JP3367018B2 - 金属複合木質梁材 - Google Patents

金属複合木質梁材

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【本発明の属する技術分野】本発明は、強度の低い軽軟
木材を繊維方向に重ねて圧着した積層材に対して金属製
部材を複合することにより、主に曲げ剛性を強化した金
属複合木質梁材及びその製造方法に関する。なお、木口
は梁材両端の横断端面である。 【0002】 【従来の技術】梁は在来軸組構法における横架材として
活用され、上からの荷重に対し材の上側には圧縮力が、
下側には引張力が働く。 【0003】したがって、梁材はこれらの荷重に十分耐
え得ることが必要であり、強度を確保するために材料断
面積が一定数値以上のものや、集成あるいは積層加工さ
れ強度的に保証された製品が活用されることになる。 【0004】例えば、広島県の場合、梁材はこれまでア
カマツ材が用いられてきたが、近年の松くい虫被害によ
って大径材が減少したため、輸入材を集成加工あるいは
積層加工したものが用いられている。この種の加工にあ
っては、10.5cm×30cm×6mの集成梁の場合、通常10.5cm
×30cm×6mのひき板を10層集成接着したものである。こ
のときに、木材以外の材料、すなわち複合材(本発明に
関し金属複合木質梁材)が用いられることはなかった。 【0005】ここで、集成材は、ひき板、小角材等の部
材(JASでは厚さ5cm以下)を繊維方向(木目方向)
を平行にして長さ、幅、厚さの方向に集成接着した材を
いう。 【0006】また、積層材は、集成材を構成する部材の
規格以外の部材を接着剤を用いて繊維方向に重ねて圧縮
した材をいう。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、集成加
工あるいは積層加工によって梁材を製造する際に、一定
断面積のままで強度性能を高めることは困難であり、部
材間に補強材料を介在(複合)することが考慮される。 【0008】例えば、補強材料として金属製部材(金属
線材や金属板材)が候補に挙げられるが、この場合は常
に緊張固定を維持することが必要となる。 【0009】ここでは補強材料、とりわけ金属製部材の
複合方法と、その緊張固定手段(支持手段又は治具)が
重要な問題である。 【0010】本発明は以上の事情に鑑みされたものであ
って、強度の低い軽軟木材を繊維方向に重ねて圧着した
積層材に対して金属製部材を複合することにより、主に
曲げ剛性を強化した金属複合木質梁材及びその製造方法
を提供するものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】課題を解決するために本
発明は、強度の低い軽軟木材を繊維方向に重ねて圧着し
た積層材に対して金属製部材を複合することにより、主
に曲げ剛性を強化した金属複合木質梁材であって、積層
材角材の縦断方向に該角材の中心軸に対して対称に少な
くとも1対の金属線条を挿入し、木口にそれぞれ支圧板
を当接するとともに、該支圧板を介して前記金属線条を
緊張固定してなることを特徴とするものである。 【0012】また、その製造方法であって、中間層に正
角又は平角を配し、かつ、その両側に平割を配してなる
積層材角材に対して、前記平割の接合表面に縦断方向に
溝加工を施して一又は複数の条溝を形成し、該条溝にそ
れぞれ金属線条を挿入して積層圧着するとともに、木口
にそれぞれ支圧板を当接するとともに、該支圧板を介し
て前記金属線条を緊張固定することを特徴とするもので
ある。 【0013】ここで、金属線条の緊張固定が現場調整可
能で、かつ、梁材に対する変形応力による金属線条の緊
張力の変動を吸収して緊張保持可能とするために、木口
の片側に支圧板と離隔して支圧補助板を配置し、前記支
圧補助板に介装したボルト脚杆により前記支圧板を押圧
するとともに、前記支圧補助板の外面に金属線条の係止
要素を設けて緊張力を調整するようにしている。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、上記構成
の金属複合木質梁材において、積層材角材がスギ並材で
あって中間層に正角又は平角を配し、かつ、その両側に
平割を積層圧着したものとし、前記層間に金属線条をそ
れぞれ挿通し両端を木口側に引き出して緊張固定してい
る。 【0015】また、木口の片側を支圧板と支圧補助板の
2枚構成とし、前記支圧板の両端に丸棒を立設し、前記
支圧補助板に前記丸棒の遊挿孔と固定ナットと金属線条
の通孔を設け、前記丸棒を遊挿して前記支圧板をボルト
脚杆で押圧することにより前記支圧補助板を離隔して配
置するとともに、支圧補助板の外面に金属線条の係止要
素を設けて緊張力を調整し、金属線条の緊張固定が現場
調整可能で、かつ、梁材に対する変形応力による金属線
条の緊張力の変動を吸収して緊張保持可能としている。 【0016】いずれの場合においても、金属線条は鉄線
又は鋼線の撚り線からなるものとするのが好ましい。 【0017】 【実施例】本発明の一実施例を実験的事実に基づき添付
図面を参照して以下説明する。 【0018】図1に本発明梁材の共通的な構造(縦断面
視及び端面視)を示し、図2〜4に各実施例梁材を示す
ように、本実施例梁材(X)は、積層材角材(1)の縦
断方向に該角材(1)の中心軸に対して対称に少なくと
も1対の金属線条(2)を挿入し、木口にそれぞれ支圧
板(3)を当接するとともに、該支圧板(3)を介して
金属線条(2)を緊張固定している。 【0019】そして、金属線条(2)の緊張固定が現場
調整可能で、かつ、梁材(X)に対する変形応力による
金属線条(2)の緊張力の変動を吸収して緊張保持可能
とするために、木口の片側を支圧板(3)と支圧補助板
(4)の2枚構成とし、支圧板(3)の両端に丸棒
(5)を立設し、支圧補助板(4)に丸棒(5)の遊挿
孔(41)と固定ナット(7)と金属線条(2)の通孔
(42)を設け、丸棒(5)を遊挿して支圧板(3)をボ
ルト脚杆(6)で押圧することにより支圧補助板(4)
を離隔して配置し、支圧補助板(4)の外面に金属線条
(2)の係止要素(8)を設けて緊張力を調整するよう
にしている。ここで、金属線条(2)は、φ2.9mmPC
鋼線3本の撚り線である。〔図1〕 【0020】供試した実施例梁材の積層構成例(A〜
C)は以下のとおりである。なお、参考までに寸法を付
した。 【0021】(A)正角、金属線条2本、支圧板及び支
圧補助板からなるもの〔図2〕 10.0cm×10.0cm×6mの正角(11)を2本貼り合わせ、
さらに重ねた向きと同一方向の両側に10.0cm×5.0cm×
6mの平割(12)を各1枚貼り、正角(11)と平割(1
2)の間に上下1本ずつ計2本の金属線条(2)を挿入
し、両断面(木口)にそれぞれ支圧板(3)を介装して
緊張固定したものである。このとき、平割(12)の中央
部に金属線条(2)を埋め込むための溝(13)〔8mm×
8mm×6m〕を穿設する。なお、使用した接着剤は、水
性高分子−イソシアネート系接着剤である。(他も同
様) 【0022】(B)正角、金属線条4本、支圧板及び支
圧補助板からなるもの〔図3〕 10.0cm×10.0cm×6mの正角(11)を2本貼り合わせ、
さらに重ねた向きと同一方向の両側に10.0cm×5.0cm×
6mの平割(12)を各1枚貼り、正角(11)と平割(1
2)の間に上下2本ずつ計4本の金属線条(2)を挿入
し、両断面(木口)にそれぞれ支圧板(3)を介装して
緊張固定したもの。このとき、平割(12)の木口長辺の
左右より23.5cmとところに金属線条(2)を埋め込むた
めの溝(13)〔8mm×8mm×6m〕を穿設する。 【0023】(C)平角、金属線条4本、支圧板及び支
圧補助板からなるもの〔図4〕 10.0cm×20.0cm×6mの平角(11)とその上下両側に1
0.0cm×5.0cm×6mの平割(12)を各1枚貼り、平角
(11)と平割(12)の間に上下2本ずつ計4本の金属線
条(2)を挿入し、両断面(木口)にそれぞれ支圧板
(3)を介装して緊張固定したもの。このとき、平割
(12)の木口長辺の左右より23.5cmとところに金属線条
(2)を埋め込むための溝(13)〔8mm×8mm×6m〕
を穿設する。 【0024】また、供試した比較梁材の構成例は以下の
とおりである。 【0025】(イ)コントロール材(金属線条及び支圧
板なし)〔図5〕 10.0cm×10.0cm×6mの正角(11)を2本貼り合わせ、
さらに重ねた向きと同一方向の両側に10.0cm×5.0cm×
6mの平割(12)を各1枚貼ったもの。ただし、金属線
条と支圧板は装着しない。 【0026】(ロ)正角及び金属線条4本(支圧板な
し)のもの〔図6〕 10.0cm×10.0cm×6mの正角(11)を貼り合わせ、さら
に重ねた向きと同一方向の両側に10.0cm×5.0cm×6m
の平割(12)を各1枚貼り、正角(11)と平割(12)の
間に上下2本ずつ計4本の金属線条(2)を挿入したも
の。このとき、平割(12)の木口長辺の左右より23.5cm
とところに金属線条(2)を埋め込むための溝(13)
〔8mm×8mm×6m〕を穿設する。ただし、両断面(木
口)にそれぞれ支圧板を介装しない。 【0027】強度試験 上記各供試材をそれぞれ25本製作し、実大強度試験機
を用いて供試材を曲げ破壊する方法により「曲げヤング
係数」を測定した。 【0028】試験結果 コントロール材(イ)と金属線条複合材(A、B、C及
びロ)をそれぞれ比較すると、平角、金属線条4本及び
支圧板からなるもの(C)の強度改善が顕著であること
が認められた。なお、コントロール材は一旦破壊を起こ
すと、その段階で材がバラバラの状態になったが、金属
線条複合材の場合は完全破壊に至るまで粘りを呈する結
果となった。参考までに、支圧補助板(4)による変形
応力(金属線条2の緊張力の変動)の吸収を模式的に示
す。〔図7〕 【0029】 【発明の効果】本発明は以上の構成よりなるものであ
り、これによれば同一断面のままで積層梁材の強度性能
を高めることができる。 【0030】したがって、アカマツ大径材に替えてスギ
並材等の軽軟木材を梁材に活用可能で用途拡大可能であ
り、産業上の利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】 【図1】実験例梁材の構造を示す縦断面視説明図(図
中、端面詳細図)及び端面視説明図(図中、支圧板)で
ある。 【図2】実験例梁材の一構成例A(正角、金属線条2
本、支圧板及び支圧補助板からなるもの)を示す断面視
説明図である。 【図3】同じく他の構成例B(正角、金属線条4本、支
圧板及び支圧補助板からなるもの)を示す断面視説明図
である。 【図4】同じく他の構成例C(平角、金属線条4本、支
圧板及び支圧補助板からなるもの)を示す断面視説明図
である。 【図5】比較例梁材の一構成例イ(コントロール材;金
属線条及び支圧板なしのもの)を示す断面視説明図であ
る。 【図6】同じく他の構成例ロ(正角及び金属線条4本;
支圧板なしのもの)を示す断面視説明図である。 【図7】支圧補助板による変形応力(金属線条の緊張力
の変動)の吸収を示す模式図である。 【符号の説明】 1 積層材角材 11 正角(又は平角) 12 平割 13 溝(加工) 2 PC鋼線〔金属線条〕 3 支圧板 4 支圧補助板 41 遊挿孔 42 通孔 5 丸棒 6 ボルト脚杆 7 固定ナット 8 グリップ〔係止要素〕 X 金属複合木質梁材
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 3/18 B27M 3/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 スギ並材その他の強度の低い軽軟木材を
    繊維方向に重ねて圧着した積層材に対して金属製部材を
    複合して主に曲げ剛性を強化するために、積層材角材の
    縦断方向に該角材の中心軸に対して対称に少なくとも1
    対の鉄線又は鋼線の撚り線からなる金属線条を挿入し、
    木口にそれぞれ支圧板を当接するとともに、該支圧板を
    介して前記金属線条を緊張固定するようにした金属複合
    木質梁材において、 前記金属線条の緊張固定を現場調整可能とし、かつ、梁
    材としての使用における変形応力による前記金属線条の
    緊張力の変動を吸収して緊張保持可能とする金属複合木
    質梁材であって、 前記 積層材角材中間層に正角又は平角を配し、かつ、
    その両側に平割を積層圧着したものであり、前記層間に
    金属線条をそれぞれ挿通し両端を木口側に引き出して緊
    張固定する際に、前記木口の片側を支圧板と支圧補助板
    の2枚構成とし、前記支圧板の両端に丸棒を立設し、前
    記支圧補助板に前記丸棒の遊挿孔と固定ナットと金属線
    条の通孔を設け、前記丸棒を遊挿して前記支圧板をボル
    ト脚杆で押圧することにより前記支圧補助板を離隔して
    配置するとともに、支圧補助板の外面に金属線条の係止
    要素を設けて緊張力を調整してなることを特徴とする
    属複合木質梁材。
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