JP3317677B2 - A/d変換器のオフセット補正装置 - Google Patents

A/d変換器のオフセット補正装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、アナログ入力電
圧が零のときに発生するΔΣ変調方式の1ビットA/D
変換器のオフセット誤差を補正するオフセット補正装置
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アナログ入力信号をデジタル信号に変換
して出力するA/D変換器では、それに使用されるオペ
アンプのオフセットなどにより、アナログ入力電圧が零
のときにおいてもデジタル出力信号を生じるオフセット
誤差が存在する。すなわち、デジタル出力が零になり続
ける最大アナログ入力電圧と本来対応すべき零入力電圧
との差またはズレをオフセット誤差と呼んでおり、従来
から用いられている多ビット量子化方式のA/D変換器
におけるオフセットを補正する方法の一例を図9に示
す。
【0003】図9において、切換スイッチSWをb,
b’側に動作させてA/D変換器31の入力を短絡して
0V入力とし、この時得られるA/D変換器31のデジ
タル出力をオフセット保持回路32によりオフセット値
として検出・保持し、通常の動作においては、切換スイ
ッチSWをa,a’側に動作させておくことで、減算回
路33において該オフセット値を標本化(サンプリン
グ)ごとに入力信号をA/D変換した値から減算するこ
とにより、オフセット誤差相当分を除去したA/D変換
結果を得ることができる。
【0004】また、図10は、一般的なΔΣ変調方式の
A/D変換器の構成を示す図である。本方式はΔΣ変調
回路34およびデジタルフィルタ35から構成され、積
分回路36の出力を零とするように1ビットD/A変換
回路37により減算器38へフィードバックをかけ、積
分回路36の出力値に対して比較回路39による2値
(H,L)の値が1ビットA/D変換結果としての出力
となる。この出力には量子化雑音を多く含むため、後段
に設けるデジタルフィルタ35により雑音を減衰させる
構成とされる。
【0005】ΔΣ変調方式のA/D変換器の場合も、同
様のオフセット補正方法が従来から適用されており、図
11に示すように、装置の後段に多ビット処理のオフセ
ット補正回路40を付加することにより、同様の原理に
よるオフセット補正を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のオフセット補正
方法による場合は、各標本化(サンプリング)ごとにオ
フセット補正分を加減算する必要があり、処理工程が増
加する分だけA/D変換器全体としての消費電力が増加
するほか、A/D変換器が高分解能となるに伴って処理
を必要とする補正演算桁数が必然的に多くなり、それだ
け補正演算手段が大規模なものとなる。
【0007】また、オフセット誤差を検出するためにA
/D変換器の入力を短絡する必要があることから、温度
や経年変化によるオフセットのドリフト(変動)に絶え
ず忠実に追従してオフセット補正を行うためには、時々
入力信号のA/D変換を止める定期的なオフセット値の
検出処理動作を必要とする。
【0008】 このようなことは、図9の多ビット量子
化方式のA/D変換器の場合におけるのみならず、図1
0のΔΣ変調方式(1ビット量子化方式)のA/D変換
器の場合においても同様であり、補正演算手段が大規模
なものとなる。 (発明の目的) 本発明の第1の目的は、交流入力信号をA/D変換する
ΔΣ変調方式の1ビットA/D変換器のオフセットを補
正する場合に、入力零の期間を不要にして、オフセット
の変動に常に追従することができるA/D変換器のオフ
セット補正装置を提供することである。
【0009】本発明の第2の目的は、ΔΣ変調方式の1
ビットA/D変換器のオフセットを補正する場合に、1
ビットずつオフセットを補正することによって、回路規
模を縮小し、低消費電力化を図ることができるA/D変
換器のオフセット補正装置を提供することである。
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】 上記第1及び第2の目
的を達成するために、請求項記載の本発明は、アナロ
グの交流入力信号をデジタル信号に変換するΔΣ変調方
式の1ビットA/D変換器のオフセット補正装置であっ
て、前記交流入力信号の1周期を検出する周期検出手段
と、前記1ビットA/D変換器の出力を前記周期検出手
段によって検出される前記交流入力信号の1周期に亘っ
て累積する累積手段と、前記周期検出手段によって検出
された交流入力信号の1周期を前記累積手段の累積値に
て除算することによって求められる補正間隔毎に、前記
A/D変換器の出力から1ビットを減算する1ビット減
算手段とを有することを特徴とするものである。
【0012】 また、上記第2の目的を達成するため
に、請求項記載の本発明は、アナログ入力信号をデジ
タル信号に変換するΔΣ変調方式の1ビットA/D変換
器のオフセット補正装置であって、前記1ビットA/D
変換器の入力を零にするスイッチ手段と、該スイッチ手
段により入力が零とされる間の前記1ビットA/D変換
器の出力を累積する累積手段と、前記スイッチ手段によ
り入力が零とされる時間を計時する累積時間算出手段
と、該累積時間算出手段によって算出された累積時間を
前記累積手段の累積値にて除算することによって求めら
れる補正間隔毎に前記A/D変換器の出力から1ビット
を減算する1ビット減算手段とを有することを特徴とす
るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】 図1は、本発明に係る参考技術
である、多ビット量子化方式のA/D変換器により交
流信号をA/D変換する場合の、A/D変換器のオフセ
ット補正装置の構成を示す図である。
【0014】図1において、多ビット量子化方式のA/
D変換器1による交流入力信号(1周期の積分値が零と
なる周期性の信号)のデジタル信号への変換結果を、周
期検出回路2によって交流入力信号から検出した1周期
の間累積回路3において累積することにより、A/D変
換器1において発生するオフセット値を得る。
【0015】周期検出回路2による1周期終了毎の周期
検出信号により減算回路4の入力に設けたスイッチSW
1をオンとして、減算回路4により交流入力信号のA/
D変換結果から1周期の間累積して得たA/D変換器1
のオフセット値を減算する。なお、同時に周期検出信号
により累積回路3をリセットする。以上の動作は交流入
力信号の1周期毎に繰り返される。
【0016】このように、交流入力信号のデジタル変換
値を1周期の間累積することにより、交流入力信号1周
期の時間に対するオフセット誤差を検出し、これにより
該期間のオフセットとしてA/D変換結果を補正するこ
とができ、この補正行程を常時継続することで、オフセ
ット変動に常時追従した補正が可能となる。
【0017】 すなわち、交流入力信号のA/D変換時
にオフセット値を自動で検出し、かつ、そのためのA/
D変換器の入力の短絡が不要となる。また、オフセット
を1周期に1度減算して補正するだけで済み、標本化毎
の補正を不要としたことにより、装置全体の消費電力を
大幅に減少させることができる。本参考技術例は、平均
値を測定する電圧計などのA/D変換結果を累積または
加算平均処理するなどの用途に好適である。
【0018】 図2は、図1により説明した本発明に係
る参考技術例をさらに発展させた他の参考技術例を示す
図である。
【0019】図2のオフセット補正装置においては、オ
フセット誤差の検出方法は図1に示すオフセット補正装
置におけるものと同様であるが、累積回路3により検出
したオフセット値を除算回路5において1/N(N:整
数)倍とするとともに、周期検出回路2において検出し
た1周期間長を分周時限生成回路6において1/N倍
し、周期/Nの時限(タイミング)を生成する。
【0020】そして、このタイミングによりスイッチS
W2をオンし、該タイミング毎に、減算回路4において
累積回路3において検出したオフセット値を1/N倍し
たオフセット値/Nを交流入力信号のA/D変換結果か
ら減算する。
【0021】すなわち、本補正方法では、図1により説
明した各周期の終了時に一括して該周期のオフセット補
正を行う方法に対して、オフセット補正を1周期におい
てN回に分割して行うことにより、補正により生じるノ
イズ(急激なデジタル値の変化)の振幅を1/Nとする
とともに、該ノイズの周期も1/Nとなり、より高周波
帯域のノイズとなることから、一層歪みの少ない結果を
得ることができる。
【0022】図3は、帯域外周波数減衰器を付加したオ
フセット補正装置付A/D変換器を示す図である。
【0023】図2により説明したオフセット補正装置付
A/D変換器7により得られたデジタル出力信号を、帯
域外周波数減衰器(ローパスフィルタ)8を通過させる
ことにより、高周波ノイズを所望のレベルまで減衰さ
せ、オフセット補正装置付A/D変換器7のオフセット
補正機能の一層の高精度化を図ることができる。
【0024】 図4は、本発明の実施の一形態である、
ΔΣ変調方式のA/D変換器におけるオフセット補正装
置の構成を示す図である。
【0025】図4において、ΔΣ変調回路(1ビットA
/D変換器)9の入力(交流入力に限らない)を切換ス
イッチSW3をb,b’側にすることにより零とし、こ
のときのΔΣ変調回路9の出力を累積回路10において
切換スイッチSW3のb,b’側が閉じている任意の時
間A(任意の標本化回数)累積する。具体的には、ΔΣ
変調回路9のハイレベル出力を+1、ローレベル出力を
−1として累積回路10にてカウントする場合、カウン
ト値の1/2を累積オフセット値Bとする。また、ハイ
レベル出力のみを1としてカウントする場合、オフセッ
トが零の場合の時間Aでのハイレベル出力の基準カウン
ト値が予め分かっていれば、カウント値から基準カウン
ト値を差し引いた値の1/2を累積オフセット値Bとす
る。同時にこの時間A(標本化回数)を累積時間算出回
路11で計時する。このときの累積時間算出回路11の
算出時間Aに累積回路10で累積された累積オフセット
値Bの比A/Bを補正間隔算出回路12において求める
ことにより、補正間隔を算出する。すなわち、図5の標
本化回数A分の累積オフセット値Bを1標本化期間で補
正する説明図に示すように、たとえば、1ビットA/D
変換を行うΔΣ変調回路9の累積オフセット値Bが1ビ
ット出力のHと同じレベルに達する標本化回数Aが8で
あるとすれば、A/B=8となり、補正間隔が8標本化
回数であることが算出される。累積オフセット値Bが1
以上であってもA/Bを計算すれば、その値は累積オフ
セット値Bが1になる時の標本化回数、すなわち補正間
隔を意味する。
【0026】切換スイッチSW3をa,a’側に戻し、
この補正間隔毎に1ビット減算回路13においてΔΣ変
調回路9の出力に対して1ビットの補正(加減算または
反転による補正)を行うことにより、ΔΣ変調方式のA
/D変換器におけるオフセット補正が、小規模な回路構
成にて可能となる。
【0027】なお、図4に示すΔΣ変調方式のA/D変
換器におけるオフセット補正装置の構成によれば、直流
成分を含む任意の入力信号の処理が可能である。
【0028】図6は、オフセットを含むA/D変換結果
を補正することにより、オフセットを除去する様子を示
す図である。
【0029】図6(a)は、図4におけるΔΣ変調回路
(1ビットA/D変換回路)9の入力を短絡して零入力
とした場合の、オフセットを含む1ビットA/D変換出
力の一例を示す。オフセットがない理想的な場合におい
ては、図6(c)に示すように、0V入力の場合のA/
D変換出力はHとLを頻繁に繰り返す結果を得る筈であ
るが、図6(a)にはH,Hの連続する同データの出力
が9標本化周期毎に一定周期で発生しており(,
)、この連続同データ出力がオフセット誤差によって
生じたものである。
【0030】図6(b)は、これに対して補正間隔を算
出し、この補正間隔毎に補正を行った結果である
(’,’)。これにより9×2=18標本化回数に
おけるHとLの数が等しくなり(図6(b)ではH=
9,L=9)、オフセットを補正した結果が得られる。
【0031】図7に示すように、図4に示すオフセット
装置付A/D変調器14の後段には帯域外周波数減衰器
(ローパスフィルタ)15を設けており、該帯域外周波
数減衰器15に移動平均処理を用いた結果を図6(d)
に示す。この処理結果は、オフセットを含まない場合の
出力と等しく、本オフセット補正方法がΔΣ変調方式の
A/D変換器に有効であることを示している。また、帯
域外周波数減衰器15を具備することにより、オフセッ
ト補正により発生した高周波成分のノイズを減衰させる
ことができ、装置の一層の高精度化を図ることができ
る。
【0032】図8は、ΔΣ変調方式のA/D変換器によ
り交流入力信号をA/D変換する場合のオフセット補正
装置の構成を示す図である。
【0033】ΔΣ変調方式においても、交流入力信号の
1周期についてΔΣ変調回路16の出力信号を累積回路
17において累積することにより、交流入力信号1周期
Aに対する累積オフセット値Bを検出し、補正間隔算出
回路19によりA/Bの計算にて補正間隔を算出して、
この補正間隔毎に1ビット減算回路20において1ビッ
ト補正を行う。
【0034】これにより、入力信号変換中にオフセット
を自動検出でき、また、そのための入力の短絡が不要と
なるとともに、本補正を常時継続することにより、オフ
セット変動に常に追従した補正が可能となる。なお、図
8の出力後段にも帯域外周波数減衰器を設けることが有
効である。
【0035】
【0036】
【0037】
【発明の効果】 以上説明したように、請求項記載の
本発明によれば交流入力信号をA/D変換するΔΣ変調
方式の1ビットA/D変換器のオフセットを補正する場
合に、入力零の期間を不要にして、オフセットの変動に
常に追従することができる。同時に、1ビットずつオフ
セットを補正することによって、回路規模を縮小し、低
消費電力化を図ることができる。
【0038】 また、請求項記載の本発明によれば、
ΔΣ変調方式の1ビットA/D変換器のオフセットを補
正する場合に、1ビットずつオフセットを補正すること
によって、回路規模を縮小し、低消費電力化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る参考技術例である、多ビット量
子化方式のA/D変換器により交流信号をA/D変換す
る場合の、A/D変換器のオフセット補正装置の構成を
示す図である。
【図2】 本発明に係る他の参考技術例を示す図であ
る。
【図3】 帯域外周波数減衰器を付加したオフセット補
正装置付A/D変換器を示す図である。
【図4】 本発明の実施の一形態である、ΔΣ変調方式
のA/D変換器におけるオフセット補正装置の構成を示
す図である。
【図5】 標本化回数分の累積オフセット値を1標本化
回数で補正する説明図である。
【図6】 オフセットを含むA/D変換結果を補正する
ことにより、オフセットを除去する様子を示す図であ
る。
【図7】 帯域外周波数減衰器を付加したΔΣ変調方式
(1ビット量子化方式)のオフセット補正装置付A/D
変換器を示す図である。
【図8】 ΔΣ変調方式のA/D変換器により交流入力
信号をA/D変換する場合のオフセット補正装置の構成
を示す図である。
【図9】 多ビット量子化方式のA/D変換器における
オフセットを補正する方法の従来例を示す図である。
【図10】 一般的なΔΣ変調方式のA/D変換器の構
成を示す図である。
【図11】 オフセット補正装置を具備したΔΣ変調方
式のA/D変換器の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 A/D変換器 2 周期検出回路 3 累積回路 4 減算回路 5 除算回路 6 分周時限生成回路 7 オフセット補正装置付A/D変換器 8 帯域外周波数減衰器 9 ΔΣ変調回路 10 累積回路 11 累積時間算出回路 12 補正間隔算出回路 13 1ビット減算回路 14 オフセット補正装置付A/D変換器 15 帯域外周波数減衰器 16 ΔΣ変調回路 17 累積回路 18 周期検出回路 19 補正間隔算出回路 20 1ビット減算回路 SW1,SW2 スイッチ SW3 切換スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 悦郎 神奈川県横浜市緑区霧が丘6−1−1− 4−102 (56)参考文献 特開 平5−7154(JP,A) 特開 昭60−197016(JP,A) 特開 平9−331259(JP,A) 特開 平6−237175(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 1/00 - 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログの交流入力信号をデジタル信号
    に変換するΔΣ変調方式の1ビットA/D変換器のオフ
    セット補正装置であって、前記交流入力信号の1周期を
    検出する周期検出手段と、前記1ビットA/D変換器の
    出力を前記周期検出手段によって検出される前記交流入
    力信号の1周期に亘って累積する累積手段と、前記周期
    検出手段によって検出された交流入力信号の1周期を前
    記累積手段の累積値にて除算することによって求められ
    る補正間隔毎に、前記A/D変換器の出力から1ビット
    減算する1ビット減算手段とを有することを特徴とす
    るA/D変換器のオフセット補正装置。
  2. 【請求項2】 アナログ入力信号をデジタル信号に変換
    するΔΣ変調方式の1ビットA/D変換器のオフセット
    補正装置であって、前記1ビットA/D変換器の入力を
    零にするスイッチ手段と、該スイッチ手段により入力が
    零とされる間の前記1ビットA/D変換器の出力を累積
    する累積手段と、前記スイッチ手段により入力が零とさ
    れる時間を計時する累積時間算出手段と、該累積時間算
    出手段によって算出された累積時間を前記累積手段の累
    積値にて除算することによって求められる補正間隔毎に
    前記A/D変換器の出力から1ビットを減算する1ビッ
    ト減算手段とを有することを特徴とするA/D変換器の
    オフセット補正装置。
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