JP3318323B2 - 組換肝実質細胞増殖因子 - Google Patents
組換肝実質細胞増殖因子Info
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Description
を有するポリペプチド、さらに詳しくは、生体外(in vi
tro)で肝実質細胞の維持、増殖を可能にする生理活性を
有する新規なポリペプチド、該ポリペプチドをコードす
るDNA、組換発現ベクター、形質転換体および該ポリ
ペプチドの製造法に関するものである。本発明のポリペ
プチドは肝実質細胞培養試薬、肝再生促進剤、肝機能の
基礎的研究、肝実質細胞に対する各種ホルモンや薬剤の
作用の研究、肝癌の発癌研究用、さらに該ポリペプチド
に対する抗体を用いる臨床診断試薬、肝疾患治療薬など
への利用が期待出来る。
ドとして、上皮細胞増殖因子(EGF)、線維芽細胞増
殖因子(FGF)、神経細胞増殖因子(NGF)、血小
板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮細胞増殖因子
(ECGF)などが知られている。これらの細胞増殖因
子の他に、生体外において肝実質細胞増殖活性を有する
ポリペプチドが1984年に中村らによって再生肝ラッ
ト血清より部分精製され、肝実質細胞増殖因子(以下H
GFと略す)と命名された。このHGFの発見まで肝実
質細胞は、各種の株化細胞が活発に増殖する哺乳動物血
清の存在下でも該細胞の増殖が全く認められず、通常約
1週間で培養容器の壁からの脱落が起こり、生体外での
長期培養は不可能であった。ところが、このHGFの存
在下において肝細胞は極めて良好に増殖し、該細胞の培
養が可能となった(Biochem. Biophys. Res. Commun., 1
22, 1450, 1984)。他の研究者によっても、このHGF
活性は、肝部分切除手術後の血中、劇症肝炎患者の血中
にも存在することが確認された。その後、多くの研究者
によって精製法、化学的性質、生物学的性質が明らかに
されたが、このHGFあるいはHGFと同様の肝細胞増
殖活性を有するポリペプチドのアミノ酸構造を同定する
までには至らなかった。このような状況の下で、本発明
者らは、先にラット血小板などの組織からHGFを分離
精製して研究を重ね、この血小板由来のHGFは、2種
のサブユニットからなり、このHGFは生体外において
肝実質細胞を極めて良好に増殖させることを見出すとと
もにHGFに含有される一部のアミノ酸配列27残基を
同定することに成功した(特願昭63−311866
号)。
臓、脳、肺臓、骨髄、ひ臓、胎盤、腎臓などの臓器ある
いは血小板や白血球など血液細胞などから極微量分泌さ
れるポリペプチドであるため、原材料組織の入手、HG
Fの収量、安定供給など問題点が多い。このHGFを肝
実質細胞の培養や肝細胞の研究用として利用するために
は、その構造を明らかにしHGFあるいはHGFと同様
な活性を有するポリペプチトを遺伝子組換技術を応用し
て大量に供給することが望まれている。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ラット肝臓mRN
Aより調製したcDNAライブラリーより、ラット血小
板由来のHGFのアミノ酸配列に基づいて合成したオリ
ゴヌクレオチドをプローブとして用い、ラットHGFβ
鎖ポリペプチドをコードする塩基配列を含有するcDN
Aが得られることを見い出した。さらに、ラット由来の
該cDNAの全部あるいはその一部をプローブとして、
ヒト肝臓mRNAより調製されたcDNAライブラリー
よりヒトHGFポリペプチドをコードする塩基配列を含
有するcDNAが得られることを見出した。また、ヒト
の肝臓以外の臓器や血液細胞のcDNAライブラリーよ
りヒトHGFcDNAが得られることも見出した。さら
に、該cDNAを含有する組換発現ベクターによって形
質転換された形質転換体、該形質転換体を培養してヒト
HGF遺伝子が発現することを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。すなわち、本発明は組換ヒト肝実質細胞
増殖因子、ヒト肝実質細胞増殖因子をコードする塩基配
列を含有するDNA、該DNAを発現し得る組換発現ベ
クター、該組換発現ベクターで形質転換された形質転換
体および該形質転換体を培養し、該培養物から組換ヒト
肝実質細胞増殖因子を採取・製造する方法である。
をコードするDNA、組換発現ベクター、および形質転
換体は、例えば次のようにして調製される。すなわち、
(1)ラット肝細胞やラット巨核球などの動物組織よりm
RNAまたは染色体DNAを単離し、常法に従ってcD
NAライブラリーまたは染色体DNAライブラリーを作
製し、(2)合成オリゴヌクレオチドプローブ、あるいは
抗体を用いて動物、例えばラットのHGFのcDNAま
たは染色体DNAを単離するため、上記動物、例えばラ
ット由来のcDNAライブラリーまたは染色体ライブラ
リーのスクリーニングを行い、単離されたクローンより
目的とするcDNAまたは染色体DNAを抽出し、この
動物、例えばラット由来のHGFのcDNAまたは染色
体DNAをプローブとして、ヒトの臓器あるいは血液細
胞などのmRNAより調製したcDNAライブラリーの
スクリーニングを行い、単離されたクローンより目的と
するヒト由来HGFのcDNAを抽出する。また、本発
明によって明らかにされたDNA配列あるいはヒトや動
物のHGFのアミノ酸配列に基づいて合成されたオリゴ
ヌクレオチドや本発明により得られたヒトHGFcDN
AやヒトHGF染色体DNAなどをプローブに用い、ま
たヒトまたは動物のHGFに対する抗体を用いて、直接
ヒトの臓器あるいは血液細胞などから抽出したmRNA
より調製したcDNAライブラリーのスクリーニングを
行い、単離されたクローンより目的とするヒト由来のH
GFのcDNAを抽出することもできる。(3)このヒト
由来HGFのcDNAよりヒトHGFをコードするcD
NA断片を制限酵素を用いて切り出し発現用ベクターに
組み込み、(4)得られた組換発現ベクターにより宿主細
胞を形質転換して形質転換体を得、(5)この形質転換細
胞を培養して、その培養上清から本発明のヒトHGFを
採取・製造することが出来る。さらに形質転換細胞中の
組換発現ベクターから制限酵素処理によって本発明のヒ
トHGFをコードする塩基配列を含有するDNAを得る
ことが出来る。
する。 (1)mRNAの単離とcDNAライブラリーの調製:動
物、例えばラットまたはヒトのHGFをコードするmR
NAはラットなどの動物またはヒトの肝臓、腎臓、ひ
臓、肺臓、脳、骨髄、胎盤などの臓器あるいは白血球、
巨核球やリンパ球などの血液細胞などから各々得ること
が出来る。例えば、Biochemistry, 18, 5294, (1979)に
記載されているJ. M. Chirgvinらの方法によって、ラッ
トなどの動物またはヒトの臓器あるいは血液細胞のグア
ニジンチオシアン酸溶液から得たRNAをさらにオリゴ
(dT)セルロースカラムを用いる液体クロマトグラフ
ィに付すことによって該mRNAを調製することが可能
である。また、ヒト肝、脳、胎盤、白血球などのmRN
Aのような動物細胞や動物組織などの各種mRNAは、
市販品としてクロンテック社などから購入して利用する
ことも出来る。
やポリメラーゼ・チェーン・リアクション法(PCR)
を用いて、例えばH. Okayamaらの方法(Mol. Cell. Bio
l., 2, 161, 1982、およびMol. Cell. Biol., 3, 280,
1983)あるいはU. Gublerらの方法(Gene, 25, 263, 198
3)あるいはM. A. Frohmanらの方法(Proc. Natl. Acad.S
ci. USA, 85, 8998, 1988)に従ってcDNAを合成し、
このcDNAをプラスミドやファージなどに組み込むこ
とによりcDNAライブラリーを調製することが出来
る。cDNAを組み込むプラスミドベクターとしては、
大腸菌由来のpBR322(東洋紡績)、pUC18お
よびpUC19(東洋紡績)、枯草菌由来のpUB11
0(シグマ社)などがある。またcDNAを組み込むフ
ァージベクターとしては、λgt10およびλgt11
(東洋紡績)などがある。これらのベクターは、宿主細
胞内に保持されて複製、増幅されるものであれば、ここ
に例示したものに限定されるものではない。mRNAを
鋳型として合成されたcDNAをプラスミドまたはファ
ージに組み込んでcDNAライブラリーを調製する方法
として、T. Maniatisの方法(Molecular Cloning, Cold
Spring Harbor Laboratory, 1982, P. 239)またはT. V.
Hyunhらの方法(DNA Cloning: A Practical Approach,
1, 49, 1985)を各々例示することが出来る。また、mR
NAと同様に各種のcDNAライブラリーを市販品とし
てクロンテック社などから購入することが出来るのでそ
れらを利用することも出来る。
グ:cDNAライブラリーとして得られたプラスミドや
ファージなどの組換発現ベクターは、大腸菌のような適
切な宿主細胞に保持される。宿主となり得る大腸菌とし
ては、例えば、Escherichia coli NM514,C60
0(ストラタジーン社)、NM522,JM101(フ
ァルマシア社)などを例示することが出来る。cDNA
のベクターがプラスミドの場合、塩化カルシウム法、塩
化カルシウム・塩化ルビジウム法などを用いて、またc
DNAのベクターがファージの場合、インビトロパッケ
ージング法などを用いてあらかじめ増殖させた宿主細胞
に保持させることが出来る(Molecular Cloning, Cold S
pring Harbor Labratory, 1982, p. 249)。このように
して得られた形質転換体から、ラットなどの動物または
ヒトの肝実質細胞増殖因子の部分のアミノ酸配列をコー
ドするオリゴヌクレオチドを合成し、このオリゴヌクレ
オチドを32P標識して、プローブとして用いてコロニー
ハイブリダイゼーション法(Gene, 10, 63, 1980)、プラ
ークハイブリダイゼーション法(Scienc, 196, 180, 197
7)などによってcDNAクローンを釣り上げることが出
来る。また、目的とするポリペプチドに対する抗体を用
いて、標識抗体法(DNACloning: A Practical Approach,
1, 49, 1985)によって、cDNAクローンをクローニ
ングすることも可能である。このようにしてクローン化
された形質転換体は、ラットなどの動物またはヒト由来
のHGFの全アミノ酸配列あるいはその部分のアミノ酸
配列をコードする塩基配列を有するcDNAを含有して
いる。
ning, Cold Spring Harbor Laboratory, New Yor, 198
2)に従ってプラスミドやファージなどの組換DNAを単
離し、そのまま、あるいは制限酵素で消化してからcD
NA塩基配列が決定される。最初に得られた該ラットな
どの動物またはヒト由来のcDNAをプローブとして、
同様の方法によってヒトの臓器あるいは血液細胞由来の
mRNAから調製されたcDNAライブラリーのクロー
ニングを行うことが出来る。ここで用いられるハイブリ
ダイゼーションの方法及び条件は、例えば、Molecular
Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor L
aboratory, 1st ed. (1982)等に記載の方法及び条件を
参照することが出来る。得られたラットなどの動物ある
いはヒト由来のHGFのcDNAの塩基配列は、マクサ
ムとギルバートの化学法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
74, 560, 1977)やサンガーのジデオキシ法(Proc. Nat
l.Acad. Sci. USA, 74, 5463, 1977)などによって決定
される。さらに、必要が有れば、記述のmRNAと塩基
配列の決定されたcDNAの一部あるいはそのcDNA
の一部の配列を合成したDNAをプライマーにしてプラ
イマーエクステンション法(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 76, 731, 1979)によって新たにcDNAを合成し、
上記と同様にしてcDNAライブラリーから、すでに得
られた第1のcDNAに連結しうる第2のcDNAを含
有するプラスミドやファージなどの組換DNAをクロー
ニングすることが可能である。このプライマーエクステ
ンションとクローニングの工程は、必要により複数回繰
り返される。
クローン化されたヒトHGFのアミノ酸配列の全部ある
いはその一部をコードするcDNAを含有する数種のプ
ラスミドやファージなどの組換ベクターから制限酵素に
よってcDNAを切り出し、ヒトHGFの発現に適した
ベクターのプロモーターの下流に制限酵素とDNAリガ
ーゼを用いて再結合して組換発現ベクターを作製するこ
とが出来る。より詳しくは、本発明のヒトHGFを効率
良く発現させるために組換発現ベクターは転写の下流方
向に順番に必要により(1)プロモーター、(2)リボソーム
結合部位、(3)開始コドン、(4)本発明のヒトHGFをコ
ードする塩基配列を含有するDNA、(5)終止コドン、
(6)ターミネーターを含むように構築される。本発明で
用いることが出来るDNAのベクターとして、大腸菌由
来のプラスミドpBR322,pUC18(東洋紡
績)、枯草菌由来のプラスミドpUB110(シグマ
社)、酵母由来のプラスミドpRB15(ATCC37
062)、バクテリオファージλgt10、λgt11
(ストラタジーン社)、ウイルスSV40(BRL
社)、BPV(ATCC VR−703)、レトロウイ
ルスの遺伝子由来のベクターなどが列挙できるが宿主内
で複製・増幅可能なベクターであれば特に限定はない。
特に、本発明のヒトHGFを簡便に発現させるには、S
V40のようなウイルスの遺伝子由来のベクターを用い
るのが好ましい。例えば、前述のクローン化されたヒト
HGFをコードするDNAをSV40ベクターの後期領
域に結合した組換発現ベクターは、COS細胞(Cell, 2
3, 175,1981)と呼ばれるサル細胞株に導入して発現させ
ることが可能である。
ても、目的とするヒトHGFをコードする塩基配列の発
現に用いられる宿主に対応したものであれば特に限定は
ない。例えば、プロモーターとして、宿主が大腸菌であ
る場合、trpプロモーター、1acプロモーターなど
を、宿主が枯草菌である場合、SP01プロモーター、
SP02プロモーターなどを、宿主が酵母である場合、
GAPプロモーター、PGKプロモーターななどを、宿
主がマウス線維芽細胞やチャイニーズハムスター卵巣細
胞のような動物細胞の場合、ウイルス由来のSV40プ
ロモーターやHSV1 TKプロモーターあるいはメタ
ロチオネインプロモーターやヒートショックプロモータ
ーなどを例示することが出来る。またターミネーターと
しては、宿主が大腸菌の場合、trpターミネーター、
1ppターミネーターなどを、宿主が枯草菌の場合、a
myFターミネーターなどを、宿主が酵母の場合、CY
C1ターミネーターなどを、宿主が動物細胞の場合、S
V40ターミネーター、HSV1TKターミネーターな
どを例示することが出来る。これらのプロモーターとタ
ーミネーターは用いる宿主に応じて適切に組み合わされ
る。
を含有するDNAは、そのDNAが発現されるポリペプ
チドが、肝実質細胞増殖活性を有するならば特に制限は
なく、例えば後述する配列番号1(図5〜図8)に示し
た塩基配列が例示され、さらには上記塩基配列の一部が
置換、欠損、挿入、あるいはこれらが組み合わされた塩
基配列を有するDNAであってもよい。同様に配列番号
2(図5〜図8)に示したアミノ酸配列に関しても、当
該アミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置
換、欠失及び/又は付加されていてもよい。上記のアミ
ノ酸配列の置換、欠失及び/又は付加は、本願優先日前
に周知の技術である部位特異的突然変異誘発法等により
実施することができ、例えば、Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 81, 4662-5666, 1984; Nucleic Acid Res.10, 64
87-6500, 1982; WO85/00817; Nature 316, 601-605, 19
85などに記載の方法に準じて行うことができる。なお、
1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加
とは、部位特異的突然変異誘発法等の周知の方法により
置換、欠失及び/又は付加できる程度の数のアミノ酸が
置換、欠失及び/又は付加されることを意味する。この
ような置換、欠失及び/又は付加により得られるもの
は、例えば、後述の活性測定方法によって容易に評価で
きる。本発明のヒトHGFをコードする塩基配列を含有
する該DNAの翻訳開始コドンとしてATG、翻訳終止
コドンとしてTAA、TGA、あるいはTAGを有して
もよい。また必要に応じて開始コドン、あるいは終始コ
ドンを1つ以上組み合わせたり、他のコドンと組み合わ
せて配列してもよく、これらに特に限定はない。さら
に、この組換発現ベクターで形質転換した宿主の選択マ
ーカーとなり得るアンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシ
ン耐性遺伝子、DHFR遺伝子など1種または2種以上
が該ベクターの適切な位置に含有されていることが好ま
しい。
ようにして構築されたヒトHGF組換発現ベクターは、
コンピテント細胞法(J. Mol. Biol., 53, 154, 1970)、
プロトプラスト法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75, 1
929, 1978)、リン酸カルシウム法(Science, 221, 551,
1983)、DEAEデキストラン法(Science, 215, 166, 1
982)、電気パルス法(Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 81,
7161, 1984)、インビトロパッケージング法(Proc. Nat.
Acad. Sci. USA, 72, 581, 1975)、ウイルスベクター
法(Cell, 37, 1053, 1984)、またはマイクロインジェク
ション法(Exp. Cell. Res., 153, 347, 1984)などによ
って宿主に導入され、形質転換体が作製される。このと
き、宿主として既述の大腸菌の他に、枯草菌、酵母、動
物細胞などが用いられる。特にマウス線維芽細胞C12
7(J. Virol., 26, 191, 1978)やチャイニーズハムスタ
ー卵巣細胞CHO(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 4
216, 1980)などの哺乳動物由来の宿主細胞を用いるのが
好適である。
トHGFを産生させるためにその宿主に応じた適切な培
地中で培養される。培地中には該形質転換体の生育に必
要な炭素源、窒素源、無機物、ビタミン、血清および薬
剤などが含有される。培地の1例としては、形質転換体
の宿主が大腸菌の場合、LB培地(日水製薬)、M9培
地(J. Exp. Mol. Genet., Cold Spring Harbor Laborat
ory, New York, 1972,p.431)などを、宿主が酵母の場
合、YEPD培地(Genetic Engineering, vol.1, Plenu
m Press, New York, 1979, p.117)などを、宿主が動物
細胞の場合、20%以下のウシ胎児血清を含有するME
M培地、DMEM培地、RPMI1640培地(日水製
薬)などを挙げることが出来る。形質転換体の培養は、
通常20℃〜45℃、pHは5〜8の範囲で行われ、必要
に応じて通気、撹拌が行われる。また、宿主が接着性の
動物細胞などの場合は、ガラスビーズ、コラーゲンビー
ス、あるいはアセチルセルロースフォローファイバーな
どの担体が用いられる。これら以外の培地組成あるいは
培養条件下でも形質転換体が生育すれば実施でき、これ
らに限定されるものではない。
質転換体の培養上清中または形質転換体中に生成した組
換ヒトHGFは、公知の塩析法、溶媒沈殿法、透析法、
限外濾過法、ゲル電気泳動法、あるいはゲル濾過クロマ
トグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、逆相クロマ
トグラフィ、アフィニティクロマトグラフィなどを組み
合わせて分離精製することが出来る。特に、硫酸アンモ
ニウムによる塩析法、S−セファロースイオンクロマト
グラフィ、ヘパリンセファロースアフィニティクロマト
グラフィ、およびフェニルセファロース逆相クロマトグ
ラフィの組み合せ、あるいは硫酸アンモニウムによる塩
析法、S−セファロースイオンクロマトグラフィ、およ
び抗HGF抗体セファロースアフィニティクロマトグラ
フィの組み合わせなどが好ましく有効な精製法である。
以上述べた方法によって得られた新規な組換ヒトHGF
は、ラット肝およびラット血小板由来HGFと同様にラ
ット肝実質細胞の増殖を顕著に促進する活性を示した。
(1983)に記載の方法に準じて次のように測定した。ウ
イスター系ラットからコラーゲナーゼ還流法によって肝
実質細胞を分離精製した。得られたラット肝実質細胞を
5%ウシ血清、2×10-9Mインスリンおよび2×10
-9Mデキサメサゾンを添加したウイリアムスE培地(フ
ローラボラトリー社)に懸濁し、24ウエルマルチプレ
ートに1.25×105個/ウエルの濃度で播いた。5
%CO2および30%O2および65%N2の存在下、
37℃で20時間培養後、0.1μg/mlのアプロチ
ニンを添加したウイリアムスE培地に交換すると同時に
所定量の被験試料を添加した。15時間後、15μCi
/mlの125Iデオキシウリジン10μl/ウエルを添
加した。コントロール群には、125Iデオキシウリジン
添加の15分前に5μg/mlのアフィディコリンを添
加した。さらに6時間培養して125Iでラベルした。細
胞をpH7.4のPBSで2回洗浄後、冷10%トリクロロ
酢酸水溶液(TCA)で固定した。細胞を1ウエル当た
り0.5mlの1N水酸化ナトリウム水溶液で可溶化
し、その放射能をガンマカウンターにより測定した。ま
た放射能測定後の試料の一部をとってローリー法(J. Bi
ol. Chem., 193, 265, 1951)に従い蛋白量を測定した。
被験試料を添加したとき肝実質細胞に取り込まれた125
Iの量をコントロールとのカウントの差として求め、こ
れをラット肝実質細胞蛋白質1mg当たりに換算して、
DNA合成活性(dpm/mg蛋白質)とした。被験試
料のHGF活性は、同一試験において上皮細胞成長因子
(EGF)10ng/mlを用いた時の肝実質細胞のD
NA合成活性の50%に相当する活性を1単位と定義し
て表示した。
の増殖を可能とする新規な生理活性ペプチドが提供され
る。本発明の組換ヒトHGFは、臨床診断試薬や肝疾患
治療薬として有用である。さらに本発明の組換ヒトHG
Fの作用により増殖維持される肝実質細胞は、例えば肝
機能の基礎的研究用、肝実質細胞に対する各種ホルモン
や薬剤の作用の研究用、肝癌の発癌研究用、あるいは肝
炎ウイルスの生体外培養のための宿主細胞として極めて
有用である。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 (1)ラット肝臓mRNAの単離:ラット肝臓mRNA
は、グアニジンチオシアン酸法(Biochemistry, 18, 529
4,1979)によって抽出し、オリゴdTセルロースカラム
クロマトグラフィ法(Proc.Natl. Acad. Sci. USA, 69,
1408, 1972)によって精製して調製した。市販食用植物
油で希釈した20%四塩化炭素をSDラット100g当
たり1mlを腹腔内投与した。四塩化炭素投与の10時
間後、肝臓を摘出した。得られたラット肝臓0.90g
に5.5Mグアニジウム溶液(5.5Mグアニジンチオ
シアン酸、25mMクエン酸、0.5%ラウリルザルコ
シンナトリウムからなるpH7.0の溶液)16mlを加えて
ホモジナイズした。0.1M EDTAを含むセシウム
トリフロロ酢酸溶液(1g/ml)17mlに上記のラ
ット肝分散液16mlを重層し、ベックマン超遠心機、
L8−55型によって85000g、20時間、20℃
の条件下で遠心分離した。DNA層を除去した後、沈降
したRNA層を1mlの滅菌した蒸留水に溶解した。こ
のRNA水溶液から冷エタノール沈殿によって6.24
mgのRNAを得た。得られたRNAを1mM EDT
Aを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)(以後、TE
緩衝液と略する)0.5mlに溶解し、65℃、5分加
熱処理した後、1M NaCl溶液0.5mlを加え
た。0.1NNaOHで活性化した後、0.5M Na
Clおよび1mM ETDAを含む10mMトリス塩酸
緩衝液(STE緩衝液と略す)で平衡化したオリゴdT
セルロースカラムにRNA溶液0.5mlを注入した。
約5mlのSTE緩衝液で洗浄後、TE緩衝液で吸着し
たポリ(A)RNAを溶出した。このポリ(A)RNA
溶液500μlから冷エタノール沈殿で得られたポリ
(A)RNAは、再びTE緩衝液に溶解し、1μg/μ
lの濃度に調製した。
の作製:上記(1)で得られたポリ(A)RNA、5μl
を鋳型としてcDNA合成システム・プラス(アマシャ
ム社)を用いてGublerらの方法(Gene, 25, 263, 1983)
に準じてcDNAを合成した。1本鎖cDNAの収量
は、1018ng、2本鎖cDNAの収量は、1729
ngであった。この2本鎖cDNAは、フェノール/ク
ロロホルム(1:1,v/v)抽出とエタノール沈殿に
よって精製した後、STE緩衝液に溶解し、約0.7μ
g/20μlの濃度に調整してから使用するまで−20
℃で保存した。このcDNAは、cDNAクローニング
システムλgt10(アマシャム社)を用いてHuynhら
の方法(DNA Cloning I, A Practical Approach, 1, 49,
1982)に準じ、次のようにλgt10のEcoRI部位
にクローニングした。EcoRIメチラーゼを用いて上
記のcDNA溶液の20μlをメチル化した後、T4D
NAリガーゼを用いてcDNAの両端末にEcoRIリ
ンカーを付加した。過剰のリンカーをEcoRI消化
し、約100μlの反応液を得た。STE緩衝液で平衡
化したcDNA精製用ゲル濾過カラムに上記反応液10
0μlを注入した。STE緩衝液で溶出してcDNA画
分500μlを集めた。常法によってエタノール沈殿を
2回繰り返した後、滅圧乾燥してリンカー付加cDNA
を得た。再び、STE緩衝液に溶解して50ng/μl
のリンカー付加cDNA26μlを調製した。あらかじ
め準備されたλgt10アーム1μgにリンカー付加c
DNA0.1μgをT4DNAリガーゼを用いて挿入し
た。この反応液は冷エタノール処理した後、軽く乾燥
し、得られた組換DNAの全量を5μlのTE緩衝液に
溶解した。この組換DNAをインビトロパッケージング
反応に供し、λgt10組換ファージを得た。ファージ
プレーティング用大腸菌を用いたタイトレーションによ
り測定したcDNA1μgから得られた組換ファージ数
は、5.0×106個であった。このようにして作製し
たcDNAライブラリーは、使用するまで少量のクロロ
ホルムを加えたSE緩衝液(100mM NaCl、10m
M MgSO4および0.01%ゼラチンを含む20mMト
リス塩酸緩衝液、pH7.5)中、4℃で保存した。
出した下記ラットHGFβ鎖N末端アミノ酸配列15個 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 V−V−N−G−I−P−T−Q−T−T−V−G−W−M−V (式中、Vはバリン、Nはアスパラギン、Gはグリシ
ン、Iはイソロイシン、Pはプロリン、Tはトレオニ
ン、Qはグルタミン、Wはトリプトファン、Mはメチオ
ニンを示す)をコードする塩基配列を推定し、オリゴヌ
クレオチド5'ACCATCCAICCIACIGTIG
TITGIGTIGGIATICCITTIACIAC
3'(Iはイノシンを表す)をDNAシンセサイザー38
1A(アプライドバイオシステムズ社)により合成し
た。得られたオリゴヌクレオチドをT4ポリヌクレオチ
ドキナーゼ(東洋紡績)を用いて[γ32P]ATP(ア
マシャム社)により標識してDNAプローブを作製し
た。
とその塩基配列の決定:上記(2)で得られた約5×105
個の組換ファージを37℃で15分間約8×109個の
大腸菌NM514(ストラタジーン社)に感染させた
後、約50℃に加温した0.7%の寒天を含むLB培地
270mlに添加し、23cm×23cmのLB寒天培地プ
レート6枚に均一に流延した。空気中、37℃で12時
間培養後、プラークの生じたプレート上にニトロセルロ
ースフィルターを約30秒間密着させた。このニトロセ
ルロースフィルターを1.5M NaClおよび0.1
N NaOHからなるアルカリ溶液に5分間浸漬し、さ
らに0.2Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)、25mMリン
酸緩衝液(pH7.5)、2mM EDTAおよび2×SSC緩
衝液からなる中性溶液に15分間浸漬した。風乾後、8
0℃、2時間熱処理してニトロセルロースフィルターに
各プラークのDNAを固定化した。得られたニトロセル
ロースフィルターは、6×SSC緩衝液、5×デンハー
ト溶液、50mMPIPES、および100mMリン酸
緩衝液、pH7.0、からなるハイブリダイゼーション溶液
に浸漬し、65℃で5時間前処理した。100℃で5分
間熱処理した上記(3)の32P標識合成オリゴヌクレオチ
ド(約3×108cpm)プローブとサケ精巣DNA(0.
1mg/ml)の混合溶液を添加し、45℃で16時間ハイブ
リダイゼーション反応を行った。反応後、ニトロセルロ
ースフィルターは50℃で0.1%SDSを含む6×S
SC緩衝液によって3回洗浄してから風乾した。このニ
トロセルロースフィルターを増感スクリーン、ライトニ
ングプラス(デュポン社)とX線フィルム、RX(富士
写真フィルム)に密着させ、−80℃で30時間露光し
た。得られた3個の陽性プラーク採取し、上記と同じ方
法によって2次スクリーニングを行い、得られた1個の
陽性クローンをRBC1と命名した。このRBC1ファ
ージを常法により増殖させ、RBC1cDNAを単離精
製した。得られたcDNAの塩基配列は、シーケネース
(ユナイテッド ステート バイオケミカル社)を用いて
ジデオキシ法によって決定した。図1にRBC1cDN
Aの全塩基配列を示す。RBC1cDNAは、ラットH
GFβ鎖をコードする塩基配列(第1番目から699番
目)を含有する。
配列の決定:ヒト正常肝臓mRNA(クロンテック社)
5μgを鋳型にして上記(2)と同様にしてヒト肝由来の
cDNAを合成した。1本鎖cDNAの収量は、110
0ngであった。得られたcDNAの200ngをアガ
ロース電気泳動に供し、分画した4〜7kbのcDNA
をジーンクリーン(バイオ 101社)で抽出した後、
上記(2)と同様にしてcDNAライブラリー(I)を調
製した。cDNA1μgから2×105個の組換ファー
ジを得た。マルチプライムDNA標識システム(アマシ
ャム社)を用いて[α32P]dCTPで標識したRBC
1cDNAをプローブとして、ハイブリダイゼーション
反応温度および洗浄温度を60℃、洗浄液は0.1%S
DSを含む2×SSC緩衝液とした以外は(4)と同様
に、ヒト肝由来cDNAライブラリー(I)の1次スク
リーニングおよび2次スクリーニングを行い、陽性クロ
ーンHBC25を得た。HBC25ファージから常法に
より単離、精製したHBC25cDNAを塩基配列解析
および制限酵素切断解析に供した。図2(a)にHBC2
5cDNAの制限酵素地図、図3にHBC25cDNA
の塩基配列の一部を示す。次にHBC25cDNAに含
有する5'TCATAATCTTTCAAGTCT3'の塩
基配列を有するオリゴヌクレオチドをDNAシンセサイ
ザー381A(アプライドバイオシステムズ社)により
合成した。この合成DNA0.75μgをプライマーと
し、ヒト肝mRNA20μgを鋳型としてcDNA0.
4μgを合成し、同様にしてcDNAライブラリー(I
I)を調製した。このcDNAライブラリー(II)から
[α32P]dCTPで標識したHBC25cDNAの
0.7kbEcoRI断片をプローブして陽性クローン
HAC19を得た。図2(b)にHAC19cDNAの制
限酵素地図、図4にHAC19cDNAの塩基配列の一
部を示す。このようにして得られたHBC25cDNA
およびHAC19cDNAの塩基配列を組み合わせたヒ
トHGFコード領域の全塩基配列およびその塩基配列か
ら演繹されるアミノ酸配列を、それぞれ配列番号1およ
び配列番号2並びに図5〜図8に示す。
トHGFの翻訳開始コドンは1番目のATGであり、終
止コドンは2185番目のTAGと推定される。これら
の開始および終止コドンの間のヒトHGFのcDNA塩
基配列は728アミノ酸残基からなるポリペプチドをコ
ードし、1番目のMetに続くアミノ酸配列はLeuに
富み、31番目のGlyまでがHGF分泌のためのシグ
ナル配列であった。同様にヒトHGFβ鎖のN末端は、
495番目のValと推定される。また、ヒトHGFの
糖鎖の結合部位は、Asn−x−Ser/Thrのアミ
ノ酸配列を有する294番目、402番目、566番
目、および653番目のAsnと推定される。配列番号
2に示すヒトHGFのアミノ酸配列をコンピューターに
よりホモロジー検索を行った結果、ヒトHGFはプラス
ミノーゲン、プラスミン、カリキュレインや凝固因子X
IIなどのセリンプロテアーゼとホモロジーをもつこと
が見出された。即ち、ヒトHGFはそのα−鎖にクリン
グル構造と推定される配列を4箇所持っており、またそ
のβ−鎖は上記セリンプロテアーゼのプロテアーゼ領域
に類似している。しかし、セリンプロテアーゼの活性中
心と推定されているSerとHisがヒトHGFのβ−
鎖ではTyr(673番目)とGln(534番目)に
それぞれ置換されている。
ターの構築:サルCOS細胞用ヒトHGF発現ベクター
pEUK[hHGFI]の構築図を、図9に示す。上記
(5)で得られたHAC19ファージDNAを制限酵素B
amHIとScaIで消化し、アガロース電気泳動によ
り0.9kbのDNA断片を分離・精製した。同様にH
BC25ファージDNAを制限酵素ScaIとSmaI
で消化し、2.1kbのDNA断片を分離・精製した。
これらのDNA断片をあらかじめ制限酵素BamHIと
SmaIで消化したブルースクリプトKSM13+(ス
トラタジーン社)と混合し、T4DNAリガーゼで結合
してプラスミドpBS[hHGFI]を得た。得られた
pBS[hHGFI]を制限酵素XbaIとSmaIで
消化した。制限酵素XbaIとSmaIであらかじめ消
化したCOS細胞用発現ベクターpEUK−C1(クロ
ンテック社)と3.0kbDNA断片を混合し、T4D
NAリガーゼで結合してヒトHGF発現ベクターpEU
K[hHGFI]を得た。
F遺伝子の発現:得られたpEUK[hHGFI]プラ
スミドをエタノール沈殿した後、10mM PBS緩衝
液に溶解し、20μg/mlに調製した。次に、10%
ウシ胎児血清(ギブコ社)を含むDMEM培地(日水製
薬)中で増殖させた対数増殖期のCOS−1細胞(AT
CC CRL−1650)を10mM PBS緩衝液で2
回洗浄した後トリプシン処理した。同緩衝液で3回洗浄
後、細胞濃度2×107個/mlになるように再び同緩
衝液に浮遊化した。先に調製したプラスミド溶液250
μlと細胞浮遊液250μlを混合し、氷冷下で10分
間放置した。この氷冷したプラスミド・細胞混液に高電
圧パルス遺伝子導入装置ZA−1200(PDS社)を
用いて、印加電圧4kV/cm、パルス時間20ミリ秒
の条件下で高電圧パルスをかけた。得られた細胞を上記
の培地で希釈し、37℃、5%CO2存在下にて3日間
培養した。培養3日目の培養上清中のHGF活性を前述
のラット肝実質細胞を用いて測定したところ、50単位
/mlであった。一方、HGFcDNAを挿入していな
い発現ベクター,pEUK−C1を同じ方法によりCO
S−1細胞に導入して培養したが、その培養上清中に
は、HGF活性を認めなかった。
築:マウスC127細胞用ヒトHGF発現ベクターpB
PMT[hHGFII]の構築図は、図10に示す。実施
例1で得られたHAC19ファージDNAを制限酵素B
amHIとScaIで消化し、アガロース電気泳動によ
り0.9kbのDNA断片を分離・精製した。同様にH
BC25ファージDNAを制限酵素ScaIとPstI
で消化し、2.1kbのDNA断片を分離・精製した。
これらのDNA断片をあらかじめ制限酵素BamIとP
stIで消化したブルースクリプトKSII+(ストラタ
ジーン社)と混合し、T4DNAリガーゼで結合してプ
ラスミドpBS[hHGFII](微工研菌寄第1105
0号)を得た。プラスミドpBPMTを制限酵素Eco
RVで消化後、細菌性アルカリフォスファターゼ(BA
P)でリン酸基を除去した部位に、プラスミドpBS
[hHGFII](微工研菌寄第11050号)を制限酵素
XbaIとSalIとNaeIで消化しT4DNAポリ
メラーゼで平滑末端とした後、アガロース電気泳動によ
り分離・精製した3.0kbのDNA断片をT4DNA
リガーゼにより挿入した。得られたヒトHGF発現ベク
ターpBPMT[hHGFII]は、MT−1プロモータ
ーとSV40初期遺伝子のポリ(A)付加シグナルの間
にヒトHGF遺伝子を有し、この発現ベクターによるマ
ウスC127細胞の形質転換は、ウシパピロマウイルス
(BPV)遺伝子により行われる。また形質転換された
細胞の選択は、トランスポゾンTn5のneo遺伝子(G
ene, 19, 327, 1982)にヘルペスシンプレックスウイル
スタイプ1のチミジンキナーゼ(HSV−1 TK)遺
伝子由来のプロモーターとポリ(A)付加シグナルを連
結したneoキメラ遺伝子によっても可能となる。
HGF遺伝子の発現:ヒトHGF発現ベクターpBPM
T[hHGFII]は、Wiglerらの方法(Cell,11, 223, 1
977)によりマウスC127細胞へ導入した。上記(1)で
得られた20μgのpBPMT[hHGFII]プラスミ
ドを0.5M 塩化カルシウム 240μlに溶解し、2
0mM HEPES、280mM NaClおよび1.5
mM リン酸ナトリウムからなる2×HEPES緩衝液
(pH7.1), 240μlを撹拌しながら加えた。室温で3
0分撹拌を続けプラスミドとリン酸カルシウムの共沈殿
を形成させた。あらかじめ、10%ウシ胎児血清(ギブ
コ社)および10mMグルタミンを添加したDMEM培
地(日水製薬)を用いて5×105個のC127細胞を5%
CO2の存在下で37℃、24時間培養した。培地交換
した後、プラスミドとリン酸カルシウム共沈殿を加え、
室温で20分放置した。さらに、37℃で4時間インキ
ュベートした後、培地を除去し、15%グリセリンを添
加した1×HEPES緩衝液を加え室温で5分放置し
た。培地で細胞を洗浄した後、培地交換し、さらに37
℃で2日間インキュベートした。細胞を10倍に希釈し
て1mg/mlのG418(シグマ社)を含む同培地を
用いて5%CO2の存在下で37℃、7日間培養して形
質転換細胞を得た。得られた細胞株から培養上清中のH
GF活性の高い細胞を限界希釈法でスクリーニングしヒ
トHGF高産生株BPH89を得た。この細胞の培養上
清中のHGF産生能は、2.3万単位/l/日であっ
た。
発現ベクターの構築:チャイニーズハムスターCHO細
胞用ヒトHGF発現ベクターpEVSVE[hHGFI
I]の構築図は、図11に示す。プラスミドpEVSV
Eを制限酵素EcoRVで消化後、細菌性アルカリフォ
スファターゼ(BAP)でリン酸基を除去した部位に、
実施例2で得られたプラスミドpBS[hHGFII]
(微工研菌寄第11050号)を制限酵素XbaIとS
alIとNaeIで消化し、T4DNAポリメラーゼで
平滑末端とした後、アガロース電気泳動により分離・精
製した3.0kbのDNA断片をT4DNAリガーゼに
より挿入した。得られたヒトHGF発現ベクターpEV
SVE[hHGFII]は、SV40初期プロモーターと
SV40の初期遺伝子のポリ(A)付加シグナルの間に
ヒトHGF遺伝子を有する。また、形質転換された細胞
の選択は、マウスDHFR遺伝子にSV40初期プロモ
ーターとポリ(A)付加シグナルを連結したDHFRキ
メラ遺伝子により可能となる。
形質転換とヒトHGF遺伝子の発現:ヒトHGF発現ベ
クターpEVSVE[hHGFII]は、実施例2と同様
にしてチャイニーズハムスターCHO細胞のジヒドロ葉
酸還元酵素(DHFR)欠損CHO DUKX細胞に導
入した。得られた細胞株は、リボヌクレオシドとデオキ
シヌクレオシドを含まず、透析した10%ウシ胎児血清
(キブコ社)と1%グルタミンと50nMメソトレキセ
ートを含むα−MEM培地(フローラボラトリー社)を
用いて培養した。発生したコロニーは、安定なヒトHG
F高産生株を得るために、同培地において18世代まで
増殖させた。得られた細胞株は、安定にヒトHGFを産
生し、CHO−1と名付けた。この細胞のヒトHGF産
生能は、3.1万単位/l/日であった。
細胞株BPH89の培養上清液より組換ヒトHGFを精
製した。 (1)陽イオン交換クロマトグラフィー BPH89株の培養液400mlに、終濃度0.01%とな
るようにTween 80を添加し、ステリベクスHVフィル
ター(日本ミリポア・リミテッド)により濾過した。こ
の濾液に1/20容の1M Tris・HCl(pH8.5)
緩衝液を加え、緩衝液A(50mM Tris・HC
l、10mM HEPES、2mM CaCl2、150
mM NaCl、0.01%Tween 80、pH8.5)で平衡化し
たS−セファロースFF(ファルマシア社製、カラムサ
イズ内径1.6 cm、高さ5 cm)に添加した。緩衝液Aで未
吸着物質を洗浄後、0.15Mから1.0MのNaCl
による直線濃度勾配(全量100ml)で、吸着物を溶
出した。クロマトパターンを図12に示す。HGF活性
をもつ画分を集め、S−セファロース溶出液とした。
−セファロース溶出液を1N酢酸でpH7.5に調整後、2
倍容の0.01%Tween80を含む蒸留水で希釈し、緩衝液
B(10mM Tris・HCl、0.3MNaCl、
0.01%Tween 80、pH7.5)で平衡化したヘパリン・セ
ファロースCL−6B(ファルマシア社製、カラムサイ
ズ内径1 cm、高さ3 cm)に添加した。緩衝液Bでカラム
を洗浄後、0.3Mから2.0MのNaClによる直線
勾配(全量30ml)により溶出した。そのクロマトパ
ターンを図13に示す。HGF活性をもつ画分を集め、
ヘパリン溶出液とした。
フルオロ酢酸、v/v%)を含む蒸留水で平衡化したC
4 RP−304カラム(バイオラッド社製、内径4.6 m
m、高さ250 mm)にヘパリン溶出液を添加し、0.1%
TFAを含む0%から90%へのアセトニトリルの濃度
勾配により溶出を行った。組換ヒトHGFは約40%の
アセトニトリル濃度にて溶出させた。そのクロマトグラ
ムを図14に示す。精製された組換ヒトHGFの収量は
約25μgであり、培養上清液からの活性回収率は約2
5%であった。
動:前記3段のクロマトグラフィーで精製された組換ヒ
トHGFを2−メルカプトエタノール還元下及び非還元
下SDS−ポリアクリルアミド電気泳動にかけた。結果
を図15に示す。精製組換HGFは、非還元条件(2−
ME(−))では分子量7万〜9万の単一バンドを示
し、還元条件下(2−ME(+))では、分子量6万〜
7.5万のα鎖と分子量3万〜4万のβ鎖に分かれた。
即ち、組換HGFはα鎖とβ鎖からなるヘテロダイマー
であることが示された。またβ鎖が2本のバンドに分離
し、β鎖に付加される糖鎖の本数に差のあることを示し
た。
列:精製組換HGFのα鎖とβ鎖を分離し、それぞれの
N末端アミノ酸配列を調べた。精製標品を4Mグアニジ
ン存在下にて60℃、30分間処理し、2−メルカプト
エタノールにて還元した。次いで、モノヨード酢酸ナト
リウムを添加してSH基をアルキル化し、反応液をマイ
クロボンダスフェアーC4カラム(ウォーターズ社)に
よる逆相HPLCにかけ、α鎖とβ鎖を分離した。溶出
は0.1%TFAを含む水とアセトニトリルによった。
このようにして得られたα鎖とβ鎖をプロティンシーク
エンサーにかけた結果、下記に示すアミノ酸配列が得ら
れた。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 α鎖 His Lys Lys Arg Arg Asn Thr Ile His Glu Phe Lys Lys Ser Ala 16 17 18 19 20 Lys Thr Thr Leu Ile 1 2 3 4 5 6 7 β鎖 Val Val Asn Gly Ile Pro Thr これらの配列は配列番号1(図5〜図8)のHGFコー
ド領域の全塩基配列より推定されたアミノ酸配列(配列
番号2)の32〜51番目および495〜501番目に
一致した。
HGFを0.2%フェノールを含む6N HClにて1
10℃、24時間処理して加水分解し、アミノ酸分析機
にかけ、アミノ酸組成を調べた。その結果は下表に示し
たように、DNA塩基配列より推定したアミノ酸組成値
と精製組換標品による実測値は非常によく一致した。
中で、110℃、6時間加熱処理し、陰イオン交換樹脂
を用いたHPLCにて糖分析を行った。その結果、アス
パラギン配糖体特有のマンノース、ガラクトース、フコ
ース、N−アセチルガラクトサミンが検出され、組換H
GFは糖蛋白質であることが確認された。
ット初代培養肝実質細胞は、現在知られているin vitro
の系の中では最もinvivoに近い肝機能を持つ系である。
「HGF活性の測定法」に記述した方法に従って得たラ
ット肝実質細胞に対し、精製した組換ヒトHGFを添加
したところ、1ng/mlの濃度で強い細胞増殖を誘起
し、10ng/mlでその効果は最大に達した。この培
養系に増殖活性を示す因子は他にもインスリンやEGF
があるが、組換ヒトHGFは単独で両者よりも強い活性
を有し、かつこれら3者の共存下では相加的な作用を示
した。従って、組換ヒトHGFは現在知られている因子
のなかでは、生体外肝細胞に対し最も強力な増殖活性を
もつ物質ということができる。
HAC19cDNAの制限酵素地図(b)を示す図であ
る。
である。
である。
〜624)とそのアミノ酸配列を示す図である。
25〜1248)とそのアミノ酸配列を示す図である。
249〜1872)とそのアミノ酸配列を示す図であ
る。
873〜2187)とそのアミノ酸配列を示す図であ
る。
築図である。
ーの構築図である。
GF発現ベクターの構築図である。
出成分の吸光度およびそれらのDNA合成活性との関係
を示す線図である。
吸光度およびそれらのDNA合成活性との関係を示す線
図である。
リル濃度と、溶出した成分の吸光度との関係を示す線図
である。
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動パターンを示す図
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 以下の(a)〜(e) (a)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパ
ク質をコードするDNA (b)アミノ酸配列(a)において1若しくは複数のアミノ酸
が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からな
り、かつ肝実質細胞増殖活性を有するタンパク質をコー
ドするDNA (c)配列番号1で表される塩基配列からなるDNA (d)(c)の塩基配列からなるDNAと60℃、6×SSC
緩衝液、5×デンハート溶液、50mM PIPES、
100mMリン酸緩衝液(pH7.0)及びサケ精巣D
NA(0.1mg/ml)の条件下でハイブリダイズ
し、かつ肝実質細胞増殖活性を有するタンパク質をコー
ドするDNA (e)遺伝子コドンの縮重のため、(c)及び(d)に示される
DNAとハイブリッド形成しないが、(c)又は(d)に示さ
れるDNAによりコードされるタンパク質と同じアミノ
酸配列を持つタンパク質をコードするDNAの何れかの
DNAからなる遺伝子を含有する組換発現ベクターによ
り、マウスC127細胞、チャイニーズハムスターCH
O細胞又はサルCOS細胞を形質転換して得られる形質
転換体を培養し、発現される組換肝実質細胞増殖因子を
単離精製することにより得られる、マウスC127細
胞、チャイニーズハムスターCHO細胞又はサルCOS
細胞由来の肝実質細胞増殖因子とは異なる組換肝実質細
胞増殖因子。
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Non-Patent Citations (1)
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| Nature Vol.342(Nov.1989),p.440−443 |
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