JP3348111B2 - ガスタービン装置及びガスタービン燃焼器からのNOxの放出を低減する方法 - Google Patents
ガスタービン装置及びガスタービン燃焼器からのNOxの放出を低減する方法Info
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Description
焼器のNOx生成を最小化する技術に関し、特に、燃焼
器の予混合部(プレミキサセクション)の上流において
燃焼空気の小部分を燃料系に混合することにより、NO
xの放出を低減する技術に関する。
して、広く用いられている。天然ガスは、豊富に入手で
きると予測されるので、据置型パワー発生システム用の
燃料として特に魅力的である。しかしながら、炭化水素
の燃焼から出る排ガスが、酸性雨、オゾン層破壊及び
「温室」効果等の多くの環境問題につながっている。環
境の質に関する関心の高まりの一環として、大気を汚染
する燃焼副生物を最小限に抑えることが求められてい
る。窒素酸化物(NOx)は特に望ましくない燃焼の副
生物である。
素原子と酸素原子との間に起こる反応により生成され
る。これらの反応は活性化エネルギが高いので、約18
00°K〜1900°Kより低い温度では、NOxの形
成は顕著ではない。高温が必要な場合、通常の(非予混
合)燃焼器ではNOx制御のために、水又はスチームを
注入する。このアプローチでは、注入された水又はスチ
ームが熱を吸収し、ピーク温度をNOx形成のしきい値
より低くし、こうして、NOxの形成を低減する。しか
しながら、このアプローチは、水又はスチームの点から
高価であり、腐食の原因となり、一酸化炭素の放出レベ
ルを高めるおそれがある。アンモニアを主成分とする熱
的脱NOx剤を排気流に噴射するという他のよく知られ
たアプローチは、NOxを低減するのに有効であるが、
設備投資及び処理上のアンモニアの点で非常に高価であ
る。
燃焼は、排気ガスの燃焼後処理を必要としない、比較的
きれいな燃焼であるので、魅力的なアプローチである。
代表的には、希薄な予混合燃焼を達成するには、火炎安
定化のすぐ上流で(予混合部と呼ばれる燃焼器の領域
で)燃料と空気とを予混合して、化学量論の希薄側の混
合物を形成する。予混合の効果は、混合物が燃焼する温
度を下げ、望ましくは最低にし、こうして温度感応性で
あるNOxの生成を低減することである。一般に、混合
物が希薄であればあるほど、燃焼温度は低くなる。
部は、代表的には、気体状燃料と空気とを完全に混合す
るには足らないため、比較的高レベルのNOxを生じ
る。幾何形状や流れパターンを変更することにより、予
混合器内の燃料と空気との「混合度」を向上することが
試みられている。しかしながら、実際の設計は、許容可
能な圧力降下の限界や空間的制約等の要因により限定さ
れる。予混合器の設計を改良しても、通常、不完全な混
合がある程度存在する。混合が不完全であると、希薄な
予混合燃焼中に、燃料濃度レベルに不均一性やゆらぎが
生じる。NOxの生成は燃料濃度と共に非線形に増加す
るので、このような不均一性やゆらぎはNOxの生成を
増大する原因となる。例えば、平均燃料濃度より上での
ゆらぎは、平均燃料濃度以下での同じゆらぎが減少させ
るのより多くのNOxを生じる。正味の効果としては、
これらのゆらぎから生成されるNOxは、燃焼を一定の
燃料濃度で行った場合より多いことになる。同様に、不
均一な平均プロファイルは、NOxがより多いことにつ
ながる。
焼混合物の燃料濃度レベルのゆらぎや不均一性を最小に
することにより、NOxの放出を低減することにある。
具体的には、本発明の目的は、予混合段の上流で空気の
小部分を燃料と混合することにより、希薄な予混合燃焼
のNOxの放出を低減することにある。
設計にも有用であり、燃焼器の大きな変更を必要としな
い、希薄な予混合燃焼においてNOxを低減する装置及
び方法を提供することにある。本発明によれば、「ヘッ
ドスタート部分予混合(head start partial premixin
g)」と称する方法で、このような目的が達成される。
本発明のガスタービン装置又はNOxを低減する方法
は、燃焼器への注入前に、空気の一部(代表的には、燃
焼空気の総供給量の1%〜10%程度)を燃料ラインに
混入することにより、ガスタービン燃焼器からのNOx
の放出レベルを低減する。好適な実施例では、燃料と空
気とを混合する予混合(プレミキサ)部を有している燃
焼器を備えているガスタービン装置が提供される。燃料
ラインは予混合部の第1の入口に連結されており、燃料
を予混合部に供給し、空気源は予混合部の第2の入口に
連結されている。予混合部の上流で燃料ラインに空気を
注入(注入)する手段が、空気の一部を空気源から燃料
ラインに注入する。
の不完全な燃焼器すべてに有用である。更に、本発明は
燃焼器の費用のかかる変更を必要としない。本発明は、
ヘッドスタート部分予混合が燃焼器から上流において比
較的遠くで行われると共に、燃料ライン内の燃料−空気
混合物が極めて濃厚(可燃限界より上)に維持され、従
って燃焼しにくいので、安全性の問題を惹起しない。
い説明及び添付の図面を参照すれば明らかになるであろ
う。本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであ
るが、本発明をもっとよく理解できるように、以下に図
面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
サ)部への注入前に空気の小部分を燃料と混合すること
が、予混合部の空気−燃料混合物の正味の平均燃料濃度
レベルのゆらぎ及び不均一性を減らすことにより、NO
xの生成を最小にするという思想に基づく。本発明の燃
焼器を代表的な予混合燃焼器と比較することにより、こ
の思想の背後にある理論を明らかにする。
従来の燃焼器10の概略図である。燃焼器10は、注入
される燃料と空気とが混合される予混合部11と、燃料
−空気混合物が燃焼される燃焼部12とを有している。
燃焼部と予混合部とは、保炎器13によって分離されて
いる。2つの入力ポート14及び15は、予混合部11
への入口を提供している。これらのポートは周知の通り
の形状とすることができる。燃料ライン16は、燃料を
予混合部11に供給する第2の入力ポート15に連結さ
れている。第2のライン17は第1の入力ポート14に
連結されている。第2のライン17は第1の入力ポート
14を介して、空気を予混合部11に供給する。
れの体積燃料濃度をC1 とし、第2の入力ポート15を
通して送られる流れの体積燃料濃度をC2 とする。第1
の入力ポート14を通る流れはすべて空気であり、第2
の入力ポート15を通る流れはすべて燃料であるので、
C1 =0、C2 =1である。2つの流れの混合物の正味
の平均燃料濃度をCとすると、Cは、 C1 ≦C≦C2 である。
の最大分散σ2 max は、次式で与えられる。 σ2 max =(C2 −C)(C−C1 ) (1) 分散は燃料−空気濃度におけるゆらぎの大きさの指標で
ある。一例として、燃料がメタンである燃焼過程を考え
てみる。メタンの場合、正味の平均燃料濃度は、次式で
与えられる。
が0.5である場合、Cは約0.05となり、式(1)
を解くと、σ2 max =0.0475となる。次に、図2
に本発明の燃焼器20を線図的に示す。図1の燃焼器1
0と同様に、燃焼器20は、注入される燃料と空気とが
混合される予混合部21と、燃料−空気混合物が燃焼さ
れる燃焼部22とを有している。燃焼部と予混合部と
は、保炎器23によって分離されている。2つの入力ポ
ート24及び25は、予混合部21への入口を提供して
いる。燃料ライン26は、燃料を予混合部21に供給す
る第2の入力ポート25に連結されている。第2のライ
ン27は第1の入力ポート24に連結されている。第2
のライン27は2つの枝管28及び29に分岐してい
る。第1の枝管28は空気総量の小割合X(%)をライ
ン27から燃料ライン26に送り、これにより、予混合
部21への注入前に空気の小部分を燃料と混合する。ラ
イン27からの空気の残りは、第1の入力ポート24に
連結されている第2の枝管29を介して、予混合部21
に直接送られる。
燃焼器20についても、メタンを燃料−空気当量比0.
5で燃焼させる上述の例を考えてみる。第2のライン2
7から燃料ライン26に分流される空気の体積が、総量
の5%であると仮定する。さて、第1の入力ポート24
を通る流れはやはりすべて空気であるが、第2の入力ポ
ート25を通る流れは燃料と空気との混合物である。燃
料−空気当量比0.5の場合、正味の平均燃料濃度Cは
約0.05であるので、第2の入力ポート25を介して
注入される燃料と空気との混合物は、半分が燃料、半分
が空気である。従って、C1 =0で、C2 =0.5であ
り、式(1)からσ2 max =0.0225が得られる。
この比較からわかるように、ヘッドスタート部分予混合
により、最大分散は50%以上減少し、このことは、ゆ
らぎも不均一性も減少したことを意味する。
考慮により部分的に制限される。理想的には、できるだ
け多くの空気を加える。空気が多ければ多いほど、第2
の入力ポートを通しての燃料濃度C2 の値が低くなるか
らであり、又、可能な最大分散は、C2 の値に直接関係
しているからである。しかしながら、燃料ライン26内
の燃料−空気混合物をその可燃限界以上に極めて濃厚
(リッチ)に維持しなければならず、さもないと、燃料
ラインで燃焼が起こる可能性がある。燃料ラインに余り
に多量の空気を加えると、得られる混合物は可燃性混合
物になってしまう。他に考慮すべきこととしては、シス
テム設計の実用的観点、例えば、燃料ライン及び燃料イ
ンジェクタに必要な変更や、分流した空気を燃料ライン
に注入する前に必要とされる追加の空気圧縮等がある。
一般に、燃料ラインへの空気の注入量は、空気の総量の
約1%〜10%の範囲の量が実用的であると考えられ
る。
上流の点で空気の小部分を燃料ライン26に注入するよ
うに配設する必要がある。燃焼器からの距離は燃料ライ
ン内での燃焼を防止するのに役立つだけでなく、燃料−
空気混合物が燃料ラインを通して進む距離が十分であれ
ば、混合が完全になる。図3〜図5に、本発明の思想を
試験するために行った実験の結果を示す。第1の実験
は、予混合チューブと燃焼チューブとをそれぞれ端部で
接合した構成の実験室規模の装置で行った。中心ジェッ
トを予混合チューブの先端に同軸に配置した。空気の供
給源を中心ジェットより上流の点から予混合チューブに
設けた。2つのチューブの接合部は、火炎安定(保炎)
位置として機能した。燃焼中、平均及びゆらぎ燃料濃度
を予混合器の出口面で測定し、燃焼チューブの下流に配
置したベックマン(Beckman )NOx分析器で、NOx
の放出データを測定した。
も、燃料としてメタンを用い、当量比は0.5であっ
た。第1の試験では、メタンを中心ジェットから注入
し、空気流を予混合チューブに供給した。次に、空気流
の5%容量を予混合チューブから中心ジェットに分流し
た。このとき、中心ジェットはほぼ空気とメタンとの5
0−50ミックスであった。これは、本発明のヘッドス
タート部分予混合の思想を具体化する例である。基準と
して、ほぼ完全に混合した場合のデータを集めた。
(尚、理想的な予混合データを得るために用いた実験技
術は、実際のガスタービン装置には実現できなかっ
た。)図3〜図5において、円(○)は理想的な予混合
例のデータを表し、四角(□)は第1の試験からのデー
タを表し、三角(▽)はヘッドスタート部分予混合を用
いた試験からのデータを表す。
の半径方向距離zを予混合チューブの直径Dpで割って
無次元化した商に対して、予混合チューブの端部での体
積平均燃料濃度Cをプロットしたグラフである。燃料−
空気混合物を中心ジェットを通して注入した場合の濃度
プロファイルは、燃料のみを中心ジェットを通して注入
した場合の濃度プロファイルより、均一で、理想的な混
合の場合により近かった。
の半径方向距離zを予混合チューブの直径Dpで割って
無次元化した商に対して、「非混合度」レベルをプロッ
トしたグラフである。「非混合度」レベルは、燃料−空
気濃度の分散を値(1−C)Cで割って無次元化した商
として定義される。(尚、最も非混合のケースは分散が
(1−C)Cに等しい場合である。従って、非混合度が
1の場合は最も非混合のケースに相当し、非混合度が0
に場合は最も混合されたケースに相当する。)グラフか
ら、ヘッドスタート部分予混合を用いる燃焼試験は、ヘ
ッドスタート部分予混合を用いない燃焼試験より非混合
度レベルが低いことがわかる。
チューブの直径Dcで割って無次元化した商に対して、
NOx生成量(ppm)をプロットしたグラフである。
このグラフから、ヘッドスタート部分予混合を用いるこ
とにより、NOxの放出を大幅に改良できることがわか
る。第2の実験は、実機規模の単一缶燃焼器で行った。
用いた燃料は天然ガスであり、空気−燃料質量比は約1
(容量比約0.56)であった。この空気−燃料質量比
は、燃焼空気流の約2%の分流に対応した。結果から、
NOxの放出量を30ppmの初期レベルから約20%
〜25%減少させることが可能であることがわかった。
空気の小部分を燃料供給物に注入することにより、ガス
タービン燃焼器のNOx生成を低減する技術を説明し
た。本発明は、燃焼器をさほど変更することなく実現す
ることができると共に、どのような燃焼器設計にでも有
用である。本発明の特定の実施例を説明したが、本発明
の要旨から逸脱しない範囲内で種々の変更を加え得るこ
とが、当業者には明らかである。
る。
フである。
フである。
Claims (7)
- 【請求項1】 燃料と空気とを混合させる予混合部を備
えた燃焼器と、 該予混合部に直接空気を排出する空気取り入れ口と、 前記予混合部に燃料を供給する燃料ラインと、 前記予混合部の上流で前記燃料ラインに、前記空気取り
入れ口から空気の一部を注入する手段とを備えたガスタ
ービン装置。 - 【請求項2】 前記予混合部は第1及び第2の入口を含
んでおり、前記燃料ラインは前記第1の入口に連結され
ており、前記空気を注入する手段は前記第2の入口に連
結されている請求項1に記載のガスタービン装置。 - 【請求項3】 前記空気の一部は、前記予混合部に送ら
れる空気の総量の約1%〜10%である請求項1に記載
のガスタービン装置。 - 【請求項4】 燃料と空気とが注入されて混合される予
混合部を有しているガスタービン燃焼器からのNOxの
放出を低減する方法であって、前記予混合部への注入前
に空気の一部を燃料に混入する工程を備えたガスタービ
ン燃焼器からのNOxの放出を低減する方法。 - 【請求項5】 前記空気の一部は、前記予混合部に注入
される空気の総量の約1%〜10%である請求項4に記
載の方法。 - 【請求項6】 第1入口から燃料と第2入口から空気と
を注入し、該燃料と空気とを混合させる予混合部を備え
た燃焼器と、 前記第1入口と接続し、前記予混合部に燃料を供給する
燃料ラインと、 第1枝管および第2枝管とを有し、前記第1枝管が前記
燃料ラインと接続し空気を排出するとともに、前記第2
枝管が前記第2入口と接続し前記予混合部にも空気を排
出する空気取り入れラインとを備えたガスタービン装
置。 - 【請求項7】 前記前記第1枝管から前記燃料ラインへ
排出される空気は、前記予混合部に注入される空気の総
量の約1%〜10%である請求項6に記載の方法。
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