JP3303571B2 - 赤外線検出器及び赤外線検出器アレイ - Google Patents

赤外線検出器及び赤外線検出器アレイ

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JP3303571B2 JP31836294A JP31836294A JP3303571B2 JP 3303571 B2 JP3303571 B2 JP 3303571B2 JP 31836294 A JP31836294 A JP 31836294A JP 31836294 A JP31836294 A JP 31836294A JP 3303571 B2 JP3303571 B2 JP 3303571B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は受光面に入射した赤外
線を検出する赤外線検出器及びその赤外線検出器を複数
配列した赤外線検出器アレイに関し、特に多大な電荷蓄
積が可能な赤外線検出器及びその赤外線検出器を複数配
列した赤外線検出器アレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体基板上に光検出器と検出器からの
信号を読み出す機構を併せて集積化した固体撮像素子は
近年急速に発展し、例えば現在のビデオカメラは従来の
撮像管から固体撮像素子を用いたものに殆ど置き替わっ
ている。赤外線の撮像においても固体撮像素子の開発が
進み、PtSiとSiのショットキバリア(SB)を検出器として
用いたPtSiショットキバリア赤外線固体撮像素子では可
視のセンサなみの100万画素の検出器アレイを集積化し
たものも開発されている。
【0003】図13に固体撮像素子の構成を説明するため
のブロック図を示した。図において、検出器101で受光
された光は所望の信号に変換され、この信号はトランス
ファゲート105を介して検出器101に接続されたCCDの
垂直シフトレジスタ102により垂直方向に順次転送さ
れ、垂直シフトレジスタ102から運ばれてきた信号はC
CDの水平シフトレジスタ103により水平方向に順次転
送され、出力アンプ104により信号は外部へ読み出され
る。
【0004】図14に従来の赤外線固体撮像素子の検出器
部と垂直シフトレジスタCCDの断面を模式的に示し
た。図のように、検出器部は赤外光を透過する半導体層
110、赤外光を吸収する光吸収層111、絶縁層112、光反
射膜113が順に積層された構造である。なお、半導体層1
10は例えばp形Si半導体から構成され、光吸収層111
は、半導体層110よりバンドギャップの小さい半導体か
らなる層あるいは半導体層110とショットキ接合を形成
する層でPtSi等の金属膜、またはGeSi等のSi半導体より
バンドギャップの小さい半導体膜から構成され、絶縁層
112は酸化珪素膜や窒化珪素膜等の絶縁膜から構成さ
れ、光反射膜113はアルミ膜等から構成されている。図
において、金属膜(または半導体膜)111と半導体基板1
10で形成されるショットキバリア(またはヘテロ接合)
が光検出器となる。また、106はショットキバリア(ま
たはヘテロ接合)を形成する光吸収層111の周辺部での
電界集中を緩和し暗電流を防止するためのn形不純物層
よりなるガードリングであり、107は素子分離及び絶縁
のための素子分離酸化膜であり、108は素子分離酸化膜1
07の下に形成された分離のためのチャンネルストップp
不純物層であり、109は層間絶縁膜である。
【0005】次に、動作について図13及び図14に従って
説明する。赤外領域ではSi半導体は透明であるのでSi半
導体を用いた赤外線固体撮像素子ではSi半導体基板110
の裏面より赤外光を入射することが多い。Si半導体基板
110の裏面より入射した赤外光はPtSi等の金属膜111で吸
収され光電変換される。具体的には、赤外光によって金
属膜111内にホットホールが励起され、そのホットホー
ルのうち金属膜111とSi半導体基板110で形成されるショ
ットキバリアのバリアを越えるエネルギを持ったものは
バリアを越えることが可能になりバリアをこえたホット
ホールが光電流となる。したがって検出可能な最大波長
(遮断波長)はショットキバリアの高さで決まる。例え
ば金属膜にPtSiを用いた場合はバリアの高さは0.2eV程
度になるため、遮断波長は約6μmとなり赤外線の大気
の透過率が高い3-5μm帯の赤外線の検出が可能であ
る。このバリアの高さは金属の種類を変えたり、半導体
の不純物濃度を変えたり、半導体自身を他の種類のもの
に変えたりして所望のバリア高を得ることができる。ま
た金属膜111の代わりに基板110より狭いバンドギャップ
を持ち非常に高濃度に不純物をドープした半導体膜を使
用した場合は、この半導体膜と基板の半導体の間に形成
されるヘテロ接合のバリアを用いて同様な機構で赤外線
の検出が可能である。例えば半導体膜としてボロンを縮
退するほど高濃度にドープしたGeSi半導体(GeとSiの混
晶半導体)を用いた場合、GeSi半導体のバンドギャップ
はGeの混晶比を調整することにより連続的に変えること
ができるので、Ge混晶比により所望のバリア高を得るこ
とができ赤外線の大気の透過率が高い10μm帯に光感度
を持つように設定することが可能である。このように現
在では3-5μm帯の検出には金属膜111にPtSiを用いたも
のが主に使われており、また10μm帯の検出には光吸収
層111として高濃度に不純物をドープしたpGeSi半導
体を使用することが検討されている。
【0006】以上のように赤外光は光吸収層111で吸収
され光電変換されるが、この光吸収層111の膜厚には最
適値がある。光吸収層111内で発生したホットホールの
うち光電流となりうるのはショットキバリア(またはヘ
テロ接合)のバリアの方(半導体層110の方)へ向かう
ものだけで、バリアとは反対方向(絶縁層112の方向)
に運動するものは光電流にはなりえない。しかし、光吸
収層111の膜厚をホットホールの平均自由行程に比べ薄
くすると、バリアの反対方向に向かったホットホールも
絶縁層112で反射されてバリアに達することが可能とな
り、光電流となり得るので、感度が向上する。バリアの
界面でバリアを越えずに反射してしまうホットホールも
あるが、光吸収層111の膜厚をさらに薄くすると、ホッ
トホールは光吸収層111内を繰り返し往復することにな
りホットホールがバリアを越える機会が増え、感度が向
上する。一方、光吸収層111の膜厚を薄くしすぎると、
赤外光自身の吸収量が減少してしまうので、膜厚には最
適な範囲がある。このように、感度向上のために光吸収
層として膜厚を薄くすると、光吸収層111で赤外線光を
効率良く吸収することはできない。光反射膜113は光吸
収層111で吸収されずに透過した赤外光を光吸収層111の
方向へ反射させ、再び光吸収層111へ入射させて感度を
向上させる働きを有する。従って、光吸収層111と絶縁
層112と光反射膜113の三者で感度を向上させるための光
学的共振構造を構成している。この光学的共振構造の感
度向上効果は、絶縁層112の屈折率をnとすると絶縁層1
12の膜厚dが検出波長のn/4の時に最大になる。これ
は光反射膜113によって光反射膜を節とする定在波が形
成され、その定在波の腹の位置に光吸収層111がある時
に感度が最大になるからである。したがって例えばn=
2の絶縁層112(窒化珪素膜等)の場合、絶縁層112の最
適な膜厚は4μmの赤外光に対してはd=0.5μm、1
0μmの赤外光に対してはd=1.25μmとなる。
【0007】次に、以上説明した光検出器を搭載して赤
外線固体撮像素子を構成した場合の一般的な動作を説明
する。固体撮像素子では検出器に一定時間光信号を蓄積
して、その蓄積された信号電荷を読み出す。図13の垂直
シフトレジスタ102と水平シフトレジスタ103としてCC
D(Charge coupled devices)を用いた場合について、
その信号蓄積動作を説明する。検出器101は一定時間検
出器内の容量に信号電荷を蓄積する。検出器101と垂直
シフトレジスタ102の間にあるトランスファゲート105を
開くと蓄積された信号電荷は垂直シフトレジスタ102の
電極の下部へ一斉に転送される。このとき検出器の電位
は一定の電位にリセットされ次にトランスファゲート10
5が開くまで信号電荷を蓄積する。垂直シフトレジスタ1
02へ転送された信号電荷は垂直方向へ転送され、1段ず
つ水平シフトレジスタ103へ送られ、水平シフトレジス
タ103により水平方向に転送されて出力アンプ104より順
次外部へ読み出される。全信号電荷が読み出された後、
再びトランスファゲート105が開き、読みだし動作の間
に蓄積されていた次の信号電荷を垂直シフトレジスタ10
2へ一斉に転送し、以下同じ動作を繰り返す。この時の
検出器内部の動作を詳しく説明すると、まずトランスフ
ァゲート105が開くと蓄積された信号電荷は垂直シフト
レジスタ102へ転送され、検出器の電位は一定の電位に
リセットされ、光吸収層111はこの電位に固定される。
光が入射し、ホットホールがバリアを越えて半導体層11
0側へ流れていくと、光吸収層111の電位は低くなってい
く。言い換えると検出器の容量に電子が蓄積され、検出
器の電位が低くなっていく。次にリセットされた時に、
この容量に蓄積された電子が読み出される。検出器の容
量分の信号電荷しか蓄積できないため、検出器の容量で
検出可能な光の強度(ダイナミックレンジ)が決定して
いる。なお、この検出器の容量は図14においては光吸収
層111とp形半導体基板110の間の容量Csとガードリン
グ106とp形半導体基板110の間の容量Cgとガードリン
グ106とチャンネルストップp不純物層108の間の容量
Ccとを足したものになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、検出
器の容量は固体撮像素子のダイナミックレンジを決めて
いる。この時、ある感度S1である測定領域M1で飽和容
量に達したとする。そのときの感度S1より高い感度S2
で計測を行うと、飽和容量に達する測定領域M2は感度
の低い測定領域M1より小さい(狭い)ことになる。逆
に広い測定領域が必要ならば、飽和容量に制限がある限
り、感度を低下させなくてはならないことになる。この
ことは、赤外線固体撮像素子において、使用する温度領
域によって、検出器の容量が固体撮像素子の感度特性を
制限することになってしまう。ところで、赤外線固体撮
像素子は物体が放出する赤外線を検出し映像化する。温
度の高い物体ほど赤外線の放出量が大きいので、赤外線
の撮像では温度の高い物体ほど明るく見えることにな
り、物体の温度の差を映像化できる。赤外線固体撮像素
子の性能の指標としてNETD(Noise equivalent temp
erature differrence)が用いられる。NETDは何度の
温度差まで検出可能かを示し、例えばNETD=0.1Kで
は0.1℃の温度差まで検出可能であることを示す。赤外
線固体撮像素子の一般的な撮像条件である室温(300K程
度)環境にある物体の撮像をする場合を考えると、室温
背景から放出される赤外線が元々大きい。そのため、検
出器が一定容量の場合、NETDの性能を上げようと検
出器の感度や入射光量を増大させると背景光による信号
成分も増え室温の背景光だけで検出器の容量が飽和ある
いは飽和に近くなり、実際の撮像に許される容量が小さ
く撮像ができない場合がある。一般には、背景光で検出
器の容量が飽和しないよう感度や入射光量と検出器容量
のバランスを考慮して設計するので、NETDの性能が
検出器の容量で制限されてしまう。この場合、検出器の
容量を増大させると感度や入射光量を増やすことが可能
になりNETDの性能を向上させることができる。従っ
て、赤外線固体撮像素子では温度感度を向上するため
に、検出器単体の感度向上と共に検出器の容量を増大さ
せることが必要であった。
【0009】検出器容量の増大方法としては、p形半導
体基板110の不純物濃度を上げて光吸収層111とp形半導
体基板110の間の容量を増やしたり、チャンネルストッ
プp+不純物層108の不純物濃度を上げてガードリング10
6とp+不純物層108の間の容量を増やしたり等いくつか
の方法が考えられる。これらの容量の増大方法につい
て、出願人はすでに特開平5ー114720号公報において記載
した。また、光反射膜113を一定電位(例えば半導体層1
10と同電位)にして光反射膜113と光吸収層111の間に形
成される容量を使用することも考えられる。これについ
て、光反射膜113に一定電位を与える構造を出願人はす
でに特開昭57ー199274号公報において、記載している。
この容量は、光反射膜113と光吸収層111の間の絶縁層11
2の誘電率と膜厚で容量がきまる。容量を増大させるた
めには、絶縁層112の膜厚を薄くすることが有効であ
る。しかし、前述したように従来の検出器では絶縁層11
2の膜厚は光学的共振構造で決っており、感度の減少を
伴わずに薄くすることはできない。前述したように例え
ばn=2の絶縁膜(窒化珪素膜等)を使用した場合、絶
縁膜の最適な膜厚は4μmの赤外光に対してはd=0.5
μm、10μmの赤外光に対してはd=1.25μmとなり、
長波長の検出を目標にするほど絶縁膜の膜厚は厚くなり
容量の増大は期待できなくなる。10μm帯の撮像におい
ては3-5μm帯よりも室温の背景光の信号成分が増える
ので光反射膜を用いた容量の増大効果が少ないことは特
に問題となっていた。
【0010】この発明は、上述した従来例による光検出
器の欠点を克服するためになされたもので、光学的共振
構造による感度向上効果を持ちつつ、容量の増大が可能
な赤外線検出器を提供すること及びその赤外線検出器を
複数配列した赤外検出器アレイを提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
赤外線検出器は、半導体基板上に形成され、該半導体基
板を介して入射される光及び該半導体基板を介して入射
され且つ光反射膜により反射された光を吸収し、発生し
た電荷を蓄積する光吸収層、該光吸収層と光反射膜との
間に形成された絶縁層を備えた赤外線検出器において、
前記光吸収層と前記光反射膜との間に電荷蓄積手段を
け、該電荷蓄積手段が、前記絶縁層と前記光反射膜の間
に配置され前記光反射膜と電気的に接続された導電性の
不純物を添加した半導体膜と、該半導体膜に電位を与え
る手段とを備えたものである。
【0012】
【0013】請求項に係わる赤外線検出器は、半導体
基板上に形成され、該半導体基板を介して入射される光
及び該半導体基板を介して入射され且つ光反射膜により
反射された光を吸収し、発生した電荷を蓄積する光吸収
層、該光吸収層と光反射膜との間に形成された電荷蓄積
手段であって、導電性の不純物が添加され前記半導体基
板よりもバンドギャプの広い半導体膜と、該半導体膜に
電位を与える手段とを有する電荷蓄積手段を備えたもの
である。
【0014】請求項の発明に係わる赤外線検出器は、
請求項1または2において、第1の半導体膜及び第2の
半導体膜に添加される導電性不純物が、絶縁層あるいは
光吸収層から光反射膜の方向に濃度分布を有し、該導電
性不純物の濃度が光反射膜の方より絶縁層あるいは光吸
収層側の方が高いことを規定するものである。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】請求項の発明に係わる赤外線検出器は、
請求項1または3において、絶縁層が2種類以上の多層
膜により構成されることを規定するものである。
【0021】請求項の発明に係わる赤外線検出器は、
請求項において、多層膜が屈折率の異なる複数の膜で
あることを規定するものである。
【0022】請求項の発明に係わる赤外線検出器は、
請求項1、3〜5において、絶縁層として半導体基板よ
りもバンドギャプの広い絶縁性の半導体膜を用いること
を規定するものである。
【0023】請求項の発明に係わる赤外線検出器アレ
イは、請求項1〜6の赤外線検出器を1次元または2次
元状に配列したことを規定するものである。
【0024】
【作用】この発明の請求項1に係わる赤外線検出器は、
光吸収層と光反射膜との間に電荷蓄積手段を設けたの
で、検出器の容量を増大させることができる。さらに、
該電荷蓄積手段が、絶縁層と光反射膜の間に配置され光
反射膜と電気的に接続された導電性の不純物を添加した
半導体膜と、該半導体膜に電位を与える手段とを備えた
ので、絶縁層と不純物を添加した半導体膜は光学的共振
構造を形成する膜として感度を向上させるように作用
し、導電性の半導体膜の不純物濃度を高くし絶縁膜の膜
厚を薄くすることにより、半導体膜と絶縁膜の厚さで決
定する容量を大きくすることができ、検出器の容量を増
大させることが可能になる。
【0025】
【0026】この発明の請求項に係わる赤外線検出器
は、半導体基板上に形成され、該半導体基板を介して入
射される光及び該半導体基板を介して入射され且つ光反
射膜により反射された光を吸収し、発生した電荷を蓄積
する光吸収層、該光吸収層と光反射膜との間に形成され
た電荷蓄積手段であって、導電性の不純物が添加され前
記半導体基板よりもバンドギャプの広い半導体膜と、該
半導体膜に電位を与える手段とを有する電荷蓄積手段を
備えたので、導電性の半導体膜は、光学的共振構造を形
成する膜として感度を向上させるように作用し、半導体
膜中の不純物濃度を高くすることにより半導体膜の容量
を大きくすることができ、検出器の容量を増大させるこ
とが可能になる。
【0027】この発明の請求項に係わる赤外線検出器
は、請求項1または2において、半導体膜に添加される
導電性不純物の濃度が光反射膜の方より絶縁層あるいは
光吸収層の方側が高いので、容量の増大に必要な部分の
み不純物濃度が高く他の部分は不純物濃度を薄くできる
ので、不純物の吸収による感度の低下がなく感度の高い
光検出器が得られる。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】この発明の請求項に係わる赤外線検出器
は、請求項1または3において、絶縁膜を多層膜で形成
したので、絶縁耐圧の小さい膜でも絶縁耐圧が大きい膜
と組み合わせて使用することができるようになり、感度
の向上や信頼性の向上が可能になる。
【0034】この発明の請求項に係わる赤外線検出器
は、請求項において、光透過膜及び絶縁層が2種類以
上の多層膜で構成されていることにより膜の屈折率の差
による膜界面での反射を少なくすることができ感度の向
上や信頼性の向上が可能になる。
【0035】この発明の請求項に係わる赤外線検出器
は、請求項1、3〜5において、絶縁層として半導体基
板よりバンドギャップの広い絶縁性の半導体膜で形成し
たので、絶縁層としての働きはもちろんのこと絶縁層と
して選択の幅がひろがり、例えば、光吸収層と絶縁層と
の間の屈折率の差による光の反射を抑えて感度を向上さ
せるように絶縁層を選択することが可能となる。
【0036】この発明の請求項に係わる赤外線検出器
アレイは、請求項1〜の赤外線検出器を1次元または
2次元に配置してアレイを形成したので、高感度で飽和
容量の大きい赤外線検出器を搭載することができ、温度
感度の高い赤外線検出器アレイを提供することが可能に
なる。
【0037】
【実施例】
実施例1.この発明の一実施例を図について説明する。
図1(a)は、この発明の一実施例による赤外線固体撮像
素子の画素部(検出器と読みだし部を含む部分)の断面
を示したものである。なお、図中(b)は、図中(a)のA−
A’断面(検出器部の断面)を模式的に示したものであ
る。図において、赤外光を透過する半導体層10、赤外光
を吸収する光吸収層11、絶縁層14、導電性の半導体層1
5、光反射膜13が順に積層された構造である。なお、半
導体層10は例えばSi半導体から構成され、光吸収層11
は、半導体層10とバンドギャップの異なる半導体からな
る層あるいは半導体層10とショットキ接合を形成する層
でPtSi等の金属膜、またはGeSi等のSi半導体とはバンド
ギャップの異なる半導体膜から構成され、絶縁層14は酸
化珪素膜や窒化珪素膜等の絶縁膜から構成され、導電性
の半導体層15はボロン等の不純物をドープしたシリコン
等で構成され、光反射膜13はアルミ膜等から構成されて
いる。図において、金属膜(または半導体膜)11と半導
体基板10で形成されるショットキバリア(またはヘテロ
接合)が光検出器となる。また光反射膜13と導電性の半
導体層15は電気的に接続されており、光反射膜13には電
位を印加できるようになっている(図では基板10のGN
D電位)。絶縁層14と不純物ドープの導電性の半導体層
15の膜厚は、光反射膜13とで構成される光学的共振構造
の感度向上効果が大きくなるよう選ばれている。導電性
の半導体層15はアモルファスもしくは多結晶もしくは単
結晶の半導体膜で赤外光を透過するものであればよく、
例えばSi,Ge,GeSiもしくはSiC等の半導体膜でよい。
また、図1(a)では絶縁層14と半導体層15が固体撮像素
子の画素部全域に形成されているが、これらは少なくと
も光吸収層11の一部の領域で図1(b)で示すような構造
になっていればよく、例えば、光吸収層11の上部にのみ
形成されていてもよい。
【0038】次に動作について説明する。半導体基板10
の裏面より入射した赤外光はPtSi等の金属膜11で吸収さ
れ光電変換される。具体的には、赤外光によって金属膜
11内にホットホールが励起され、そのホットホールのう
ち金属膜11とSi半導体基板10で形成されるショットキバ
リアのバリアを越えるエネルギを持ったものはバリアを
越えることが可能になりバリアをこえたホットホールが
光電流となる。
【0039】この時、光反射膜13と光電変換膜11の間の
容量Cは絶縁膜14の容量Ciと不純物ドープの半導体膜1
5の容量CSの直列合成容量になる。不純物ドープの半導
体膜15の不純物濃度を十分高くすると不純物ドープの半
導体膜15は金属膜と同等と見なせるので容量Cは絶縁膜
14の容量Ciに等しくなり、絶縁膜14を薄くすることに
より容易に検出器の容量を大きくすることが可能にな
る。例えば、絶縁膜14に窒化珪素膜、不純物ドープの半
導体膜15にシリコン半導体を使用し、窒化珪素膜14の膜
厚を0.2μmの薄膜にした場合、従来10μmの赤外光に
対して光学的共振条件を満たすのに必要であった膜厚1.
25μmの約1/6の膜厚となるので、絶縁膜で形成される
容量は6倍になる。この場合シリコン半導体15の膜厚
(シリコンの屈折率は3.44)を0.61μmにすれば、トー
タルとして光学的共振条件を満たし、絶縁膜14を薄膜化
してもその厚さをシリコン半導体15の膜厚でカバーすれ
ば感度の低下はなく、容量を増大させることが可能にな
る。
【0040】このように半導体膜15の不純物濃度を十分
高くして容量Csを十分大きくしてやれば、絶縁膜14を
薄型化して検出器の容量を大きくすることが可能にな
る。しかし、半導体膜15の不純物濃度を高くすると、半
導体膜中のキャリアによる赤外光の吸収が増加して感度
が低下するので、実際には不純物濃度には上限がある。
しかし不純物濃度をある程度以下に抑えると、キャリア
による吸収はほとんど無視でき、なおかつ容量の増大も
期待できる。例えば、不純物濃度を1018cm-3程度に抑え
ると、この不純物濃度における0.61μmの厚さのシリコ
ン半導体の10μmの波長の光に対する透過率は98%以上
あるので、この濃度では不純物の吸収による光の減衰は
ほとんどない。一方容量のほうは1018cm-3程度の濃度で
は半導体の空乏層が0.1μm以下なので半導体膜15の容
量CSは膜厚0.2μmの窒化珪素膜14の容量Ciに比べて
十分大きいので、合成容量CはほとんどCiで決まる。
この場合、従来の光学的共振構造を絶縁膜だけで構成
し、容量を決定していた時と比べると、少なくとも5倍
の容量の増大が見込まれる。
【0041】なお、上記実施例では光反射膜13を半導体
膜15に電位を印加する電極としたものについて説明した
が、例えば、図2のように、半導体膜15に電位を印加す
る電極を光反射膜13とは別に設けても良い。
【0042】実施例2.上記実施例1では、半導体膜15
に均一に不純物がドープされている場合について説明し
たが、半導体膜15に所望の分布を生じさせて不純物をド
ープすれば、赤外光の半導体膜15における吸収を低減さ
せることができる。図3は、この発明の一実施例を示し
たもので、検出器を構成する部分の断面図で、半導体膜
15に不純物をドープする際、絶縁膜14と接する側の部分
を高濃度に不純物ドープした様子を示している。図にお
いて、半導体膜15のうち高濃度不純物層16は絶縁膜14と
接する側に配置している。半導体膜15の高濃度不純物層
16を除く部分は赤外光の吸収が無視できる低不純物濃度
である。また、高濃度不純物層16の膜厚は半導体膜15内
で空乏層が伸びる分だけあればよく、高濃度ほどこの膜
厚は薄くてよい。例えば高濃度の層1018cm-3程度の濃度
の層 を必要な厚さだけ(約0.1μm)形成すれば残りの
層は1017cm-3程度の濃度程度でよい。また、5×1018cm
-3程度の濃度の層を高濃度の層として形成すれば、その
厚さは0.1μmより薄くてもよい。したがって図1の実
施例に比べ不純物による吸収を低く抑えることができる
ので、半導体膜15の実効的な不純物濃度を高くできて容
量Cをさらに大きくすることが可能になる。もちろんこ
の高濃度不純物層16内の濃度も均一でなくてもよく、半
導体膜15内で深さ方向に段階的に濃度が変わっていても
よい。
【0043】なお、実施例1と同様に、半導体膜15に電
位を印加する電極を光反射膜とは別に図4のように設け
てもよい。
【0044】実施例3.本発明の別の実施例について、
図について説明する。上記実施例では、絶縁膜14が単層
膜の場合について説明したが、本実施例では絶縁膜14は
2層以上の多層膜で構成した例について説明する。図5
は絶縁膜14として絶縁膜14a、絶縁膜14bの2層を用い
た検出器の断面を示したものである。このような構造を
形成することにより絶縁膜14と半導体膜15との界面での
屈折率の差による赤外線の反射を低く抑えることが可能
になる。例えば、半導体膜15としてSiを、絶縁膜として
耐圧の大きい酸化珪素膜14bを使用する時、Si半導体膜
15と酸化珪素膜14bの屈折率の差は大きいので界面の反
射で大きな損失が生じる。ここでSiと酸化珪素膜の間の
屈折率をもった窒化珪素膜14aを半導体膜のSiと絶縁膜
の酸化珪素膜の間に入れて絶縁膜を2層にすると界面に
おける反射による損失を抑えられる。他にも屈折率の異
なる材料を組み合わせることにより光学的に界面での反
射を低くすることができる。また光学的には良好な特性
が得られるが絶縁耐圧が低すぎて使用できないような材
料も絶縁耐圧特性の良い材料と組み合わせることにより
使用できるようになり信頼性が向上する。
【0045】なお、実施例1、2と同様に、半導体膜15
に電位を印加する電極を光反射膜とは別に設けてもよ
い。
【0046】参考例1. 本発明の一参考例について図を用いて説明する。図6は
本発明の一参考例による赤外線固体撮像素子の検出器部
の断面を模式的に示したものである。図において、Si半
導体基板10、光吸収層11、絶縁層14、導電層19、光透過
層18、光反射膜13が順に積層されている。光吸収層11は
PtSi等の金属膜またはGeSi等の基板10とはバンドギャッ
プの異なる半導体膜で構成され、絶縁層14は酸化珪素膜
や窒化珪素膜等で構成され、導電層19は例えば赤外光を
透過するボロン等の不純物をドープしたシリコン等の導
電性の半導体膜で形成される導電性の薄膜で構成され、
光透過層18は酸化珪素膜や窒化珪素膜等の絶縁膜の光透
過膜で構成され、光反射膜13はアルミ等で構成される。
この導電層19には電位を印加できるように構成されてい
る(図では基板10のGND電位)。絶縁膜14と光透過膜
18と導電性薄膜19の膜厚は光反射膜13とで構成される光
学的共振構造の感度向上効果が大きくなるよう選ばれて
いる。検出器の光検出動作は上記実施例1〜3と同様で
ある。
【0047】この参考例においては、導電性薄膜19と光
電変換膜11の間で容量Cが形成される。従って導電性薄
膜19と光電変換膜11の間の絶縁膜14を薄くすることによ
り容易に検出器の容量を大きくすることが可能になる。
但し、導電膜19で赤外光が吸収されるので、導電膜19の
膜厚は電気的接続が可能な程度に、十分薄くすればよ
い。導電膜19が上記のように半導体膜で構成される場合
には上記実施例1及び2の考えに基づいて、添加される
不純物濃度を制御する。
【0048】参考例2. また、本発明の他の参考例を図について説明する。図7
はこの発明の光検出器の断面構造を示したもので、実施
例4において導電膜として赤外光を通過しない例えばAl
やPt等の金属膜で形成された場合に適用する構造であ
る。図において、参考例1の図6で説明した導電膜19に
開口部20が設けてある。この開口部20は導電膜に一個も
しくは複数個の穴を開けたものでもよいし、スリット状
あるいは格子状の穴を開けたものでもよい。また、導電
膜19がくし状の形状をしていてもよく、検出器内に導電
膜がない開口部分があれば任意の構造でよい。この開口
部20により、開口部20の部分を通過する赤外光は導電膜
19の吸収による光の減衰を受けないので、参考例1の図
6の構造に比べ感度が向上する。ただし、容量は開口部
20があるものの、開口部の面積分ほどは減少しない。ま
た容量は導電膜19と光電変換膜11の間の絶縁膜17の膜厚
を薄くすると容易に高容量が得られるので、開口部20に
よる容量の減少分は実用上問題にならない場合が多く、
むしろ開口による感度の向上効果のほうが固体撮像素子
の温度感度特性の向上には効果的な場合もある。
【0049】また、参考例1、2では絶縁膜14や光透過
膜18が単層膜の場合について説明したが、絶縁膜14や光
透過膜18は2層以上の多層膜で構成してもよい。このよ
うな構造をとることにより絶縁膜14や光透過膜18と導電
性薄膜19との間の界面での屈折率の差による赤外線の反
射を低く抑えることも可能になる。例えば導電性薄膜と
してSiを、絶縁膜として耐圧の大きい酸化珪素膜を使用
する時、Siと酸化珪素膜の屈折率の差は大きいので界面
の反射で大きな損失が生じる。ここで図8のように、Si
と酸化珪素膜の間の屈折率をもった窒化珪素膜を導電性
薄膜のSiと絶縁膜の酸化珪素膜の間に入れて絶縁膜を2
層にすると界面における反射による損失を抑えられる。
他にも屈折率の異なる材料を組み合わせることにより光
学的に界面での反射を低くすることができる。また光学
的には良好な特性が得られるが絶縁耐圧が低すぎて使用
できないような材料も絶縁耐圧特性の良い材料と組み合
わせることにより使用できるようになり信頼性が向上す
る。
【0050】実施例4. また、本発明の別の実施例について説明する。これまで
の実施例1〜3では、絶縁膜14が酸化珪素膜や窒化珪素
膜等の誘電体膜の場合について説明したが、絶縁膜14は
光吸収層11内で発生したホットホールをブロックでき、
且つ容量として十分な絶縁耐圧が確保できるものであれ
ばよい。例えば、SiCやZnS等の基板のSiよりバンドギャ
ップの広い絶縁性の半導体膜等でもよい。このような絶
縁性の半導体膜も使用できることにより屈折率の選択の
幅が広がるので、膜種をうまく選択することにより、光
電変換膜と絶縁膜と導電性の半導体膜膜の間の屈折率の
差による光の反射を抑制することが可能となり、感度向
上が期待できる。なお、基板のSi半導体よりバンドギャ
ップの広い半導体を使用することにより、基板と光電変
換膜の間のバリアより高いバリアが光電変換膜と絶縁性
の半導体膜の間にできるので、光電変換膜内で発生した
ホットホールがブロックでき、光電変換膜から絶縁性の
半導体膜へのリーク電流も抑えられるので、酸化珪素膜
等の誘電体膜を使用した場合と同様な絶縁膜としての働
きも有する。
【0051】また、上記実施例1〜4では、光透過膜18
が酸化珪素膜や窒化珪素膜等の誘電体膜の場合のような
絶縁膜14と同じもので形成された例について説明した
が、導電性の半導体膜などでもよく、赤外光を透過する
ものであれば任意の材質を選択できる。材質の選択の範
囲が広がることにより光学的に最適な構造をとることが
可能になる。
【0052】実施例5. 次に、本発明の他の実施例を図について説明する。図9
は、本発明の一実施例による赤外線固体撮像素子の検出
器部の断面を模式的に示したものである。図において、
Si半導体基板10、光吸収層11、半導体基板10よりバンド
ギャップが広い半導体膜21、光反射膜13が順に積層され
ている。光吸収層11はPtSi等の金属膜またはGeSi等の基
板とはバンドギャップの異なる半導体膜で構成され、半
導体膜21は赤外線に対し透明で半導体基板10よりバンド
ギャップが広い半導体膜で、例えばSiCやアモルファス
もしくは多結晶のSi等により構成され、光反射膜13はア
ルミ等で構成される。また、光反射膜13と導電性の半導
体膜21は電気的に接続され、光反射膜13には電位を印加
できるようになっている(図では基板10のGND電
位)。光学的共振構造は半導体膜21と光反射膜13で構成
され、半導体膜21の膜厚は光学的共振構造の感度向上効
果が大きくなるよう選ばれている。検出器の光検出動作
は上記実施例と同様である。
【0053】ここで、光反射膜13と光吸収層11の間の容
量Cは不純物ドープの半導体膜21内の空乏層の伸びで決
まり半導体膜21の膜厚には依存しない。そのため不純物
ドープの半導体膜21の不純物濃度を高くすることによ
り、半導体膜21自身の膜厚は光学的共振構造の感度向上
効果が大きくなるよう選び、さらに半導体膜21内の空乏
層の伸びを抑えて検出器の容量を大きくすることが可能
となる。ここで、半導体膜21として基板の半導体10より
バンドギャップの広いものを使用するのは、半導体膜21
と光吸収層11の間のリーク電流を抑えるためである。半
導体膜21として基板の半導体と同じものを使用した場合
を仮定すると、半導体基板10と光吸収層11の間にでき
るバリアと同じ高さのバリアが半導体膜21と光吸収層
11の間にも形成される。この状態で光吸収層11にバイア
スが印加されると(固体撮像素子の動作では検出器がリ
セットされ光電変換膜に一定電位があたえられると)半
導体基板10と光吸収層11の間と半導体膜21と光吸収層11
の間にそれぞれ高電界がかかる。高電界が印加されると
ショットキ効果や高電界により薄くなったバリアの頂上
部でのキャリアのトンネル効果によりバリアの高さは低
くなる。今容量を増大させるために半導体膜21を高濃度
にすると半導体膜21と光吸収層11の間には半導体基板10
と光吸収層11の間より大きな電界がかかり半導体膜21と
光吸収層11の間のバリアの高さは半導体基板10と光吸収
層11の間のものに比べ低くなり、光吸収層11から半導体
膜21へのリーク電流が大きく発生してしまい検出器とし
て使用不可能となる。一方、半導体膜21として基板10の
半導体よりバンドギャップの広いものを使用すると、も
ともとのバリアの高さが半導体膜21に対する方が半導体
基板10に対するものより高いので、この高電界によるバ
リアの低下があってもなお半導体膜21とのバリアのほう
を高く維持することが可能となり、リーク電流が抑制で
き、検出器として正常な動作が実現する。
【0054】なお、本実施例では光反射膜13を半導体膜
21に電位を印加する電極としたものについて説明した
が、例えば図10に示すように、半導体膜21に電位を印加
する電極を光反射膜13とは別に設けてもよい。
【0055】また、この実施例では半導体膜21に均一に
不純物がドープされている場合について説明したが実施
例1及び2の考えに基づいて、半導体膜21の光吸収層11
と接する側の部分にのみ高濃度の不純物をドープしても
よい。高濃度不純物の領域の膜厚は半導体膜21内で空乏
層が伸びる分だけあればよく、高濃度ほどこの膜厚は薄
くてよい。したがって半導体膜21の他の部分は赤外線の
吸収が問題にならない低い不純物濃度にできるので不純
物の吸収による感度の低下を抑えることが可能になり半
導体膜21の実効的な不純物濃度を高くできて容量をさら
に大きくすることが可能になる。もちろんこの高濃度不
純物領域の濃度も均一でなくてもよく半導体膜21内で深
さ方向に段階的にあるいは傾斜的に濃度が変わっていて
もよい。
【0056】なお、これらの実施例1〜5では光電変換
膜11の上部の半導体膜や導電性薄膜などに印加する電圧
がGND電位であるものについて説明したが、これはG
NDに限るものではなく、一定電位を印加してもよい。
なお、この電位を印加する手段は、特別に設けなくても
よく、固体撮像素子の電源ラインや画素部に電位を印加
する配線を兼ねていてもよい。さらに、信号蓄積にノイ
ズ等の問題を生じないタイミングであればクロックの配
線を兼ねていてもよい。
【0057】またこれらの実施例1〜5では基板の半導
体や導電性の半導体膜や光電変換膜の半導体膜など検出
器を構成する半導体がすべてp形の半導体である場合に
ついて説明したが、これはすべてn形でもよく、p形と
n形が混在していてもよい。
【0058】実施例6. 本発明の別の実施例を図について説明する。図11は実施
例1〜5により形成された検出器を搭載した検出器アレ
イと周辺の回路構成の一例を示したもので、読みだし方
式としてCCDを用いたものである。図において、検出
器1で受光された光は所望の信号に変換され、この信号
はトランスファゲート5を介して検出器1に接続された
CCDの垂直シフトレジスタ2により垂直方向に順次転
送され、垂直シフトレジスタ2から運ばれてきた信号は
CCDの水平シフトレジスタ3により水平方向に順次転
送され、出力アンプ4により信号は外部へ読み出され
る。ここで、検出器1に実施例実施例1〜5により形成
された検出器を適用すると、それぞれの検出器が高感度
であるいは感度を維持したまま、飽和電荷量が大きいの
で、これらをアレイ状にして構成した赤外線検出器アレ
イは所望の温度領域で高感度に温度計測即ち物体計測が
可能となる。
【0059】また、上記実施例では、読みだし方式がC
CDを用いたものについて説明したが、図12に示すよう
に、MOSトランジスタ等のスイッチを用いたMOS方
式でも他の方式でもよく、検出器の容量に信号電荷を蓄
積して読み出す方式であればどのようなものでも同様な
効果がある。また、図11、12のように2次元アレイ状で
はなく1次元においても構成でき、同様な効果を奏する
ことは言うまでもない。
【0060】また、個々の検出器においては実施例1
のように半導体膜や導電性薄膜などに電位を与えてい
たが、実施例にように検出器が複数アレイ状に搭載さ
れ、検出器の半導体膜や導電性薄膜に電位を与える手段
を介して、複数の半導体膜や導電性薄膜が相互に接続さ
れた場合においては、複数の検出器は実行的に一定電位
(同電位)になる場合があり、このときは電位を印加し
なくてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
光吸収層と光反射膜との間に電荷蓄積手段を設けたの
で、感度を低下させずに絶縁層の膜厚を薄くして容量増
大を図ることができ、信頼性の高い赤外線検出器を提供
することができる。また、電荷蓄積手段が、絶縁層と光
反射膜の間に配置され、光反射膜と電気的に接続された
導電性の不純物を添加した半導体膜と、該半導体膜に電
位を与える手段とを備えたので、導電性の半導体膜の不
純物濃度を高くし絶縁膜の膜厚を薄くすることにより、
半導体膜と絶縁膜の厚さで決定する容量を大きくするこ
とができ、検出器の容量を増大させることが可能とな
り、信頼性の高い赤外線検出器を提供することができ
る。
【0062】
【0063】また、請求項の発明によれば、半導体基
板上に形成され、該半導体基板を介して入射される光及
び該半導体基板を介して入射され且つ光反射膜により反
射された光を吸収し、発生した電荷を蓄積する光吸収
層、該光吸収層と光反射膜との間に形成された電荷蓄積
手段であって、導電性の不純物が添加され前記半導体基
板よりもバンドギャプの広い半導体膜と、該半導体膜に
電位を与える手段とを有する電荷蓄積手段を備えた
で、導電性の半導体膜は、光学的共振構造を形成する膜
として感度を向上させるように作用し、半導体膜中の不
純物濃度を高くすることにより半導体膜の容量を大きく
することができ、検出器の容量を増大させることが可能
になり、信頼性の高い赤外線検出器を提供することがで
きる。
【0064】また、請求項の発明によれば、請求項
または2において、半導体膜に添加される導電性不純物
の濃度が光反射膜の方より絶縁層あるいは光吸収層の方
側が高いので、容量の増大に必要な部分のみ不純物濃度
が高く他の部分は不純物濃度を薄くできるので、不純物
の吸収による感度の低下がなく感度の高い、信頼性の高
い赤外線検出器が得られる。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】また、請求項の発明によれば、請求項1
または3において、絶縁膜を多層膜で形成したので、絶
縁耐圧の小さい膜でも絶縁耐圧が大きい膜と組み合わせ
て使用することができるようになり、感度の向上が可能
となり、信頼性の高い赤外線検出器が得られる。
【0071】また、請求項の発明によれば、請求項
において、光透過膜及び絶縁層を2種類以上の多層膜で
構成することにより、膜の屈折率の差による膜界面での
反射を少なくすることができ、感度の向上が可能とな
り、信頼性の高い赤外線検出器が得られる。
【0072】また、請求項の発明によれば、請求項
1、3〜5において、絶縁層として半導体基板よりバン
ドギャップの広い絶縁性の半導体膜で形成したので、絶
縁層としての働きはもちろんのこと絶縁層として選択の
幅がひろがり、信頼性の高い赤外線検出器を設計するこ
とが可能となる。
【0073】また、請求項の発明によれば、請求項1
〜6の赤外線検出器を1次元または2次元に配置してア
レイを形成したので、高感度で飽和容量の大きい検出器
を搭載することができ、温度感度の高い赤外線検出器ア
レイを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による赤外線検出器の断面
構造を示す図である。図中(a)は検出器を含む画素部分
の断面構造を、図中(b)は検出器の断面構造を示したも
のである。
【図2】 本発明の実施例1による別の赤外線検出器の
断面構造を示す図である。
【図3】 本発明の実施例2による赤外線検出器の断面
構造を示す図である。
【図4】 本発明の実施例2による別の赤外線検出器の
断面構造を示す図である。
【図5】 本発明の実施例3による赤外線検出器の断面
構造を示す図である。
【図6】 本発明の参考例1による赤外線検出器の断面
構造を示す図である。
【図7】 本発明の参考例2による赤外線検出器の断面
構造を示す図である。
【図8】 本発明の参考例2による別の赤外線検出器の
断面構造を示す図である。
【図9】 本発明の実施例による赤外線検出器の断面
構造を示す図である。
【図10】 本発明の実施例による別の赤外線検出器
の断面構造を示す図である。
【図11】 本発明の実施例による赤外線検出器アレ
イの回路構成を示す図である。
【図12】 本発明の実施例による別の赤外線検出器
アレイの回路構成を示す図である。
【図13】 従来の赤外線検出器を搭載した固体撮像素
子の回路構成を示す平面図である。
【図14】従来の赤外線検出器を含む(検出器と垂直シ
フトレジスタCCDを含む)部分の断面構造を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 検出器、 2 垂直シフトレジスタ、 3 水平シ
フトレジスタ、4 出力アンプ、 5 トランスファゲ
ート、6 n形不純物層(ガードリング)、 7 素子
分離酸化膜、8 p+不純物層(チャンネルストッ
プ)、 9 層間絶縁膜、10 半導体基板、 11 光吸
収層、 13 光反射膜、14、14a、14b 絶縁膜、 15
導電性半導体膜、 16 高濃度不純物層、18 光透過
膜、 19 導電性薄膜、 20 導電性薄膜の開口部、21
半導体膜、101 検出器、 102 垂直シフトレジス
タ、 103 水平シフトレジスタ、104 出力アンプ、
105 トランスファゲート、106 n形不純物層(ガード
リング)、 107 素子分離酸化膜、108 p+不純物層
(チャンネルストップ)、 109 層間絶縁膜、110 半
導体層、 111 光吸収層、 112 絶縁層、113 光反
射膜

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成され、該半導体基板
    を介して入射される光及び該半導体基板を介して入射さ
    れ且つ光反射膜により反射された光を吸収し、発生した
    電荷を蓄積する光吸収層、該光吸収層と光反射膜との間
    に形成された絶縁層を備えた赤外線検出器において、前
    記光吸収層と前記光反射膜との間に電荷蓄積手段を
    け、該電荷蓄積手段が、前記絶縁層と前記光反射膜の間
    に配置され前記光反射膜と電気的に接続された導電性の
    不純物を添加した半導体膜と、該半導体膜に電位を与え
    る手段とを備えたことを特徴とする赤外線検出器。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に形成され、該半導体基板
    を介して入射される光及び該半導体基板を介して入射さ
    れ且つ光反射膜により反射された光を吸収し、発生した
    電荷を蓄積する光吸収層、該光吸収層と光反射膜との間
    に形成された電荷蓄積手段であって、導電性の不純物が
    添加され前記半導体基板よりもバンドギャプの広い半導
    体膜と、該半導体膜に電位を与える手段とを有する電荷
    蓄積手段を備えたことを特徴とする赤外線検出器。
  3. 【請求項3】 半導体膜に添加される導電性不純物が、
    絶縁層あるいは光吸収層から光反射膜の方向に濃度分布
    を有し、該導電性不純物の濃度が光反射膜の方より絶縁
    層あるいは光吸収層側の方が高いことを特徴とする請求
    1または2に記載の赤外線検出器。
  4. 【請求項4】 絶縁層が2種類以上の多層膜により構成
    されることを特徴とする請求項1または3に記載の赤外
    線検出器。
  5. 【請求項5】 多層膜が屈折率の異なる複数の膜である
    ことを特徴とする請求項4に記載の赤外線検出器。
  6. 【請求項6】 絶縁層として半導体基板よりもバンドギ
    ャプの広い絶縁性の半導体膜を用いることを特徴とする
    請求項1、3〜5のいずれか1項に記載の赤外線検出
    器。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の赤
    外線検出器を1次元または2次元状に配列したことを特
    徴とする赤外線検出器アレイ
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