JPH08248363A - 導波形多重量子井戸光制御素子 - Google Patents
導波形多重量子井戸光制御素子Info
- Publication number
- JPH08248363A JPH08248363A JP4804795A JP4804795A JPH08248363A JP H08248363 A JPH08248363 A JP H08248363A JP 4804795 A JP4804795 A JP 4804795A JP 4804795 A JP4804795 A JP 4804795A JP H08248363 A JPH08248363 A JP H08248363A
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- Japan
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- quantum well
- layer
- waveguide
- thickness
- control device
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Abstract
(57)【要約】
【目的】素子容量やスポット径を独立に最適化し、低電
圧動作、広帯域幅、低挿入損失で高性能な小型の光制御
素子を得る。 【構成】MQW半導体装置のMQW3両側を別の半導体
層2,4で挾んで形成した導波構造を、不純物添加した
異なる導電形の半導体層6,7で垂直面内で挾み、厚さ
11〜14nmの井戸層に0.3〜0.5%の引っ張り応
力を導入する。
圧動作、広帯域幅、低挿入損失で高性能な小型の光制御
素子を得る。 【構成】MQW半導体装置のMQW3両側を別の半導体
層2,4で挾んで形成した導波構造を、不純物添加した
異なる導電形の半導体層6,7で垂直面内で挾み、厚さ
11〜14nmの井戸層に0.3〜0.5%の引っ張り応
力を導入する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光変調や光スイッチ等
を行い、特に超高速で低電圧駆動が可能な高光結合効率
をもつ、高性能小形の導波形多重量子井戸光制御素子に
関するものである。
を行い、特に超高速で低電圧駆動が可能な高光結合効率
をもつ、高性能小形の導波形多重量子井戸光制御素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】光変調や光スイッチ等を行う光デバイス
は、高速性、低電圧駆動、低挿入損失、の3点が
重要である。これらは互いに独立でなく相互に依存し合
っており、デバイスの用途に応じて設計されている。近
年の結晶成長技術の進展により良好な特性をもつ半導体
多重量子井戸(Multiple Quantum Well;以下MQW
という)構造が作製され、その量子サイズ効果を利用す
ることによって、従来のバルクを用いた素子よりも高効
率で小形の光変調器や光スイッチ等が報告されている
(例えば、電子情報通信学会論文誌C‐1、J74‐C
‐1巻、pp.414‐420)が、上記3項目を同時に
は満たしておらず、3dB帯域は40GHz以上と広いの
に対し消光比20dBを得るのに必要な電圧は7Vと高
く、挿入損失も13dBと大きな値になっている。通
常、この種のデバイスでは帯域幅は素子容量で制限され
ており、電圧を小さくするにはMQW層を薄くすればよ
いが、その結果、素子容量が増加し帯域は狭くなってし
まう(図5)。これは図3に示すように、MQW層13
の両側をP,Nの高ドープされた層12,14で挾んで
MQW層13に垂直な方向に電界を印加し、量子閉じ込
めシュタルク効果を利用しているためである。また、M
QW層を薄くすれば光の閉じ込めは弱くなり、Pおよび
Nが高ドープされた層に光がもれ、そこでフリーキャリ
ア吸収を受けて伝搬損失が図6に示すように増加してし
まう。
は、高速性、低電圧駆動、低挿入損失、の3点が
重要である。これらは互いに独立でなく相互に依存し合
っており、デバイスの用途に応じて設計されている。近
年の結晶成長技術の進展により良好な特性をもつ半導体
多重量子井戸(Multiple Quantum Well;以下MQW
という)構造が作製され、その量子サイズ効果を利用す
ることによって、従来のバルクを用いた素子よりも高効
率で小形の光変調器や光スイッチ等が報告されている
(例えば、電子情報通信学会論文誌C‐1、J74‐C
‐1巻、pp.414‐420)が、上記3項目を同時に
は満たしておらず、3dB帯域は40GHz以上と広いの
に対し消光比20dBを得るのに必要な電圧は7Vと高
く、挿入損失も13dBと大きな値になっている。通
常、この種のデバイスでは帯域幅は素子容量で制限され
ており、電圧を小さくするにはMQW層を薄くすればよ
いが、その結果、素子容量が増加し帯域は狭くなってし
まう(図5)。これは図3に示すように、MQW層13
の両側をP,Nの高ドープされた層12,14で挾んで
MQW層13に垂直な方向に電界を印加し、量子閉じ込
めシュタルク効果を利用しているためである。また、M
QW層を薄くすれば光の閉じ込めは弱くなり、Pおよび
Nが高ドープされた層に光がもれ、そこでフリーキャリ
ア吸収を受けて伝搬損失が図6に示すように増加してし
まう。
【0003】一方、上記MQW層に対して平行な方向に
電界を印加する試みがD,C,Chemmla らによって米
国応用物理学会誌(Applied Physics Letters.)4
2巻、pp.864‐866(1983年)に報告されて
いる(図4)が、500V以上の電圧を要し、到底実用
にはならなかった。これはMQW層に平行な方向に電界
を印加するのに図4に示すような構造を採用したため、
電界がクラッド層にもかかり、また、MQW層に対して
電界強度が不均一にかかってしまったためである。
電界を印加する試みがD,C,Chemmla らによって米
国応用物理学会誌(Applied Physics Letters.)4
2巻、pp.864‐866(1983年)に報告されて
いる(図4)が、500V以上の電圧を要し、到底実用
にはならなかった。これはMQW層に平行な方向に電界
を印加するのに図4に示すような構造を採用したため、
電界がクラッド層にもかかり、また、MQW層に対して
電界強度が不均一にかかってしまったためである。
【0004】これを解決するため、われわれは先に第1
と第2のバンドギャップをそれぞれもつ第1と第2の半
導体層からなり、その厚さがボーア半径より薄い多層異
種構造から構成される、いわゆる多重量子井戸(MQ
W)半導体装置における上記多重量子井戸層の両側を、
図7に示すように第1の半導体と同等か、それより小さ
い屈折率をもつ第3の半導体で挾んだ、いわゆる導波構
造を形成し、この導波構造を上記各層に垂直な面内で挾
み、互いに一方が他方とその導電形を異なるように不純
物を添加して、外部から上記多重量子井戸層に平行に電
圧が印加できるようにした導波形多重量子井戸光制御素
子を提案した(特開平05‐259567)。これは、
所期のとおり素子容量が低減でき、高速動作、高結合効
率は達成できたが、励起子吸収の振動子強度が小さく、
また、不純物添加を拡散またはイオン打ち込みで行って
いたため、導波路の幅が一定でなく、印加電界が不均一
で低電圧動作はできなかった。
と第2のバンドギャップをそれぞれもつ第1と第2の半
導体層からなり、その厚さがボーア半径より薄い多層異
種構造から構成される、いわゆる多重量子井戸(MQ
W)半導体装置における上記多重量子井戸層の両側を、
図7に示すように第1の半導体と同等か、それより小さ
い屈折率をもつ第3の半導体で挾んだ、いわゆる導波構
造を形成し、この導波構造を上記各層に垂直な面内で挾
み、互いに一方が他方とその導電形を異なるように不純
物を添加して、外部から上記多重量子井戸層に平行に電
圧が印加できるようにした導波形多重量子井戸光制御素
子を提案した(特開平05‐259567)。これは、
所期のとおり素子容量が低減でき、高速動作、高結合効
率は達成できたが、励起子吸収の振動子強度が小さく、
また、不純物添加を拡散またはイオン打ち込みで行って
いたため、導波路の幅が一定でなく、印加電界が不均一
で低電圧動作はできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】MQW構造に電界を加
えたときに、その吸収係数がどのように変化するかを図
2に示すが、図2(a)は層に垂直、(b)は層に平行
の場合をそれぞれ示す。MQW構造では励起子と呼ばれ
る鋭い吸収線が室温でも存在し、これが電界印加によっ
て、図2(a)ではその半値幅をやや広げながら長波長
側にシフトするのに対して、図2(b)ではピーク位置
が変わらずに低電界でその半値幅を大きく広げる。な
お、図2における実線、破線、点線は印加電界の程度を
それぞれ示すものである。この電界の強さは(a)の場
合に比べて1桁以上小さく、これまでは前記従来の技術
に記したように、図2(a)の機構が多く用いられてき
た。上記機構ではMQW層に垂直に電界を印加するため
に、ノンドープMQW層をP形およびN形不純物がドー
プされた層で挾む構造(いわゆるPIN構造)が採用さ
れた。そのため図5に示すようにMQW層の厚さで素子
容量および電圧の大きさが制限され、一定の電界の強さ
を得るにはMQW層の厚さを薄くせざるを得ず、その結
果、素子容量やフリーキャリア吸収の増大をもたらし、
周波数応答特性が伸びずに伝搬損失が増加するという問
題があった。また、周波数応答特性をある程度保持する
にはMQW層の厚さを一定の厚さ以上にするため、導波
路を伝搬する光のスポット径が小さくなり、光ファイバ
との結合損失が大きいという問題があった(図6)。さ
らに、光吸収に伴い生成されるキャリアは多くのヘテロ
界面を越えねばならず、動作速度がこのキャリアの掃引
時間に律速されるおそれがあった。特にヘテロ障壁が高
い材料の組合せ(例えばInPとInGaAs)ではホール
のパイルアップがヘテロ界面で生じ、高光入力下での応
答速度の劣化が問題になっていた。これを防止するため
にヘテロ障壁が低い材料を用いねばならず、量子サイズ
効果を低減する羽目になっていた。
えたときに、その吸収係数がどのように変化するかを図
2に示すが、図2(a)は層に垂直、(b)は層に平行
の場合をそれぞれ示す。MQW構造では励起子と呼ばれ
る鋭い吸収線が室温でも存在し、これが電界印加によっ
て、図2(a)ではその半値幅をやや広げながら長波長
側にシフトするのに対して、図2(b)ではピーク位置
が変わらずに低電界でその半値幅を大きく広げる。な
お、図2における実線、破線、点線は印加電界の程度を
それぞれ示すものである。この電界の強さは(a)の場
合に比べて1桁以上小さく、これまでは前記従来の技術
に記したように、図2(a)の機構が多く用いられてき
た。上記機構ではMQW層に垂直に電界を印加するため
に、ノンドープMQW層をP形およびN形不純物がドー
プされた層で挾む構造(いわゆるPIN構造)が採用さ
れた。そのため図5に示すようにMQW層の厚さで素子
容量および電圧の大きさが制限され、一定の電界の強さ
を得るにはMQW層の厚さを薄くせざるを得ず、その結
果、素子容量やフリーキャリア吸収の増大をもたらし、
周波数応答特性が伸びずに伝搬損失が増加するという問
題があった。また、周波数応答特性をある程度保持する
にはMQW層の厚さを一定の厚さ以上にするため、導波
路を伝搬する光のスポット径が小さくなり、光ファイバ
との結合損失が大きいという問題があった(図6)。さ
らに、光吸収に伴い生成されるキャリアは多くのヘテロ
界面を越えねばならず、動作速度がこのキャリアの掃引
時間に律速されるおそれがあった。特にヘテロ障壁が高
い材料の組合せ(例えばInPとInGaAs)ではホール
のパイルアップがヘテロ界面で生じ、高光入力下での応
答速度の劣化が問題になっていた。これを防止するため
にヘテロ障壁が低い材料を用いねばならず、量子サイズ
効果を低減する羽目になっていた。
【0006】本発明では、MQW層に平行な電界を印加
できるようにし、従来のこの種の変調器やスイッチ等に
固有のMQW層厚で規定された素子容量、スポット径を
それぞれ独立に最適化し、かつ、励起子吸収の振動子強
度を大きくして低電圧で動作し、広帯域幅をもち低挿入
損失である高性能で小形の光制御素子を実現するのを目
的とする。
できるようにし、従来のこの種の変調器やスイッチ等に
固有のMQW層厚で規定された素子容量、スポット径を
それぞれ独立に最適化し、かつ、励起子吸収の振動子強
度を大きくして低電圧で動作し、広帯域幅をもち低挿入
損失である高性能で小形の光制御素子を実現するのを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、第1と第2
のバンドギャップを、それぞれ有する第1と第2の半導
体層からなり、その厚さがボーア半径より薄い多層異種
構造から構成される多重量子井戸半導体装置における上
記多重量子井戸層の両側を、第1の半導体と同等かそれ
より小さい屈折率をもつ第3の半導体で挾んだ導波構造
を形成し、上記導波構造を上記各層に垂直な面内で挾ん
で、互いに一方を他方とはその導電形が異なるように不
純物を添加して、外部から上記多重量子井戸層に平行に
電圧を印加できるようにした導波形多重量子井戸光制御
素子において、上記井戸層の厚さを11nmから14nm
とし、かつ、この井戸層に引っ張りの応力を0.3%か
ら0.5%導入することにより達成される。
のバンドギャップを、それぞれ有する第1と第2の半導
体層からなり、その厚さがボーア半径より薄い多層異種
構造から構成される多重量子井戸半導体装置における上
記多重量子井戸層の両側を、第1の半導体と同等かそれ
より小さい屈折率をもつ第3の半導体で挾んだ導波構造
を形成し、上記導波構造を上記各層に垂直な面内で挾ん
で、互いに一方を他方とはその導電形が異なるように不
純物を添加して、外部から上記多重量子井戸層に平行に
電圧を印加できるようにした導波形多重量子井戸光制御
素子において、上記井戸層の厚さを11nmから14nm
とし、かつ、この井戸層に引っ張りの応力を0.3%か
ら0.5%導入することにより達成される。
【0008】また、上記導波構造は、不純物が添加され
ていない幅を1〜4μmとし、その厚さを0.05〜0.
6μmとして、上記導波構造を伝搬する光波の光導波構
造における、横方向のスポット径と上下方向のスポット
径とを、ほぼ等しくすることによって達成される。
ていない幅を1〜4μmとし、その厚さを0.05〜0.
6μmとして、上記導波構造を伝搬する光波の光導波構
造における、横方向のスポット径と上下方向のスポット
径とを、ほぼ等しくすることによって達成される。
【0009】すなわち、不純物を添加した導波構造にお
ける屈折率、エネルギバンドを、不純物を添加しない部
分より、それぞれ小さくまたは大きくして、横方向での
光の閉じ込めを良好にし、かつ、縦方向での光の閉じ込
めをMQW層の厚さを制御することによって、上記導波
構造を伝搬する光波の光導波構造横方向のスポット径
と、上下方向のスポット径をほぼ等しくする。さらに、
井戸層に引っ張り応力を0.3%から0.5%導入し、か
つ、井戸層の厚さを11nmから14nmとし励起子吸収
の振動子強度を大きくする。また、ヘテロ障壁が高い材
料を障壁層に導入して励起子吸収の振動子強度を大きく
する。
ける屈折率、エネルギバンドを、不純物を添加しない部
分より、それぞれ小さくまたは大きくして、横方向での
光の閉じ込めを良好にし、かつ、縦方向での光の閉じ込
めをMQW層の厚さを制御することによって、上記導波
構造を伝搬する光波の光導波構造横方向のスポット径
と、上下方向のスポット径をほぼ等しくする。さらに、
井戸層に引っ張り応力を0.3%から0.5%導入し、か
つ、井戸層の厚さを11nmから14nmとし励起子吸収
の振動子強度を大きくする。また、ヘテロ障壁が高い材
料を障壁層に導入して励起子吸収の振動子強度を大きく
する。
【0010】
【作用】本発明では、先の出願である特開平05‐25
9567号の目的、すなわち、低電界で吸収係数変化が
大きい点、かつ素子容量がMQW層厚に依存せず、した
がって導波路を伝搬する光のスポット径がMQW層厚を
薄くすることにより大きくでき、光ファイバとの結合損
失を低減できる点(図6参照)と、MQW層厚を薄くす
ることで光の閉じ込めが弱くなっても高ドープされた層
がMQW層の上下にないため、フリーキャリア吸収が増
加しない点を当然包含し、かつ、励起子吸収の増大をは
かり低電圧動作にも注目して、図2(b)に示す構成を
採用した。詳細な論理検討を行った結果を図8に示す
が、井戸の厚さをパラメータとして量子井戸層に応力を
導入したときの励起子吸収の振動子強度の変化を示すも
のである。引っ張り応力導入により励起子吸収の振動子
強度は格段に向上している。このとき井戸の厚さを11
nmから14nmの間とし、この井戸層に引っ張り応力を
0.3%から0.5%導入すればよいことがわかる。
9567号の目的、すなわち、低電界で吸収係数変化が
大きい点、かつ素子容量がMQW層厚に依存せず、した
がって導波路を伝搬する光のスポット径がMQW層厚を
薄くすることにより大きくでき、光ファイバとの結合損
失を低減できる点(図6参照)と、MQW層厚を薄くす
ることで光の閉じ込めが弱くなっても高ドープされた層
がMQW層の上下にないため、フリーキャリア吸収が増
加しない点を当然包含し、かつ、励起子吸収の増大をは
かり低電圧動作にも注目して、図2(b)に示す構成を
採用した。詳細な論理検討を行った結果を図8に示す
が、井戸の厚さをパラメータとして量子井戸層に応力を
導入したときの励起子吸収の振動子強度の変化を示すも
のである。引っ張り応力導入により励起子吸収の振動子
強度は格段に向上している。このとき井戸の厚さを11
nmから14nmの間とし、この井戸層に引っ張り応力を
0.3%から0.5%導入すればよいことがわかる。
【0011】図6はシングルモード光ファイバとMQW
導波路との光の結合損失のMQW層厚依存性を示したも
ので、MQW導波路を伝搬する光のスポット径はMQW
層厚が薄くなるにしたがい大きくなって、シングルモー
ド光ファイバを伝搬する光のスポット径に近くなって、
結合損失を低減できることがわかる。
導波路との光の結合損失のMQW層厚依存性を示したも
ので、MQW導波路を伝搬する光のスポット径はMQW
層厚が薄くなるにしたがい大きくなって、シングルモー
ド光ファイバを伝搬する光のスポット径に近くなって、
結合損失を低減できることがわかる。
【0012】本発明の構造ではMQW層を導波構造に用
い、電界のかかる方向がMQW層と平行になるようにな
っているため、低電界で大きな吸収係数変化、屈折率変
化が得られ、かつ、素子容量はMQW層厚によらず、そ
の幅によって決まるので応答速度の制限要因である素子
容量は小さく、高速応答が可能である。また、MQW層
厚を厚くも薄くもできるので、これを導波する光のモー
ドスポット径は広げられ、シングルモードファイバとの
結合損失が低減でき、素子の挿入損失は小さい。さらに
MQW層に平行に電圧を印加できるようにするために設
けられたP,Nの不純物添加層は、不純物が添加されて
いない部分より、その屈折率やバンドギャップエネルギ
をそれぞれ同じか小さく、または同じか大きくできるの
で、横方向での光の閉じ込めは良好となる。さらに、井
戸層に引っ張り応力を0.3%から0.5%導入し、か
つ、井戸層の厚さを11nmから14nmとして励起子吸
収の振動子強度を大きくし、また、ヘテロ障壁が高い材
料を障壁層に導入して励起子吸収の振動子強度を大きく
しているので、低電界で大きな吸収係数変化、屈折率変
化が得られ、かつ、高光入力下での応答速度に劣化がな
く、ヘテロ障壁が高い材料を用いることができ、量子サ
イズ効果を有効に利用することができる。
い、電界のかかる方向がMQW層と平行になるようにな
っているため、低電界で大きな吸収係数変化、屈折率変
化が得られ、かつ、素子容量はMQW層厚によらず、そ
の幅によって決まるので応答速度の制限要因である素子
容量は小さく、高速応答が可能である。また、MQW層
厚を厚くも薄くもできるので、これを導波する光のモー
ドスポット径は広げられ、シングルモードファイバとの
結合損失が低減でき、素子の挿入損失は小さい。さらに
MQW層に平行に電圧を印加できるようにするために設
けられたP,Nの不純物添加層は、不純物が添加されて
いない部分より、その屈折率やバンドギャップエネルギ
をそれぞれ同じか小さく、または同じか大きくできるの
で、横方向での光の閉じ込めは良好となる。さらに、井
戸層に引っ張り応力を0.3%から0.5%導入し、か
つ、井戸層の厚さを11nmから14nmとして励起子吸
収の振動子強度を大きくし、また、ヘテロ障壁が高い材
料を障壁層に導入して励起子吸収の振動子強度を大きく
しているので、低電界で大きな吸収係数変化、屈折率変
化が得られ、かつ、高光入力下での応答速度に劣化がな
く、ヘテロ障壁が高い材料を用いることができ、量子サ
イズ効果を有効に利用することができる。
【0013】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面とともに説明
する。図1は本発明による導波形多重量子井戸光制御素
子の一実施例を示す図である。絶縁性InP基板1の上
に有機金属気相成長法(MOVPE)または分子線エピ
タキシャル法(MBE)により、ノンドープInPクラ
ッド層2を0.5μm、厚さ12nmの引っ張り応力0.
4%を導入したInGaAsP層を井戸層とし、厚さ5nm
のInP層を障壁層とする量子井戸構造20層からなる
MQW光導波層3、ノンドープInPクラッド層4を1
〜2μm,InGaAsキャップ層5を0.5μm成長し
た。なお、上記それぞれのInPクラッド層2および4
が第3半導体層に該当する。つぎに、SiN膜をマスク
として各層に垂直な面内で幅1〜4μmを挾んで、互い
に一方を他方とその導電形が異なるように不純物を添加
した結晶を成長して、外部から上記MQW層に平行に電
圧を印加できるように、p形不純物を添加した部分6お
よびn形不純物を添加した部分7を形成する。このと
き、上記不純物を添加した部分の屈折率やバンドギャッ
プエネルギを、上記不純物が添加されていない部分より
も、それぞれ同じか小さく、あるいは同じか大きくして
おく。つぎに、不純物がない領域上のキャップ層5を選
択的に除去して、不純物を添加した領域6および7の部
分に、それぞれp電極18およびn電極19を形成す
る。
する。図1は本発明による導波形多重量子井戸光制御素
子の一実施例を示す図である。絶縁性InP基板1の上
に有機金属気相成長法(MOVPE)または分子線エピ
タキシャル法(MBE)により、ノンドープInPクラ
ッド層2を0.5μm、厚さ12nmの引っ張り応力0.
4%を導入したInGaAsP層を井戸層とし、厚さ5nm
のInP層を障壁層とする量子井戸構造20層からなる
MQW光導波層3、ノンドープInPクラッド層4を1
〜2μm,InGaAsキャップ層5を0.5μm成長し
た。なお、上記それぞれのInPクラッド層2および4
が第3半導体層に該当する。つぎに、SiN膜をマスク
として各層に垂直な面内で幅1〜4μmを挾んで、互い
に一方を他方とその導電形が異なるように不純物を添加
した結晶を成長して、外部から上記MQW層に平行に電
圧を印加できるように、p形不純物を添加した部分6お
よびn形不純物を添加した部分7を形成する。このと
き、上記不純物を添加した部分の屈折率やバンドギャッ
プエネルギを、上記不純物が添加されていない部分より
も、それぞれ同じか小さく、あるいは同じか大きくして
おく。つぎに、不純物がない領域上のキャップ層5を選
択的に除去して、不純物を添加した領域6および7の部
分に、それぞれp電極18およびn電極19を形成す
る。
【0014】上記実施例はInGaAsP/InP系MQW
構造に対して記載したが、本発明は他のMQW構造、例
えばInGaAs/InAlAs,InGaAsP/InGaAs
P,InGaAs/InGaAsP,InGaAlAs/InAlA
s,GaAs/AlGaAs等のMQW構造にも、それぞれ適
用できることはいうまでもない。
構造に対して記載したが、本発明は他のMQW構造、例
えばInGaAs/InAlAs,InGaAsP/InGaAs
P,InGaAs/InGaAsP,InGaAlAs/InAlA
s,GaAs/AlGaAs等のMQW構造にも、それぞれ適
用できることはいうまでもない。
【0015】
【発明の効果】上記のように、本発明による導波形多重
量子井戸光制御素子は、第1と第2のバンドギャップを
それぞれ有する第1と第2の半導体層からなり、その厚
さがボーア半径より薄い多層異種構造から構成される多
重量子井戸半導体装置における上記多重量子井戸層の両
側を、第1の半導体と同等かそれより小さい屈折率をも
つ第3の半導体で挾んだ導波構造を形成し、上記導波構
造を上記各層に垂直な面内で挾んで、互いに一方を他方
とはその導電形が異なるように不純物を添加して、外部
から上記多重量子井戸層に平行に電圧を印加できるよう
にした導波形多重量子井戸光制御素子において、上記井
戸層の厚さを11nmから14nmとし、かつ、上記井戸
層に引っ張り応力を0.3%から0.5%導入したことに
より、導波路の幅を1〜4μm程度に設定しておけばM
QW層にかかる電界の強さを適当にすることができ、か
つ、駆動電圧は最大数Vで動作する。このとき素子容量
は導波路の幅で規定できるので、MQW層に垂直に電界
をかけていた従来の素子に比べ、数倍から1桁以上の高
速応答が観測される。また、MQW層の厚さを素子容量
とは無関係にできるので、MQW層厚を0.05〜0.6
μmと薄くあるいは厚くして、光ファイバとの結合効率
を、これまでのMQW層と垂直に電界をかけていた素子
に比べ数倍良好にすることができる。さらに、井戸層に
引っ張り応力を0.3%から0.5%導入し、かつ、井戸
層の厚さを11nmから14nmとして励起子吸収の振動
子強度を大きくし、また、ヘテロ障壁が高い材料を障壁
層に導入して励起子吸収の振動子強度を大きくしている
ので、低電界で大きな吸収係数変化や屈折率変化が得ら
れ、かつ、高光入力下での応答速度の劣化がなく、ヘテ
ロ障壁が高い材料を用いることができ、量子サイズ効果
を有効に利用することができる。
量子井戸光制御素子は、第1と第2のバンドギャップを
それぞれ有する第1と第2の半導体層からなり、その厚
さがボーア半径より薄い多層異種構造から構成される多
重量子井戸半導体装置における上記多重量子井戸層の両
側を、第1の半導体と同等かそれより小さい屈折率をも
つ第3の半導体で挾んだ導波構造を形成し、上記導波構
造を上記各層に垂直な面内で挾んで、互いに一方を他方
とはその導電形が異なるように不純物を添加して、外部
から上記多重量子井戸層に平行に電圧を印加できるよう
にした導波形多重量子井戸光制御素子において、上記井
戸層の厚さを11nmから14nmとし、かつ、上記井戸
層に引っ張り応力を0.3%から0.5%導入したことに
より、導波路の幅を1〜4μm程度に設定しておけばM
QW層にかかる電界の強さを適当にすることができ、か
つ、駆動電圧は最大数Vで動作する。このとき素子容量
は導波路の幅で規定できるので、MQW層に垂直に電界
をかけていた従来の素子に比べ、数倍から1桁以上の高
速応答が観測される。また、MQW層の厚さを素子容量
とは無関係にできるので、MQW層厚を0.05〜0.6
μmと薄くあるいは厚くして、光ファイバとの結合効率
を、これまでのMQW層と垂直に電界をかけていた素子
に比べ数倍良好にすることができる。さらに、井戸層に
引っ張り応力を0.3%から0.5%導入し、かつ、井戸
層の厚さを11nmから14nmとして励起子吸収の振動
子強度を大きくし、また、ヘテロ障壁が高い材料を障壁
層に導入して励起子吸収の振動子強度を大きくしている
ので、低電界で大きな吸収係数変化や屈折率変化が得ら
れ、かつ、高光入力下での応答速度の劣化がなく、ヘテ
ロ障壁が高い材料を用いることができ、量子サイズ効果
を有効に利用することができる。
【0016】さらにまた、本発明は吸収係数変化を利用
した強度変調器を対象に説明したが、吸収係数変化は屈
折率変化とクラマース・クレーニッヒの関係により結び
つけられており、屈折率変化を利用した位相変調器や、
屈折率変化に伴う干渉を利用した強度変調器にも適用で
きることはいうまでもない。
した強度変調器を対象に説明したが、吸収係数変化は屈
折率変化とクラマース・クレーニッヒの関係により結び
つけられており、屈折率変化を利用した位相変調器や、
屈折率変化に伴う干渉を利用した強度変調器にも適用で
きることはいうまでもない。
【図1】本発明による導波形多重量子井戸光制御素子の
一実施例を示す図である。
一実施例を示す図である。
【図2】多重量子井戸構造に電界を印加したときの吸収
係数の変化を示す図で、(a)は垂直方向に印加したと
き、(b)は平行方向に印加したときを示す図である。
係数の変化を示す図で、(a)は垂直方向に印加したと
き、(b)は平行方向に印加したときを示す図である。
【図3】従来の多重量子井戸構造に垂直な方向に電界を
印加する導波形多重量子井戸光制御素子の構成を示す図
である。
印加する導波形多重量子井戸光制御素子の構成を示す図
である。
【図4】従来の多重量子井戸構造に平行な方向に電界を
印加する導波形多重量子井戸光制御素子の構成を示す図
である。
印加する導波形多重量子井戸光制御素子の構成を示す図
である。
【図5】従来の多重量子井戸構造の垂直方向に電界を印
加した際の、導波形多重量子井戸光制御素子の素子性能
を示す図である。
加した際の、導波形多重量子井戸光制御素子の素子性能
を示す図である。
【図6】従来の多重量子井戸構造の垂直方向に電界を印
加した際の、導波形多重量子井戸光制御素子の結合損失
の変化を示す図である。
加した際の、導波形多重量子井戸光制御素子の結合損失
の変化を示す図である。
【図7】多重量子井戸層の両側を導電形が異なる半導体
層で挾み導波構造を形成した導波形多重量子井戸光制御
素子の構成例を示す図である。
層で挾み導波構造を形成した導波形多重量子井戸光制御
素子の構成例を示す図である。
【図8】本発明の原理を説明するための図である。
2,4…第3半導体(InPクラッド層) 3…多重量子井戸層 6…p形不純物領域 7…n形不純物領域
Claims (2)
- 【請求項1】第1と第2のバンドギャップを、それぞれ
有する第1と第2の半導体層からなり、その厚さがボー
ア半径より薄い多層異種構造から構成される多重量子井
戸半導体装置における上記多重量子井戸層の両側を、第
1の半導体と同等か、それより小さい屈折率をもつ第3
の半導体で挾んだ導波構造を形成し、上記導波構造を上
記各層に垂直な面内で挾んで、互いに一方を他方とはそ
の導電形が異なるように不純物を添加して、外部から上
記多重量子井戸層に平行に電圧を印加できるようにした
導波形多重量子井戸光制御素子において、上記井戸層の
厚さを11nmから14nmとし、かつ、上記井戸層に引
っ張り応力を0.3%から0.5%導入したことを特徴と
する導波形多重量子井戸光制御素子。 - 【請求項2】上記導波構造は、不純物が添加されていな
い幅を1〜4μmとし、その厚さを0.05〜0.6μm
として、上記導波構造を伝搬する光波の、光導波構造に
おける横方向のスポット径と上下方向のスポット径と
を、ほぼ等しくしたことを特徴とする請求項1記載の導
波形多重量子井戸制御素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4804795A JPH08248363A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 導波形多重量子井戸光制御素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4804795A JPH08248363A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 導波形多重量子井戸光制御素子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08248363A true JPH08248363A (ja) | 1996-09-27 |
Family
ID=12792423
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4804795A Pending JPH08248363A (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | 導波形多重量子井戸光制御素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08248363A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6798552B2 (en) | 2002-02-18 | 2004-09-28 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Semiconductor light modulator |
| JP2013222844A (ja) * | 2012-04-17 | 2013-10-28 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光半導体素子 |
| CN103985799A (zh) * | 2014-06-05 | 2014-08-13 | 天津三安光电有限公司 | 发光二极管及其制作方法 |
| JP2015015396A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-22 | 日本電信電話株式会社 | 光半導体素子 |
| JP2016171173A (ja) * | 2015-03-12 | 2016-09-23 | 日本電信電話株式会社 | 半導体光素子 |
| JP2019054107A (ja) * | 2017-09-14 | 2019-04-04 | 日本電信電話株式会社 | 半導体光素子 |
-
1995
- 1995-03-08 JP JP4804795A patent/JPH08248363A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6798552B2 (en) | 2002-02-18 | 2004-09-28 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Semiconductor light modulator |
| JP2013222844A (ja) * | 2012-04-17 | 2013-10-28 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光半導体素子 |
| JP2015015396A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-22 | 日本電信電話株式会社 | 光半導体素子 |
| CN103985799A (zh) * | 2014-06-05 | 2014-08-13 | 天津三安光电有限公司 | 发光二极管及其制作方法 |
| JP2016171173A (ja) * | 2015-03-12 | 2016-09-23 | 日本電信電話株式会社 | 半導体光素子 |
| JP2019054107A (ja) * | 2017-09-14 | 2019-04-04 | 日本電信電話株式会社 | 半導体光素子 |
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