JP3346078B2 - Nbr系組成物 - Google Patents

Nbr系組成物

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JP3346078B2 JP04479695A JP4479695A JP3346078B2 JP 3346078 B2 JP3346078 B2 JP 3346078B2 JP 04479695 A JP04479695 A JP 04479695A JP 4479695 A JP4479695 A JP 4479695A JP 3346078 B2 JP3346078 B2 JP 3346078B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NBR系組成物に関す
る。更に詳しくは、耐ガス透過性の要求される摺動用シ
ール材の成形材料として好適に用いられるNBR系組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】NBRまたは水素化NBRは、耐熱性、
耐油性、耐摩耗性、耐水性などにすぐれており、特にそ
れらのパーオキサイド架橋物は圧縮永久歪が小さいた
め、Oリング、ガスケット等の固定用シールを始め、摺
動用シール材としても広く使用されている。
【0003】高ニトリル含有量のNBRまたは水素化N
BRを用いた場合には、耐ガス透過性にすぐれているた
め、ピストン型アキュームレータ等の摺動部シールに多
く使用されている。しかしながら、このようなシール材
は低温シール性に乏しく、寒冷地でのガス漏れがしばし
ば問題となっている。即ち、ニトリル含有量の高低によ
るNBRまたは水素化NBRの選択において、耐ガス透
過性と低温特性という相反する性質を両立させることは
不可能であるといえる。
【0004】NBRまたは水素化NBRの低温特性を改
善するには、NBRまたは水素化NBRとの相溶性が良
好で、凝固点の低い可塑剤を添加するか、ニトリル含有
量の低いものを選択するかのいずれかの方法が一般的に
とられているが、これらの方法はいずれも耐ガス透過性
の低下を避けることができない。そればかりではなく、
特に前者においては耐熱性の低下がみられ、またシール
対象液によっては可塑剤の抽出による低温特性の低下を
も生ずることがある。
【0005】耐ガス透過性にすぐれしかも低温特性の良
好なゴム材料も存在し、それの代表的なものはブチルゴ
ムであるが、このものは耐摩耗性に乏しく、粘着性をも
有するため、摺動用シール材料としては不適当である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐ガ
ス透過性の要求される摺動用シール材の成形材料として
好適に用いられるNBR系組成物であって、耐熱性や圧
縮永久歪特性を実質的に低下させることなく、耐ガス透
過性および低温特性の両者を満足せしめたものを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
ニトリル含有量36%以下のNBRまたは水素化NBR、
アスペクト比(フレーク径/フレーク厚さ)が10以上の薄
片状充填剤、酸化亜鉛および有機過酸化物を含有するN
BR系組成物によって達成される。
【0008】NBRとしては、-30℃以下での低温シー
ル性を考慮して、ニトリル含有量が36%以下、好ましく
は30%以下のNBRまたは水素化NBRが用いられる。
【0009】これに添加される薄片状充填剤としては、
アスペクト比(フレーク径/フレーク厚さ)が約10以上、
好ましくは約50以上の薄片状の結晶構造を有するけい酸
マグネシウム系充填剤、けい酸アルミニウム系充填剤
(天然マイカ)等が、NBRまたは水素化NBR100重量
部当り約10〜150重量部、好ましくは約30〜100重量部の
割合で用いられる。アスペクト比約10〜50程度の充填剤
をこれ以下の割合で用いると、耐ガス透過性の改善が見
込めず、一方これ以上の割合で添加すると、加硫物性が
低下するようになる。酸化亜鉛は、この種の用途で通常
用いられる配合割合、例えば(水素化)NBR100重量部
当り約1〜10重量部、好ましくは約2〜5重量部の割合で
用いられ、後記各実施例ではいずれも5重量部用いられ
ている。
【0010】架橋剤としては、イオウ、有機過酸化物の
いずれをも用い得るものの、圧縮永久歪特性の良好な有
機過酸化物を用いることが好ましい。有機過酸化物とし
ては、一般的に用いられているものをそのまま用いるこ
とができるが、活性酸素量6%程度のものを用いた場合、
一般にNBR100重量部当り約0.1〜7重量部、好ましく
は約0.5〜5重量部の割合で、また水素化NBR100重量
部当り約1〜15重量部、好ましくは約2〜10重量部の割合
でそれぞれ用いられる。有機過酸化物と共にイオウまた
はイオウ供与性化合物を併用することも好ましく、この
場合にはNBRまたは水素化NBR100重量部当り約0.0
5〜3重量部、好ましくは約0.1〜1重量部の割合で用いら
れる。
【0011】 以上の各成分および酸化亜鉛を必須成分
とする組成物中には、補強剤、可塑剤、老化防止剤等が
必要に応じて適宜配合される。補強剤としては、硬度の
調整作用をも含め、カーボンブラック等が用いられる。
可塑剤としては、NBRまたは水素化NBRとの相溶性
が良好でかつ凝固点の低い可塑剤、例えばエステル-エ
ーテル系可塑剤等を選択し、NBRまたは水素化NBR
100重量部当り30重量部以下、好ましくは約15重量部以
下添加することにより、低温特性の改善が見込まれる。
これ以上の割合での添加は、耐熱性や圧縮永久歪特性を
低下させるばかりではなく、耐ガス透過性の改善にとっ
ても大きな支障となってくる。
【0012】組成物の調製は、オープンロール等の開放
式混練機、ニーダ、インターミキサ等の密閉式混練機な
どを用いて行われる。開放式混練機が用いられる場合に
は、NBRまたは水素化NBRをオープンロールに巻き
付かせ、素練りした後、架橋剤以外の各配合成分を少量
宛添加し、最後に架橋剤を添加することが行われる。こ
の間、常時約10L/分程度の冷却水を流して、混練時の
温度を約50〜70℃程度に保つことが好ましい。また、密
閉式混練機を用いる場合には、架橋剤以外の各配合成分
を一括して密閉式混練機中に投入して混練を行い、数分
後に排出させてから、オープンロールを用いて架橋剤の
添加が行われる。この間、やはり十分な冷却水を流し、
密閉式混練中は約120℃以下に、またオープンロールで
の架橋剤添加は約70℃以下に温度を保つことが好まし
い。
【0013】このようにして調製された組成物は、一般
に約160〜170℃、約15〜20分間の加硫条件下で加硫成形
される。
【0014】
【発明の効果】摺動用シール材の成形材料などとして広
く用いられているNBRまたは水素化NBRにおいて
は、耐ガス透過性と低温シール性とを両立させることが
困難であったが、本発明においては、ニトリル含有量の
低いものを用い、そこに薄片状充填剤を配合してパーオ
キサイド架橋を行うことにより、低温特性を損なうこと
なく、耐ガス透過性にすぐれた加硫成形品を与え得るN
BR系組成物が得られている。
【0015】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0016】実施例1 ニトリル含有量35%のNBR(日本合成ゴム製品JSR N230
S)100部(重量、以下同じ)に、下記配合剤を所定部数添
加し、12インチオープンロールを用いて前記の如き混練
方法で混練した後、混練物を170℃、15分間の条件下で
架橋して、厚さ2mmの加硫シートを作製した。 配合剤(部) No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 天然マイカ(アスペクト比90) 50 50 120 151 〃 ( 〃 30) 9 亜鉛華3号(堺化学製品) 5 5 5 5 5 5 5 ステアリン酸 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 老化防止剤RD 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 〃 MB 2 2 2 2 2 2 2 ジクミルパーオキサイド 3 3 3 3 3 3 3 イオウ 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 FEFカーボンブラック 60 70 70 60 45 20 5 エステル-エーテル系可塑剤 10 10 31 15 20 10 注)天然マイカ(アスペクト比90):プロゴタイプ系、マリエッタ社製品 スゾライト・マイカ40-S 天然マイカ(アスペクト比30):プロゴタイプ系、マリエッタ社製品 スゾライト・マイカ325-K1 老化防止剤RD:ポリメライズド2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロ キノリン、精工化学製品 老化防止剤MB:2-メルカプトベンゾイミダゾール、大内新興化学製品 ジクミルパーオキサイド:日本油脂製品パークミルD エステル-エーテル系可塑剤:旭電化製品アデカサイザーRS107
【0017】得られた加硫シートについて、次の各項目
の測定を行った。 加硫物性:JIS K-6301準拠 圧縮永久歪:120℃、70時間 耐熱老化試験:120℃、70時間後の加硫物性変化 N2ガス透過試験:ASTM D1434準拠、25℃ TRテスト:ASTM D1329準拠、冷媒エタノール
【0018】測定結果は、次の表1に示される。 表1 測定項目 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 加硫物性 硬さ (JIS A) 81 81 83 82 83 86 89 引張強さ (MPa) 22 22 22 15 18 15 17 伸び (%) 250 230 200 80 180 110 80 圧縮永久歪 (%) 10 15 16 50 35 46 57 耐熱老化試験 硬さ変化(ポイント) +3 +4 +4 +6 +3 +3 +3 引張強さ変化率(%) +9 +6 +11 +21 +8 +8 +8 伸び変化率 (%) -17 -20 -18 -48 -19 -20 -30 ガス透過係数 45 70 68 80 30 12 8 (cc・mm/cm2・atm・24hrs) TR10 (℃) -26 -31 -30 -39 -35 -37 -28
【0019】以上の結果から、次のようなことがいえ
る。 (1)NBRは耐ガス透過性と低温特性とを兼備しない(N
o.1〜2)。 (2)薄片状充填剤の添加量が10phr以下では耐ガス透過性
に劣り(No.3)、150phr以上では伸び、圧縮永久歪が悪化
する(No.7)。 (3)可塑剤の添加量が30phr以上の場合、圧縮永久歪、耐
熱性が悪化する(No.4)。 (4)No.5〜6では、耐熱性を損なうことなく、耐ガス透過
性および低温特性が改善されている。
【0020】 実施例2 ニトリル含有量20%のNBR(日本合成ゴム製品JS
R N250S)100部を用いての加硫シートの作製
が、実施例1と同様にして行われた。
【0021】得られた加硫シートについての測定が実施
例1と同様に行われ、次の表2に示されるような結果を
得た。 表2 測定項目 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 加硫物性 硬さ (JIS A) 81 83 82 86 83 82 引張強さ (MPa) 21 20 18 15 22 17 伸び (%) 240 210 180 110 230 100 圧縮永久歪 (%) 12 18 24 45 17 75 耐熱老化試験 硬さ変化(ポイント) +3 +3 +3 +3 +3 +4 引張強さ変化率(%) +11 +4 +11 +11 -4 +17 伸び変化率 (%) -15 -11 -20 -23 -12 -30 ガス透過係数 180 28 20 15 32 32 (cc・mm/cm2・atm・24hrs) TR10 (℃) -38 -38 -44 -46 -44 -38
【0022】 以上の結果から、次のようなことがいえ
る。 (1)No.2〜4では、耐熱性を損なうことなく、耐ガス透過
性が大幅に改善されており、特にNo.2〜3では圧縮永久
歪の点でも満足されている。 (2)アスペクト比の異なるプロゴタイプ系天然マイカが
用いられても、殆んど同様の効果が期待できる(No.3お
よびNo.5)。 (3)有機過酸化物が用いられず、イオウ加硫のみが行わ
れた場合には、圧縮永久歪特性が大幅に低下する(No.
6)
【0023】 実施例3 ニトリル含有量36%の水素化NBR(日本ゼオン製品
Zetpol 2020)100部を用いての加硫シー
トの作製が、実施例1と同様にして行われた。
【0024】得られた加硫シートについての測定が実施
例1と同様に行われ、次の表3に示されるような結果を
得た。 この結果から、圧縮永久歪および低温特性を損なうこと
なく、耐ガス透過性を大幅に改善できることが分かる。
【0025】実施例4 ニトリル含有量18%の水素化NBR(日本ゼオン製品Zetp
ol 4120)100部を用いての加硫シートの作製が、実施例
1と同様にして行われた。
【0026】得られた加硫シートについての測定が実施
例1と同様に行われ、次の表4に示されるような結果を
得た。 この結果から、低温特性を損なうことなくあるいはわず
かに改善しながら、耐ガス透過性を大幅に改善し得るこ
とが分かる。
【0027】 比較例 ニトリル含有量41%のNBR(日本合成ゴム製品N2
20S)または44%の水素化NBR(日本ゼオン製品
Zetpol 1020)を用いての加硫シートの作製
が、実施例1と同様にして行われた。
【0028】得られた加硫シートについての測定が実施
例1と同様に行われ、次の表5に示されるような結果を
得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/02 C08K 5/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニトリル含有量36%以下のNBRまたは水
    素化NBR、アスペクト比(フレーク径/フレーク厚さ)
    が10以上の薄片状充填剤、酸化亜鉛および有機過酸化物
    を含有してなる、耐ガス透過性の要求される摺動用シー
    ル材の成形材料として用いられるNBR系組成物。
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