1の符号6はそのような印刷のインキであ
る。なお熱封緘性層4を構成する樹脂によっては、前記
中間層3を省略できる場合がある。
【0020】上記のごとく構成される蓋材Aは、容器本
体7のポケット部8に被包装物5を収容した後、その熱
封緘性層4を相手の容器本体7のフランジ部9に熱封緘
する。容器本体7はブリスター包装の種類により異なる
が、図2に示すPTP包装体Bの場合は、1枚の熱可塑
性樹脂シートから、被包装物(内容物)5を収容するた
めの多数のポケット部8およびその開口部10を囲むよ
うに延設されるフランジ部9を形成したものである。蓋
材Aは図面上でフランジ部9の下面に熱封緘されてい
る。なお図2ではPTP包装を示しているが、本発明の
包装容器はこれに限定されるものではなく、PTP包装
以外の食品や衛生用品、雑貨などを包装するブリスター
包装の全体が含まれる。さらに本発明の熱封緘性蓋材
は、ブリスター包装のほか、瓶や缶などの内蓋などにも
使用することができ、その用途は特に限定されるもので
はない。
【0021】つぎに本発明の蓋材を構成する目止め層、
中間層および熱封緘性層について、実施例および比較例
にしたがってさらに詳しく説明する。
【0022】実施例1 (目止め層を形成するための着色塗工液の製造)表1の
実施例1欄に記載した配合に基づき、溶剤中にポリエス
テル樹脂Aおよび水酸基含有ビニル樹脂を溶解してワニ
スを製造し、このワニス中に顔料のファストゲンブル−
GNPTおよびシリカ粉末を混合して練合した。顔料の
分散が終了した後、ポリイソシアネ−ト化合物を添加し
て均一に混合して目止め層を形成するための目止め層用
青色塗工液を製造した。
【0023】(中間層を形成するための塗工液(酸変性
塩化ビニル系共重合体溶液)の製造)ビニライトVMC
H(米国ユニオンカーバイド社製の酸変性塩化ビニル系
共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸=86
/13/1(重量比)で、平均重合度が400のもの)
20部(重量部、以下全て同様)を混合溶剤(メチルエ
チルケトン/トルエン/酢酸エチル=3/3/4(重量
比)のもの)80部に溶解して中間層を形成するための
中間層用塗工液を製造した。
【0024】(熱封緘性層を形成するための塗工液(塩
化ビニリデン系共重合体分散液)の製造)サランラテッ
クスL−502(旭化成工業株式会社製の塩化ビニリデ
ン共重合体エマルション、固形分50%)100部に対
し、アデカノール140S(旭電化工業株式会社製の流
動性調整剤)0.8部を添加し、均一に混合して透湿防
止層を兼ねる熱封緘性層を形成するための熱封緘性層用
塗工液を製造した。
【0025】(熱封緘性蓋材の作製)坪量25.8g/m2
のグラシン紙を基材とし、塗工はグラビア塗工機により
150メッシュのグラビア版を使用して行った。前記の
目止め層用青色塗工液をインキとして乾燥塗布量約1.
5g/m2になるようにグラビア塗工し、雰囲気温度160
℃の乾燥炉を20秒間かけて通過させて目止め層を形成
した。次に同じ塗工機を使用して、前記の中間層用塗工
液を乾燥塗布量約2g/m2になるように塗工し、雰囲気温
度150℃の乾燥炉を20秒間かけて通過させて中間層
を形成した。最後に同様にして、中間層の上に前記の熱
封緘性層用塗工液を乾燥塗布量約3g/m2になるように塗
工し、雰囲気温度150℃の乾燥炉を20秒間かけて通
過させて熱封緘性層を形成させることにより、グラシン
紙を基材とする熱封緘性蓋材を作製した。
【0026】(熱封緘試験)得られたグラシン紙を基材
とする熱封緘性蓋材の熱封緘性層を厚さ250μの硬質
塩化ビニル樹脂シート(住友ベークライト株式会社製の
VSS1202)に接触するように重ね、グラシン紙の
側から、絹目状熱封緘バーを使用して熱封緘温度180
℃、熱封緘圧力4.0kg/ cm2及び加圧時間1秒間の条
件で熱封緘を行い、熱封緘面から目止め層の状態を観察
したが、熱封緘による外観の変化は認められず、色流れ
も全く認められなかった。グラシン紙と塩化ビニル樹脂
シートとを把持して剥離速度200mm/min 、剥離角度 180
°の条件で剥離したが、グラシン紙の所謂、基材破壊が
起こり、熱封緘強度は十分であった。
【0027】実施例2 実施例1において、表1の実施例2欄に記載したように
目止め層用青色塗工液中のポリオ−ル成分をポリエステ
ル樹脂Aのみとして水酸基含有ビニル樹脂を使用しなか
った他は実施例1と同様にして、試料の作製並びに試験
を行った。熱封緘による試験の結果は実施例1と同様に
外観の変化は認められず、色流れも全く認められず、剥
離試験の結果もグラシン紙の基材破壊が起こり、熱封緘
強度も十分であった。
【0028】実施例3 実施例1において、表1の実施例3欄に記載したように
目止め層用青色塗工液中のポリオール成分として末端イ
ソシアネート基のウレタン樹脂のみを使用した他は実施
例1と同様にして、試料の作製並びに試験を行った。熱
封緘による試験の結果は実施例1と同様に外観の変化は
認められず、色流れも全く認められず、剥離試験の結果
もグラシン紙の基材破壊が起こり、熱封緘強度も十分で
あった。
【0029】実施例4 実施例1において、表1の実施例4欄に記載したように
目止め層用青色塗工液中のポリオール成分としてポリエ
ステル樹脂Aの代わりに分子量の大きいポリエステル樹
脂Bを使用した他は実施例1と同様にして、試料の作製
並びに試験を行った。熱封緘による試験の結果は実施例
1と同様に外観の変化は認められず、色流れも全く認め
られず、剥離試験の結果もグラシン紙の基材破壊が起こ
り、熱封緘強度も十分であった。
【0030】比較例1 一般的な耐熱性グラビア印刷インキの一つのタイプに準
じて、SS1/4秒ニトロセルロース(ダイセル化学工
業株式会社製)85.7部、ポリビニルブチラ−ル樹脂
(積水化学工業株式会社製、商品名エスレックBL−
1)40.0部およびエポキシ樹脂(油化シエル株式会
社製、商品名エピコート#1007)125.7部を前
記の各実施例において目止め層用塗工液の製造に使用し
た混合溶剤374.3部に溶解し、前記各実施例におい
て使用したのと同じ青色顔料ファストゲンブル−GNP
T30部を添加して練合し、目止め層を形成するための
目止め層用塗工液を製造した。得られた目止め層用塗工
液を使用した他は、実施例1と同様にして、試料の作製
並びに試験を行った。熱封緘による試験の結果、色流れ
の現象を生じており、外観上の変化が明らかに認めら
れ、青色の濃淡が部分的に見られた。剥離試験の結果は
グラシン紙の基材破壊が起こり、熱封緘強度は十分であ
った。
【0031】比較例2 ビニライトVYHH(米国ユニオンカーバイド社製の塩
化ビニル系共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル=87/
13(重量比)で、平均重合度450の重合体)20部
を混合溶剤(メチルエチルケトン/トルエン/酢酸エチ
ル=3/3/4(重量比))80部に溶解して中間層を
形成するための中間層用塗工液を製造した。上記の中間
層用塗工液を使用した以外は実施例1と全く同様に試料
の作製並びに試験を行った。熱封緘試験においては外観
の変化は認められず、色流れも全く生じていなかった。
しかし剥離試験の結果、容易に目止め層と中間層との間
で剥離し、接着が十分でなかった。
【0032】
【表1】 注 1. 表中の数字は重量部である。 (1) 日本ポリウレタン工業株式会社製のポリエステル樹
脂、商品名ニッポラン1100、固形分100%。 (2) 日本ポリウレタン工業株式会社製のポリエステル樹
脂、商品名ニッポラン3124、固形分50%の酢酸エ
チル溶液。 (3) 日本ポリウレタン工業株式会社製の一液型ウレタン
樹脂、商品名ニッポラン2304、固形分35%のメチ
ルエチルケトン溶液。 (4) 米国ユニオンカーバイド社製の塩化ビニル系樹脂、
商品名ビニライトVAGH(塩化ビニル/酢酸ビニル/
ビニルアルコ−ル=91/3/6(重量比)で平均重合
度が500の重合体)。 (5) 大日本インキ化学工業株式会社製の青色顔料。 (6) 富士シリシア化学株式会社(旧社名:富士デヴィソ
ン化学株式会社)製合成シリカ粉末、商品名サイロイド
244。 (7) 日本ポリウレタン工業株式会社製のポリイソシアネ
ート、商品名コロネートL、TDI/TMP=3モル/
1モルの付加化合物、固形分75%の酢酸エチル溶液。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のようにグ
ラシン紙等の薄葉紙を基材とする熱封緘性蓋材におい
て、基材の片面にウレタン樹脂を主成分とする目止め層
を設け、上面に熱封緘性層を設けたものは、熱封緘に際
して目止め層の流動が起こらないため、見苦しい外観を
呈することがなく、従って目止め層に着色を施した場合
でも色流れ等の現象を生ずることがなく、常に色ムラの
ない美麗な外観が得られる。また、前記目止め層の上に
酸変性塩化ビニル系共重合体を主成分とする中間層およ
び塩化ビニリデン系共重合体を主成分とする熱封緘性層
の三層をこの順序で被覆して設けた熱封緘性蓋材は、塩
化ビニル系樹脂シートから形成した容器本体に対する熱
封緘性が高く、目止め層の耐熱性が上記のように著しく
向上しているにもかかわらず、三層の樹脂層は層間の密
着性が良好であり、層間剥離を生じない。本発明の包装
容器は、熱封緘に際して目止め層の流動が起こらないた
め、外観が美麗であり、安価に製造しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋材の層構造の一実施例を模式的に示
す断面図である。
【図2】本発明の包装容器の一実施例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
A 蓋材 1 基材 2 目止め層 3 中間層 4 熱封緘性層 B PTP包装体 7 容器本体 8 ポケット部 9 フランジ部 10 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 吉孝 大阪府八尾市美園町4丁目92番13号 (72)発明者 岡本 正明 大阪府高槻市城南町1丁目5番4号 (72)発明者 小濱 博信 大阪府枚方市招提南町1丁目10番24号 (56)参考文献 特開 昭54−21474(JP,A) 特開 平3−51400(JP,A) 実開 昭54−26567(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B65D 75/00 - 75/70 D21H 11/00 - 27/42

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄葉紙からなる基材と、その基材の片面
    に設けたウレタン樹脂を主成分とする目止め層と、その
    上に設けた熱封緘性層とからなる薄葉紙を基材とする熱
    封緘性蓋材。
  2. 【請求項2】 前記目止め層と熱封緘性層との間に、両
    者の層間密着性を高めるための中間層が介在されている
    請求項1記載の蓋材。
  3. 【請求項3】 前記熱封緘性層が塩化ビニリデン系共重
    合体を主成分としており、その熱封緘性層と前記基材と
    の間に、酸変性塩化ビニル系共重合体を主成分とする中
    間層が介在されている請求項2記載の蓋材。
  4. 【請求項4】 前記目止め層の上に、印刷層が設けられ
    ている請求項1、2または3記載の蓋材。
  5. 【請求項5】 前記薄葉紙がグラシン紙、ライスペーパ
    ー、インディアペーパー、カーボン紙原紙、タイプ・コ
    ピー紙、コンデンサーペーパーよりなる群より選ばれた
    ものである請求項1、2または3記載の蓋材。
  6. 【請求項6】 前記目止め層が、有機溶剤中に、ヒドロ
    キシル基を有するポリオールとポリイソシアネートとを
    主成分とする2液型のポリウレタンを溶かした塗工液
    を、前記基材に塗工し、乾燥・硬化させたものである請
    求項1、2または3記載の蓋材。
  7. 【請求項7】 前記目止め層が、乾燥固形分重量で1〜
    10g/m2 で設けられている請求項6記載の蓋材。
  8. 【請求項8】 前記熱封緘性層が透湿防止性を備えてい
    る請求項1、2または3記載の蓋材。
  9. 【請求項9】 前記中間層の主成分である酸変性塩化ビ
    ニル系共重合体が、50重量%以上の塩化ビニルと、
    0.2〜5重量%の共重合性の酸と、酢酸ビニル、塩化
    ビニリデン、アクリル酸エステル、エチレンよりなる群
    より選ばれた1種または2種以上の共単量体との三元共
    重合体からなる請求項3記載の蓋材。
  10. 【請求項10】 前記中間層の主成分である酸変性塩化
    ビニル系共重合体が、塩化ビニル・酢酸ビニル・(無
    水)マレイン酸共重合体である請求項3記載の蓋材。
  11. 【請求項11】 熱可塑性シートから、被収納物を収容
    するポケット部およびその開口部を囲むように広がるフ
    ランジ部を備えた形態に成型した容器本体と、その容器
    本体の開口部を塞ぐように、前記フランジ部に熱封緘さ
    れる請求項1〜10のいずれかに記載の蓋材とからなる
    ブリスター包装容器。
  12. 【請求項12】 前記容器本体が塩化ビニル系樹脂シー
    トから形成されている請求項11記載の包装容器。
  13. 【請求項13】 前記容器本体のポケット部が押しつぶ
    し容易であり、前記蓋材が、ポケット部の押しつぶしに
    より被包装物を介して容易に破ることができる請求項1
    1または12記載の包装容器。
  14. 【請求項14】 前記容器本体が複数のポケット部を備
    えており、フランジ部にポケット部同士を切り離すため
    の切り離し線が形成されている請求項11〜13のいず
    れかに記載の包装容器。
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