JP3335963B2 - 非線形光半導体素子 - Google Patents
非線形光半導体素子Info
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Description
光パルスに応答する、光制御型半導体光変調器,光制御
型半導体光ゲートスイッチ,光制御型半導体光分岐スイ
ッチ,波長変換素子,モード同期レーザ,可変分散補償
素子などの非線形光半導体素子に係わり、特にサブバン
ド間遷移に基づく非線形光学応答を利用した非線形光半
導体素子に関する。
系においては、毎秒数百ギガ〜数テラビットの大量の情
報が光ファイバーを飛び交うことになる。このような情
報を自由に処理できる光ノードの実現には、光超短パル
スで制御される超高速光スイッチが必要である。目的が
周期的な光デマルチプレクシングであれば、デマルチプ
レクシングの周期で内部状態か元の状態に復帰する物理
現象を利用できる。しかし、信号光をビット単位でスイ
ッチングするためには信号1スロット分の時間内に元の
状態に復帰していなければならない。
光スイッチの原理として、窒化物半導体量子井戸中のサ
ブバンド間遷移の利用が考えられている(例えば、特開
平8−87038号公報,特開平8−240820号公
報,特開平8−297263号公報,特開平9−222
619号公報,或いは N.Suzuki and N.Iizuka, Japane
se Journal of Applied Physics, vol.36.pp.L1006-L10
08,1997年)。
和時間と比べて3桁程度高速である。特に、窒化物半導
体の量子井戸構造を用いれば、光通信で必要な近赤外域
でのサブバンド間遷移を実現できる上、LOフォノンと
電子の相互作用が大きいのでサブバンド間緩和時間をG
aAs系と比べて1桁以上速くできる。
間緩和時間は、遷移波長1.55μm,室温で約100
fsと短いので、そのサブバンド間吸収の飽和を利用す
れば、1Tb/s程度の超高速繰り返しの光スイッチン
グ動作も可能となる。しかも、半導体を利用しているの
で、小型,軽量,安定な光スイッチを実現でき、量産化
が可能なことは言うまでもない。また、窒化物半導体は
特に強靭な半導体材料であり、光吸収による温度上昇に
対しても強い。
のサブバンド間遷移は超高速光スイッチに極めて魅力的
なデバイス原理である。しかし、近赤外域のサブバンド
間遷移を実現するためには深い量子井戸層が必要であ
る。AlGaN/GaN量子井戸構造では、障壁層にA
l組成比xが0.8以上のAlx Ga1-x Nを用いる必
要がある。この場合、GaN井戸層とAlGaN障壁層
の間に大きな格子不整合(約2%)があるので、障壁層
を厚く積層することは極めて困難である。障壁層が薄い
と、隣接する井戸層の間にトンネリング結合が生じ、ミ
ニバンドが形成される。
て量子井戸構造を作製した場合を仮定すると、大きな格
子不整合に伴って、ピエゾ電気効果や自発分極による大
きなビルトイン電界(数MV/cm)が生じる。この結
果、井戸層から見て基板側の障壁層のポテンシャルは、
井戸層から離れるほど低くなっている。一方、井戸層の
基板側の界面はAlの拡散によりダレを生じやすく、障
壁層界面の井戸層側でもポテンシャルが低下する。
サブバンド)に対する障壁高さは低下する。また、仮に
障壁層を厚く成長できても、実効的な障壁厚さは薄いま
まである。この事情は、井戸層間の障壁層のみならず、
最も基板側にある井戸層と下地GaN層との間の障壁層
についても同様である。
は、エネルギーの広がりが大きいので吸収スペクトルは
広がるが、キャリアが井戸層に閉じ込められている限り
本質的な問題にはならない。問題は、井戸層の第2サブ
バンドと下地バルク層の3次元状態との間の結合であ
る。サブバンド間吸収により第2サブバンドに励起され
たキャリアが、トンネリングにより外側の厚いバルク層
にリークすると、元のキャリア分布に復帰するまでの回
復時間が長くなってしまう。その結果、吸収も弱まり、
スペクトルも広がってしまう。
壁層を有する他の材料系の量子井戸構造でも、ビルトイ
ン電界は小さいが、障壁高さが不十分でかつ障壁層を十
分厚く成長できないので、近赤外サブバンド間遷移を実
現しようとすると、同様の問題を生じる。
バンド間遷移に基づく非線形性を利用した近赤外域の非
線形光半導体素子では、量子井戸層の第2サブバンドに
励起されたキャリアを井戸層内に閉じ込められないため
に吸収が弱まったり回復時間が長くなったりするという
問題があった。
ので、その目的とするところは、サブバンド間遷移を利
用して近赤外域の領域で動作する光制御型の素子であっ
て、量子井戸層の第2サブバンドと外側のバルク層の結
合を抑制し、強いサブバンド間吸収と高速の吸収回復時
間を同時に実現し得る非線形光半導体素子を提供するこ
とにある。
するために本発明は次のような構成を採用している。
層した半導体多重量子井戸構造のサブバンド間吸収の飽
和に基づく非線形光学応答を利用した非線形光半導体素
子において、前記多重量子井戸構造は、該構造に隣接す
る隣接層との境界部に、各井戸層の第2サブバンド(励
起サブバンド)のエネルギーが隣接層に向かって一旦減
少したのち上昇するように構成されたサブバンドエネル
ギー変調領域を有していることを特徴とする。
は次のものがあげられる。
の井戸層を有してなり、構成する各層の厚さや組成やド
ーピングを変えることにより、第2サブバンドのエネル
ギーが井戸層により異なるように形成されており、且つ
極小となる井戸層を有していること。
を有する材料の歪量子井戸からなること。
らなること。
て、第2サブバンドのエネルギーが極小になる井戸層よ
り多重量子井戸構造の中心部側における第2サブバンド
のエネルギーの変化より、隣接層側における第2サブバ
ンドのエネルギーの変化の方が大きいこと。
くとも一部が空乏化していること。
2サブバンドのエネルギーが極小になる井戸層より隣接
層側に2つ以上の井戸層を有し、その2つ以上の井戸層
の第1サブバンド(基底サブバンド)のエネルギーが隣
接層側で高くなっていること。
層の厚さや組成には、通常、ある程度の揺らぎが存在す
る。ここでいう「厚さ」と「組成」は、平均的な厚さと
組成を指すものとする。また、「多重量子井戸構造」
は、井戸層のトンネリングによりミニバンドが形成され
た、いわゆる超格子層」の概念も含むものとする。もち
ろん、障壁層や井戸層の厚さ,組成が変調された結合量
子井戸構造等も含むものとする。
造のサブバンドエネルギー変調領域においては、第2サ
ブバンドに励起されたキャリアの一部が第2サブバンド
のエネルギーが極小となる井戸層へと順次導かれ、エネ
ルギーを失っていく。また、その間に大部分のキャリア
は第1サブバンドに緩和する。第2サブバンドが極小に
なる井戸層の隣接層側では、隣桜する井戸層の第2ポテ
ンシャルのエネルギーが高いため、第2サブバンドのキ
ャリアの隣接層側への移動が抑制される。従って、多重
量子井戸構造においてサブバンド間光吸収により第2サ
ブバンドに励起されたキャリアの隣接層への漏れ出し
は、ほぼ完全に抑制される。
分極等による大きなビルトイン電界が存在している場
合、井戸層を挟む障壁層のうち一方のポテンシャルは、
井戸層から離れるに伴って低下するので、エネルギーの
高いサブバンドに対する実効的な障壁厚さは非常に薄く
なっている。従って、障壁層を厚くしても、高エネルギ
ーのキャリアの多重量子井戸構造から隣接するバルク層
への漏れ出しが避けられない。本発明は、このような場
合でもキャリアの漏れ出しを防止することができる。
大きな窒化物半導体を利用することで、光通信で使われ
る近赤外域(波長1.55μm帯)のサブバンド間遷移
が容易に実現される。また、窒化物半導体におけるサブ
バンド間緩和時間は約100fs、サブバンド内緩和時
間やミニバンド内緩和時間は数十fsと短いので、超高
速の非線形光応答が可能となる。さらに、サブバンド内
緩和時間が短いのに対応して、元々の均一な吸収波長帯
域幅も広くとれる。
量子井戸構造中心部側の第2サブバンドのエネルギー変
化より隣接層側の第2サブバンドのエネルギーの変化が
大きいと、高い運動エネルギーを持ったキャリアに対し
ても、漏れ出しを有効に防止することができる。
化領域がある場合、高いエネルギーを持った励起キャリ
アが隣接層に漏れ出したのちエネルギーを失うと、空乏
化領域のポテンシャルに邪魔されて多重量子井戸構造に
戻ってこられなくなる。このような場合でも、第2サブ
バンドのエネルギーが極小となる井戸層の隣接層側にお
いて、第1サブバンドのエネルギーも第2サブバンドの
エネルギーも、隣接層に近づくに従って高くなっていく
ように設定されていれば、第1サブバンドを介したキャ
リアの漏れ出しも防止することができる。
造を他の材料、例えばInP基板上に形成されたInG
aAsP層や石英系光集積回路等、他の材料系からなる
積層構造と一体化することにより、受動光導波路,光増
幅器や半導体レーザ等の他の光半導体素子等と集積化す
ることができ、超高速光パルスに対しても安定な様々な
機能を実現することができる。
れば、量子井戸層の第2サブバンドから外側のバルク層
への結合が抑制され、強いサブバンド間吸収と高速の吸
収回復時間を同時に実現することが可能となる。
形態によって説明する。
に係わる光ゲートスイッチアレイの素子構造断面を模式
的に示す図である。
ヤ基板1上に形成された窒化物半導体非線形光導波路2
のアレイから構成されている。非線形光導波路2は、サ
ファイヤ基板1上に、n型GaN下地層3を介して、n
型Al0.8 Ga0.2 N/GaN多重量子井戸構造4とn
型GaNキャップ層5が順次積層された構造を有してお
り、メサ状に加工されている。各GaN層3,5のSi
ドーピング密度は、1×1019cm-3とした。なお、図
では便宜上2組の光導波路のみ記したが、もっと多数の
光導波路を集積しても構わない。
構成する多重量子井戸構造4の主要部と基板側界面付近
の伝導帯バンド構造を、模式的に示す図である。図3
は、本実施形態の光ゲートスイッチを構成する多重量子
井戸構造4の主要部と基板と反対側の界面付近の伝導帯
バンド構造を、模式的に示す図である。
ーヤのAl0.8 Ga0.2 N障壁層6と、6モノレーヤの
Siドープ(キャリア密度〜1×1019cm-3)GaN
井戸層7が200層積層されてなる。
2に示すように、第1のサブバンドエネルギー変調領域
8が設けられている。第1のサブバンドエネルギー変調
領域8には、多重量子井戸構造4の側から、それぞれ厚
さ7モノレーヤのAl0.8 Ga0.2 N障壁層6と交互
に、7モノレーヤ,8モノレーヤ,10モノレーヤ,1
2モノレーヤ,7モノレーヤの計5層のGaN井戸層2
1,22,23,24,25が設けられている。即ち、
多重量子井戸構造4から下地層3に向かって、井戸幅は
一旦広くなったのち、狭くなるようになっている。
の端には、図3に示すように、第2のサブバンドエネル
ギー変調領域9が設けられている。多重量子井戸構造4
の側からそれぞれ厚さ7モノレーヤのAl0.8 Ga0.2
N/GaN障壁層6と交互に、7モノレーヤ,8モノレ
ーヤ,10モノレーヤ,8モノレーヤ,7モノレーヤの
計5層のGaN井戸層31,32,33,34,35が
設けられている。即ち、多重量子井戸構造4からキャッ
プ層5に向かって、井戸幅は一旦広くなったのち、狭く
なるようになっている。
長法)でAl0.8 Ga0.2 N障壁層6の上にGaNを積
層した場合、Alの拡散により界面だれ(組成グレーテ
ィッド層)を生じることが多い。ここでは、2〜3モノ
レーヤ程度の界面だれが存在するものと仮定する。逆
に、GaN上にAl0.8 Ga0.2 N障壁層6を積層した
界面は、だれが比較的小さい。実際には多少の界面だれ
があるかも知れないが、本発明の本質には影響しないの
で、ここでは無視して考えることにする。
(基底サブバンド)E10と第2サブバンド(励起サブバ
ンド)E20の2つのサブバンドが形成される。
1サブバンドE10に分布している。電子は障壁層をトン
ネルできるので、一部の電子がキャップ層5から下地層
3へと移動し、多重量子井戸構造4の大部分の領域で
は、移動した電荷の空間電荷電界により各井戸層7のフ
ェルミレベルEF が(従って第1サブバンドE10が)ほ
ぼ平坦に揃うように再配置する。ピエゾ電気効果や自発
分極によるビルトイン電界と空間電荷電界が平衡し、井
戸層7と障壁層6には逆向きの大きな電界がかかった状
態になっている。各井戸層7は障壁層6を介したトンネ
リングにより結合しており、各サブバンドはエネルギー
の広がったミニバンドを形成している。
な障壁高さの低下と障壁厚の減少が生じており、第2サ
ブバンド(ミニバンド)E20は、障壁層6のピークに近
いエネルギー位置に、△E20=100meV程度の幅を
持って形成されている。ここで、E20はミニバンドの中
心をもって定義するものとする。
調領域8との界面には、蓄積層が形成されている。第1
のサブバンドエネルギー変調領域8の井戸層21,2
2,23,24,25やGaN下地層3でも、井戸層7
に第1サブバンドE10やフェルミレベルEF がほぼ揃う
ようにキャリアが再配置する。しかし、第2サブバンド
は隣接する井戸層と共鳴しないので、それぞれ井戸層毎
に異なるエネルギー位置E21,E22,E23,E24,E25
に第2サブバンドを形成する。このときの隣接する井戸
層の第2サブバンドのエネルギーの大小関係はE20>E
21>E22>E23>E24<E25〜E20となっている。(こ
こで、不等号は電子の熱的な励起が起こらない程度のエ
ネルギー差があることを表すものとする。以下も同
じ。)キャップ層5の多重量子井戸構造4側の部分と、
第2のサブバンドエネルギー変調領域9の少なくとも一
部は、空乏化領域となる。場合によっては、多重量子井
戸構造4の主要部の第2のサブバンドエネルギー変調領
域9の近傍まで、空乏化領域が及ぶこともある。第2の
サブバンドエネルギー変調領域9の空乏化領域では、フ
ェルミレベルEF は一定になっていない。各井戸層3
1,32,33,34,35の第1サブバンドE11,E
12,E13,E14,E15も、少なくともキャップ層5側で
はミニバンドを形成しない。ここでは、井戸層33まで
は多重量子井戸構造4の主要部の第1ミニバンドに共
鳴,結合しているものとする。各サブバンドのエネルギ
ーは、E20>E31>E32>E33<E34<E35,E15>E
14>E 10,およびE33>E14の関係を満たしている。
いた光スイッチの構成を模式灼に示す図である。
2の入力側には、光ファイバー11を介して、信号光を
分岐するための光分岐器12、信号光と制御光を合波す
るための光合波器13が接続されている。波長1.65
μmの制御光パルスの半値全幅は300fs、1.55
μmの信号光パルス幅の半値全幅は100fsである。
第2サブバンドのエネルギー広がりが大きいので、どち
らの波長の光パルススペクトルも、サブバンド間吸収の
帯域に含まれる。いずれの光パルスも、非線形光導波路
2をTMモード(サブバンド間遷移にアクティブ)で伝
搬するように偏波制御されている。
は、信号光は非線形光導波路2のサブバンド間吸収によ
りほぼ完介に吸収され、出力されない。信号光は弱いの
で、吸収の飽和は起こらない。一方、強い制御光パルス
が入射されたポートでは、第1サブバンドE10の電子の
約半分が第2サブバンドE20に励起され、サブバンド間
吸収が飽和する。この状態で入射した信号光パルスは、
非線形光導波路2がほぼ透明な状態になっているので出
力される。非線形光導波路2で吸収しきれなかった制御
光は、光ファイバー11を介して接続された波長フィル
ター14により除かれる。
散乱による励起サブバンドE20から基底サブバンドE10
へのサブバンド間緩和時間と、主として電子−電子散乱
(熱化過程)やLOフォノン散乱により生じるサブバン
ド内緩和過程に支配されている。GaNでは波長1.5
5μmにおけるサブバンド間緩和時間が約100fsで
あり、さらに10fsオーダー(キャリア密度やキャリ
アのエネルギー分布により変動する)のサブバンド内緩
和を8回から9回繰り返すことにより、元のキャリア分
布に復帰する。従って、制御光パルス幅を考慮しても、
1ps以内に吸収が回復する。
は、第2サブバンドE20に励起された電子の一部が、第
1のサブバンドエネルギー変調領域8において、よりエ
ネルギーの低い第2サブバンドE21,E22,E23,E24
へと導かれ、順次エネルギーを失っていく。また、その
間に大部分の電子は第1サブバンドE10に緩和する。E
25はE24より十分にポテンシャルが高いので、井戸層2
4の第2サブバンドE24から井戸層25の第2サブバン
ドE25に入る電子は殆どない。従って、量子井戸内のサ
ブバンド間吸収で第2サブバンドE20に励起された電子
の下地層3への漏れ出しは、ほほ完全に抑制される。
より十分に大きいことが好ましい。もし、井戸層23の
第2サブバンドから井戸層24の第2サブバンドにトン
ネルしてきた電子がE25より高いか同程度のエネルギー
を持っていたとすると、そのまま井戸層25の第2サブ
バンドにトンネルしてしまう可能性があるからである。
同じ理由で、バルク層側に向けて、井戸層を何層かかけ
て徐々に広げてエネルギーを十分に減衰させておき、急
激に薄くするのが好ましい。
バンドが形成される場合、この高次サブバンドを介して
のリークが起こらないように留意する必要がある。
の近傍では、第2サブバンドE20に励起された電子の一
部が、第2のサブバンドエネルギー変調領域9におい
て、よりエネルギーの低い第2サブバンドE31,E32,
E33へと導かれ、順次エネルギーを失っていく。また、
その間に大部分の電子は第1サブバンドE10に緩和す
る。E34はE33より十分にポテンシャルが高いので、井
戸層33の第2サブバンドE33から井戸層34の第2サ
ブバンドE34に入る電子は殆どない。
ンドのエネルギー位置である。空乏層などでフェルミレ
ベルが変化する場合は、同じ井戸幅でもサブバンドのエ
ネルギー位置を変えることができる。列えば、井戸層3
4と井戸層35の井戸幅を同じにしても、E14<E15と
E33<E34<E35の両者が満たされていればよい。
域8の場合と同様な理由で、(E34−E33)>(E32−
E33)であることが望まれる。同じ理由で、バルク層側
に向けて、井戸幅を何層かかけて徐々に広げてエネルギ
ーを十分に減衰させておき、急激に薄くするのが好まし
い。高次サブバンドに関する留意点についても同様であ
る。
漏れたキャリアがすぐ戻ってこられる可能性は殆どない
ので、下地層側よりキャリア漏れの特性への影響が深刻
である。従って、第1サブバンドを介したキャリア漏れ
に対しても、十分な対策が必要である。井戸層33の第
2サブバンドE33の電子の一部は井戸層34の第1のサ
ブバンドE14にも緩和できる。しかし、E15>E14>E
10なので、E14に緩和した電子はE10に緩和するだけ
で、井戸層35には入らない。即ち、第2サブバンドの
エネルギーが極小となる井戸の外側に連続して2層以
上、第1サブバンドも第2サブバンドも外側に向かって
エネルギーが高くなっている領域が設けられていること
が必要である。
造内のサブバンド間吸収で第2サブバンドE20に励起さ
れた電子のキャップ層5への漏れ出しは、ほほ完全に抑
制される。
チアレイでは、多重量子井戸構造4の第2サブバンドE
20からGaN下地層3やGaNキャップ層5への電子の
漏れ出しが断ち切られ、吸収強度の低下や、バルク層へ
のキャリア漏れ出しによる遅い応答成分の発生が抑制さ
れる。この結果、繰り返し1Tb/sでもパターン効果
を生じず、任意のパターンで超高速のスイッチングを行
うことができる非線形光半導体素子が実現される。
ポテンシャルの下げ上げを複数回繰り返してもよい。ま
た、隣接するいくつかの量子井戸のポテンシャルを同じ
にしてもよい。
では、電界分布が障壁層の厚さにも依存し、サブバンド
のエネルギーは電界に依存している。また、ビルトイン
電界の有無に拘わらず、障壁層の厚さを変えると井戸層
間の結合の程度が変わる。従って、障壁層厚さを変える
ことによっても、ある程度サブバンドのエネルギーを制
御することができる。
によっても、サブバンドのエネルギーを変えることがで
きる。さらに、各層のドーピングの種類や量を変えるこ
とによっても、サブバンドのエネルギーを変えることが
できる。
lAsSb/InGaAs系など、様々な材料系に適用
可能である。本発明は、窒化物半導体のように大きなビ
ルトイン電界が存在する場合に、特に効果が大きい。ま
た、サブバンド間緩和時間が短い窒化物半導体を使った
場合に、特に高速の応答が得られる。窒化物半導体でも
基板の選択によっては、ビルトイン電界を生じない。ビ
ルトイン電界の無い多重量子井戸構造では、下地層側と
キャップ層側の区別はないが、各層のドーピングや組成
の設定によっては非対称性が生じる。また、基板や成長
方法によっては、下地層とキャップ層側で電界の向きが
逆になる。
る電子のサブバンド間遷移を考えてきたが、本発明は価
電子帯量子井戸における正孔のサブバンド間遷移につい
ても適用可能である。また、異なるバンドに属するサブ
バンドが混在する場合についても、応用が可能である。
多重量子井戸構造は、全体がドーピングされていても、
井戸層の全部ないし一部のみがドーピングされていて
も、或いは障壁層の全部ないし一部がドーピングされて
いてもよい。下地層やキャップ層の少なくとも一部はド
ーピングされていなくてもよい。また、下地層やキャッ
プ層は、多重量子井戸構造とは異なる構造の超格子層で
代用することもできる。さらに、キャップ層が無く、多
重量子井戸構造が最も上部に形成されている場合もあり
うる。
構造,光導波路の構造,デバイス形態,使用波長,微調
整用電極の付加,集積化等、本実施形態は種々の変形が
可能である。
して光ゲートスイッチの例を説明したが、これに限ら
ず、制御光により信号光の出力パワーないし位相が変化
する光制御素子(光強度変調器,光位相変調器等)に適
用することができる。さらに、制御光パルスにより信号
光の出力先が変化する光ルーティング素子(デジタル光
非線形スイッチ,干渉計型光スイッチ,方向性結合器型
光スイッチ等)、信号光パルスと励起光パルスとが入力
されたときに信号光とも励起光とも異なる波長の光パル
スが出力される波長変換素子、モード同期レーザの可飽
和吸収部、制御光パワーにより信号光に対する波長分散
の大きさが変化する可変波長分散補償素子等の各種の非
線形光半導体素子に適用することが可能である。
で、種々変形して実施することができる。
ブバンド間吸収に基づく非線形光学応答を利用した超高
速非線形光半導体素子において、量子井戸層の第2サブ
バンドから外側のバルク層への電子のリークが抑制さ
れ、強いサブバンド間吸収と高速の吸収回復時間を同時
に実現することができる。
アレイの素子構造断面を模式的に示す図。
多重量子井戸構造の基板側界面付近の伝導帯バンド構造
を模式的に示す図。
多重量子井戸構造の基板と反対側の界面付近の伝導帯バ
ンド構造を模式的に示す図。
光スイッチの構成を模式的に示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】井戸層と障壁層を交互に積層した半導体多
重量子井戸構造のサブバンド間吸収の飽和に基づく非線
形光学応答を利用した非線形光半導体素子において、 前記多重量子井戸構造は、該構造に隣接する隣接層との
境界部に、各井戸層の第2サブバンドのエネルギーが隣
接層に向かって一旦減少したのち上昇するように構成さ
れたサブバンドエネルギー変調領域を有していることを
特徴とする非線形光半導体素子。 - 【請求項2】前記多重量子井戸構造は、ピエゾ電気効果
を有する材料の歪量子井戸からなることを特徴とする請
求項1記載の非線形光半導体素子。 - 【請求項3】前記サブバンドエネルギー変調領域におい
て、第2サブバンドのエネルギーが極小になる井戸層よ
り多重量子井戸構造の中心部側における第2サブバンド
のエネルギーの変化より、隣接層側における第2サブバ
ンドのエネルギーの変化の方が大きいことを特徴とする
請求項1記載の非線形光半導体素子。 - 【請求項4】前記サブバンドエネルギー変調領域は、少
なくとも一部が空乏化しており、且つ第2サブバンドの
エネルギーが極小になる井戸層より隣接層側に2つ以上
の井戸層を有し、その2つ以上の井戸層の第1サブバン
ドのエネルギーが隣接層側で高くなっていることを特徴
とする請求項1記載の非線形光半導体素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27624999A JP3335963B2 (ja) | 1999-09-29 | 1999-09-29 | 非線形光半導体素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27624999A JP3335963B2 (ja) | 1999-09-29 | 1999-09-29 | 非線形光半導体素子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001100262A JP2001100262A (ja) | 2001-04-13 |
| JP3335963B2 true JP3335963B2 (ja) | 2002-10-21 |
Family
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|---|---|---|---|
| JP27624999A Expired - Lifetime JP3335963B2 (ja) | 1999-09-29 | 1999-09-29 | 非線形光半導体素子 |
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|---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-09-29 JP JP27624999A patent/JP3335963B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.37,Part1,No.5A,2510−2515 |
| 電子情報通信学会技術研究報告,1999年11月9日,vVol.98,No.509,79−84 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
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