JP3350199B2 - 沸騰水型原子炉および燃料集合体 - Google Patents

沸騰水型原子炉および燃料集合体

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JP3350199B2
JP3350199B2 JP00410294A JP410294A JP3350199B2 JP 3350199 B2 JP3350199 B2 JP 3350199B2 JP 00410294 A JP00410294 A JP 00410294A JP 410294 A JP410294 A JP 410294A JP 3350199 B2 JP3350199 B2 JP 3350199B2
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宗也 山本
滋 藤本
一芳 片岡
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉(BW
R)および燃料集合体に係り、特に地震などの振動によ
る集合体間隔の変化量を制限するようにした沸騰水型原
子炉および燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】図19は沸騰水型原子炉の原子炉圧力容
器内の構造を示す概略図であり、この原子炉圧力容器1
内には炉心2が収容され、この炉心2は制御棒駆動装置
3により制御棒を上下動させて核分裂反応が制御され、
反応冷却材である水を沸騰させている。この沸騰した水
は気水分離器4により蒸気と水に分離され、蒸気はさら
に蒸気ドライヤ5で乾燥されて主蒸気管6を経て図示し
ないタービンへ送られ、このタービンにより発電機を回
転駆動させる。
【0003】炉心2は、図20および図21に示すよう
に井桁状に形成された上部格子板7により上部が支持さ
れた燃料集合体8と、この燃料集合体8が4体に一体の
割合で装荷される十字型の断面構造の制御棒9と、炉心
下部に設置された燃料支持金具10および炉心支持板1
1とから構成される。上部格子板7の各格子内に燃料集
合体8が4体入り、その中央に制御棒9が挿入される。
そして、炉心2は燃料集合体8の設置間隔が均一なC格
子炉心と、図21に示すように上部格子板7側に間隔の
狭い部分(ナローギャップ)を有し(図示せず)、燃料
集合体8の設置間隔が不均一なD格子炉心の2つがあ
る。
【0004】一般にBWRの場合、燃料集合体8は、図
22に示すように複数本の燃料棒などを含む断面四角形
状のチャンネルボックス12と、上部タイプレート13
と、下部タイプレート14と、チャンネルファスナ15
などを有しており、チャンネルボックス12は、燃料
棒,ウォータロッド,スペーサなどを囲んでいる。チャ
ンネルボックス12上部には上部タイプレート13が、
下部には下部タイプレート14がそれぞれ固定されてい
る。
【0005】燃料集合体8は、図20に示すように4体
毎に原子炉内の炉心支持板11に保持された燃料支持金
具10の上部四隅の孔に下部タイプレート14を嵌め込
むように支持されている。燃料集合体8の上端は上部格
子板7により保持されている。また、十字型の制御棒9
は、燃料支持金具10の中央の十字部を通って燃料集合
体8間を上下する機構となっている。燃料集合体8に沿
って上部格子板7の格子交差部下方には、炉心下部より
中性子束検出器を内包する計装管が挿入されている。な
お、燃料集合体の間隔は核設計と熱水力設計とで決定さ
れる。
【0006】反応冷却材である水は、図22に示すよう
に下部タイプレート14からチャンネルボックス12内
に流入し、上部タイプレート13から流出する。チャン
ネルボックス12上外部には、チャンネルファスナ15
および燃料パッド(チャンネルスペーサともいう。)1
6がチャンネルボックス12角部2面に配設されてい
る。
【0007】燃料パッド16は、炉心2に装荷された燃
料集合体8が自重で撓んでも隣り合う燃料集合体8と干
渉しないように、また燃料集合体8の間に挿入される制
御棒9とも干渉しないように、さらに燃料集合体8を炉
心2から出し入れする際に、作業の妨げにならないよう
に設計されている。
【0008】チャンネルファスナ15は板ばね構造とな
っており、炉心2に装荷された燃料集合体8を隣り合う
燃料集合体と押し付け合うことで、原子炉運転時の冷却
水による流動振動に対しても、燃料集合体8間の間隔を
燃料集合体8の間に挿入される制御棒9と干渉しないよ
うに保持されている。また、燃料集合体8を炉心2から
出し入れする際に、作業の妨げにならないように設計さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、D格子
炉心の場合には、図23に示すように地震の横揺れによ
り炉心2全体に亘り燃料集合体8の設置間隔が均一化す
る方向、すなわち上部格子板7側の間隔が拡大し、制御
棒9側の間隔が縮小する方向に僅か約1.6mm程度変
位しても、核的な特性によりごく短時間のみ反応度が印
加されて「中性子束高高信号」が発せられ、スクラムと
呼ばれる原子炉緊急停止措置が自動的に作動される。
【0010】このスクラム自体は、原子力発電所の安全
性を確保するために設けられた機能であるが、原子力発
電所の構造物に全く影響を及ぼさないような極めて軽微
な地震により、原子力発電所がスクラムすることは、電
力系統網に大きな変動を及ぼすため、原子力発電所の安
定運転上の観点から好ましいことではない。
【0011】このような極めて軽微な地震により燃料集
合体間隔が均一化する原因は、図24(A),(B)に
示すように燃料集合体4体を1単位として上部を上部格
子板7により支持されているためである。地震の横揺れ
により水平方向に荷重が作用すると、上部格子板7に押
圧される燃料集合体と、その燃料集合体に対して倒れ掛
かってくる燃料集合体とがある。
【0012】燃料集合体8の上部には、図22に示すよ
うに固定金具であるチャンネルファスナ15に板ばね1
7が取り付けられ、この板ばね17は燃料集合体8の変
位を拘束しているものの、ばね力が弱いと燃料集合体8
に作用する水平荷重を受けきれず、上部格子板7側の間
隔が拡大することになる。
【0013】図25(A),(B)は上部格子板と地震
の水平変位方向を示す。図25(A)は変位が上部格子
板7に平行な場合である。この場合、中性子束増加に加
えて中性子束検出器近傍の水増加(燃料集合体の間隔拡
大)による信号の見掛け上の中性子束増加の合計値によ
り発生する「中性子束高高信号」によりスクラムに至る
ためには、燃料集合体8間の上部相対変位2δmax
して、約3.2mmの相対変位が必要である。
【0014】一方、図25(B)は変位が上部格子板7
に対して45°の場合である。この場合、同様に「中性
子束高高信号」によりスクラムに至るためには、燃料集
合体8間の上部相対変位2δmaxとして約1.6mm
の相対変位が必要である。すなわち、炉心の耐震性能を
向上するためには、図25(B)を想定して対策を講じ
なければならない。また、上部格子板7の製作公差は±
0.9mmであり、これも考慮した設計にする必要があ
る。この対策を採らないと、見掛けの「中性子束高高信
号」によりプラントが不必要にスクラムし易いことが判
る。
【0015】また、最近の沸騰水型原子炉において採用
されている燃料集合体の間隔が均一なC格子炉心は、図
23に示したように配置が最も反応度の高い安定状態の
ため、燃料集合体の間隔が多少変位しても、反応度が僅
かに低下するのみでスクラムに至ることはない。
【0016】そこで、D格子炉心をC格子炉心に変更す
れば課題は解決されるものの、運転中プラントの炉心構
造を変更することや、上部格子板7を交換するような大
改造は、仮に定期検査中の期間を利用してもできるよう
な簡単なものではなく、また長期に亘るプラントの運転
停止は経済的損失が大きく、電力産業上大きな課題とな
る。
【0017】また、上記のような燃料集合体8において
は、地震計による原子炉の地震スクラム設定点以下の比
較的小さな地震などによる振動時においても、振動の水
平成分などによりチャンネルファスナ15が押し縮んだ
り、延びたりして集合体間隔が変化する場合がある。
【0018】その結果、集合体間隔が変化した場所にお
いて、中性子束が変動し、「中性子束高」と呼ばれる原
子炉スクラム設定点に到達し、原子炉が停止して原子炉
の運転性,経済性,および電力の安定供給の面から不利
になる場合がある。
【0019】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、燃料集合体の相対変位を大幅に減少させ、短時
間の反応度印加を防止するとともに、変位しても反応度
の印加のないC格子炉心化を図ることが可能な沸騰水型
原子炉および燃料集合体を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1の沸騰水型原子炉は、水平格
子状の上部格子板と、この上部格子板の複数の格子内に
それぞれ複数立設されその上部格子板により上部を水平
方向に支持される、角筒形チャンネルボックスを有する
燃料集合体と、上記上部格子板の下方より上記複数本の
燃料集合体の間に挿入される制御棒と、上記燃料集合体
近傍の中性子束を検出する手段と、上記中性子束が所定
値を越えたときに上記制御棒を挿入する手段と、を具備
する沸騰水型原子炉において、地震時に上記中性子束検
出手段により検出された中性子束が上記所定値を越えな
い程度に、上記上部格子板の格子内の複数本の燃料集合
体同士間の相対変位を拘束する異なるばね定数を持った
板ばねを、対向する2つのチャンネルファスナのそれぞ
れに取り付けるとともに、上記対向する2つのチャンネ
ルファスナのそれぞれに取り付けられ、異なったばね定
数を持った板ばねは、異なったばね定数を持った上記板
ばねの全体のばね定数をK、中性子束高スクラムとなる
燃料集合体の変位量の最小値をL、地震スクラム設定点
の地震加速度をG、燃料集合体の質量をm、異なったば
ね定数を持った上記板ばねのうち、個々の板ばねのばね
定数をK,Kとするとき、その全体のばね定数K
を、
【数3】K>mG/(2L) 但し、K=(K・K)/(K+K) の範囲に設定したものである。
【0021】請求項2の燃料集合体は、断面四角形状の
チャンネルボックス内に複数の燃料棒を格子状に配列
し、上記チャンネルボックスの上部および下部にそれぞ
れ上部タイプレートおよび下部タイプレートを固定して
なる燃料集合体において、上記チャンネルボックスの上
部外面に対向して取り付けられる2つのチャンネルファ
スナのそれぞれに異なったばね定数を持った板ばねを固
定し、この異なったばね定数を持った板ばねは、異なっ
たばね定数を持った上記板ばねの全体のばね定数をK、
中性子束高スクラムとなる燃料集合体の変位量の最小値
をL、地震スクラム設定点の地震加速度をG、燃料集合
体の質量をm、異なったばね定数を持った上記板ばねの
うち、個々の板ばねのばね定数をK,Kとすると
き、その全体のばね定数Kを、
【数4】K>mG/(2L) 但し、K=(K・K)/(K+K) の範囲に設定したものである。
【0022】
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1において
は、地震時に上記中性子束検出手段により検出された中
性子束が上記所定値を越えない程度に、上記上部格子板
の格子内の複数本の燃料集合体同士間の相対変位を拘束
する異なるばね定数を持った板ばねを組み合せた板ばね
を有することにより構造を簡素化する一方、比較的小さ
な地震などによる振動時において集合体間隔が変化する
場合でも、その相対変位を減少させ、短時間の反応度印
加を防止することができる。
【0023】請求項2においては、チャンネルボックス
の上部外面に取り付けられたチャンネルファスナに異な
るばね定数を持った板ばねを組み合せた板ばねを固定
し、この異なるばね定数を持った板ばねを組み合せた板
ばねは、組み合せ板ばねの全体の定数をK、中性子束高
スクラムとなる燃料集合体の変位量の最小値をL、地震
スクラム設定点の地震加速度をG、燃料集合体の質量を
m、組み合せ板ばねの全体の定数Kのうち、個々の板ば
ねのばね定数をK,Kとするとき、組み合せ板ばね
の全体の定数Kを、
【数5】K>mG/(2L) 但し、K=(K・K)/(K+K) の範囲に設定することにより、請求項1と同様に、構造
を簡素にする一方、比較的小さな地震などによる振動時
において燃料集合体間隔が変化する場合でも、その相対
変位を減少させ、短時間の反応度印加を防止することが
できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0025】図1は本発明に係る沸騰水型原子炉の燃料
集合体の第1実施例の要部を示す斜視図である。なお、
従来の構成と同一の部分には同一の符号を用いて説明す
る。また、沸騰水型原子炉の全体構成は図19〜図21
と同様であるためその説明を省略するとともに、燃料集
合体8の全体的な構成は従来例と同様に、断面四角形状
のチャンネルボックス12内に複数の燃料棒が格子状に
配列され、チャンネルボックス12の上部および下部に
はそれぞれ上部タイプレート13および下部タイプレー
ト14が固定されている。
【0026】図1に示すように、チャンネルボックス1
2の上部外面には、チャンネルファスナ20が取り付け
られ、このチャンネルファスナ20に横揺れ防止金具と
して剛性の高い板ばね21が取り付けられている。すな
わち、チャンネルファスナ20および剛性の高い板ばね
21はチャンネルボックス12の上端隅角部に固定され
た三角板22に固定ねじ23により取り付けられてい
る。チャンネルファスナ20と厚肉燃料パッド24はと
もにチャンネルボックス12の外表面に取り付けられ、
剛性の高い板ばね21および厚肉燃料パッド24の高さ
方向中央部分が上部タイプレート13の設置高さと一致
している。
【0027】また、チャンネルファスナ20には、変位
制限突起25が一体に形成され、この変位制限突起25
により剛性の高い板ばね21の変形の上限を与えること
により、大きな水平外力に対して十分な剛性を有する構
造となっている。
【0028】次に、本実施例の作用を説明する。
【0029】図2は図1に示した燃料集合体8を炉心に
装荷した状態を示す。図2に示すように、横揺れ防止金
具としての剛性の高い板ばね21と厚肉燃料パッド24
との作用により燃料集合体8上部は上部格子板7に強く
押し付けられ、大きな水平外力に対して十分な剛性を有
する装荷構造となっている。
【0030】チャンネルファスナ20の変位制限突起2
5を含む最大肉厚tを十分大きくすることにより、燃料
集合体8間のギャップgを以下に説明する所定の値に制
限できる。すなわち、剛性の高い板ばね21は2つの燃
料集合体の変位制限突起25同士が接触することによ
り、それ以上変形しない。上部格子板7の製作公差は約
±0.9mmであるので、平均ギャップgを0.9mm
以下に設定することはできない。これは、炉心への燃料
集合体8の装荷に支障を来たす場合が発生するからであ
る。
【0031】一方、製作公差が最も広い上部格子板7で
は、後述の数1から最大ギャップ2eが1.8mmにな
り、チャンネルファスナ20の厚さを厚くするだけで
は、許容最大ギャップが1.6mm以下に制限する肉厚
tを決定することが困難である。そこで、以下に示すよ
うに、剛性の高い板ばね21のばね定数を所定の値以下
に設定する必要がある。燃料集合体8の水を収容した炉
心への装荷を円滑にするためのばね定数の上限値が存在
し、実際のばね定数はこの上限値に設定することが必要
である。なお、燃料集合体8のそれぞれにチャンネルフ
ァスナ20が取り付けられているため、2つの剛性の高
い板ばね21が組み合された組み合せばね定数Kを用い
て以下に説明する。
【0032】図3は剛性の高い板ばね21の組み合せば
ね定数Kと、上部格子板方向の最大上部水平荷重600
N(ニュートン:SI単位)時の燃料集合体上部の水平
方向の燃料集合体間の最大変位2δmaxとの関係を示
す。図3に示すように、炉心の核的な特性から燃料集合
体間の最大変位2δmaxは1.6mm以下に設定する
必要があるので、燃料集合体2体のスプリングを直列と
した組み合せばね定数Kは375N/mm以上になるよ
うに板ばねの材料および肉厚の幅を設定する必要があ
る。
【0033】図4は上部格子板方向の最大上部水平荷重
600Nが作用した時の剛性の高い板ばね21の最大変
位2δmaxを示したもので、剛性の高い板ばね21の
作用により燃料集合体上部の水平方向の最大変位は、燃
料集合体2体の合計値として2×δmax=1.6mm
に抑えられる。このような組み合せばね定数Kの計算式
は後述の数3で表される。具体例としては、ばね定数K
=1200N/mm、ばね定数K=540N/mm
として実現し得る。これは従来形状の板ばねの肉厚を
1.3倍することに相当する。
【0034】したがって、本実施例の剛性の高い板ばね
21は、地震スクラム発生許容最大変位および水平荷重
から計算されるばね定数を下限値とし、水中で燃料集合
体8を自重により装荷可能なばね定数を上限値として設
定し、これら下限値と上限値との間に剛性の高い板ばね
21のばね定数が入るように設定されている。
【0035】このように本実施例によれば、剛性の高い
板ばね21のばね定数の下限値を地震スクラム発生許容
最大変位および水平荷重から算出されるばね定数に設定
したことにより、燃料集合体8の相対変位を減少させ、
短時間の反応度印加を防止することができる。
【0036】また、剛性の高い板ばね21のばね定数の
上限値を水中で燃料集合体8を自重により装荷可能なば
ね定数に設定したことにより、燃料集合体8の炉心への
出し入れに支障を来たすことがなく、円滑に装荷するこ
とができるとともに、容易に引き抜くことができる。
【0037】図5は第2実施例の燃料集合体を炉心に装
荷した状態を示す平面図である。なお、前記第1実施例
と同一の部分には同一の符号を付して説明する。この実
施例では上部格子板7と燃料集合体8上部とを固定する
ため、横揺れ防止金具として図6に示す上部格子板固定
金具26を有している。
【0038】図6は第2実施例の燃料集合体の具体的な
構造を示し、上部格子板固定金具26と厚肉燃料パッド
24とで上部格子板7を挟み込み、燃料集合体8の水平
方向変位を拘束している。また、反対側のチャンネルボ
ックス12に固定された上部格子板固定金具26は、厚
肉燃料パッド24により生じた上部格子板7との間隙に
挿入される構造となっている。
【0039】したがって、この第2実施例によれば、上
部格子板固定金具26および厚肉燃料パッド24により
燃料集合体8上部を上部格子板7に強固に固定すること
ができる。
【0040】図7は第3実施例の燃料集合体を炉心に装
荷した状態を示す平面図である。なお、前記第1実施例
と同一の部分には同一の符号を付して説明する。この実
施例では上部格子板側の燃料集合体上部を互いに固定す
る横揺れ防止金具として複数個の横揺れ防止固定金具3
0が燃料集合体8の4体毎の上部にそれぞれ固定されて
いる。
【0041】横揺れ防止固定金具30の詳細を図8に示
す。この横揺れ防止固定金具30には上方が太くなるテ
ーパ形に形成された4本の固定脚31を有し、チャンネ
ルボックス12上部を挟み込む構造となっている。した
がって、横揺れ防止固定金具30の4本の固定脚31は
根元が太くなるテーパ形に形成されたことにより、燃料
交換機つかみハンドル32を燃料交換機でつかみ、固定
金具30を燃料集合体8上部へ配置すると、固定金具3
0は自重で燃料集合体8上部を互いに水平方向に引き寄
せ、上部格子板7へ押し付け、強く拘束することとな
る。なお、固定金具30は冷却材の流れなどによって浮
き上がることのない重量とする。
【0042】したがって、この第3実施例によれば、燃
料集合体8自体を加工することなく、既存の燃料集合体
8を使用することができるとともに、4体の燃料集合体
8を一度で固定することができる。また、4本の固定脚
31を上方が太くなるテーパ形に形成したので、固定金
具30の位置が若干ずれても上部格子板側の燃料集合体
上部を容易に固定することができる。
【0043】図9は第4実施例の燃料集合体の外観を示
す斜視図である。なお、前記第1実施例と同一の部分に
は同一の符号を付して説明する。この実施例は偏心下部
タイプレート41および上部燃料パッド金具42を用い
てチャンネルボックス12の間隔を均一にして上部格子
板などの炉内構造物の交換なしに、D格子炉心をC格子
炉心に変更するものである。
【0044】すなわち、偏心下部タイプレート41は、
図10に示すようにその先端をD格子炉心用の燃料支持
金具穴に挿入し、チャンネルボックス12をC格子炉心
の配置にするために、長手方向の中心軸を燃料支持金具
穴の中心Oからチャンネルボックス12の中心O
偏心させてある。燃料装荷方向を誤ることがないよう
に、三角板22上部に矢印などの燃料集合体8の装荷方
向表示部43を設け、遠隔テレビカメラおよびコンピュ
ータを用いたパターン認識機能により、燃料装荷方向を
自動的に確認するようにしている。
【0045】したがって、この第4実施例によれば、燃
料集合体8が変位しても反応度の印加のないC格子炉心
化を図ることができ、また、三角板22上部に装荷方向
明示印を設けたので、燃料集合体8を正確な方向に装荷
することができる。
【0046】次に、図11は本発明に係る沸騰水型原子
炉における燃料集合体の第1実施例の炉心への装荷状態
を示す概略図である。図11において、チャンネルボッ
クス12の上端部の直交する2面には、チャンネルファ
スナ15およびチャンネルスペーサ16が取り付けら
れ、隣り合うチャンネルボックス12のそれぞれと対向
している。そして、燃料集合体の上端部は4体ごとに上
部格子板7の枡目の中に保持されている。燃料集合体に
沿って上部格子板7の格子交差部下方には、炉心下部よ
り中性子束検出器51が挿入されている。
【0047】次に、この第1実施例のチャンネルスペー
サ16の厚みの決定の仕方の例を述べる。そもそも地震
などにより燃料集合体が水平方向の力を受けたときは、
図12に示すように燃料集合体が揺れ、燃料集合体の間
隔が変化し、図13に示すグラフのように燃料集合体の
変位に従って原子炉に反応度が入る。
【0048】その反応度は燃料集合体や原子炉炉心設計
と、振動の強さおよび周期とで計算可能であるととも
に、燃料集合体や原子炉炉心設計は対象となる原子炉ご
とに与えられる既知量である。振動に関しては、既に得
られている典型的な地震データを用いることで与えられ
る。その際、地震計による地震スクラム設定点以下の振
動時のみを考慮すればよく、振動の規模としては比較的
小さなものである。
【0049】図14(A),(B),(C)はある燃料
集合体において、過去に発生した地震スクラム設定点以
下の地震時における最大反応度を燃料集合体の最大変位
毎に計算したものである。なお、燃料集合体の最大変位
を燃料集合体上端での変位量と定義し、以下この定義を
用いる。さらに、図14では燃料集合体の撓みも考慮し
た場合の最大反応度も示されている。同図において「¢
(セント)」は、投入される反応度の大きさを表し、1
00¢の反応度が投入されると、核分裂反応で発生する
即発中性子だけで臨界以上となり、中性子束が急増す
る。
【0050】続いて、図15〜図18に図14で示され
た最大反応度などに基づく中性子束と平均表面熱流束の
変化の計算結果が示され、それぞれ中性子束のピーク値
が示されている。中性子束高スクラム設定点は、一般に
定常時中性子束の118%に設定されているので、図1
7および図18に示したグラフから最大反応度が15〜
20¢程度以上の時に、中性子束が中性子束高スクラム
設定点を越える可能性があることが判る。なお、平均表
面熱流束の変化は小さく問題にならない。
【0051】こうした計算により、ここで示した燃料集
合体の場合は、図14,図17および図18により、振
動による変位量が約1.6mm以上ならば、例として挙
げた地震の場合には中性子束高スクラムになる可能性が
あることが判る。同様な手法で地震スクラム設定点以下
の地震などの振動により、中性子束高スクラムとなる燃
料集合体の変位量の最小値が求められる。ここで、その
最小値をLとする。
【0052】図11に示された燃料集合体で水平方向に
地震などにより力を受けた場合に、チャンネルファスナ
15の影響がないとすると、燃料集合体の相対的な最大
変位量Δは対面するチャンネルスペーサ16の間隔wと
考えられる。例えば、図12に示される矢印の方向に揺
れが加わった場合、燃料集合体8a〜8dは同方向に揺
れると考えられる。中性子束検出器51のある場所の燃
料集合体間隔、すなわち燃料集合体8b,8cの間隔
は、ほぼ同じ幅を保持しながら揺れ始める。
【0053】しかし、間隔の相違により燃料集合体8b
が燃料集合体8aに接触する前に、燃料集合体8aおよ
び8cは上部格子板7に当接するので、当接した後、燃
料集合体8bが燃料集合体8aに当接するまで、中性子
束検出器51のある場所の燃料集合体間隔が拡がると考
えられる。したがって、燃料集合体の相対的な最大変位
量Δは対向するチャンネルスペーサ16の間隔wとな
る。
【0054】この対向するチャンネルスペーサ16の間
隔wは、上部格子板7の製作公差を±eとするとき、設
計燃料集合体間隔Bとチャンネルスペーサ16の厚さt
からw=B−2t+2eとなる。この間隔wが上記中性
子束高スクラムとなる燃料集合体の変位量の最小値Lよ
り小さければ、中性子束高スクラムは構造的に発生しな
い。
【0055】よって、次の関係を満たすようにチャンネ
ルスペーサ16の厚さtを決定すればよい。但し、従来
の燃料集合体間隔に関する設計方法で求められるチャン
ネルスペーサの厚さと較べて厚い方の値を採用する。
【0056】
【数6】Δ=w=B−2t+2e<L すなわち、
【数7】t>(B−L)/2−e>0 また、多くの構造解析計算コードで燃料集合体の相対的
な最大変位量Δを求めることができるので、上式の代わ
りに解析結果を利用した方が精度が高い。
【0057】次に、第1実施例のチャンネルファスナ2
0のばね定数の決定方法を述べる。既に述べたように、
中性子束高によるスクラムにならないためには、燃料集
合体の相対的な最大変位量Δが中性子束高スクラムとな
る燃料集合体の変位量の最小値Lより小さければよい。
また、本実施例では、地震スクラム設定点以下の地震な
どの振動時を考慮すればよいので、最大の水平方向に加
わる揺れは、地震スクラム設定点の地震加速度Gとする
ことができる。
【0058】互いに対向するように配設されているチャ
ンネルファスナ20のそれぞれに装着された高剛性板ば
ね21のそれぞれは、一般にそれぞれ異なるばね定数を
有し、それらをK,Kとする。直列に接続される板
ばねなので、K,Kと異なったばね定数を持った板
ばねの組み合せた全体のばね定数をKとすれば、次の関
係式が成立する。
【0059】
【数8】K=(K・K)/(K+K) このばね定数Kを有するばねが中性子束高スクラムとな
る燃料集合体の変位量の最小値Lでの弾性力、つまり地
震スクラム設定点の地震加速度Gより大きければ、中性
子束検出器51のある燃料集合体間隔が、中性子束高ス
クラムを引き起こすほど広くならない。したがって、次
の関係があるようにチャンネルファスナのばね定数を決
定すればよい。なお、燃料集合体を質量mの剛体と仮定
し、下部タイプレートを軸に燃料集合体が傾くと仮定し
ている。
【0060】
【数9】KL>mG/2 すなわち、
【数10】K>mG/(2L) また、多くの構造解析計算コードでばね定数を与えたチ
ャンネルファスナ15の最大変位量を求めることができ
るので、上式の代わりに解析結果を利用し、必要なばね
定数を求めた方が精度が高い。
【0061】このように本実施例によれば、地震計によ
る原子炉の地震スクラム設定点以下の比較的小さな地震
などによる振動時において、集合体間隔が変化する場合
でもその変化量で中性子束が変動し、中性子束高と呼ば
れる原子炉スクラム設定点に到達することがなくなり、
原子炉を不必要に停止することなく運転できる。
【0062】なお、上記各実施例においては、地震時の
原子炉の安全確保のため、地震計などの信号により必要
な原子炉スクラムを起こさせることはいうまでもない。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る沸騰
水型原子炉および燃料集合体によれば、地震時に上記検
出手段により検出された中性子束が上記所定値を越えな
い程度に、上記上部格子板の格子内の複数本の燃料集合
体同士間の相対変位を拘束する異なるばね定数を持った
板ばねを組み合せることにより構造を簡素化させる一
方、比較的小さな地震などによる振動時において集合体
間隔が変化する場合でも、その相対変位を減少させ、短
時間の反応度印加を防止することができる。これによ
り、原子炉を不必要に停止することなく運転することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る沸騰水型原子炉の燃料集合体の第
1実施例の要部を示す斜視図。
【図2】図1に示した燃料集合体を炉心に装荷した状態
を示す部分断面図。
【図3】剛性の高い板ばねのばね定数と燃料集合体上部
の水平方向の最大変位との関係を示すグラフ図。
【図4】最大上部水平荷重が作用したときの剛性の高い
板ばねの最大変位を示す断面図。
【図5】第2実施例の燃料集合体を炉心に装荷した状態
を示す平面図。
【図6】第2実施例の燃料集合体の具体的な構造を示す
要部斜視図。
【図7】第3実施例の燃料集合体を炉心に装荷した状態
を示す平面図。
【図8】第3実施例の横揺れ防止固定金具の詳細を示す
斜視図。
【図9】第4実施例の燃料集合体の外観を示す斜視図。
【図10】第4実施例の燃料集合体を示す平面図。
【図11】本発明に係る燃料集合体の第1実施例の炉心
への装荷状態を示す概略図。
【図12】第1実施例において燃料集合体の揺れに伴う
変位を示す説明図。
【図13】第1実施例において燃料集合体の揺れに伴う
変位と、その変位による反応度を示すグラフ図。
【図14】(A),(B),(C)は燃料集合体の最大
反応度と最大変位の関係を示す説明図。
【図15】最大反応度約5¢の時の中性子束と平均表面
熱流速の変化を示すグラフ図。
【図16】最大反応度約10¢の時の中性子束と平均表
面熱流速の変化を示すグラフ図。
【図17】最大反応度約15¢の時の中性子束と平均表
面熱流速の変化を示すグラフ図。
【図18】最大反応度約20¢の時の中性子束と平均表
面熱流速の変化を示すグラフ図。
【図19】従来の沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器の構
造を示す概略図。
【図20】従来の炉心の上部および下部を示す拡大図。
【図21】従来のD格子炉心の配置を示す平面図。
【図22】従来の燃料集合体の上部および下部を示す斜
視図。
【図23】従来のD格子炉心とC格子炉心の燃料集合体
の相対変位と反応度印加の特性を示すグラフ図。
【図24】(A),(B)は従来のD格子炉心が地震に
よる水平変位を受けた時の燃料集合体の変位を示す概略
側面図,概略平面図。
【図25】(A),(B)は上部格子板に対する地震の
水平変位方向を示す説明図。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器 2 炉心 7 上部格子板 8 燃料集合体 9 制御棒 10 燃料支持金具 11 炉心支持板 12 チャンネルボックス 13 上部タイプレート 14 下部タイプレート 15 チャンネルファスナ 16 燃料パッド 20 チャンネルファスナ 21 板ばね 22 三角板 24 厚肉燃料パッド 26 上部格子板固定金具 30 横揺れ防止固定金具 31 固定脚 41 偏心下部タイプレート 42 上部燃料パッド金具 43 装荷方向表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 一芳 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 水町 渉 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 住田 侑 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (56)参考文献 特開 昭61−264289(JP,A) 特開 昭59−5991(JP,A) 実開 昭50−13098(JP,U) 特公 昭44−9556(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 3/33

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平格子状の上部格子板と、この上部格
    子板の複数の格子内にそれぞれ複数立設されその上部格
    子板により上部を水平方向に支持される、角筒形チャン
    ネルボックスを有する燃料集合体と、上記上部格子板の
    下方より上記複数本の燃料集合体の間に挿入される制御
    棒と、上記燃料集合体近傍の中性子束を検出する手段
    と、上記中性子束が所定値を越えたときに上記制御棒を
    挿入する手段と、を具備する沸騰水型原子炉において、
    地震時に上記中性子束検出手段により検出された中性子
    束が上記所定値を越えない程度に、上記上部格子板の格
    子内の複数本の燃料集合体同士間の相対変位を拘束する
    異なるばね定数を持った板ばねを、対向する2つのチャ
    ンネルファスナのそれぞれに取り付けるとともに、上記
    対向する2つのチャンネルファスナのそれぞれに取り付
    けられ、異なったばね定数を持った板ばねは、異なった
    ばね定数を持った上記板ばねの全体のばね定数をK、
    性子束高スクラムとなる燃料集合体の変位量の最小値を
    L、地震スクラム設定点の地震加速度をG、燃料集合体
    の質量をm、異なったばね定数を持った上記板ばねのう
    ち、個々の板ばねのばね定数をK,Kとするとき、
    その全体のばね定数Kを、 【数1】K>mG/(2L) 但し、K=(K・K)/(K+K) の範囲に設定したことを特徴とする沸騰水型原子炉。
  2. 【請求項2】 断面四角形状のチャンネルボックス内に
    複数の燃料棒を格子状に配列し、上記チャンネルボック
    スの上部および下部にそれぞれ上部タイプレートおよび
    下部タイプレートを固定してなる燃料集合体において、
    上記チャンネルボックスの上部外面に対向して取り付け
    られる2つのチャンネルファスナのそれぞれに異なった
    ばね定数を持った板ばねを固定し、この異なったばね定
    数を持った板ばねは、異なったばね定数を持った上記板
    ばねの全体のばね定数をK、中性子束高スクラムとなる
    燃料集合体の変位量の最小値をL、地震スクラム設定点
    の地震加速度をG、燃料集合体の質量をm、異なったば
    ね定数を持った上記板ばねのうち、個々の板ばねのばね
    定数をK,Kとするとき、その全体のばね定数K
    を、 【数2】K>mG/(2L) 但し、K=(K・K)/(K+K) の範囲に設定したことを特徴とする燃料集合体。
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