JP3302068B2 - 医療用超音波診断装置の超音波プローブ - Google Patents

医療用超音波診断装置の超音波プローブ

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JP3302068B2
JP3302068B2 JP00272093A JP272093A JP3302068B2 JP 3302068 B2 JP3302068 B2 JP 3302068B2 JP 00272093 A JP00272093 A JP 00272093A JP 272093 A JP272093 A JP 272093A JP 3302068 B2 JP3302068 B2 JP 3302068B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用超音波診断装置
に用いる超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】医療用超音波診断装置に用いる超音波プ
ローブにはアレイ型トランスデューサーを備えたものが
あり、超音波を送受信する際、各アレイ間で所定の時間
遅れを設定可能になっている。
【0003】図4は、超音波プローブに備えた従来のア
レイ型トランスデューサーを斜視図で示したものであ
る。従来のアレイ型トランスデューサー1は、超音波を
送受信可能な圧電体2と、被検者と圧電体2との間の音
響整合を図るための整合層すなわちマッチング層3と、
圧電体2から後方へ向かう超音波を吸収可能な音響制動
層すなわちバッキング層4とを層状に形成して層構造と
し、これに所定の溝5を設けてある。
【0004】アレイ型トランスデューサーを製造するに
は、まず、ゴムあるいは樹脂を加熱あるいは加圧するこ
とによってバッキング層4を所定の寸法に仕上げ、次い
で、この上に圧電体2、マッチング層3を加熱あるいは
加圧作用等で順次接続し、次いで、ダイシングマシン等
を用いて層構造に溝5を加工してアレイ構造とする。こ
れらの製造工程においては、完成されたアレイのピッチ
が所定の精度になるように十分、その精度を管理する必
要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず、
バッキング層4を形成する際に加熱あるいは加圧するた
め、バッキング層自体の仕上げ精度には限界がある。ま
た、バッキング層4を高精度に仕上げることができたと
しても、圧電体2との接続工程において加熱処理を行う
ため、バッキング層4に熱膨脹あるいは熱収縮が生じ、
その結果、バッキング層の上面がマッチング層の上面と
平行にならない場合がある。また、バッキング層は、ゴ
ムあるいは樹脂等でできているため、本来、高い精度で
機械加工を施しにくい。
【0006】このように、マッチング層上面からバッキ
ング層上面までの深さの精度を十分確保することが困難
であるため、従来、溝深さを大きめの値に設定して溝加
工を行っていた。
【0007】しかし、溝深さの増大は、加工時間を長く
し、溝加工工程でのスループットを低下させる原因とな
るのみならず、アレイピッチが小さい場合には、溝蛇
行、アレイ素子破損等にもつながる。
【0008】また、加熱工程の際にバッキング層内部に
生じた内部応力が溝加工によって解放され、その結果、
アレイピッチが変化するという欠点もあった。
【0009】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、マッチング層上面からバッキング層上面まで
の深さの精度を確保して溝加工のスループットを改善す
るとともに溝加工を行ってもアレイピッチに変化が生じ
ないようにし、さらに微小ピッチでアレイを形成可能な
超音波プローブを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の医療用超音波診断装置の超音波プローブ
は、超音波を送受信可能な圧電体の両面に整合層および
バッキング層をそれぞれ形成して層構造とし、この層構
造に前記超音波の送受面に垂直な方向から複数の溝を形
成してアレイ構造としたアレイ型トランスデューサーを
備えた超音波プローブであり、前記バッキング層を、前
記溝の形成に伴う機械応力および熱応力に対する変形量
が少ない非金属無機材料又は金属材料で形成された基板
層と、この基板層の前記圧電体側の面に形成され且つ超
音波中心周波数の2分の1波長又は4分の1波長に等し
い厚さを持つ薄膜層とにより構成したことを特徴とす
る。例えば、前記溝を整合層、圧電体および薄膜層を越
えて基板層まで到達する深さに、前記溝を整合層および
圧電体を越えて薄膜層まで到達する深さに、又は、前記
溝を整合層を越えて圧電体まで到達する深さに形成され
る。
【0011】
【作用】本発明の医療用超音波診断装置の超音波プロー
ブにおいては、アレイ型トランスデューサーを製造する
ときに、アレイ構造にするための溝の形成に伴う機械応
力および熱応力に対する変形量が少ない非金属無機材料
又は金属材料で基板層を形成し、この基板層の圧電体側
の面に、超音波中心周波数の2分の1波長又は4分の1
波長に等しい厚さを持つ薄膜層を形成してバッキング層
が構成されている。
【0012】このようにバッキング層を形成すると、溝
を形成するときの機械応力及び熱応力に対する基板層の
変形量は極めて少なくなることから、溝形成時にはバッ
キング層全体が固く且つ歪みが少なくなる。つまり、整
合層の上面からバッキング層の上面までの深さがほぼ均
一になって、加工溝の設定深さを従来よりも小さくする
ことができるとともに、その加工精度も確保できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の医療用超音波診断装置の超音
波プローブの実施例について、添付図面を参照して説明
する。なお、従来技術で説明した部品と実質的に同一の
部品については同一の番号を付してその説明を省略す
る。
【0014】図1は、本実施例に係る医療用超音波診断
装置の超音波プローブに備えたアレイ型トランスデュー
サーを斜視図で示したものである。
【0015】アレイ型トランスデューサー11は、超音
波を送受信可能な圧電体2の両面に整合層3およびバッ
キング層12をそれぞれ接続して層構造とし、この層構
造に所定の溝5を形成してアレイ構造としてある。
【0016】整合層3は、被検者(図示せず)と圧電体
2との間の音響整合のために設けてある。
【0017】圧電体2は、例えば圧電セラミックスで構
成するのがよい。また、圧電体2の両面には、超音波発
振用の電力を供給するとともに受信超音波に応答した電
気信号を取り出すための電極(図示せず)を設けてあ
る。
【0018】バッキング層12は、例えば、後方に向か
う超音波を吸収するように構成してある。本実施例で
は、バッキング層12は、機械応力および熱応力に対す
る変形量が所定の値以下の材料、例えばガラス、セラミ
ックス等の非金属無機材料、金属材料等で基板層13を
形成し、この基板層13の上に厚さtが例えば超音波中
心周波数の4分の1波長となるように薄膜層14を均一
に形成してある。薄膜層14は、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリエチレン樹脂等で構成するのがよい。
【0019】溝5は、図1でわかるように、整合層3、
圧電体2および薄膜層14を越えて基板層13まで形成
してある。
【0020】薄膜層14の厚さtを超音波中心周波数の
4分の1波長にした場合、圧電体2から背面側を見たバ
ッキング層12全体の音響インピーダンスZは、
【数1】 Z=Z /Z となる。ここで、Z、Zは、それぞれ薄膜層14、
基板層13の音響インピーダンスである。
【0021】本実施例のアレイ型トランスデューサーを
製造するには、まず、ガラス、セラミックス等で基板層
13を所定の寸法に形成する。
【0022】次に、エポキシ樹脂等の薄膜層14を加
熱、加圧等の処理によって基板層13の上に接続する。
【0023】次に、圧電体2、整合層3を加熱、加圧等
の処理によって薄膜層14に順次接続する。
【0024】次に、深さD、幅W、ピッチpの溝5をダ
イシングマシン等で加工する。
【0025】最後に、溝5にシリコーン接着剤等の充填
材を入れる。
【0026】このように、本実施例の超音波プローブ
は、機械応力および熱応力に対する変形量が所定の値以
下の材料、例えばガラス、セラミックス等で基板層13
を形成したので、基板層13を周知の技術で高精度に仕
上げることができる。
【0027】また、基板層13は加熱あるいは加圧作用
によってほとんど変形しないため、薄膜層14を接続し
た後においても、仕上げ精度を高水準に維持することが
できる。したがって、整合層3の上面から基板層13の
上面までの深さD´は、場所によるばらつきが小さくな
り、溝5の深さDを従来よりも小さな値に設定して、基
板層13の加工量を小さくし加工時間を短くすることが
できる。
【0028】これに加えて、基板層13をガラス等で構
成してあるため、溝加工のために基板層13をしっかり
保持する場合でもほとんど変形せず、一方では容易に加
工することができる。このため、溝加工工程のスループ
ットが大幅に改善される。
【0029】また、加工の際に内部応力が解放されてア
レイピッチpに影響を与えるおそれも少なくなるため、
微小ピッチのアレイを容易に製造することができる。
【0030】また、基板層と圧電体との間に薄膜層を介
在させたので、薄膜層の音響インピーダンス、薄膜層の
厚さおよび基板層の音響インピーダンスを適宜組み合わ
せることにより、バッキング層全体の音響インピーダン
スを任意の値に調整することができる。
【0031】上述の実施例では、薄膜層14の厚さtを
超音波中心周波数の4分の1としたが、かかる厚さに限
定されるものではなく、任意に設定することができる。
例えば超音波中心周波数の2分の1としてもよい。この
場合には、圧電体2から背面側を見たバッキング層12
全体の音響インピーダンスZは、
【数2】 Z=Z となる。
【0032】また、上述の実施例では、溝5を、整合層
3、圧電体2および薄膜層14を越えて基板層13まで
形成したが、これに限定されるものではなく、図2に示
すように、溝5を整合層3および圧電体2を越えて薄膜
層14の途中まで形成してもよいし、図3に示すよう
に、溝5を整合層3を越えて圧電体2の途中まで形成し
てもよい。なお、図3の例では、溝5を形成した後に残
った部分の圧電体2の厚さT´を通常部分の厚さTの5
分の1以下にするのがよい。
【0033】また、上述の実施例では、医療用の超音波
診断装置に適用した例を示したものであるが、本発明の
超音波プローブはこれに限定されるものではなく、例え
ば非破壊検査で用いる超音波プローブにも適用すること
ができる。
【0034】また、上述の実施例では、薄膜層を基板層
に形成した後、圧電体および整合層を薄膜層の上に形成
したが、代わりに、薄膜層を圧電体の背面にあらかじめ
形成しておき、これを基板層に接続するようにしてもよ
い。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の医療用超音
波診断装置の超音波プローブは、超音波を送受信可能な
圧電体の両面に整合層およびバッキング層をそれぞれ形
成して層構造とし、この層構造に前記超音波の送受面に
垂直な方向から複数の溝を形成してアレイ構造としたア
レイ型トランスデューサーを備え、前記バッキング層
を、前記溝の形成に伴う機械応力および熱応力に対する
変形量が少ない非金属無機材料又は金属材料で形成され
た基板層と、この基板層の前記圧電体側の面に形成され
且つ超音波中心周波数の2分の1波長又は4分の1波長
に等しい厚さを持つ薄膜層とにより構成したので、整合
層上面からバッキング層上面までの深さの精度を確保し
て溝加工のスループットを改善するとともに、溝加工を
行ってもアレイピッチに変化が生じないようにし、微小
ピッチでアレイを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の医療用超音波診断装置の超音波プロ
ーブに備えたアレイ型トランスデューサーの斜視図。
【図2】本実施例のアレイ型トランスデューサーの変形
例を示す斜視図。
【図3】本実施例のアレイ型トランスデューサーの別の
変形例を示す斜視図。
【図4】従来の超音波プローブに備えたアレイ型トラン
スデューサーの斜視図。
【符号の説明】
2 圧電体 3 整合層(マッチング層) 5 溝 11 アレイ型トランスデューサー 12 バッキング層 13 基板層 14 薄膜層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を送受信可能な圧電体の両面に整
    合層およびバッキング層をそれぞれ形成して層構造と
    し、この層構造に前記超音波の送受面に垂直な方向から
    複数の溝を形成してアレイ構造としたアレイ型トランス
    デューサーを備えた医療用超音波診断装置の超音波プロ
    ーブにおいて、 前記バッキング層を、前記溝の形成に伴う機械応力およ
    び熱応力に対する変形量が少ない非金属無機材料又は金
    属材料で形成された基板層と、この基板層の前記圧電体
    側の面に形成され且つ超音波中心周波数の2分の1波長
    又は4分の1波長に等しい厚さを持つ薄膜層とにより構
    成したことを特徴とする医療用超音波診断装置の超音波
    プローブ。
  2. 【請求項2】 前記溝を前記整合層、圧電体および薄膜
    層を越えて基板層まで到達する深さに形成した請求項1
    記載の医療用超音波診断装置の超音波プローブ。
  3. 【請求項3】 前記溝を前記整合層および圧電体を越え
    て薄膜層まで到達する深さに形成した請求項1記載の医
    療用超音波診断装置の超音波プローブ。
  4. 【請求項4】 前記溝を前記整合層を越えて圧電体まで
    到達する深さに形成した請求項1記載の医療用超音波診
    断装置の超音波プローブ。
JP00272093A 1993-01-11 1993-01-11 医療用超音波診断装置の超音波プローブ Expired - Lifetime JP3302068B2 (ja)

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