JP3368211B2 - 貝殻の処理設備および貝殻の処理方法 - Google Patents

貝殻の処理設備および貝殻の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貝類の養殖で大量
に廃棄物となる貝殻を再利用可能にする貝殻の処理設備
および貝殻の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、牡蠣類,ホタテガイ,アワビ等の
養殖が盛んに行われているが、養殖業者は大量の廃棄物
となる貝殻の処分に悩まされている。貝殻は貝の軟体を
包む石灰質を主成分としておりカルシウム分を多く含
み、本来、斯る貝殻自体は破砕すれば肥料等に供するこ
とができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、貝殻と食用
になる軟体とを出荷段階で完全分離することは不可能
で、廃棄される貝殻には貝柱等の肉質の部分がどうして
も付着する。そして、該肉質は、強力に付着しており洗
浄等では取去ることが不可能で、また、時間の経過とと
もに変敗して腐敗臭を漂わせ手におえない状況となる。
これまで小規模では牡蠣の貝殻について粉末肥料に利用
することなどが実施されてきたが、大量の処分となると
有効な手だてがなかった。処理対策として、例えば肉質
の除去として単純に肉質を焼却除去することも考えられ
る。ただ、貝殻同士が重なり合った中で燃焼ガスをうま
く隅々まで行き渡らすことは難しい。さらに全体に均等
加熱させないと、一部に生のままの肉質が残ることにな
る。実用性を考え、また経済収支を鑑みた場合、肉質を
きれいに除去することは困難視される。一部に生のまま
の肉質が残っても、臭いの問題だけでなく、これを家畜
の飼料等に供したりすると、変敗,変質した物質は発癌
物質となって家畜に悪い影響を及ぼす問題をも引き起こ
す。
【0004】本発明は上記問題点を解決するもので、大
量処理が可能で、しかも簡単な処理設備,処理方法で廃
棄される貝殻から貝柱等の肉質の部分をきれいに変化,
除去することができる貝殻の処理設備および貝殻の処理
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1に記載の本発明の要旨は、開口部を有して、該
開口部より貝殻を投入できる処理槽(1)と、該処理槽
内に充填された貝殻へ加熱した油液を供給し得る油液供
給装置(2)と、を具備することを特徴とする貝殻の処
理設備にある。ここで、「処理槽」は貝殻を投入,充填
できるうつわで足り、槽形式の他、塔,タンク,容器等
のうつわを含む。「貝殻」とはマガキやイタボガキ等の
カキ類,ホタテガイ,アサリ・ハマグリ類,アワビ,サ
ザエなどの主に養殖で廃出される貝類の貝殻をいう。請
求項2に記載の本発明の要旨は、貝殻を加熱状態にある
油液に浸漬して該貝殻に付着する肉質を炭化させた後、
該油液を貝殻から取り除くことを特徴とする貝殻の処理
方法にある。
【0006】請求項1,2の発明によれば、処理槽内に
充填された貝殻へ加熱した油液を供給することにより肉
質を炭化させることができるので、きれいに変質除去さ
れ、もはや肉質による腐敗臭が漂うことはなくなる。そ
して、加熱状態にある油液に貝殻を浸漬させるので、油
液を高温状態にでき、貝殻に付く肉質を短時間で炭化で
きる。また、油液に貝殻を沈めて炭化操作を行うので、
一度に大量の貝殻を処理できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る貝殻の処理設
備および貝殻の処理方法について詳述する。 (1)実施形態1 図1は本発明の貝殻の処理設備(以下、単に「処理設
備」という。)の一形態を示す。処理設備は、処理槽1
と油液供給装置2と固液分離装置3と乾燥装置4とを備
える。
【0008】貝殻の処理設備 処理槽1は上面開放の槽本体1aが上蓋1bで覆われ
る。槽本体1a内に貝殻の貝殻αを投入できるよう上蓋
1bを着脱可能とする。槽本体1aの下端には抜出しノ
ズル11が取着され、バルブ12を開けることによって
槽内の貝殻を固液分離装置3へ送り出すことができる。
槽本体1aの下部コーン部分に油液20のみを取出せる
ノズル13が別に設けられる。上蓋1bに取着したノズ
ル15から供給される油液20が槽内に滞留し、また貝
殻αの間をくぐってノズル13より外へ流すことのでき
る構造である。ノズル13を取付ける槽本体1a側には
図示しないフィルタ(スクリーンメッシュ網)が取着さ
れ、貝殻αを流出させないようにしている。
【0009】油液供給装置2は、処理槽1内に充填され
た貝殻αに加熱した油液20を供給,浸漬させるもので
ある。本実施形態では、熱交換器21によって150℃
〜350℃(好ましくは200℃〜350℃)に昇温さ
れた油液20がポンプ22により処理槽上部のノズル1
5に導かれ、処理槽1内へ供給される。そして、熱媒体
たる油液20は貝殻αを浸漬させ直接熱を与えた後、処
理槽下部のノズル13から抜き取られ、再び熱交換器2
1で昇温した油液20がポンプ22によって処理槽1へ
循環供給される。処理槽1に供給される油液温度を15
0℃〜350℃の範囲内とするのは、油液温度が150
℃未満になると貝殻αに付着する貝柱,内転筋,閉殻筋
痕等の肉質の炭化速度が遅くなり、一方、350℃を越
えると油液20の沸騰,着火等の危険が高まるからであ
る。処理槽1内の油液20は貝殻αを浸漬状態で維持で
きるよう液位管理される。必要に応じて油液供給源23
から枝管25を介して循環配管ライン24へ油液20を
補充する。高温の油液20の処理槽内への供給により、
処理槽1内に充填されている貝殻αが加熱した油液20
に浸漬し、該貝殻に付着する肉質の炭化が進行する。な
お、前記熱交換器21には例えば貫流式ボイラ等を用い
ることができる。ところで、本発明に用いる油液20
は、動植物油よりもむしろ石油系鉱物油の高沸点の重質
油や潤滑油等が好ましい。特に、鉱物油系のエンジン油
等の潤滑油が望ましい。油液20は循環使用され、しか
も150℃〜350℃程度に昇温し、熱媒油として用い
られるからである。鉱物系エンジン油は、摩擦抵抗を低
減しさらに上記高温下でも熱的に安定しており好適とな
る。エンジン油は廃油でも構わない。高温の油液20に
よって貝殻αに付着する肉質を炭化物とさせた後、貝殻
αを浸漬状態としていた油液20は、ノズル13から油
液供給源23へ回収され戻される。
【0010】固液分離装置3は、貝殻αと油液供給源2
3へ大半を回収させても依然残る油液20とを分離する
ものである。加熱油液20によって肉質を炭化処理した
後の貝殻αは、バルブ12を開にして油液20と一緒に
配管31を経て固液分離装置3に送り込まれる。固液分
離装置3には公知のスクリューデカンタ等が用いられ
る。肉質を炭化処理した後の貝殻αは上蓋1bを開けて
その開口部から取出してもよい。固液分離装置3で分離
された油液20は油液供給源23へ戻される。固液分離
装置3で分離された炭化処理済みの貝殻αは、バケット
32に払い出されるが、まだ油分が付着しているため乾
燥処理がなされる。固液分離装置3は本実施形態のもの
に限定されず、他の固液分離装置を用いることができ
る。貝殻αから油液20を速やかに取り除くためには固
液分離装置は必要であるが、場合によってはこれを省略
できる。
【0011】乾燥装置4は、上述のごとく、油液20に
より肉質を熱的変性させカーボンに変化させた後の貝殻
αを乾燥処理するものである。バルブ12を開にして油
液20を処理槽外へ単に抜き取るだけでは、貝殻αに油
液20が多く付着しているからである。乾燥装置4は、
固液分離装置3で分離された貝殻αを更にきれいに乾燥
処理して、その後、これを破砕して肥料等のリサイクル
品に供することができるようにしている。乾燥装置4と
して、ここでは公知の竪型移動層通気乾燥機4aを用い
る。勿論、これに限定するものではなく、その他、ロー
タリーキルンやロータリードライヤ等を使用できる。さ
らに天日干し等による乾燥処理に代えてもよい。
【0012】貝殻の処理方法 次に、上記構成の処理設備を用いて、貝殻の処理方法に
ついて述べる。貝殻としては、牡蠣,ホタテガイ等のい
ろんな貝殻に適用できる。貝類の養殖で大量に廃棄され
るこれらの貝殻には、実を取り除いた後も、貝柱,内転
筋,閉殻筋痕,外套膜等の肉質部分が貝殻に強力に付着
して残っている。貝殻αの加熱油液20への浸漬によっ
て該貝殻に付着していた肉質が短時間で黒焦げになって
カーボン化し炭化物となる。
【0013】本実施形態では、牡蠣を用いた貝殻αにつ
いて説明する。まず、上蓋1bを開け、ここから所定量
の貝殻αを処理槽1内に充填する。しかる後、上蓋1b
を閉じ、熱交換器によって所定温度(ここでは200℃
〜350℃)に加熱した油液20を処理槽1内へ循環供
給して、貝殻αを油液20に浸漬させる。図1はこの状
態を示す。高温の油液20は熱媒となって貝殻αに直接
熱を付与し貝殻に付く肉質を熱的変性させ、短時間で炭
化させていく。肉質αの炭化に要する時間は、貝殻αや
これに付着する肉質の大きさや油液温度に左右される。
それでも、貝殻αを270℃の油液20に浸漬した場合
は、ものの数十分で貝殻αに付着していた牡蠣の肉質が
黒変炭化する。炭化物になると、もはや貝殻αに付着す
る力はなくなり、手で触るだけでも簡単に貝殻から取り
除くことができる。
【0014】貝殻αに付く肉質の炭化が終ったら、処理
槽1内の油液20を抜く。配管24を使って油液20を
油液供給源23に戻す。
【0015】その後、貝殻表面に残っている油液20を
分離除去するために、固液分離装置3にかける。肉質を
炭化物とした後は、バルブ12を開にして貝殻αと共に
油液20を配管31を経て固液分離装置3へと導く。固
液分離装置3で分離した油液20は油液供給源23へ戻
す。油液20を取り除いた貝殻αは、その後、乾燥処理
を行う。乾燥装置4にかけることによって、より完全に
貝殻αから油液20を取り除き再利用可能な貝殻αが出
来上がる。
【0016】効果 このように構成した貝殻の処理設備および貝殻の処理方
法によれば、貝殻に強力に付着する内転筋等の肉質があ
っても、これを炭化させることにより容易に除去でき
る。洗浄等ではなかなか取り除くことができなかった従
来の問題を難なく解決する。そして、本発明では、高温
に加熱した油液に貝殻αを沈めるので、処理槽1に充填
される貝殻αをくまなく均等加熱できる。燃焼などによ
れば蛋白質を主成分とする肉質の部分的な生焼け状態が
残り、これが腐敗臭を漂わすことがあるが、斯る事態を
招く虞れはない。貝殻αに付着していた肉質は全域に亘
って均等加熱され、ほぼ同じ時間に炭化処理がなされて
いく。また、燃焼処理と違い、液体に沈める方法をとる
ため、完全燃焼させるためのガス空間を必要とせず、貝
殻αを大量に処理槽に密度の高い状態で入れても処理が
可能である。装置を大掛りにせずに一度に大量処理がで
きる。加えて、浸漬により加熱油液20が貝殻αに直か
に接して熱移動が行われるので、熱効率が極めて良い。
また、加熱油液20は油であり、水を沸騰させたお湯等
と異なり、高温状態とすることができるので、肉質のカ
ーボン化が容易で、且つ温度差を大きくとって熱移動速
度を大にし、極く短時間で肉質を炭化処理できる。そし
て、貝殻に強力に付着していた肉質でも、炭化物になる
と付着力がなくなり貝殻から簡単に分離除去できる。肉
質の炭化処理に用いた油液は、固液分離装置3や乾燥装
置4或いは乾燥処理によって気化させ、貝殻αから容易
に取り除くことが出来る。分離除去された貝殻αには肉
質部分がなく、もはや、そのまま放置しても腐敗臭を発
しない。悪臭対策としても威力を発揮する。斯る貝殻は
カルシウム分を多く含み、破砕して肥料,飼料等に供す
ることができ、資源の再利用に有効化を図れる。牡蠣の
場合は、石灰分を多く含み(アルカリ分48%)且つ脆
くて砕け易いことから、破砕,微粒化が簡単で再利用化
が一層し易くなっている。化学肥料と異なり、作物の生
育肥料として好適となる。該貝殻を飼料に利用して、貝
殻に炭化物が万一混ざっても炭化物はカーボン化してお
り、家畜等の発癌性物質とはならない。尚、必要に応じ
て、炭化処理後に振動機器等で貝殻から炭化物を分離除
去するのもよい。
【0017】(2)実施形態2 本実施形態は図2のような貝殻の処理設備になってい
る。槽本体1aの下部内壁にリング状の支持板14を固
着し、これに槽本体内に出し入れ可能な網状のカゴ91
が支持される。カゴ91内に処理しようとする貝殻αを
詰めて肉質の炭化処理し作業性を向上させる。また、油
液供給装置2は、熱交換器21によって150℃〜35
0℃に昇温された油液20がポンプ22により処理槽上
部のノズル15に導かれ、処理槽内へ供給される。熱媒
体たる油液20は収納カゴ91に入った貝殻αに直接熱
を与えた後、処理槽下部のノズル13から抜き取られ、
再び熱交換器21で昇温した油液20がポンプ22によ
って処理槽1へ循環供給される。
【0018】乾燥装置4は、熱交換器41によって昇
温,乾燥させた熱風をブロア42でガス供給口16から
処理槽1内に送り込む。処理槽内で熱風が貝殻αを乾か
し、油液20は支持板14を通って槽本体下部に落下
し、一部が熱風に同伴する。処理槽1内に送り込まれた
熱風は、ガス排出口17から処理槽1外へ出て、ダクト
43を循環して熱交換器41で再び熱を授受し、ブロア
42を経て処理槽1内に送り込まれて再度貝殻αを乾か
していく。熱風の一部は分岐ダクト51から抜き取られ
る。抜き取られた熱風は図示しないサイクロンで油分等
を取り除いた後、必要に応じて設置される洗浄装置で浄
化され清浄ガスとして排出される。他の構成は実施形態
1と同様で、その説明を省略する。実施形態1と同一符
号は同一または相当部分を示す。
【0019】貝殻の処理方法は、まず、所定量の貝殻α
を収納カゴ91に入れ、これを上蓋1bを開けて処理槽
1内に充填する。しかる後、上蓋1bを閉じ、熱交換器
によって所定温度に加熱した油液20を処理槽1内へ循
環供給して、貝殻αを油液20に浸漬させる。高温の油
液20は熱媒となって貝殻αに直接熱を付与しこれに付
着する肉質を熱的変性させ、炭化させていく。肉質の炭
化を終えたら、バルブ12を開け、処理槽1内の油液2
0を抜く。配管24を使って油液20を抜いてもよい。
油液20は油液供給源23に戻される。 その後、処理
槽1内に貝殻αを載置したまま乾燥処理を行う。熱交換
器31で昇温,乾燥させた熱風をブロア32を使ってガ
ス供給口16より処理槽1内へ送り込む。この乾燥操作
によって、貝殻αに付着した油液20は取り除かれ、油
滴となって槽下部に落下する。また、一部は熱風に同伴
して取り除かれる。熱風はダクト33により循環される
が、一部は抜出してサイクロンで油分等を取り除き、必
要に応じ湿式集塵機で肉質から分解,気化した悪臭ガス
をガス吸収し、清浄ガスとして排出する。そして、抜き
取った相当分を補給ダク44トから補充して乾燥処理を
継続する。こうして、乾燥を終えた貝殻αは、上蓋1b
を開け、収納カゴ91を取り上げて処理槽1外へ取り出
される。この貝殻αには、蛋白質成分の肉質が炭化物に
なってきれいに除去されている。この貝殻を破砕すれ
ば、実施形態1と同様肥料や飼料等に再利用できる。肉
質は既に炭化物として変化除去されているため、炭化物
をわざわざ貝殻αから分離させなくても悪臭は発しな
い。このように構成した貝殻の処理設備および貝殻の処
理方法も実施形態1と同じ作用,効果を得る。
【0020】尚、本発明においては、前記実施形態に示
すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で
種々変更できる。処理槽1,油液供給装置2,固液分離
装置3,乾燥装置4等の形状,大きさ,機種等は用途に
合わせて適宜選択できる。
【0021】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の貝殻の処理設備
および貝殻の処理方法は、実を採った貝殻に残る肉質を
簡易な処理設備を用いてきれいに変化,除去させ、しか
も大量処理が一度に可能になるなど極めて有益となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の貝殻の処理設備の全体図である。
【図2】実施形態2の貝殻の処理設備の全体図である。
【符号の説明】
1 処理槽 2 油液供給装置 20 油液 α 貝殻
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−122629(JP,A) 特開 昭50−36664(JP,A) 特開 平5−138148(JP,A) 特開 平11−319772(JP,A) 特開 平2−295473(JP,A) 特開 平3−35762(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 - 5/00 C05F 11/00 A23K 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有して、該開口部より貝殻を投
    入できる処理槽(1)と、該処理槽内に充填された貝殻
    へ加熱した油液を供給し得る油液供給装置(2)と、を
    具備することを特徴とする貝殻の処理設備。
  2. 【請求項2】 貝殻を加熱状態にある油液に浸漬して該
    貝殻に付着する肉質を炭化させた後、該油液を貝殻から
    取り除くことを特徴とする貝殻の処理方法。
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